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【発明の名称】 内視鏡装置
【発明者】 【氏名】小澤 剛志

【氏名】平尾 勇実

【氏名】金子 守

【氏名】上杉 武文

【氏名】上野 仁士

【氏名】道口 信行

【氏名】河内 昌宏

【氏名】今泉 克一

【氏名】古源 安一

【氏名】平田 唯史

【氏名】富岡 誠

【氏名】竹端 栄

【要約】 【課題】通常観察と蛍光観察可能な内視鏡において、各観察画像の視野が相違したり、観察画像が互いに鏡映関係になったりする。

【解決手段】通常観察と蛍光観察とで対物光学系19を共用しプリズム20をアクチュエータ22により移動させることで、観察画像を通常観察用の固体撮像素子24または蛍光観察用の高感度撮像素子25上に選択的に結像させるようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】被検体の内視鏡像を結像する結像光学系と、この結像光学系の出射側の光軸上における複数の位置にて選択的に光路を変換する光路変換手段と、前記選択的に変換される各光路に対応して、前記結像光学系の結像面にそれぞれ配置される複数の撮像素子と、を有することを特徴とする内視鏡装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被検体の内視鏡像を撮像する内視鏡装置に関し、特に波長の異なる複数の内視鏡像を撮像する内視鏡装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、内視鏡により生体からの自家蛍光や、生体へ薬物を注入し、その薬物の蛍光を2次元画像として検出し、その蛍光像から生体組織の変性や癌等の疾患状態(例えば、疾患の種類や浸潤範囲)を診断する技術がある。
【0003】生体組織に光を照射するとその励起光より長い波長の蛍光が発生する。生体における蛍光物質として、例えばNADH(ニコチンアミドアデニンヌクレオチド)、FMN(フラビンモノヌクレオチド)、ピリジンヌクレオチド等がある。最近では、このような生体内因物質と、疾患との相互関係が明確になってきた。また、HpD(ヘマトポルフィリン)、Photofrin、ALA(δ-amino levulinic acid)は、癌への集積性があり、これを生体内に注入し、前記物質の蛍光を観察することで疾患部位を診断できる。
【0004】かかる診断に用いる内視鏡装置は、内視鏡に搭載または接続された撮像手段により、白色光照明下での通常観察と、紫外から青色光照明下で生体組織から発せられる蛍光を観察する蛍光観察とを選択的に行うように構成されており、特開平8−252218号にその例が複数記載されている。
【0005】第1のものは、内視鏡の先端部に通常観察用及び蛍光観察用の2種類の結像光学系を並設するとともに、これら結像光学系からの像を電気信号に変換する2種類の固体撮像素子を内視鏡の先端部または操作部に設け、光源装置から時分割で送られる白色光と励起光による照明下で、それぞれの固体撮像素子から出力される撮像信号を照明光のタイミング制御に合わせて選択して処理及び表示する構成を有する。
【0006】第2のものは、内視鏡の先端部に通常観察及び蛍光観察に共用する対物光学系と、この対物光学系から出射される通常観察像と蛍光観察像とをその波長で2方向へ分離するビームスプリッタとを設け、ビームスプリッタにて分離された通常観察像と蛍光観察像をそれぞれ撮像する固体撮像素子を内視鏡の先端部または操作部に備える。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述の第1の内視鏡装置は、通常観察用対物光学系と蛍光観察用対物光学系とが内視鏡先端部に並設されているので、通常観察時と蛍光観察時とでは視野が異なる。このため、通常観察像と蛍光観察像を切り換えるとモニタ上に表示される画像の視野がずれてしまい、操作者を混乱させてしまうという問題がある。
【0008】また、第2の内視鏡装置は、ビームスプリッタの反射作用により通常観察像と蛍光観察像とが鏡映関係となり、一方の像を反転させるために特別な信号処理を行う必要が生じる。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、本発明に係る内視鏡装置は、被検体の内視鏡像を結像する結像光学系と、この結像光学系の出射側の光軸上における複数の位置にて選択的に光路を変換する光路変換手段と、前記選択的に変換される各光路に対応して、前記結像光学系の結像面にそれぞれ配置される複数の撮像素子とを有することを特徴とするものである。
【0010】この発明に係る内視鏡装置によれば、被検体の内視鏡像は結像光学系を通過後、光軸上の所定の位置にてその光路を変換され対応する撮像素子の上に結像する。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、この発明の第1の実施の形態を図1を参照しながら説明する。図1は内視鏡装置全体の構成を示す構成図である。
【0012】図1に示すように、内視鏡装置1は、内視鏡本体10と、内視鏡本体10に照明光を供給する光源装置30と、内視鏡本体10により得られた撮像信号を画像化する信号処理装置40と、内視鏡画像を表示するモニタ装置50とから構成される。
【0013】内視鏡本体10は、挿入操作、処置操作及び一部の信号処理の指示を行うための操作部11、体腔内に挿入される細長の挿入部12、光源装置30からの照明光を内視鏡本体10へ導入するライトガイドケーブル部13、及び内視鏡本体10からの撮像信号を信号処理装置40へ伝送する信号ケーブル部14とからなる。
【0014】ライトガイドケーブル部13の光源装置30側には、両者を接続するためのライトガイドコネクタ15が設けられている。ライトガイドコネクタ15からライトガイドケーブル部13、操作部11及び挿入部12の内部を経由して、挿入部12の先端にわたってライトガイドファイバ16が内蔵されている。ライトガイドファイバ16の先端側に対向して、挿入部12の先端側に照明窓17が設けられている。
【0015】挿入部12の先端には、観察窓18が配され、その後ろ側に被検体の内視鏡像を結像する結像光学系19が設けられている。
【0016】結像光学系19の出射側の光軸上には光路を90°変換するプリズム20が設けられている。プリズム20は支持台21を介してリニアアクチュエータ22に固定される。リニアアクチュエータ22は、結像光学系19の光軸に沿ってプリズム20を移動させることができ、実線及び破線で図示した2つの位置にプリズム20を安定にポジショニングする。このようなリニアアクチュエータ22は、圧電素子で駆動する圧電アクチュエータ(特に好適には、インチウォーム機構を備えたもの、あるいは超音波モータ機構によるもの)や、静電力を利用する静電アクチュエータが適している。リニアアクチュエータ22からはその駆動を制御するための電線23が信号処理装置40に延設されている。
【0017】図の破線で示した位置にポジショニングされたプリズム20により変換された光路上における結像光学系19の結像面に、通常観察を行うための固体撮像素子24が配置されている。固体撮像素子24の受光面24aの法線は挿入部12の長手方向に対して直交する向きとされている。
【0018】図の実線で示した位置にポジショニングされたプリズム20により変換された光路上における結像光学系19の結像面に、蛍光観察を行うための高感度撮像素子25が配置されている。蛍光観察像は通常観察像に比べてそのインテンシティが小さいので、高感度撮像素子25には増幅機能を有する撮像素子、例えばCMD(Charge Modulation Device)等を用いるのが良い。また、高感度撮像素子25の受光面25aの法線は挿入部12の長手方向に対して直交する向きとされている。
【0019】光源装置30にはキセノンランプあるいはメタルハライドランプ等の高輝度ランプ31が設けられている。高輝度ランプ31が発生した光は集光レンズ32を介してライトガイドファイバ16の端面に入射する。
【0020】高輝度ランプ31とライトガイドファイバ16の端面との間には、青色帯域の光のみを透過させるバンドパスフィルタが回転板33によって出し入れ自在に設けられている。この回転板33はコントローラ34によって制御されるモータ35にて駆動される。なお、コントローラ34によるモータ35の駆動制御は、通常/蛍光観察切り換えスイッチ36からコントローラ34に入力される指示信号に基づいて行われる。また、図1では、通常/蛍光観察切り換えスイッチ36を光源装置30に設けるようにしたが、内視鏡本体10の操作部11に設けたり、あるいは独立したフットスイッチとすることもできる。これらの場合操作者が内視鏡本体10の観察操作をしながら切り換え操作も行うことができて、操作上好適である。以上の光源装置30の構成により、光路中に上記のバンドパスフィルタが挿入されている場合は青色帯域の光のみがライトガイドファイバ16に入射し、光路中からバンドパスフィルタが待避されている場合は白色光が入射する。
【0021】信号処理装置40には固体撮像素子24からの撮像信号を画像化する通常観察用信号処理部41と、高感度撮像素子25からの撮像信号を画像化する蛍光観察用信号処理部42とが内蔵されており、それぞれ固体撮像素子24及び高感度撮像素子25と電線を介して接続されている。
【0022】通常観察用信号処理部41及び蛍光観察用信号処理部42が出力する画像信号は画像切り換え部43に入力される。画像切り換え部43には、通常/蛍光観察切り換えスイッチ36からの指示信号に基づいてコントローラ34が発生する通常観察と蛍光観察とのいずれかを選択する選択信号が入力されており、ここで通常観察用信号処理部41と蛍光観察用信号処理部42の画像信号が選択されて出力される。
【0023】通常観察用信号処理部41及び蛍光観察用信号処理部42は、それぞれ固体撮像素子24及び高感度撮像素子25へ駆動信号を供給する駆動回路(図示せず)を有している。
【0024】さらに、信号処理装置40には、リニアアクチュエータ22を駆動する駆動制御部44が内蔵されており、上記コントローラ34からの選択信号を受けて、プリズム20を上記破線及び実線で示す位置にポジショニングするためのプリズム駆動信号を発生する。
【0025】また、上記選択信号は通常観察用信号処理部41及び蛍光観察用信号処理部42にも接続されており、選択信号の示す観察像の種類(即ち、通常観察像と蛍光観察像)に応じて、対応する信号処理部及び撮像素子の駆動回路の信号出力動作のオン/オフ制御の用に供される。
【0026】画像切り換え部43から出力される画像信号はモニタ装置50に送られ、画面51上に表示される。
【0027】次に、本実施の形態の動作を説明する。まず、コントローラ34から所定の信号を各部に送って、内視鏡装置1を通常観察モードとする。そして、白色光照明下で観察しながら挿入部12を患者の体内に挿入していく。
【0028】通常観察モードでは、光源装置30の上記バンドパスフィルタは光路から待避された状態にあり、高輝度ランプ31から出射される白色光がライトガイドファイバ16に入射し、挿入部12の先端に設けた照明窓17から被検体を照明する。
【0029】光源装置30から白色光が出射されている状態では、光源装置30内のコントローラ34からの選択信号により、プリズム20は図の破線で示す位置にポジショニングされている。このため、被検体からの内視鏡像は観察窓18、結像光学系19及びプリズム20を経由して、固体撮像素子24上に結像する。
【0030】光源装置30内のコントローラ34からの選択信号により、通常観察用信号処理部41及びこれに内蔵される固体撮像素子24の駆動回路が動作状態とされている。これにより、固体撮像素子24上に結像した内視鏡像は、撮像信号に変換されて通常観察用信号処理部41に入力され、画像信号への変換処理がなされた後、画像切り換え部43を介してモニタ装置50に送られ、通常観察画像が画面51上に写し出される。
【0031】挿入部12の先端が観察する目的部位に到達した後に蛍光観察を望む場合、操作者は通常/蛍光観察切り換えスイッチ36により内視鏡装置を蛍光観察モードとする。
【0032】蛍光観察モードにおいては、コントローラ34からの信号によりバンドパスフィルタが高輝度ランプ31とライトガイドファイバ16間の光路中に挿入され、バンドパスフィルタを透過した青色光のみがライトガイドファイバ16に入射し、被検体を照明する。
【0033】蛍光観察モードでは、光源装置30内のコントローラ34からの選択信号により、プリズム20は図の実線で示す位置にポジショニングされている。このため、被検体からの内視鏡像は観察窓18、結像光学系19及びプリズム20を経由して、高感度撮像素子25上に結像する。
【0034】光源装置30内のコントローラ34からの選択信号により、蛍光観察用信号処理部42及びこれに内蔵される高感度撮像素子25の駆動回路が動作状態とされている。これにより、高感度撮像素子25上に結像した内視鏡像は、撮像信号に変換されて蛍光観察用処理部42に入力され、画像信号への変換処理がなされた後、画像切り換え部43を介してモニタ装置50に送られ、蛍光観察画像が画面51上に写し出される。
【0035】本実施の形態に係る内視鏡装置では、固体撮像素子24と高感度撮像素子25とには、同一の観察窓18及び結像光学系19を介して内視鏡像が結像されるので、両観察モードにおいて同一の視野が得られる。この場合において、モニタ装置50の画面51上に通常観察像と蛍光観察像を同一の大きさで表示すると比較検討が容易となる。
【0036】以上述べたように、本実施の形態に係る内視鏡装置では、通常観察時と蛍光観察時とにおいて全く同一視野の画像が表示されるので、操作者に混乱を与えることがない。また、観察対象から最も近い位置である内視鏡の挿入部先端に高感度撮像素子を配置したので、明るく鮮明な蛍光像が得られる。
【0037】図2を参照しながら、本実施の形態に係る内視鏡装置の変形例を示す。図2は変形例の内視鏡装置に用いる蛍光観察カメラの断面図である。
【0038】この変形例は、第1の実施の形態において内視鏡の挿入部先端に搭載した光学系を、ファイバスコープの接眼部に取り付ける蛍光観察カメラに適用したものである。
【0039】本実施の形態に係る蛍光観察カメラ60は、ファイバスコープの操作部61に連設された接眼部62に装着して用いられる。ここで、接眼部62内の光学系は光軸方向に移動可能に構成されており、蛍光観察カメラ60を装着した際に移動してファイバスコープのイメージガイドファイバ端面に伝送された内視鏡像の実像を所定の結像面に結ぶようになされている。
【0040】蛍光観察カメラ60内部には、通常観察に用いる固体撮像素子63と蛍光観察に用いる高感度撮像素子64とが並設されている。高感度撮像素子には、先に述べたCMDの他に、光量を増倍するイメージインテンシファイアを前面に設けたCCDも好適に用いることができる。
【0041】蛍光観察カメラ60内の入射光路中には、光路を90°変換するプリズム65が設けられている。プリズム65には位置調整用レバー66が連接されており、位置調整用レバー66の端部にはノブ67が設けられて蛍光観察カメラ60のハウジング68の外部に延びている。
【0042】ノブ67を押し込むことにより、プリズム65は図の破線の位置に移動し、接眼部62の結像面に設けられた固体撮像素子63上に内視鏡像を結像する。
【0043】ノブ67を引くことにより、プリズム65は図の実線の位置に移動し、接眼部62の結像面に設けられた高感度撮像素子64上に、内視鏡像を結像する。
【0044】固体撮像素子63及び高感度撮像素子64と各々の信号処理部との間で駆動信号及び撮像信号を授受する電線は信号ケーブル69として一体的に束ねられている。
【0045】光源装置30、信号処理装置40及びモニタ装置50は図1に示したものと同様であるから、その説明を省略する。
【0046】本変形例に係る内視鏡装置では、蛍光観察用カメラ60をファイバスコープの接眼部62に装着し、ノブ67を押し込むとともに、光源装置30の通常/蛍光観察切り換えスイッチ36を用いて通常観察モードとする。
【0047】また、蛍光観察を望むときには、ノブ67を引くとともに、光源装置30の通常/蛍光観察切り換えスイッチ36を用いて蛍光観察モードとする。その他の操作は、第1の実施の形態と同様である。
【0048】本変形例に係る内視鏡装置によれば、第1の実施の形態に係る内視鏡装置の効果に加えて、特別の光学系あるいは撮像素子を有しない通常のファイバスコープを用いて蛍光観察をすることができる。したがって、既存の設備にカメラを追加するだけで蛍光観察を行うことができ、きわめて経済的である。また、長さや外径の異なる種々のファイバスコープが使用可能となるので、体内の様々な部位の蛍光観察が可能となる。
【0049】次に、この発明の第2の実施の形態を図3及び図4を参照しながら説明する。図3は内視鏡装置全体の構成を示す構成図であり、図4は各部の動作タイミングを示す説明図である。
【0050】この第2の実施の形態は、内視鏡の挿入部先端に設けられた単一の撮像素子によって通常観察像及び蛍光観察像の両者を撮像可能とするとともに、タイミングコントローラによって通常観察と蛍光観察とを順次切り換え、モニタ装置上に2種類の画像を同時に表示可能とするものである。
【0051】図3に示すように、内視鏡装置101は、内視鏡本体110と、内視鏡本体110に照明光を供給する光源装置130と、内視鏡本体110により得られた撮像信号を画像化する信号処理装置140と、内視鏡画像を表示するモニタ装置150とから構成される。
【0052】内視鏡本体110は、挿入操作、処置操作及び一部の信号処理の指示を行うための操作部111、体腔内に挿入される細長の挿入部112、光源装置130からの照明光を内視鏡本体へ導入するライトガイドケーブル部113、及び内視鏡本体110からの撮像信号を信号処理装置140へ伝送する信号ケーブル部114とからなる。
【0053】ライトガイドファイバ116及び照明窓117は、第1の実施の形態のものと同様であるので、説明を省略する。
【0054】内視鏡の挿入部112の先端には、観察窓118が配され、その後ろ側に被検体の内視鏡像を結像する結像光学系119及び固体撮像素子120が設けられている。
【0055】結像光学系119と固体撮像素子120との間には、カラー液晶フィルタ121が設けられている。カラー液晶フィルタ121は、制御信号により透過する光の波長を制御することが可能であり、固体撮像素子120上に任意の波長の光のみを結像させることができる。具体的には、緑色波長の光のみ、赤色波長の光のみ、あるいはすべての光の3種類の光を選択的に透過させることが可能である。
【0056】内視鏡の操作部111には、固体撮像素子120のゲインを調節するための入力手段122が設けられている。
【0057】光源装置130には、高輝度ランプ131及び集光レンズ132が設けられており、ライトガイドファイバ116の端面に集光レンズ132からの出射光が入射されるよう配置されている。
【0058】集光レンズ132とライトガイドファイバ116の入射端面との間には、回転フィルタ133が設けられている。回転フィルタ133には赤、緑、青、蛍光励起用の青の4つのフィルタが設けられており、モータ134により回転駆動されて上記各波長領域の光をライトガイドファイバ116に順次入射する。
【0059】モータ134は、光源装置130内に設けられたタイミングコントローラ135によってその動作が制御される。タイミングコントローラ135からの制御信号は、信号処理装置140及び高輝度ランプ131へも送られる。この制御信号により、高輝度ランプ131の光量を変化させるようになっている。
【0060】信号処理装置140には、固体撮像素子120からの撮像信号を画像化する信号処理部141と、信号処理部141が出力する画像信号を記憶する画像メモリ142と、画像メモリ142に記憶されている複数の画像を統合処理する画像統合部143とが設けられている。
【0061】信号処理部141は、固体撮像素子120へ駆動信号を供給する駆動回路(図示せず)を有している。
【0062】光源装置130内のタイミングコントローラ135から信号処理装置140に送られた制御信号は、カラー液晶フィルタ121、信号処理部141及び画像メモリ142に供給される。
【0063】カラー液晶フィルタ121はこの制御信号を受けて、上述の緑色光、赤色光及び全波長の選択的透過作用を行う。
【0064】信号処理部141はこの制御信号により、動作タイミングが制御される。
【0065】また、画像メモリ142はこの制御信号を受けて、各色の画像信号の書き込み制御を行う。
【0066】画像統合部143に統合処理された画像信号は、モニタ装置150上に通常観察画像151及び蛍光観察画像152として表示される。
【0067】次に、図4を参照しながら、第2の実施の形態の作用を説明する。図4は光源装置130内のタイミングコントローラ135によって制御される回転フィルタ133の透過波長領域、カラー液晶フィルタ121の透過波長領域及び高輝度ランプ131の光量の時間的変化を示す説明図である。
【0068】高輝度ランプ131からの光は、回転する回転フィルタ133を透過することにより、図4のように赤(R)、緑(G)、青(B)及び蛍光励起用の青(B’)となり、ライトガイドファイバ116に入射する。したがって、被検体はこの順序で各色の光により照明されることになる。
【0069】被検体の像は、結像光学系119を介してカラー液晶フィルタ121を透過し、固体撮像素子120上に結像する。カラー液晶フィルタ121は、図4に示すように、照明光がR、G、Bのときには全波長透過する透明状態となり、B’のときにはG領域及びR領域の蛍光像を透過するように制御される。こうして回転フィルタ133の回転の一周期につき、通常観察のR,G,B画像及び蛍光観察のG,R画像の計5つの画像が撮像される。
【0070】この撮像信号は、信号処理部141に伝送され、順次画像信号化され、画像メモリ142に記憶される。
【0071】画像メモリ142に記憶された上記5つの画像のうち、通常観察のR,G,Bは画像統合部143にて重ね合わせられて通常観察画像となる。
【0072】また、画像メモリ142に記憶された上記5つの画像のうち、蛍光観察のG,R画像は、画像統合部143にて重ね合わされて蛍光観察画像となる。
【0073】このようにして得られた通常観察画像と蛍光観察画像は、モニタ装置150上に並べて表示されるように画像統合部143にて処理され、モニタ装置150にて表示される。
【0074】なお、一般に生体から発せられる蛍光は微弱であるので、本実施の形態においては、蛍光励起用の照明が行われるタイミングで、高輝度ランプ131の光量を増加させるように制御している(図4参照)。
【0075】さらに、観察する患者や観察部位によって、被検体から発せられる蛍光の色調が異なることがある。そこで、本実施の形態においては、操作部111に設けられた入力手段122から信号処理部141に蛍光観察のR画像とG画像に対する各増幅率あるいはその比を入力して、両画像の色調を調節できるようにしてある。
【0076】この第2の実施の形態によれば、一つの固体撮像素子にて通常観察及び蛍光観察を行うことができるので、内視鏡を細径化することが可能である。また、同一視野の通常観察画像と蛍光観察画像とを同時にモニタ上に表示することができる。
【0077】なお、本実施の形態の説明において、固体撮像素子120は内視鏡本体110の先端部に設けるようにしたが、上述の変形例と同様に内視鏡の接眼部に装着するカメラに設けるようにしてもよい。このとき、上記の増幅率あるいは比の入力手段もまたカメラに設けるようにすると、操作上有利である。
【0078】以上述べた本発明に係る内視鏡用処置具は、次のように要約されうる。
(付記1)被検体の内視鏡像を結像する結像光学系と、この結像光学系の出射側の光軸上における複数の位置にて選択的に光路を変換する光路変換手段と、前記選択的に変換される各光路に対応して、前記結像光学系の結像面にそれぞれ配置される複数の撮像素子と、を有することを特徴とする内視鏡装置。
(付記2)前記光路変換手段は、前記光路の光軸の向きを一定方向に変換する方向変換部と、前記方向変換部の位置または向きを変化させる駆動手段と、を有することを特徴とする付記1記載の内視鏡装置。
(付記3)前記複数の撮像素子は、内視鏡先端に設けられていることを特徴とする付記1記載の内視鏡装置。
(付記4)前記複数の撮像素子の少なくとも一つは他の撮像素子よりも高感度に撮像可能であることを特徴とする付記3記載の内視鏡装置。
(付記5)前記内視鏡装置の内視鏡本体に接続されるカメラを有し、前記複数の撮像素子は前記カメラに設けられていることを特徴とする付記1記載の内視鏡装置。
(付記6)前記カメラに設けられている複数の撮像素子の少なくとも一つ以上はイメージインテンシファイア付きの固体撮像素子であることを特徴とする付記5記載の内視鏡装置。
(付記7)前記光路変換手段の光路の変換に応じて、前記光路変換手段にて変換された光路に対応する前記撮像素子を動作状態とする制御手段を有することを特徴とする付記1記載の内視鏡装置。
(付記8)白色光及び紫外から青色波長の励起光を選択的に出射するとともに、前記励起光を選択したとき光量を増加する光源装置と、被検体の反射像または蛍光像を撮像する撮像手段と、この撮像手段の像入射側に設けられ、前記励起光よりも長波長領域に属する光及び前記白色光の全波長領域に属する光を選択的に透過するカラー液晶フィルタと、前記光源装置から前記励起光が出射されるタイミングと、前記カラー液晶フィルタが前記励起光よりも長波長領域に属する光を透過するタイミングとを同期制御するタイミングコントローラと、を有することを特徴とする内視鏡装置。
(付記9)紫外から青色波長の光を出射し被検体を照明する光源装置と、被検体から発せられる自家蛍光のうち、複数の異なる波長帯域を撮像する撮像素子を有する内視鏡と、撮像された信号を画像信号化し、複数の波長帯域の画像信号を重畳処理して出力する画像信号処理部と、前記画像信号処理部から出力される画像信号を表示するモニタ装置と、を有する内視鏡装置において、前記内視鏡は、前記撮像素子が撮像する波長帯域によって前記画像信号処理部の信号の増幅率の比率を変化させるゲイン設定信号の入力手段を有することを特徴とする内視鏡装置。
(付記10)前記撮像素子は前記内視鏡先端に設けられており、前記入力手段は、前記内視鏡の操作部に設けられていることを特徴とする付記9記載の内視鏡装置。
(付記11)前記内視鏡の接眼部に装着されたカメラを有し、前記撮像素子は前記カメラに内蔵されており、前記入力手段は前記カメラに設けられていることを特徴とする付記9記載の内視鏡装置。
【0079】
【発明の効果】以上述べたように、本発明に係る内視鏡装置によれば、全く同一視野の通常観察像及び蛍光観察像をモニタ装置上に表示できるので、操作者に混乱を与えることなく精密な診断を行うことが可能となる。
【出願人】 【識別番号】000000376
【氏名又は名称】オリンパス光学工業株式会社
【出願日】 平成9年(1997)10月14日
【代理人】
【公開番号】 特開平11−113839
【公開日】 平成11年(1999)4月27日
【出願番号】 特願平9−280755