| 【発明の名称】 |
採血管ホルダー |
| 【発明者】 |
【氏名】中泉 政博
【氏名】岡本 隆介
【氏名】安楽 秀雄
|
| 【要約】 |
【課題】一般的に用いられている採血管を容易に着脱でき、採血管の取り外しに際して採血針に手を触れることなく採血針のみを取り外すことができ、取り付けられている状態において採血針の刃面を任意の方向に調整し得る採血管ホルダーを得る。
【解決手段】真空採血管が挿入される筒状本体2の端面2aの外側に弾性保持部材3が配置されており、該弾性保持部材3が、軸方向に略平行に延びる切り込み3aを有する円筒状部材により構成されており、弾性保持部材3の切り込み3aの幅を拡大させて弾性保持部材3を拡径することにより採血針の挿入を可能とし、弾性保持部材3の弾性復元力により採血針を弾性保持部材3により弾力保持でき、採血後には弾性保持部材3を拡径することにより採血針を容易に抜去することが可能とされている採血管ホルダー1。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 真空採血に際し採血針及び真空採血管と組み合わせて用いられる採血管ホルダーであって、一端が開口されており、他端が端面により閉塞されているが、該端面に採血針が挿通される穴が形成されている筒状本体と、軸方向に略平行に延びる切り込みを有し、弾性により切り込みの幅が狭まることにより採血針を保持し、切り込みの幅を拡大させることにより採血針の着脱を可能とする円筒状の弾性保持部材とを備え、前記弾性保持部材は、前記筒状本体の端面外側に配置されており、かつ該弾性保持部材の一部は、筒状本体の端面に対してその位置が固定されていることを特徴とする採血管ホルダー。 【請求項2】 前記円筒状の弾性保持部材の切り込みを挟んで対向している少なくとも一方の側に、切り込みの幅を拡大するためのレバーが形成されている請求項1に記載の採血管ホルダー。 【請求項3】 前記筒状本体の端面近傍に凹部もしくは凸部が形成されており、前記レバーの一部に前記凹部もしくは凸部に係合し得る凸部もしくは凹部が形成されており、採血針を弾性保持部材で保持した際に前記筒状本体の凹部もしくは凸部に対してレバーの凸部もしくは凹部が係合されるように筒状本体の凹部もしくは凸部の位置が定められている請求項2に記載の採血管ホルダー。 【請求項4】 前記筒状本体の端面に、前記弾性保持部材の一部が直接固定されている請求項1〜3のいずれかに記載の採血管ホルダー。 【請求項5】 前記筒状本体の端面との間に所定の空間を有するように該端面に固定された蓋材をさらに備え、該蓋材の前記空間側の内面に、前記弾性保持部材の一部が固定されている請求項1〜3のいずれかに記載の採血管ホルダー。 【請求項6】 真空採血に際し採血針及び真空採血管と組み合わせて用いられる採血管ホルダーであって、一端が開口されており、他端が端面により閉塞されているが、該端面に採血針が挿通される穴が形成されており、かつ穴の外側において基端側が該端面に固定されており、先端が近接・離間可能とされた複数のリブが形成されている筒状本体と、前記採血管ホルダーの軸方向に移動可能に前記複数のリブに外挿されており、複数のリブの先端側に移動されることにより複数のリブを近接させる貫通孔を有する着脱操作部材とを備え、前記複数のリブが常時は、その弾性復元力により離間された状態とされており、該複数のリブの先端が近接されることにより採血針が保持され、離間されることにより採血針の着脱が可能とされていることを特徴とする採血管ホルダー。 【請求項7】 真空採血に際し採血針及び真空採血管と組み合わせて用いられる採血管ホルダーであって、一端が開口されており、他端が端面により閉塞されているが、該端面に採血針が挿通される穴が形成されている筒状本体と、前記筒状本体の端面外側に突出形成されており、採血針を保持するための筒部と、前記筒部に挿入されており、かつ上記端面とは反対側において、互いに近接・離間可能とされた複数のリブが形成されている内筒とを備え、前記内筒が筒部に相対的に深く挿入されており、複数のリブが互いに近接して採血針を保持する保持位置と、前記内筒が筒部に対して相対的に浅く挿入されており、複数のリブが互いに離間されて採血針の着脱が可能である着脱位置とをとり得るように前記内筒が前記筒部内で軸方向に移動可能とされており、前記内筒及び筒部の一方に、他方に対して突出するように形成された少なくとも一つの突起をさらに備え、前記内筒及び筒部の他方に第1,第2の係合凹部が軸方向において異なる位置に形成されており、第1,第2の係合凹部にそれぞれ前記突起が係合された際に、前記保持状態及び着脱状態となるように第1,第2の係合部の位置が定められていることを特徴とする採血管ホルダー。 【請求項8】 前記内筒を前記筒部内において前記端面とは反対方向に付勢するために、前記筒部内に設けられた付勢手段をさらに備えることを特徴とする請求項7に記載の採血管ホルダー。 【請求項9】 前記筒部の内周面に固定されており、かつ前記内筒の外径よりも大きな内径を有し、内側端部から軸方向外側に向かって延びるように深さの異なる前記第1,第2に係合部が形成されているストッパーをさらに備える請求項7または8に記載の採血管ホルダー。 【請求項10】 真空採血に際し採血針及び真空採血管と組み合わせて用いられる採血管ホルダーであって、一端が開口されており、他端が端面により閉塞されているが、該端面に採血針が挿通される穴が形成されている筒状本体と、前記筒状本体の端面外側において一方端が固定された少なくとも2本の弧状もしくはJ字状バネ部材とを備え、前記複数のバネ部材の付勢力により該複数のバネ部材の内側面が採血針に弾性接触されて採血針が保持され、前記複数のバネ部材をその付勢力に逆らって移動させることにより複数のバネ部材内側面間の距離を大きくすることにより採血針が着脱自在とされていることを特徴とする採血管ホルダー。 【請求項11】 真空採血に際し採血針及び真空採血管と組み合わせて用いられる採血管ホルダーであって、一端が開口されており、他端が端面により閉塞されているが、該端面に採血針が挿通される穴が形成されている筒状本体と、前記筒状本体の端面外側において該端面に一体に形成されており、採血針を保持するための複数の保持部材とを備え、前記複数の保持部材は、端面から端面外側に向かって延びる基端部と、基端部の先端から真空採血針に向かって延び、常時はその付勢力により採血針を保持し得るように構成された弾性爪とを有し、前記弾性爪を採血管ホルダーの軸方向に沿って前記端面側へ移動させ得るように採血管ホルダーに対して軸方向に移動可能に設けられた着脱操作部材をさらに備え、前記着脱操作部材を軸方向に移動させて前記複数の弾性爪を端面側にその付勢力に逆らって移動させることにより採血針を着脱可能な状態とすることが可能とされていることを特徴とする採血管ホルダー。 【請求項12】 真空採血に際し採血針及び真空採血管と組み合わせて用いられる採血管ホルダーであって、一端が開口されており、他端が端面により閉塞されているが、該端面に採血針が挿通される穴が形成されている筒状本体と、前記端面の外側に固定されており、かつ常時は、その付勢力により採血針を弾力挟持し得る複数の弾力挟持部を有する弾性保持部材と、前記弾性保持部材の複数の弾力挟持部をその付勢力に逆らって該弾力挟持部間の間隔を広げるように弾性保持部材に組み合わされた着脱操作部材とをさらに備えることを特徴とする採血管ホルダー。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、真空採血に際し用いられる採血管ホルダーに関し、より詳細には、採血針の脱着を容易に行うことを可能とする採血管ホルダーに関する。 【0002】 【従来の技術】真空採血管はその内部が減圧にされており、血管の圧力と真空採血管内の圧力との差を利用して採血が行われる。採血に際しては、一端に血管挿入用刃先が、他端に真空採血管の栓体を刺通する栓体刺通用刃先が設けられた採血針を、該栓体刺通用刃先側を採血管ホルダー内に挿入するようにして採血管ホルダーに採血針を取り付ける。次に、血管挿入用刃先を血管に挿入する。しかる後、採血管ホルダーに真空採血管を挿入し、採血針の栓体刺通用刃先により真空採血管の栓体を貫通し、採血を行う。採血が終了すると、真空採血管を採血管ホルダーから取り外し、しかる後、採血管ホルダーから採血針を取り外す。 【0003】採血後の真空採血管は血液検査に供されるが、採血管ホルダーは繰り返し使用される。また、採血に使用された採血針は血液に接触しているので、衛生上及び感染防止のため捨て去られている。 【0004】ところで、従来の真空採血システムでは、採血針には採血管ホルダーに取り付けるためのハブが設けられており、該ハブの外周面に雄ねじが形成されており、採血管ホルダーの採血針が挿入される部分の貫通孔に上記雄ねじとかみ合う雌ねじが形成されていた。すなわち、採血針は、上記雄ねじを採血管ホルダーの雌ねじにねじ込むことにより固定されていた。従って、採血針の採血管ホルダーへの固定に際しては、上記ねじ込み作業が必要であり、作業が煩雑であった。特に、団体の健康診断などのように、短時間に多くの被採血者から採血を行う必要がある場合には、より簡便に採血針を採血管ホルダーに取り付ける構造が望まれていた。 【0005】また、ねじ込み式の採血針の場合、採血針を採血管ホルダーにねじ込み、完全に固定した時点において、採血針の血管挿入用刃先の向きが固定されることになる。他方、血管挿入用刃先を血管に挿入する場合、最適な状態で血管挿入用刃先を血管に刺通させるには、血管挿入用刃先の向きを修正したい場合があり、そのような場合には、採血針が固定されている採血管ホルダー全体を回転させる必要があった。 【0006】ところが、採血管ホルダー外周には、通常リブなどの突起が設けられており、このリブ等が体表面に衝突したりし、刃先を所望の向きに設定することができないことがあった。 【0007】加えて、採血後には、通常、血液感染を防止するために針先にキャップを装着した後、採血管ホルダーから採血針を取り外すが、キャップ装着時に誤って採血針が指に突き刺さるおそれがあった。使用後の採血針は血液に接触しているため、採血針が指に突き刺さると、検査従事者がウイルス等に感染するおそれがあり、従って、このような事故を防止することが強く求められている。 【0008】もっとも、使用済採血針を採血管ホルダーと共に廃棄すれば上記のような問題は生じないが、コストが高くつき、医療費の高騰を招くことになる。また、医療廃棄物の量が増加し、処理設備や投棄場所等の廃棄物処理の問題を招くことになる。 【0009】上述した種々の問題に鑑み、特開平5−305068号公報には、採血後に採血管ホルダーから採血針を容易に抜去することが可能な採血器具が開示されている。ここでは、採血管ホルダーの先端に切り込みが形成され、半割れ状とされている。すなわち、採血針のハブの雄ねじにかみ合う雌ねじを含むホルダー部分に切り込みが形成されており、切り込みを介して一対の半割れ部分が構成されている。上記先行技術では、採血針は、ハブの雄ねじを上記雌ねじにねじ込むことにより採血管ホルダーに固定される。また、上記一対の半割れ部分は、常態ではその弾性により相互に接触する方向に付勢されており、従って、採血針のハブの雄ねじを採血管ホルダーの雌ねじにねじ込んだ状態では、上記付勢力により採血針が確実に固定される。 【0010】他方、採血針を廃棄する際には、ホルダー本体に設けられた操作部材により一対の半割れ部分を相互に離反する方向に移動させ、それによって雌ねじ部の採血針のハブの雄ねじとのかみ合わせを解く。従って、採血針側を下方に向けるだけで、採血針に手を触れることなく採血管ホルダーから採血針を抜去することができる。 【0011】しかしながら、特開平5−305068号公報に記載の採血器具においても、採血針を採血管ホルダーに装着する際には、やはり採血針のハブの雄ねじを採血管ホルダーの雌ねじにねじ込まねばならず、採血針の装着作業が煩雑であった。また、採血針を採血管ホルダーにねじ込むものであるため、採血針の血管挿入用刃先の向きを自由に設定することができなかった。 【0012】他方、特開平8−126630号公報には、採血管ホルダーに、弾性部を有する一対のハブ挟圧部材を設け、採血針のハブを該一対のハブ挟圧部材により弾力挟持する構成を備えた採血器具が開示されている。ここでは、採血針のハブが上記のように一対のハブ挟圧部材により弾力挟持されて固定されているため、採血針の血管挿入用刃先の刃面を所望の向きに容易に調整することができる。 【0013】しかしながら、ハブ挟圧部材は、実際には、この先行技術の図2に示されているように、弾性部、ハブ挿通部、段部、支持凹部及び押圧部を有する非常に複雑な形状に構成されており、部品コストが高くつくだけでなく、部分的な破損が生じやすい構造であった。 【0014】また、特開昭62−148646号公報に開示されている採血管ホルダーでは、採血針のハブ外周面に環状溝が形成されており、該環状溝が、採血管ホルダーと係合させるための係合凹部を構成している。他方、採血管ホルダー側には、圧縮バネに逆らって指で押圧することにより上記係合凹部と係合しない状態とされ、指を離すことにより圧縮バネの付勢力により上記係合凹部に係合する開口壁を有する小径開口部が備えられた係合具が取付けられている。 【0015】ここでは、上記係合具を押圧した状態で、採血針を採血管ホルダーに挿入し、押圧を解除することにより係合具の小径開口部の開口壁が採血針の上記係合凹部に係合し、採血針が採血管ホルダーに取り付けられる。この状態では、係合具の小径開口部の開口壁がバネの付勢力により採血針の係合凹部に圧接されているだけであるため、採血針を自由に回転させることができ、真空採血に際し、採血針の血管挿入用刃先の向きを自由に調整し得るとされている。また、採血針を採血管ホルダーから取り外すに際しては、上記係合具を指で押圧し、係合を解除することにより、採血針を採血管ホルダーから容易に抜去し得るとされている。 【0016】しかしながら、特開昭62−148646号公報に開示されている方法では、採血針に、上記環状溝よりなる係合凹部を形成しなければならず、従って、市販されている通常の採血針をそのまま用いることはできず、採血管ホルダーに応じて上述した特殊な採血針を用意しなければならなかった。 【0017】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、一般に使用されている採血針を容易に着脱することができ、採血針の取り外しに際して採血針に手を触れることなく採血針のみを取り外すことができ、かつ取付けられている状態において採血針の刃面を任意の方向に調整することが可能な採血管ホルダーを提供することにある。 【0018】 【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明は、真空採血に際し採血針及び真空採血管と組み合わせて用いられる採血管ホルダーであって、一端が開口されており、他端が端面により閉塞されているが、該端面に採血針が挿通される穴が形成されている筒状本体と、軸方向に略平行に延びる切り込みを有し、弾性により切り込みの幅が狭まることにより採血針を保持し、切り込みの幅を拡大させることにより採血針の着脱を可能とする円筒状の弾性保持部材とを備え、前記弾性保持部材は、前記筒状本体の端面外側に配置されており、かつ該弾性保持部材の一部は、筒状本体の端面に対してその位置が固定されていることを特徴とする。 【0019】また、請求項1に記載の発明に係る採血管ホルダーでは、好ましくは、請求項2に記載のように、前記円筒状の弾性保持部材の切り込みを挟んで対向している少なくとも一方の側に、切り込みの幅を拡大するためのレバーが形成されている。 【0020】また、請求項1に記載の発明に係る採血管ホルダーでは、好ましくは、請求項3に記載のように、前記筒状本体の端面近傍に凹部もしくは凸部が形成されており、前記レバーの一部に前記凹部もしくは凸部に係合し得る凸部もしくは凹部が形成されており、採血針を弾性保持部材を保持した際に前記筒状本体の凹部もしくは凸部にレバーの凸部もしくは凹部が係合されるように筒状本体の凹部もしくは凸部の位置が定められている。 【0021】請求項1〜3に記載の採血管ホルダーでは、請求項4に記載のように、弾性保持部材の一部は、筒状本体の端面に直接固定されていてもよく、請求項5に記載のように、筒状本体の端面に該端面との間に所定の空間を有するように固定された蓋材をさらに設け、該蓋材の前記空間側の内面に弾性保持部材の一部を固定した構造としてもよい。 【0022】すなわち、弾性保持部材の一部を、筒状本体の端面に対してその位置を固定するように弾性保持部材を筒状本体の端面外側に配置する構造については、請求項4または5に記載のように適宜変形することができる。 【0023】また、請求項6に記載の発明は、真空採血に際し採血針及び真空採血管と組み合わせて用いられる採血管ホルダーであって、一端が開口されており、他端が端面により閉塞されているが、該端面に採血針が挿通される穴が形成されており、かつ穴の外側において基端側が該端面に固定されており、先端が近接・離間可能とされた複数のリブが形成されている筒状本体と、前記採血管ホルダーの軸方向に移動可能に前記複数のリブに外挿されており、複数のリブの先端側に移動されることにより複数のリブを近接させる貫通孔を有する着脱操作部材とを備え、前記複数のリブが常時は、その弾性復元力により離間された状態とされており、該複数のリブの先端が近接されることにより採血針が保持され、離間されることにより採血針の着脱が可能とされていることを特徴とする。 【0024】請求項7に記載の発明は、真空採血に際し採血針及び真空採血管と組み合わせて用いられる採血管ホルダーであって、一端が開口されており、他端が端面により閉塞されているが、該端面に採血針が挿通される穴が形成されている筒状本体と、前記筒状本体の端面外側に突出形成されており、採血針を保持するための筒部と、前記筒部に挿入されており、かつ上記端面とは反対側において、互いに近接・離間可能とされた複数のリブが形成されている内筒とを備え、前記内筒が筒部に相対的に深く挿入されており、複数のリブが互いに近接して採血針を保持する保持位置と、前記内筒が筒部に対して相対的に浅く挿入されており、複数のリブが互いに離間されて採血針の着脱が可能である着脱位置とをとり得るように前記内筒が前記筒部内で軸方向に移動可能とされており、前記内筒及び筒部の一方に、他方に対して突出するように形成された少なくとも一つの突起をさらに備え、前記内筒及び筒部の他方に第1,第2の係合凹部が軸方向において異なる位置に形成されており、第1,第2の係合凹部にそれぞれ前記突起が係合された際に、前記保持状態及び着脱状態となるように第1,第2の係合部の位置が定められていることを特徴とする。 【0025】好ましくは、請求項7に記載の発明に係る採血管ホルダーでは、上記内筒を筒部内において上記端面とは反対方向に付勢するために、筒部内に付勢手段がさらに設けられる。 【0026】また、好ましくは、請求項7に記載の発明に係る採血管ホルダーでは、請求項9に記載のように、筒部の内周面に固定されており、かつ上記内筒の外径よりも大きな内径を有し、内側端部から軸方向外側に向かって延びるように深さが異なる第1,第2の結合凹部が形成されているストッパーがさらに備えられる。 【0027】請求項10に記載の発明は、真空採血に際し採血針及び真空採血管と組み合わせて用いられる採血管ホルダーであって、一端が開口されており、他端が端面により閉塞されているが、該端面に採血針が挿通される穴が形成されている筒状本体と、前記筒状本体の端面外側において一方端が固定された少なくとも2本の弧状もしくはJ字状バネ部材とを備え、前記複数のバネ部材の付勢力により該複数のバネ部材の内側面が採血針に弾性接触されて採血針が保持され、前記複数のバネ部材をその付勢力に逆らって移動させることにより複数のバネ部材内側面間の距離を大きくすることにより採血針が着脱自在とされていることを特徴とする。 【0028】請求項11に記載の発明は、真空採血に際し採血針及び真空採血管と組み合わせて用いられる採血管ホルダーであって、一端が開口されており、他端が端面により閉塞されているが、該端面に採血針が挿通される穴が形成されている筒状本体と、前記筒状本体の端面外側において該端面に一体に形成されており、採血針を保持するための複数の保持部材とを備え、前記複数の保持部材は、端面から端面外側に向かって延びる基端部と、基端部の先端から真空採血針に向かって延び、常時はその付勢力により採血針を保持し得るように構成された弾性爪とを有し、前記弾性爪を採血管ホルダーの軸方向に沿って前記端面側へ移動させ得るように採血管ホルダーに対して軸方向に移動可能に設けられた着脱操作部材をさらに備え、前記着脱操作部材を軸方向に移動させて前記複数の弾性爪を端面側にその付勢力に逆らって移動させることにより採血針を着脱可能な状態とすることが可能とされていることを特徴とする。 【0029】請求項12に記載の発明は、真空採血に際し採血針及び真空採血管と組み合わせて用いられる採血管ホルダーであって、一端が開口されており、他端が端面により閉塞されているが、該端面に採血針が挿通される穴が形成されている筒状本体と、前記端面の外側に固定されており、かつ常時は、その付勢力により採血針を弾力挟持し得る複数の弾力挟持部を有する弾性保持部材と、前記弾性保持部材の複数の弾力挟持部をその付勢力に逆らって該弾力挟持部間の間隔を広げるように弾性保持部材に組み合わされた着脱操作部材とをさらに備えることを特徴とする。 【0030】 【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ本発明の採血管ホルダーの構造を具体的に説明する。図1は、本発明の採血管ホルダーの第1の構造例を説明するための外観斜視図であり、図2はその模式的平面図である。 【0031】採血管ホルダー1は、筒状本体2と、筒状本体2の端面2aの外側に配置された弾性保持部材3とを有する。筒状本体2は、例えば合成樹脂もしくはステンレスなどの金属により構成され得る。筒状本体2は、全体が略円筒状の形状を有し、先端に径が若干小さくなった小径部2bを有し、小径部2bの先端が端面2aで閉塞されている。もっとも、図3(a)及び(b)に示すように、端面2aの中央には、孔2cが形成されている。 【0032】また、筒状本体2の他方端部には、フランジ部2dが形成されている。フランジ部2dは、採血管ホルダー1を図1に示すように立設した場合に、机上などに安定に配置することを可能とするため、並びに採血管ホルダー1に真空採血管を挿入する際の作業を容易とするために設けられている。もっとも、フランジ部2dは、必ずしも設けられずともよく、かつフランジ部2dの平面形状についても、図示のものに限定されるものではない。 【0033】また、筒状本体2の内径は、使用する真空採血管が挿入され得る限り、適宜の径とされ得る。通常は、真空採血管の外径よりも若干大きな径を有するように構成される。 【0034】筒状本体2の端面2aの外側には、弾性保持部材3が配置されている。弾性保持部材3は、図4に斜視図で示すように、軸方向に略平行に延びる切り込み3aを有する円筒状部材で構成されている。弾性保持部材3では、切り込み3aが形成されているため、切り込み3aの幅を押し広げた場合には、弾性により切り込み3aの幅が元の幅となるように変形しようとする。後述するように、弾性保持部材3は、上記弾性による復元力を利用して真空採血針のハブを保持させるために設けられている。 【0035】従って、弾性保持部材3を構成する材料としては、上記弾性保持力を発揮し得る限り、特に限定されず、金属により構成されていてもよく、合成樹脂により構成されていてもよい。 【0036】もっとも、最終的な焼却または廃棄を考慮した場合、弾性保持部材3は合成樹脂からなることが好ましく、特に、ポリアセタールやナイロンのような靱性の大きな樹脂や、架橋ゴムもしくは熱可塑性エラストマーのような弾性体を用いることが好ましい。上記弾性体を用いる場合には、JIS Aの硬度が60程度のものが採血針を確実に保持し得るため好ましいが、前者の靱性の大きな樹脂に弾性体を被覆して用いることもでき、この場合には、弾性体の硬度は特に限定されるものではない。 【0037】また、上記弾性保持部材3は、図示しない接着剤を用いて、その下面3bの一部が筒状本体2の端面2aに固定されている。図2に、この接着剤による固定部分を、矢印Aで示す。なお、図2においては、弾性保持部材3が平面視されているが、矢印Aで示すハッチング領域は、弾性保持部材3の下面3bと端面2aとを接着している領域を示すものとする。 【0038】すなわち、弾性保持部材3は、上記矢印Aで示した領域、すなわち下面3bの一部においてのみ端面2aに固定されている。これは、弾性保持部材3の下面3bの全領域で端面2aに固定されると、弾性保持部材3の内径を拡大するように切り込み3aの幅を拡げることができないからである。 【0039】従って、弾性保持部材3を端面2aに接着する領域は、上記弾性保持部材3を拡径し、さらに弾性復元力により真空採血針のハブを弾力挟持し得る限り、特に限定されるものではなく、図2に矢印Aで示した領域に限らず、下面3bの他の部分であってもよい。 【0040】また、上記固定部分は、弾性保持部材3を拡径あるいは縮径した場合の応力が加わる部分であるため、その面積は、このような操作に際して破損しない程度の大きさとされる。 【0041】この固定部分の面積については、弾性保持部材3の材質及び厚みによっても異なるが、上記拡径及び縮径作業を行うことを可能とする上では、中心角で45度以下の領域とすることが望ましい。また、弾性保持部材3の厚みについても、材質によっても異なるが、0.7〜3.0mm程度とすることが好ましく、より好ましくは1.0〜1.5mmとすることが望ましい。肉厚が0.7mm未満では、真空採血針のハブを確実に弾力挟持することが困難となることがあり、3.0mmを超えると、拡径作業が困難となることがある。 【0042】また、弾性保持部材3の内径は、採血針のハブのうち弾性保持部材で保持されるべき部分の外径よりも小さくされている。なお、弾性保持部材3の軸方向長さは、好ましくは、後述のように、採血針のハブの第1,第2のフランジ部内の長さに等しくされる。 【0043】また、図1に示した採血管ホルダー1では、筒状本体2に、別部材として用意された弾性保持部材3が接着剤により固定されていたが、筒状本体2及び弾性保持部材3は合成樹脂等により一体的に構成してもよい。 【0044】上記弾性保持部材3を用いて真空採血針を採血管ホルダー1に固定する工程を、図5を参照して説明する。図5では、理解と容易とするために、筒状本体2については図示を省略してあるが、図5(a)〜(c)における弾性保持部材3は、図1に示したように筒状本体2に固定されている。 【0045】まず、図5(a)に示すように、弾性保持部材3の上面3c側から真空採血針5の弾性鞘体6を挿入する。この真空採血針5は、従来より一般的に用いられている採血針であり、針管7をハブ8に挿通し、固定した構造を有する。針管7は、一端側に血管挿入用刃先7aを有し、他端側に真空採血管の栓体を刺通するための刃先が形成されている。この栓体刺通側の刃先及びそれに連なる部分が、上記弾性鞘体6により被覆されている。 【0046】また、ハブ8は、弾性鞘体6よりも径の大きな第1のフランジ部8aと、第1のフランジ部8aと所定距離を隔てて刃先7a側に配置された相対的に大きな径の第2のフランジ部8bとを有する。 【0047】次に、真空採血針5を採血管ホルダー内に押し込んでいくと、第1のフランジ部8aが弾性保持部材3の上面3cに当接する。この場合、第1のフランジ部8aの外径に比べて、弾性保持部材の内径が小さいため、そのままではハブ8を弾性保持部材8に挿入することができない。そこで、上記弾性保持部材3の切り込み3aの幅を拡げるように拡径操作を行う。この拡径操作は、弾性保持部材3の弾性に逆らって、切り込み3aの幅を拡げることにより行うことができ、それによって図5(b)に示すようにハブ8の第1のフランジ部8aが弾性保持部材3内に挿入される。 【0048】真空採血針5をさらに弾性保持部材3に挿入していくことにより、第1のフランジ部8aが弾性保持部材3を通過する。第1,第2のフランジ部8a,8b間の筒状部8cは、第1のフランジ部8aよりも小さな径を有し、但し、弾性保持部材3の初期状態における内径よりも大きくされている。 【0049】従って、真空採血針5をさらに弾性保持部材3に挿入すると、第1のフランジ部8aが弾性保持部材3の下方に位置し、弾性保持部材3の内周面が筒状部8cに接触される。この場合、筒状部8cの外径が弾性保持部材3の内径よりも大きいため、弾性保持部材3の上述した弾性復元力により筒状部8cの外周面に圧接されることになる。このようにして、真空採血針5が弾性保持部材3により弾力保持される。 【0050】好ましくは、上記のように筒状部8cよりも径の大きな第2のフランジ部8bを設けることにより、真空採血針5の軸方向への移動、特に弾性保持部材3側への移動を規制することができる。また、より好ましくは、弾性保持部材3の軸方向長さを、第1,第2のフランジ部8a,8b間の距離、すなわち筒状部8cの軸方向の長さと等しくすることにより、真空採血針5の軸方向の移動をより一層確実に規制することができ、真空採血針5を確実に保持・固定することができる。 【0051】図1に示した採血管ホルダー1では、真空採血針が上記弾性保持部材3の弾性復元力を用いて弾力保持されるため、真空採血針を採血管ホルダー1に固定した状態において、その軸方向のまわりに回転させることができる。従って、真空採血針の血管挿入用刃先の向きを、採血者の血管の位置や状態に応じて最適な方向とすることができる。 【0052】しかも、所望の向きとなるように真空採血針5の向きを調整した後には、真空採血針のハブ8が弾性保持部材3の弾性復元力により強固に弾力保持されるため、刃先の向きを調整するために真空採血針を回転させた後には、刃先の向きは移動し難い。 【0053】図6は、本発明に係る採血管ホルダーの他の構造例を示す斜視図であり、図7はその要部を拡大して示す下方から見た斜視図である。採血管ホルダー11は、弾性保持部材3の固定構造が異なることを除いては、採血管ホルダー1と同様に構成されている。すなわち、筒状本体2の端面2a上に、円板状天板部12aと、天板部12aの下面の一部から下方に延びる脚部12b,12bを有するキャップ12が図示しない接着剤を用いて固定されている。弾性保持部材3は、このキャップ12の天板部12aの下面に固定されている。弾性保持部材3自体は、図4に示した弾性保持部材3と同様に構成されている。また、弾性保持部材3の上面3cは、図7に矢印Bで示す位置において、接着剤を用いて天板部12aの下面に接着・固定されている。すなわち、弾性保持部材3の上面3cが部分的に天板部12aの下面に固定されている。この接着固定部分の面積は、図2に矢印Aで示した接着固定領域と同様とされている。 【0054】従って、採血管ホルダー11においても、弾性保持部材3は、切り込み3aを拡げるように拡径することができ、かつ拡径後に弾性復元力を利用して縮径させることができる。 【0055】キャップ12は、上記のように筒状本体2の端面2aに代わり、弾性保持部材3を固定するために設けられている。もっとも、キャップ12は、脚部12b,12bにより端面2aの上面に接着固定されているため、結果として、弾性保持部材3は、端面2aに対してその位置が固定されていることになる。キャップ12は、上記のように弾性保持部材3を固定する部分として作用するものであるため、合成樹脂や金属等の適宜の材料により構成することができる。 【0056】キャップ12の天板部12aには、図8(a)及び(b)に示すように貫通孔12cが形成されている。貫通孔12cは、真空採血針を挿入するために設けられているが、真空採血針のハブ8(図5参照)の第2のフランジ部8bと等しい径の凹部12dの中央に形成されている。また、貫通孔12cの径については、第1のフランジ部8aの外径よりも大きく、第2のフランジ部8bの径よりも小さくされている。従って、キャップ12に真空採血針5を挿入した場合、図9に示すように、第2のフランジ部8bが凹部12dに嵌まり合うため、弾性保持部材3を用いてハブ8を弾力保持し、固定した場合、真空採血針5のキャップ12の上面におけるがたつきを抑制することができる。 【0057】上記採血管ホルダー1,11においては、真空採血針を着脱する際は、弾性保持部材3を拡径する操作が必要である。この拡径操作については、切り込み3aに切り込み3aの初期状態の幅よりも大きな治具を挿入する方法など任意の方法で行うことができる。なお、取り付ける際には、採血針のフランジ8aと弾性保持部材にテーパーを設けることにより、採血針のハブ8を弾性保持部材3に強く押し込むだけで取り付け可能とできる。 【0058】例えば、図10(a),(b)に示すように、弾性保持部材3の切り込み3aに、切り込み3aの初期状態の幅よりも狭い先端部分を有する楔21を挿入する方法、あるいは図11(a),(b)に模式的平面図で示すように弾性保持部材3自体に、切り込み3aを挟んで対向している部分の一方側に拡径操作を容易とするためのレバー14を設ける方法などが挙げられる。 【0059】レバー14については、図11に示すように、弾性保持部材3の切り込み3aを挟んで対向している一方部分において、弾性保持部材3の径方向外側に延びるように、指で把持し易い長さの部材を形成することにより構成することができる。また、場合によっては、切り込み3aを挟んで対向している両側の部分にレバー14を設けてもよい。レバー14については、弾性保持部材3と合成樹脂とを用いて一体に構成してもよく、あるいは弾性保持部材3に別部材からなるレバー14を接着剤等を用いて固定してもよい。 【0060】もっとも、上記拡径操作に際して、筒状本体を手により強固に保持しようとし、筒状本体を強く握ると、図12に矢印で示すような外力が働くことになる。従って、図12に矢印で示す方向と異なる方向で採血針の着脱を行うことが好ましい。また、より好ましくは、図11に矢印の方向で示す方向に力を加える方法が望ましい。 【0061】また、上記レバー14を弾性保持部材3に設けた構造においては、好ましくは、図13に示すように、レバー14の下面に下方突出部14aを設け、該下方突出部14aの弾性保持部材3の軸方向中心側に向かって突出した係合突起14bを設け、他方筒状本体2側に係合突起14bと係合する凹部2eを形成してもよい。係合凹部2eの周方向位置を、係合突起14bが係合凹部2eに係合した際に、採血針を強固に保持し得るように設定することにより、真空採血針を弾性保持部材3により強固に固定することができる。 【0062】すなわち、採血管ホルダー1では、真空採血針5は上記弾性保持部材3の弾性復元力によってのみ弾力挟持されているため、弾性保持部材3の肉厚が薄い場合などのように、場合によっては真空採血針が弾性保持部材3により強固に固定され得ないことがある。このような場合には、上記係合突起14b及び凹部2eを設けることにより、真空採血針5を弾性保持部材3を用いて強固に固定することができ、採血針のぐらつきを防止することができる。 【0063】また、より好ましくは、第2の構造例に係る採血管ホルダー11において、上記レバー14及び係合構造を採用すれば、キャップ12の凹部12dの作用と、上記係合構造の作用とにより、真空採血針のぐらつきをより一層効果的に防止することができる。 【0064】また、弾性保持部材3にレバーを設ける場合の形状についても特に限定されず、図14(a),(b)に示すように、弾性保持部材3の切り込み3aを挟んで対向する一方部分にレバー14を、他方部分にレバー15を形成したものであってもよい。この場合、レバー14は、弾性保持部材3の軸方向に延びる基部14cと、基部14cの先端で上下方向に延びる把持部14eとを有する。このように、弾性保持部材3に比べて大きな把持部14eを設けることにより、指による拡径操作を容易に行うことができる。 【0065】また、本発明に係る採血管ホルダーにおいて、上記弾性保持部材3の内周面は、必ずしも平滑に構成されている必要はなく、例えば図15に示すように、弾性保持部材3の内周面に、凹凸3dを形成してもよい。このように凹凸3dを形成することにより、採血針の軸まわりの回転方向を規制することができる。 【0066】(請求項6に記載の発明に係る採血管ホルダーの構造例)図16(a)及び(b)は、請求項6に記載の発明に係る採血管ホルダーの構造例を説明するための各斜視図である。採血管ホルダー21では、下端が開口されており、上端が端面22aにより閉塞されているが、端面22aに採血針が挿通される穴が形成されている筒状本体22を有する。筒状本体22においては、穴の外側において、すなわち端面22aの外側に複数のリブ23a,23bが一体に形成されている。リブ23a,23bの基端側は、端面22aに固定されており、リブ23a,23bの先端が、互いに近接・離間可能とされている。 【0067】リブ23a,23bが近接された状態が図16(a)に示されており、この状態で、図示しない真空採血針がリブ23a,23bに保持される。他方、図16(b)は、リブ23a,23bが互いに離間された状態を示し、この場合には、図示しない真空採血管を容易に着脱することが可能とされている。 【0068】複数のリブ23a,23bは、先端側が、複数のリブ23a,23bを近接させて集合した際に円形の開口部を構成するように、その内周面が略円筒曲面状とされている。また、複数のリブ23a,23bの外周面は、図16(a)に示す近接状態にある場合に、複数のリブ23a,23bが集合された構造の基端側に比べて、先端側の径が大きくなるようにテーパーが付けられた形状を有する。 【0069】複数のリブ23a,23bは、筒状本体22と合成樹脂などにより一体に構成されており、常時は、図16(b)に示すように、複数のリブ23a,23bの先端が離間するように合成樹脂の弾性により付勢されている。 【0070】すなわち、リブ23a,23bは、上記真空採血針の保持及び着脱操作を可能とするために、近接状態では、リブ23a,23bの内周面が真空採血針の被保持部を保持するように、リブ23a,23bを近接させた状態において、その集合体の内径が真空採血管の被保持部の外径よりも若干小さくされている。 【0071】他方、図16では図示を省略してあるが、図17(a)に示すように、上記採血管ホルダー21の軸方向に移動可能に配置されており、かつ複数のリブ23a,23bに外挿された着脱操作部材24が備えられている。着脱操作部材24は、筒状部24aと、天板部24bとを有する。天板部24bには、貫通孔24cが形成されている。また、着脱操作部材24は、採血管ホルダー21に、その軸方向に移動可能に取り付けられている。 【0072】上記貫通孔24cの径は、着脱操作部材24を上方に移動させた場合に、複数のリブ23a,23bの外周面に貫通孔24cの内周面が当接し、複数のリブ23a,23bを図16(a)に示した近接状態すなわち採血管保持状態とし得るように選ばれている。 【0073】また、上記貫通孔24cの径は、複数のリブ23a,23bが図16(b)に示す離間状態にある際のリブ23a,23bの基端側における外周縁を結ぶ円よりも大きな径を有するように選択されている。 【0074】従って、着脱操作部材24を、端面22a側に移動することにより、図17(b)に示すように、複数のリブ23a,23bを離間状態として、真空採血針の着脱を容易に行うことができる。また、真空採血針を取り付けるに際しては、図17(b)に示す状態から真空採血針を挿入し、複数のリブ23a,23bの内周面と真空採血針の被保持部の軸方向位置が一致した状態で、着脱操作部材24を上方に移動させることにより、複数のリブ23a,23bを図16(a)に示す状態として真空採血針を保持することができる。この場合、複数のリブ23a,23bの外周面が上述したテーパーを有するため、着脱操作部材24を上方に移動させるだけで、貫通孔24cの内周面により複数のリブ23a,23bが近接する方向に付勢され、真空採血針が複数のリブ23a,23bにより確実に保持される。 【0075】また、保持された真空採血針の取り外しに際しては、着脱操作部材24を下方に移動すると、複数のリブ23a,23bが互いに離間する方向に付勢されているため、図16(b)に示したように、複数のリブ23a,23bの先端が開き、容易に真空採血針を取り外すことができる。 【0076】好ましくは、図18に示すように、上記着脱操作部材24の天板部24bの下面と端面22aとの間に圧縮バネ25を配置し、着脱操作部材24を上方に圧縮バネ25により付勢してもよい。圧縮バネ25を天板部24bの下面と端面22aの上面との間に介在させることにより、真空採血針の着脱をより確実かつ容易に行うことができる。 【0077】すなわち、圧縮バネ25の付勢力に逆らって着脱操作部材24を図18に示すように、端面22a側に近付けることにより、複数のリブ23a,23bの先端が開き、真空採血針の着脱を容易に行うことができる。真空採血針を取り付けるに際しては、図18に示した状態から真空採血針を挿入し、複数のリブ23a,23bの内周面が真空採血針の被保持部に対して軸方向に位置決めされた状態で着脱操作部材24に加えていた力を開放すればよい。すなわち、圧縮バネ25の付勢力により、着脱操作部材24が上方に移動され、上記力を開放するだけで、貫通孔24cにより複数のリブ23a,23bが図16(a)に示した近接状態(保持状態)となるように移動される。 【0078】しかも、真空採血針を複数のリブ23a,23bで保持した状態において、上記圧縮バネ25の付勢力により、複数のリブ23a,23bが互いに近接するように付勢され続けている。従って、真空採血針を確実かつ容易に採血管ホルダー21に保持させることができる。 【0079】なお、リブ23a,23bの形状及び数については、図16に示したものに限定されず、3以上のリブを設けてもよく、また複数のリブが集合した状態で、必ずしも閉環を構成する必要もない。すなわち、複数のリブが近接された状態で、リブ間に隙間があってもよく、その場合であっても真空採血針を確実に保持することができる。 【0080】また、リブ23a,23bの内周面の形状についても、図18に断面図で示されているものに限定されず、保持される採血針の被保持部の外形に応じて適宜変更され得る。 【0081】また、複数のリブ23a,23bは、繰り返し使用されるものであるため、繰り返し使用した場合においても折り曲げによる破壊等が生じ難い材質で構成することが好ましい。また、採血管ホルダー21においては、内部の採血管を外部から視認し得るように、透明性を有することが望ましい。従って、これらの要求を満たすには、採血管ホルダー21及び複数のリブ23a,23bは、ポリプロピレンにより構成することが好ましい。もっとも、着脱操作部材24については、透明である必要は必ずしもなく、従って、上記操作に耐え得る機械的強度を有する限り、適宜の材料により構成することができる。 【0082】(請求項7に記載の発明に係る採血管ホルダーの構造例)図19は、請求項7に記載の発明に係る採血管ホルダーの構造を説明するための縦断面図である。 【0083】採血管ホルダー31は、図示しない下端が開口されており、上端が端面32aにより閉塞されている筒状本体32を有する。筒状本体32の端面32aには、採血針が挿通される穴32bが形成されている。 【0084】端面32aの外側には、筒部33が突出形成されている。筒部33は、筒状本体32と同じ材料により一体に構成されているが、他の材料により構成されてもよく、端面32aに接着剤などを用いて固定されていてもよい。 【0085】本構造例では、筒部33は筒状本体32と一体に構成されている。この筒部33の構造を、図20を参照して説明する。筒部33は、端面32a側に相対的に径の小さな小径部33aを有し、上方に相対的に径の大きな大径部33bとを有する。小径部33aと大径部33bとの間には、周方向に延びるように、複数の山形部33cが形成されている。山形部33cは、垂直壁33c1 と、垂直壁33c1 と頂点で集合されている傾斜壁33c2 とを有する。 【0086】図19に戻り、筒部33の上端33d近傍においては、筒部33の内周面にストッパー34が固定されている。上記ストッパー34を、図21(a)及び(b)に示す。ストッパー34は、リング状の部材であり、下端に深さの異なる第1,第2の係合凹部34a,34bを有する。すなわち、第1の係合凹部34aは、垂直壁34a1 と、傾斜壁34a2 とが最奥部で集合されている形状を有し、その深さが相対的に小さくされている。 【0087】他方、第2の係合凹部34bは、水平方向に延びる底部34b1 と、底部34b1 の両側に設けられた垂直壁34b2 ,34b3 とを有し、その深さが相対的に大きくされている。第1,第2の係合凹部34a,34bは、周方向に交互に形成されており、かつ後述の内筒の外周面に設けられた突起に係合される部分を構成している。 【0088】図19に戻り、筒部33内には、内筒35が挿入されている。この内筒35の構造を、図22及び図23を参照して説明する。内筒35は、略筒状の部材であるが、上端側に、真空採血針を保持するために近接・離間される複数のリブ35a〜35dを有する。図22はリブ35a〜35dが互いに近接して採血針を保持する状態とされており、図23では、複数のリブ35a〜35dの先端が互いに離間されて採血針を着脱し得る状態とされている。 【0089】複数のリブ35a〜35dは、上記近接状態及び離間状態を実現するために、薄肉部35e(図22(b))を基点として先端側が径方向外側に移動し得るように構成されている。 【0090】また、複数のリブ35a〜35dは、図22(a)に示す近接状態では、リブ35a〜35dが集合することにより構成される円形の内周面が、挿入される真空採血針の被保持部の外径よりも小さくされている。 【0091】他方、図23(a)に示す離間状態では、リブ35a〜35dの内周面を結んで構成される円の径は、真空採血針の最大外径部分よりも大きくされている。内筒35の中間高さ位置においては、径方向外側に突出する複数の突起35fが形成されている。突起35fは、前述したストッパー34の第1,第2の係合凹部34a,34bに係合される部分である。また、内筒35においては、上端から下端に貫くように真空採血針が挿入される貫通孔35gが形成されている。 【0092】図19に戻り、内筒35の下端面と端面32aとの間には押圧バネ36が挿入されている。押圧バネ36は、内筒35を上方に付勢している。図19を参照して、採血管ホルダー31における真空採血針の着脱操作を説明する。 【0093】初期状態では、内筒35は押圧バネ36により上方に付勢されているが、突起35fがストッパー34の第2の係合凹部34bに入り、第2の係合凹部34bの最奥部にある底部34b1 に当接されている。従って、図19に示す状態とは異なり、内筒35が図19に示されている状態よりも上方に移動されており、内筒35の先端側に設けられた複数のリブ35a〜35dが筒部33の外側において互いに離間された状態(図23に示す状態)とされている。従って、真空採血針を内筒35の貫通孔35g内に容易に挿入することができ、真空採血針を内筒35に押し付けると、真空採血針のフランジ(図5の8b)が内筒35のリブ35a〜35dの基端に位置する水平面35h(図23)に当たり、内筒35を下方に押動することができる。 【0094】押圧バネ36の付勢力に逆らって内筒35を下方に移動すると、第2の係合凹部34bから突起35fが離脱する。また、ストッパー34の溝34aと筒部33の山形部33aの係合関係により、上記突起35fが、第1の係合凹部34a側に移動し、係止される。この状態が図19に示されている。図19に示すように、内筒35では複数のリブ35a〜35dが近接された状態に維持される。そのため、複数のリブ35a〜35dの内周面により、真空採血針の被保持部が確実に保持される。採血はこの状態で行われる。 【0095】採血終了後、再度採血針を押し込み、内筒35を下方に押動すると、ストッパー34の溝34aと筒部33の山形部33aの係合関係により、上記突起35fが、第2の係合凹部34b側に移動し、押圧バネの付勢力によって34b内に入り込み、係止される。その結果、初期状態に戻り、内筒35は図23(b)に示すように、リブが離間された状態になり、採血針の取り外しが可能になる。 【0096】よって、上記第1の係合凹部34aの深さは、突起35fが係止された際に、内筒35の複数のリブ35a〜35dが真空採血針を保持し得るように選ばれる。すなわち、複数のリブ35a〜35dが近接状態にあるときに、これらの内周面で規定される円の径が真空採血針の被保持部の外径よりも小さくなるように、上記第1の係合凹部34aの深さが選択される。 【0097】他方、第2の係合凹部34bの深さについては、上述したように、突起35fが第2の係合凹部34bに係合された際に、複数のリブ35a〜35dが図23に示した離間状態となるように選ばれる。すなわち、複数のリブ35a〜35dが離間した状態となるように内筒35が筒部33から上方に突出した状態とされるように、第2の係合凹部34bの深さが選ばれる(図24参照)。 【0098】(請求項10に記載の発明に係る採血管ホルダーの構造例)図25は、請求項10に記載の発明に係る採血管ホルダーの構造例を説明するための部分切欠斜視図である。採血管ホルダー41では、筒状本体42の下端が開口されており(特に図示せず)、上端が端面42aにより閉塞されている。もっとも、端面42aには、採血針が挿入される穴42bが形成されている。 【0099】穴42bの上方においては、端面42aに、2本のJ字状バネ部材43,44が取り付けられている。J字状バネ部材43,44は、外側端に円板状の操作部43a,44aを有し、操作部43a,44aから内側に向かってJ字状に延ばされている。また、J字状に延ばされている部分の内側面43b,44bが互いに対向するように配置されている。 【0100】上記内側面43b,44bは、常時は、その対向距離が、保持される真空採血針の被保持部の外径よりも小さくされている。他方、上記J字状バネ部材43,44は、端部43c,44cにおいて端面42aに固定されている。 【0101】採血管ホルダー41を用いて真空採血針を着脱する操作を説明する。初期状態では、内側面43b,44bの対向距離が、真空採血針の被保持部よりも小さいため、図25に示す状態のままでは真空採血針を挿入することができない。 【0102】そこで、まず、操作部43a,44aを採血管ホルダー41の中心軸に向かって押圧する。J字状バネ部材43,44は、端部43c,44cが端面42aに固定されているため、この操作により、J字状バネ部材43,44がたわみ、内側面43b,44b間の対向距離が拡げられる。従って、内側面43b,44bで囲まれた領域に真空採血針を挿入することができる。 【0103】次に、内側面43b,44bの軸方向位置を、真空採血針の被保持部に合致するように調整し、その状態で操作部43a,44aに加えていた力を開放する。その結果、内側面43b,44bが、J字状バネ部材43,44の付勢力により初期状態に復帰しようとし、該付勢力より、内側面43b,44bにより真空採血針の被保持部が弾力挟持される。 【0104】従って、操作部43a,44aに採血管ホルダー41の中心軸方向に力を加え、真空採血針を挿入し、軸方向位置を調整した後、力を開放するだけで、容易に真空採血針を採血管ホルダー41に保持させることができる。 【0105】真空採血針の取り外しに際しては、操作部43a,44aに再度採血管ホルダー41の中心軸方向に力を加え、内側面43b,44bの対向距離を増大させる。その結果、内側面43b,44bの対向距離が大きくなるため、採血管ホルダー41を上下転倒させるだけで、真空採血針に手を触れることなく真空採血管を採血管ホルダーから取り外すことができる。 【0106】好ましくは、図26に示すように、上記J字状バネ部材43,44を被覆するように蓋材45を設けてもよい。蓋材45は、筒状部45aと、貫通孔45bを有する天板部45cとを有する。筒状部45aの下面が筒状本体42の端面42aに固定されている。また、貫通孔45bは真空採血針を保持した状態で真空採血針の揺動を規制するために設けられている。 【0107】図27に略図的に示すように、真空採血針46がハブ46aを有し、ハブ46aの上端にフランジ部46bが形成されている場合、該フランジ部46bを、貫通孔45bに係合させることにより、真空採血針の保持状態を安定化することができる。すなわち、貫通孔45bは、相対的に径の小さな小径部45b1 と、小径部45b1 の上方に配置されており、かつ相対的に径の大きな大径部45b2とを有する。従って、上記貫通孔45bの大径部45b2 の径を、真空採血針46のフランジ部46bの径と同等としておき、小径部45b1 の径をフランジ部46bの径よりも小さくしておくことにより、フランジ部46bを貫通孔45b内に安定に保持することができる。 【0108】なお、採血管ホルダー41では、一対のJ字状バネ部材43,44を用いたが、J字状バネ部材に代えて、同様の作用を発揮し得る弧状のバネ部材を用いてもよく、また、これらのバネ部材の数についても2本に限定されず、3本以上用いてもよい。 【0109】(請求項11に記載の発明に係る採血管ホルダーの構造例)図28は、請求項11に記載の発明に係る採血管ホルダーの一構造例を示す部分切欠断面図である。 【0110】採血管ホルダー51では、筒状本体52は、下端(図示されず)が開口されており、上端が端面52aにより閉塞されている。もっとも、端面52aには、採血針が挿入される穴52bが形成されている。 【0111】端面52aの外側には、端面52aに一体に複数の保持部材53が形成されている。保持部材53は、真空採血針を保持するために設けられており、端面52aから端面外側に向かって延びる基端部53aと、基端部53aの先端から保持される真空採血針(図示されず)に向かって延び、常時はその付勢力より採血針を保持し得るように構成された弾性爪53bを有する。図28から明らかなように、弾性爪53bは、先端にいくにむかって厚みが薄くなるように構成されており、端面52aと略平行に延ばされている。 【0112】複数の弾性爪53bの先端間の距離は、挿入される真空採血針の被保持部の外径よりも小さくされている。従って、真空採血針を挿入した場合、被保持部が弾性爪53b,53b間を押し広げるように保持された場合、弾性爪53b,53bの弾性復元力により真空採血針を弾性爪53b,53b間に保持することができる。 【0113】他方、保持部材53,53の外側には、着脱操作部材54が配置されている。着脱操作部材54は、筒状部54aを有する。筒状部54aは筒状本体52に外挿されている。また、筒状部54aの上端には、天板部54bが連ねられており、天板部54bの中央に貫通孔54cが形成されている。貫通孔54cの周壁は、天板部54bよりも下方に突出されており、それによって環状突起54dが形成されている。この環状突起54dは、弾性爪53b,53bを下方に押圧するために設けられている。 【0114】採血管ホルダー51を用いて真空採血針を着脱する操作を説明する。初期状態では、弾性爪53b,53b間の対向距離は真空採血針の被保持部の保持部の外径よりも小さくされている。従って、図28に示す状態のまま真空採血針を挿入することは困難である。そこで、まず、着脱操作部材54を図28に示す状態から下方に移動させ、弾性爪53b,53bの下方であり、かつ径方向外側に移動させることにより、弾性爪53b,53b間の対向距離を増大させる。この状態で真空採血針を挿入し、真空採血針の被保持部と弾性爪53b,53bの軸方向位置を合わせる。 【0115】しかる後、着脱操作部材54に加えていた力を開放する。その結果、弾性爪53b,53bの弾性復元力により、着脱操作部材54が上方に押し上げられると共に、弾性爪53b,53bにより真空採血針の被保持部が強固に保持される。 【0116】真空採血針の取り外しに際しては、採血管ホルダー51を上下転倒し、その状態で着脱操作部材54を端面52a側に圧接する。その結果、弾性爪53b,53bが再度端面52a側であって径方向外側に移動され、弾性爪53b,53b間の対向距離が増大される。従って、保持されていた真空採血針が採血管ホルダー51から外れ、落下する。 【0117】従って、本構造例に係る採血管ホルダー51においても、採血管の着脱に際し、真空採血針にほとんど手を触れることなく操作することができ、かつ汚染された真空採血針の取り外しに際しては、真空採血針に手を全く触れることなく真空採血針を取り外すことができる。 【0118】(請求項12に記載の発明に係る採血管ホルダーの構造例)請求項12に記載の発明に係る採血管ホルダーでは、前述した請求項1に記載の発明に係る採血管ホルダーと同様の筒状本体が用いられ、この筒状本体の構造については、図1に示した筒状本体2と同様に構成されるため、図示を省略することとする。 【0119】本構造例の採血管ホルダーでは、筒状本体の採血針が挿通される穴が形成されている側に構成されている端面の外側に、図29に示す弾性保持部材61が固定されている。弾性保持部材61は、真空採血針を挟持する一対の挟持面61a,61bを有する。挟持面61a,61bは、円筒状曲面を有し、互いに対向されている。この挟持面61a,61bは、バネ性を有する連結部61c,61dにより連結されている。また、初期状態では、挟持面61a,61b間の対向距離は、挿入される真空採血針の被保持部の外径よりも小さくされている。また、連結部61c,61dは、図29において、挟持面61a,61bが対向している方向に力を加えることによりそのバネ性に逆らって挟持面61a,61b間の対向距離を拡げるように変形し得る。 【0120】上記挟持面61a,61bにより、弾力挟持部が構成されている。挟持面61aに連なるように、挟持面61aの後方に、ストッパー61hが形成されている。 【0121】他方、弾性保持部材61では、矩形の枠部61eに、溝61f,61gが形成されている。溝61f,61gは、上記連結部61c,61dの上面よりも、溝61f,61gの底面が高くなるように形成されている。他方、上記ストッパー61hは、溝61f,61gの底面よりも上方に延びるように、かつ溝61f,61gの長さ方向を延長した位置に配置されている。 【0122】本構造例の採血管ホルダーでは、上記弾性保持部材61に対し、着脱操作部材62が組み合わされる。着脱操作部材62は、溝61f,61gに入り込み得る操作片62a,62bを操作部62cで連結し、一体化した構造を有する。 【0123】操作片62a,62bは、溝61f,61g内に挿入された際に、溝61f,61gの底面に沿って摺動し、その先端がストッパー61hに当接し、かつストッパー61hを挟持面61bから遠ざける方向に移動させ得る長さに選ばれている。 【0124】次に、本構造例に係る採血管ホルダーを用いた真空採血針の着脱操作を説明する。真空採血針を取り付けるに際しては、挟持面61a,61b間の対向距離が真空採血針の被保持部の外径よりも小さくされているため、そのままの状態では真空採血針を挟持面61a,61b間に保持させることができない。従って、まず、着脱操作部材62の操作片62a,62bを弾性保持部材61の溝61f,61g内に挿入し、操作部62cを押圧することにより、操作片62a,62bによりストッパー61hを挟持面61bから遠ざかるように移動させる。その結果、ストッパー61hに連結されている連結部61c,61dがたわみ、挟持面61a,61b間の対向距離が増大し、真空採血針を挿通させることができる。 【0125】しかる後、真空採血針の被保持部と、挟持面61a,61bの採血管ホルダーの軸方向位置を合わせる。その状態で、着脱操作部材62に加えていた力を開放する。その結果、連結部61c,61dの付勢力により、ストッパー61hが挟持面61b側に引き寄せられると共に、挟持面61a,61b間の対向距離が小さくなり、真空採血針の被保持部が挟持面61a,61bにより弾力挟持される。 【0126】真空採血針を取り外すに際しては、着脱操作部材62の操作片62a,62bを再度溝61f,61g内に挿入し、採血管ホルダーを上下転倒する。その状態で、ストッパー61hを挟持面61bから遠ざけるように、操作片62a,62bによりストッパー61hを押圧し、連結部61c,61dをたわませる。その結果、挟持面61a,61b間の対向距離が再度増大され、真空採血針が落下する。 【0127】従って、弾性保持部材61及び着脱操作部材62を有する本構造例に係る採血管ホルダーにおいても、汚染された真空採血針に手を触れることなく、真空採血針を採血管ホルダーから容易に取り外すことができる。 【0128】 【発明の効果】請求項1に記載の発明に係る採血管ホルダーでは、弾性保持部材の切り込みの幅を拡大させる拡径操作及び弾性保持部材の弾性復元力を利用した縮径操作により、真空採血針の保持及び抜去を容易に行うことができる。すなわち、筒状本体の端面外側に配置された円筒状の弾性保持部材を拡径することにより、真空採血針を弾性保持部材内に容易に挿入することができ、拡径操作を停止し、弾性保持部材の弾性復元力を利用して縮径させることにより、真空採血針を弾性保持部材に確実に保持させることができる。すなわち、ねじ込みのような煩雑な作業を用いることなく真空採血針を採血管ホルダーに容易にかつ迅速に取り付けることができる。 【0129】加えて、保持されている状態において、真空採血針は弾性保持部材の内周面に弾性保持部材の弾性復元力を利用して圧接されているため、軸まわりに容易に回転させることができる。従って、真空採血管の血管挿入側の刃先の向きを、採血が行い易い向きに容易に調整することができる。 【0130】また、採血後には、上記弾性保持部材を再度拡径することにより、真空採血針を採血管ホルダーから容易に抜去することができる。しかも、上記拡径操作に際し、真空採血針自体には手を触れる必要がないため、血液が付着している採血後の真空採血針に手を触れることなく真空採血針の廃棄作業を行うことができる。 【0131】よって、本発明によれば、多量の採血を行う場合であっても容易にかつ迅速に採血針を装着することができ、採血針の刃先を所望の向きに容易に調整することができ、しかも採血針を速やかにかつ安全に抜去し得る採血管ホルダーを提供することが可能となる。 【0132】請求項2に記載の発明では、円筒状の弾性保持部材の切り込みを挟んで対向している部分の少なくとも一方の側に、切り込みの幅を拡大するためのレバーが形成されているため、採血針の装着及び抜去に際しての拡径操作を容易に行うことができる。 【0133】請求項3に記載の発明に係る採血管ホルダーでは、筒状本体の端面近傍に凹部もしくは凸部が形成されており、上記レバーの一部に凹部もしくは凸部に係合し得る凸部もしくは凹部が形成されており、筒状本体の凹部もしくは凸部の位置が、採血針を弾性保持部材に強固に保持し得る位置とされているため、拡径後、弾性保持部材の弾性復元力により縮径させた場合に、さらに上記レバーの凸部もしくは凹部を筒状本体の凹部もしくは凸部に係合させることにより、採血針を採血管ホルダーに強固に保持・固定することができる。 【0134】請求項6に記載の発明に係る採血管ホルダーでは、筒状本体の端面外側に一端側が固定されている複数のリブが形成されており、該複数のリブの先端が近接・離間可能とされており、かつ常時は先端が離間する方向に付勢されているため、上記複数のリブに外挿された着脱操作部材を複数のリブの先端側に移動させることにより、複数のリブを着脱操作部材の貫通孔により近接させた状態として真空採血針を確実に保持することができ、取り外しに際しては、上記着脱操作部材を筒状本体の端面側に移動させることにより、複数のリブの弾性復元力により複数のリブが離間状態とされる。従って、ねじ込みのような煩雑な作業を用いることなく真空採血針を採血管ホルダーに容易にかつ迅速に取り付けることができると共に、保持されている状態において、真空採血針を軸周りに容易に回転させることができる。 【0135】また、採血後には、上記着脱操作部材を端面側に移動させる操作を行うだけで真空採血針を採血管ホルダーから容易に抜去することができる。従って、採血管ホルダーを上下転倒し、上記着脱操作部材を操作するだけで、真空採血針自体に手を触れることなく、真空採血針の廃棄作業を行うことができる。 【0136】請求項7に記載の発明に係る採血管ホルダーでは、筒状本体の端面外側に突出形成された筒部と、筒部に挿入されており、採血管ホルダーの筒状本体の端面とは反対側において、互いに近接・離間可能とされた複数のリブが形成されている内筒とを備え、内筒が筒部に相対的に深く挿入されており、複数のリブが互いに近接して採血針を保持する保持位置と、内筒が筒部に対して相対的に浅く挿入されており、複数のリブが互いに離間されて採血針の着脱が可能である着脱位置とをとり得るように内筒が筒部内で軸方向に移動可能とされているため、内筒を上記のように移動させることにより、採血針の着脱及び保持を容易に行うことができる。 【0137】しかも、内筒及び筒部の一方に、他方に対して突出するように少なくとも1つの突起が形成されており、内筒及び筒部の他方に、第1,第2の係合凹部が軸方向において異なる位置に形成されている。加えて、第1,第2の係合凹部に、それぞれ前記突起が係合された際に、上記保持状態及び着脱状態となるように第1,第2の係合凹部の位置が定められているため、突起と第1,第2の係合凹部との係合により、上記保持状態及び着脱状態を確実に実現することができる。 【0138】よって、請求項7に記載の発明に係る採血管ホルダーにおいても、ねじ込みのような煩雑な作業を用いることなく真空採血針を採血管ホルダーに容易にかつ迅速に取り付けることができると共に、保持状態で複数のリブにより採血針が保持されているだけであるため、真空採血針を軸周りに容易に回転させることができる。加えて、採血後には、真空採血針を採血管ホルダーから、真空採血針自体に手を触れることなく容易に抜去することができる。 【0139】請求項8に記載の発明に係る採血管ホルダーでは、上記筒部内において、採血管ホルダーの端面とは反対方向に内筒を付勢するための付勢手段が設けられているため、複数のリブにより真空採血針を保持する保持状態を容易に実現することができ、真空採血針の被保持部と複数のリブとの軸方向の位置決めを完了した後に、何らの操作を必要とすることなく、加えていた力を開放するだけで真空採血針を容易にかつ確実に保持することができる。 【0140】また、請求項10に記載の発明に係る採血管ホルダーでは、少なくとも2本の弧状もしくはJ字状バネ部材の内側面間の対向距離を拡大させる操作及び該バネ部材の弾性復元力を利用した対向距離を縮める操作により、真空採血針の保持及び抜去を容易に行うことができる。すなわち、筒状本体の端面外側に配置されたバネ部材の内側面間の距離を拡大することにより、真空採血針を容易に挿入することができ、該操作を停止し、バネ部材の弾性復元力を利用して内側面間の対向距離を小さくすることにより、真空採血針をバネ部材の内側面間に確実に保持することができる。すなわち、ねじ込みのような煩雑な作業を用いることなく、真空採血針を採血管ホルダーに容易にかつ迅速に取り付け得る。 【0141】また、保持されている状態においては、バネ部材の内側面間の該バネ部材の弾性復元力を利用して真空採血針が固定されているだけであるため、真空採血針を軸周りに容易に回転させ得る。 【0142】さらに、採血後には、バネ部材の内側面間の距離を再度拡げることにより、真空採血針を採血管ホルダーから容易に抜去することができる。従って、真空採血針自体に手を触れることなく、真空採血針を採血管ホルダーから容易に抜去することができる。 【0143】請求項11に記載の発明に係る採血管ホルダーでは、筒状本体の端面外側に複数の保持部材が設けられており、該複数の保持部材が、真空採血針に向かって延びる弾性爪を有する。従って、弾性爪間の距離を、拡げるように着脱操作部材により弾性爪を移動させることにより、真空採血針を複数の弾性爪間に容易に挿入することができ、該操作を停止し、弾性爪の弾性復元力を利用して弾性爪間の距離を小さくすることにより、真空採血針を弾性爪間に確実に保持させることができる。 【0144】加えて、保持されている状態においては、真空採血針は弾性爪間に弾性爪の弾性復元力を利用して挟持されているだけであるため、真空採血針を軸周りに容易に回転させ得る。 【0145】さらに、請求項11に記載の発明においても、採血後においては、複数の弾性爪間の距離を再度拡げるように操作するだけで、真空採血針に手を触れることなく、採血管ホルダーから真空採血針を容易に抜去することができる。 【0146】請求項12に記載の発明に係る採血管ホルダーによれば、付勢力により採血針を弾力挟持し得る複数の弾力挟持部を有する弾性保持部材と、該弾力挟持部間の間隔を拡げるように弾性保持部材に組み合わされた着脱操作部材とを備えるため、着脱操作部材を用いて弾力挟持部間の間隔を拡げることにより、真空採血針を弾力挟持部間に容易に挿入することができ、かつ該操作を停止し、弾力挟持部の弾性復元力を利用して弾力挟持部間の距離を縮めることにより、真空採血針を弾力挟持部間に確実に保持することができる。すなわち、ねじ込みのような煩雑な作業を必要とすることなく、真空採血針を採血管ホルダーに容易にかつ迅速に取り付けることができる。 【0147】加えて、保持されている状態においては、真空採血針は、弾力挟持部間に該弾力挟持部の弾性復元力を利用して保持されているだけであるため、軸周りに真空採血針を容易に回転させ得る。 【0148】また、採血後には、弾力挟持部間の距離を再度拡げるように着脱操作部材を操作することにより、真空採血針を採血管ホルダーから、手を触れることなく容易に抜去することができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000002174 【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
|
| 【出願日】 |
平成10年(1998)1月12日 |
| 【代理人】 |
|
| 【公開番号】 |
特開平11−169360 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)6月29日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−4153 |
|