| 【発明の名称】 |
内視鏡用処置具 |
| 【発明者】 |
【氏名】鈴木 孝之
|
| 【要約】 |
【課題】本発明は、簡単な操作で所望の深さの生体組織を安全に採取可能で、かつ処置具の軸線と平行、または斜めからのアプローチでも容易に生体組織の採取が可能な内視鏡用処置具を提供することを最も主要な特徴とする。
【解決手段】内側チューブ11と、外側チューブ10とを備えたシース9を挿入部2に設け、内側チューブ11の基端部に吸引手段6を連結するとともに、採取手段13に内側チューブ11内からの吸引力によって生体組織を吸引する先端ユニット15を設け、内側チューブ11と外側チューブ10との軸心方向の相対移動動作にともない刃部24b,25bを開閉動作させて先端ユニット15に吸引された生体組織Hの切除動作を行うようにしたものである。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 内視鏡の処置具用チャンネル内を通して体内に挿入される挿入部の基端部に手元側の操作部が配設され、前記操作部の操作にともない体内の生体組織の一部を採取する採取手段が前記挿入部の先端部に配設された内視鏡用処置具において、内側チューブと、この内側チューブに対して軸方向に進退自在に設けられた外側チューブとを備えたシースを前記挿入部に設け、前記内側チューブの基端部に吸引力を発生させる吸引手段を連結するとともに、前記内側チューブの先端部に配設され、前記内側チューブ内からの吸引力によって生体組織を吸引する先端ユニットと、前記内側チューブと前記外側チューブとの軸心方向の相対移動動作にともない前記先端ユニットに吸引された生体組織の切除動作を行う切除手段とを前記採取手段に設けたことを特徴とする内視鏡用処置具。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は経内視鏡的に体内に挿入され、生体組織を連続的に切除して、複数の生体組織標本を回収する内視鏡用処置具に関する。 【0002】 【従来の技術】一般に、生体組織を採取する処置具として、例えば国際特許WO95/08291号公報に開示されている構成のものがある(図24(A),(B)参照)。この処置具aには、内視鏡に挿入可能な可撓性外側シースbと、外側シースbの内部に挿通された内側シースcとが設けられている。 【0003】さらに、内側シースcの先端部には前向きの開口部dが形成されている。また、外側シースbの先端には生体組織pを切除するための切除手段eが設けられている。この切除手段eは外側シースbの先端部を閉じる方向に付勢されている。そして、生体組織pを切除する際にはこの切除手段eは内側シースcの先端開口部dを横断するように作用するようになっている。 【0004】また、内側シースcの内部には切除された生体組織p1 ,p2 ,p3 ,p4 を移動操作するための押圧用のリトラクタfが内側シースcの軸方向に移動可能に設けられている。 【0005】そして、処置具aの使用時にはこの処置具aを内視鏡の鉗子チャンネルに挿入し、目的の生体組織pの近傍まで導く。この状態で、図24(B)に示すように内側シースcを外側シースbの先端部から突出させ、生体組織pを内側シースcの開口部dの内部に押し込む。 【0006】この後、内側シースcを軸方向に移動して外側シースbの内部に引き込むことにより、外側シースbの先端部を閉じるように付勢された切除手段eが生体組織pを切除するようになっている。さらに、ここで切除された生体組織pは内側シースcの内部の組織収納空間gに格納される。そして、生体組織pの切除操作が必要回数繰り返された後、処置具aを内視鏡から抜去し、リトラクタfを開口部dから突出させて複数の切除組織p1 ,p2 ,p3 ,p4 を回収する。 【0007】また、ヨーロッパ特許EP 0,065,054公報には図24(C),(D)に示すように外筒hとこの外筒hの内部に設けられた開閉するアームiと、アームiの先端を直角に曲げることにより形成される切除手段jを有する処置具kが開示されている。ここでは、図24(D)に示すように外筒hの内部にアームiを引き込むことにより切除手段jが生体組織pを切除するようになっている。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、国際特許WO95/08291号公報に開示されている構成では、内側シースcの開口部dを目的部位の生体組織pに穿刺する必要があるので、所望の深さの生体組織pを採取することが困難であり、かつその操作は煩雑となる。 【0009】さらに、内側シースcの開口部dを目的部位の生体組織pに穿刺するために、内側シースcの先端は非常に鋭利とする必要があるので、体内を傷つけやすく、取り扱いが難しい問題がある。 【0010】また、ヨーロッパ特許EP 0,065,054号公報に開示されている構成では、処置具の外筒hの軸線と直角に生体組織pが当たる場合には生体組織pの採取が容易であるが、外筒hの軸線と平行、または斜めに生体組織pが当たる場合には処置具の側面に歯が存在しないため、生体組織pの採取が困難なものとなる問題がある。 【0011】本発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的は、簡単な操作で所望の深さの生体組織を安全に採取可能で、かつ処置具の軸線と平行、または斜めからのアプローチでも容易に生体組織の採取が可能な内視鏡用処置具を提供することにある。 【0012】 【課題を解決するための手段】本発明は内視鏡の処置具用チャンネル内を通して体内に挿入される挿入部の基端部に手元側の操作部が配設され、前記操作部の操作にともない体内の生体組織の一部を採取する採取手段が前記挿入部の先端部に配設された内視鏡用処置具において、内側チューブと、この内側チューブに対して軸方向に進退自在に設けられた外側チューブとを備えたシースを前記挿入部に設け、前記内側チューブの基端部に吸引力を発生させる吸引手段を連結するとともに、前記内側チューブの先端部に配設され、前記内側チューブ内からの吸引力によって生体組織を吸引する先端ユニットと、前記内側チューブと前記外側チューブとの軸心方向の相対移動動作にともない前記先端ユニットに吸引された生体組織の切除動作を行う切除手段とを前記採取手段に設けたことを特徴とする内視鏡用処置具である。そして、内視鏡用処置具の使用時には内視鏡の処置具用チャンネルを通して内視鏡用処置具の挿入部を患者の体内に挿入し、目標の生体組織の表面に内側チューブの先端ユニットの開口部を当接させる。この状態で、吸引手段を作動させ、開口部から内側チューブの先端ユニットの内部に生体組織を吸引する。このとき、吸引手段によって発生した陰圧により、処置具の軸線と平行または斜めのアプローチであっても生体組織は内側チューブの先端ユニットの内部に吸引される。そのまま内側チューブを軸方向に作動させ、吸引された生体組織をこのときの内側チューブの動作に連動させて切除手段により切除するようにしたものである。 【0013】 【発明の実施の形態】以下、本発明の第1の実施の形態を図1(A)〜(C)乃至図9を参照して説明する。図1(A)は本実施の形態の内視鏡用処置具1を示すものである。この内視鏡用処置具1には、図示しない内視鏡の鉗子チャンネル(処置具用チャンネル)に挿入可能な細長い挿入部2が設けられている。この挿入部2の基端部には手元側の操作部3が固着されている。 【0014】ここで、操作部3の本体4は略円筒状の筒体によって形成されている。この操作部本体4には、挿入部2との連結部側に吸引ポート5が突設されている。この吸引ポート5には外部の吸引手段6の接続チューブ6aが着脱可能に接続可能になっている。なお、吸引手段6としては電動式のポンプ、または手動式のポンプ、ゴム球、または大型の注射筒等が使用可能である。 【0015】また、操作部本体4の基端部側の端縁部には、指をかけるリング7が設けられる。さらに、操作部本体4の吸引ポート5とリング7との間にはスライダ8がこの操作部3に対し軸方向に摺動自在に装着されている。 【0016】また、挿入部2には可撓性を持つ細長いシース9が設けられている。このシース9は可撓性を持ち、処置具1の作動に対して十分な耐久性を持つ素材、例えば図1(B)に示すように密巻きコイル等により構成される外側チューブ10と、その内腔に摺動自在に挿通される内側チューブ11とからなる2重チューブにより構成されている。 【0017】また、内側チューブ11はチューブ全体に亙り気密性を維持可能な素材、例えば四弗化エチレン、ポリエチレン等の樹脂、または超弾性を有する金属素材、等により構成されている。さらに、内側チューブ11の軸心部にはこの内側チューブの全長に亙って、操作ワイヤ12が配設されている。 【0018】また、シース9の先端部には体内の生体組織の一部を採取する採取手段13が配設されている。この採取手段13には、外側チューブ10の先端部に固着された先端パイプ14と、内側チューブ11の先端部に取り外し自在に固着された先端ユニット15とが設けられている。 【0019】また、内側チューブ11の先端部には、ワイヤ継ぎ手16が固定されている。このワイヤ継ぎ手16の基端部には操作ワイヤ12の先端部が固着されている。さらに、ワイヤ継ぎ手16の先端部には吸引パイプ17の基端部が固着されている。ここで、ワイヤ継ぎ手16には吸引パイプ17との連結部の後方に吸引パイプ17の内腔と内側チューブ11の内腔との間を連通する連通口18が形成されている。なお、先端パイプ14、ワイヤ継ぎ手16、吸引パイプ17はステンレス鋼等の金属素材、または例えばポリサルフォン、ポリフェニルサルフォン、ポリカーボネート等の樹脂素材により構成されている。 【0020】また、図2に示すように吸引パイプ17の先端は斜めにカットされ、軸方向に長径を持つ略楕円形状の楕円形開口部19が形成されている。さらに、楕円形開口部19の手元側側面には複数の側口部20が形成されている。 【0021】また、ワイヤ継ぎ手16における吸引パイプ17の取り付け部の外周面には先端ユニット15の基端部が着脱可能に取付けられる雄ねじ部21が設けられている。 【0022】さらに、先端ユニット15には収納チューブ22が設けられている。この収納チューブ22の内部には採取した生体組織の切除片の収納空間22aが形成されている。 【0023】また、収納チューブ22の基端部には略円筒状の連結部23が連結されている。この連結部23の後端部にはワイヤ継ぎ手16の雄ねじ部21と螺合するねじ穴部23aが形成されている。 【0024】また、収納チューブ22は図1(C)に示すように断面形状が略長円形状に形成されている。そして、この収納チューブ22の偏平部の上下には一対の鉗子24,25が離間対向配置されている。これらの鉗子24,25は弾性を有し、また刃物として十分な切れ味を有するステンレスバネ鋼材、ニッケル−チタニウム合金等の超弾性合金、またはABS樹脂、ポリカーボネート等、硬質の樹脂で形成することも可能である。 【0025】また、上下の各鉗子24,25には直線状の弾性アーム24a,25aが設けられている。各弾性アーム24a,25aの基端部は連結部23の外周面にロー付け、スポット溶接、カシメ、螺子止め、接着等により固着されている。 【0026】また、各弾性アーム24a,25aの先端部は収納チューブ22の前方に延出され、この延出部が内方向に直角に曲げられて先端の刃部(切除手段)24b,25bが形成されている。図4に示すように刃部24b,25bにはそれぞれの接触面に複数の鋸状突起24c,25cが形成され、それ以外の周面には略球状の球状部24d,25dが形成されている。さらに、鋸状突起24c,25cの端面には鋭いエッジ部24e,25eが形成されている。 【0027】また、弾性アーム24a,25aは予め先端の刃部24b,25b側が処置具1の中心軸線から離れる方向に付勢されている。なお、弾性アーム24a,25aを一体に加工し、収納チューブ22の外部に装着する構成にしてもよい。 【0028】さらに、鉗子24,25は前記素材の板材からフォトエッチング、または放電ワイヤカット加工等により切り出しを行い、プレス等による塑性2次加工で成形することにより、安価で大量な生産が可能となる。 【0029】また、先端ユニット15には収納チューブ22の基端部の連結部23と鉗子24,25の各弾性アーム24a,25aの基端部との固定部の外側にOリング等のシール部材26が装着されている。 【0030】さらに、収納チューブ22の先端部には略リング状の先枠27が装着されている。この先枠27は収納チューブ22の外径寸法よりも一段外径が大きく形成されており、その外径は先端パイプ14の外径寸法と面一に設定されている。 【0031】また、先枠27の先端部外周面には滑らかな略球状の球状部27aが形成されている。この球状部27aには鉗子24,25の各弾性アーム24a,25aが嵌入する切り欠き部27b,27cがそれぞれ形成されている。 【0032】なお、先枠27の先端開口部27dは収納チューブ22の収納空間22aと連通されている。ここで、先枠27の先端開口部27dは切り欠き部27b,27cとの干渉を避けるように楕円形状となっている。さらに、この先枠27の先端開口部27dと収納チューブ22の収納空間22aとの間の連通部分では収納空間22a側から開口部27d側に向けて開口面積が徐々に広がるように形成されている。また、収納チューブ22および先枠27はステンレス鋼等の金属素材、またはポリサルフォン、ポリフェニルサルフォン、ポリカーボネート等の樹脂素材により構成されている。なお、これらは複雑な形状のため、射出成形等の方法を用いて一体に成形加工を行うことも可能である。 【0033】さらに、鉗子24,25の各弾性アーム24a,25aを含めた先端ユニット15の外径寸法は先端パイプ14の内径寸法よりも小さくなるように設定されている。そして、先端ユニット15は鉗子24,25の各弾性アーム24a,25aとともに先端パイプ14の内部に収納可能になっている。 【0034】また、外側チューブ10の基端部は操作部3の本体4の先端部に固着されている。さらに、内側チューブ11および操作ワイヤ12の基端部は操作部3の内部でスライダ8に固着されている。 【0035】そして、操作部3に対しスライダ8が軸方向に移動する動作にともない外側チューブ10に対して内側チューブ11および操作ワイヤ12が処置具1の中心軸線に沿ってスライダ8の移動方向と同方向に移動するようになっている。このときの外側チューブ10に対する内側チューブ11および操作ワイヤ12の軸方向の移動動作にともない鉗子24,25の上下の刃部24b,25b間が開閉駆動され、上下の刃部24b,25b間に存在する生体組織を切除するようになっている。 【0036】すなわち、操作部3に対しスライダ8が手元側(後端側)に移動する動作時には、内側チューブ11および操作ワイヤ12を介して先端ユニット15が鉗子24,25の各弾性アーム24a,25aとともに先端パイプ14内に収納されるようになっている。このとき、弾性アーム24a,25aの付勢力に抗して弾性アーム24a,25aは処置具1の中心軸線に近づく方向に弾性変形するようになっている。その際、各鉗子24,25の刃部24b,25bのエッジ部24e,25eは先枠27における開口部27dの周縁部位の端面に擦り合わさりながら開口部27dの周縁部位の端面上を移動する。そして、先端パイプ14の先端が先枠27の後端に突き当たる位置まで移動した時点で、エッジ部24e,25e同士が当接するようになっている。このとき、上下の刃部24b,25b間にはこれらの間に存在する生体組織を切除するのに十分な切断力が印加されるようになっている。 【0037】また、図3(A),(B)に示すように操作部本体4の内周面には3つのOリング28a,28b,28cが嵌着されている。これらの3つのOリング28a,28b,28cは処置具1の中心軸線に沿ってそれぞれ適宜の間隔を存して並設されている。 【0038】さらに、これらの3つのOリング28a,28b,28cの内周面は内側チューブ11の外周面に摺接されている。そして、Oリング28a,28b間に第1の気密室29、Oリング28b,28c間に第2の気密室30がそれぞれ形成されている。ここで、第1の気密室29は操作部3の吸引ポート5に連通されている。 【0039】また、内側チューブ11の基端部付近には吸引孔31が設けられている。この内側チューブ11の吸引孔31の位置は操作部3のスライダ8の前後方向への移動動作にともない図3(A)に示す第1の位置と、図3(B)に示す第2の位置とに切換えられるようになっている。 【0040】すなわち、スライダ8が前進方向の移動限位置まで移動した状態では図3(A)に示す第1の位置で保持され、この第1の位置では内側チューブ11の吸引孔31は第1の気密室29に連通されるようになっている。このとき、図4に示すように先端パイプ14から先端ユニット15が露出した状態で保持されるようになっている。 【0041】さらに、スライダ8が後退方向の移動限位置まで移動した状態では内側チューブ11の吸引孔31は図3(B)に示す第2の位置に移動され、この第2の位置では内側チューブ11の吸引孔31は第2の気密室30に連通されるようになっている。このとき、図5に示すように先端パイプ14内に先端ユニット15が収納されるようになっている。 【0042】また、本実施の形態では内視鏡用処置具1とは別に、図8に示す回収用治具32が用意されている。この回収用治具32は内側チューブ11の先端部から先端ユニット15を取り外した状態でこの先端ユニット15の収納チューブ22内から採取された生体組織の切除片を回収するものである。 【0043】この回収用治具32は平板状のベースプレート33と、このベースプレート33上に突設された複数、本実施の形態では6つの棒状の突起34a〜34fとによって構成されている。ここで、6つの突起34a〜34fは取り外された先端ユニット15の収納チューブ22に挿入可能な大きさに形成されている。さらに、6つの突起34a〜34fの長さは段階的に変えられており、最短の突起34aで1〜3mm程度、最長の突起34fで先端ユニット15と同等の長さ程度に設定されている。 【0044】次に、上記構成の作用について説明する。本実施の形態の内視鏡用処置具1の使用時には予め操作部3の吸引ポート5に外部の吸引手段6の接続チューブ6aを接続し、この吸引手段6を作動させておく。この状態で、スライダ8を手元側に引いて図5に示すように先端ユニット15を先端パイプ14に収納し、鉗子24,25を閉じる。このとき、内側チューブ11の吸引孔31は図3(B)に示す第2の位置に移動され、この第2の位置では内側チューブ11の吸引孔31は第2の気密室30に連通される。そのため、この状態では陰圧(吸引手段6からの吸引力)は内側チューブ11内に印加されない状態で保持される。 【0045】また、このとき先端パイプ14の先端部は先枠27の基端部に突き当てられた状態で保持される。そして、この状態で、挿入部2が内視鏡の鉗子チャンネルを通して患者の体内に挿入される。 【0046】この挿入部2の挿入作業中、内視鏡下で観察しながら、内視鏡または内視鏡用処置具1を動かして挿入部2の先端の採取手段13を目標の粘膜Hの位置まで誘導する。さらに、目標の粘膜Hの位置に到達した時点で、スライダ8を先端側に移動して、図4に示すように先端ユニット15を先端パイプ14から突き出し、鉗子24,25を開く。このとき、同時に内側チューブ11の吸引孔31は図3(A)に示す第1の位置に移動される。この第1の位置では内側チューブ11の吸引孔31は第1の気密室29に連通されるので、この状態で陰圧(吸引手段6からの吸引力)は内側チューブ11内に印加される。 【0047】この状態で、続いて先端ユニット15の先枠27の開口部27dを目標粘膜Hに当接させ、図6(A)に示すように粘膜Hを先枠27の開口部27dの内部に吸引する。 【0048】さらに、このままの状態で、スライダ8を手元側に引張り操作する。この操作にともない先端ユニット15を先端パイプ14に収納し、鉗子24,25を閉じる。この際、先枠27の開口部27d内に吸引されている粘膜Hは刃部24b,25bにより切除され、図6(B)に示すようにその切除片Haは先枠27の開口部27dの近傍位置に挿入される。このとき、同時に図3(B)に示すように内側チューブ11の吸引孔31が第2の気密室30に連通される位置まで移動するため、内側チューブ11内に印加されていた陰圧はカットオフされる。 【0049】続けて、内視鏡または内視鏡用処置具1を操作して挿入部2の先端の採取手段13を次の目標粘膜Hの位置に誘導する。さらに、次の目標の粘膜Hの位置に到達した時点で、スライダ8を先端側に移動して、先端ユニット15を先端パイプ14から突き出し、鉗子24,25を開く。このとき、同時に内側チューブ11の吸引孔31は図3(A)に示す第1の位置に移動される。 【0050】この第1の位置では内側チューブ11の吸引孔31は第1の気密室29に連通されるので、この状態で陰圧(吸引手段6からの吸引力)は内側チューブ11内に印加される。このとき、内側チューブ11内に印加される陰圧によって先枠27の開口部27dの近傍位置の第1の切除片Haは収納チューブ22の内部まで移動し、図6(C)に示すように吸引パイプ17の斜めの楕円形開口部19の後端部に吸着される。これにより、楕円形開口部19は切除片Haによって一部が塞がれるが、陰圧は吸引パイプ17の側口部20を経由した別のルートから先枠27の開口部27dに印加される。 【0051】この状態で、続いて先端ユニット15の先枠27の開口部27dを次の目標粘膜Hに当接させ、1回目と同様に次の目標粘膜Hを先枠27の開口部27dの内部に吸引する。 【0052】さらに、このままの状態で、1回目と同様にスライダ8を手元側に引張り操作して2回目の目標粘膜Hを切除する。その後、同様の操作を必要回数繰り返すことにより、2回目以降の切除片Hbは1回目の切除片Haよりも前方位置側に順次配置される状態で吸着され、収納チューブ22の収納空間22aの内部に収納される。なお、収納チューブ22の収納空間22aの内部に収納される切除片Ha,Hb,…の数は収納空間22a内が複数の切除片Ha,Hb,…により完全に充填され、陰圧が開口部27dに印加されなくなるまで可能である。 【0053】また、所望の数の切除片Ha,Hb,…を採取後、内視鏡用処置具1を鉗子チャンネルから抜去する。その後、吸引手段6を吸引ポート5から外し、スライダ8を先端側に移動して先端ユニット15を先端パイプ14から突き出す。この状態で、先端ユニット15を捻じり、図7に示すようにワイヤ継ぎ手16の雄ねじ部21から先端ユニット15のねじ穴部23aを外し、先端ユニット15を内側チューブ11の先端部から取り外す。 【0054】また、先端ユニット15を内側チューブ11の先端部から取り外した後、図8の回収用治具32を使用して収納チューブ22の収納空間22aの内部に収納されている複数の切除片Ha,Hb,…を回収する作業が行われる。この切除片回収の方法は次の通りである。 【0055】すなわち、まず回収用治具32の最も短い突起34aを先端ユニット15の先枠27の開口部27dに挿通する。これにより、図9に示すように最初に採取した第1の切除片Haが先端ユニット15の収納チューブ22の後端部側から押し出される。これに第1の濾紙35aをあてがい、第1の切除片Haを吸着させて回収する。 【0056】続いて、次に長い突起34bを先端ユニット15の先枠27の開口部27dに挿通し、次の第2の切除片Hbを先端ユニット15の収納チューブ22の後端部側から押し出したのち、第2の濾紙35bに同様に吸着させて回収する。 【0057】さらに、このように濾紙に切除片を吸着させて回収する前記回収操作を切除片Ha,Hb,…の採取回数だけ繰り返すことにより、複数採取された切除片Ha,Hb,…が採取順序の通りに順次回収される。 【0058】そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態では内視鏡用処置具1の使用時には予め吸引手段6を作動させた状態で、内視鏡の鉗子チャンネルを通して内視鏡用処置具1の挿入部2を患者の体内に挿入し、内側チューブ11の先端に連結させた先端ユニット15の先枠27の開口部27dを目標粘膜Hに当接させる。これにより、先端ユニット15の先枠27の開口部27dから収納チューブ22の内部に生体組織(粘膜H)を吸引させて固定させることができる。そのため、先端ユニット15の先枠27の開口部27dの周縁部位に従来のように粘膜Hを穿刺して固定する針などを設ける必要が無く、先枠27を鋭利に形成する必要がないため、体内を傷つけることなく、安全な生体組織の採取が可能となる。 【0059】さらに、先端ユニット15の先枠27が生体組織(粘膜H)に対して処置具1の中心軸線と平行または斜めの方向からアプローチする場合であっても吸引手段6によって発生した陰圧により、先端ユニット15の収納チューブ22の内部に生体組織(粘膜H)を確実に吸引させることができる。そのため、処置具1の中心軸線に平行、または斜めに粘膜Hが当接する場合でも、先端ユニット15の収納チューブ22の内部に生体組織(粘膜H)を吸引させて固定することができるので、確実に、目的の生体組織(粘膜H)の切除ができる効果がある。 【0060】また、基端部に吸引手段6が接続された内側チューブ11の先端部の先端ユニット15に開閉動作を行う鉗子24,25を固着させ、スライダ8の操作にともないこれらを外側チューブ10に対して一体となって摺動させるようにしたので、先端ユニット15の先枠27の開口部27dを目標粘膜Hに当接させ、粘膜Hを先端ユニット15の開口部27d内に吸引させた状態でスライダ8を操作するだけで、各鉗子24,25の刃部24b,25bにより確実に目標粘膜Hを切除することができる。そのため、簡単な操作で所望の深さの生体組織(粘膜H)を安全に採取することができる。 【0061】また、本実施の形態では先端ユニット15の先端に固着された先枠27及び鉗子24,25の刃部24b,25bのそれぞれの先端部外周面には滑らかな略球状の球状部24d,25d,27aが形成されているため、内視鏡用処置具1の挿入部2を内視鏡の鉗子チャンネルに挿入したとき、または患者の体内での操作中に鉗子チャンネルや、体内を傷つける虞が無い。 【0062】さらに、先枠27の外径寸法と先端パイプ14の外径寸法とが面一に形成されており、先枠27がストッパとなるため、スライダ8を手元側に引いた時に先端ユニット15が先端パイプ14の内部に過剰に引き込まれるおそれがない。そのため、鉗子24,25が先端パイプ14の内面に食い込んだ状態で強固に係止され、作動不能となる虞がない。 【0063】また、先枠27の先端開口部27dが略楕円形状の偏平形状に形成されているので、鉗子24,25の弾性アーム24a,25aとの干渉を避けながら、開口部27dの面積を大きく確保することができる。これにより大きな生体組織の検体を採取することが可能となる。 【0064】さらに、内側チューブ11に操作ワイヤ12が併設され、操作部3のスライダ8の操作時には内側チューブ11と操作ワイヤ12とが一体となって進退するため、内側チューブ11に伸び、座屈の発生する虞がない。 【0065】また、先端ユニット15における収納チューブ22の収納空間22a内に楕円形開口部19、側口部20を有する吸引パイプ17を配設したので、収納空間22a内に複数の切除片Ha,Hb,…を収納しても、側口部20を経由した吸引ルートが確保されるため、切除片Ha,Hb,…の詰まりによる陰圧の喪失、或いは低下を防ぐことができる。 【0066】また、収納チューブ22およびその収納空間22aを断面形状が略長円形状となるように形成したので、この収納チューブ22の偏平部の上下に一対の鉗子24,25の弾性アーム24a,25aを収めるスペースを確保しながら、円形断面に比較して大きな開口面積を得ることができる。これにより、収納チューブ22の収納空間22a内への切除片Ha,Hb,…の詰まりを防止できる。 【0067】また、ワイヤ継ぎ手16の雄ねじ部21と先端ユニット15のねじ穴部23aとの間の螺合部によって先端ユニット15が内側チューブ11から取り外し自在に連結されているため、リトラクタ等の独立可動部材を内側チューブ11内に設置しなくとも、切除片Ha,Hb,…の回収が容易となる。 【0068】また、鉗子24,25を閉じたときに刃部24b,25bが先枠27の先端開口部27dを完全に閉塞するので、粘膜Hの切り残しが無く、粘膜Hの引き千切りのない、切れ味の良い切除が可能となる。 【0069】さらに、鉗子24,25の刃部24b,25bが平面であることにより、粘膜Hへの食いつきが良く、切れ味の良い切除が可能となる。また、鉗子24,25全体を、弾性を有する金属または樹脂の板材の単純曲げ加工によって製作可能であるため、製造が簡単で、コストを低減できるという効果がある。 【0070】また、鉗子24,25の刃部24b,25bが接触することにより、押し切りにより粘膜Hを確実に切除可能である。さらに、刃部24b,25bが開口部27dの端面と擦り合わさりながら移動することにより、粘膜Hを刃部24b,25bと開口部27dの端面との間に挟むことがないので、切れ味の良い切除が可能となる。 【0071】また、刃部24b,25bの先端に鋸状突起24c,25cが存在するため、切除時に粘膜Hが滑り、逃げることがない。そのため、生体組織を確実に切除することが可能である。 【0072】また、本実施の形態では鉗子24,25が開き、開口部27dが開口状態の時に自動的に内側チューブ11内に陰圧が印加される。そのため、スライダ8の進退操作のみで必要なときのみに陰圧の印加ができるので、吸引手段6のON/OFFスイッチを別に操作する必要がなく、操作が単純となる。さらに、必要時以外は陰圧の印加、収納空間22a内の空気流通が遮断されるため、切除片Ha,Hb,…の乾燥を防ぐことができる。 【0073】また、図10(A),(B)は本発明の第2の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1(A)〜(C)乃至図9参照)の内視鏡用処置具1の構成の一部を次の通り変更したものである。なお、図10(A),(B)は本実施の形態の要部構成を示すもので、同図中、第1の実施の形態と同様の構成については同一の符号を付し、ここではその説明は省略する。 【0074】すなわち、本実施の形態では先端ユニット15の先枠27の先端部に先端ユニット15の軸心方向と直交する方向に対して斜めに傾斜させた傾斜面41を形成するとともに、開口部27dは楕円形状となっている。 【0075】さらに、本実施の形態では収納チューブ22の偏平部の上側の1つの鉗子42のみが設けられている。この鉗子42には直線状の弾性アーム42aが設けられている。この弾性アーム42aの基端部は連結部23の外周面にロー付け、スポット溶接、カシメ、螺子止め、接着等により固着されている。 【0076】また、弾性アーム42aの先端部は収納チューブ22の先枠27の前方に延出され、この延出部が内方向に向けて曲げられて先端の刃部(切除手段)42bが形成されている。ここで、図10(A)に示すように弾性アーム42aは予め先端の刃部42b側が処置具1の中心軸線から離れる方向に付勢されている。さらに、鉗子42の刃部42bは弾性アーム42aによって先枠27の傾斜面41に対して接離可能に支持されている。 【0077】そして、本実施の形態では操作部3のスライダ8を手元側に引くことにより、先端ユニット15が先端パイプ14内に引き込まれる。このとき、図10(B)に示すように鉗子42の刃部42bが先枠27の傾斜面41の開口部27dを完全に閉塞し、粘膜Hを切除する。 【0078】そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態では先端ユニット15の先枠27の先端部に斜めの傾斜面41を形成することにより、開口部27dの面積をより大きく取ることができ、より大きな検体の採取が可能となる。 【0079】また、図11は本発明の第3の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1(A)〜(C)乃至図9参照)の内視鏡用処置具1の構成の一部を次の通り変更したものである。なお、図11は本実施の形態の要部構成を示すもので、同図中、第1の実施の形態と同様の構成については同一の符号を付し、ここではその説明は省略する。 【0080】すなわち、本実施の形態では先端ユニット15の基端部側の連結部23に第1の実施の形態のねじ穴部23aの代わりに軸心方向と直交する方向の孔51及びその対角線方向にスリット52がそれぞれ設けられている。 【0081】また、内側チューブ11のワイヤ継ぎ手16には先端ユニット15の孔51及びスリット52とそれぞれ対応する位置に係合突起53a,53bが設けられている。 【0082】そして、本実施の形態では切除片Ha,Hb…の回収時には、図11に示すように先端ユニット15の全体を先端パイプ14から露出させ、孔51を支点として先端ユニット15を傾けることにより、係合突起53bがスリット52から外れ、先端ユニット15がワイヤ継ぎ手16から取り外せる。 【0083】また、先端ユニット15をワイヤ継ぎ手16側に取り付けるときには先端ユニット15を傾けて孔51に一方の係合突起53aを嵌入させ、そのまま他方の係合突起53bをスリット52に挿入する。 【0084】そこで、上記構成のものにあっては第1の実施の形態の先端ユニット15のねじ穴部23aとワイヤ継ぎ手16の雄ねじ部21との間のねじ結合部よりも簡単に、内側チューブ11のワイヤ継ぎ手16と先端ユニット15との間を着脱することができるので、先端ユニット15の迅速な脱着が可能となる効果がある。 【0085】また、図12は本発明の第4の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1(A)〜(C)乃至図9参照)の内視鏡用処置具1の構成の一部を次の通り変更したものである。なお、図12は本実施の形態の要部構成を示すもので、同図中、第1の実施の形態と同様の構成については同一の符号を付し、ここではその説明は省略する。 【0086】すなわち、本実施の形態では先端ユニット15の基端部側の連結部23には後方に向けて複数、本実施の形態では4つのアーム61a〜61dが延設されている。さらに、各アーム61a〜61dの先端部には内方向に向けて突起部62a〜62dがそれぞれ突設されている。 【0087】また、内側チューブ11のワイヤ継ぎ手16には先端ユニット15の複数の突起部62a〜62dとそれぞれ対応する位置に係合孔63a〜63dが設けられている。ここで、各アーム61a〜61dの突起部62a〜62dの外径寸法は先端パイプ14の内径寸法とほぼ同じに設定されている。 【0088】そして、本実施の形態では内側チューブ11のワイヤ継ぎ手16と先端ユニット15との間を着脱する作業は次の通り行われる。まず、複数の切除片Ha,Hb…の回収時には、先端ユニット15が内側チューブ11のワイヤ継ぎ手16から取外される。この先端ユニット15の取外し作業時には先端ユニット15の全体を先端パイプ14から露出させた状態で、先端ユニット15を軸方向に引っ張る。これにより、先端ユニット15の各アーム61a〜61dが径方向外側に変形し、各アーム61a〜61dの突起部62a〜62dがワイヤ継ぎ手16の係合孔63a〜63dから外れ、先端ユニット15が外れる。 【0089】また、先端ユニット15を内側チューブ11のワイヤ継ぎ手16に取り付けるときには先端ユニット15の後端部側をそのままワイヤ継ぎ手16側に向けて軸方向に押し込む。これにより、先端ユニット15の各アーム61a〜61dが径方向外側に変形し、各アーム61a〜61dの突起部62a〜62dがワイヤ継ぎ手16の係合孔63a〜63dと係合する。この状態で、先端ユニット15を先端パイプ14に挿入することにより、各アーム61a〜61dの突起部62a〜62dの外径が先端パイプ14によって規制されるため、作動時に先端ユニット15が軸方向に引っ張られても、先端ユニット15が内側チューブ11のワイヤ継ぎ手16から外れる虞はない。 【0090】そこで、上記構成のものにあっても第3の実施の形態と同様に第1の実施の形態の先端ユニット15のねじ穴部23aとワイヤ継ぎ手16の雄ねじ部21との間のねじ結合部よりも簡単に、内側チューブ11のワイヤ継ぎ手16と先端ユニット15との間を着脱することができるので、先端ユニット15の迅速な脱着が可能となる効果がある。 【0091】また、図13は本発明の第5の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1(A)〜(C)乃至図9参照)の内視鏡用処置具1の吸引パイプ17の構成を次の通り変更したものである。なお、これ以外の部分の構成は第1の実施の形態と同様であり、ここではその説明は省略する。 【0092】すなわち、本実施の形態の吸引パイプ71の先端部にはパイプを縦割りにする状態で、略半円形状の切欠部72が軸方向に適宜の長さに亙り形成されている。そして、この吸引パイプ71の切欠部72の周縁部位に複数の切除片Ha,Hb…を順次積層する切除片収納部が形成されている。 【0093】そこで、上記構成のものにあっては第1の実施の形態の吸引パイプ17のように斜めにカットされ、軸方向に長径を持つ略楕円形状の楕円形開口部19が形成されている場合に比べて広い切除片収納空間が得られ、複数の切除片Ha,Hb…をより多く収納可能である。 【0094】また、図14は本発明の第6の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1(A)〜(C)乃至図9参照)の内視鏡用処置具1の吸引パイプ17の構成を次の通り変更したものである。なお、これ以外の部分の構成は第1の実施の形態と同様であり、ここではその説明は省略する。 【0095】すなわち、本実施の形態では第1の実施の形態の吸引パイプ17に代えて図14に示すようにコイルばね73を使用したものである。ここで、内側チューブ11のワイヤ継ぎ手16の先端部には、本実施の形態のコイルばね73の基端部が固着されている。このコイルばね73の内腔は内側チューブ11の内腔と連通されている。 【0096】そして、本実施の形態では内視鏡用処置具1の使用時には採取された複数の切除片Ha,Hb…はコイルばね73の先端部に順次蓄積されるようになっている。 【0097】そこで、上記構成のものにあっては第1の実施の形態の吸引パイプ17に代えて図14に示すようにコイルばね73を使用したので、第1の実施の形態の吸引パイプ17よりも曲げによる変形、破損の虞が少なく、先端ユニット15を取り外した後の処置具1の取り扱いが容易である。 【0098】また、図15は本発明の第7の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1(A)〜(C)乃至図9参照)の内視鏡用処置具1の吸引パイプ17の部分の構成を次の通り変更したものである。なお、これ以外の部分の構成は第1の実施の形態と同様であり、ここではその説明は省略する。 【0099】すなわち、本実施の形態では先端ユニット15の収納チューブ22における収納空間22a内の偏心位置に吸引パイプ74が配置された状態で固定されている。そして、本実施の形態では内視鏡用処置具1の使用時には採取された複数の切除片Ha,Hb…は収納チューブ22の収納空間22a内における吸引パイプ74を除いた部分に蓄積される。 【0100】そこで、上記構成のものにあっては本実施の形態の吸引パイプ74は先端ユニット15の収納チューブ22における収納空間22a内の偏心位置に配置されているので、第1の実施の形態のように吸引パイプ17を先端ユニット15の収納チューブ22における軸心線上に設置する場合よりも収納チューブ22内に広い収納空間22aを確保することができる。そのため、採取された複数の切除片Ha,Hb…をより多く収納可能である。 【0101】また、図16(A),(B)は本発明の第8の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1(A)〜(C)乃至図9参照)の内視鏡用処置具1の吸引パイプ17の部分の構成を次の通り変更したものである。なお、これ以外の部分の構成は第1の実施の形態と同様であり、ここではその説明は省略する。 【0102】すなわち、本実施の形態では先端ユニット15の収納チューブ22における収納空間22aの内部には図16(A)に示すように第1の実施の形態の吸引パイプ17よりも収納チューブ22内への突出長さが短い吸引パイプ75が設けられている。 【0103】さらに、本実施の形態では図16(B)に示すように収納チューブ22の内周面には収納空間22aの全長に渡ってこの収納チューブ22の軸方向に延設された複数、本実施の形態では4つの溝76a〜76dが形成されている。 【0104】そして、本実施の形態では内視鏡用処置具1の使用時には収納チューブ22の収納空間22a内に採取された複数の切除片Ha,Hb…を格納後、陰圧は内側チューブ11から吸引パイプ75の側孔20及び4つの溝76a〜76dを経由して先枠27の開口部27dに印加される。 【0105】そこで、上記構成のものにあっては本実施の形態の吸引パイプ75が収納空間22a内に突出しないため第1の実施の形態の吸引パイプ17を使用する場合に比べて収納チューブ22の収納空間22a内に広い空間が得られ、切除片Ha,Hb…をより多く収納可能である。 【0106】また、図17は本発明の第9の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第8の実施の形態(図16(A),(B)参照)の内視鏡用処置具1の先端ユニット15の構成の一部をさらに次の通り変更したものである。 【0107】すなわち、本実施の形態では先端ユニット15の収納チューブ22における収納空間22aの内部には第8の実施の形態と同様に第1の実施の形態の吸引パイプ17よりも収納チューブ22内への突出長さが短い吸引パイプ75が設けられている。さらに、本実施の形態では図17に示すように収納チューブ22の内周面には収納空間22aの全長に渡って螺旋状の溝77が形成されている。 【0108】そして、本実施の形態では内視鏡用処置具1の使用時には収納チューブ22の収納空間22a内に採取された複数の切除片Ha,Hb…を格納後、陰圧は内側チューブ11から吸引パイプ75の側孔20及び螺旋状の溝77を経由して先枠27の開口部27dに印加される。 【0109】そこで、上記構成のものにあっては本実施の形態の吸引パイプ75が収納空間22a内に突出しないため第8の実施の形態と同様に第1の実施の形態の吸引パイプ17を使用する場合に比べて収納チューブ22の収納空間22a内に広い空間が得られ、切除片Ha,Hb…をより多く収納可能である。 【0110】また、図18および図19は本発明の第10の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1(A)〜(C)乃至図9参照)の内視鏡用処置具1の構成の一部を次の通り変更したものである。なお、図18および図19は本実施の形態の要部構成を示すもので、同図中、第1の実施の形態と同様の構成については同一の符号を付し、ここではその説明は省略する。 【0111】すなわち、本実施の形態では内側チューブ11のワイヤ継ぎ手16における雄ねじ部21の先端部側に先端ユニット15のねじ穴部23aよりも大きな外径寸法を有するストッパ81が固着されている。 【0112】さらに、ワイヤ継ぎ手16における雄ねじ部21よりも基端部側の部分及び操作ワイヤ12の外径寸法は先端ユニット15のねじ穴部23aの内径寸法よりも小径に設定されている。 【0113】そして、本実施の形態では内視鏡用処置具1によって採取した生体組織の切除片の回収作業時には内視鏡用処置具1を内視鏡の鉗子チャンネルから抜去後、スライダ8を先端側に移動して、先端ユニット15を先端パイプ14から突き出す。この状態で、先端ユニット15を捻じり、ワイヤ継ぎ手16の雄ねじ部21と先端ユニット15のねじ穴部23aとのねじ結合部を外したのち、スライダ8を先端側に移動すると、図19に示すように切除片Ha,Hb…が吸引パイプ17と共に開口部27dから外部側に押し出される。そのため、この状態で、ピンセット、濾紙等を用いて切除片Ha,Hb…を順番に回収する。 【0114】そこで、上記構成の本実施の形態では先端ユニット15を内視鏡用処置具1から取り外すことなく、切除片Ha,Hb…の回収が可能となるので、取り外した先端ユニット15を紛失する虞がない。 【0115】また、ワイヤ継ぎ手16の雄ねじ部21と先端ユニット15のねじ穴部23aとのねじ結合部の脱着により、操作ワイヤ12、吸引パイプ17をリトラクタとして使用することが可能なため、切除片回収のための操作手段を切除手段の操作手段と独立して設ける必要がなく、構造及び操作が簡単になる。 【0116】また、図20(A),(B)は本発明の第11の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1(A)〜(C)乃至図9参照)の内視鏡用処置具1の構成の一部を次の通り変更したものである。なお、図20(A),(B)は本実施の形態の要部構成を示すもので、同図中、第1の実施の形態と同様の構成については同一の符号を付し、ここではその説明は省略する。 【0117】すなわち、本実施の形態では上下の各鉗子24,25の刃部24b,25bのうちのいずれか一方、例えば下側の刃部25bの先端には直線的なエッヂ91が形成され、上側の刃部24bの先端には直線的な平面受け部92が形成されている。 【0118】そこで、上記構成の本実施の形態では上下の各鉗子24,25の刃部24b,25bには第1の実施の形態のような複雑な形状の複数の鋸状突起24c,25cが形成されていないので、刃部24b,25bの加工が容易である。 【0119】また、図21(A),(B)は本発明の第12の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1(A)〜(C)乃至図9参照)の内視鏡用処置具1の構成の一部を次の通り変更したものである。なお、図21(A),(B)は本実施の形態の要部構成を示すもので、同図中、第1の実施の形態と同様の構成については同一の符号を付し、ここではその説明は省略する。 【0120】すなわち、本実施の形態では上下の各鉗子24,25の刃部24b,25bに先枠27の先端開口部27dの前方位置で互いに重なり合うせん断部93,94をそれぞれ設けたものである。 【0121】ここで、下側の鉗子25の刃部25bにおけるせん断部94の内面は開口部27dと面一に摺動する位置に設置されている。さらに、上側の鉗子24の刃部24bにおけるせん断部93の内面は下側の鉗子25のせん断部94の外面と面一に摺動する位置に設置されている。 【0122】そして、本実施の形態では内視鏡用処置具1の使用時には上下の各鉗子24,25の刃部24b,25b間が閉じた際に下側の鉗子25の刃部25bにおけるせん断部94の外面と、上側の鉗子24の刃部24bにおけるせん断部93の内面との間が先枠27の先端開口部27dの前方位置で互いに重なり合うので、下側の鉗子25の刃部25bにおけるせん断部94と、上側の鉗子24の刃部24bにおけるせん断部93との間でのせん断により生体組織を切除することができる。そのため、せん断により、切れ味が良い生体組織の切除が可能となる効果がある。 【0123】また、図22および図23(A)〜(C)は本発明の第13の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1(A)〜(C)乃至図9参照)の内視鏡用処置具1の構成の一部を次の通り変更したものである。なお、図22は本実施の形態の内視鏡用処置具1の全体の概略構成を示すもので、同図中、第1の実施の形態と同様の構成については同一の符号を付し、ここではその説明は省略する。 【0124】すなわち、本実施の形態では内視鏡用処置具1によって複数の切除片Ha,Hb…の切除後、内視鏡用処置具1を内視鏡の鉗子チャンネルから抜去することなく、採取された切除片Ha,Hb…を回収する回収システム101を設けたものである。この回収システム101には内視鏡用処置具1の操作部3に連結される外付けの送水装置102と、検体回収装置103とが設けられている。 【0125】ここで、本実施の形態の内視鏡用処置具1の操作部3の本体4には、挿入部2との連結部側に送水ポート104が突設されている。さらに、操作部本体4の基端部には後端開口部105が形成されている。この後端開口部105には略円筒状のスライダ106の先端部が軸方向に移動可能に挿入されている。そして、このスライダ106の後端部に回収ポート107が形成されている。 【0126】また、図23(A)〜(C)に示すように本実施の形態の内視鏡用処置具1におけるシース9の内側チューブ108の基端部はスライダ106の先端部に気密的に接続されている。そして、このスライダ106の筒内を通して回収ポート107に連通されている。 【0127】さらに、シース9の外側チューブ109は気密性を有する素材で構成されており、基端部において操作部3の送水ポート104に気密的に接続されている。また、図23(B)に示すように操作ワイヤ110は内側チューブ108の外表面に接着、熱溶着等の方法で固着されている。よって、外側チューブ109と内側チューブ108との間隙には送水ルーメン111がシース9の全長に渡って確保されている。なお、内側チューブ108の内部の断面積と送水ルーメン111の内部の断面積は例えばそれぞれ最低限1.0mm2 、0.5mm2 が確保されるように設定されている。 【0128】また、外側チューブ109は可撓性を有し、かつ圧縮、引っ張りに対して十分な強度を有する素材で構成される。例えば、ステンレス鋼線を編んで形成した筒状体の内外径をポリアミド、四弗化エチレン、四弗化エチレン六弗化プロピレン共重合体、ポリエチレン等の樹脂でコーティングして形成した強化チューブ等が適している。 【0129】また、外側チューブ109はその全長に渡って内側チューブ108と同様に、複数のワイヤを固着して形成することも可能である。なお、この外側チューブ109は内視鏡の鉗子チャンネルに挿入可能な外径、すなわち例えばφ2〜4mm程度に設定されている。 【0130】また、内側チューブ108及び操作ワイヤ110の先端部は硬質チューブ112に固着されている。この硬質チューブ112は先端部に開口部112aを有し、外表面には上下の鉗子24,25の弾性アーム24a,25aがロー付け、スポット溶接、カシメ、ねじ止め、接着等により固着されている。 【0131】さらに、硬質チューブ112のチューブ壁面には連通孔113が設けられている。そして、この硬質チューブ112の連通孔113を通して外側チューブ109の内部と内側チューブ108の内部との間が連通されている。 【0132】また、外側チューブ109の先端部には先端パイプ114が接続されている。そして、この先端パイプ114と硬質チューブ112との間の間隙にはOリング等のシール部材115が封入されている。さらに、外側チューブ109の基端部に連結された操作部本体4と内側チューブ108の基端部に連結されたスライダ106との間の間隙にも同様にOリング等のシール部材116が封入されている。 【0133】また、検体回収装置103には検体トラップ117が設けられている。この検体トラップ117には、内部に検体フィルタ118が取り外し自在に設置され、その底部には貯水タンク119が配設されている。そして、操作部本体4の回収ポート107にはこの検体トラップ117を介して吸引手段120が接続されている。 【0134】また、送水装置102には送水タンク121および送水ポンプ122が設けられている。そして、操作部本体4の送水ポート104には送水タンク121が接続されている。さらに、送水ポート104と送水タンク121との間には送水ポンプ122が接続され、必要に応じて作動可能となっている。なお、送水ポンプ122と送水ポート104の間にはストップバルブ123が設けられている。また、操作部3には回収ポート107の近傍部位に指掛け部124が固着されている。 【0135】次に、上記構成の作用について説明する。本実施の形態の内視鏡用処置具1の使用時には予め操作部3の送水ポート104に送水装置102が接続され、回収ポート107に検体回収装置103が接続される。そして、吸引手段120を予め作動させておく。 【0136】その後、スライダ106を手元側に引いて硬質チューブ112を先端パイプ114に収納し、鉗子24,25を閉じる。この状態で、挿入部2が内視鏡の鉗子チャンネルを通して患者の体内に挿入される。 【0137】この挿入部2の挿入作業中、内視鏡下で観察しながら、内視鏡または内視鏡用処置具1を動かして挿入部2の先端の採取手段13を目標の粘膜Hの位置まで誘導する。さらに、目標の粘膜Hの位置に到達した時点で、スライダ106を先端側に移動して、硬質チューブ112を先端パイプ114から突き出し、鉗子24,25を開く。この状態で、硬質チューブ112の開口部112aを目標粘膜に当接させ、粘膜を硬質チューブ112の開口部112aの内部に吸引する。 【0138】その後、スライダ106を手元側に引いて硬質チューブ112を先端パイプ114に収納し、鉗子24,25を閉じる。この際、硬質チューブ112の開口部112a内に吸引された粘膜は切除され、その切除片Haは開口部112aの近傍に位置する。この状態で、ストップバルブ123を開けると、陰圧は連通孔113を経由して送水ルーメン111、送水ポート104に印加され、送水タンク121の水が硬質チューブ112の内部まで吸引される。 【0139】このとき、切除片Haは硬質チューブ112の内部で吸引された水及び開口部112aから流入する空気と混入しながら内側チューブ108の内部に押し流され、そのまま回収ポート107まで回収される。 【0140】ここで、仮に、切除片Haが内側チューブ108の内部で詰まりを起こした場合には、送水ポンプ122を作動させて、送水ルーメン111を経由して内側チューブ108の内部の送水量を増加させることにより、詰まりを解除する。 【0141】また、回収ポート107を通過した切除片Haは検体フィルタ118に捕らえられ、同時に吸引された水は貯水タンク119に溜められる。その後、検体フィルタ118を検体トラップ117から取り外し、切除片Haを回収する。 【0142】さらに、この1回目の切除片Haの回収作業の終了後、続けて、同様の操作を繰り返し、所望の数の検体を採取した後、内視鏡用処置具1を鉗子チャンネルから抜去する。 【0143】そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、内視鏡用処置具1を鉗子チャンネルから抜去することなく、複数の切除片Ha,Hb…の切除、即回収が可能である。また、切除片Ha,Hb…は1つ1つ独立して回収されるため、切除片同士か混ざり、採取の順番が不明確になる、または切除片同士の判別がつかなくなるといった不具合が起こり得ないという利点がある。 【0144】また、内側チューブ108の内部の断面積と送水ルーメン111の内部の断面積は例えばそれぞれ最低限1.0mm2 、0.5mm2 が確保されているため、送水ポンプ122を作動させなくても、吸引手段120により陰圧を印加するだけで送水タンク121から水が送水ルーメン111の内部に吸引され、装置が簡単で済むという利点がある。 【0145】さらに、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施できることは勿論である。次に、本出願の他の特徴的な技術事項を下記の通り付記する。記(付記項1) 内視鏡に挿入して体内の組織の一部を採取する内視鏡用処置具で、遠位端に開口部を持つ内側チューブと、前記内側チューブの近位端に設けられた吸引手段と、前記内側チューブに固着され、前記内側チューブ内部に吸引された組織を切除する1つ以上の切除用切片と、前記内側チューブに対して軸方向に進退自在に、前記内側チューブ外側に設けられた外側チューブを具備することを特徴とする内視鏡用処置具。 【0146】(付記項2) 前記内側チューブ先端に略球状部が固着されていることを特徴とする付記項1に記載の内視鏡用処置具。 【0147】(付記項3) 前記内側チューブ先端の略球状部が前記外側チューブと同等以上の外径を有することを特徴とする付記項2に記載の内視鏡用処置具。 【0148】(付記項4) 前記切除切片の先端が略球状であることを特徴とする付記項1〜3に記載の内視鏡用処置具。 【0149】(付記項5) 前記開口部の面積が前記内側チューブの内腔断面積よりも大きいことを特徴とする付記項1〜4に記載の内視鏡用処置具。 【0150】(付記項6) 前記開口部が処置具の長手方向軸に対して傾斜していることを特徴とする付記項5に記載の内視鏡用処置具。 【0151】(付記項3〜6の従来技術) (付記項3〜6が解決しようとする課題) (付記項3〜6の目的) (付記項3〜6の課題を解決するための手段) (付記項3〜6の効果) (付記項7) 前記内側チューブの開口部が偏平形状であることを特徴とする付記項5に記載の内視鏡用処置具。 【0152】(付記項8) 前記内側チューブの全長に渡って操作用ワイヤが併設されることを特徴とする付記項1〜7に記載の内視鏡用処置具。 【0153】(付記項9) 前記操作ワイヤが全長に渡って前記内側チューブに固着されていることを特徴とする付記項1〜8に記載の内視鏡用処置具。 【0154】(付記項10) 前記内側チューブの手元側端部と前記吸引手段の間に、組織収納空間が設けられていることを特徴とする付記項1〜9に記載の内視鏡用処置具。 【0155】(付記項11) 前記内側チューブの外部に、前記内側チューブの全長に渡り送水空間が併設されていることを特徴とする付記項10に記載の内視鏡用処置具。 【0156】(付記項12) 前記内側チューブの先端部近傍に組織収納部が設けられていることを特徴とする付記項1〜9に記載の内視鏡用処置具。 【0157】(付記項13) 遠位側開口と近位側開口を持ち、遠位側開口が前記組織収納部の先端側に開口し、近位側開口が前記組織収納部の手元側に開口する吸引バイパス手段を前記組織収納部の内部に有することを特徴とする付記項12に記載の内視鏡用処置具。 【0158】(付記項14) 前記組織収納部内に、実質的な前向き開口部と1つ以上の実質的な横向き開口部とを具備した吸引管路を備えたことを特徴とする付記項12、13に記載の内視鏡用処置具。 【0159】(付記項15) 前記吸引管路が前記組織収納部に対して軸方向に摺動することを特徴とする付記項14に記載の内視鏡用処置具。 【0160】(付記項16) 前記組織収納部の断面が楕円形状であることを特徴とする付記項12〜15に記載の内視鏡用処置具。 【0161】(付記項17) 前記組織収納部が前記内側チューブから取り外し自在に設けられていることを特徴とする付記項12〜16に記載の内視鏡用処置具。 【0162】(付記項18) 前記組織収納部の手元端及び前記内側チューブの先端に、それぞれ対となる脱着用螺子が設けられていることを特徴とする付記項17に記載の内視鏡用処置具。 【0163】(付記項19) 前記内側チューブの遠位端、及び前記組織収納部の近位端のいずれか一方に1つ以上の半径方向突起部を、他方には前記突起部に係合する位置に陥凹部を設けたことを特徴とする付記項17に記載の内視鏡用処置具。 【0164】(付記項20) 前記陥凹部の内、1つ以上は軸方向の長さを持つ溝であり、先端側、手元側のいずれかの端部に向かって開口していることを特徴とする付記項19に記載の内視鏡用処置具。 【0165】(付記項21) 前記突起部が半径方向に作動自在であることを特徴とする付記項19に記載の内視鏡用処置具。 【0166】(付記項22) 前記切除切片が前記外側チューブと前記内側チューブの軸方向相対移動により、前記開口部を横切り、前記外側チューブが先端側に移動した際に前記開口部を閉塞することを特徴とする付記項1〜21に記載の内視鏡用処置具。 【0167】(付記項23) 前記切除切片が複数であることを特徴とする付記項1〜22に記載の内視鏡用処置具。 【0168】(付記項24) 前記切除切片が平面状であることを特徴とする付記項1〜23に記載の内視鏡用処置具。 【0169】(付記項25) 前記複数の切除切片が前記開口部を横切り、前記開口部の中央において互いに接触する接触線を形成することを特徴とする付記項23、24に記載の内視鏡用処置具。 【0170】(付記項26) 前記切除切片が前記開口部と同一平面上に存在する一面を有することを特徴とする付記項1〜25に記載の内視鏡用処置具。 【0171】(付記項27) 前記切除切片の端面が少なくとも1つの凹凸部を有することを特徴とする付記項1〜26に記載の内視鏡用処置具。 【0172】(付記項28) 前記切除切片が前記開口部を横切り、前記開口部の中央において互いに横切り、互いに重なり合う剪断面を形成することを特徴とする付記項23、24に記載の内視鏡用処置具。 【0173】(付記項29) 前記内側チューブが手元側に吸引口を有し、前記外側チューブの近位端かつ前記内側チューブの外側に設けられた吸引ハウジングと、前記吸引ハウジングの内部に1つ以上の独立した気密室を具備し、前記気密室のうち少なくとも1つに前記吸引手段が接続され、前記切除切片が前記開口部を開放した状態で、前記吸引口が前記吸引手段の接続された前記気密室の内部に位置し、前記切除切片が前記開口部を閉塞した状態で、前記吸引口が前記吸引手段の接続された前記気密室の外部に位置していることを特徴とする付記項1〜28に記載の内視鏡用処置具。 【0174】(付記項30) 前記吸引ハウジングの内部に2つ以上の独立した気密室を具備し、前記切除切片が前記開口部を開放した状態で、前記吸引口が前記吸引手段の接続された前記気密室の内部に位置し、前記切除切片が前記開口部を閉塞した状態で、前記吸引口が前記吸引手段の接続されない他の気密室の内部に位置することを特徴とする付記項29に記載の内視鏡用処置具。 【0175】(付記項31) 可撓性シースと、前記可撓性シースの内部に挿通された吸引ルーメンと、前記吸引ルーメンの近位端に接続された吸引手段と、前記可撓性シースの遠位端に位置する切除手段と、前記切除手段の近位側に組織収納部を有する内視鏡用処置具において、前記組織収納部の先端側に開口する遠位側開口と、前記組織収納部の手元側に開口する近位側開口とを有する吸引バイパス手段を、前記組織収納部の内部に有することを特徴とする内視鏡用処置具。 【0176】(付記項32) 前記組織収納部内に、実質的な前向き開口部と1つ以上の実質的な横向き開口部とを具備した吸引管路を備えたことを特徴とする付記項31に記載の内視鏡用処置具。 【0177】(付記項33) 前記吸引管路が、1つ以上の横穴を有するパイプにより構成されることを特徴とする付記項32に記載の内視鏡用処置具。 【0178】(付記項34) 前記パイプの先端側開口部が軸方向に長さを持つ、半径方向への切り込みを有することを特徴とする付記項33に記載の内視鏡用処置具。 【0179】(付記項35) 前記吸引管路の先端側開口部が処置具長手方向軸に対して傾斜していることを特徴とする付記項32〜34に記載の内視鏡用処置具。 【0180】(付記項36) 前記吸引管路が、コイルバネにより構成されることを特徴とする付記項32、35に記載の内視鏡用処置具。 【0181】(付記項37) 前記吸引管路が前記組織収納部の軸に偏心して設置されていることを特徴とする付記項32〜36に記載の内視鏡用処置具。 【0182】(付記項38) 前記組織収納部の内面に軸方向に長さを持つ1つ以上の溝を具備したことを特徴とする付記項31〜37に記載の内視鏡用処置具。 【0183】(付記項39) 前記組織収納部の内面に螺旋状の溝を具備したことを特徴とする付記項31〜38に記載の内視鏡用処置具。 【0184】(付記項40) 可撓性シースと、前記可撓性シースの内部に挿通された吸引ルーメンと、前記吸引ルーメンの近位端に接続された吸引手段と、前記可撓性シースの遠位端に位置する切除手段を有する内視鏡用処置具において、前記吸引ルーメンの近位端と、前記吸引手段の間に組織収納部を有することを特徴とする内視鏡用処置具。 【0185】(付記項41) 前記可撓性シースの内部に送水管路を有することを特徴とする付記項40に記載の内視鏡用処置具。 【0186】(付記項42) 前記可撓性シースが内視鏡に挿入可能な外径を有することを特徴とする付記項40、41に記載の内視鏡用処置具。 【0187】(付記項43) 前記吸引管路の断面積が1.0mm2 以上に設定されていることを特徴とする付記項40〜42に記載の内視鏡用処置具。 【0188】(付記項44) 前記送水管路の断面積が0.5mm2 以上に設定されていることを特徴とする付記項41〜43に記載の内視鏡用処置具。 【0189】(付記項45) 可撓性シースと、前記可撓性シースの内部に挿通された吸引ルーメンと、前記吸引ルーメンの近位端に接続された吸引手段と、前記可撓性シースの遠位端に位置する切除手段を有する内視鏡用処置具において、前記吸引ルーメンが手元側に吸引口を有し、前記可撓性シースの近位端かつ前記吸引ルーメンの外側に設けられた吸引ハウジングと、前記吸引ハウジングの内部に1つ以上の独立した気密室を具備し、前記気密室のうち少なくとも1つに前記吸引手段が接続され、前記切除手段が前記開口部を開放した状態で、前記吸引口が前記吸引手段が接続された前記気密室に位置し、前記切除手段が前記開口部の少なくとも一部を閉塞した状態で、前記吸引口が前記吸引手段が接続された前記気密室の外部に位置していることを特徴とする内視鏡用処置具。 【0190】(付記項46) 前記吸引ハウジングの内部に2つ以上の独立した気密室を具備し、前記切除手段が前記開口部を開放した状態で、前記吸引口が前記吸引手段が接続された前記気密室に位置し、前記切除手段が前記開口部の少なくとも一部を閉塞した状態で、前記吸引口が前記吸引手段が接続されない他の気密室に位置することを特徴とする付記項45に記載の内視鏡用処置具。 【0191】(付記項1〜46の従来技術) 本発明は、経内視鏡的に生体組織を連続的に切除して、複数の組織標本を回収する内視鏡用処置具に関する。一般に、生体組織を採取する処置具として、例えば国際特許WO95/08291号公報に開示されている構成のものがある(図24(A),(B)参照)。この処置具aは、内視鏡に挿入可能な可撓性外側シースbと、外側シースbの内部に挿通された内側シースcと、内側シースcの遠位端に設けられた前向きの開口部dと、外側シースbの先端に開口部dを横断するように作用する切除手段eと、内側シースcの内部に切除組織移動のためのリトラクタfを有するものである。処置具aを内視鏡の鉗子チャンネルに挿入し、内側シースcを外側シースbの遠位端から突出させ、組織を開口部dの内部に押し込む(図24(B)参照)。この後内側シースcを軸方向に移動して外側シースbの内部に引き込むことにより、外側シースbの遠位端を閉じるように付勢された切除手段eが組織pを切除する。切除した組織p1 ,p2 ,p3 ,p4 は内側シース内部の組織収納空間gに格納される。切除操作を必要回数繰り返した後、処置具aを内視鏡から抜去し、リトラクタfを開口部dから突出させて複数の切除組織p1 ,p2 ,p3 ,p4 を回収する。 【0192】また、ヨーロッパ特許0,065,054号公報にも外筒hと外筒hの内部に設けられた開閉するアームiと、アームiの先端を直角に曲げることにより形成される切除手段jを有する処置具kが開示されている(図24(C)参照)。外筒hの内部にアームiを引き込むことにより切除手段jが組織を切除する(図24(D)参照)。 【0193】(付記項1が解決しようとする課題) しかしながら、国際特許WO95/08291号公報に開示されている構成では、開口部dを目的部位の組織に穿刺する必要があり、所望の深さの組織を採取することが困難であり、かつ操作は煩雑となる。また穿刺を行うために、内側シースcの先端は非常に鋭利とする必要があり、体内を必要以上に傷つける危険性も高いものであった。また、ヨーロッパ特許0,065,054号公報に開示されている構成では、処置具の軸線と直角に組織が当たる場合では採取が容易であるが、軸線と平行または斜めに組織が当たる場合では鉗子側面に歯が存在しないため、採取が困難であった。 【0194】本発明は簡単な操作で所望の深さの組織を安全に採取可能で、かつ処置具軸線と平行または斜めからのアプローチでも容易に組織採取が可能な内視鏡用処置具を提供することを目的とする。 【0195】(付記項5〜7が解決しようとする課題) 国際特許WO95/08291号公報及びヨーロッパ特許0,065,054号公報に開示されている構成では、採取可能な組織検体の大きさはそれぞれ内側チューブ及び外筒の開口部面積に依存する。しかしながら、内視鏡の鉗子チャンネルに挿通するために処置具の外径はφ2〜3mmに制限され、さらに切除手段の格納スペースを確保するために、開口部の直径が小さく制限され、所望の大きさの組織が得られないといった問題点があった。本発明は開口部の面積をできるだけ大きくして大きな採取検体を得ることを目的とするものである。 【0196】(付記項8、9が解決しようとする課題) 国際特許WO95/08291号公報に開示されている構成を実現するためには、内側チューブを可撓性を持ち、かつ気密性を持つ素材で構成する必要がある。具体的には四弗化エチレンやポリエチレン等の樹脂素材が想定される。しかしながら、組織採取を行うために外側チューブと内側チューブを摺動し、切除手段を開閉させるための力を伝達させるためにはチューブのみの圧縮引張り強度では不十分であり、チューブの伸びや座屈等の不具合を発生させる危険性があった。本発明は内視鏡に挿通可能な可撓性を確保しながら、切除に必要な力伝達強度を有する内側チューブの提供を目的とするものである。 【0197】(付記項10、11、40〜44が解決しようとする課題) 国際特許WO95/08291号公報に開示されている構成では、組織検体を回収するために内側チューブ内にリトラクタを具備し、回収時には外側チューブ、内側チューブとは独立して作動させる必要があり、構造及び操作が複雑となる問題点があった。本発明はリトラクタ等の回収器具を具備しなくとも、組織検体の回収が容易である内視鏡用処置具を提供することを目的とする。 【0198】(付記項13〜16、31〜39が解決しようとする課題) 国際特許WO95/08291号公報に開示されている構成では、組織を収納空間内に引き込む際にリトラクタの摺動により陰圧を発生させているが、複数の組織を収納すると、既に収納した組織が管腔に詰まり、陰圧が効かなくなる等の不具合を発生させる虞があった。本発明は陰圧発生手段を有する内視鏡用処置具において、収納部への組織詰まりを防ぎ、陰圧の確保を可能とする内視鏡用処置具を提供することにある。 【0199】(付記項17〜21が解決しようとする課題) 国際特許WO95/08291号公報に開示されている構成では、組織検体を回収するために内側チューブ内にリトラクタを具備し、回収時には外側チューブ、内側チューブとは独立して作動させる必要があり、構造及び操作が複雑となる問題点があった。本発明はリトラクタ等の回収器具を具備しなくとも、組織検体の回収が容易である内視鏡用処置具を提供することを目的とする。 【0200】(付記項22〜28が解決しようとする課題) 国際特許WO95/08291号公報に開示されている構成では、外側チューブ遠位端に固着された切除手段が開口部を閉塞する方向に付勢されており、組織の切除はその付勢力で行うものである。しかしながら、内側チューブを突出させて切除手段を開口させるため、その付勢力には上限が存在する。よって、硬い組織を切除する際には、閉方向の付勢力が不足し、組織を切除できなくなる虞があった。 【0201】一方、ヨーロッパ特許0,065,054号公報に開示されている構成では、切除手段の外側の外側チューブによって切除手段を閉方向へ規制するため、十分な切断力が得られるが、切除手段は外筒先端の開口部を完全に閉塞していないため、隙間にある組織は切除できずに引き千切ることとなり、採取検体の挫滅、出血等を引き起こす虞があった。本発明は十分な切除力を持つ内視鏡用処置具を提供することを目的とする。 【0202】(付記項29、30、45、46が解決しようとする課題) 国際特許WO95/08291号公報に開示されている構成では、組織検体を手元側に移動させるために内側チューブ内にリトラクタを具備し、これを引くことにより陰圧を印加する必要が有る。よってリトラクタを外側チューブ、内側チューブとは独立して作動させる必要があり、構造及び操作が複雑となる問題点があった。本発明はリトラクタ等の器具を具備しなくとも、簡単な操作で内側チューブ内に陰圧を印加することが可能な内視鏡用処置具を提供することを目的とする。 【0203】(付記項1の課題を解決するための手段) 本発明の内視鏡用処置具は、遠位端に開口部を持つ内側チューブと、内側チューブの近位端に設けられた吸引手段と、内側チューブに固着され、内側チューブ内部に吸引された組織を切除する1つ以上の切除用切片と、内側チューブに対して軸方向に進退自在に、内側チューブ外側に設けられた外側チューブを具備することを特徴とする。 【0204】内視鏡用処置具を内視鏡の鉗子チャンネルを通して患者の体内に挿入し、目標の組織表面に開口部を当接させる。吸引手段を作動させ、開口部から内側チューブ内部に組織を吸引する。吸引手段によって発生した陰圧により、処置具軸線と平行または斜めのアプローチであっても組織は内側チューブ内部に吸引される。そのまま内側チューブを軸方向に作動させ、切除用切片により吸引された組織を切除する。上記操作を繰り返し、所望の数の組織検体を採取した後、内視鏡用処置具を鉗子チャンネルから抜去する。 【0205】(付記項5〜7の課題を解決するための手段) 本発明は内視鏡用処置具の開口部面積を内側チューブの内腔断面積よりも大きくしたことを特徴とする。その方法としては内側チューブの先端を処置具の軸線に対して斜めに切り落として開口部を形成すること、または開口部を偏平形状とする、等がある。 【0206】(付記項8、9の課題を解決するための手段) 本発明は、内側チューブの全長に渡って操作用ワイヤが併設されることを特徴とする。内側チューブを外側チューブと軸方向に相対移動させる際、操作ワイヤは内側チューブと一体となって作動する。 【0207】(付記項10、11、40〜44の課題を解決するための手段) 本発明は、内側チューブの手元側端部と吸引手段の間に、組織収納空間が設けられていることを特徴とする。 【0208】切除された組織検体は、吸引手段によって内側チューブ内を通過して手元側端部の組織収納空間まで吸引、回収される。所望の数だけ組織採取、回収を繰り返した後、内視鏡用処置具を鉗子チャンネルから抜去する。 【0209】(付記項13〜16、31〜39の課題を解決するための手段) 本発明は、遠位側開口と近位側開口を持ち、遠位側開口が組織収納部の先端側に開口し、近位側開口が組織収納部の手元側に開口する吸引バイパス手段を組織収納部の内部に有することを特徴とする。 【0210】切除した複数個の組織検体を組織収納部に収納した後でも、吸引手段を作動させるとバイパス手段を経由して、組織収納部の先端側に陰圧が発生する。 【0211】(付記項17〜21の課題を解決するための手段) 本発明は、組織収納部が内側チューブから取り外し自在に設けられていることを特徴とする。 【0212】所望の数の組織検体を採取した後、内視鏡用処置具を鉗子チャンネルから抜去して組織収納部を内側チューブから取り外し、複数の検体を回収する。 【0213】(付記項22〜28の課題を解決するための手段) 本発明は、切除切片が外側チューブと内側チューブの軸方向相対移動により、開口部を横切り、外側チューブが先端側に移動した際に開口部を閉塞することを特徴とする。 【0214】内視鏡用処置具を内視鏡の鉗子チャンネルを通して患者の体内に挿入し、目標の組織表面に開口部を当接させる。吸引手段を作動させ、開口部から内側チューブ内部に組織を吸引する。そのまま内側チューブを軸方向に作動させ、切除用切片により吸引された組織を切除する。上記操作を繰り返し、所望の数の組織検体を採取した後、内視鏡用処置具を鉗子チャンネルから抜去する。 【0215】(付記項29、30、45、46の課題を解決するための手段) 本発明は、内側チューブが手元側に吸引口を有し、かつ内側チューブの手元側外側に設けられた吸引ハウジングと、吸引ハウジングの内部に1つ以上の独立した気密室を具備し、気密室のうち少なくとも1つに吸引手段が接続されていることを特徴とする。 【0216】吸引手段を常時作動させ、内視鏡用処置具を内視鏡の鉗子チャンネルを通して患者の体内に挿入する。内側チューブを軸方向に移動させ、切除切片を開き、開口部を開口させる。同時に内側チューブの吸引口は吸引手段の接続された気密室に位置し、内側チューブ内に陰圧が印加される。目標の組織表面に開口部を当接させ、開口部から内側チューブ内部に組織を吸引する。そのまま内側チューブを軸方向に作動させ、切除用切片により吸引された組織を切除する。このとき吸引口は吸引手段の接続された気密室には位置しておらず、陰圧は内側チューブ内に印加されない。上記操作を繰り返し、所望の数の組織検体を採取した後、内視鏡用処置具を鉗子チャンネルから抜去する。 【0217】(付記項1の効果) 近位端に吸引手段が接続された内側チューブの遠位端に開閉動作を行う切除用切片が固着されており、これらが外側チューブに対して一体となって摺動するため、開口部を目標粘膜に当接させて内側チューブと外側チューブを進退操作するだけで、確実に粘膜を開口部内に吸引し、切除することができる。また、内側チューブは粘膜を穿刺する必要が無く、よって先端を鋭利に形成する必要がないため、体内を傷つけることなく、安全な組織採取が可能である。また、粘膜を吸引手段により開口部の内部に吸引するため、処置具軸線に平行または斜めに粘膜が当接する場合でも、確実に吸引、切除が可能となる効果がある。 【0218】(付記項5〜7の効果) 開口部の面積を大きく取ることにより大きな組織検体を採取することが可能となる。 【0219】(付記項8、9の効果) 内側チューブに操作ワイヤが併設され、一体となって進退するため、内側チューブの伸び、座屈の発生する虞がない。 【0220】(付記項10、11、40〜44の効果) 内視鏡用処置具を鉗子チャンネルから抜去することなく、複数の切除片の切除、即回収が可能である。また、切除片は1つ1つ独立して回収されるため、切除片同士が混ざり、採取の順番が不明確になる、または切除片同士の判別がつかなくなるといった不具合が起こり得ないという利点がある。 【0221】(付記項12〜16、31〜39の効果) 組織収納部内に遠位側開口、近位側開口を有する吸引バイパス手段が存在することにより、収納部内に複数の切除片を収納しても、バイパス手段を経由した吸引ルートが確保されるため、切除片の詰まりによる陰圧の喪失ないし低下を防ぐことができる。 【0222】(付記項17〜21の効果) 収納部が螺子により内側チューブから取り外し自在に設けられているため、リトラクタ等の独立可動部材を内側チューブ内に設置しなくとも、切除片の回収が容易となる。 【0223】(付記項22〜28の効果) 切除切片が内側チューブと外側チューブにより閉方向に規制されるので、組織を切除するのに十分な切断力を印加することができる。 【0224】また、切除切片を閉じたときに開口部を完全に閉塞するので、粘膜の切り残しが無く、粘膜の引き千切りのない、切れ味の良い切除が可能となる。 【0225】(付記項29、30、45、46の効果) 切除切片が開き、開口部が開口状態の時に自動的に内側チューブ内に陰圧が印加される。よって外側チューブ、内側チューブの進退操作のみで必要なときのみに陰圧の印加が可能であり、吸引のON/OFFスイッチを別に操作する必要がなく、操作が単純となる。 【0226】 【発明の効果】本発明によれば内側チューブと、この内側チューブに対して軸方向に進退自在に設けられた外側チューブとを備えたシースを挿入部に設け、内側チューブの基端部に吸引力を発生させる吸引手段を連結するとともに、内側チューブの先端部に配設され、内側チューブ内からの吸引力によって生体組織を吸引する先端ユニットと、内側チューブと外側チューブとの軸心方向の相対移動動作にともない先端ユニットに吸引された生体組織の切除動作を行う切除手段とを採取手段に設けたので、簡単な操作で所望の深さの生体組織を安全に採取することができ、かつ処置具の軸線と平行、または斜めからのアプローチでも容易に生体組織を採取することができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000000376 【氏名又は名称】オリンパス光学工業株式会社
|
| 【出願日】 |
平成10年(1998)2月17日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】鈴江 武彦 (外4名)
|
| 【公開番号】 |
特開平11−225951 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)8月24日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−34784 |
|