| 【発明の名称】 |
眼科撮影装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】松本 和浩
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| 【要約】 |
【課題】動画観察用の定常光源を用いて、被検者への負担を増加することなく、高精細なカラー静止画撮影を可能とする。
【解決手段】駆動手段10が駆動すると、フィルタ部材6は規制が解除されて弾性体6aにより引っ張られて光路から退避し、若干の時間をおいて遮光部材5が規制を解除されて弾性体5aに引っ張られ、フィルタ部材6との間で一定のスリット間隔を保持した状態で光路内に挿入される。これによって、遮光部材5とフィルタ部材6との間には、スリット状の可視光を透過する開口Sが生じて照明光路を横切ることになるので、等しい非常に短い時間のみ可視光が透過可能となる。このように、遮光部材5とフィルタ部材6の規制解除の時間間隔を調整することによって、スリット幅を調整することが可能となり、観察光量と独立に撮影光量を調整することができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 可視光及び赤外光を発する光源と、該光源が発する光束を被検眼の眼底に導く照明光学系と、該照明光学系により照明された眼底像を撮像手段に導く撮影光学系と、少なくとも一部が光の一部を透過する部材により構成したシャッタ手段とを有することを特徴とする眼科撮影装置。 【請求項2】 前記シャッタ手段は、前記照明光学系又は撮影光学系中の略共役面に配置した可視光を少なくとも一部遮断するフィルタと、開口絞りと、前記フィルタ及び開口絞りを連動して挿脱する挿脱手段とにより構成した請求項1に記載の眼科撮影装置。 【請求項3】 前記フィルタは可視光を遮断し赤外光を透過するようにした請求項2に記載の眼科撮影装置。 【請求項4】 前記開口絞りはスリット開口を有する請求項2に記載の眼科撮影装置。 【請求項5】 前記フィルタの中にスリット状の開口を設けた請求項2に記載の眼科撮影装置。 【請求項6】 前記開口は、前記フィルタと同一面内に前記フィルタと間隔をおいて配置した遮光部材とに形成した請求項5に記載の眼科撮影装置。 【請求項7】 前記開口のスリット間隔を変更する手段を有する請求項5又は6に記載の眼科撮影装置。 【請求項8】 前記開口を光路に挿脱する速さを変更する手段を有する請求項5又は6に記載の眼科撮影装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、眼科医院等において使用される眼底カメラに関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来から、赤外光を発する定常光源と、瞬時に強い可視光を発するキセノン管のようなストロボ光源とをそれぞれ独立に有し、赤外光を用いて動画観察を行い可視光を用いて静止画撮影を行う眼底カメラが知られている。 【0003】また、単一の光源を用いて動画観察と静止画撮影を行う装置が、特開平1−300927号公報に記載されており、この装置は可視光及び赤外光を発する光源を有し、その前面に赤外カットフィルタ及び可視カットフィルタを挿脱可能に配置し、赤外光による眼底動画観察時には可視カットフィルタを挿入し、可視光による静止画撮影時には可視カットフィルタを離脱し、赤外カットフィルタを挿入して更に光源の発光量を制御して、赤外光による動画観察及び可視光による静止画撮影を行っている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら上述の従来例のように、独立に2つの光源を設けた装置では、光源の駆動制御が複雑になるという問題があり、また単一の光源を用いる装置では、被写体に照明むらが生ずるという問題がある。これは、照明光学系中のフィルタを挿脱する断面を考えると、徐々にフィルタを離脱してゆくに従って、可視光が透過する面積が徐々に拡大してゆくので、最初にフィルタの抜けた部分と後からフィルタの抜けた部分では、可視光が透過する時間が異なるために、眼底面の各部分を照明する時間が異なるためである。 【0005】ビネッティングの少ない一般的な光学系の場合には、瞳面上での照明時間の違いにより発生する照明むらは、瞳面でフィルタを挿脱すれば後面での照明むらには影響しないが、特に眼底カメラの照明光学系の場合には、その瞳位置付近に複数のリング状の開口を有する特異な構造のために特異なビネッティング特性を有し、照明光学系のどの部分にフィルタを配置しても、部分的な開口時間の違いにより眼底に照明むらが生ずる。 【0006】この問題を防ぐためには、撮像手段の直前にシャッタを配置し、フィルタが完全に退避して眼底が可視光により均一に照明されてから、撮像手段の前のシャッタを開く方式がある。しかしこの方式では、撮影スイッチを操作した瞬間から、実際に撮影を行うまでに時間が掛かるために、被検者が瞬きをしたりアライメントがずれてフレアが混入するという問題がある。また、シャッタを使わずに、撮影手段が光を蓄積する時間を制限して撮影しても、同様な問題がある。 【0007】更に、実際に撮影を行う前後の時間にも、被検眼の眼底に強い可視光が照射されるために被検者の負担が増加し、更に縮瞳してしまうために、必要な瞳孔径に回復するまで次の撮影が行えず、検査の効率が低下するという問題が生ずる。 【0008】本発明の目的は、上述の問題点を解消し、動画観察用の定常光源を用いて、被検者への負担を増加することなく、高精細なカラー静止画撮影を可能とする眼底カメラを提供することである。 【0009】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するための本発明に係る眼科撮影装置は、可視光及び赤外光を発する光源と、該光源が発する光束を被検眼の眼底に導く照明光学系と、該照明光学系により照明された眼底像を撮像手段に導く撮影光学系と、少なくとも一部が光の一部を透過する部材により構成したシャッタ手段とを有することを特徴とする。 【0010】 【発明の実施の形態】本発明を図示の実施例に基づいて詳細に説明する。図1は第1の実施例の構成図を示し、ランプ等の可視光及び赤外光を定常的に発する観察撮影兼用光源1から対物レンズ2に至る光路上には、リング状開口を有する絞り3、レンズ4、図2に示すような分光特性を有し光路に挿脱自在な遮光部材5及び可視光を遮断するフィルタ部材6、リレーレンズ7、リング状開口を有する絞り8、孔あきミラー9が順次に配列されている。 【0011】遮光部材5及びフィルタ部材6の一方の側には、それぞれ例えばばねから成る弾性体5a、6aが連結され、他側は共に駆動手段10に接続されている。そして、フィルタ部材6はシャッタの先幕として駆動し、遮光部材5はシャッタの後幕として駆動するようになっている。また、観察撮影兼用光源1は可視光成分の割合が多く、輝度や色温度の高いメタルハライドランプ等のガス放電管を用いることが好適である。 【0012】孔あきミラー9の後方の光路上には、フォーカシングを行う合焦レンズ11、撮影レンズ12、光路内に斜めに配置され赤外光を反射し可視光を透過するダイクロイックミラー13、赤外光を遮断し可視光を透過するフィルタ14、CCD等のカラー撮影可能な撮像面15aを有する二次元撮像手段15が順次に配列されており、フィルタ14は赤外光を完全に取り除いて画像のコントラストを向上するために用いられている。 【0013】また、ダイクロイックミラー13の反射方向の光路上には、赤外光に感度を有し赤外眼底像を白黒動画像に変換するテレビカメラ16が配置されており、テレビカメラ16の出力は動画観察用の白黒モニタ17に接続されている。また、二次元撮像手段15の出力は映像信号をデジタル信号に変換する画像処理部18に接続され、画像処理部18の出力は駆動手段10、CPU(中央演算処理部)19に接続され、CPU19には撮影スイッチ20の出力が接続され、CPU19の出力は静止画再生用カラーモニタ21、画像データ及び演算データを記憶するメモリ手段22にそれぞれ接続されている。 【0014】このような構成において、光源1を発した光束は、絞り3のリング状開口、レンズ4を通り、赤外光透過の遮光部材5により可視光成分が取り除かれ、更にレンズ7、絞り8のリング状開口を通り、孔あきミラー9のミラー部により左方に反射され、対物レンズ2を通り被検眼Eの瞳孔Epを介して眼底Erを照明する。 【0015】このように照明された眼底像は、瞳孔Epから対物レンズ2、孔あきミラー9の孔部、合焦レンズ11、撮影レンズ12を通り、ダイクロイックミラー13により上方に反射され、テレビカメラ16の撮像面に結像する。この像はビデオ信号に変換され、白黒モニタ17に眼底像が動画表示される。 【0016】検者はこの白黒モニタ17に映った眼底像を観察し、従来から公知のフォーカシング用及びアライメント用の視標等を見て、撮影部位、アライメント、ピントの状態を確認する。また、ピントが良好でない場合には、フォーカスつまみ等のピント調整手段を用いて、合焦レンズ11を光軸方向に位置調整する。検者は白黒モニタ17に映った眼底像のピントが良好であることを確認した後に、撮影スイッチ20を操作し撮影動作に移り、撮像手段15は静止画撮像のための光蓄積を開始する。 【0017】ここで、駆動手段10が遮光部材5、フィルタ部材6を駆動すると、フィルタ部材6は規制が解除されて弾性体6aにより引っ張られ、急激に光路から退避する。次に、少し時間をおいて遮光部材5の規制が解除されて弾性体5aに引っ張られ、遮光部材5はフィルタ部材6との間で一定のスリット間隔を保持した状態で光路内に挿入される。これによって、図3に示すように遮光部材5とフィルタ部材6との間には、スリット状の可視光を透過する開口Sが生じ、この開口Sが照明光路を横切ることになり、非常に短時間かつ等しい時間のみ可視光が透過可能となる。 【0018】この可視光はレンズ7、絞り8の開口を通り、孔あきミラー9のミラー部によって左方に反射され、対物レンズ2を通り被検眼Eの瞳孔Epから眼底Erを照明する。このように照明された眼底像は、瞳孔Epを介して対物レンズ2、孔あきミラー9の孔部、合焦レンズ11、撮影レンズ12、ダイクロイックミラー13、フィルタ14を通り、赤外光成分は反射又は吸収により取り除かれ、撮像手段15の撮像面15aに結像する。ここで、撮像手段15は蓄積を終了すると共に画像データを出力し、この画像データは画像処理部18でA/D変換され、メモリ手段22に蓄えられた後に、カラーモニタ21に静止画としてカラー表示される。 【0019】撮像が終了した後に、駆動手段10は遮光部材5とフィルタ部材6を観察状態の位置に復帰させる。このとき、遮光部材5とフィルタ部材6の間にスリット状の開口Sを生じないように復帰すれば、被検者は眩しさを感じなくて済む。 【0020】このように、フィルタ部材6の規制を解除した後に、少し時間をおいてから遮光部材5の規制を解除し、この時間の間隔を調整することにより、スリットの幅を調整することが可能となるので、観察光量とは独立に撮影光量を調整することができる。 【0021】また、先幕の働きをするフィルタ部材6と後幕の働きをする遮光部材5を共に照明光学系中に配置したが、被検眼側から見て略共役位置であれば遮光部材5のみを撮影光学系中に設けることができ、これによってスリット状開口Sの回折により発生するフレアを防止することができる。 【0022】図4は第2の実施例の構成図を示し、遮光部材5及び弾性体5a、フィルタ部材6及び弾性体6a、駆動手段10の代りに、スリット開口を有するフィルタ23とソレノイド又はステッビングモータ等の駆動手段24が配置されている。その他は図1と同様であり、同じ符号は同じ部材を表している。図5はフィルタ23の正面図を示し、光路に挿入されているときの光透過部23aの横に、スリット開口23bが形成されている。 【0023】フィルタ23が光路に挿入されているときには、通常の赤外透過フィルタとして可視光をカットするが、駆動手段24により光路から退避する方向に移動すると、図6に示すようにスリット部23bが光路を横切り、スリット状の可視光が透過する。また、フィルタ23の中にスリット開口23bを設けることにより、スリット開口23bの両側をフィルタとして用いることができるので、駆動手段24の駆動回数を減らすことができ、撮影の頻度を増すことができる。 【0024】また、図7に示すようにスリット開口25aを有する枠体25に赤外透過フィルタ26を保持し、この枠体25を駆動手段24で駆動するようにしてもよい。このように、枠体25の中にスリット開口25aを独立して設けることにより、スリット開口25aを金属で形成することができるので、精度の良いスリット開口25aを形成することができる。 【0025】また上述の実施例においては、駆動手段24によってスリット開口の移動速度を変更することにより、撮影光量を調整することが可能である。 【0026】更に、図8に示すように、円板状の枠体27にフィルタ28、29と開口30、31を配置し、中心27aを基準にして枠体27を回転するようにしてもよい。 【0027】これにより、眼底を赤外光で照明するときは、フィルタ28又は29がフィルタ23と同様に照明光路に挿入され、撮影スイッチ20への入力と共に枠体27が回転すると、開口30又は31が照明光路を横切ることによって、前述のスリット開口と同様の働きをして可視光を透過するために、この可視光により眼底の短時間照明が可能となる。 【0028】このように、回転方向に駆動する方式の方が制御が容易であるが、更に照明むらをなくすためには、図9に示すように円板状の枠体27に扇形の開口32、33を設けて、中心27aを基準として枠体27を回転するようにしてもよい。 【0029】以上の実施例は、赤外光を用いて眼底観察を行う無散瞳型眼底カメラについて述べたが、可視カットフィルタをNDフィルタに置き換えることによって、可視光で観察しながら撮影する散瞳型眼底カメラに応用することができる。 【0030】 【発明の効果】以上説明したように本発明に係る眼科撮影装置は、1つの光源を用いた簡単な構造で、動画観察と早いシャッタ速度による高精細な静止画撮影が可能となり、照明光学系内の断面の各部分を可視光が透過する時間を等しくできるので、被写体の各部分の照明光量を均一にして照明むらをなくすることができる。更に、撮影スイッチ入力から撮影終了までの時間を短縮できるので、瞬きやアライメントずれによる撮影の失敗を少なくすることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001007 【氏名又は名称】キヤノン株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)10月17日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】日比谷 征彦
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| 【公開番号】 |
特開平11−113853 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)4月27日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−303482 |
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