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【発明の名称】 画像処理表示装置
【発明者】 【氏名】横山 文子

【氏名】鈴木 薫

【要約】 【課題】本発明の目的は、内視鏡操作に慣れ親しんだ操作者が簡易に視点や視線方向を動かすことのできる3次元画像表示装置を提供することにある。

【解決手段】本発明は、対象に関する3次元データから視点及び視線方向に応じて内視鏡で得られる画像と同等の疑似3次元画像を生成するコンピュータ2と、疑似3次元画像を表示するディスプレイ3と、視点及び視線方向を変更するための操作部1とを具備する3次元表示装置において、操作部1は、内視鏡の手元操作部と構造的に近似していることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 対象に関する3次元データから視点及び視線方向に応じて内視鏡で得られる画像と同等の疑似3次元画像を生成する画像処理手段と、前記疑似3次元画像を表示する手段と、前記視点及び視線方向を変更するための操作部とを具備する画像処理表示装置において、前記操作部は、内視鏡の手元操作部と構造的に近似していることを特徴とする画像処理表示装置。
【請求項2】 前記操作部は、スティック形の本体が台座上に軸回転可能に、且つ軸方向に微動可能に支持され、前記本体の側面にはダイヤルが取り付けられてなり、前記画像処理手段は、前記本体が軸方向に押し込まれたとき前記視点を前方に移動し、前記本体が軸方向に引かれたとき前記視点を後方に移動し、前記本体が順方向に軸回転されたとき前記視線方向を右方向に傾斜し、前記本体が逆方向に軸回転されたとき前記視線方向を左方向に傾斜し、前記ダイヤルが順方向に回されたとき前記視線方向を上方向に傾斜し、前記ダイヤルが逆方向に回されたとき前記視線方向を下方向に傾斜することを特徴とする請求項1記載の画像処理表示装置。
【請求項3】 前記操作部は、スティック形の本体が台座上に軸回転可能に、且つ軸方向に微動可能に支持され、前記本体の側面にはダイヤルが取り付けられてなり、前記画像処理手段は、前記本体が軸方向に押し込まれたとき内視鏡の挿入部を奥に挿入するときと同等の画像の動きを再現し、前記本体が軸方向に引かれたとき内視鏡の挿入部を引き戻しすときと同等の画像の動きを再現し、前記本体が順方向に軸回転されたとき内視鏡の挿入部を右方向に屈曲するときと同等の画像の動きを再現し、前記本体が逆方向に軸回転されたとき内視鏡の挿入部を左方向に屈曲するときと同等の画像の動きを再現し、前記ダイヤルが順方向に回されたとき内視鏡の挿入部の先端を上方に屈曲するときと同等の画像の動きを再現し、前記ダイヤルが逆方向に回されたとき内視鏡の挿入部の先端を下方に屈曲するときと同等の画像の動きを再現することを特徴とする請求項1記載の画像処理表示装置。
【請求項4】 前記ダイヤルの動きは、ワイヤを介してロータリーエンコーダに伝達されるようになっていることを特徴とする請求項2又は請求項3記載の画像処理表示装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、対象に関する3次元データから疑似3次元画像を生成し表示する画像処理表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】X線コンピュータ断層撮影装置(CT)や磁気共鳴映像装置(MRI)で得られるヘリカルデータやマルチスライスデータ等は本質的に3次元データ構造を有しているが、処理速度、記憶容量、コスト等の制約により、これまでの画像処理表示装置の多くは、2次元の域を出ていなかった。しかし、近年の半導体技術等の急速な進歩によって、実用化されつつある。
【0003】3次元画像処理の技術の導入は、医療の様々な分野で検討されており、その中に内視鏡の代替えに活用しようとする動きがある。これは、CTで患者の気管支や胃周辺の3次元データを収集しておき、これを加工して腹部患者にとって非常に苦痛を伴う内視鏡検査で得られるのと同等な気管支や胃の内壁の表面画像を提供しようとするものである。そして、内視鏡の代替えとして確立するためには、内視鏡の挿入部が患者の気管支や胃の中を進み、戻り、見回すような画像の動きを再現しなければならない。
【0004】この動きは、3次元画像処理では視点や視線方向を移動することで実現されるが、表面画像やワイヤフレーム像に代表される疑似3次元画像は、陰線陰面消去や影付け等の処理によって、見かけ上、3次元に見える実は2次元画像である。このためマウスやトラックボールやジョイスティック等のポインティングデバイスを使って、2次元画像上で視点や視線方向を前後左右上下に3次元的に動かすことは、専門オペレータが存在するほどに困難な作業で、コンピュータの専門知識が豊富とは言えない医師が行うには難しすぎると言える。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、内視鏡操作に慣れ親しんだ操作者が簡易に視点や視線方向を動かすことのできる画像処理表示装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、対象に関する3次元データから視点及び視線方向に応じて内視鏡で得られる画像と同等の疑似3次元画像を生成する画像処理手段と、前記疑似3次元画像を表示する手段と、前記視点及び視線方向を変更するための操作部とを具備する画像処理表示装置において、前記操作部は、内視鏡の手元操作部と構造的に近似していることを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明による画像処理表示装置を好ましい実施形態により説明する。図1に本実施形態に係る画像処理表示装置の機能ブロック図を示す。この装置は、対象に関する3次元データから視点及び視線方向に応じて内視鏡で得られる画像と同等の疑似3次元画像(表面画像)を生成するコンピュータ2と、疑似3次元画像を表示するディスプレイと、視点及び視線方向を変更するための操作部1とからなり、最も大きな特徴としては操作部1が内視鏡の手元操作部と構造的に近似しているという点にある。
【0008】図2(a)には操作部1の外観を、図2(b)には操作部1を操作者が把持しているときの様子を示している。図4(a)には操作部1の右方側面、図4(b)には操作部1の正面、図4(c)には操作部1の左方側面をそれぞれ示している。
【0009】上述したように、操作部1は、内視鏡の手元操作部と構造的に近似していて、スティック形の本体102が台座101上に微小角度範囲内で軸回転可能に、且つ軸方向に微動可能に支持されている。さらに、本体102の側面には、ダイヤル103が取り付けられている。それぞれの移動軸にはエンコーダ11,12,13が取り付けられており、それぞれの操作量や操作方向をコンピュータ2に伝えるようになっている。コンピュータ2のマウスドライバ21は、エンコーダ11,12,13からの出力に基づいて、操作部1が操作者から受けた操作量や操作方向を認識する。ここでは、既存のマウス対応のコンピュータ3をそのまま流用できるように、マウスドライバ21は、エンコーダ11,12,13からの出力を、マウス出力の認識結果と同等の操作情報、つまりX方向移動、Y方向移動、マウスボタンクリックという情報に変換する。
【0010】入力データ処理部22では、マウスドライバ21からのX方向移動、Y方向移動、マウスボタンクリックという操作情報を、視点の前進/後退、視線方向の上下傾斜、視線方向の左右傾斜という視点や視線方向の動きに対応させる。画像作成部23では、入力データ処理部22から与えられる視点の位置や視線方向に従って、CTやMRIで収集した患者の気管支や胃周辺等に関する3次元データ(気管支内壁や胃内壁を2値化により抽出した3次元データ)から疑似3次元画像を作成する。この疑似3次元画像の作成技法としては、例えば再投影法が採用される。再投影法は、概念的には、視線方向に直交する投影面に対して視点から複数の投影線を放射状に放ち、投影線上のボクセルデータを積分するというプロセスである。
【0011】このような画像処理表示装置において、内視鏡操作に慣れ親しんだ操作者が簡易に視点や視線方向を動かすことを実現するためには、操作部1を内視鏡の手元操作部と構造的に近似させることの他に、内視鏡の手元操作部の操作によって変わる画像の動きを、操作部1の操作から再現しなければならない。
【0012】このために入力データ処理部22としては、操作部1の操作を次のような視点や視線方向の動きとして認識する。図2(a)と図3を参照されたい。本体102が軸方向に押し込まれたとき(台座101に押しつけられたとき)、視点をその時の視線方向に沿って前方に移動し、本体102が軸方向に引かれたとき(台座101から引き離すように操作されたとき)、視点をその時の視線方向に沿って後方に移動する。この動きは、内視鏡の挿入部を前進(深く挿入する)/後退(引き戻す)の動きに類似している(図3の(A))。また、本体102が順方向(右回り)に軸回転されたとき、視線方向を右方向に傾斜し、本体102が逆方向(左回り)に軸回転されたとき、視線方向を左方向に傾斜する。この動きは、内視鏡の挿入部の先端が、水平の左右方向に屈曲する動きに類似している(図3の(C))。さらに、ダイヤル103が順方向に回されたとき(手前に回されたとき)、視線方向を上方に傾斜し、ダイヤル103が逆方向に回されたとき(奥に回されたとき)、視線方向を下方に傾斜する。この動きは、内視鏡の挿入部の先端が、上下方向に屈曲する動きに類似している(図3の(B))。なお、内視鏡操作と同様に、軸回転とダイヤル操作とを組み合わせることで、任意の向きに視線方向を移動することができる。
【0013】次に、操作と画像の変化との対応について説明する。まず、本体102が軸方向に押し込まれたとき、内視鏡の挿入部を奥に挿入するときと同等の画像の動きが再現され、本体102が軸方向に引かれたときには、内視鏡の挿入部を引き戻しすときとと同等の画像の動きが再現される。また、本体102が順方向に軸回転されたとき、内視鏡の挿入部の先端を水平の右方向に湾曲するときと同等の画像の動きが再現され、本体102が逆方向に軸回転されたとき、内視鏡の挿入部の先端を水平の左方向に湾曲するときと同等の画像の動きが再現される。さらに、ダイヤル103が順方向に回されたとき、内視鏡の挿入部の先端を上方向に湾曲するときと同等の画像の動きが再現され、ダイヤル103が逆方向に回されたとき、内視鏡の挿入部の先端を下方向に湾曲するときと同等の画像の動きが再現される。
【0014】このように医師は、慣れ親しんだ内視鏡の操作と同じ感覚で、視点や視線方向を動かすことができ、一般的には、難しいとされている2次元上での視点や視線方向の立体的な移動を簡易に行うことができる。
【0015】さらに慣れ親しんだ内視鏡の操作を再現するために、次のような構造上の工夫がなされている。図5には、ダイヤル103の動きを検出するための検出系統を示している。上述したように、ダイヤルの動きは、図3に示した内視鏡の挿入部の先端を屈曲する動きに対応している。このような屈曲の動きは、内視鏡では、ダイヤルの回転軸にワイヤを懸けて、このワイヤの先端を、内視鏡の挿入部の先端に取り付けてることにより実現している。このため、実際の操作性は、ダイヤルを回すとき、ワイヤが若干伸縮するような感覚が残る。ここでは、このようなワイヤが若干伸縮するような操作上の感覚を実現するために、図5(a)、(b)に示すように、ダイヤル103の回転軸のプーリ207と、軸回転に対応するように回転板204上に設けられたロータリエンコーダ206の回転軸のプーリ205との間に、ワイヤ201を掛け渡して、ダイヤル103の回転軸207の動きを、ワイヤ201によりロータリエンコーダ206に伝達するようにしている。なお、スティック状本体102は、台座101の内部において、軸方向に若干移動できるようにスライド軸受け202に支持され、またベアリング203を介して軸回転可能に設けられている。本発明は、上述してきたような実施形態に限定されることなく、種々変形して実施可能であることは言うまでもない。
【0016】
【発明の効果】本発明によれば、視点や視線方向を動かすための操作部は、内視鏡の手元操作部と構造的に近似しているので、内視鏡に慣れ親しんでいる医師は違和感無く比較的簡単に視点や視線方向を自由に動かすことができる。
【出願人】 【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
【出願日】 平成10年(1998)2月12日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦 (外6名)
【公開番号】 特開平11−225949
【公開日】 平成11年(1999)8月24日
【出願番号】 特願平10−29871