| 【発明の名称】 |
骨画像情報取得方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】大久保 猛
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| 【要約】 |
【課題】骨画像情報取得方法において、被写体の種類等の画像撮影条件ごとに照射放射線量が変動された場合にも、効果的にランダムノイズを除去する。
【解決手段】第1演算部10によりダイレーション処理、エロージョン処理が順次施された画像情報に対する、ランダムノイズの除去のための閾値処理部20による閾値処理の当該閾値を、閾値設定部21が、入力された画像情報が撮影された際の照射放射線量に依存したものとして設定する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 放射線画像を表す画像情報に対してモーフォロジー演算に基づくスケルトン処理を施すことにより、前記放射線画像中の骨画像を強調または抽出する骨画像情報取得方法において、前記スケルトン処理における閾値処理に際し、該閾値処理の閾値として、該スケルトン処理の対象とされる放射線画像が撮影された際の照射放射線量に依存した閾値を用いることを特徴とする骨画像情報取得方法。 【請求項2】 放射線画像を表す画像情報に対してモーフォロジー演算に基づくスケルトン処理を施すことにより、前記放射線画像中の骨画像を強調または抽出する骨画像情報取得方法において、前記放射線画像には、被写体とともに、隣接するセクション間の放射線吸収量差が骨梁の放射線吸収量と略同一に設定された、セクション間で段階的に放射線吸収量が異なるパターンからなる放射線吸収量が既知の参照物体の画像を含み、前記参照物体の画像における同一セクション内の濃度変動幅を求め、前記スケルトン処理における閾値処理に際し、該閾値処理の閾値を、該参照物体画像における同一セクション内の濃度変動幅より大きく、かつ隣接するセクション間の濃度変動幅より小さく設定することを特徴とする骨画像情報取得方法。 【請求項3】 放射線画像中の関心領域のコントラストを所定のコントラストに変換するコントラスト変換処理が施された画像情報に対して、モーフォロジー演算に基づくスケルトン処理を施すことにより、前記放射線画像中の骨画像を強調または抽出する骨画像情報取得方法において、前記スケルトン処理に先だって、前記コントラスト変換処理が施された画像情報に対して、該コントラスト変換処理の効果を解消せしめるコントラスト逆変換処理を施し、該コントラスト逆変換処理が施された後の画像情報に対する前記スケルトン処理における閾値処理に際して、放射線画像の複数の撮影条件に応じてそれぞれ予め設定された複数の、骨梁成分とノイズ成分とを分離するのに適した閾値のうち、前記スケルトン処理の対象とされる放射線画像の撮影条件に対応した閾値を選択することを特徴とする骨画像情報取得方法。 【請求項4】 同一の被写体を時系列的に順次に同一の撮影条件で撮影することにより得られた、経時的に比較対照される複数の放射線画像に対して、各放射線画像中の同一関心領域のコントラストを所定のコントラストに変換するコントラスト変換処理を各別に施し、得られた各画像情報に対して、それぞれモーフォロジー演算に基づくスケルトン処理を施すことにより、前記各放射線画像中の骨画像を強調または抽出する骨画像情報取得方法において、前記スケルトン処理に先だって、前記コントラスト変換処理が施された各画像情報に対して、該コントラスト変換処理の効果を解消せしめるコントラスト逆変換処理をそれぞれ施し、該コントラスト逆変換処理が施された後の各画像情報に対する前記スケルトン処理における閾値処理の該閾値を、相互に一致させることを特徴とする骨画像情報取得方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は骨画像情報取得方法に関し、詳しくは骨粗鬆症等の診断に有用な人体等の骨部(骨梁)画像情報を、モーフォロジー演算に基づくスケルトン処理により求める方法の改良に関するものである。 【0002】 【従来の技術】骨塩定量、すなわち骨の中のカルシウムの量を定量的に測定することは骨折予防の診断のために有用である。 【0003】つまり、骨塩量は、骨の内部を構成する海綿質である骨梁の疎密、すなわち骨密度によって定まるため、骨密度が疎であれば骨部画像における骨部の陰影の濃度が高くなり、骨密度が密であれば骨部画像における骨部の陰影の濃度は低くなる。 【0004】したがって、骨中のカルシウムの微量変化を知ることは骨粗鬆症の早期発見を可能にし、骨折予防のうえでも重要な効果がある。 【0005】そこで従来、MD法(Microdensitometry) 、SPA法(Single Photon Absorptiometry)、DPA法(Dual Photon Absorptiometry)、QDR法(Quantitative Digited Radiography)、QCT法(Quantitative Computer Tomography)、DQCT法(Dual energy Quantitative Computer Tomography)等、数々の骨塩定量の方法が提案され、実施されている。 【0006】ところで、これらの各手法はいわゆる骨密度を計量するものであり、確かに骨粗鬆症の診断として従来から広く一般に用いられているが、骨密度という数値情報だけを提供しても、骨構造等の骨部(骨梁)の状態をそれだけで把握するのは困難である。 【0007】そこで、本願出願人は、放射線画像に対してモーフォロジー演算に基づくスケルトン処理を施すことにより、骨画像の形態情報を精度よく取得する方法を提案している(特願平8-253258号等)。 【0008】この方法によれば、骨部の形態を、軟部組織からの影響等が排除された、より観察しやす精度の高い骨画像を取得することができるため、骨梁の状態を視覚的に精度よく把握して、骨粗鬆症の診断性能を向上させることができる。 【0009】ここで、上記モーフォロジー演算に基づくスケルトン処理について説明する。 【0010】モーフォロジー演算(以下、モーフォロジー処理ともいう)とは、原画像のうち異常な陰影等の特定の画像部分だけを選択的に抽出する、モーフォロジー(Morphology;モフォロジーまたはモルフォロジーとも称する)のアルゴリズムに基づく処理であり、特に乳癌における特徴的形態である微小石灰化像を検出するのに有効な手法として研究されているが、対象画像としてはこのようなマンモグラムにおける微小石灰化像に限るものではない。 【0011】そしてこのモーフォロジー処理は、抽出しようとする画像部分の大きさ、形状に対応した構造要素Bを用いた処理を行なうものであり、複雑なバックグラウンド情報に影響されにくい、抽出した画像が歪まない、などの特徴がある。 【0012】すなわち、この手法は一般の微分処理に比べて、石灰化像のサイズ・形状・濃度分布などの幾何学的情報をよりよく保って検出することができる。 【0013】以下、このモーフォロジー処理の概要を、マンモグラムにおける微小石灰化像の検出に適用した例について説明する。 【0014】(モーフォロジーの基本演算)モーフォロジー処理は一般的にはN次元空間における集合論として展開されるが、直感的な理解のために2次元の濃淡画像を対象として説明する。 【0015】濃淡画像を座標(x,y)の点が濃度値f(x,y)に相当する高さをもつ空間とみなす。ここで、濃度値f(x,y)は、濃度が低い(CRTに表示した場合には輝度が高い)程大きな画像信号値となる高輝度高信号レベルの信号とする。 【0016】まず、簡単のため上記2次元の濃淡画像の断面に相当する1次元の関数f(x)を考える。モーフォロジー演算に用いる構造要素gは次式(1)に示すように、原点について対称な対称関数【0017】 【数1】
【0018】であり、定義域内で値が0で、その定義域Gが下記式(2)であるとする。 【0019】 【数2】
【0020】このとき、モーフォロジー演算の基本形は式(3)〜(6)に示すように、非常に簡単な演算となる。 【0021】 【数3】
【0022】すなわち、ダイレーション(dilation)処理は、注目画素を中心とした、±m(構造要素Bに応じて決定される値であって、図7中のマスクサイズに相当)の幅の範囲内の最大値を探索する処理であり(同図(A)参照)、一方、エロージョン(erosion )処理は、注目画素を中心とした、±mの幅の範囲内の最小値を探索する処理である(同図(B)参照)。また、オープニング(opening )処理はエロージョン処理後にダイレーション処理を行なう処理、すなわち最小値の探索の後に最大値を探索する処理であり、クロージング(closing )処理は、ダイレーション処理後にエロージョン処理を行なう処理、すなわち最大値の探索の後に最小値を探索する処理に相当する。 【0023】つまりオープニング処理は、低輝度側から濃度曲線f(x)を滑らかにし、マスクサイズ2mより空間的に狭い範囲で変動する凸状の濃度変動部分(周囲部分よりも輝度が高い部分)を取り除くことに相当する(同図(C)参照)。 【0024】一方、クロージング処理は、高輝度側から濃度曲線f(x)を滑らかにし、マスクサイズ2mより空間的に狭い範囲で変動する凹状の濃度変動部分(周囲部分よりも輝度が低い部分)を取り除くことに相当する(同図(D)参照)。 【0025】なお、構造要素gが原点に対して対称ではない場合の、式(5)に示すダイレーション演算をミンコフスキー(Minkowski )和、式(6)に示すエロージョン演算をミンコフスキー差という。 【0026】ここで、濃度の高いもの程大きな値となる高濃度高信号レベルの信号の場合においては、濃度値f(x)の画像信号値が高輝度高信号レベルの場合に対して大小関係が逆転するため、高濃度高信号レベルの信号に対するダイレーション処理と高輝度高信号レベルに対するエロージョン処理(同図(B))とは一致し、高濃度高信号レベルの信号に対するエロージョン処理と高輝度高信号レベルに対するダイレーション処理(同図(A))とは一致し、高濃度高信号レベルの信号に対するオープニング処理と高輝度高信号レベルに対するクロージング処理(同図(D))とは一致し、高濃度高信号レベルの信号に対するクロージング処理と高輝度高信号レベルに対するオープニング処理(同図(C))とは一致する。 【0027】なお、本項では高輝度高信号レベルの画像信号(輝度値)の場合について説明する。 【0028】(石灰化陰影検出への応用)石灰化陰影の検出には、原画像から平滑化した画像を引き去る差分法が考えられる。単純な平滑化法では石灰化陰影と細長い形状の非石灰化陰影(乳腺、血管および乳腺支持組織等)との識別が困難であるため、東京農工大の小畑らは、多重構造要素を用いたオープニング処理に基づく下記式(7)で表されるモーフォロジーフィルターを提案している(「多重構造要素を用いたモルフォロジーフィルタによる微小石灰化像の抽出」電子情報通信学会論文誌 D-II Vol.J75-D-II No.7 P1170 〜1176 1992年7月、「モルフォロジーの基礎とそのマンモグラム処理への応用」MEDICAL IMAGING TECHNOLOGY Vol.12 No.1 January 1994 等)。 【0029】 【数4】
【0030】ここでBi (i=1,2,…,n)は、直線状の大きさがm画素でn個(例えば図8に示すものでは、9画素4方向でありm=9,n=4)の構造要素(これらを全体として以下、m画素n方向の多重構造要素という)である。構造要素Bi を検出対象である石灰化陰影よりも大きく設定すれば、上記オープニング演算による処理で、構造要素Bi よりも細かな信号変化部分(空間的に狭い範囲で信号が変動する画像部分)であって周囲よりも輝度値の大きい凸状の部分である石灰化陰影は取り除かれる。一方、細長い形状の乳腺の陰影等の非石灰化陰影はその長さが構造要素Bi よりも長く、その傾きが4つの構造要素Bi のいずれかに一致すればオープニング処理(式(7)の第2項の演算)をしてもそのまま残る。したがってオープニング処理によって得られた平滑化画像(石灰化陰影のみが取り除かれた画像)を原画像fから引き去ることで、小さな石灰化陰影のみが含まれる画像が得られる。これが式(7)の考え方である。 【0031】なお、前述したように、高濃度高信号レベルの信号の場合においては、石灰化陰影は周囲の画像部分よりも濃度値が低くなり、石灰化陰影は周囲部分に対して濃度値の小さい凹状の信号変化部分となるため、オープニング処理に代えてクロージング処理を適用し、式(7)に代えて式(8)を適用する。 【0032】 【数5】
【0033】なお、モーフォロジー演算の一例である式(8)のクロージング処理を具体的に説明する。 【0034】すなわち、高濃度高信号レベルの画像信号である濃度値Sorg についてのモーフォロジー演算によれば、例えば図9(1)の実線に示すような濃度値Sorg の分布を有する画像データに対して、同図(2)に示すような直線状の3画素の構造要素Bで、最大値処理(ダイレーション処理)を行うことにより、ある注目画素の濃度値Si は、その注目画素を中心として互いに隣接する3画素(構造要素Bにより決定される)の中の最大値Si+1 を採用したSi ′に変換される。この演算を全画素について行うことにより、濃度値Sorg ′の分布を有する同図(1)の破線で示す最大値信号に変換される。 【0035】次に、この最大値処理により得られた最大値信号に対してさらに構造要素Bによる最小値処理(エロージョン処理)を考えると、同図(1)の破線で示された注目画素の最大値信号Si ′は、その注目画素を中心として互いに隣接する3画素の中の最小値Si-1 ′を採用したSi ″(=Si )に変換される。この演算を全画素について行うことにより、最大値処理後の最小値信号Sorg ″の分布は同図(1)の一点鎖線で示すものとされる。この一点鎖線で示された画像信号は、もとの実線のオリジナルの画像データに対して、構造要素Bよりも空間的に狭い範囲で信号が変動する画像部分が消え、構造要素Bよりも空間的に広い範囲で変動する信号値の変化部分である画像部分や変動のない画像部分はもとの形状のまま残っていることを示している。すなわち、以上の処理(クロージング処理)は、画像濃度の分布を高濃度側から平滑化する処理として作用する。 【0036】このようにクロージング処理で得られた値(Sorg に対して最大値処理を行なった後にさらに最小値処理を行なった値)を原画像信号Sorg から差し引くことにより得られた値Smor は、上記クロージング処理で消された空間的に狭い範囲で変動する信号値の変化部分である画像部分を表す。 【0037】ここで、本来、画像信号は2次元の要素である位置(x,y)と、3次元目の要素である信号値f(x,y)を有するが、上記説明においては、理解の容易化のために、この2次元上に展開された画像の所定の断面に現れた、1次元状の画像信号分布曲線について説明した。 【0038】したがって実際には、以上の説明を2次元画像に適用する必要があり、多重構造要素を用いるのも2次元画像に対応させるためである。 【0039】次にモーフォロジー演算に基づくスケルトン処理について説明する。 【0040】スケルトン処理とは一般に図形の骨格(skeleton)を抽出する処理であり、骨格とは図形に内接する円盤の中心の集合としてとらえることができる。すなわち例えば図10(A)〜(E)に示す各図形(中太の実線で表記)の骨格はそれぞれ太い実線で示すものとなる。 【0041】以下、このスケルトン処理を、上述したモーフォロジー演算により行なう場合について説明する。この場合、スケルトン処理は下記式(9)または(10)で表すことができる。 【0042】 【数6】
【0043】 【数7】
【0044】ここで式(9)と式(10)とは前述した、画像を高濃度高信号レベルの画像信号として表すか、または高輝度高信号レベルの画像信号として表すかの差異によるものであり、高濃度高信号レベルの画像信号で表された画像から低濃度(高輝度)の画像部分の骨格を抽出する場合は式(9)を適用し、一方、高輝度高信号レベルの画像信号で表された画像から低輝度(高濃度)の画像部分の骨格を抽出する場合は式(10)を適用するものであり、作用自体の実質的な差はない。 【0045】例えばネガフイルム(高濃度高信号レベル)上においては骨部は他の画像部分に比べてその濃度は低いものとなり、骨梁の存在する部分は濃度が低く、存在しない部分は濃度が高くなる。したがって、周囲よりも濃度の低い部分となる骨梁を対象としてスケルトン処理を行なうことに該当するため式(9)を適用すればよい。 【0046】ここで式(9)における構造要素Bを半径rの円とし、図11に示す図形に対してスケルトン処理を施した状態を示す。図11に示す図形は、その輪郭よりも外側領域が濃度の高い部分であり、内側が濃度の低い部分である。 【0047】この図形に対してまず図示上段では構造要素Bによるエロージョン処理が施される。λ=0(構造要素Bによる0回のエロージョン処理)では図形は何ら変化がない。 【0048】λ=1(構造要素Bによる1回のエロージョン処理)では図形が構造要素Bの半径r分だけ内側に埋め込められる。 【0049】λ=2(構造要素Bによる2回のエロージョン処理)では図形の円から突出した部分が完全に消失する。 【0050】同様の操作を繰り返すことにより、λ=N−1(構造要素BによるN−1回のエロージョン処理)で図形は半径r以下の円のみとなる。 【0051】一方、図示中段は、この構造要素Bによる各回(λ=0,1,2,…,N−1,N)のエロージョン処理を施した画像に対して、さらにそれぞれ構造要素Bによるオープニング処理を施した図形である。 【0052】この図示上段の図形から図示中段の図形を、処理の回数を対応させて差し引いた図形が図示下段である。 【0053】λ=1において、元の図形の円から突出した部分の骨格要素が抽出され、λ=N−1において、元の図形の円の骨格要素が抽出されていることが分かる。 【0054】このように元の図形に対してエロージョン処理を施し、さらにオープニング処理を施し、処理回数を対応させて差し引き そして得られた各差分画像をそれぞれ予め設定された閾値により2値化して、ランダムノイズをある程度除去する。 【0055】この結果の和集合(サムセット)を求めたものが式(9)の意味するところである。式(10)では濃度の高低が式(9)とは逆転した図形から骨格要素を抽出するのに有効であり、元の図形に対してダイレーション処理を施し、さらにクロージング処理を施し、処理回数を対応させて差し引き、閾値により2値化処理したものの和集合を求めることにより骨格要素を抽出することを意味する。 【0056】以上がモーフォロジー演算およびスケルトン処理の内容である。 【0057】 【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したモーフォロジー演算に基づくスケルトン処理においては、ランダムノイズを骨梁として誤検出するのはある程度避けられない。このため、誤検出したランダムノイズを低減させることが望まれており、上述の本願出願人提案の方法においては、得られた差分画像を予め設定された閾値により2値化処理することによりランダムノイズの低減を図っている。 【0058】しかしながら上述の骨画像情報取得方法によれば、閾値は唯一のものとして予め設定されているため、画像撮影条件に応じて、具体的には照射放射線量に応じてそのコントラストが変化するランダムノイズ成分を効果的に除去できない場合も生じうる。 【0059】本発明は上記事情に鑑みなされたものであって、被写体の種類等の画像撮影条件ごとに照射放射線量が変動された場合にも、効果的にランダムノイズを除去することができる骨画像情報取得方法を提供することを第1の目的とするものである。 【0060】また、放射線画像情報の取得方法の1つとして、例えばCR(コンピューテッド・ラジオグラフィ)と称される放射線画像情報記録再生システムがよく知られている。この放射線画像情報記録再生システムは、放射線を照射するとこの放射線エネルギーの一部が蓄積され、その後、可視光やレーザ光等の励起光を照射すると蓄積された放射線エネルギーに応じて輝尽発光を示す蓄積性蛍光体(輝尽性蛍光体)を利用して、支持体上に蓄積性蛍光体を積層してなるシート状の蓄積性蛍光体シートに人体等の被写体の放射線画像情報を一旦蓄積記録したものに、レーザ光等の励起光を画素ごとに走査して各画素から順次輝尽発光光を生じせしめ、得られた輝尽発光光を光電的に順次読み取って画像信号を得、一方この画像信号読取り後の蓄積性蛍光体シートに消去光を照射して、シートに残留する放射線エネルギーを放出せしめシートの繰返し使用をも可能としたものであるが、このシステムは、従来の銀塩写真を用いる放射線写真システムと比較して極めて広い放射線露出域に亘って、画像を記録しうるという実用的な利点を有している。 【0061】そして、このようなシステムによって得られた画像情報については、その画像中の診断対象である関心領域が観察に最適なコントラストであればよく、したがって、当該関心領域を最適なコントラストとするように、コントラストの変換処理が行われている(特開平4-51229 号等)。 【0062】このため、上記骨画像情報取得方法においてモーフォロジー演算に基づくスケルトン処理の対象となる画像も、コントラスト変換処理がなされている場合が多い。 【0063】本発明の第2の目的は、このようなコントラスト変換処理がなされている画像情報についても、被写体の種類等の画像撮影条件ごとに照射放射線量が変動された場合に、効果的にランダムノイズを除去することができる骨画像情報取得方法を提供することにある。 【0064】さらに、骨梁の診断においては、骨梁の状態の経時変化が重要な要素となるため、同一の被写体を時系列的に順次に同一の撮影条件で撮影することにより得られた経時的な複数の放射線画像を比較することが一般的に行われている。そして、このように複数の画像を比較する場合において、これら複数の画像は同一撮影条件(照射放射線量を含む)で撮影されるが、各画像間で骨梁の放射線吸収量が経時的に変化するために、各画像は相異なる処理条件で上述したコントラスト変換処理が施されることとなる。この結果、最終的に比較の対象となる画像における骨梁自体のコントラストは、これら複数の画像間で略同一とされるが、撮影条件が同一であるため本来は画像間で同程度のコントラストであったランダムノイズは、コントラスト変換後にはその処理条件の相違により画像間で異なるコントラストとなり、モーフォロジー演算に基づくスケルトン処理の2値化処理後になお残存するランダムノイズの状態が画像間で相異なり、画像の比較に基づく骨梁の状態の経時変化を正確に把握できないという問題を生じうる。 【0065】本発明の第3の目的は、このようなコントラスト変換処理がなされている画像同士の骨部画像を比較観察する場合においても、これら複数の画像間でランダムノイズのコントラストのレベルを略同一として比較を容易にすることができる骨画像情報取得方法を提供することにある。 【0066】 【課題を解決するための手段】本発明の第1の骨画像情報取得方法は、スケルトン処理における閾値処理の閾値を、照射放射線量に応じて設定するものである。 【0067】すなわち、本発明の第1の骨画像情報取得方法は、放射線画像を表す画像情報に対してモーフォロジー演算に基づくスケルトン処理を施すことにより、前記放射線画像中の骨画像を強調または抽出する骨画像情報取得方法において、前記スケルトン処理における閾値処理に際し、該閾値処理の閾値として、該スケルトン処理の対象とされる放射線画像が撮影された際の照射放射線量に依存した閾値を用いることを特徴とするものである。 【0068】モーフォロジー演算に基づくスケルトン処理とは、前述した式(9)または(10)により表される処理をいう。 【0069】骨画像とは、具体的には骨梁、骨髄腔、皮質骨等の画像をいう。 【0070】閾値処理とは、上述したランダムノイズ成分と骨画像成分とを区分するのに適した閾値により2値化処理して、ランダムノイズを除去する処理をいう。 【0071】照射放射線量に依存した閾値とは、照射放射線量が小さくなるにしたがって大きくなり、照射放射線量が大きくなるにしたがって小さくなる閾値を意味する。 【0072】閾値を照射放射線量に依存させる方法としては、例えば以下に示すようにすればよい。なお、上記「照射放射線量」の語には、照射放射線量に直接依存させないものであっても結果的に照射放射線量に依存させることとなるもの、例えば放射線管電圧等も含む。以下の説明および他の発明においても同様である。 【0073】すなわち、照射放射線量と当該照射放射線量の照射を受けたときにランダムノイズを効果的に除去するのに適した閾値とを対応付けたルックアップテーブルを予め作成しておき、外部からオペレーター等が当該放射線画像撮影時の照射放射線量を入力し、その入力された放射線量に対応した、ランダムノイズを効果的に除去するのに適した閾値を、上記ルックアップテーブルを参照することにより求めればよい。 【0074】ここで、ルックアップテーブルの作成は、照射放射線量を段階的に変化させて各別に、被写体のないいわゆる「べた画像」を撮影し、各べた画像において生じたランダムノイズのコントラスト(具体的には例えば、べた画像の平均濃度値とノイズに対応する画素の濃度値との差)をそれぞれ求め、このノイズのコントラストを参考にして、各照射放射線量ごとに、ノイズを効果的に除去するのに適したコントラストをそれぞれ閾値として設定すればよい。 【0075】また照射放射線量の入力は、上述したようなオペレーター等による照射放射線量の直接の入力だけでなく、各放射線画像情報に照射放射線量を特定することができる撮影情報等を付帯情報として付帯せしめ、この画像情報を読み取る際に付帯情報が入力されるようにしてもよい。 【0076】本発明の第2の骨画像情報取得方法は、スケルトン処理における閾値処理の閾値を、放射線画像中に被写体とともに撮影された参照物体の画像に基づいて設定するものである。 【0077】すなわち本発明の第2の骨画像情報取得方法は、放射線画像を表す画像情報に対してモーフォロジー演算に基づくスケルトン処理を施すことにより、前記放射線画像中の骨画像を強調または抽出する骨画像情報取得方法において、前記放射線画像には、被写体とともに、隣接するセクション間の放射線吸収量差が骨梁の放射線吸収量と略同一に設定された、セクション間で段階的に放射線吸収量が異なるパターンからなる放射線吸収量が既知の参照物体の画像を含み、前記参照物体の画像における同一セクション内の濃度変動幅を求め、前記スケルトン処理における閾値処理に際し、該閾値処理の閾値を、該参照物体の画像における同一セクション内の濃度変動幅より大きく、かつ隣接するセクション間の濃度変動幅より小さく設定することを特徴とするものである。 【0078】ここで、モーフォロジー演算に基づくスケルトン処理、骨画像および閾値処理については、上記本発明の第1の骨画像情報取得方法におけるものと同様であるので説明を省略する。 【0079】参照物体は、例えば図4に示すような、放射線吸収量が段階的に異なる6個のセクションd1,d2,d3,d4,d5,d6が並べられた構造のステップウェッジを適用することができる。 【0080】この参照物体の画像においては、同一セクション内では基本的に濃度変動はないが、現実的には上述したランダムノイズの影響により上記濃度変動が生じ、この濃度変動の幅がランダムノイズのコントラストとなる。 【0081】本発明の第3の骨画像情報取得方法は、モーフォロジー演算に基づくスケルトン処理の対象が、コントラスト変換処理が施された画像情報である場合には、このコントラスト変換処理の効果を解消するコントラスト逆変換処理を施してからスケルトン処理を行うものである。 【0082】すなわち本発明の第3の骨画像情報取得方法は、放射線画像中の関心領域のコントラストを所定のコントラストに変換するコントラスト変換処理が施された画像情報に対して、モーフォロジー演算に基づくスケルトン処理を施すことにより、前記放射線画像中の骨画像を強調または抽出する骨画像情報取得方法において、前記スケルトン処理に先だって、前記コントラスト変換処理が施された画像情報に対して、該コントラスト変換処理の効果を解消せしめるコントラスト逆変換処理を施し、該コントラスト逆変換処理が施された後の画像情報に対する前記スケルトン処理における閾値処理に際して、放射線画像の複数の撮影条件に応じてそれぞれ予め設定された複数の、骨梁成分とノイズ成分とを分離するのに適した閾値のうち、前記スケルトン処理の対象とされる放射線画像の撮影条件に対応した閾値を選択することを特徴とするものである。 【0083】ここで、モーフォロジー演算に基づくスケルトン処理、骨画像および閾値処理については、上記本発明の第1の骨画像情報取得方法におけるものと同様であるので説明を省略する。 【0084】関心領域とは、観察対象となる領域またはこの観察対象領域とその近傍領域をいい、被写体の全部または一部である。 【0085】コントラスト変換処理とは、特開平4-51229 号等に開示されている、関心領域が最適なコントラストの可視画像として表現されるように、原画像の全部または当該関心領域に対応する画像信号(画像情報)に施す信号処理を意味し、画像の種類(関心領域の種類、被写体の種類、撮影体位の種類等)ごとに予め設定されたコントラストに変換する処理(規格化処理と称する場合もある)などが相当し、画像情報を可視画像化する処理においては一般的に行われている。 【0086】コントラスト変換処理の効果を解消せしめるコントラスト逆変換処理とは、コントラスト変換処理が少なくとも関心領域に関して可逆処理であることを前提として、コントラスト変換処理を施された関心領域がその処理によってコントラスト変換処理前のコントラストとなるような変換処理であることを意味する。 【0087】閾値を選択する方法は、例えば以下に示す方法を適用することができる。 【0088】すなわち、撮影条件と当該撮影条件において放射線の照射を行ったときにランダムノイズを効果的に除去するのに適した閾値とを対応付けたルックアップテーブルを予め作成しておき、外部からオペレーター等が当該放射線画像撮影時の撮影条件を入力し、その入力された撮影条件に対応した、ランダムノイズを効果的に除去するのに適した閾値を、上記ルックアップテーブルを参照することにより選択すればよい。 【0089】ここで、ルックアップテーブルの作成は、種々の撮影条件ごとに撮影された複数の画像のそれぞれについて、ランダムノイズの発生状況を調査し、コントラスト(具体的には例えば、べた画像の平均濃度値とノイズに対応する画素の濃度値との差)をそれぞれ求め、このノイズのコントラストを参考にして、各照射放射線量ごとに、ノイズを効果的に除去するのに適したコントラストをそれぞれ閾値として設定すればよい。 【0090】また撮影条件の入力は、上述したようなオペレーター等による入力だけでなく、各放射線画像情報に撮影条件(特に照射放射線量)を特定することができる撮影情報等を付帯情報として付帯せしめ、この画像情報を読み取る際に付帯情報が入力されるようにしてもよい。 【0091】なお撮影条件とは、少なくとも照射放射線量を特定できる情報を含むものであればよく、照射放射線量のみならず、放射線源の管電圧等であってもよい。 【0092】本発明の第4の骨画像情報取得方法は、前述したコントラスト変換処理が施された時系列的に撮影された、比較対照される複数の画像情報に、それぞれコントラスト逆変換処理を施すことにより、各画像情報にそれぞれ生じるランダムノイズの出現状態を同一レベルに統一させるものである。 【0093】すなわち本発明の第4の骨画像情報取得方法は、同一の被写体を時系列的に順次に同一の撮影条件で撮影することにより得られた、経時的に比較対照される複数の放射線画像に対して、各放射線画像中の同一関心領域のコントラストを所定のコントラストに変換するコントラスト変換処理を各別に施し、得られた各画像情報に対して、それぞれモーフォロジー演算に基づくスケルトン処理を施すことにより、前記各放射線画像中の骨画像を強調または抽出する骨画像情報取得方法において、前記スケルトン処理に先だって、前記コントラスト変換処理が施された各画像情報に対して、該コントラスト変換処理の効果を解消せしめるコントラスト逆変換処理をそれぞれ施し、該コントラスト逆変換処理が施された後の各画像情報に対する前記スケルトン処理における閾値処理の該閾値を、相互に一致させることを特徴とするものである。 【0094】ここで、モーフォロジー演算に基づくスケルトン処理、骨画像、関心領域およびコントラスト逆変換処理については、上記本発明の第3の骨画像情報取得方法におけるものと同様であるので説明を省略する。 【0095】同一の被写体を時系列的に順次に同一の撮影条件で撮影することにより得られた経時的な複数の放射線画像とは、例えば、同一の患者の同一の部分について同一の撮影条件により1ヶ月ごとに撮影された複数の放射線画像など、当該部分の経時変化を観察するのに使用される放射線画像等を意味する。 【0096】なお、上記本発明の第1から第4の各骨画像情報取得方法により得られた骨画像情報は、可視画像を再生するためにのみ用いられるものではなく、骨構造状態の指標値を算出する処理等のために用いられてもよい。このような骨構造状態を表す指標値としては、例えば、スターボリューム(Star volume )、ノードストラット解析(Node-strut analysis )により得られる指標値などを適用することができる。 【0097】 【発明の効果】本発明の第1の骨画像情報取得方法によれば、スケルトン処理における、骨部成分とノイズ成分とを画像信号上で分離する閾値処理の閾値を、照射放射線量に応じて設定することにより、被写体の種類等の画像撮影条件ごとに照射放射線量が変動した場合にも、この照射放射線量に依存するコントラストのランダムノイズを効果的に骨部成分から分離させることができ、S/Nを向上させることができる。 【0098】本発明の第2の骨画像情報取得方法によれば、スケルトン処理における閾値処理の閾値を、放射線画像中に被写体とともに撮影された参照物体の画像における同一セクション内の濃度変動幅より大きく、かつ隣接するセクション間の濃度変動幅より小さく設定することにより、被写体の種類等の画像撮影条件ごとに照射放射線量が変動した場合にも、この照射放射線量に依存するコントラストのランダムノイズを効果的に骨部成分から分離させることができ、S/Nを向上させることができる。 【0099】本発明の第3の骨画像情報取得方法によれば、モーフォロジー演算に基づくスケルトン処理の対象が、コントラスト変換処理が施された画像情報であるときには、スケルトン処理に先だって、このコントラスト変換処理の効果を解消するコントラスト逆変換処理を施すことにより、被写体の種類等の画像撮影条件ごとに照射放射線量が変動された場合にも、画像情報はコントラスト変換処理前の画像情報、すなわち既知の撮影条件により撮影された元の画像情報に戻され、当該既知の撮影条件に応じた適切な閾値を選択してスケルトン処理が施されるため、撮影条件殊に照射放射線量に依存するコントラストのランダムノイズを効果的に骨部成分から分離させることができ、S/Nを向上させることができる。 【0100】本発明の第4の骨画像情報取得方法によれば、スケルトン処理に先だって、コントラスト変換処理が施された時系列的に撮影された、比較対照される対象の複数の画像情報に、それぞれコントラスト逆変換処理を施すことによりに、各画像情報はコントラスト変換処理前の画像情報、すなわち同一の撮影条件により撮影された元の画像情報にそれぞれ戻され、したがって撮影条件に依存して各画像情報にそれぞれ生じるランダムノイズの出現状態を同一レベルに統一させることができ、したがって比較画像間でランダムノイズの多少の差がなくなり、画像の比較に基づく骨梁の状態の経時変化を正確に把握することができる。 【0101】 【発明の実施の形態】以下、本発明の骨画像情報取得方法の具体的な実施の形態について図面を用いて説明する。 【0102】図1は、本発明の第1の骨画像情報取得方法を実施する骨画像情報取得装置たるモーフォロジー演算装置 100と、このモーフォロジー演算装置 100により得られた骨画像情報に基づいて、骨構造の状態を数値で表す指標値(例えば、スターボリューム、ノードストラット解析により得られる指標値など)を算出する骨構造指標値算出手段 200と、同じくモーフォロジー演算装置 100により得られた骨画像情報に基づいてこの画像情報が表す可視画像を表示する画像表示手段 300とを備えた骨計測装置の構成を示すブロック図である。 【0103】図示のモーフォロジー演算装置 100は、図2に示すように、入力された画像情報Sに、骨梁を抽出するのに適した大きさ、形状の構造要素を用いたダイレーション処理を施し(A(0))、その後にさらにエロージョン処理を施し(B(0))、その結果であるB(0)を原画像情報(ダイレーション処理前の画像情報)Sから差し引き(S−B(0))、これと同様の処理をダイレーション処理後の画像情報A(0)を原画像情報Sとして行ってそれぞれ骨格を表す画像情報S(0),S(1),…,S(n)を求める第1演算部10と、この演算部10により得られた各処理済み画像情報S(0),S(1),…,S(n)を、閾値設定部21により設定された閾値と比較して閾値を超えるものを出力する閾値処理部20と、閾値処理部20からの出力に関して所定の和集合を演算する第2演算部30とを備えた構成である。 【0104】閾値設定部21には、図1に示すように、入力された画像情報が撮影された際の照射放射線量とこの照射放射線量の放射線の照射を受けたときに画像に生じるランダムノイズを効果的に除去するのに適した閾値とが予め図示グラフの如く対応付けられた関数が記憶されており、外部からオペレーター等による当該放射線画像撮影時の照射放射線量が入力されると、この記憶された関数にしたがって、その入力された放射線照射量に対応した、ランダムノイズを効果的に除去するのに適した閾値を求める。 【0105】そしてこの求められたランダムノイズの除去に効果的な閾値が閾値処理部20に入力され、閾値処理部20はこの入力された閾値を用いて、上記各差分画像情報S(n)をそれぞれ2値化し、スケルトン画像情報Skl(n)={Skl(0),Skl(1),Skl(2),Skl(3),Skl(4),Skl(5),Skl(6),Skl(7)}を求める。 【0106】閾値処理部20により求められたスケルトン画像情報Skl(n)は、第2演算部30に入力され、第2演算部30は入力されたこれらスケルトン画像情報Skl(n)のうち、i≦n≦jなる(i,j)を用いて、論理和SUM(i,j)=Skl(i)+Skl(i+1)+…+Skl(j)が表すサムセット画像情報を求める。図2に示した例では、SUM(0,1)、SUM(2,5)、SUM(3,6)、SUM(4,7)の4つである。 【0107】そしてこれらの4つのサムセット画像情報SUM(0,1)、SUM(2,5)、SUM(3,6)、SUM(4,7)と8つのスケルトン画像情報Skl(0),Skl(1),Skl(2),Skl(3),Skl(4),Skl(5),Skl(6),Skl(7)が、スケルトン処理の結果である骨部画像情報として、モーフォロジー演算装置 100から出力される。 【0108】ここで、上記閾値処理部20による閾値処理(2値化処理)は、第1演算部10によって得られた各処理済み画像情報S(0),S(1),…,S(n)において、骨部成分とランダムノイズ成分とを分離するための処理であるが、従来のスケルトン処理におけるこの閾値は一定値である一方、ランダムノイズ成分のコントラストは照射放射線量の減少にしたがって増大するため、照射放射線量の大小によっては、骨部成分とランダムノイズ成分との分離が適切に行われない場合があった。 【0109】しかし、本発明の骨画像情報取得方法を実施するモーフォロジー演算装置 100によれば、上記閾値は、照射放射線量の減少にしたがって増大し、線量の増大にしたがって減少する、常に放射線照射量に対応した、ランダムノイズを効果的に分離するのに適したものに設定されるため、上記問題は生じない。 【0110】なお、この実施形態においては、閾値設定部21へ照射放射線量が入力されるものとしたが、放射線管電圧等、照射放射線量に密接な相関を有するものを入力してもよい。ただし、この場合は、その入力される指標を閾値と直接対応付けた関数を設定するか、または入力される指標と照射放射線量との相関関係を関数として設定しておくことが必要である。 【0111】また上記閾値設定部21へのこれら照射放射線量等の入力は、上述したようなオペレーター等による直接の入力だけでなく、放射線画像情報に照射放射線量を特定することができる撮影情報等を付帯情報として付帯せしめ、この画像情報を読み取る際に付帯情報が入力されるようにしてもよい。 【0112】照射放射線量と閾値とは、上述した関数により対応付けるのに代えて、ルックアップテーブル等により対応づけてもよい。 【0113】このようにしてモーフォロジー演算装置 100により取得された、ランダムノイズ成分が効果的に除去された骨部成分を表す画像情報は、骨構造指標値算出手段200と画像表示手段 300とにそれぞれ入力される。骨部成分を表す画像情報が入力された骨構造指標値算出手段 200は、以下の処理により、この入力された画像情報が表す骨部成分の構造状態を示す指標値を算出し、画像表示手段 300は、入力された画像情報に基づいて骨部成分を表す可視画像を表示する。 【0114】骨構造指標値算出手段 200による指標値の算出処理を、例えば指標値としてスターボリュームVtを算出する場合について、図3を用いて説明する。 【0115】図3においては斜線部が骨梁を、その他の部分が骨髄腔を示す。スターボリュームは、標本のサンプリング法の工夫により骨髄腔の骨梁の大きさをmm3 あるいはμm3 といった3次元の値として表す隔たりのない立体学的指標であり、Vtj=(π/3)×Σl14/Σl1但し、l1 は点jを中心とする任意の方向において、骨梁が連続する長さを示す。また、l1 は点jを中心として放射状に全ての方向において求められ、Σはその全ての方向(例えば9度ごとの40方向)における和を求めることを表す。そして、Vtjをサンプリング点ごとに算出し、その平均値をVtとする。 【0116】骨構造指標値算出手段 200により求められた指標値Vtは、骨梁の連続性が高い場合は大きく、骨梁の消滅や穿孔が多いときは小さくなるため、骨粗鬆症の診断において定量的な判断材料になるとともに、画像表示手段 300に表示された可視画像による視覚的効果と相俟って、骨粗鬆症の精度の高い診断を行うことができる。 【0117】図4は、本発明の第2の骨画像情報取得方法を実施する骨画像情報取得装置たるモーフォロジー演算装置 100′と、骨構造指標値算出手段 200と、画像表示手段 300とを備えた骨計測装置の構成を示すブロック図である。 【0118】図示のモーフォロジー演算装置 100′は、図1に示した実施形態のモーフォロジー演算装置 100に対して、閾値設定部が相違する以外は同じ構成、作用を示すものである。また骨構造指標値算出手段 200および画像表示手段 300も同様である。したがって、本実施形態中の閾値設定部21′以外の構成部分についての説明は省略する。 【0119】なお、本実施形態のモーフォロジー演算装置 100′によるスケルトン処理の対象とされる放射線画像は、図5に示すようなステップウェッジSWが、被写体の放射線画像とともに撮影されているものである。 【0120】ステップウェッジSWは、放射線吸収量が段階的に異なる6個のセクションd1,d2,d3,d4,d5,d6が並べられた構造であり、隣接するセクション間の放射線吸収量差が、骨梁の放射線吸収量と略同一に予め設定されている。 【0121】閾値設定部21′は、入力される放射線画像情報の全体からこのステップウェッジSW部分を抽出し、または当該ステップウェッジSW部分が既に抽出された画像情報が閾値設定部21に入力される。 【0122】そして閾値設定部21′は、当該ステップウェッジSW部分の画像情報に関して、同一セクション内(例えばd6内)の濃度変動幅(Δd)および隣接するセクション間(例えばd6とd5間)の濃度変動幅(ΔD)を求める。 【0123】ここで同一セクション内の濃度変動幅Δdは、ランダムノイズのコントラストに起因するものであり、一方、隣接するセクション間の濃度変動幅ΔDは骨梁のコントラストと略一致するように設定されていることから、閾値設定部21′は、Δd<Th<ΔDなる範囲の閾値Thを設定し、この閾値Thを閾値処理部20に入力する。 【0124】これにより、被写体の種類等の画像撮影条件ごとに照射放射線量が変動した場合にも、閾値処理部20は、この照射放射線量に依存するコントラストのランダムノイズを効果的に除去することができ、骨部成分の画像情報のS/Nを向上させることができる。 【0125】閾値処理部20以下の構成要素の作用は、図1に示した実施形態のモーフォロジー演算装置 100と同様であるので説明を省略する。 【0126】図6は、本発明の第3の骨画像情報取得方法を実施する骨画像情報取得装置たるモーフォロジー演算装置 100″と、骨構造指標値算出手段 200と、画像表示手段 300と、入力された画像情報に対して、当該画像情報が表す放射線画像中の関心領域のコントラストを所定のコントラストに変換するコントラスト変換処理手段 400とを備えた骨計測装置の構成を示すブロック図である。 【0127】図示のモーフォロジー演算装置 100″は、関心領域が診断に最適なコントラストとなるように原画像を表す原画像情報に対してコントラスト変換処理手段 400によるコントラスト変換処理が施された画像情報を、そのスケルトン処理の対象としている。 【0128】このコントラスト変換処理は、画像を読み取る際の読取り条件を標準的な読取り条件から変化させることによっても行われ、また所定の読取り条件で読み取った画像情報に後から信号処理を施すことによっても行われる。 【0129】本実施形態のモーフォロジー演算装置 100″は、入力された画像情報に対して、当該画像情報に対するこのコントラスト変換処理手段 400によるコントラスト変換処理の効果を解消させるように、コントラスト逆変換処理を施すコントラスト逆変換処理部40と、上述した各実施形態と同様の第1演算部10と、閾値処理部20と、第2演算部30と、閾値処理部20による閾値処理の閾値を設定する閾値設定部21″とを備えた構成である。 【0130】ここで、上記各実施形態における構成部分と同一であり、その作用効果も同一である第1演算部10、閾値処理部20および第2演算部30については、その説明を省略する。 【0131】まず本実施形態のモーフォロジー演算装置 100″には、コントラスト変換処理手段 400により関心領域である骨部成分のコントラストが診断に最適なコントラストとなるようにコントラスト変換処理の施された画像情報が入力される。このとき、入力される画像情報には、コントラスト変換処理手段 400によるコントラスト変換処理の内容を表す情報が付帯し、コントラスト逆変換処理部40は、この付帯されたコントラスト変換処理の内容を読み取って、当該変換処理の効果を解消せしめる逆変換処理条件を設定し、この逆変換処理条件に従った逆変換処理を入力された画像情報(コントラスト変換処理が施された画像情報)に施す。 【0132】この結果、コントラスト逆変換処理手段40から出力される画像情報は、コントラスト変換処理が施される以前の画像情報と原則的に同一となる。 【0133】原則的に同一とは、コントラスト変換処理においては、少なくとも関心領域のみを最適なコントラストに変換すれば目的が達成されるため、関心領域以外の画像領域についてのコントラスト変換処理は不可逆変換(例えば、入力値に拘わらず最高濃度値にする処理(照射野外黒化処理)等)の場合もあり、この場合、不可逆変換で処理された、関心領域以外の画像領域については、元のコントラストに戻すことは不可能だからである。 【0134】なお、このような不可逆変換は、照射野外黒化処理等に代表されるように、関心領域を対象とすることはないため問題はない。 【0135】コントラスト変換処理が施される以前の画像情報に戻された画像情報は、上記各実施形態と同様に、第1演算部10に入力されて差分画像情報が求められ、差分画像情報は閾値処理部20に入力されて、閾値設定部21″により設定された閾値との比較による閾値処理が施される。 【0136】ここで閾値設定部21″には、図6に示すように、入力された画像情報が撮影された際の撮影条件とこの撮影条件による撮影を行ったときに画像に生じるランダムノイズを効果的に除去するのに適した閾値とが予め対応付けられたルックアップテーブルが記憶されており、外部からオペレーター等による当該放射線画像撮影時の撮影条件が入力されると、閾値設定部21″は、この記憶されたルックアップテーブルを参照して、その入力された撮影条件に対応した、ランダムノイズを効果的に除去するのに適した閾値を設定する。 【0137】これにより、コントラスト変換処理がなされている画像情報についても、被写体の種類等の画像撮影条件が変動された場合に、閾値処理部20は、効果的にランダムノイズを除去することができ、骨部成分の画像情報のS/Nを向上させることができる。 【0138】閾値処理部20以下の構成要素の作用は、図1に示した実施形態のモーフォロジー演算装置 100と同様であるので説明を省略する。 【0139】ここで、本実施形態の骨画像情報取得方法を実施する骨画像情報取得装置たるモーフォロジー演算装置 100″を用いて、同一の被写体を時系列的に順次に同一の撮影条件で撮影することにより得られた、経時的に比較対照される複数の射線画像に対して、各放射線画像中の同一関心領域のコントラストを所定のコントラストに変換するコントラスト変換処理を各別に施し、得られた各画像情報に対して、それぞれモーフォロジー演算に基づくスケルトン処理を施すことにより、前記各放射線画像中の骨画像を強調または抽出する方法について説明する。 【0140】前述した通りに比較対照する複数の放射線画像を表す各画像情報を、順次モーフォロジー演算装置 100″に入力し、骨画像情報を取得する。 【0141】このとき、これら複数の放射線画像は時系列で撮影された画像であるため、同一撮影条件で撮影されたものであっても、それぞれその関心領域である骨部成分は同一のコントラストになるとは限らない。 【0142】一方、骨部成分についての診断に適したコントラストは一定であるため、各画像はコントラスト変換処理手段 400により、それぞれ相異なる処理条件の下にコントラスト変換処理がなされる。 【0143】ここで、撮影条件が同一の画像については各画像のランダムノイズのコントラストは一致し、また、同一処理条件でコントラスト変換処理された各画像におけるランダムノイズのコントラストも一致するが、上記同一撮影条件で撮影されたことによりランダムノイズのコントラストが略一致していた上記比較対照される複数の画像は、コントラスト変換処理手段 400による相異なる処理条件のコントラスト変換処理によって、各画像中のランダムノイズのコントラストが相異なるものとなり、これらの画像間での比較観察を行う際に、各画像に与えるランダムノイズの影響の差異により、診断性能が低下する虞があった。 【0144】しかし、本実施形態のモーフォロジー演算装置 100″による処理では、コントラスト変換処理手段 400による各画像に対するコントラスト変換処理の効果を、コントラスト逆変換部40が解消させるため、コントラスト逆変換部40から出力された複数の画像は、ランダムノイズのコントラストが一致したものとされる。 【0145】一方、閾値設定部21″に入力される撮影条件はこれら比較対照される画像間では同一であるため、閾値設定部21″が設定する閾値は、これら画像間で一致する。 【0146】したがって、閾値処理部20により除去されるノイズレベルはこれら画像間で一致するとともに、画像に残存するノイズレベルも一致する。 【0147】したがって、本実施形態のモーフォロジー演算装置 100″を用いて、同一の被写体を時系列的に順次に同一の撮影条件で撮影することにより得られた、経時的に比較対照される対象である複数の放射線画像に対して、各放射線画像中の同一関心領域のコントラストを所定のコントラストに変換するコントラスト変換処理を各別に施し、得られた各画像情報に対して、それぞれモーフォロジー演算に基づくスケルトン処理を施すことにより、前記各放射線画像中の骨画像を強調または抽出するときは、比較対照される各画像に与えるランダムノイズの影響は一致し、診断性能の低下を防止することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005201 【氏名又は名称】富士写真フイルム株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)11月28日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】柳田 征史 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−155849 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)6月15日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−328282 |
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