| 【発明の名称】 |
内視鏡 |
| 【発明者】 |
【氏名】森山 宏樹
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| 【要約】 |
【課題】硬度調整手段の有する機能が低下したとき、硬度調整手段の有する機能を補正して軟性管の品質を保持する内視鏡を提供すること。
【解決手段】後端口金36はネジリング39によっ円筒管40に取り付けられ、後端口金36にはコイルストッパ41が取り付けられ、コイルストッパ41と硬度調整用コイル27とは固定されている。円筒管40内の後端口金36には移動リング42が配置され、この移動リング42に牽引部材43が取り付けられている。硬度調整用ワイヤ26の後端にはワイヤストッパ44が固定され、硬度調整用コイル27の後端は、コイルストッパ41に固定されている。移動リング42には移動ピン45が取り付けられ、この移動ピン45はカムリング46のカム溝47に嵌まっている。カムリング46上には硬度調整ノブ25が被せられて、ワイヤストッパ44及びコイルストッパ41の位置が補正可能になっている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 可撓管部を構成する軟性管内に、この軟性管の硬度を調整する細長な硬度調整手段を備えた内視鏡において、前記硬度調整手段の軟性管に対してかかる負荷量の補正を可能にしたことを特徴とする内視鏡。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、軟性管の硬度を調整する硬度調整手段を備えた内視鏡に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、細長の挿入部を体腔内に挿入することにより、切開を必要とすることなく、体腔内の検査対象部位を観察したり、必要に応じて、内視鏡の有する処置具チャンネル内に処置具を挿通して各種治療・処置の行える内視鏡が広く用いられている。 【0003】前記内視鏡の挿入部は、屈曲した体腔内などに挿通させることが可能なように可撓性を有する。しかし、挿入部に可撓性を持たせたことによって、挿入部手元側の操作が挿入部先端側まで伝達されず、挿入部先端側の方向性が定まらず、目的部位までスムーズに挿通させることが難しくなるという問題があった。 【0004】この問題に対処するため、例えば実開平3−43802号公報には、内視鏡の内部にコイルパイプとワイヤとからなる硬度可変手段(或いは可撓性可変手段ともいう)を設け、内視鏡検査を行う術者が簡単な操作を行うことで挿入部の可撓性を調整することにより、屈曲した経路内への挿入を行い易くした内視鏡が開示されている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、硬度可変手段を構成するコイルパイプ及びワイヤのそれぞれの両端部が可撓管部外郭を構成する軟性管両端の口金部にろう付けによって強固に固定されていた。このため、硬度可変手段を繰り返し使用することによって、コイルパイプが劣化して自然長が縮んだ状態でワイヤを牽引操作した場合、軟性管先端をコイルパイプ劣化前より余計に牽引して、必要以上の負荷を軟性管にかけることにより、軟性管の蛇行や劣化の原因になるおそれがあった。 【0006】本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、繰り返しの使用によって硬度調整手段の有する機能が低下したとき、前記硬度調整手段の有する機能を補正して軟性管の品質を保持する内視鏡を提供することを目的にしている。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明の内視鏡は、可撓管部を構成する軟性管内に、この軟性管の硬度を調整する細長な硬度調整手段を備えた内視鏡であって、前記硬度調整手段の軟性管に対してかかる負荷量の補正を可能にしている。 【0008】この構成によれば、硬度調整手段の軟性管に対する負荷量を補正することで、軟性管に対する負荷量が適宜補正される。 【0009】 【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1ないし図13は本発明の一実施形態に係り、図1は内視鏡システムの概略構成を示す説明図、図2は湾曲部と可撓管部との接続構造を示す横断面図、図3は湾曲部と可撓管部との接続構造を示す縦断面図、図4は操作部の前端側の構造を説明する断面図、図5は図4のA−A断面図、図6は図5のB−B断面図、図7は図6をC方向から見た図、図8は図4のD部を説明する図、図9はスペーサを示す説明図、図10は図4のD−D断面図、図11は図4のE−E断面図、図12はカム溝の構成及び作用を説明する図、図13は内視鏡に設けられている硬度調整手段の具体的な作用を示す説明図である。 【0010】図1に示すように本実施形態の電子内視鏡システム1は、CCD11などの固体撮像素子を細長な挿入部20の先端部21に内蔵した電子内視鏡2と、この電子内視鏡2に挿通されているライトガイドケーブル10に照明光を供給するための照明ランプ3a及び集光レンズ3bを内蔵した光源装置3と、前記CCD11を駆動するドライブ4a及び前記CCD11から伝送される電気信号を画像信号に変換する信号処理部4bを備えた信号処理装置4と、前記信号処理部4bで生成された画像信号を表示する表示部5aを備えたモニタ5とで主に構成されている。 【0011】前記電子内視鏡2の挿入部20は、前記CCD11を内蔵した先端部21と、この先端部21に連接する複数の関節駒12を連接して形成された湾曲部22と、この湾曲部22に接続管13を介して連接される柔軟な軟性管14を備えた可撓管部23とで構成されている。 【0012】前記挿入部20の基端部には前記湾曲部22を湾曲操作するための湾曲操作ノブ6a等を備えた操作部6が設けられており、湾曲操作ノブ6aを術者が操作することによって操作部6内に設けられているドラム6bが回動してこのドラム6bに巻回されている湾曲用ワイヤ15が牽引操作されて湾曲部22を所望の方向に湾曲させられるようになっている。 【0013】前記操作部6の側部からは前記光源装置3に着脱自在に接続される光源コネクタ7aを基端部に備えたユニバーサルコード7が延出している。前記光源コネクタ7aの側部には電気コネクタ7bが設けられており、この電気コネクタ7bと前記信号処理装置4とに着脱自在な外部ケーブル8を接続することによって信号処理装置4と前記CCD11とが信号線19を介して接続される。 【0014】前記電子内視鏡2の挿入部20の基端部と操作部6の前端部とは折れ止め部材24を介して連結されており、この折れ止め部材24に隣接する操作部6前端側に後述する硬度調整手段の硬度調整操作(可撓性調整操作ともいう)を行う略円筒形状の硬度調整ノブ(可撓性調整ノブとも記載する)25が設けられている。この硬度調整ノブ25を回動操作することによって、前記可撓管部23内に配置されている硬度調整手段の硬度可変手段(可撓性可変手段ともいう)を構成する硬度調整用ワイヤ26及び硬度調整コイル27を調整して可撓管部23の硬度(可撓性ともいう)を調節することができるようになっている。なお、符号6cは体腔内に処置具等を案内する処置具チャンネルに連通する処置具挿入口である。 【0015】図2及び図3に示すように前記湾曲部22と可撓管部23とを接続する接続管13は、湾曲部22を構成する複数の関節駒12,…,12の最後端に位置する後端関節駒16に嵌合した状態でビス17によって一体的に固定されている。また、この接続管13の一部には接続部材31を配置する切欠部13aが形成されており、この切欠部13aに接続部材31が嵌め込まれるようになっている。したがって、前記接続部材31は、前記接続管13と前記後端関節駒16とを一体的に固定することによって、接続管13に配置される。一方、前記ビス17を外して前記後端関節駒16と前記接続管13とを分離することによって、接続部材31を接続管13からスライドさせて外せるようになっている。なお、符号18は湾曲部22の外層を構成する外皮チューブである。また、前記ビス17は1箇所に設けるようにしても複数箇所に設けるようにしてもよい。 【0016】図3に示すように前記接続部材31の一部には接続用パイプ32の一端部が嵌入されており、ロー付け部33によって接続部材31と接続用パイプ32とが一体的に固定されている。また、この接続用パイプ32の他端部には硬度調整用ワイヤ26の先端部分が挿通されて半田34によって一体的に固定されている。そして、前記接続用パイプ32から延出している硬度調整用ワイヤ26の先端側部には硬度調整用コイル27の先端部がロー付け部33によって強固に固定されている。なお、この硬度調整用ワイヤ26と接続用パイプ32との固定は半田34に限定されるものではなく、かしめを加えてもよい。 【0017】図4を参照して操作部6前端側の構造を説明する。図に示すように折れ止め部材24の基端部には支持部材35が圧着されている。この支持部材35は、後端口金36にビス37によって一体的に固定されている。このビス37の頭部が配設される支持部材35に形成されている穴部には、充填剤38が埋められている。 【0018】前記後端口金36は、ネジリング39によって操作部6を構成する操作部本体61に固定されている円筒管40の前端部に一体的に取り付けられている。また、後端口金36の内周面部にはコイルストッパ41が取り付けられており、このコイルストッパ41に前記硬度調整用コイル27の後端部が一体的に固定されている。さらに、前記円筒管40内の後端口金36に隣接する部分には移動リング42が配置されており、この移動リング42に牽引部材43が取り付けられている。 【0019】前記硬度調整用ワイヤ26の後端は、前記硬度調整用コイル27内、コイルストッパ41に形成されている透孔及び牽引部材43に形成されている溝を通って操作部6内に突出している。そして、この突出した硬度調整用ワイヤ26の後端部に抜け止めとなるワイヤストッパ44がロー付け部33によって強固に固定されている。また、硬度調整用コイル27の後端は、コイルストッパ41にロー付け部33によって強固に固定されている。 【0020】前記移動リング42の対称な位置にはそれぞれ移動ピン45が取り付けられるようになっており、この移動ピン45は、前記円筒管40に設けられている長手方向に細長な長穴を介して、この円筒管40の外周面に被せられて設けられているカムリング46に設けられているカム溝47に嵌まっている。そして、前記カムリング46の上には硬度調整ノブ25が被せられており、後述する図11に示すように互いの凹凸部がはまり合うことにより、回転方向への固定がなされている。 【0021】なお、前記カムリング46の前端と前記後端口金36の後端との間には摺動リング48が狭持されている。また、前記後端口金36とカムリング46とは同部材で形成されているが、前記摺動リング48は前記後端口金36及びカムリング46と硬度の異なる材質であり、後端口金36とカムリング46とが摺動したとき発生する食い付きを防止するためのものである。さらに、前記硬度調整ノブ25の前端側の内周面に前記支持部材35に設けた第1シールリング49が密着して水密が保たれるようになっている。又、前記後端口金36と前記支持部材35とは第2シールリング50によって水密が保たれるようになっている。また、前記硬度調整ノブ25の後方部はシール受け部材51に重ねられて配設されており、このシール受け部材51に設けた第3シールリング52によって硬度調整ノブ25とシール受け部材51との水密が保たれるようになっている。また、この受け部材51の後端側には筒体62の前端部が重なって配設されており、この筒体62に設けた第4シールリング53によって受け部材51と筒体62との水密が保たれるようになっている。 【0022】図5に示すようにコイルストッパ41は、後述するコイル後端位置調整手段となる2つのビス54によって後端口金36に一体的に固定されている。このビス54の頭部の上方には、前記後端口金36に形成されている溝部36a及び円筒管40に形成した長手方向に細長な長穴40aが配置されおり、このことによって円筒管40の外側から前記ビス54の締め付け又は緩め作業を行えるようになっている。 【0023】また、前記後端口金36の外周面には摩擦抵抗を得るための複数の切り欠き部36bが設けられており、この切り欠き部36bを設けることによって前記図4に示したように理想的な位置に合わせた後端口金36と円筒管40とをネジリング39によって締め付けていく作業中に、前記後端口金36と前記円筒管40との回転方向の位置がずれることが防止される。 【0024】図6に示すように後端口金36には長手方向に細長な長穴45aが形成されている。このため、前記ビス54は、実線に示す位置から二点鎖線に示す位置まで距離aだけスライド移動可能になっている。ただし、前記後端口金36の溝部36aには段部36bが設けられているため、図7に示すようにビス54の頭部54aが溝部36aの底面36cに載置された状態であるときにはビス54は二点鎖線で示した方向にスライド移動することはできないが、前記ビス54を緩めた状態にして頭部70が段部36bを越えれば、ビス54が長穴45aをスライドして二点鎖線の位置に移動可能である。 【0025】なお、前記段部36bの高さ寸法は、ビス54のコイルストッパ41への接合長より低く設定されているので、コイルストッパ41にビス54が若干接続された状態にして、頭部70を浮かせることによってスライド移動可能になっている。よって、図7に示す前端の底面36cにおいて頭部54aを嵌めることが可能であり、完全にビス54を締め付けることによって、ビス54は段部36bによってスライド移動できない状態になる。そして、前記長穴40aを円筒管40に設けたことで、前記コイルストッパ41、ビス54の位置変更作業を円筒管40の外周面側から行える。 【0026】前記支持部材35に対して折れ止め部材24をめくり上げ、この状態で充填剤38を取り除いてビス37を抜くことによって、支持部材35は前端側にスライド移動する。そして、前記支持部材35を前端にスライド移動させた後は、硬度調整ノブ25が前端にスライド移動する。このことによって、図8に示すように前記折れ止め部材24、支持部材35、硬度調整ノブ25を前端から取り外した状態になる。 【0027】前記折れ止め部材24、支持部材35、硬度調整ノブ25を前端から取り外した状態で前記摺動リング48の前端側には円筒管40に外嵌する図9に示す略C字形状で厚み寸法がdのスペーサ55が配置されるようになっている。つまり、このスペーサ55を配置した状態にして取り外した支持部材35を元の通りに後端口金36の所定位置に固定することにより、カムリング46、移動ピン45、移動リング42、牽引部材43の位置が初期位置からスペーサ55の厚みdだけ後端側に移動する。 【0028】この状態で、硬度調整ノブ25及びカムリング46を回転操作することによって、前記移動ピン45、移動リング42、牽引部材43も後端側に移動するが、このときワイヤストッパ44の最後方の位置も2点鎖線に示す初期位置から前記スペーサ55の厚みdだけ後端側にずれる。そして、厚み寸法dを任意に設定して複数種類スペーサ55を用意することにより、移動量を適宜調整することが可能になる。 【0029】なお、前記スペーサ55は、円筒管40に外嵌する内径寸法で形成されている。そして、切欠部55aの幅寸法は、円筒管40の外径寸法より小さいく、可撓管部23の外径寸法より大きく形成されている。このため、スペーサ55を可撓管部23に横方向から嵌め込んだ後、摺動リング48の前部に配置することが可能である。このことにより、スペーサ55を取り付ける作業を行うために前記折れ止め部材24、支持部材35や硬度調整ノブ25を挿入部20から完全に抜き取ることなく、操作部6の前端部から可撓管部23の中途位置までずらしておけばよい。また、摺動リング48がスペーサ55を兼ねるようにしてもよい。つまり、摺動リング48の幅寸法の異なるものを複数種類形成してこの摺動リング48を適宜取り替えることによってスペーサ55と同様の作用を得られる。 【0030】図10に示すように牽引部材43は、2つのビス56によって移動リング42に一体的に固定されている。この牽引部材43には溝43aが設けられているので、硬度調整用ワイヤ26を外周方向から嵌めて移動リング42に固定することができるようになっている。なお、移動リング42は、C型形状であるので他の内蔵物が挿通するスペースが確保されている。また、移動ピン45を対称の位置に配置していることでバランスが保たれている。さらに、硬度調整ノブ25の外周面には把持する手が滑ることを防止する複数の凹部25aが設けられている。 【0031】図11に示すように硬度調整ノブ25とカムリング46とは調整ノブ25の内周面に形成した複数の凹凸部とカムリング46に設けた複数の凹凸部とが噛み合って回転方向に固定されて、挿入部長手軸方向に対してはスライド自在な構成になっている。なお、カムリング46は円筒管40に対して回転可能である。 【0032】図12に示すようにカム溝47a、47bの第1走行部57と、後方側の第2走行部58とでは走行角度が変化している。これは、カムリング46を回転させて移動ピン45がカム溝47a、47b内をスライドするとき、硬度調整用コイル27に対して硬度調整用ワイヤ26の後端を牽引すると、最初余り大きな力量を必要としていないので、この第1走行部57に沿ってい移動するカムリング46のわずかな回転量で移動ピン45を大きく牽引でき、ある程度牽引した後に牽引力量が次第に大きくなって、第2走行部58に移行することによって大きな回転操作量で少ない牽引量にしてカムリング46の回転操作力量が大きくなりすぎないようにするためである。 【0033】なお、最初から最後までを第1走行部57で形成した場合、カムリング46の回転操作量が非常に長くなってしまう。本発明ではカムリング46の最大回転量(ストローク)を術者が1回の操作で動作させることが可能な180°に設定し、かつ操作力量もそれほど重くならないようにしている。なお、最大回転量を180°以外の回転角度に設定するようにしてもよい。また、牽引部材43とワイヤストッパ44との間には遊び部分となる隙間が設けられているので、図4に示す可撓管部23を軟状態にしているときに可撓管部23が曲がって硬度調整用ワイヤ26後端部が硬度調整用コイル27内の前端に引き込まれた際、硬度調整用コイル27が硬くならないようにしている。つまり、硬度調整ノブ25を操作していない状態で、可撓管部23が自然に硬くなるのを防止している。 【0034】ここで、可撓管23の硬度を軟状態から硬状態にする操作を説明する。まず、可撓管23の硬度を硬くするために硬度調整ノブ25を回転操作する。すると、カムリング46が硬度調整ノブ25と共に回転することによって、移動ピン45がカム溝47a、47b内を移動して牽引部材43を後端側に移動させていく。そして、牽引部材43が後端側に移動していくことによってワイヤストッパ44に当接する。 【0035】次に、この状態でさらに牽引部材43は後端側に移動していく。このことにより、硬度調整用ワイヤ26が後方側に牽引されて硬度調整用コイル27に圧縮力が加わって硬度調整用コイル27が硬質されることによって、可撓管部23の硬度が硬状態になる。 【0036】具体的な操作例を図13を参照して説明する。本図は内視鏡2の挿入部20を大腸へ挿入する状態を説明するものである。 【0037】同図(a)に示すように可撓管部23を軟状態にして挿入部20を肛門91から直腸を通過させて曲がりくねったS状結腸92に挿入していく。可撓管部23は軟状態になっているので、この可撓管部23の途中にループができた場合でも患者の苦痛を少なく抑えられる。やがて、挿入部20の先端部21が下行結腸93を通過して脾湾曲94付近に達する。 【0038】脾湾曲94付近に先端部21が到達すると、同図(b)に示すように可撓管部23を引くように操作してS状結腸92を折り畳むようにして、可撓管部23及びS状結腸92を略直線状態にする。そして、ここで上述したように硬度調整ノブ25を回転操作して可撓管部23を硬状態にする。このことによって、先端部21を横行結腸95方向へ押し進めていくとき、折り畳んだ状態にしたS状結腸92が再び撓んで再ループすることが防止される。 【0039】同図(c)に示すように可撓管部23を硬状態にして先端部21を押し進めていくことにより、この先端部21は横行結腸95を通過し、肝湾曲97を越え、盲腸98に到達する。前記可撓管部23は、硬状態のときコシが強いので、S状結腸92の再ループを防ぐだけでなく、横行結腸95を極力撓まないようにして挿入し易くすると共に、手元の操作が先端に伝わり易い状態で挿入操作できるので、良好な挿入が可能になる。 【0040】上述したように内視鏡2の挿入部20を目的部位まで挿入していく途中で可撓管部23を硬くする操作が行えるようになっているので、この可撓管部23の硬度調整操作を頻繁に使えば使うほど、硬度調整用コイル27及び硬度調整用ワイヤ26は劣化する。つまり、頻繁に硬度調整操作を行うことによって、塑性変形によって前記硬度調整用コイル27は自然長が縮み、硬度調整用ワイヤ26では自然長が伸びる。 【0041】前述したように硬度調整用コイル27及び硬度調整用ワイヤ26が劣化すると、可撓管部23の硬状態の最大硬度が低下するだけではない。本実施形態において、硬度調整用ワイヤ26が劣化して伸びた状態になった場合、軟性管14に対して長手軸方向に負荷がかかることはないが、硬度調整用コイル27が劣化した場合には異なる。 【0042】つまり、前記硬度調整用コイル27は、硬度調整用ワイヤ26の牽引操作による弾性変形でも縮むため、予め硬度調整用コイル27の後端を、軟性管14内に少しだけ押し込んで軟性管14内で少し弛みを持たせた状態でコイルストッパ41を後端口金36に取り付けている。具体的には最大硬度時、弾性変形によって2mm程度縮むことが分かっているのであれば、自然状態より2mm程度余分に軟性管14に押し込んだ状態にして後端を後端口金36に取り付ける。そうすることで、最大硬度になったとき接続管13が引っ張られることを極力防止している。 【0043】仮に、接続管13が引っ張られると、このことによって軟性管14を縮ませる力が働く。すると、軟性管14が蛇行したり、劣化し易くなる。さらに、硬度調整用コイル27が劣化して自然長が縮むと、硬度調整ノブ25の操作で硬度調整用ワイヤ26を牽引したとき、硬度調整用コイル27の劣化以前よりも接続管13を後方に引っ張ってしまうことになって、軟性管14にさらなる負荷をかけて、挿入性や耐久性に悪影響を及ぼすおそれがある。 【0044】しかしながら、本発明では図6及び図7で示したように硬度調整用コイル27の後端位置を変更することが可能になっている。このため、上述のように劣化によって硬度調整用コイル27が縮んでしまった場合には、ビス54を操作してコイルストッパ41の位置を変えて硬度調整用コイル27の縮み状態を補正する。このことによって、硬度調整ノブ25を操作したとき、接続管13に余計な負荷がかかることを防止することができる。また、本実施形態の構成によれば、前記硬度調整用コイル27の劣化だけでなく、硬度調整用ワイヤ26の劣化に対しても図8で示したように所望の厚み寸法のスペーサ55を配置することによって補正することが可能である。 【0045】このため、図7で仮にビス54の固定位置を多数設け、硬度調整用コイル27の軟性管14内への押し込み量だけを補正するようにしたとしても、実際には硬度調整用コイル27及び硬度調整用ワイヤ26の両方が劣化するので、たとえ初期状態の硬度調整用コイル27の押し込み量を再現した場合でも初期状態の最大硬度を得ることはできない。逆に、初期状態の最大硬度を実現するまで硬度調整用コイル27を押し込んでいったのでは、初期状態の押し込み量よりさらに押し込んだ状態になることにより、接続管13が前端側に突っ張って軟性管14を伸ばすような余計な負荷を与えることになる。 【0046】このように、本実施形態では硬度調整用コイル27の軟性管14への押し込み量と硬度調整用ワイヤ26の最大硬度時の位置との両方を、硬度調整用コイル27及び硬度調整用ワイヤ26の劣化状態に応じて補正することによって、軟性管14への負荷が少ない初期状態及び最大硬度の初期状態の両方を再現することができるここで、前述した図2、図4及び図5を使用して前記実施形態と異なる硬度調整用コイル27の後端位置を決めるコイル後端位置調整手段について説明する。図2に示すように前記硬度調整用コイル27の先端は、硬度調整用ワイヤ26の先端側に固定されている。また、前記硬度調整用ワイヤ26先端は接続管13に固定されている。このため、硬度調整用コイル27の先端は、弾性変形的に多少捻れることはあっても、自然状態ではほとんど回転しない。 【0047】一方、硬度調整用コイル27の後端もコイルストッパ41に非回転的に固定されている。そして、図5に示すようにコイルストッパ41は非回転的に後端口金36に取り付けられている。 【0048】しかし、2つのビス54を完全にコイルストッパ41から取り外すことで、前記コイルストッパ41は、後端口金36内の空間部でこの後端口金36に対して回転可能な状態になる。そして、このコイルストッパ41を回転させることで、前記硬度調整用コイル27の後端が回転する。この硬度調整用コイル27の後端を回転させたとき、前記硬度調整用コイル27の前端は硬度調整用ワイヤ26の前端の規制によって余り回転しない。つまり、コイルストッパ41を回転させることによって、硬度調整用コイル27の巻数が変更される。この巻数が変更されれば、硬度調整用コイル27の長さがコイル素線径に対応して変更できることになる。 【0049】このように、硬度調整用コイル27が劣化して縮んだとき、硬度調整用コイル27が長くなる(巻数が増える)方向にコイルストッパ41を例えば1回転又は複数回転させた後、再びビス54で後端口金36に固定することにって、硬度調整用コイル27の初期状態と略同様の自然長になるように補正することができる。この自然長の補正は、硬度調整用コイル27の素線径単位で可能なので、精度の高い、かなり緻密な補正が可能である。 【0050】なお、軟性管14に対する硬度調整手段の負荷を調整することが可能であることは、製造段階において、前記軟性管14の長さ寸法のバラツキに合わせて硬度可変手段の長さ調整(補正)を行って、組み付け作業を行えることになるので、初期品質の良好な内視鏡を出荷することになる。 【0051】ところで、前記実開平3−43802号公報に示されている硬度可変手段ではこの硬度可変手段が挿入部内から操作部内にかけてどのように走行(配置)されているかの3次元的な記載がなされていなかった。このため、万一硬度調整手段が、挿入部から操作部にかけて3次元的に斜めに走行していた場合、硬度調整手段を操作するとき、この硬度調整手段が他の内蔵物を圧迫して損傷するおそれがあった。このため、硬度調整手段を操作することによって他の内蔵物が損傷されることを極力なくす構造が望まれていた。 【0052】図14ないし図17は硬度調整手段による他の内蔵物の損傷を防止する構造の内視鏡に係り、図14は図1の内視鏡の可撓管内部の内蔵物の配置例を示す図、図15は異なる内視鏡の可撓管内部の内蔵物の配置例を示す図、図16は図4に示すA−A断面における図15の内視鏡の硬度調整手段の配置位置を示す図、図17は図4に示すD−D断面における図15の内視鏡の硬度調整手段の配置位置を示す図である。 【0053】図14に示すように前記実施形態で示した内視鏡2の可撓管部23を構成する軟性管14内においては、硬度調整手段を構成する硬度調整用コイル27及び硬度調整用ワイヤ26を、内視鏡2のup側とright側との間に配置させている。これは、この部位が湾曲用ワイヤ15や信号線19、ライトガイドケーブル10、処置具チャンネル72、送気チューブ75、送水チューブ74など他の内蔵物との位置関係で、最も軟性管14の外径寸法を太径化させ難い位置であるからである。そして、前記硬度調整用コイル27及び硬度調整用ワイヤ26の操作部内での配置位置を前記図5に示したように可撓管部23と同様なup側とright側との間にしている。 【0054】しかし、前記内視鏡2と異なる機種、例えば挿入部71の外径寸法や処置具チャンネル72のサイズ、光学系仕様等が異なる内視鏡70では内蔵物のレイアウトが前記図14に示した内視鏡2の内蔵物のレイアウトとは異なっていた。 【0055】図15に示すようにこの内視鏡70においては、硬度調整用コイル27及び硬度調整用ワイヤ26を内視鏡70のup側とleft側との間に配置している。つまり、前記内視鏡2とは全く異なる位置に硬度調整用コイル27及び硬度調整用ワイヤ26が配置されている。 【0056】そして、図16及び図17に示すように前記内視鏡70の操作部内における硬度調整用コイル27及び硬度調整用ワイヤ26の配置位置は、前記軟性管73内での配置位置を基準にして操作部内で図中のup側とleft側との間にしている。 【0057】一般的に、挿入部内の処置具チャンネル72の配置位置が異なる機種であっても、内視鏡操作部内における処置具チャンネル72の位置はどの機種も略同じである。このことは、送気チューブ75及び送水チューブ74についても同様であり、このことによって、挿入部内の内蔵物の配置位置が異なる機種であっても操作性に違和感が生じないようになっている。 【0058】しかし、本実施形態においては軟性管73内での硬度調整用コイル27及び硬度調整用ワイヤ26の配置位置を基準にして操作部内での硬度調整用コイル27及び硬度調整用ワイヤ26の配置位置を設定している。すなわち、操作部内における硬度調整用コイル27及び硬度調整用ワイヤ26の配置位置を機種毎に変えている。 【0059】これは、上述した処置具チャンネル72や送気・送水チューブ73,74と同様の考え方に基づいて機種が変わっても前記硬度調整用コイル27及び硬度調整用ワイヤ26を同じ位置に配置した場合、機種によっては、挿入部内での硬度調整用コイル27及び硬度調整用ワイヤ26のレイアウトと、操作部内での硬度調整用コイル27及び硬度調整用ワイヤ26のレイアウトが全く異なる位置になることにより、挿入部から操作部にかけて硬度調整用コイル27及び硬度調整用ワイヤ26が他の内蔵物を圧迫するように配置されることになって、硬度調整ノブ25を操作して硬度を硬くしたときに他の内蔵物を圧迫して損傷させてしまうおそれがあるためである。 【0060】このように、内蔵物の1つである硬度調整部材の挿入部内レイアウトと操作部内レイアウトとをほぼ同位置にしたことによって、他の内蔵物を圧迫すること及び他の内蔵物の損傷を防止することができる。 【0061】また、操作部内の硬度調整部材の配置位置を挿入部に対応させて配置することによって、可撓管内の内蔵物の配置位置を最良の状態にすることができる。このことにより、挿入部の細径化を図れる。 【0062】なお、硬度調整手段は、コイル及びワイヤの構成に限定されるものではなく、形状記憶合金を用いたものや、細長のバルーンに流体を注入しこの流体圧を調整して行うものなど、細長の内蔵物で可変可能であればよい。 【0063】本発明は、以上述べた実施形態のみに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。 【0064】[付記]以上詳述したような本発明の上記実施形態によれば、以下の如き構成を得ることができる。 【0065】(1)可撓管部を構成する軟性管内に、この軟性管の硬度を調整する細長な硬度調整手段を備えた内視鏡において、前記硬度調整手段の軟性管に対してかかる負荷量の補正を可能にしたことを特徴とする内視鏡。 【0066】(2)前記硬度調整手段は、コイルと、このコイル内を挿通するワイヤとで構成され、前記コイル及びワイヤの挿入部長手方向に対する配置位置をそれぞれ変更することが可能な付記1記載の内視鏡。 【0067】(3)前記硬度調整手段は、コイルを有し、このコイルの先端側に対してコイル後端側が回転調整可能である付記1記載の内視鏡。 【0068】(4)内視鏡の可撓管部を構成する軟性管内に、この軟性管の硬度を調整する細長な硬度調整手段を設けた内視鏡において、前記硬度調整手段の配置位置を、挿入部内及び操作部内で略同位置にした内視鏡。 【0069】(5)前記硬度調整手段の挿入部内での配置方向に一致させて、操作部内の硬度調整手段の配置位置を設定する付記4記載の内視鏡。 【0070】 【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、繰り返しの使用によって硬度調整手段の有する機能が低下したとき、前記硬度調整手段の有する機能を補正して軟性管の品質を保持する内視鏡を提供することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000376 【氏名又は名称】オリンパス光学工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)11月4日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】伊藤 進
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| 【公開番号】 |
特開平11−128162 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)5月18日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−302112 |
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