トップ :: A 生活必需品 :: A61 医学または獣医学;衛生学




【発明の名称】 眼底カメラ
【発明者】 【氏名】大塚 浩之

【要約】 【課題】散瞳剤を使用しない無散瞳撮影の場合にも、一度部屋を明るくしたりする必要のない、操作性の良好な眼底カメラを提供する。

【解決手段】本発明に係る眼底カメラは、被検眼Eに照明光束を照射する照明光学系10と、被検眼Eの眼底Efを撮影する撮影光学系30と、被検眼Eの瞳孔径を確認する瞳孔径確認手段と、被検眼Eを光刺激する光刺激手段10と、光刺激手段10により光刺激して縮瞳された瞳孔の自然散瞳を促進させる光刺激手段60とを有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 被検眼に照明光束を照射する照明光学系と、前記被検眼の眼底を撮影する撮影光学系と、前記被検眼の瞳孔径を確認する瞳孔径確認手段と、前記被検眼を一時的に光刺激することにより縮瞳した瞳孔の自然散瞳を促進させる光刺激手段とを有することを特徴とする眼底カメラ。
【請求項2】 前記瞳孔径確認手段の出力に基づき、撮影が可能か否かを報知することを特徴とする請求項1に記載の眼底カメラ。
【請求項3】 前記照明光学系は、赤外光を含む光源と該光源から発せられた照明光から赤外光を選択する赤外光選択手段とを備え、前記光刺激は、前記赤外光選択手段を光路外に一時的に退避させて行うことを特徴とする請求項1に記載の眼底カメラ。
【請求項4】 前記光刺激は、被検眼の視線方向を一定にする固視標の状態を変更して行うことを特徴とする請求項1に記載の眼底カメラ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、眼底の撮影診断に使用する眼底カメラに関し、特に散瞳剤を用いないで撮影するのに適した眼底カメラに関する。
【0002】
【従来の技術】眼底カメラは、糖尿病、高血圧を始めとした疾病の発見とその予測のために広く利用されている。このものでは、通常、被検眼に散瞳剤を用いて瞳孔を散瞳させた後に、検者は、被検者の前眼部を観察し、被検者の視線方向や瞳孔の大きさを確認している。ついで、散瞳した瞳孔から照明光を入射させて眼底に照明光を照射し、観察・撮影光学系の対物レンズを通じて眼底を観察し、眼底像の焦点合わせ等を行った後に、シャッターを切り撮影するようにしている。
【0003】これに対して、散瞳剤を用いずに被検眼を自然散瞳させて行う撮影、即ち、無散瞳の眼底撮影は、特に集団検診などに適しており、普及しつつある。この無散瞳撮影に適した眼底カメラでは、例えば、前眼部の照明光束或いは観察用照明光束に赤外光を使用するなどの無散瞳撮影に適した工夫がなされている。
【0004】一方、眼底撮影は、被検眼眼底の中心部(いわゆる後極部)に限らず、固視標を移動させた周辺撮影を行う場合が増えつつある。これは、糖尿病などの循環器系疾患では、検査の重要性が増加してきてきたのに加え、眼底が血管を簡単に観察する簡易な手法であることに起因する。一般的に、眼底カメラでは、一度に広範囲の眼底の撮影を行うことは困難である。そのため、周辺撮影を行う場合には、固視標を移動または切り換えをして視線方向を誘導し、撮影部位を変更した撮影が繰り返される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、無散瞳撮影では、瞳孔が撮影光により縮瞳してしまう。この強い撮影光によりいったん縮瞳した瞳孔は、すぐには散瞳されないので、再び散瞳されるまで待たなければならない。また、この現象は、片方の目に閃光を照射すると、無刺激の他方の目も生起される。このため、両眼を撮影する場合には、右目を撮影すると、すぐには左目を撮影することができず、撮影に長時間を必要とする。
【0006】強い撮影光により縮瞳した瞳孔を短時間で自然散瞳させるために、通常、光刺激による緩和を行っている。例えば、右目撮影後の左目撮影前には、いったん部屋を明るくして強い撮影光により縮瞳された瞳孔に適度な光刺激を与え、ついで、もう一度部屋を半暗室にすることにより、自然に瞳孔が大きくなる時間を短縮させて、自然散瞳の促進を行っている。この一度部屋を明るくし、再び半暗室状態に戻す操作は、煩雑である。撮影部位を変更する周辺撮影の場合には、この操作の煩雑さは特に重要な課題である。
【0007】本発明は、上記の事情に鑑みて為されたもので、その目的とするところは、散瞳剤を使用しない無散瞳撮影の場合にも、一度部屋を明るくしたりする必要のない、操作性の良好な眼底カメラを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、被検眼に照明光束を照射する照明光学系と、前記被検眼の眼底を撮影する撮影光学系と、前記被検眼の瞳孔径を確認する瞳孔径確認手段と、前記被検眼を一時的に光刺激することにより縮瞳した瞳孔の自然散瞳を促進させる光刺激手段とを有することを特徴とする眼底カメラである。
【0009】このように構成された眼底カメラを用いれば、散瞳剤を使用しない無散瞳撮影の場合にも、光刺激手段により一時的に光刺激を与えれば、いったん部屋を明るくした状態が再現されて、部屋全体を明るくする必要がなくなり、両眼撮影や、連続撮影の場合の操作性が良好となる。
【0010】請求項2の発明は、前記瞳孔径確認手段の出力に基づき、撮影が可能か否かを報知することを特徴とする請求項1に記載の眼底カメラである。
【0011】無散瞳撮影では、瞳孔が散瞳されたか否かの確認が必要となるが、このように瞳孔径確認手段の出力に基づき、撮影が可能な否かを報知させれば、その瞳孔径の確認操作が簡易となる。
【0012】請求項3の発明は、前記照明光学系は、赤外光を含む光源と該光源から発せられた照明光から赤外光を選択する赤外光選択手段とを備え、前記光刺激は、前記赤外光選択手段を光路外に一時的に退避させて行うことを特徴とする請求項1に記載の眼底カメラである。
【0013】このように構成すれば、照明光学系の光源を光刺激に利用できるので、撮影部位を変更する場合にも、操作性の良好な無散瞳撮影に適した眼底カメラを提供することができる。
【0014】請求項4の発明は、前記光刺激は、被検眼の視線方向を一定にする固視標の状態を変更して行う操作手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の眼底カメラである。
【0015】このように構成すれば、固視標光源を光刺激に利用できるので、撮影部位を変更する場合にも、操作性の良好な無散瞳撮影に適した眼底カメラを提供することができる。
【0016】
【発明の実施の形態1】
【0017】
【実施例1】以下、本発明に係る眼底カメラの実施例1を図1〜図7を参照しつつ説明する。
【0018】図1は、前眼部を観察・撮影するときの眼底カメラの光学系の一例を示す概略図であり、図2は、眼底を観察・撮影するときの光学系の一例を示す概略図である。図1、図2において、符号1は眼底カメラの装置本体を示す。この眼底カメラは、被検眼Eの観察時には赤外光を照射して観察し、撮影時には可視光を照射して撮影する、いわゆる無散瞳型のものである。また、この眼底カメラ1は、被検眼Eから対物レンズ20までの作動距離(ワーキングディスタンス)Wに関連して自動的に眼底像と前眼部像との観察・撮影が行えるような構成とされている。
【0019】この眼底カメラ1は、被検眼Eに照明光束を照射する照明光学系10、被検眼Eを観察する観察光学系30、この観察光学系30に包含され、被検眼Eを撮影する撮影光学系31、アライメント指標を被検眼Eに向けて投影するアライメント指標投影手段50、縮瞳された瞳孔の自然散瞳を促進させる光刺激手段60を有する。
【0020】照明光学系10は観察時に赤外光を照射させる観察照明系11と撮影時に可視光を照明する撮影照明系12とを含む。観察照明系11は、ハロゲンランプ等の光源13と、この光源13から発光される光を反射させる反射ミラー14と、この反射光束を集光させるコンデンサレンズ15と、赤外領域だけの光を透過するIRフィルター16と、リングスリット板17と、リレーレンズ18と、穴あきミラー19と、被検眼Eに対して配置される対物レンズ20とを有する。
【0021】図1において、被検眼Eと対物レンズ20との距離W1は、後述される適正作動距離に配置され、穴あきミラー19は、対物レンズ20に対して被検眼Eの角膜Cと共役の位置に配置されている。また図2では、被検眼Eと対物レンズ20との距離W2は、適正作動距離よりも離間されている。
【0022】また、IRフィルター16は、光路から進退可能に配置され、常時は光路中に進入された状態にある。このIRフィルター16を一時的に退避させることにより、観察照明系11は光刺激手段60として利用され、その詳細は後述される。
【0023】光源13からの発光光は、一部反射ミラー14で反射され、コンデンサレンズ15で集光され、IRフィルター16により赤外光のみが選択透過される。ついで、この赤外光からなる照明光束は、リングスリット板17のリング状開口部17aに導かれ、このリング状開口部17aを通過し、リレーレンズ18を介して穴あきミラー19の近傍にいったん結像される。そして、この照明光束は、対物レンズ20に向けて反射され、この対物レンズ20によって被検眼Eを照明する。
【0024】図1に示すように、被検眼Eと対物レンズ20との距離W1が適正距離である場合、照明光束は角膜C付近に再結像されて、被検眼Eの瞳を通って眼底Efを照明する。図2に示すように、被検眼Eと眼底カメラ1との距離W2を適正距離より十分に大きくとった場合、前眼部である瞳Epは照明光学系のリング状スリットの結像位置から十分離れているので、瞳Epが照明光束によって照明される。
【0025】撮影照明系12は、キセノンランプ等のリング状の撮影用の撮影光源21を有し、この撮影光源21は、リングスリット板17の背後に配置される。リングスリット板17、リレーレンズ18、穴あきミラー19、対物レンズ20は観察照明系11と兼用されている。なお、この対物レンズ20と穴あきミラー19とは、全ての光学系に兼用されている。撮影光源21にて発光された光は、リングスリット板17、リレーレンズ18、穴あきミラー19、対物レンズ20を経て、照明光学系10と同様に適正距離の図1の場合は眼底Efを照明し、適正距離から離間した図2の場合には瞳Epを照明する。
【0026】観察光学系30は、撮影光学系31を包含する。その撮影光学系31は、対物レンズ20、穴あきミラー19、後述されるアライメント指標光投影のために兼用されるハーフミラー32、補助レンズ33、合焦レンズ34、結像レンズ35、跳ね上げミラー36、フィルム37を有する。
【0027】補助レンズ33は、撮影光学系31の光路に対して進退可能に配置され、眼底Efと前眼部との切り換えのためのものである。この切り換えは、被検眼Eから対物レンズ20までの作動距離Wに関連して、この補助レンズ33が自動的に進退されることにより行われる。
【0028】例えば、被検眼Eに対する対物レンズ20の光軸O1方向の距離を図示を略す距離検出装置により検出し、その検出値に連動して、その検出値が適正な作動距離(W1)である場合には、図1に示すように、補助レンズ33が退避されて眼底Efの撮影が可能となる。この検出値が適正な距離よりも離間していて大きい場合W2(W2>W1)には、図2に示すように、補助レンズ33が自動的に挿入されて被検眼Eの前眼部の撮影が可能となる。これらの操作と共に後述されるアライメントにより光軸合わせができる。これにより、前眼部の観察・撮影と眼底Efの観察・撮影とは、特別の切り換えスイッチなしに、作動距離Wの調節により自動的に行える。この機構の詳細は例えば特公平3−6813号公報などに記載されている。
【0029】観察光学系30は、撮影光学系31の跳ね上げミラー36から分岐して、フィールドレンズ38、反射ミラー39、テレビリレーレンズ40を有する。フィールドレンズ38は、跳ね上げミラー36に関してフィルム37と共役な位置に配置されている。これにより、跳ね上げミラー36により反射された反射光束は、フィールドレンズ38付近にいったん結像され、反射ミラー39で反射されてテレビリレーレンズ40を介して撮像管41に被検眼Eを受像する。これにより、テレビモニター42の画面に被検眼Eが表示される。適正作動距離W1の場合には、眼底像Eaが表示され、適正作動距離よりも離間しているW2の場合には、瞳像Qが表示される。
【0030】このテレビモニター42には、瞳孔径確認手段としてのIスケールが表示され、このIスケールの長さは、瞳像Q上で約4mmに設定されている。これにより、散瞳が十分であるか否かの判定が容易に行える。また、このIスケールは、後述する眼底カメラ1との光軸合わせにも利用されるアライメント指標投影手段50は、アライメント指標を被検眼に向けて投影するためのもので、アライメント光源としてのLED51、そのLED51の発光光を導くライトガイド52、ライトガイド52から射出された光を反射させ2孔絞り53に導く反射鏡54、リレーレンズ55、撮影光学系と兼用のハーフミラー32、穴あきミラー19、対物レンズ20を有する。
【0031】LED51は中心波長が760nmの近赤外光を出射する特性を有する。ライトガイド52の射出端52aはリレーレンズ55の光軸O(撮影光学系31の光軸O1)上に位置するように配置されている。2孔絞り53は、作動距離Wが適正位置からずれたときにアライメント光束に基づくアライメント像を分離して被検眼Eに投影するための光学手段であり、図3に示すように一対の孔部53a、53bを有する。この孔部53a、53bは光軸Oに関して対称位置に形成され、この2孔絞り53はリレーレンズ55に近接されている。
【0032】ライトガイド52の射出端52aから出射されたアライメント光束は反射鏡54により反射されて2孔絞り53の孔部53a、53bに導かれる。この孔部53a、53bを通ったアライメント光束はリレーレンズ55に導かれる。リレーレンズ55を通過したアライメント光束はハーフミラー32により穴あきミラー19に向けて反射される。リレーレンズ55はライトガイド52の射出端(アライメント指標)52aを穴あきミラー19の穴部19aの中央位置(撮影光学系31の光軸O1上の位置)Xにいったん中間結像する。ハーフミラー32は、図4に示すように、波長760nmの光束を約半分透過し、それ以外の波長域の光束をほぼ100%透過させる透過特性Tを有する。このため、眼底Efからの反射光束の光量がこのハーフミラー32の存在により低下することが抑止される。
【0033】その穴部19aの中央位置Xに形成されたアライメント指標を形成する一対のアライメント光束は、対物レンズ20を介して被検眼Eの角膜Cに導かれる。ここで、作動距離W及び上下左右方向の位置が適正であるときには、射出端52aからの一対のアライメント光束によりその角膜Cの頂点Cfと角膜曲率中心Crとの中間位置Ccにアライメント像が結像投影される。また、被検眼Eから装置本体までの作動距離Wが適正位置からずれているときには、一対のアライメント光束に基づくアライメント像はその角膜Cの中間位置Ccを境に分離して投影される。
【0034】角膜Cにより反射されたアライメント反射光束はアライメントが適正であるときには対物レンズ20により眼底共役面R上で撮影光学系O1上に結像される。その眼底共役面R上に結像されたアライメント反射光束は穴部19aを通り、眼底像を形成する反射光束と同様に撮像管41に受像され、図5(a)に示すように眼底像Eaと共にアライメント像(出射端52aの像)52´がテレビモニター42の画面に表示される。また、アライメントが適正位置からずれているときには、図5(b)に示すようにアライメント像(出射端52aの像)52´が分離して形成され、従って、検者はこのアライメント光束に基づくアライメント像52´の合致・分離を視認することによりアライメント調整を行うことができる(なお、本件に関連する特許としては、特開平7−31590号公報、特公昭60−52820号公報、特開平6−277183号、特公昭60−57854号公報、特公昭63−22823号公報、特公昭60−57855号公報、特公平5−54777号公報等がある)。
【0035】光刺激手段60は、撮影光により縮瞳した被検眼Eを再び自然散瞳するのを促進するために被検眼Eに対して一時的に穏和な光刺激を与えることにより、一度部屋を明るくしたのと同じ効果を与えるものである。この光刺激手段60は、図6に示すように、光刺激を開始する光刺激スイッチ61と、制御回路62と、IRフィルター16を移動させる移動手段63と、光源13の電圧を制御する電圧制御回路64と、光刺激時間を設定する時間設定目盛り65とから大略構成され、その光学系は、観察照明系11と兼用されている。時間設定目盛り65は、1秒単位で光刺激時間t(秒)を自由に設定可能とされ、制御回路62に内蔵されたタイマー回路により制御される。また、この制御回路62は、移動手段63によるIRフィルター16の移動を制御して退避操作手段として機能すると共に、光刺激手段60の全体をコントロールする。
【0036】以上のように構成された眼底カメラ1を用いた撮影手順について説明する。
【0037】[瞳孔径の確認]無散瞳による眼底Efの撮影では、瞳孔径が撮影のために十分に散瞳されていなければならない。このため、撮影に際しては、瞳孔径の確認作業が行われる。瞳孔径の確認は、テレビモニター42上に瞳像Qを可視像化させて行われる。
【0038】瞳孔径の観察は、眼底カメラ1と被検眼Eとの距離Wを適正距離W1よりも大きく保った状態W2で行われる。観察照明系11により被検眼Eが照明された状態で、対物レンズ20を内包する装置本体を被検眼Eから離間して移動させると、補助レンズ33が自動的に進入される(図2)。この状態で、観察照明系11により被検眼Eが照明される。被検眼Eの瞳像Qは、対物レンズ20に向かい、いったん空中像として結像された後、穴あきミラー19の穴部を通り、ハーフミラー32を透過し、補助レンズ33、合焦レンズ34、結像レンズ(撮影レンズ)35、跳ね上げミラー36を経てフィールドレンズ38の視野絞り38付近に再び結像される。このフィールドレンズ38の付近に再結像された反射光束は、反射ミラー39、テレビリレーレンズ40を経て撮像管41の受像面に受像され、テレビモニター42に瞳像Qが表示される。
【0039】このテレビモニター42上のIスケールを利用することにより、散瞳が十分であるか否かの判定が容易に行える。そして、瞳孔の大きさ(瞳孔径)が4mmφ以上であれば、撮影可能であり、瞳Epが十分に散瞳されていることが確認されると、ついで眼底像Eaの観察と撮影が行われる。
【0040】[眼底像Eaの観察と写真撮影]眼底像Eaの観察と写真撮影は、眼底カメラ1と被検眼Eとの距離Wを適正距離W1に保った状態で行われる。観察照明系11により被検眼Eが照明された状態で、眼底カメラ1の対物レンズ20を内包する装置本体を被検眼Eに向けて移動させると、補助レンズ33が自動的に退避される(図1)。
【0041】眼底撮影の場合、眼底Efからの反射光は、対物レンズ20に導かれ、この対物レンズ20により眼底Efと共役な眼底共役面Rにいったん結像された後、穴あきミラー19の穴部19aを通り、ハーフミラー32を透過して、合焦レンズ34、結像レンズ(撮影レンズ)35を介して跳ね上げミラー36に導かれる。そして、この眼底像を形成する反射光束は跳ね上げミラー36で反射され、フィールドレンズ38上に被検眼Eの眼底像Eaを結像して、眼底像Eaがテレビモニター42に映し出される。
【0042】写真撮影の場合には、撮影光源21が発光され、この撮影光は観察光と同様に撮影光学系31の穴あきミラー19の近傍にいったん結像される。また、撮影光源21の発光と同時に跳ね上げミラー36が撮影光学系31の光路から離脱され、眼底Efからの反射光束が対物レンズ20、穴あきミラー19の穴部19aを通り、ハーフミラー32に導かれ、合焦レンズ34、結像レンズ35によりフィルム37に結像記録されることとなる。
【0043】[光刺激手段60による自然散瞳促進]観察照明系11では、光路中にIRフィルター16を含むのでその観察光は赤外光とされて、観察時は赤外光の照射により大きな縮瞳を生起することなく無散瞳の撮影に適した観察を行うことができるが、撮影のために、撮影光源21を照明させると、その撮影光源21は強い閃光を放出するキセノンランプであるので、この撮影光による刺激により、右目に撮影光を照射して撮影を行うと、その右目が縮瞳されるのはもちろん、無刺激の左目も右目の縮瞳に呼応して縮瞳してしまう。このため、両眼を撮影する場合には、すぐには左目を撮影することができないので、本発明による光刺激手段60による自然散瞳促進が行われる。
【0044】この光刺激は時間設定目盛り65を10秒に設定(光刺激時間tを10秒に設定)した後に行われる。光刺激スイッチ61のオンにより、制御回路62が作動され、その制御回路62の指示により移動手段63が稼働され、IRフィルター16は、一時的に10秒間光路から退避される。IRフィルター16が退避されている間は、被検眼Eには光源13からの可視光を含む白色光が直接照射されることになる。
【0045】これと同時に、制御回路62は、電圧制御回路64に電圧Vを一定の所定電圧V2にコントロールする旨の指示を送る。このようにするのは、光源13に含まれている可視光成分の光量を光刺激をするのに必要、かつ、十分な光量とする必要があるためである。これにより、図7(a)に示すように、電圧V1にて発光されていた光源13は、所定電圧V2にコントロールされて適正な光量で被検眼Eを照明する。IRフィルター16が退避状態では、光刺激のためにいったん部屋を明るくした場合と同様な光刺激を被検眼Eに与えることができる。
【0046】10秒が経過すると、IRフィルター16は移動手段63により光路中に戻される。IRフィルター16が進入状態となると、被検眼Eは赤外光で照明されることになり、部屋を半暗室にした状況が再現される。このとき、図7(a)に示すように、光源13への印加電圧は、再度観察・撮影可能なように、V1に戻される。これにより、自然に瞳孔が大きくなる時間が短縮されると共に、自然散瞳による暗順応化の促進が図れ、撮影光による光刺激を緩和することができる。
【0047】この光刺激時間tは長時間を必要とせず、通常10秒程度の光刺激でよいが、このIRフィルターの退避時間は、1秒単位で微調整可能であるので、被検者の状態により適宜変更が可能である。時間の変更は、移動手段63に内蔵されているタイマーをセットし直すことにより行うこともできる。
【0048】なお、上記の例では、光刺激スイッチ61のオンにより、IRフィルター16を所定時間退避させるのみであるが、図7(b)に示すように、光刺激スイッチ61のオンと同時に、一旦光源13の光量をゼロにし、徐々に増大させてもよい。このような光量の増加は、制御手段62からの指示により、電圧制御回路64の電圧を0ボルトから所定電圧V2まで徐々に増大させることにより得られる。この場合、光刺激時間tはやや長めに設定される。
【0049】印可電圧V2を徐々に増加させれば、光刺激スイッチ61のオンから照射光量はゼロから徐々に増大されるので、被検者が急な光刺激により、驚いたり、苦痛であったりすることが緩和される。
【0050】瞳孔径観察手段により瞳孔径が適度に散瞳されているのが確認できれば、撮影が続行される。なお、以上の説明では、固視標投影系は説明されていないが、公知の固視標投影系を備えていてもよい。
【0051】
【実施例2】実施例1では、光刺激の光学系は、観察照明系11に兼用されていたが、この光学系は、図8に示すように、別個に設けることができる。
【0052】この図において、符号1は、対物レンズ20を含む上述の光学系が収められている本体であり、光刺激手段としての投光部2は、この本体1の両側部1a(一側部のみ図示)に設けられている。この投光部2は、図9に示すように、白熱灯などの光源3を内蔵し、反射ミラー4により反射された光は集光レンズ5を通過して前面開口6から観察中の被検眼Eとは異なる被検眼E´に向けて発する。投光部2の上方には、手動により点滅可能な光刺激スイッチ7が設けられている。
【0053】投光部2の配置は、対物レンズ20と略同一の高さにあり、光刺激スイッチ7をオンすれば、撮影に供されていない方の被検眼E´に向けて適度な光量により被検眼E´が照明される。この光刺激スイッチ7をオフすれば、観察に供されている被検眼Eが観察照明系11により照明される。これにより、部屋をいったん明るくしたのと同じ状態が得られ、自然散瞳が促進できる。このように、光刺激は撮影に供されていない被検眼E´に行うこともできる。
【0054】この投光部2は、手動式で説明したが、実施例1と同様に、タイマーと連動されたり、また、光量を漸増するべく可変電圧回路に接続されていてもよい。また、この投光部2は、回動可能とされて、照明方向が変更できるようにすれば、手元照明装置としても兼用可能となる。その他の構成、作用効果はIRフィルター16が挿脱可能という点を除いて、実施例1と略同一であるので詳細な説明を省略する。
【0055】
【実施例3】光刺激は、固視標の状態を変更させて行うこともできる。例えば、被検眼Eの視線誘導用の固視標を多数有する固視標投影光学系であれば、その多数の固視標を同時に表示させるように構成してもよい。
【0056】図10に示す眼底カメラ1は、被検眼Eの眼底中央部に加えて眼底周辺部の撮影が行えるように構成されている。この実施例では、穴あきミラー19の穴部19aの周辺に、眼底周辺部撮影用のアライメント指標投影手段56を上下左右4個(図では上下の2個のみ図示)設ける構成とした。このアライメント指標投影手段56はLED57と光ファイバ58とから構成されている。このように構成すると、光ファイバ58の出射端58aからのアライメント指標の投影光束が穴あきミラー19でケラレるのを防止できるので、眼底中央部からより遠い眼底周辺部を撮影することができる。
【0057】また、この眼底カメラの固視標投影光学系は、瞳孔径の確認のために前眼部を観察するときの前眼部観察用の固視標投影光学系90と撮影時に被検眼Eの視線方向を誘導するための固視標投影光学系100とから構成されている。
【0058】固視標投影光学系100は、可視光を発光する発光ダイオード(LED)により構成される5個の固視光源101a〜eを有し、固視光源101aは、眼底中央部観察用又は撮影用とされ、残りの4個の固視光源101b〜eは、眼底周辺部撮影用とされている。なお、図10では、眼底中央部撮影用の固視光源101aと眼底周辺部撮影用の固視光源101b、cが示され、残りの2個の眼底周辺部撮影用の固視光源101d、eは紙面と直交する方向に配置されているので、図示が略されている。
【0059】固視標投影光学系100は、この固視光源101a〜eに対応して設けられた固視標としての絞り102と、固視標投影レンズ103と、ハーフミラー105とから大略構成され、そのハーフミラー105は、撮影光学系30の結像レンズ35と跳ね上げミラー36との間に設けられている。
【0060】固視光源101aで発光された光束は、絞り102を通過し、固視投影レンズ103により集光されてハーフミラー105に向かう。このハーフミラー105で反射された固視標は撮影光学系30の各光学系要素を通して眼底共役面Rで光軸O1上にいったん結像されて被検眼Eの眼底Efに投影される。
【0061】固視光源101b〜eで発光された光束は、同様に、絞り102、固視投影レンズ103、ハーフミラー105、撮影光学系30の各光学系要素を通して眼底Efに投影されるが、図11に示すように、光軸O1から離れた眼底共役面R´にいったん結像された後に、対物レンズ20から光軸O1との角度θ1を保って斜めから眼底Efに投影される。
【0062】固視標投影光学系90は、4個の前眼部観察用の固視光源91a〜dと、固視標としての絞り92a〜dと、この絞り92a〜dからの光束を被検眼Eに向けて投影する投影レンズ93a〜dとから構成され、その一組が図12に示されている。この光軸O2と光軸O1とのなす角度θ2は、角度θ1に略等しく設定されている。
【0063】光刺激手段60は、図13に示すように、自然散瞳補助を開始する光刺激スイッチ61と、制御回路62と、光刺激時間を設定する時間設定目盛り65とから大略構成され、その光学系は、固視標投影光学系100と兼用されている。制御回路62は、固視光源91の点灯を制御して光刺激手段の全体をコントロールする。この固視光源91は、電圧制御回路64により制御されてもよい。
【0064】眼底中央部を撮影するときには、固視光源101aが点灯されて、被検眼Eにその固視標が提示され、実施例1と略同様な方法により作動距離Wを大きくとって(例えば80mm)被検眼Eの瞳孔径の測定を行った後に、眼底Efの撮影を行う。このとき、図14(a)に示すように、テレビモニター42上には、眼底像Eaと共にアライメント像52´が画面中央位置に表示される。なお、画面中央位置には、瞳孔の開きの目安を判断するためのIスケールが縦に長く設けられているので、このIスケールをアライメント像基準位置マークとして用いることができる。
【0065】眼底周辺部の撮影に先立ち実施例1に準じて瞳孔径の確認が行われる。図12に示すように、距離Wを大きく保った状態W2で、撮影したい眼底周辺部の撮影に応じてそれに対応する右、左、上、下等の固視光源固視光源91a〜dが点灯されて、被検眼Eにその固視標が提示される。瞳孔径が適切であれば眼底周辺部の撮影に移行される。
【0066】眼底周辺部Ef´を撮影するときには、撮影したい眼底周辺部の撮影に応じてそれに対応する右、左、上、下等の固視光源固視光源101b〜eが点灯されて、被検眼Eにその固視標が提示される。このとき、固視光源101の被検眼Eへの光軸O1に対する入射角度θ1と固視光源91の被検眼Eへの光軸O1に対する入射角度θ2とが略等しいので、瞳孔径を確認したときの眼底Efの位置と撮影に供される眼底Efの位置とは略等しくなる。
【0067】図14(b)に示すように、テレビモニター42上には、撮影したい眼底周辺部Ef´に対応させてアライメント像基準位置マーク104を表示する。これには、眼底周辺部撮影用の切り換えスイッチを設け、この切り換えスイッチの操作により、固視標の提示位置を変更すると共に、アライメント基準位置マーク104を表示させてもよいし、固視標の提示位置の変更に伴ってアライメント基準位置マーク104の提示位置を変更してもよい。ここでは、切り換えスイッチが固視標位置変更手段と、基準位置マーク104の表示位置を固視標位置変更手段に対応して切り換える切り換え手段として機能する。なお、図14(b)には、テレビモニター42上には、眼底周辺像Efと共にアライメント像58´がアライメント基準位置マークの中央位置に表示されている。これにより、アライメントが確認される。
【0068】このように構成すると、光軸O1と瞳孔中心とをずらさなくとも、眼底周辺部Ef´の撮影を容易かつ確実に行うことができるため、照明光が虹彩によりケラレるのを防止できき、眼底中央部からより遠い眼底周辺部Ef´を撮影することができる。
【0069】撮影により縮瞳した瞳孔の自然散瞳を促進するためには、全ての固視光源91a〜dを一斉に発光させればよい。これにより、被検眼Eは固視光源91a〜eにより照明されるので、いったん部屋を明るくした状態が再現され、いったん部屋を明るくした場合と同様な光刺激を被検眼Eに与えることができる。ついで固視光源91を消灯すれば、被検眼Eはアライメント用の赤外光で照明されることになり、部屋を半暗室にした状況が再現され、自然散瞳が促進される。
【0070】この固視光源91の状態変更は、自然散瞳が好適に行える条件を適宜設定することにより行うことができる。例えば、固視光源91の発光光量を増減させることにより、被検眼Eに照明される光量を自然散瞳を促進するのに適した光量としたり、固視光源91a〜eを順次には追加発光させることにより、被検眼Eへの光量を漸増させるなどしてもよい。また、この固視光源91の数を増減させてもよい。また、固視光源101a〜eを同時に一斉に発光させられてもよい。その他の構成、作用効果は実施例1と略同一であるので詳細な説明を省略する。
【0071】
【実施例4】実施例3(図10)では、前眼部観察用の固視標投影光学系90を対物レンズ20のまわりに配置したが、本実施例では、図15(a)、(b)に示すように、穴あきミラー19の前方に、眼底周辺部撮影用の固視標投影光学系90´を上下左右に4個設ける構成とした。この固視標投影光学系90´はLED91´と光ファイバ92´とから構成されている。そして、光ファイバ92´の出射端93´は、眼底共役面Rの近傍に配置する。また、図13の電圧制御回路64は、固視光源91´の光源を一斉に点灯させる。
【0072】このように構成すると、前眼部観察用の固視標投影光学系90´が対物レンズ20のまわりにないので、対物レンズ鏡筒の太さが細くでき、被検眼Eを直接観察する場合は、見やすくできる。光量をさらに増大させたい場合には、図15(c)に示すように、固視標93´の数を8個と増大させてもよい。その他の構成、作用効果は実施例3と略同一であるので詳細な説明を省略する。
【0073】
【実施例5】光刺激は、外部に設けられた固視標により行うこともできる。この実施例5では、図16に示すように、複数個の固視標106から構成される固視標群107が、対物レンズ20の鏡筒20a周囲に設けられたシャーシ20bに配置されている。この固視標群107は、それぞれの固視標106の点灯位置を移動制御することにより、被検者の視線方向を誘導することができるものであり、その詳細は例えば特公平5−54777号公報に記載されている。
【0074】光刺激は、この固視標群107を一斉に点灯させることにより行われる。なお、個々の固視標106を順次点灯させ、最終的に全部が点灯された場合に所定量の光量が生じるように設定すれば、被検者の負担が軽減される。光量が多い場合には全てを点灯させる必要のないことはもちろんである。その他の構成、作用効果は実施例3と略同一であるので詳細な説明を省略する。
【0075】
【実施の形態2】以上の実施の形態1では、補助レンズ33を穴あきミラー19の後方に配置させていたので、穴あきミラー19によるケラレを考慮すると光刺激手段の位置が穴あきミラー19の前方若しくは光学系の外部に制限されていた。例えば特公昭52−48440号公報、特公昭61−52696号公報などに記載されているように、対物レンズ20の後方に、この補助レンズを配置することにより、切り換えスイッチは必要となるが、前眼部位置と眼底位置とが一致されて、光刺激手段は、光学系内部に配置することもできる。このような構成にすれば、光学系内部に配置された各種の光源、例えば、固視標投影光学系を光刺激手段とすることも可能となる。
【0076】
【実施例6】図1の補助レンズ33に換えて、図17に示すように、前眼部照明用の光源13´が配置され、対物レンズ20と穴あきミラー19との間に補助レンズとしてのリレーレンズ33´が配置され、観察照明系11には遮光板22が配置されている。前眼部の観察と眼底Efの観察・撮影とでこの補助レンズ33´と遮光板22とは図示を略す切り換えスイッチにより進退自由に構成されている。一方、IRフィルター16´は光路中に固定されている。
【0077】また、観察光学系30の反射ミラー39に代えてダイクロイックミラー39´が用いられ、その後方には、固視標投影光学系100が配置されている。この固視標投影光学系100は、実施例3と略同一であるのでその詳細な説明は省略する。また、光刺激手段60は、図18に示すように、移動手段63がリレーレンズ33´に接続され、制御回路62が固視光源101に接続され、この制御回路62は、所定時間t固視光源101の全てを同時に点灯させる。
【0078】この実施例6では、前眼部と対物レンズ20との作動距離Wは最適距離に保たれた状態で、切り換えスイッチにより、前眼部観察と眼底Efの撮影とが選択される。前眼部観察を選択すると、遮光板22が光路に進入されて照明系が遮断されると共に、光源13´が点灯され被検眼Eが光源13´により照明される。これと同時に、補助レンズ33´が光路中に進入されて前眼部の観察が可能となる。
【0079】眼底Efを選択すると光源13が点灯され、遮光板22が光路から退避されると共に、補助レンズ33´が光路中から退避されて眼底Efの観察が可能となる。撮影は、撮影光源21を点灯して行われる。
【0080】このように構成すれば、補助レンズ33´の進退により前眼部位置と眼底位置とを一致させることができる。自然散瞳の補助を行うときには、光刺激スイッチ61を作動させると、制御回路62の指令により移動手段63が駆動されて補助レンズ33´が退避された状態で、固視光源101が全て点灯する。所定時間tが経過すると、制御回路62の指令により固視光源101が消灯される。これにより、自然散瞳の促進が図れる。
【0081】以上の実施の形態2では、光刺激手段として内部固視標を用いたが、実施の形態1と同様に外部固視標を光刺激手段として用いてもよい。その他の構成、作用効果は実施の形態1と略同一であるので詳細な説明を省略する。
【0082】
【実施の形態3】以上の実施の形態1、2では、検者がその都度、瞳孔径を確認していたが、連続撮影の場合、その都度検者が瞳孔径を確認する操作は煩雑である。一方、瞳孔径を測定する手段は公知であるので、この公知の瞳孔径確認手段に連動して瞳孔径が小さい場合には、検者にその情報を伝えたり、或いは光刺激を自動的に行う構成とすれば、操作性が格段に向上する。これらの瞳孔径確認手段は、特開昭59−207126号、特開平9−28675号公報などに記載されている。
【0083】
【実施例7】リングスリット照明法の場合、被検眼Eの瞳孔径が小さくなるにつれて眼底Efに到達する全体光量が少なくなるだけでなく、特に中心付近の光量が、少なくなることが知られている(例えば、特開平9−28675号公報参照)。そこで、実施の形態1の観察光学系30に使用されているテレビモニター42のテレビ信号を用い、図19に示す瞳孔径表示手段110により処理して、瞳孔径の情報を検者に伝えることもできる。
【0084】この瞳孔径表示手段110は、テレビモニター42からのテレビ信号Vを受けてその信号を数値解析して瞳孔径を計測する演算手段111と、計測された瞳孔径の数値が適正か否かを判定する判定手段112と、その判定結果を検者に伝えるためにテレビモニター42に指示する指示手段113とから構成されている。
【0085】演算手段111は、図20に示すように、テレビ信号の眼底Ef中心部を通る輝度信号Vに関して、画面中心部の信号をVcとし、両側の信号をVfとして場合、Vc/Vfの値が0.5近傍にある場合が、撮影可能の瞳孔径の限界であるので、Vc/Vf>0.5の場合に指示手段113に測定可能の信号を送り、Vc/Vf≦0.5の場合に測定不能の信号若しくは光刺激スイッチ61オンの信号を送るように構成されている。ただし、リングスリットの構成や大きさなどによっては、Vc/Vfの限界値が0.5から上下する場合がある。
【0086】このように構成された無散瞳眼底カメラでは、連続撮影を行っている場合に、絶えず瞳孔径の確認を行うことができ、瞳孔径が不適切な場合のみ、検者にその旨の情報をテレビモニター42の画面を通して伝えることができるので、特に検者の負担を軽減する効果が顕著である。その他の構成、作用効果は実施の形態1と略同一であるので詳細な説明を省略する。
【0087】
【発明の効果】本発明に係る眼底カメラは、以上説明したように構成したので、散瞳剤を使用しない無散瞳撮影の場合にも、一度部屋を明るくしたりする必要のない、操作性の良好な眼底カメラが提供できるという効果を奏する。
【出願人】 【識別番号】000220343
【氏名又は名称】株式会社トプコン
【出願日】 平成9年(1997)10月9日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】西脇 民雄
【公開番号】 特開平11−113851
【公開日】 平成11年(1999)4月27日
【出願番号】 特願平9−276908