トップ :: A 生活必需品 :: A61 医学または獣医学;衛生学




【発明の名称】 眼科装置
【発明者】 【氏名】飯島 博

【氏名】早藤 峰基

【氏名】高木 章成

【要約】 【課題】固視微動の影響を受けずに短時間でアライメントが行える眼科装置を提供する。

【解決手段】被検眼Eに向けて投影されるXYアライメント用指標の角膜反射光に基づいて上下左右方向における被検眼Eと装置本体とのアライメント状態を検出するXYアライメント検出手段と、被検眼Eに向けて斜め方向から投影されるZアライメント用指標の角膜反射光に基づいて前後方向における前記被検眼と装置本体とのアライメント状態を検出するZアライメント指標投影光学系60およびZアライメント検出光学系70とを備えた眼科装置において、XY方向のアライメントずれ量△Xに基づいて、Zアライメント検出回路74の検出結果が信頼性が有ると判断する制御回路80を備えている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】被検眼に向けて正面から投影されるXYアライメント用指標の角膜反射光に基づいて上下方向および左右方向における被検眼と装置本体とのアライメント状態を検出するXYアライメント検出手段と、被検眼に向けて斜め方向から投影されるZアライメント用指標の角膜反射光に基づいて前後方向における前記被検眼と装置本体とのアライメント状態を検出するZアライメント検出手段とを備えた眼科装置において、前記上下方向または前記左右方向のうち、Zアライメント指標光の投影光軸および反射光軸を含む面と平行な方向のアライメントずれ量に基づいて、前記Zアライメント検出手段の検出結果が信頼性が有ると判断する信頼性判断手段を備えたことを特徴とする眼科装置。
【請求項2】前記信頼性判断手段は、前記アライメントずれ量が所定値以下となった場合に前記Zアライメント検出手段の検出結果が信頼性が有ると判断することを特徴とする請求項1の眼科装置。
【請求項3】前記アライメント検出手段の検出結果に基づき前記装置本体を駆動させるアライメント駆動手段と、前記信頼性判断手段の判断結果に基づき、前記アライメント駆動手段の前後方向の駆動を許可する駆動許可手段とを備えたことを特徴とする請求項1または請求項2の眼科装置。
【請求項4】前記Zアライメント検出手段の検出結果を被検者に表示する表示手段と、前記信頼性判断手段の判断結果に基づき、前記表示手段の表示を許可する表示許可手段を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2の眼科装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、被検眼と装置本体を所定の位置関係に整合させる必要がある眼科装置、例えば非接触式眼圧計、角膜形状測定装置、角膜内皮細胞撮影装置のような眼科装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、被検眼角膜に対して斜め方向から指標を投影し、この投影光の反射光の受光位置からZ方向(前後方向)のアライメントを検出するとともに、被検眼に対し正面から別の指標を投影し、被検眼角膜による反射光をエリアセンサで受光し、そのエリアセンサの受光位置からXY方向(左右方向)のアライメントを検出する眼科装置が知られている。
【0003】このような眼科装置にあっては、XY方向のアライメント検出結果に誤差があると、Zアライメントの検出結果に誤差が生じる。この誤差を解消するために、X方向のアライメントずれ量に基づいてZ方向の検出結果を補正する補正機能付きの眼科装置が提案されている(特開平7−23907号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この眼科装置にあっては、XYアライメントのずれ量を検出した後、このずれ量を記憶しておき、Zアライメント検出系により得られたZアライメントずれ量△Zおよび記憶されたXY方向のアライメントずれ量から正確なZ方向のアライメントずれ量を演算するという手順を踏む必要がある。しかも、被検眼は固視微動等により絶えず動いているので、このような手順を踏んでいると迅速なアライメントを達成することができない。
【0005】この発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、アライメント検出データの補正をすることなく短時間でアライメントが行える眼科装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記目的を達成するために、請求項1の発明は、被検眼に向けて正面から投影されるXYアライメント用指標の角膜反射光に基づいて上下方向および左右方向における被検眼と装置本体とのアライメント状態を検出するXYアライメント検出手段と、被検眼に向けて斜め方向から投影されるZアライメント用指標の角膜反射光に基づいて前後方向における前記被検眼と装置本体とのアライメント状態を検出するZアライメント検出手段とを備えた眼科装置において、前記上下方向または前記左右方向のうち、Zアライメント指標光の投影光軸および反射光軸を含む面と平行な方向のアライメントずれ量に基づいて、前記Zアライメント検出手段の検出結果が信頼性が有ると判断する信頼性判断手段を備えたことを特徴とする。
【0007】請求項2の発明は、前記信頼性判断手段は、前記アライメントずれ量が所定値以下となった場合に前記Zアライメント検出手段の検出結果が信頼性が有ると判断することを特徴とする。
【0008】請求項3の発明は、前記アライメント検出手段の検出結果に基づき前記装置本体を駆動させるアライメント駆動手段と、前記信頼性判断手段の判断結果に基づき、前記アライメント駆動手段の前後方向の駆動を許可する駆動許可手段とを備えたことを特徴とする。
【0009】請求項4の発明は、前記Zアライメント検出手段の検出結果を被検者に表示する表示手段と、前記信頼性判断手段の判断結果に基づき、前記表示手段の表示を許可する表示許可手段を備えたことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、この発明に係る眼科装置である眼圧計の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]図1および図2において、この発明に係る装置本体Sは、被検眼Eの前眼部を観察するための前眼部観察系10、XY方向のアライメント検出および角膜変形検出のための指標光を被検眼Eの角膜Cに正面から投影するXYアライメント指標投影光学系20、被検眼Eに固視標を提供する固視標投影光学系30、XYアライメント指標光の角膜Cによる反射光を受光して後述する装置本体Sと角膜CのXY方向の位置関係を検出するXYアライメント検出光学系40、XYアライメント指標光の角膜Cによる反射光を受光し角膜Cの変形量を検出する角膜変形検出光学系50、角膜Cに斜めからZ方向のアライメント用指標光を投影するZアライメント指標投影光学系60、Zアライメント指標光の角膜Cによる反射光を前眼部観察光学系10の光軸に対して対称な方向から受光し装置本体Sと角膜CのZ方向の位置関係を検出するZアライメント検出光学系70を備えている。そして、XYアライメント指標投影光学系20とXYアライメント検出光学系40とでXYアライメント検出手段が構成され、Zアライメント指標投影光学系60とZアライメント検出光学系70とでZアライメント検出手段が構成される。
【0011】前眼部観察光学系10は、被検眼Eの左右に位置して前眼部をダイレクトに照明する複数個の前眼部照明光源11、気流吹き付けノズル12、前眼部窓ガラス13、チャンバー窓ガラス14、ハーフミラー15、対物レンズ16、ハーフミラー17,18、CCDカメラ19を備え、O1はその光軸である。
【0012】前眼部照明光源11によって照明された被検眼Eの前眼部像は、気流吹き付けノズル12の内外を通り、前眼部窓ガラス13、チャンバー窓ガラス14、ハーフミラー15を透過し、対物レンズ16により集束されつつハーフミラー17,18を透過してCCDカメラ19上に形成される。
【0013】XYアライメント指標投影光学系20は、赤外光を出射するXYアライメント用光源21、集光レンズ22、開口絞り23、ピンホール板24、ダイクロイックミラー25、ピンホール板24に焦点を一致させるように光路上に配置された投影レンズ26、ハーフミラー15、チャンバー窓ガラス14、気流吹き付けノズル12を有する。
【0014】XYアライメント用光源21から出射された赤外光は、集光レンズ22により集束されつつ開口絞り23を通過し、ピンホール板24に導かれる。そして、ピンホール板24を通過した光束は、ダイクロイックミラー25で反射され、投影レンズ26によって平行光束となってハーフミラー15で反射された後に、チャンバー窓ガラス14を透過して気流吹き付けノズル12の内部を通過し、図3に示すようにXYアライメント指標光Kを形成する。図3においてXYアライメント指標光Kは、角膜Cの頂点Pと角膜Cの曲率中心との中間位置に輝点像Rを形成するようにして角膜表面Tで反射される。なお、開口絞り23は投影レンズ26に関して角膜頂点Pと共役な位置に設けられている。
【0015】固視標光学系30は、可視光を出射する固視標用光源31、ピンホール板32、ダイクロイックミラー25、投影レンズ26、ハーフミラー15、チャンバー窓ガラス14、気流吹き付けノズル12を有する。
【0016】固視標用光源31から出射された固視標光は、ピンホール板32、ダイクロイックミラー25を経て、投影レンズ26により平行光とされハーフミラー15で反射された後に、チャンバー窓ガラス14を透過し、気流吹き付けノズル12の内部を通過して被検眼Eに導かれる。被検者はその固視標を固視目標として注視することにより視線が固定される。
【0017】XYアライメント検出光学系40は、気流吹き付けノズル12、チャンバー窓ガラス14、ハーフミラー15、対物レンズ16、ハーフミラー17,18、センサ41、XYアライメント検出回路42を有する。
【0018】XYアライメント指標投影光学系20により角膜Cに投影され、角膜表面Tで反射された反射光束は、ノズル12の内部を通りチャンバー窓ガラス14、ハーフミラー15を透過し、対物レンズ16により集束されつつハーフミラー17でその一部が透過し、ハーフミラー18でその一部が反射される。ハーフミラー18で反射された光束は、センサ41上に輝点像R′1を形成する。センサ41はPSDのような位置検出可能な受光センサである。
【0019】XYアライメント検出回路42は、センサ41の出力を基にして、XY方向についての装置本体Sと角膜Cの位置関係を公知の手段によって演算し、その演算結果を制御回路80に出力する。
【0020】一方、ハーフミラー18を透過した角膜Cによる反射光束は、CCDカメラ19上に輝点像R′2を形成する。CCDカメラ19はモニタ装置に画像信号を出力し、図4に示すように、被検眼Eの前眼部像E′、XYアライメント指標光の輝点像R′2がモニタ装置の画面Gに表示される。なお、Hは図示しない画像生成手段によって生成されたアライメント補助マークである。
【0021】さらに、ハーフミラー17によって反射された一部の光束は、角膜変形検出光学系50に導かれ、ピンホール板51を通過してセンサ52に導かれる。センサ52はフォトダイオードのような光量検出の可能な受光センサである。
【0022】Zアライメント指標投影光学系60は、Z方向についてのアライメント状態を検出するための指標光束を投影するためのものであり、赤外光を出射するZアライメント用光源61、集光レンズ62、開口絞り63、ピンホール板64、ピンホール板64に焦点を一致させるように光路上に配置された投影レンズ65を有する。なお、O2はその光軸である。
【0023】Zアライメント光源61を出射した赤外光は、集光レンズ62により集光されつつ開口絞り63を通過してピンホール板64に導かれる。ピンホール板64を通過した指標光束Fは、投影レンズ65によって平行光束Fとされ角膜Cに導かれ、図5に示すように、輝点像Qを形成するようにして角膜表面Tにおいて反射される。なお、開口絞り63は投影レンズ65に関して角膜頂点Pと共役な位置に設けられている。
【0024】Zアライメント検出光学系70は、結像レンズ71、Y方向にパワーを持ったシリンドリカルレンズ72、センサ(受光手段)73を有し、O3はその光軸である。
【0025】Zアライメント指標投影光学系60によって投影された指標光Fの角膜表面Tにおける反射光束は、結像レンズ71によって集束されつつシリンドリカルレンズ72を介してセンサ73上に輝点像Q′を形成する。センサ73はラインセンサやPSDのような位置検出可能な受光センサである。センサ73からの情報はZアライメント検出回路(演算手段)74に導かれる。
【0026】Zアライメント検出回路74は、公知の手段により装置本体Sと角膜CとのZ方向の位置関係を演算し、この演算結果を制御回路80に出力する。
【0027】なおXZ平面内においては、輝点像Qとセンサ73は結像レンズ71に関して共役な位置関係にあり、YZ平面内においては、角膜頂点Pとセンサ73が結像レンズ71、シリンドリカルレンズ72に関して共役な位置関係にある。つまりセンサ73は開口絞り63と共役関係にあり(このときの倍率は、開口絞り63の像がセンサ73の大きさより小さくなるように選んである)、Y方向に角膜Cがずれたとしても角膜表面Tにおける反射光束は効率良くセンサ73に入射するようになる。また、Y方向に長いスリット光を投影することによっても効率は落ちるが同様な効果を得ることができる。
【0028】図7は、眼科装置の全体構成を示す側面図で、100は電源が内蔵されたベースである。ベース100の上部には架台101がコントロールレバー102の操作により前後左右移動可能に設けられている。コントロールレバー102には手動スイッチ103が設けられ、この手動スイッチ103は手動モードのときに用いられる。架台101の上部にはモータ104、支柱105が設けられている。
【0029】また、ベース100の右側部には、支柱140が設けられており、この支柱140には顎受け台141が設けられている。この顎受け台141は調整つまみ142によって上下方向(Y方向)に移動し、調整つまみ143によって左右方向(X方向)に移動するようになっている。144は額当てである。
【0030】モータ104と支柱105とは図示を略すピニオン・ラックにより結合され、支柱105はモータ104によって上下方向(Y方向)に移動される。支柱105の上端にはテーブル106が設けられている。
【0031】テーブル106には支柱107、モータ108が設けられている。支柱107の上端にはテーブル109が摺動可能に設けられている。テーブル109の後端には、図8に示すようにラック110が設けられている。モータ108の出力軸にはピニオン111が設けられ、ピニオン111はラック110に噛み合わされている。また、テーブル109の上部にはモータ112と支柱113とが設けられている。モータ112の出力軸にはピニオン114が設けられている。支柱113の上部には装置本体Sの本体ケース115が摺動可能に設けられている。本体ケース115の側部にはラック116が設けられている。ラック116はピニオン114と噛み合わされている。なお、本体ケース115の内部には、図1および図2に示した光学系が収納されている。
【0032】モータ104,108,112は、前述の制御回路80から出力される制御信号によって制御される。そして装置本体Sは、モータ104に制御信号が出力されたときはY方向の移動が、モータ108に制御信号が出力されたときはX方向の移動が、モータ112に制御信号が出力されたときはZ方向の移動がそれぞれ制御され、これによって、アライメント調整が自動で行われる。
【0033】以上の構成において、図6(a)に示すように、角膜Cの位置がZ方向に△Zずれた場合、センサ73上で輝点像Q′の位置が△Z×sinθ×mだけ移動する。ここでθは軸O1と軸O2および軸O1と軸O3のなす角度、mはZアライメント光学系70の結像倍率である。角膜CがZ方向にずれただけであればセンサ73上での輝点像Q′の移動量から、角膜CのZ方向についてのアライメントずれ量は容易に算出できる。
【0034】しかし、図6(b)に示すように、Zアライメント指標投影光学系の光軸O2およびZアライメント検出光学系の光O3を含む面と平行な方向であるX方向について、アライメントずれ量△Xが生じた場合もセンサ73上で輝点像Q′の位置が△X×cosθ×mだけ移動する。このため、△Xが大きい場合にはZ方向のアライメント検出誤差が大となり、自動アライメント機構が正常に機能しないという問題がある。
【0035】特開平7−23907号の装置では、この問題を解消するため、X方向のアライメント検出結果をもとにしてZ方向のアライメントの検出結果を補正するようにしているが、この発明では、このような補正を行わない。その替わりにこの発明では、Z方向のアライメント検出精度に影響がない程度までX方向のアライメントずれ量△Xが小さくならない限り、Z方向のアライメント駆動を許可しないように構成している。
【0036】すなわち、制御回路80は、XYアライメント検出回路42が検出したX方向のアライメントずれ量△Xに基づいてZアライメント検出回路74の検出結果が信頼性が有ると判断する信頼性判断手段としての機能と、モータ112に制御信号を出力して装置本体SのZ方向のアライメントを行わせる駆動許可手段としての機能を有している。
【0037】次に、この実施形態の眼科装置の動作を図9に示すフロー図を参照しながら説明する。
【0038】検者は、図4に示したモニタ画面Gに表示される前眼部像E′を観察しながら、輝点像R′2がアライメント補助マークH内に入るように装置本体SをXY方向に手動で移動させる(ステップ1)。これにより、受光センサ41に輝点像R′1が受光されるようになると、制御回路80は、XYアライメント検出回路42の出力に基づいて、モータ108に制御信号を出力し、装置本体SをX方向に移動させる(ステップ2)。これにより、△Xが小さくなり、Zアライメントの検出誤差が小さくなる。この際、Y方向のアライメント調整(すなわちモータ104の駆動)も並行して行う。
【0039】XYアライメント検出回路42は、△Xが所定値以下である範囲Aに入ったか否かを判断する(ステップ3)。△Xが所定値以下となった場合には、制御回路80は、Zアライメント検出回路74の検出データは信頼できる値と判断し、Zアライメント検出回路74の検出データに基づきモータ112を駆動させ、Z方向の自動アライメントを開始させる(ステップ4)。一方、△Xが所定値以上であると判断した場合には、モータ112の駆動は行わず、ステップ2に戻り、モータ108を再度駆動させ、X方向のアライメント調整を行わせる。
【0040】こうして、XYZ全方向について自動アライメントが開始され、全方向についてのアライメントが完了すると(ステップ5)、制御回路80は、図示しない気流吹付手段を作動させてノズル12から角膜Cに向けて気流を吹き付け、このときの角膜変形量を角膜変形検出光学系50によって検出する。この変形量が所定変形量となったときの気流の吹き付け圧から被検眼Eの眼圧を求める。
【0041】被検眼の固視微動が激しい場合には、図示しないモードスイッチを操作して固視微動モードを設定する。この場合には、範囲Aが通常のモードの場合に比べて大きく設定される。
【0042】第1実施形態では、眼圧計の装置本体Sについて説明したが、例えば角膜内皮細胞撮影装置などの他の眼科装置の装置本体であってもよいことは勿論である。
【0043】この第1実施形態によれば、装置本体SがX方向のアライメント誤差がZ方向のアライメント検知精度に影響を与えない程度にまで小さくした範囲Aに入ったとき、制御回路80は、XYアライメント検出回路42およびZアライメント検出回路74の情報に基づいて、モータ104,108,112に制御信号を出力してXYZアライメントを行っているので、Z方向の検出結果を補正する必要がない。このため、短時間でアライメントが行え、固視微動の影響を受けずに被検眼を測定することができる。
[第2実施形態]図10および図11は、この発明の第2実施形態を示したものである。前眼部観察系10、XYアライメント指標投影光学系20、固視標投影光学系30、角膜変形検出光学系50、Zアライメント指標投影光学系60およびZアライメント検出光学系70は第1実施形態と同一であるので、図面において同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0044】この第2実施形態は、第1実施形態のものと異なり、アライメント調整は最後まで検者がマニュアルにより行う形態である。
【0045】XYアライメント検出系240は、XY方向のアライメントが完了したか否かを検出することができれば足りるので、受光センサ243としては、入射光量のみが検出可能なフォトダイオードのような受光センサであってもよいし、第1実施形態と同様に入射位置が検出可能な受光センサを用いても構わない。
【0046】また、X方向のアライメントずれ量△Xが所定値以下になったか否かは、アライメント検出系240によって検出するのではなく、ハーフミラー241、ピンホール291、受光センサ292およびZアライメント制限検出回路293からなるZアライメント制限検出系290により検出する。
【0047】ハーフミラー241は、ハーフミラー18と受光センサ243との間に配置され、受光センサ292は、そのハーフミラー241の反射方向に配置されている。受光センサ292は、フォトダイオードのような入射光量を検出する機能を有し、ハーフミラー241に関し受光センサ243と光学的に共役な位置に配置されている。そして、受光センサ292の直前には、ピンホール291が配置されている。
【0048】ピンホール291は、X方向のアライメントずれ量△XによるZ方向のアライメント検出精度への影響が無視できるほどに△Xが小さくなった場合に所定量以上の光量が受光センサ292に入射するようにするためのものである。ピンホール291の大きさはピンホール242の大きさより若干大きくなっている。
【0049】Zアライメント制限回路293は、所定量以上の光量が受光センサ292に入射したか否かを検出し、所定量以上の光量が入射したことを検出した場合に制御回路80に向けて所定の信号を出力するようになっている。
【0050】次に、第2実施形態の動作を図12のフロー図を参照しながら説明する。
【0051】検者は、図4に示したモニタ画面で前眼部E′と輝点像R′2を観察しつつ、コントロールレバー102を操作して、輝点像R′2が補助マークHの中心位置に位置するように装置本体Sを左右上下に移動させる(ステップ11)。この間、Zアライメント制限検出回路293は、X方向のアライメントずれ量△Xが所定値以下となったか否かを検出する(ステップ12)。これは、所定量以上の光量が受光センサ292に入射したか否かにより検出する。
【0052】△Xが所定値以下となると、制御回路80は、Zアライメント検出回路74の検出データは信頼できる値と判断し、Zアライメント検出回路74の検出データに比例した長さのバーBaをモニタ画面G上に形成させる(ステップ13)。
【0053】△Xが所定値以上のとき、すなわち、所定量以上の光量が受光センサ292に入射していないとき、制御回路80はバーBaの表示を行わず、ステップ11に戻り、アライメント調整を続行させる。
【0054】検者は、モニタ画面GのバーBaの表示を見て、バーBaが短くなる方向へ装置本体Sを移動させてZアライメント調整を行う(ステップ14)。XYアライメント検出回路244、Zアライメント検出回路74は、それぞれXY方向、Z方向のアライメントが完了したか否かを検出し、その結果を制御回路80に出力する。
【0055】全方向についてのアライメントが完了したことが検出されると(ステップ15)、制御回路80は、モニタ画面Gに「アライメントOK」の文字を表示させて検者に測定開始を促すか、または自動的に測定を開始させるかいずれかの方法により測定を開始させる(ステップ16)。
【0056】このように、第3実施形態では、Zアライメント検出系70の検出精度を考慮し、△Xが大きい段階ではZアライメント情報の表示を行わず、△Xが十分に小さくなった場合にZアライメント情報の表示を行うように構成している。このため、検者において誤った調整を行うことが少なくなり、迅速にアライメント調整を完了することができる。すなわち、Zアライメント制限検出系290は、X方向のアライメントずれ量△Xが所定値以下となったことが検出されたとき、Z方向のアライメント情報の表示を許可する表示許可手段として機能する。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれば、Z方向の検出結果を補正する必要がなく、このため、短時間でアライメントが行え、固視微動の影響を受けずに被検眼を測定することができる。
【出願人】 【識別番号】000220343
【氏名又は名称】株式会社トプコン
【出願日】 平成10年(1998)8月21日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】西脇 民雄
【公開番号】 特開平11−137523
【公開日】 平成11年(1999)5月25日
【出願番号】 特願平10−235677