| 【発明の名称】 |
人体における痛み測定装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】相 良 久 仁 子
【氏名】嶋 津 秀 昭
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| 【要約】 |
【課題】
【解決手段】 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】人体に生じている被測定者の痛みの元xを原因とする痛み感覚f(x)と、所定の痛み発生装置で発生させる可変な疑似痛みの元yを人体の所定の部位に付与して得る疑似痛み感覚f(y)とを比較し、元の痛み感覚f(x)と疑似痛み感覚f(y)がf(x)≒f(y)となる時点における疑似痛みの元yのデータを痛み発生装置に関連して設けた所定の表示手段により確認することにより被測定者の人体に生じている元の痛みx を測定できるようにしたことを特徴とする人体における痛み測定装置。 【請求項2】前記痛み発生装置で発生させる疑似痛みの元yは、温度、圧力、引っ張り力、吸引力、捻り、打撃、電気刺激等を原因とする可変可能な痛み発生手段により発生させられるとともに、その発生された痛みの元y は痛み発生装置に関連して設ける所定の表示手段でもって表示可能なものであることを特徴とする請求項1記載の人体における痛み測定装置。 【請求項3】人体に生じている被測定者の痛みの元x1〜xnを原因とする変動する痛み感覚f(x1) 〜f(xn) と、所定の痛み発生装置で発生させる可変な疑似痛みの元y1〜ynを人体の所定の部位に付与して得る疑似痛み感覚f(y1) 〜f(yn) とを比較し、疑似痛み感覚f(y1) 〜f(yn) を元の痛み感覚f(x1) 〜f(xn) の変化に追随させ、両痛み感覚f(x1) 〜f(xn) とf(y1) 〜f(yn) がf(x1) 〜f(xn) ≒f(y1) 〜f(yn) となる連続する疑似痛みの元y1〜ynのデータを痛み発生装置に関連して設けた所定の表示手段により確認することにより被測定者の人体に生じている連続する元の痛みx1〜xnを測定するようにしたことを特徴とする人体における痛み測定装置。 【請求項4】前記痛み発生装置で発生させる連続する可変な疑似痛みの元y1〜ynは、痛み発生装置に関連させて設けるコントロールレバー等の操作し易い操作手段で構成したことを特徴とする請求項3記載の人体における痛み測定装置 |
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、人体に生じている被測定痛みの元x を原因とする痛み感覚f(x)と、痛み発生装置で発生させた可変な疑似痛みの元yを原因とする疑似痛み感覚f(y)とを比較し、元の痛み感覚f(x)と疑似痛み感覚f(y)がf(x)≒f(y)となった時点における疑似痛みの元y を所定の表示データで確認することにより被測定者の人体に生じている痛みの元x を測定するようにした人体における痛み測定装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】痛みとは、人体に加えられた組織障害などによって引き起こされる不快な反応である。しかし、その痛みは、例えば病気やけがの程度が診断上は同等であっても、その病気やけがから発生している痛み、つまり本人が感じている痛みや、その痛みの強弱、痛みの質に関しては常に同等とは言えない。それが痛みの個人差であって、きわめて主観的な内容を伴うものである。 【0003】しかし、痛みに関して上記の如く質の差はともあれ強弱の差が認められ、所謂痛みを感じる大小の程度について一応の説明はできる。痛みの個人差の発生源でもっとも根本的なことは、感覚いき値の高低と言われるものであって、個々人について生得的に備わっている感覚神経の神経生理メカニズム中の個人差を支配するメカニズムの相違であると考えられる。 【0004】こうした感覚に関する神経生理メカニズムの基礎の上に、更に感覚以外の心理的機能としての情緒の繊細さ、強靭さ、あるいは克己心の強弱などが加わって、その人が言葉で表現する痛みの強さや動作で表される痛みの表現にその差異が顕著に現れる。ところで、上記の様な個々人についての異なる痛みの測定に関して、従来行われている代表的な測定方法或いはその測定装置は、次のようなものが採用されている。 【0005】(a)機械的な刺激による一例バネの先端にピンを取り付け、このピンを人体に押しつけてバネを圧縮させて被測定者に一定の刺痛が生じる様にした測定装置である。この測定装置ではバネの圧縮の度合いをスケール等で測ることによりその人の痛みの発生を測定するものである。 【0006】(b)温度刺激による一例一定の温度に保った冷水や熱い湯の中に手足を浸けて痛みを起こすものである。例えば、40℃から48℃の湯の入ったタンクを用意して、被測定者には、その中に手首まで手を浸すように求め、浸してから30秒の間に痛みの強度がどのように変化するのかを記録するものである。 【0007】(c)電気刺激による一例身体の二個所に電極を貼り比較的強い電流を流すことにより被測定者に一定の痛みを感じさせることにより痛みの発生を測定するものである。 (d)化学物質による一例化学的物質を皮膚に注入することにより被測定者に一定の痛みを感じさせることにより痛みを測定するものである。 【0008】 【解決すべき課題】以上、従来の痛み測定方法に関してその代表的なものを紹介したが、上記で説明した(a)機械的な刺激による一例、(b)温度刺激による一例、(c)電気刺激による一例、(d)化学物質による一例はあくまでも実験的な痛みの発生を測定する方法であって、臨床的な痛みを測定する方法とは言えないものである。 【0009】つまり、上記の痛みの発生測定方法による痛みは、われわれが日常生活の中で体験している痛みとは、いくつかの点において異なっている。例えば実験痛の場合、痛みの持続時間はかなり短く、われわれが時々体験する持続性のある痛み(例えばナイフで深く指を切ったときや、歯痛・頭痛でズキズキした痛みをもつとき)を人為的につくることは許されない。せいぜい実験が行われている間持続するだけである。 【0010】また、実験痛と臨床痛とでは痛みに伴う感情・情緒の反応(恐怖や不安)が著しく異なる。例えば、朝起きたとたんに、わけもなく腹痛に襲われたとき、われわれは普通、どのようにしてお腹が痛くなったのだろうかと考える。このような場合、その原因(夕食時の食べ物か、それとも寝冷えか)を求めたり、考えることを行なう。これで納得することができれば精神的にはあまり問題がないかもしれないが、原因がはっきりつかめないまま半日もたつとやがては不安になり、悪性ではないかと考えてみたり、夕方には掛かりつけの医者に診てもらおうと考えたりする。つまり、単純な腹痛でさえ原因がわからないときにはこのように不安である。まして交通事故や労務災害にあったときには、障害の回復に関する先行き不安に加えて、補償問題に伴う不安や恐怖が一層痛みを大きくさせると言われている。 【0011】これに対して、前述した実験室での被測定者は、一般に安心して実験者に身を任せているし、痛みを与えられるといっても一過性の痛みであり、身体を傷つけるほどのものではなく、その原因もはっきりしているので被測定者の不安は著しく低減しているといえる。すなわち、前述した種々の痛みの発生を測定する方法ないし測定装置では、実験的な痛みの発生の測定であって臨床痛に比べると切迫感・臨場感に乏しいために現実の病院等での痛み測定装置としては殆ど役に立たない等の問題を有していた。 【0012】そこで、本発明は、従来の問題点を解決するために、人体に生じている被測定痛みの元xを原因とする痛み感覚f(x)と、痛み発生装置で発生させた可変な疑似痛みの元y を原因とする疑似痛み感覚f(y)とを比較し、元の痛み感覚f(x)と疑似痛み感覚f(y)がf(x)≒f(y)となった時点における疑似痛みの元y を所定の表示データで確認することにより被測定者の人体に生じている元の痛みx を測定することができる人体における痛み測定装置を提供することを目的とする。 【0013】 【課題を解決するための手段】そこで、本発明は、上記の目的を達成するために、人体に生じている被測定者の痛みの元x を原因とする痛み感覚f(x)と、所定の痛み発生装置で発生させる可変な疑似痛みの元yを人体の所定の部位に付与して得る疑似痛み感覚f(y)とを比較し、元の痛み感覚f(x)と疑似痛み感覚f(y)がf(x)≒f(y)となる時点における疑似痛みの元y のデータを痛み発生装置に関連して設けた所定の表示手段により確認することにより被測定者の人体に生じている元の痛みx を測定でき、かつ人体に生じている被測定者の痛みの元x1〜xnを原因とする変動する痛み感覚f(x1) 〜f(xn) と、所定の痛み発生装置で発生させる可変な疑似痛みの元y1〜ynを人体の所定の部位に付与して得る疑似痛み感覚f(y1) 〜f(yn) とを比較し、疑似痛み感覚f(y1) 〜f(yn) を元の痛み感覚f(x1) 〜f(xn) の変化に追随させ、両痛み感覚f(x1) 〜f(xn) とf(y1) 〜f(yn) が f(x1) 〜f(xn) ≒f(y1) 〜f(yn) となる連続する疑似痛みの元y1〜ynのデータを痛み発生装置に関連して設けた所定の表示手段により確認することにより被測定者の人体に生じている連続する元の痛みx1〜xnを測定することができる人体における痛み測定装置を提供する。 【0014】 【発明の実施態様】本発明は、様々な要因で形成される痛みを測定(定量化)するに当たり、本実施例では以下の測定原理を採用した。まず、痛みの量の測定(定量化)は以下の考え方で行なった。因みに、痛みの原因x1に対してy1という痛みを感じている個人に、新たな痛みの原因x2を加えた時、被験者はy1と同時に新たな痛みy2を感じることになる。 【0015】いま、新たな痛みの原因x2を徐々に増加させると新たな痛みy2もこれにつれて増大する。この操作で被験者の新たな痛みy2を元の痛みy1と同程度の大きさであると感じたとき、新たな痛みの原因量x2を元の痛みの原因量x1と等しいものと考えることができる。測定方法は、図1 のブロックで示す人体における痛み測定装置を用いて、以下の要領で実施した。 【0016】まず、本発明における人体における痛み測定装置は、ブロック図に示したように、電源1と、回路電源2と、発振器3と、分周帰4と、増幅器5と、コントローラ6と、電圧表示器7と、電流表示器8と、電極9と、プリンター10と、前記コントローラ6用のリモートスイッチ11とで構成されたものである。ところで、前記発振器3では、周波数50Hzを発振させ、かつ分周器4でパルス幅1msの矩形波を作り出し、これを次段の増幅器5に入力させ、最終的に電極9を介して被測定者の所定の部位に刺激信号として付与する。 【0017】また、前記コントローラ6には、刺激電圧および電圧上昇速度等の設定を行なう設定部6a と、スタート・ストップ・リセット等を行なう操作部6b が設けられている。なお、前記被測定者Mの所定の部位に接続する電極9は、例えば市販されている低周波治療器等が採用している同心円電極を採用した。 【0018】痛み測定装置(定量化)は、低周波電気刺激により発生させた痛み、すなわち可変な疑似痛みの元yを人体の所定の部位に付与して得る疑似痛み感覚f(y)を、既存の痛みの元xを原因とする痛み感覚f(x)と比較するものである。刺激電流を徐々に増大させ、被測定者Mが痛みの平衡f(x)≒f(y)を感知したときの電流値を痛みに対応した刺激強度として記録する。 【0019】測定対象と方法被験者は学生ボランティアを中心に、延べ56名(男性27名、女性29名)に対して行なった。電流値の測定は最小感知電流および痛み対応電流のそれぞれに対して行なった。実験的な基準痛み負荷、すなわち痛みの元x を原因とする痛み感覚f(x)を与えるため、右前腕部に直径2cmの圧迫用プレート(先端は半球状)を置き、これを100〜200mmHgの空気圧で押しつけた。 【0020】結果(基礎事項の検討) 右前腕部圧迫による基準の痛みを与えた状態で、最小感知電流は痛みに対して変化せず、痛みが刺激に対する感覚閾値を変化させないことが確認された。また、痛み感覚に対する測定の安定性を検討するため、片腕に一定値の電気刺激を加えて痛み、すなわち、 痛みの元x を原因とする痛み感覚f(x)を作成し、他の腕で本発明に係る人体における痛み測定装置を用いて痛みの測定を試みた。 【0021】なお、上記の測定に当たり、両刺激には電気刺激による筋運動が生じない部位として前腕部肘関節内側を用いた。この結果、徐々に刺激量を増加させて平衡点を得る本測定法では、約15%ほど低く測定されるが、両者には高い相関を有することが確認できた。 結果(痛みの測定) 実験的に作った痛み負荷に対応して得られた刺激電流値は、痛み負荷量に相関して変化した。 【0022】作られた痛みと電気刺激の感覚は質的に異なったものであるが、測定はきわめて再現性があり、本発明に係る人体における痛み測定装置で痛みの分離と強度の測定が可能であることが確認された。特に、人体に生じている被測定者の痛みの元、例えば妊婦の出産直前の陣痛の如くx1〜xnを原因とする変動する痛み感覚f(x1) 〜f(xn) と、所定の痛み発生装置で発生させる可変な疑似痛みの元y1〜ynを人体の所定の部位に付与して得る疑似痛み感覚f(y1) 〜f(yn) とを比較し、疑似痛み感覚f(y1) 〜f(yn) を元の痛み感覚f(x1) 〜f(xn) の変化に追随させ、両痛み感覚f(x1) 〜f(xn) とf(y1) 〜f(yn) が f(x1) 〜f(xn) ≒f(y1) 〜f(yn) となる連続する疑似痛みの元y1〜ynのデータを痛み発生装置に関連して設けた所定の表示手段により測定することが可能であるから、妊婦の出産時における連続する痛み測定を詳細でかつ極めて的確に把握でき、従って妊婦の安心した出産を促すことが可能となる。 【0023】 【発明の効果】本発明に係る人体における痛み測定装置は、人体に生じている被測定者の痛みの元x を原因とする痛み感覚f(x)と、所定の痛み発生装置で発生させる可変な疑似痛みの元yを人体の所定の部位に付与して得る疑似痛み感覚f(y)とを比較し、元の痛み感覚f(x)と疑似痛み感覚f(y)がf(x)≒f(y)となる時点における疑似痛みの元y のデータを痛み発生装置に関連して設けた所定の表示手段により確認することにより被測定者の人体に生じている元の痛みx を測定でき、かつ人体に生じている被測定者の痛みの元x1〜xnを原因とする変動する痛み感覚f(x1) 〜f(xn)と、所定の痛み発生装置で発生させる可変な疑似痛みの元y1〜ynを人体の所定の部位に付与して得る疑似痛み感覚f(y1) 〜f(yn) とを比較し、疑似痛み感覚f(y1) 〜f(yn) を元の痛み感覚f(x1) 〜f(xn) の変化に追随させ、両痛み感覚f(x1)〜f(xn) とf(y1) 〜f(yn) が f(x1) 〜f(xn) ≒f(y1) 〜f(yn) となる連続する疑似痛みの元y1〜ynのデータを痛み発生装置に関連して設けた所定の表示手段により確認することにより被測定者の人体に生じている連続する元の痛みx1〜xnを測定することができるように構成したので、基準の痛みを与えた状態で徐々に刺激量を増加させて平衡点を得る本測定法では、両者には高い相関を有することが確認でき、しかも実験的に作った痛み負荷に対応して得られた刺激電流値は、痛み負荷量に相関して変化した。その結果、作られた痛みと電気刺激の感覚は質的に異なったものであるが、測定はきわめて再現性があり、痛みの分離と強度の測定も可能であることが確認でき実際に医療装置としても十分に採用することが可能である等種々の優れた効果を有する。
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| 【出願人】 |
【識別番号】597161850 【氏名又は名称】株式会社綜合医科学研究所
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)11月18日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】宇高 克己
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| 【公開番号】 |
特開平11−146865 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)6月2日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−316934 |
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