トップ :: A 生活必需品 :: A61 医学または獣医学;衛生学




【発明の名称】 X線断層撮影方法及びX線断層撮影装置
【発明者】 【氏名】堀内 哲也

【要約】 【課題】各スライス間でイメージデータの画素値の範囲を同一の好ましい範囲内に収めることが可能なX線断層撮影方法及びX線断層撮影装置を実現する。

【解決手段】被検体に向けてX線を照射するX線源2と、照射されたX線の被検体透過情報を検出するX線検出器3と、X線の照射及び検出を制御する制御手段15とを備え、前記制御手段は、被検体の断層撮影前に相互に異なる2つの角度位置に前記X線源の角度位置を定めて該当被検体のスカウト撮影をそれぞれ実行してそれぞれのスカウト像を生成するよう制御し、投影表示データ面積によるイメージデータの標準偏差,イメージデータの所望の標準偏差,及び前記X線源の2つの角度位置において得られたスカウト像における画素値の減弱比を参照してスキャン条件を求め、該スキャン条件に従って被検体の断層撮影を実行するよう制御する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 X線源から出射されたX線を測定空間に載置された被検体に照射し、透過したX線をX線検出素子列で検出するX線断層撮影方法であって、被検体の断層撮影前に相互に異なる2つの角度位置に前記X線源の角度位置を定めて該当被検体のスカウト撮影をそれぞれ実行してそれぞれのスカウト像を生成し、投影表示データ面積によるイメージデータの標準偏差,イメージデータの所望の標準偏差,及び前記X線源の2つの角度位置において得られたスカウト像における画素値の減弱比を参照してスキャン条件を求め、該スキャン条件に従って被検体の断層撮影を実行するX線断層撮影方法。
【請求項2】 被検体に向けてX線を照射するX線源と、照射されたX線の被検体透過情報を検出するX線検出器と、X線の照射及び検出を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、被検体の断層撮影前に相互に異なる2つの角度位置に前記X線源の角度位置を定めて該当被検体のスカウト撮影をそれぞれ実行してそれぞれのスカウト像を生成するよう制御し、投影表示データ面積によるイメージデータの標準偏差,イメージデータの所望の標準偏差,及び前記X線源の2つの角度位置において得られたスカウト像における画素値の減弱比を参照してスキャン条件を求め、該スキャン条件に従って被検体の断層撮影を実行するよう制御する、ことを特徴とするX線断層撮影装置。
【請求項3】 前記制御手段は、そのときのX線源の角度位置で得られるスカウト像の画素値の最大値が極大値及び極小値を与えると考えられるそれぞれの角度位置にX線源を定めることを特徴とする請求項2記載のX線断層撮影装置。
【請求項4】 スカウト像の画素値の最大値が極大値を与えるX線源の角度位置を矢状面と平行な方向に選び、スカウト像の画素値の最大値が極小値を与えるX線源の角度位置を前額面と平行な方向に選ぶことを特徴とする請求項3記載のX線断層撮影装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はX線断層撮影方法及びX線断層撮影装置に関し、特に、各スライス間でイメージデータの画素値の範囲を同一の好ましい範囲内に収めることに配慮したX線断層撮影方法及びX線断層撮影装置に関する。
【0002】
【従来の技術】X線断層撮影装置においては、X線源から扇状のX線ビーム(beam)を被検体に照射し、その透過X線を扇状X線ビームの広がりに合わせて配列された複数個の検出素子からなる1次元アレイ(array )のX線検出素子列で測定する。
【0003】そして、透過X線の測定は、X線源とX線検出素子列を被検体の周囲を回転させながら複数のビュー(view)方向で行う。このような透過X線の測定はスキャン(scan)と呼ばれている。そして、スキャンによって得られた複数ビューの測定データに基づいて、被検体の断層像を再構成している。
【0004】このようにして被検体の断層像のイメージデータを生成してCRTディスプレイ等の画像表示装置に表示する場合、イメージデータの画素値(X線断層撮影装置の場合にはCT値)はX線の透過率によって定められ、一般的には空気を−1000,水を0となるように定めている。
【0005】そして、このようなイメージデータの画素値を256階調程度の表示用データに変換して画像表示を行っている。この場合の表示用データの階調数は、画像表示回路やCRTディスプレイの回路構成によって異なるが、一般的には、濃度データを8ビットで処理する256階調程度のものが一般的であり、イメージデータの画素値の−1000〜+2000のような広い範囲の階調を用意して表示することは現実的ではない。
【0006】例えば、注目すべき被検体の臓器の画素値がCT値で−150〜+150の間に分布しているような場合には、ウィンドウ幅なる概念を導入し、このウィンドウ幅の範囲内を256階調で表示できるように表示用データを変換して濃淡で画像表示を行うと共に、上限値を超える部分を白または黒で表示し、下限値に満たない部分を黒または白で表示する。このようにすることで、注目したい部分のイメージデータを階調による表示可能範囲に収めることができ、コントラストの変化として表示できるようになる。
【0007】ところで、断層撮影を開始する前に、好ましい断層撮影位置を決定するためのスカウトスキャンを行うことがある。このスカウトスキャンでは、X線管とX線検出器とを固定しておき、被検体を載置する寝台天板を移動させつつX線を曝射してX線透視像を得る。
【0008】そして、このスカウトスキャンの際の透過X線の検出値の平均値よりX線減弱を推定して、スキャン条件としてのX線量を決定することが、特開平1−293844号公報に記載されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、被検体の体形は個々に異なっており、ひとつのX線源の角度位置によるスカウトスキャンの検出値から、最適なスキャン条件を求めることは困難である。
【0010】すなわち、被検体の断面形状が各スライス毎に異なっていることにより、イメージデータが取得される画素値の範囲にばらつきが生じるようになる。つまり、各スライス毎に得られるイメージデータの画素値における範囲がが異なるという問題が発生する。
【0011】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので、その目的は、各スライス間でイメージデータの画素値の範囲を同一の好ましい範囲内に収めることが可能なX線断層撮影方法及びX線断層撮影装置を実現することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】すなわち、課題を解決する手段としての本発明は以下に説明するようなものである。
【0013】(1)請求項1記載の発明は、X線源から出射されたX線を測定空間に載置された被検体に照射し、透過したX線をX線検出素子列で検出するX線断層撮影方法であって、被検体の断層撮影前に相互に異なる2つの角度位置に前記X線源の角度位置を定めて該当被検体のスカウト撮影をそれぞれ実行してそれぞれのスカウト像を生成し、投影表示データ面積によるイメージデータの標準偏差,イメージデータの所望の標準偏差,及び前記X線源の2つの角度位置において得られたスカウト像における画素値の減弱比を参照してスキャン条件を求め、該スキャン条件に従って被検体の断層撮影を実行するX線断層撮影方法である。
【0014】この請求項1の発明では、投影表示データ面積によるイメージデータの標準偏差σと、X線源の2つの角度位置それぞれにおいて得られた画素値の減弱比とから、デフォルトとして設定しているスキャン条件default_mAsにおけるイメージデータの標準偏差σ′が求まる。そして、この標準偏差σ′と所望の標準偏差σtargetとから、所望の標準偏差を得るために必要なスキャン条件Scan・mAsが求まる。このようにして求められたスキャン条件に従って被検体の断層撮影を実行する。
【0015】この結果、イメージデータの標準偏差がσtargetになるように各スライスのスキャン条件を制御することができ、各スライス間で画素値のばらつきの範囲を同一の好ましい範囲内に収めることが可能になる。
【0016】(2)請求項2記載の発明は、被検体に向けてX線を照射するX線源と、照射されたX線の被検体透過情報を検出するX線検出器と、X線の照射及び検出を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、被検体の断層撮影前に相互に異なる2つの角度位置に前記X線源の角度位置を定めて該当被検体のスカウト撮影をそれぞれ実行してそれぞれのスカウト像を生成するよう制御し、投影表示データ面積によるイメージデータの標準偏差,イメージデータの所望の標準偏差,及び前記X線源の2つの角度位置において得られたスカウト像における画素値の減弱比を参照してスキャン条件を求め、該スキャン条件に従って被検体の断層撮影を実行するよう制御する、ことを特徴とするX線断層撮影装置である。
【0017】この請求項2の発明では、制御手段の働きにより、投影表示データ面積によるイメージデータの標準偏差σと、X線源の2つの角度位置において得られたスカウト像における画素値の減弱比とから、デフォルトとして設定しているスキャン条件default_mAsにおけるイメージデータの標準偏差σ′が求まる。そして、この標準偏差σ′と所望の標準偏差σtargetとから、所望の標準偏差を得るために必要なスキャン条件scan_mAsが求まる。このようにして求められたスキャン条件に従って被検体の断層撮影を実行する。
【0018】この結果、イメージデータの標準偏差がσtargetになるように各スライスのスキャン条件を制御することができ、各スライス間で画素値のばらつきの範囲を同一の好ましい範囲内に収めることが可能になる。
【0019】(3)請求項3記載の発明は、上記(2)のX線断層撮影装置において、前記制御手段は、そのときのX線源の角度位置で得られるスカウト像の画素値の最大値が極大値及び極小値を与えると考えられるそれぞれの角度位置にX線源を定めることを特徴とする。
【0020】この請求項3の発明では、スキャン条件を求める際に使用する2方向のスカウト像に関しては、該スカウト像における画素値の最大値が極大値及び極小値を与えると考えられるスカウト撮影の方向をそれぞれのX線源の照射方向として選んでいるため、投影表示データ面積によるイメージデータの標準偏差σと前記減弱比とを利用して、実際の被検体におけるイメージデータの標準偏差σ′を正確に求められる。
【0021】この結果、イメージデータの標準偏差が所望の値になるように各スライスのスキャン条件を制御することができ、各スライス間で画素値のばらつきの範囲を同一の好ましい範囲内に収めることが可能になる。
【0022】(4)請求項4記載の発明は、上記(3)のX線断層撮影装置において、スカウト像の画素値の最大値が極大値を与えるX線源の角度位置を矢状面と平行な方向に選び、スカウト像の画素値の最大値が極小値を与えるX線源の角度位置を前額面と平行な方向に選ぶことを特徴とする。
【0023】この請求項4の発明では、スキャン条件を求める際に使用する2方向のスカウト像に関しては、該スカウト像における画素値の最大値が極大値及び極小値を与えると考えられる矢状面方向と前額面方向にスカウト撮影の2方向を選んでいるため、投影表示データ面積によるイメージデータの標準偏差σと前記減弱比とを利用して、実際の被検体におけるイメージデータの標準偏差σ′を正確に求められる。
【0024】この結果、イメージデータの標準偏差が所望の値になるように各スライスのスキャン条件を制御することができ、各スライス間で画素値のばらつきの範囲を同一の好ましい範囲内に収めることが可能になる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実施の形態例を詳細に説明する。図1は本発明の原理的なX線断層撮影方法の処理手順を示すフローチャート、図2は本発明のX線断層撮影方法を実現するX線断層撮影装置の一例としてX線CTスキャナを用いた場合の全体構成を示す構成図である。
【0026】<X線断層撮影装置の構成>まず、図2を用いてX線CTスキャナを用いた場合のX線断層撮影装置の全体構成を説明する。
【0027】ガントリ1はX線CTの機構部分であり、X線管2と検出器3とで被検体の周囲で各種のスキャン方式に応じた動作を機械的若しくは電気的に行わせるものである。
【0028】テーブル4は被検体5が載置された状態でガントリ1の内部に送り込まれるものである。この際、ガントリ1のティルト(tilt)並びにテーブル4の移動等はテーブル・ガントリ制御装置6によって制御される。
【0029】また、X線管2はX線管駆動発生制御装置7の制御により回転/停止及びX線の発生/休止を行うよう制御される。従って、テーブル・ガントリ制御装置6及び後述するシステム制御装置が、駆動制御手段を構成している。
【0030】検出器3は検出器駆動装置8の制御により被検体5の周囲をX線管2と一体になって回転するものである。X線管2の照射により被検体5を透過したX線は検出器3で検出され、データ収集装置(DAS)9でデータが収集される。収集されたデータはスカウト像生成部11と画像再構成装置11に転送される。
【0031】スカウト像生成部10はスカウト撮影により得られた被検体透過投影データからスカウト像を生成するものである。このスカウト像はスキャン位置の決定やスキャン条件の決定に用いられる。
【0032】画像再構成装置11は入力されたデータを画像再構成してイメージデータを生成し、このイメージデータを表示装置20に表示し、同時にデータ格納装置12に格納する。
【0033】データ格納装置12に格納されたイメージデータは読み出されて画像処理装置13において以下に説明する投影イメージが形成され、その投影イメージは表示装置20に表示される。
【0034】操作部14は各種指示が入力される入力手段であり、この操作部14からの各種指示及び予め定められた動作プログラム,スキャン計画に従ってシステム制御装置15が装置全体を制御する。
【0035】<X線断層撮影方法>次に上述のX線断層撮影装置の行うX線断層撮影方法を図1のフローチャートを参照して説明する。
【0036】[スカウト像生成]まず、被検体5の断層撮影を実行する前に、該当被検体のスカウト撮影を複数の方向から実行する。
【0037】最初に、第1のスカウト撮影により第1のスカウト像を生成する(図1S1)。この場合、図3に示すように、スカウト撮影の方向を直交する2方向に定める。例えば、図3の0°位置(被検体の真上)にX線管2を配置し、180°位置(被検体の真下)に検出器3を配置する。そして、このようにガントリ回転部を固定した状態でテーブル4を体軸方向(図3の紙面垂直方向)に移動させつつ、X線の照射を行って被検体透過投影データを検出し、スカウト像生成部11が第1のスカウト像を生成する。
【0038】次に、第2のスカウト撮影により第2のスカウト像を生成する(図1S2)。すなわち、図3の90°位置(被検体の真横)にX線管2を配置し、270°位置(X線管と反対側の被検体の真横)に検出器3を配置する。そして、このようにガントリ回転部を固定した状態で状態でテーブル4を体軸方向(図3の紙面垂直方向)に移動させつつ、X線の照射を行って被検体透過投影データを検出し、スカウト像生成部11が第2のスカウト像を生成する。
【0039】以上のような要領で多数の方向のスカウト像を生成することを想定した場合、各スカウト像における画素値の最大値が極大となると考えられるひとつのスカウト像を一方のスカウト像とし、各スカウト像における画素値の最大値が極小となると考えられる別のひとつのスカウト像を他方のスカウト像とするように、第1のスカウト像と第2のスカウト像とを選定することが望ましい。
【0040】すなわち、図3のような断面が偏平な被検体の場合には、0°方向と90°方向(または270°方向)というような直交する2方向が望ましい。このようなスカウト撮影により、後述する減弱比による標準偏差の補正が可能になる。
【0041】[初期設定]ここで、X線断層撮影に関する管電圧,スライス厚,再構成関数の選択といった初期設定を操作者が行う(図1S3)。すなわち、この初期設定では、X線断層撮影に関して必要な各種のパラメータが操作者によって操作部14から設定される。また、スカウト像生成部11により生成されたスカウト像を参照して、システム制御装置15がX線断層撮影でのスキャン位置(スライス位置)決定(図1S4)を行う。
【0042】[標準偏差によるスキャン条件決定]
■画像SDの算出(図1S5)
イメージデータの標準偏差(以下、画像SDと呼ぶ)σについては、被検体(人体または人体透過物質)をデフォルトの撮影条件で撮影したときの投影表示データの面積(projection area)と画像SDσpixelとの関係式は以下のようになっている。
【0043】σpixel=f(projection area)
なお、ここで投影表示データの面積はスカウト像から概略値として求めることが可能であり、fは所定の関数である。また、この画像SDについては、被検体を円形の断面であると仮定して求めている。また、表示画像として算出されたデータである投影表示データのかわりに、前処理直後の段階のデータである透過投影データの面積を用いてもかまわない。
【0044】そして、このような画像SDσpixelについて予めいくつかの値で求めたものから関数あるいはテーブルとして備えておき、スカウト像から得られる投影表示データの面積に応じて各スライス毎に画像SDを求めるようにする。
【0045】■画像SDの補正(図1S6)
次に、上記■で求めた各スライス毎の画像SDを、スカウト像の直交2方向の減弱比に応じて補正する。すなわち、被検体の実際の断面形状に応じた画像SDσ′を各スライス毎に求めるようにする。
【0046】この場合の画像SDはσ′pixelとして、以下の式でσと減弱比とから求めることが可能である。
σ′pixel=σpixel×g(projectionMax_90°/projectionMax_0°)
ただし、projectionMax_90°>projectionMax_0°の場合,σ′pixel=σpixel×g(projectionMax_0°/projectionMax_90°)
ただし、projectionMax_0°>projectionMax_90°の場合,ここで、0°のスカウト撮影で得られた画素値の最大値をprojectionMax_0°とし、90°のスカウト撮影で得られた画素値の最大値を、projectionMax_90°とする。すなわち、これらの比が減弱比になる。
【0047】また、gは1次または2〜3次程度の関数であり、円形断面でのσと被検体のスカウト撮影での減弱比とから、被検体の断面形状に即した画像SDであるσ′を求めることができる。また、画素値のかわりに、透過投影データの値を用いてもかまわない。
【0048】■スキャン条件の決定一般に、画像SDと撮影条件(管電流と照射時間との積:mAs)との間には、以下の式が成立することが知られている。
【0049】σtarget/σ′pixel=√(default_mAs/scan_mAs)
従って、所望の画像SDの値をσtargetとして与える(図1S7)ことで、前述したσ′pixelとデフォルトの撮影条件default_mAsとから、各スライス毎にσtargetを満たす撮影条件scan_mAsを求めることができる(図1S8)。
【0050】そして、このように求めた撮影条件scan_mAsをシステム制御装置15が表示装置20等に表示して、適正な値になっているかを操作者が確認(図1S9)し、承認した時点でスキャン計画が完了し、スキャン実行待ち状態になる。
【0051】[スキャン実行]以上のような設定や演算により設定された各種パラメータに基づいてX線断層撮影についてのスキャンが実行される(図1S10)。すなわち、ガントリ回転部の回転開始と共にX線照射がオンされ、X線管2からX線の照射が行われる。
【0052】このX線の照射については、上述したように求められた撮影条件scan_mAsに基づいて各スライス毎に、画像SDについてσtargetを満たすようなX線の照射を行う。
【0053】そして、スキャンによるデータ収集が検出器3により行われる。このようにして収集されたデータに基づいて、画像再構成装置11は画像再構成を実行してイメージデータを生成し、このイメージデータを表示装置20に表示し、同時にデータ格納装置12に格納する。
【0054】<本実施の形態例により得られる効果>■投影表示データ面積によるイメージデータの標準偏差σと、X線源の2つの角度位置において得られたスカウト像における画素値の減弱比とから、デフォルトとして設定しているスキャン条件default_mAsにおけるイメージデータの標準偏差σ′が求まり、この標準偏差σ′と所望の標準偏差σtargetとから、所望の標準偏差を得るために必要なスキャン条件Scan・mAsが求まる。
【0055】この結果、イメージデータの標準偏差がσtargetになるように各スライスのスキャン条件を制御することができ、各スライス間で画素値のばらつきの範囲を同一の好ましい範囲内に収めることが可能になる。
【0056】■スキャン条件を求める際に使用する2方向のスカウト像に関しては、該スカウト像における画素値の最大値が極大値及び極小値を与えると考えられるスカウト撮影の方向を上記2方向としているため、投影表示データ面積によるイメージデータの標準偏差σと前記減弱比とを利用して、実際の被検体におけるイメージデータの標準偏差σ′を正確に求められる。
【0057】この結果、イメージデータの標準偏差が所望の値になるように各スライスのスキャン条件を制御することができ、各スライス間で画素値のばらつきの範囲を同一の好ましい範囲内に収めることが可能になる。
【0058】■スキャン条件を求める際に使用する2方向のスカウト像に関しては、該スカウト像における画素値の最大値が極大値及び極小値を与えると考えられる矢状面方向(サジタル方向)と前額面方向(コロナル方向)にスカウト撮影の2方向を選んでいるため、投影表示データ面積によるイメージデータの標準偏差σと前記減弱比とを利用して、実際の被検体におけるイメージデータの標準偏差σ′を正確に求められる。
【0059】この結果、イメージデータの標準偏差が所望の値になるように各スライスのスキャン条件を制御することができ、各スライス間で画素値のばらつきの範囲を同一の好ましい範囲内に収めることが可能になる。
【0060】
【発明の効果】以上実施の形態例と共に詳細に説明したように、この明細書記載の各発明によれば以下のような効果が得られる。
【0061】(1)請求項1記載のX線断層撮影方法の発明では、投影表示データ面積によるイメージデータの標準偏差σと、X線源の2つの角度位置において得られたスカウト像における画素値の減弱比とから、デフォルトとして設定しているスキャン条件default_mAsにおけるイメージデータの標準偏差σ′が求まる。そして、この標準偏差σ′と所望の標準偏差σtargetとから、所望の標準偏差を得るために必要なスキャン条件Scan・mAsが求まる。このようにして求められたスキャン条件に従って被検体の断層撮影を実行する。
【0062】この結果、イメージデータの標準偏差がσtargetになるように各スライスのスキャン条件を制御することができ、各スライス間で画素値のばらつきの範囲を同一の好ましい範囲内に収めることが可能になる。
【0063】(2)請求項2記載のX線断層撮影装置の発明では、制御手段の働きにより、投影表示データ面積によるイメージデータの標準偏差σと、X線源の2つの角度位置において得られたスカウト像における画素値の減弱比とから、デフォルトとして設定しているスキャン条件default_mAsにおけるイメージデータの標準偏差σ′が求まる。そして、この標準偏差σ′と所望の標準偏差σtargetとから、所望の標準偏差を得るために必要なスキャン条件scan_mAsが求まる。このようにして求められたスキャン条件に従って被検体の断層撮影を実行する。
【0064】この結果、イメージデータの標準偏差がσtargetになるように各スライスのスキャン条件を制御することができ、各スライス間で画素値のばらつきの範囲を同一の好ましい範囲内に収めることが可能になる。
【0065】(3)請求項3記載のX線断層撮影装置の発明では、スキャン条件を求める際に使用する2方向のスカウト像に関しては、該スカウト像における画素値の最大値が極大値及び極小値を与えると考えられるスカウト撮影の方向をそれぞれのX線源の照射方向として選んでいるため、投影表示データ面積によるイメージデータの標準偏差σと前記減弱比とを利用して、実際の被検体におけるイメージデータの標準偏差σ′を正確に求められる。
【0066】この結果、イメージデータの標準偏差が所望の値になるように各スライスのスキャン条件を制御することができ、各スライス間で画素値のばらつきの範囲を同一の好ましい範囲内に収めることが可能になる。
【0067】(4)請求項4記載のX線断層撮影装置の発明では、スキャン条件を求める際に使用する2方向のスカウト像に関しては、該スカウト像における画素値の最大値が極大値及び極小値を与えると考えられる矢状面方向と前額面方向にスカウト撮影の2方向を選んでいるため、投影表示データ面積によるイメージデータの標準偏差σと前記減弱比とを利用して、実際の被検体におけるイメージデータの標準偏差σ′を正確に求められる。
【0068】この結果、イメージデータの標準偏差が所望の値になるように各スライスのスキャン条件を制御することができ、各スライス間で画素値のばらつきの範囲を同一の好ましい範囲内に収めることが可能になる。
【出願人】 【識別番号】000121936
【氏名又は名称】ジーイー横河メディカルシステム株式会社
【出願日】 平成9年(1997)9月30日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】井島 藤治 (外1名)
【公開番号】 特開平11−104121
【公開日】 平成11年(1999)4月20日
【出願番号】 特願平9−266220