| 【発明の名称】 |
医用X線撮影装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】竹内 博志
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| 【要約】 |
【課題】容易に携帯可能で、移動先において容易に組み立てX線撮影を行うことができる医用X線撮影装置を提供する。
【解決手段】この医用X線撮影装置は、X線管6を設けたX線ヘッド4と、X線ヘッド4から被検者に向けて照射され被検者を透過したX線を受けて画像信号を出力する撮影部2と、撮影部2から出力された画像信号を増幅しデジタル信号に変換すると共に、デジタル画像信号を演算処理する画像信号処理部と、画像信号処理部で処理されたX線画像を表示する表示器30と、X線管6に高電圧を印加する高電圧発生部20を含む電源部と、を有する。X線ヘッド4、撮影部2、画像信号処理部、表示器30及び電源部が持ち運び可能なケース1内に収納され、撮影時には少なくともX線ヘッド4をケース1から出し、組み立てて使用する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 X線管を設けたX線ヘッドと、該X線ヘッドから被検者に向けて照射され該被検者を透過したX線を受けて画像信号を出力する撮影部と、該撮影部から出力された画像信号を増幅しデジタル信号に変換すると共に、該デジタル画像信号を演算処理する画像信号処理部と、該画像信号処理部で処理されたX線画像を表示する表示器と、該X線管に高電圧を印加する高電圧発生部を含む電源部と、を備え、該X線ヘッド、撮影部、画像信号処理部、表示器及び電源部が持ち運び可能な本体内に収納され、撮影時には少なくとも該X線ヘッドを該本体から出し、所定の位置にセットして使用することを特徴とする医用X線撮影装置。 【請求項2】 前記撮影部は、基板上に光電検出素子を一列直線状に配置し該光電検出素子上にシンチレーション結晶を取着してなる一次元の検出器アレイと、該検出器アレイをその長手方向と直交する水平方向に移動させる水平移動機構と、を備えたことを特徴とする請求項1記載の医用X線撮影装置。 【請求項3】 前記撮影部は、パネル上にシンチレーション結晶を取着してなるシンチレーションパネルと、該シンチレーションパネルから放射された光を受けて二次元の撮像素子上にその像を結像させ、その画像信号を出力するカメラ部と、を備えたことを特徴とする請求項1記載の医用X線撮影装置。 【請求項4】 前記撮影部は、大形の基板上に多数の光電検出素子をマトリックス状に配置し該光電検出素子上にシンチレーション結晶を取着してなる二次元検出器アレイを備えたことを特徴とする請求項1記載の医用X線撮影装置。 【請求項5】 前記本体は、上部にベッド部を設けた可搬式の簡易診察台として形成され、該本体の底部にキャスターが設けられていることを特徴とする請求項1記載の医用X線撮影装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、在宅治療を受ける患者の自宅や救急患者のいる現場等に、容易に携帯或は運搬可能で、その移動先においてX線撮影を行うことができる医用X線撮影装置に関する。 【0002】 【従来の技術】医用のX線撮影装置は、一般に、被検者を保持する撮影台と、その撮影台の近傍に位置するX線管と、X線管に対向して位置するII、カメラ装置等を含む撮影部と、操作スイッチやモニタ等を設けた撮影操作卓とからなり、通常、この装置は、病院のレントゲン室等に設置され、その部屋の中で使用される。病院内で、患者の部屋まで移動してX線撮影を行うことができるX線フィルム使用のX線撮影装置もあるが、そのような撮影装置は、大形で重量があるために、通常、病院内での使用に限られ、在宅治療を行う患者の自宅等に移動して使用することはできない。また、レントゲン車のように、車に搭載されたX線撮影装置があるが、この種の撮影装置は、車に固定・設置されたもので、患者の自宅等に搬入して使用することはできない。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】近年、在宅治療を受ける老人患者等が増加しつつあるが、現状では心電計、血圧計程度の器具を患者の場所まで運んで検査を行っている。しかし、在宅患者のX線撮影を行う場合には、患者を病院まで運んでX線撮影を行う必要があり、撮影時には、患者にとっても介護者や医師にとっても大きな負担となっている。そこで、在宅の患者や救急患者であって、自宅や現場でX線撮影を行うことができる医用X線撮影装置が要望されていた。 【0004】本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、容易に携帯或は運搬可能で、移動先において容易に組み立てX線撮影を行うことができる医用X線撮影装置を提供することを目的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明の医用X線撮影装置は、X線管を設けたX線ヘッドと、X線ヘッドから被検者に向けて照射され被検者を透過したX線を受けて画像信号を出力する撮影部と、撮影部から出力された画像信号を増幅しデジタル信号に変換すると共に、デジタル画像信号を演算処理する画像信号処理部と、画像信号処理部で処理されたX線画像を表示する表示器と、X線管に高電圧を印加する高電圧発生部を含む電源部と、を備え、X線ヘッド、撮影部、画像信号処理部、表示器及び電源部が持ち運び可能な本体内に収納され、撮影時には少なくともX線ヘッドを本体から出し、所定の位置にセットして使用することを特徴とする。 【0006】 【作用・効果】このような構成の医用X線撮影装置は、装置の各部が持ち運び可能な本体に収納されるため、在宅治療を受ける患者の自宅や救急患者の現場等に、持ち運び、その現場でX線撮影を行うことができる。 【0007】撮影時には少なくともX線ヘッドを本体から出し、撮影部の上方に位置するようにセットし、撮影部上に被検者を載せX線撮影する。撮影時、X線ヘッドから被検者に向けて照射されたX線は被検者を透過し、撮影部で可視光に変換して受光され撮影される。撮影部から出力された画像信号は増幅され、デジタル信号に変換された後、画像信号処理部で画像処理され、表示器にその撮影画像が表示される。 【0008】このように、X線撮影装置を本体内に収納して持ち運ぶことができるため、在宅治療を行う患者や救急患者の現場に医師等が装置を運び、X線撮影を行うことができる。このため、在宅治療を行う寝たきり老人等が、検査のために病院等に行く必要がなく、患者や介護者の負担を軽減することができる。また、救急患者の場合も、その現場で患部の撮影を行い、従来のようにフィルム現像をしなくても、X線撮影画像を表示器に表示することができるため、迅速な診断を行って適正な治療を早急に開始することができる。 【0009】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は医用X線撮影装置の使用状態の斜視図を示している。このX線撮影装置は、被検者の下側に配設される板状の撮影部2と、撮影部2の上方に支持アーム3を介して配置されるX線ヘッド4と、これらの撮影部2、支持アーム3、X線ヘッド4、及び各種処理を行う電子回路、電源部を含む全てのユニットを収納する本体としてのケース1とから構成される。 【0010】ケース1は、例えばスーツケース状に形成されたケース本体1aと蓋部1bからなり、ケース本体1aには把手部が設けられ、蓋部1bを閉じた状態で人が手に持って運ぶことができる大きさ及び重量に形成される。ケース本体1a内には、X線管6を有するX線ヘッド4、その高電圧発生部20、撮影部2、支持アーム3が収納される。撮影部2、支持アーム3、及びX線ヘッド4は、ケース1から取り出し、組み立て、そして各種ケーブルを接続して使用する。 【0011】X線ヘッド4は、図2に示すように、X線管6を内蔵し、X線を放出する部分に開口部を設け、そこにフィルタと照射絞り7を取り付けている。X線管6としては、例えば、管電圧60kV〜80kV、管電流約8mA、X線照射線量500rem/h程度の小型のものを使用する。このクラスのX線管であれば、X線ヘッド4の外形は、直径約40mm、長さ約120mm程度にすることができる。 【0012】支持アーム3は、図1に示すように、L字状に形成され、先端部にX線ヘッド4が嵌合等により組付・固定され、X線ヘッドに近接して高電圧発生部20が支持アーム3上に固定される。支持アーム3の下端部は、撮影部2の側部に嵌合等により組付・固定され、X線ヘッド4を、撮影部2の略中央部真上に位置するように支持する。支持アーム3は角パイプ状に形成され、内部に電源ケーブル等を通して配線する。 【0013】撮影部2は、図4に示すように、板状ケース18内に、一次元(直線状)の検出器アレイ9を、その直線を含む平面で直交方向に移動可能に配設して構成される。一次元の検出器アレイ9は、図5に示す如く、基板10上にCCD、フォトダイオード等の光電検出素子11(例えば0.4mm×0.4mm角の素子)を一列直線状に並べて配置し、その光電検出素子11の上にシンチレーション結晶12を取着して形成される。シンチレーション結晶12は、例えばヨウ化セシウム結晶等から形成され、X線の励起によりその線量に応じた可視光を発生する。板状ケース18の上面はX線が透過しやすい比較的薄い繊維強化プラスチック板等で覆われるが、ケース18の上に被検者が載るため、ケース18の角部は曲面とするか、或は軟質材で形成するとよい。 【0014】検出器アレイ9はX線入射窓を設けた板状のケースに収納され、このケース付きの検出器アレイ9は、リニアモータ等からなる水平移動機構13の可動部13aに固定される。リニアモータの他に通常のモータを使用した機構を使用することもできるが、リニアモータを使用すれば、撮影部2をより薄型に形成することができる。水平移動機構13は検出器アレイ9をその直線方向と直角の方向に水平移動させるように配設し、検出器アレイ9の両端はガイド部により安定してガイドされる。 【0015】更に、撮影部2内には、プロセスアンプ、走査制御部等の電子回路が内蔵される。走査制御部の制御により、検出器アレイ9がその長手方向(図3のX方向)に走査される毎に、水平移動機構13の駆動によって検出器アレイ9がY方向に移動し、二次元の走査が行われ、撮影部2上に透視された透視平面画像の画像データが作成される。 【0016】このような水平移動機構13、一次元の検出器アレイ9、その制御部を設けた撮影部2は、被検者の胸部が載る程度の大きさ、例えば長さ約500mm、幅約600mm、厚さ約50mmの大きさの板状ケース18内に形成され、非使用時には、支持アーム3、X線ヘッド4、高電圧発生部20、各種ケーブルと共にケース1内に収納することができる。 【0017】図5はX線撮影装置の構成ブロック図を示している。高電圧発生部20は、上記のようにX線ヘッド4に近接して設けられ、高圧トランス、加熱トランス等を有し、X線管6に所定の高電圧を印加する。X線制御部21は、高電圧発生部20に所定の管電圧、管電流、放射時間を生じさせるように制御する。X線管6は、例えば管電圧60kV〜80kV、管電流8mAの場合、定格500W程度であるため、高電圧発生部20は縦8cm,横10、幅15cm程度の大きさで、重量約5kgに構成することができ、X線ヘッドと共に支持アーム3上に取り付けられる。 【0018】走査制御部23は検出器アレイ9をその長手方向(X軸方向)に走査すると共に、水平移動機構13を駆動制御してY軸方向に走査し、二次元の画像データを得るように動作するが、水平移動機構13による検出器アレイ9の移動量が例えば40cmの場合、例えば0.4mm間隔で検出器アレイ9の走査を行えば、走査線数1000本の解像度が得られる。操作・制御部22は、オペレータの操作に応じて、X線制御部21と操作制御部23の動作タイミング、放射条件等を総括的に制御する。 【0019】検出器アレイ9から出力される信号は、前置増幅、利得制御等を行うプロセスアンプ24に入力されて画像信号となり、A/D変換器25でデジタル信号に変換され、画像処理部26に送られる。画像処理部26は、フレームメモリ27を有し、画像のコントラスト、ガンマ特性変換、エッジ強調等の画像処理を行う。画像処理部26はマイクロコンピュータにより構成され、処理された画像データは画像データ送信部19、及び表示階調処理部28に送られる。画像データ送信部19はモデム、携帯電話等を介して電話回線に接続され、病院等のコンピュータに画像データを送信する。 【0020】表示階調処理部28は表示のための階調処理を行った後、その画像信号をD/A変換器29に送る。D/A変換器29でアナログ信号に変換された画像信号はモニタ表示器30に送られる。モニタ表示器30は例えば薄型の液晶ディスプレイから構成され、図1に示す如く、ケース1の蓋部1b内に収納される。この表示器30の他、蓋部1b内には、操作・制御部22、A/D変換器25、画像処理部26、フレームメモリ27、表示階調処理部28、画像データ送信部19、D/A変換器29を内蔵することができる。プロセスアンプ24、走査制御部23は撮影部2内に内蔵することができる。 【0021】このように、撮影部2、支持アーム3、高電圧発生部20、X線ヘッド4、及び各種ケーブルはケース1内に収納され、操作・制御部22、A/D変換器25、画像処理部26、フレームメモリ27、表示階調処理部28、画像データ送信部19、D/A変換器29が表示器30とともに、ケース1の蓋部1b内に収納され、収納状態でのケースの重さは約15kg程度とすることができるため、通常の大人であれば、このX線撮影装置を容易に持ち運ぶことができる。 【0022】従って、このX線撮影装置では、在宅治療を受ける患者の自宅や救急患者の自宅等に、医師或は放射線技師がそのケース1を持ち運び、患者等の被検者のいる場所でX線画像を撮影し、その画像を記録し、或は電話回線を通じてその画像データを病院等に送ることができる。 【0023】X線撮影する場合、ケース1を開き、ケース本体1a内から撮影部2、支持アーム3、X線ヘッド4、高電圧発生部20を取り出す。そして、図1に示すように、操作・制御部22と表示器30を収納した蓋部1aを立ててセットし、或はケース本体1bから外してセットし、ベッドや床上に載置した撮影部2の側部に支持アーム3を固定し、その先端に高電圧発生部20とX線ヘッド4を固定し、制御ケーブル等を所定箇所に接続する。 【0024】そして、撮影部2の上に被検者を横臥させるなどして載せ、撮影を開始する。オペレータは、X線の被爆を回避するために、鉛シート製の防御エプロン等を装着するのが望ましい。図1では、紙面の大きさから、撮影部2の近くに操作・制御部22と表示器30を収納した蓋部1bを持つケース1を置いているが、オペレータが操作する操作・制御部22や表示器30を収納した部分は、X線照射位置から離して設置することが望ましい。 【0025】操作・制御部22の操作により撮影を開始すると、X線制御部21、高電圧発生部20が動作し、X線管6から所定照射量のX線が所定時間(例えば1秒〜3秒間)照射される。 【0026】この間、走査制御部23は、水平移動機構13を駆動制御して検出器アレイ9をY方向に移動させると共に、撮影部2の検出器アレイ9をX方向に一定時間毎に走査することによって、撮影部2の平面上を二次元的に走査する。 【0027】この走査により、検出器アレイ9から画像を形成する信号が出力され、検出器アレイ9から出力される信号は、前置増幅、利得制御等を行うプロセスアンプ24に入力されて画像信号となり、A/D変換器25でデジタル信号に変換され、画像処理部26に送られる。 【0028】画像処理部26は、画像データをフレームメモリ27に取り込み、画像のコントラスト、ガンマ特性変換等の画像処理を行い、処理された画像データは画像データ送信部19、及び表示階調処理部28に送られる。画像データ送信部19はモデム、携帯電話等を介して電話回線に接続され、病院等のコンピュータに画像データを送信する。 【0029】表示階調処理部28は表示のための階調処理を行った後、その画像信号をD/A変換器29に送る。D/A変換器29でアナログ信号に変換された画像信号はモニタ表示器30に送られ、被検者の透視画像が表示器30に表示される。また、その画像データはメモリ或は画像記録装置に記録される。 【0030】このように、上記X線撮影装置では、撮影部2を検出器アレイ9と水平移動機構13の採用により小型化し、小型化した高電圧発生部20、X線ヘッド4、表示器30、及び各種制御部と共に、持ち運び可能なケース1内に収納したから、在宅治療を受ける患者の自宅や救急患者の自宅等に、X線撮影装置を容易に携帯することができ、その場所でX線撮影を行うことができる。 【0031】このため、在宅治療を行う寝たきり老人等が、検査のために病院等に行く必要がなく、患者や介護者の負担を軽減することができる。また、救急患者の場合も、その現場で患部の撮影を行うことができるため、迅速な診断を行って適正な治療を早急に開始することができる。 【0032】なお、上記実施例では、ケース1内に収納した撮影部2を取り出して撮影のセッティングをしたが、ケース本体1a内に撮影部2を収納したまま撮影部として使用し、その上に被検者を載せてX線撮影するように構成することもできる。その場合には、ケース本体1aから蓋部1bを外し、操作・制御部22と表示器30を収納した蓋部1bを撮影部2から少し離れた位置にセットして撮影すれば、オペレータはX線照射位置から離れた位置で安全に操作することができる。 【0033】また、上記実施例の撮影部2に代えて、イメージインテンシファイアーとCCD撮像部を使用することもでき、また、蛍光板とレンズ系とCCDカメラを使用することもできる。 【0034】図6〜図9は他の実施例を示している。このX線撮影装置の本体31は、可搬式の簡易診察台として形成され、上部にベッド部32が設けられ、そのベッド部32の前部と後部には頭載せ台32aと足載せ台32bが設けられる。この頭載せ台32aと足載せ台32bは、取り外し可能で、或は本体31内に押し込むなどして収納可能である。 【0035】また、この本体31は、ライトバン等の自動車に人手により載せて運搬可能な大きさに形成され、底部にはキャスター59が設けられ、端部には運搬のための把手部が設けられる。本体31内には、X線管と高電圧発生部を有するX線ヘッド34、高電圧発生部に所定の管電圧、管電流、放射時間を生じさせるように制御するX線制御部40、撮影部35、操作制御処理部50等が収納される。X線ヘッド34は、支持アーム33の先端上に角度可変に取り付けられ、略L字形の支持アーム33の元部は、本体31の先端付近の側部に回動可能に軸支される。 【0036】支持アーム33を本体31上に倒した時、X線ヘッド34が位置する箇所の本体31内に、蓋付きの収納室31aが設けられ、その収納室31aにX線ヘッド34が収納される。支持アーム33は、撮影時には上方に回動されて所定位置に固定され、X線ヘッド34を撮影部35のシンチレーションパネル36の上方に位置させるようにセット可能である。 【0037】撮影部35には、セット状態のX線ヘッド34の真下で本体31内に水平に配設されたシンチレーションパネル36と、シンチレーションパネル36の下側に傾斜して配設されたミラー37と、ミラー37の後方で本体31内の端部に配置された高性能のデジタルスチルカメラからなるカメラ部39と、が配設され、シンチレーションパネル36から下方に放射された画像光がミラー37を介してカメラ部39の撮像素子38に入射されるように構成される。 【0038】カメラ部39の撮像素子38は、CCD或はCMOS系等の多数の受光セルをマトリックス状に配置してなる二次元の所謂エリアイメージセンサーであり、その前方にはX線透過画像を撮像素子38上に結像させるための光学レンズ系等からなる光学素子が配設される。また、このカメラ部39には撮像素子38を冷却して暗電流を抑える電子冷却装置が設けられ、雑音の少ない高画質の画像信号を得るように構成される。シンチレーションパネル36は、パネルにヨウ化セシウム結晶等のシンチレーション結晶を取着して形成され、透過X線の励起により、その線量に応じた可視光を発生する。 【0039】X線は、X線ヘッド34からシンチレーションパネル36に向けて照射され、その下側へも透過するため、撮像素子がシンチレーションパネルの下側にある場合には、撮像素子に影響を与えるが、ここでは、ミラー37を用いて、シンチレーションパネル36からの画像光を曲げて本体31の末端側に送り、X線が直接当らない末端箇所にカメラ部39の撮像素子38を配置することにより、その影響を解消している。 【0040】X線ヘッド34の高電圧発生器を制御するX線制御部40は、シンチレーションパネル37の裏側に配設される。X線ヘッド34やX線制御部40を制御し、カメラ部39から出力される画像信号を処理する回路を含む操作制御処理部50は、本体31内に引き出し可能に設けた収納室31b内に収納される。 【0041】装置全体の制御系のブロック構成は、図示は省略されているが、上記実施例の図5に示す構成と走査制御部23を除き略同じである。ここでは、カメラ部39が使用されることから、撮像素子38用の駆動回路、撮像素子38から出力された画像信号からクロック信号等を除去する差動アンプ或はサンプルホールド回路、プロセスアンプ24、A/D変換器25、フレームバッファメモリは、カメラ部39内に内蔵される。画像処理部26、フレームメモリ27、表示階調処理部28、画像データ送信部19、D/A変換器29、表示器30については、上記実施例と同様に、画像信号を処理する回路として操作制御処理部50に内蔵される。 【0042】この操作制御処理部50は、撮影に必要な各種の操作を行ない、カメラ部39から得られた画像信号を画像処理し、表示器にその画像を表示するものであるから、小型のパーソナルコンピュータにより構成することができ、このようなパーソナルコンピュータを引き出し式の収納室31bに収納すれば良い。 【0043】このX線撮影装置は、上記実施例と同様、在宅治療を受ける患者の自宅や救急患者の現場等に、医師或は放射線技師がその本体31を自動車等に載せて運び、本体31を患者等の被検者のいる場所に持ち出し、そこでX線撮影を行なう。撮影する場合、本体31に頭載せ部32aと足載せ部32bをセットし、収納室31aの蓋を開き、X線ヘッド34を取り出し、支持アーム33を上方に回動させ、を所定の上方位置にセットする。また、引き出し式の収納室31bを引き出し、操作制御処理部50を使用可能な状態とする。 【0044】そして、本体31上のベッド部32の上に被検者を横臥させるなどして載せ、撮影を開始する。撮影時、X線制御部40が動作し、X線管から所定量のX線が所定時間(例えば約0.1秒間)照射される。 【0045】この時、被検部を透過したX線はシンチレーションパネル36に当り、そこから透過線量に応じた可視光が画像光となって下方に放射され、その画像光は、ミラー37を通してカメラ部39に入り、その像が光学素子により撮像素子38上に結像される。 【0046】カメラ部39の撮像素子38は、その駆動回路から水平転送クロック、垂直転送クロック等を送られて駆動され、各画素の輝度データ等を示す画像信号が出力される。撮像素子38から出力された信号は、差動アンプ、サンプルホールド回路等を経てクロックが除去され、上記実施例と同様に、前置増幅、利得制御等を行うプロセスアンプを通して増幅され、A/D変換器でデジタル信号に変換され、操作制御処理部50の画像処理部に送られる。 【0047】画像処理部は、上記実施例と同様、画像データをフレームメモリに取り込み、画像のコントラスト、ガンマ特性変換等の画像処理を行い、処理された画像データは画像データ送信部、及び表示階調処理部に送られる。画像データ送信部はモデム、携帯電話等を介して電話回線に接続され、病院等のコンピュータに画像データを送信する。表示階調処理部は表示のための階調処理を行った後、その画像信号をD/A変換器に送る。D/A変換器でアナログ信号に変換された画像信号はモニタ表示器に送られ、被検者の透視画像が表示器に表示される。 【0048】このように、本実施例のX線撮影装置は、上記と同様、運搬が容易にできる他、X線ヘッド34を支持アーム33を介して本体31の側部で回動させるだけで、X線ヘッド34を所定位置にセットすることができ、表示器や各種制御部を含む操作制御処理部50も、本体31の側部から引き出して、短時間のうちに使用可能な状態にセットすることができる。また、カメラ部39の撮像素子38つまり二次元のイメージセンサを使用してX線画像を得るため、X線の照射時間は、上記実施例に比べ、約0.1秒と短くすることができ、被検者の動きの影響を少なくして、鮮明なX線画像を撮影することができ、また、被検者のX線被爆量をより少なくすることができる。 【0049】なお、上記実施例では、シンチレーションパネル36とそこから放射される画像光を受けて撮像するカメラ部39を使用したが、それらに代えて、二次元検出器アレイを使用することもできる。この二次元検出器アレイは、例えば非常に多数の非CCD系アモルファス素子、MOS系受光素子を、大形の基板上にマトリックス状に配置し、それらの上にシンチレーション結晶を取着して形成され、このような二次元検出器アレイから直接画像信号を得るようにすれば、更に鮮明な画質と、X線撮影装置の小型化を実現することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】391038279 【氏名又は名称】株式会社中日電子
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)8月3日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】飯田 昭夫 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−104117 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)4月20日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−219026 |
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