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【発明の名称】 眼球撮影装置
【発明者】 【氏名】阿部 國臣

【氏名】池上 秀治

【要約】 【課題】被検眼に対するより高度な眼科診断を可能にする眼球撮影装置を提供することである。

【解決手段】眼球撮影装置1を、被検眼50に対して斜め前方から光軸30Aに沿って撮影用の照明光を照射する第一の照明光学系と、その照明光による被検眼50からの反射像を光軸31Aに沿って受像してカメラ19aにより撮影する第一の撮影光学系とを備える構成とする。さらに、眼球撮影装置1を、被検眼50の中心軸35に対して第一の照明光学系とは反対側であって、かつ、被検眼50に対して斜め前方から光軸30Bに沿って撮影用の照明光を照射する第二の照明光学系と、その照明光による被検眼50からの反射像を光軸31Bに沿って受像してカメラ19bにより撮影する第二の撮影光学系とを備える構成とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 被検眼に対して斜め前方から撮影用の照明光を照射する第一の照明光学系と、前記第一の照明光学系から照射された照明光による前記被検眼からの反射像を受像して撮影する第一の撮影光学系と、前記被検眼の中心軸に対して前記第一の照明光学系とは反対側であって、かつ、前記被検眼に対して斜め前方から、撮影用の照明光を照射する第二の照明光学系と、前記第二の照明光学系から照射された照明光による前記被検眼からの反射像を受像して撮影する第二の撮影光学系と、を具備する眼球撮影装置。
【請求項2】 前記第一の照明光学系による照明光軸と前記第二の照明光学系による照明光軸とが、前記被検眼の中心軸に対して略対称であることを特徴とする、請求項1記載の眼球撮影装置。
【請求項3】 一の撮像素子が、前記第一の撮影光学系と前記第二の撮影光学系とに共用されていることを特徴とする、請求項1又は請求項2記載の眼球撮影装置。
【請求項4】 一の光源が、前記第一の照明光学系と前記第二の照明光学系とに共用されていることを特徴とする、請求項1乃至請求項3記載の眼球撮影装置。
【請求項5】 前記第一の照明光学系の光源が第一のストロボ光源であり、前記第二の照明光学系の光源が第二のストロボ光源であり、該第一のストロボ光源と前記第二のストロボ光源の発光を制御する光源制御手段によって該第一のストロボ光源と該第二のストロボ光源とを時間差を設けて発光させるようにしたことを特徴とする、請求項1乃至請求項3記載の眼球撮影装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この出願に係る発明は、眼科診断において、患者の被検眼の異常等の検出を主な目的として被検眼を撮影する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図9は、眼科医療において従来使用されてきた、患者の被検眼150を撮影するための角膜撮影装置100の概略構成を示すものである。まず、撮影しようとする被検眼150の所定位置に対して、周知の手順により眼球撮影装置100のX軸方向、Y軸方向のアライメント、Z軸方向の位置合わせが行われる。図9中の上下方向がX軸方向、紙面に垂直な方向がY軸方向、左右方向がZ軸方向である。図9において、ランプとレンズとスリット状の視野絞りとからなるランプ装置101と位置検出センサ104とは、眼球撮影装置100のZ軸方向の位置を被検眼150の所望の撮影部位151(図9に示される例にあっては、151は角膜にあたる)への位置合わせに用いられる。そして、眼球撮影装置100のアライメントが行われた後に、被検眼150の撮影部位151の撮影が行われる。従来の眼球撮影装置100により撮影が行われる概略は以下の通りである。
【0003】一つのフラッシュランプ105とスリット106とにより形成されるスリット状の光が、光軸130に沿ってレンズ110を介して撮影部位151に照明光として照射される。そして、該照明光の撮影部位151による反射によって形成された反射像は、光軸131に沿ってレンズ111を通ってコールドミラー112により反射され視野絞り113に結像する。そして、リレーレンズ114により拡大された前記反射像がミラー115を介して一つのCCDカメラ116により撮影され、被検眼の撮影部位151の撮影画像が記録される。
【0004】図10は、被検眼の撮影画像の一例としての角膜内皮細胞の撮影画像を示している。図10において、121のように閉じた輪郭線により囲まれる部分は、角膜内皮の一つの細胞に相当する部分である。そして、従来より、図10に示されるような被検眼の撮影画像は、一つの細胞の大きさや平面的な形状の判断等に用いられ、被検眼の眼科診断に供されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ここで、上記撮影画像には、図10から判るように、細胞の輪郭線121の他、122に示されるような明暗の分布が形成される領域も認められる。かかる撮影画像中の明暗は、細胞の凹凸や細胞の屈折率差等の各被検眼の性状を反映して形成されると推察される。従って、かかる撮影画像中の明暗の形成等について、さらに詳しい情報を得ることができると、被検眼の異常の存在等に関するより高度な眼科診断上の判断を可能にできる。
【0006】しかし、従来の眼球撮影装置にあっては、図9に示されるように、一方向からのみ被検眼を照明し、一つのCCDカメラにより撮影画像を得る構成である。そのため、例えば、撮影画像中の前記明暗の分布が、細胞の凹凸に起因して形成されるのか、細胞の屈折率に起因して形成されるのか等をより詳しく判別することができず、より高度な眼科診断を必ずしも行えない。
【0007】そこで、本発明は、前記撮影画像に基づく被検眼のより高度な眼科診断を可能にする眼球撮影装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、本発明にかかる眼球撮影装置は、被検眼に対して斜め前方から撮影用の照明光を照射する第一の照明光学系と、前記第一の照明光学系から照射された照明光による前記被検眼からの反射像を受像して撮影する第一の撮影光学系と、前記被検眼の中心軸に対して前記第一の照明光学系とは反対側であって、かつ、前記被検眼に対して斜め前方から、撮影用の照明光を照射する第二の照明光学系と、前記第二の照明光学系から照射された照明光による前記被検眼からの反射像を受像して撮影する第二の撮影光学系と、を具備する眼球撮影装置である(請求項1)。前記第一の照明光学系から照射される照明光(以後、「第一照明光」という)により被検眼が照明されて形成される前記反射像(以後、「第一反射像」という)は、前記第一の撮影光学系に受像され撮影される。一方、前記第二の照明光学系から照射される照明光(以後、「第二照明光」という)により被検眼が照明されて形成される前記反射像(以後、「第二反射像」という)は、前記第二の撮影光学系に受像され撮影される。これにより、前記第一の撮影光学系により撮影される前記第一反射像と前記第二の撮影光学系により撮影される第二反射像とによって、被検眼の観察したい部位を、異なる二つの方向から観察することができる。そして、第一反射像と第二反射像とを比較することにより、これらの撮影画像の明暗が、撮影部位の凹凸により形成されたか、屈折率差等により形成されたか等の判別も可能になる。
【0009】また、上記眼球撮影装置において、第一の撮影光学系の光軸の被検眼の中心軸に対する角度が第一の照明光学系の光軸の前記中心軸に対する角度より小さくなるように第一の撮影光学系と第一の照明光学系とを構成し、第二の撮影光学系の光軸の前記中心軸に対する角度が第二の照明光学系の光軸の前記中心軸に対する角度より小さくなるように第二の撮影光学系と第二の照明光学系とを構成することができる。そして、第一の撮影光学系に備わる対物レンズが、少なくとも被検眼からの反射像を形成する光線のうち前記中心軸について第一の照明光学系の光軸と対称方向へ向かうものを受光しうる口径を備えてなり、第二の撮影光学系に備わる対物レンズが、少なくとも被検眼からの反射像を形成する光線のうち前記中心軸について第二の照明光学系の光軸と対称方向へ向かうものを受光しうる口径を備える構成とすることができる。眼球撮影装置をかかる構成とすることにより、より広い視野に渡って鮮明な撮影画像を得ることができる。
【0010】また、本発明にかかる眼球撮影装置は、前記第一の照明光学系による照明光軸と前記第二の照明光学系による照明光軸とが、前記被検眼の中心軸に対して略対称であることを特徴としている(請求項2)。
【0011】これにより、前記被検眼の撮影部位に対する前記第一照明光による照明と前記第二照明光による照明とが略均等な条件によりなされるので、前記第一、第二の撮影光学系に得られる前記第一反射像と第二反射像との比較が容易である。
【0012】また、本発明の眼球撮影装置は、一の撮像素子が、前記第一の撮影光学系と前記第二の撮影光学系とに共用されていることを特徴としている(請求項3)。これにより、前記第一、第二の撮影光学系を小型に構成することができるので、眼球撮影装置の全体を小型に構成することができる。
【0013】また、本発明の眼球撮影装置は、一の光源が、前記第一の照明光学系と前記第二の照明光学系とに共用されていることを特徴としている(請求項4)。これにより、前記第一、第二の照明光学系を小型に構成することができるので、眼球撮影装置の全体を小型に構成することができる。
【0014】また、本発明の眼球撮影装置は、前記第一の照明光学系の光源が第一のストロボ光源であり、前記第二の照明光学系の光源が第二のストロボ光源であり、前記第一のストロボ光源と前記第二のストロボ光源の発光を制御する光源制御手段によって前記第一のストロボ光源と前記第二のストロボ光源とを時間差を設けて発光させるようにしたことを特徴としている(請求項5)。これにより、被検眼に対する第一照明光の照射およびこれに伴う第一の撮影光学系による第一反射像の撮影と、被検眼に対する第二照明光の照射およびこれに伴う第二の撮影光学系による第二反射像の撮影とが時間的に異なるタイミングにより行われる。そのため、第一の撮影光学系に対する前記第一反射像以外の光の回り込みにより生ずる不要な光を減少させることができ、また、第二の撮影光学系に対する前記第二反射像以外の光の回り込みにより生ずる不要な光を減少させることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図1乃至図8に基づいて説明する。
【0016】まず、本発明の第一実施形態を図1、図2に基づいて説明する。
【0017】図1は、本願発明の第一実施形態としての眼球撮影装置1の概略構成を示している。
【0018】眼球撮影装置1は、第一のストロボ光源としての第一フラッシュランプ11aと第一照明絞り12aと第一照明用レンズ13aとを備えて構成される第一の照明光学系と、第二のストロボ光源としての第二フラッシュランプ11bと第二照明絞り12bと第二照明用レンズ13bとを備えて構成される第二の照明光学系と、第一撮影レンズ14aと第一撮影視野絞り16aと第一リレーレンズ17aと第一カメラ19aとを備えて構成される第一の撮影光学系と、第二撮影レンズ14bと第二撮影視野絞り16bと第二リレーレンズ17bと第二カメラ19bとを備えて構成される第二の撮影光学系とを備えている。
【0019】また、ランプ22と照明視野絞り23とを備えるランプ装置21と位置検出センサ24とは、被検眼50の撮影したい角膜の部位51に対して眼球撮影装置1のZ軸方向の位置合わせに用いられる。即ち、ランプ装置21より照射される光をホットミラー25により反射させ光軸30Bに沿って被検眼50を照明しながら、眼球撮影装置1をZ軸方向に移動させつつ光軸31Bに沿って被検眼50からの反射光を位置検出センサー24により検出する。そして、その検出信号により眼球撮影装置1を撮影部位51のZ軸方向の位置に位置合わせできるようになっている。なお、図1において、上下方向がX軸方向、紙面に垂直な方向がY軸方向、左右方向がZ軸方向である。また、眼球撮影装置1の撮影部位51に対するX軸方向、Y軸方向のアライメントは周知の手順により行われる。
【0020】第一の照明光学系に備わるフラッシュランプ11aは、眼球撮影装置1において被検眼50の斜め前方に設けられる。
【0021】フラッシュランプ11aより照射された光は、照明絞り12aによりスリット状の光に形成される。そして、かかるスリット状の光は、第一照明光として光軸30Aに沿ってレンズ13aを通って被検眼50の撮影部位51へ照射される。
【0022】そして、撮影部位51への第一照明光の照射に対して撮影部位51の反射により形成される第一反射像は、図1に示される光軸31Aに沿って、前記第一撮影光学系により受像される。かかる光軸31Aは、前記Z軸と平行をなす被検眼50の中心軸35について光軸30Aに対して対称をなす関係にある。前記第一反射像は、以下のように第一の撮影光学系により受像される。即ち、前記第一反射像は、光軸31Aに沿って第一撮影レンズ14aに導かれ、反射ミラー15a−2により反射され第一撮影視野絞り16aに結像される。そして、反射ミラー18aによる反射を介して第一カメラ19aにより受像され撮影される。このカメラ19aにより撮影される前記第一反射像は、視野絞り16aの結像をリレーレンズ17aにより適当に拡大されたものである。なお、第一カメラ19aは、図1に示す例ではCCDカメラにより構成しており、点灯するフラッシュランプ11aの発光に対して形成される前記反射像を、フラッシュランプ11aの発光に同期して撮影画像として記録できるようになっている。
【0023】また、第二の照明光学系は、前記中心軸35に対して前記第一の照明光学系の反対側に略対称に設けられており、光軸30Bに沿って第二照明光を撮影部位51へ照射する。そして、第一照射光が撮影部位51へ入射する光軸30Aの角度θ1が、第二照射光が前記撮影部位51に入射する光軸30Bの角度θ2より若干大きくなるように構成されており、かかる構成を採用することにより、第二の照明光学系の光軸30Bと第一の撮影光学系の光軸31Aとを分離している。
【0024】第二の照明光学系に備わる各部材は、第一の照明光学系に備わる各部材と同じである。即ち、フラッシュランプ11bと照明絞り12bとにより形成されたスリット状の光が第二照明光として光軸30Bに沿ってレンズ13bにより撮影部位51へ照射され、撮影部位51の反射による第二反射像が形成される。
【0025】そして、前記第二の撮影光学系は、前記撮影部位51の第二反射像を光軸31Bに沿って受像する。かかる光軸31Bは、中心軸35について光軸30Bに対して対称をなす関係にある。
【0026】かかる第二の撮影光学系に備わる各部材は、第一の撮影光学系に備わる各部材と同じである。即ち、前記第二反射像は、光軸31Bに沿って、第二撮影レンズ14bを通ってコールドミラー15bにより反射され第一撮影視野絞り16bに結像される。そして、リレーレンズ17bにより拡大された前記第二反射像は、反射ミラー18bを介してCCDカメラを備えてなる第二カメラ19bにより受像されて撮影される。
【0027】また、眼球撮影装置1には、図示していない光源制御手段が接続されるが、該光源制御手段を、前記第一のストロボ光源と前記第二のストロボ光源の発光のタイミングを個別に制御できるように構成される特定光源制御手段とすることができる。かかる特定光源制御手段により、前記第一のストロボ光源と第二のストロボ光源とを、時間差を設けて発光させることもできるようになっている。
【0028】この眼球撮影装置1による前記第一照明光と前記第二照明光の照射は、図2に示されるように、一つの撮影部位51への同一位置への照射である。従って、前記二つの撮影光学系により撮影される前記第一反射像と前記第二反射像とにより、同一部位を異なる二つの方向から観察できることになる。これにより、第一反射像と第二反射像とを比較することにより、これらの撮影画像の明暗が、撮影部位51の凹凸により形成されたか、屈折率差等により形成されたか等の判別を可能にできる。
【0029】次に、図3に基づいて、本発明の第二実施形態である眼球撮影装置2について説明する。
【0030】図3は、眼球撮影装置2の光学系を示している。
【0031】眼球撮影装置2は、眼球撮影装置1と同じように、第一の照明光学系と第二の照明光学系と第一の撮影光学系と第二の撮影光学系とを備えている。
【0032】そして、撮影部位52に第一照明光を照射するための第一の照明光学系の各部材は眼球撮影装置1のそれと同じであり、撮影部位52の第一反射像を受像するための第一の撮影光学系の各部材は眼球撮影装置1のそれと同じである。また、撮影部位53に第二照明光を照射するための第二の照明光学系の各部材は眼球撮影装置1のそれと同じであり、撮影部位53の第二反射像を受像するための第二の撮影光学系の各部材は眼球撮影装置1のそれと同じである。
【0033】ただし、眼球撮影装置2に備わる上記の各部材について、図3に示すように、第一の照明光学系の光軸40Aと第二の照明光学系の光軸40Bとが中心軸35に対して対称となるように(θ3=θ4)、これらの光学系を構成する前記各部材が配設されている。また、第一の撮影光学系の光軸41Aと第二の撮影光学系の光軸41Bとが図3に示すように中心軸35に対して対称となるように、これらの光学系を構成する前記各部材が配設されている。
【0034】また、図3に示されるように、第一の撮影光学系の光軸41Aの中心軸35に対する角度が第一の照明光学系の光軸40Aの中心軸35に対する角度より小さくなるように構成され、第二の撮影光学系の光軸41Bの中心軸35に対する角度が第二の照明光学系の光軸40Bの中心軸35に対する角度より小さくなるように構成されている。そして、第一撮影レンズ14aとして少なくとも第一反射像を形成する光線のうち中心軸35について第一の照明光学系の光軸40Aと対称方向へ向かうものを受光しうる口径を備えるものを用いることができ、第二撮影レンズ14bとして少なくとも第二反射像を形成する光線のうち中心軸35について第二の照明光学系の光軸40Bと対称方向へ向かうものを受光しうる口径を備えるものを用いることができる。かかる構成を採用すると、より広い視野に渡って鮮明な撮影画像を得ることができる。即ち、本出願人が先に出願した特開平07−79925に説明したごとく、中心軸35に対して撮影光学系の光軸の角度を、対応する照明光学系の光軸の角度より小さく配置することで、より広い視野に渡って鮮明な画像が得られるのである。従って、本第二実施形態のように二組の撮影光学系および照明光学系を対称に重ねて配置する場合には、図3のように中心軸に近い側に撮影光学系の光軸41A、41Bを、また、中心軸に遠い側に照明光学系の光軸40A、40Bを配置するのが有利である。
【0035】また、前記特定光源制御手段を、眼球撮影装置2の光源制御手段として接続することもできる。
【0036】この眼球撮影装置2にあっては、前記第一照明光が照射される撮影部位52の位置と前記第二照明光が照射される撮影部位53の位置とが図4に示されるように被検眼50の中心軸35に対してX軸方向の反対側へ互いにずれるように、第一の照明光学系、第二の照明光学系を構成することができる。かかる構成を採用すると、前記二つの撮影光学系により撮影される前記第一反射像と前記第二反射像とにより、比較的に広範囲で角膜を撮影することができる。また、前記撮影部位52と撮影部位53とがほぼ重複する位置となるように、第一の照明光学系、第二の照明光学系を構成してもよい。かかる構成とすると、前記眼球撮影装置1と同様に、被検眼の同一の撮影部位51を異なる二つの方向から観察、撮影することができる。
【0037】次に、図5に基づいて、本発明の第三実施形態である眼球撮影装置3について説明する。
【0038】図5は、眼球撮影装置3の光学系を示している。
【0039】眼球撮影装置3は、前記眼球撮影装置1と同じように、第一の照明光学系と第二の照明光学系と第一の撮影光学系と第二の撮影光学系とを備えて構成されている。
【0040】この眼球撮影装置3の光学系にあっては、眼球撮影装置1における第一の照明光学系の光軸30Aと第二の撮影光学系の光軸31Bとを一つの光軸60Aにより共用し、第二の照明光学系の光軸30Bと第一の撮影光学系の光軸31Aとを一つの光軸61Aにより共用するように構成されている。即ち、眼球撮影装置3は、前記眼球撮影装置1における第一照明レンズ13aと第二撮影レンズ14bとを一つの第一共用レンズ33aにより共用し、前記眼球撮影装置1における第二照明レンズ13bと第一撮影レンズ14aとを一つの第二共用レンズ33bにより共用する構成である。そして、第一の照明光学系を構成するフラッシュランプ11aと照明絞り12aとにより形成されるスリット状の第一照明光は、ハーフミラー34aにより反射され光軸60Aに沿って撮影部位51へと導かれるようになっている。また、第二の照明光学系を構成するフラッシュランプ11bと照明絞り12bとにより形成されるスリット状の第二照明光は、ハーフミラー34bにより反射され光軸61Aに沿って撮影部位51へと導かれるようになっている。
【0041】また、ランプ装置21によるZ軸方向の位置合わせ用の光が、コールドミラー15a−1を透過して光軸61Aに沿って撮影部位51へと導かれるようになっている。
【0042】そして、前記光軸60Aと光軸61Aとは、中心軸35に対して対称をなすように光学系が構成されている。
【0043】この眼球撮影装置3によると、照明光学系の光軸と撮影光学系の光軸とを共用する構成を取るので、眼球撮影装置を比較的に小型に構成することができる。
【0044】また、前記特定光源制御手段を、眼球撮影装置3の光源制御手段として接続することもできる。眼球撮影装置3について、該特定光源制御手段を接続することは、特に以下の意義がある。
【0045】前記特定光源制御手段により、前記第一のストロボ光源と前記第二のストロボ光源とを時間差を設けて発光させると、第一照明レンズ13aと第二撮影レンズ14bとを共用し、第二照明レンズ13bと第二撮影レンズ14aとを共用する構成において、前記第一カメラ19aおよび第二カメラ19bに対する望ましくない光の入射を防ぐことができる。即ち、第一カメラ19aによる第一反射像の撮影に際して、フラッシュランプ11aのみを発光させ、フラッシュランプ11bを発光させないようにすると、第一カメラ19aに対する第一反射像以外の不要な光の回り込み等を極めて減少させることができる。このようにして、第一の撮影光学系、第二の撮影光学系により撮影される第一反射像、第二反射像について、撮影部位51の性状をより反映する正確さの高いものを得ることもできる。次に、図6に基づいて、本発明の第四実施形態である眼球撮影装置4について説明する。図6は、眼球撮影装置4の光学系を示している。
【0046】眼球撮影装置4は、眼球撮影装置1と同じように、第一の照明光学系と第二の照明光学系と第一の撮影光学系と第二の撮影光学系とを備えている。
【0047】この眼球撮影装置4は、前記眼球撮影装置3と同じように、第一の照明光学系の第一照明レンズと第二の撮影光学系の第二撮影レンズとを一つの第一共用レンズ33aにより共用している。また、第二の照明光学系の第二照明レンズと第一の撮影光学系の第一撮影レンズとを一つの第二共用レンズ33bにより共用している。
【0048】眼球撮影装置4にあっては、図6に示されるように、第一の照明光学系を構成するフラッシュランプ11aと照明絞り12aとにより形成されるスリット状の第一照明光は、ミラー36aとミラー37aとにより反射され、その主光線が経路70Aに沿うようにレンズ33aを通って撮影部位51へと導かれる。そして、撮影部位51により形成される第一反射像は、図6に示されるように、光軸71Aに沿って導かれ、第一の撮影光学系に受像される。また、図6に示されるように、第二の照明光学系を構成するフラッシュランプ11bと照明絞り12bとにより形成されるスリット状の第二照明光は、ミラー36bとミラー37bとにより反射され、その主光線が経路70Bに沿うようにレンズ33bを通って撮影部位51へと導かれる。そして、撮影部位51により形成される第二反射像は、図6に示されるように、光軸71Bに沿って導かれ、第二撮影光学系に受像される。
【0049】この眼球撮影装置4は、第一照明光学系の前記経路70Aと第二照明光学系の前記経路70Bとが中心軸35に対して対称になるように光学系が構成されている。また、前記第一の撮影光学系の光軸71Aと前記第二の撮影光学系の光軸71Bとが中心軸35に対して対称になるように光学系が構成されている。そして、前記経路70Aが、中心軸35に対して前記光軸71Bの外側に位置するように光学系が構成されており、これにより、第二の撮影光学系の光軸71Bから第一照明光の主光線の経路を分離できるようになっている。
【0050】また、前記経路70Bが、中心軸35に対して前記光軸71Aの外側に位置するように光学系が構成されており、これにより、第一の撮影光学系の光軸71Aから第二照明光の主光線の経路を分離できるようになっている。
【0051】この眼球撮影装置4にあっては、第一の撮影光学系の第一カメラと第二の撮影光学系の第二カメラとを一つのカメラ19により共用する構成を取っている。即ち、図6に示すように、ミラー15a−2により反射される第一反射像およびコールドミラー15bにより反射される第二反射像を反射ミラー39を介して一つのカメラ19により撮影するように構成される。なお、このカメラ19による第一、第二反射像の撮影が、視野絞り16a、16bの結像をリレーレンズ17a、17bにより適当に拡大してなされることは、眼球撮影装置1と同じである。そして、図6に示す例では、第一反射像がカメラ19の撮像素子のX軸方向の下半分の領域により、第二反射像がカメラ19の撮像素子のX軸方向の上半分の領域により撮影されるように構成している。これにより、撮影部位51についての前記二つの反射像を一つのカメラにより撮影することができる。
【0052】かかる眼球撮影装置4によれば、第一照明レンズと第二撮影レンズとを共用し、第二照明レンズと第一撮影レンズとを共用する構成であり、また、第一カメラと第二カメラとを共用する構成であるので、眼球撮影装置を比較的に小型に構成することができる。
【0053】また、前記特定光源制御手段を、眼球撮影装置4の光源制御手段として接続することもできる。
【0054】次に、図7に基づいて、本発明の第五実施形態である眼球撮影装置5について説明する。図7は、眼球撮影装置5の光学系を示している。
【0055】眼球撮影装置5は、前記眼球撮影装置1と同じように、第一の照明光学系と第二の照明光学系と第一の撮影光学系と第二の撮影光学系とを備えている。また、眼球撮影装置5の光学系は、前記眼球撮影装置3と同じように、眼球撮影装置1における第一の照明光学系の光軸30Aと第二の撮影光学系の光軸31Bとを一つの光軸80Aにより共用し、第二の照明光学系の光軸30Bと第一の撮影光学系の光軸31Aとを一つの光軸81Aにより共用するように構成されている。
【0056】また、この眼球撮影装置5にあっては、第一の照明光学系と第二の照明光学系の光源を一つのフラッシュランプ11により構成している。即ち、図7に示すように、フラッシュランプ11が被検眼の真正面の中心軸35上に設けられ、視野絞り12a、12bとによって形成される第一照明光、第二照明光は、各々にハーフミラー38a、38bにより反射され、光軸80A、81Aに沿って、撮影部位51へ照射される。かかる光軸80Aと81Aとは、中心軸35に対して対称をなすように光学系が構成されている。
【0057】この眼球撮影装置5によると、照明光学系の光軸と撮影光学系の光軸とを共用する構成を取り、かつ、二つの照明光学系に対する光源を一つで共用する構成を取るので、眼球撮影装置を比較的に小型に構成することができる。
【0058】以上に説明したように、前記眼球撮影装置1乃至眼球撮影装置5によると、第一反射像と第二反射像との比較によって、これらの撮影画像の明暗が、撮影部位51の凹凸により形成されたか、屈折率差等により形成されたか等の判別を可能にできる。
【0059】また、眼球撮影装置1乃至眼球撮影装置5について、第一の照明光学系と第二の照明光学系とは、被検眼50の中心軸35に対して、対称であるか少なくとも略対称となるように構成されるので、角膜の撮影部位51に対する前記第一照明光による照明と前記第二照明光による照明とを略均等な条件とすることができ、前記第一、第二の撮影光学系に得られる前記第一反射像と第二反射像との比較が容易である。
【0060】次に、図8により、本発明の眼球撮影装置により角膜内皮細胞の同一の部位について得られた二つの撮影画像の一具体例について説明する。
【0061】図8(a)は眼球撮影装置の第一の撮影光学系により得られた角膜内皮細胞の撮影画像であり、図8(b)は第二の撮影光学系により得られた角膜内皮細胞の撮影画像である。角膜内皮の各細胞について、(a)と(b)とを比較すると、例えば、領域91は明暗の分布が略同一であるが、領域92については異なっている。この結果から、領域91については屈折率差により撮影画像の明暗が形成されており、領域92については凹凸の存在が推察される。
【0062】なお、この発明の実施の形態にあっては、撮影部位に角膜を選ぶ例を挙げて説明したが、撮影部位を角膜以外の被検眼の各部、例えば、水晶体についても、本発明の眼球撮影装置を適用できる。
【0063】
【発明の効果】以上のように、請求項1記載の発明は、前記第一、第二の照明光学系と前記第一、第二の撮影光学系とを備えて眼球撮影装置を構成するので、得られた前記第一反射像と第二反射像とを比較することにより、これらの撮影画像の明暗が、撮影部位の凹凸により形成されたか、屈折率差等により形成されたか等の被検眼のどのような性状に基づき形成されたかを判別すること等を可能にできる。これにより、撮影された被検眼に関するより高度な眼科診断を可能にできるという効果を奏する。
【0064】請求項2記載の発明は、撮影しようとする被検眼の部位に対する前記第一の照明光学系による照明と第二の照明光学系による照明とが略均等な条件によりなされるので、前記第一、第二の撮影光学系に得られる前記第一反射像と第二反射像との比較が容易であるという効果を奏する。
【0065】請求項3記載の発明は、前記第一、第二の撮影光学系を小型に構成することができるので、眼球撮影装置の全体を小型に構成することができるという効果を奏する。
【0066】請求項4記載の発明は、照明用の光源が前記第一の照明光学系と前記第二の照明光学系とに共用されている構成であるので、前記第一、第二の照明光学系を小型に構成することができ、眼球撮影装置の全体を小型に構成することができるという効果を奏する。
【0067】請求項5記載の発明は、被検眼に対する前記第一の照明光学系による照射と前記第二の照明光学系による照射とを時間差を設けて行う構成であるので、第一の撮影光学系および第二の撮影光学系の各々に対する、前記第一反射像、第二反射像以外の不要な光を減少させることができる。これにより、第一、第二の撮影光学系により撮影される第一、第二反射像について、より正確なものを得ることができるという効果を奏する。
【出願人】 【識別番号】000143282
【氏名又は名称】株式会社コーナン
【出願日】 平成9年(1997)10月22日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】角田 嘉宏 (外1名)
【公開番号】 特開平11−123176
【公開日】 平成11年(1999)5月11日
【出願番号】 特願平9−289888