| 【発明の名称】 |
血液特性の計測装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】森 武寿
【氏名】野尻 利彦
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| 【要約】 |
【課題】人工心臓、あるいは人工心肺などの体外補助循環システムにおいて、血液内に光反射板を設置し、これに光を照射し、その透過光強度を計測して血液の特性を測定する計測装置を提供する。
【解決手段】血液中に光を照射し、その透過光強度に基づいて当該血液の特性を計測する計測装置であって、発光素子105により所定波長の光を発光し、その光を光ファイバ103をとおして血液流路101内に照射する。この照射された光は反射板102により反射され、その反射光は光ファイバ104を通って受光素子106に送られて、そこで透過光強度が検出される。こうして検出された透過光強度に基づいて、その血液のヘマトクリット値、或いは酸素飽和度が測定される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 血液中に光を照射し、その透過光強度に基づいて当該血液の特性を計測する計測装置であって、所定波長の光を発光する発光手段と、血液流路中に設けられ、前記発光手段により発光された光を当該血液流路中で反射するための反射材と、前記反射材で反射された光を受光して透過光強度を検出する受光手段と、前記受光手段により検出された透過光強度に基づいて前記血液の特性を求める演算手段と、を有することを特徴とする計測装置。 【請求項2】 前記演算手段は、前記血液のヘマトクリット値及び酸素飽和度の少なくともいずれかを求めることを特徴とする請求項1に記載の計測装置。 【請求項3】 前記発光手段により発光された光を前記血液中に導入するための光ファイバをさらに有することを特徴とする請求項1に記載の計測装置。 【請求項4】 前記発光手段は、それぞれ異なる波長の光を照射する発光素子を有することを特徴とする請求項1に記載の計測装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、例えば埋め込み型人工心臓或いは体外循環システムにおけるへマトクリット値及び酸素飽和度等を計測する血液特性の計測装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】血液循環による酸素運搬量及び生体の酸素消費量を知るために、血液のヘマトクリット値及び動静脈における血液の酸素飽和度等が測定される。このような計測には、パルスオキシメトリ法による体外からの計測する方法、血液を必要量採取して血液分析機にかけて計測する方法、及び、血液を循環させる血液回路から分岐した計測専用回路による計測等がある。このような血液の計測原理は、上述したいずれの方法でも、特定波長の光を発する1乃至複数種の光源からの光を血液中に照射し、その透過光或いは反射光を用いて血液成分による光の吸収、散乱を検出して計測対象物の比率などを求めている。また計測対象の種類により、計測に使用する光源の波長を選択し、例えばヘマトクリット値と酸素飽和濃度の計測では波長660nm近傍と波長805nm近傍の光を使用し、さらに、水分の影響を取り除くため波長1250nm近傍の光が用いられている。 【0003】上述したパルスオキシメトリ法は、皮膚を通して体外から血液中に光を照射する非侵襲的な計測方法であるため安全性に優れているが、生体組織を通して計測するため、血液を必要量採取する方法に比べ精度が悪いといった問題がある。また、特開昭62−265563号公報や特開昭63−24143号公報に記載のような血液からの散乱光あるいは反射光を計測する方法では、光の到達距離が一定でないため計測精度を上げるのは困難である。そのため近年、体外循環システムでは、米国特許(USP5456253)のように血液流路に一定の狭い流路を形成する専用の計測用チャンバを用いて、血液中の透過光量を計測する装置が使用されている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかし、このような透過光量を計測する方法では、血液を挟んで発光素子と受光素子とを対向して配置させる必要があり、さらに血液による光吸収と光の散乱、更には血液による光の反射のため、それら発光素子と受光素子との間の間隔が制限され、更にはこれら発光素子と受光素子との間を通過する血液量を制限するためのスリット状の流路等が必要となる。しかしながら、このようなスリット状の流路は、例えば人工心臓や体外循環回路のように比較的多量の血液を流さなければならない血液回路等で使用できないという問題がある。 【0005】本発明は上記従来例に鑑みてなされたもので、人工心臓、あるいは人工心肺などの体外補助循環システムにおいて、血液内に光反射板を設置し、これに光を照射し、その透過光強度を計測して血液の特性を測定する計測装置を提供することを目的とする。 【0006】また本発明は、血液回路を通して多量の血液が流れるような状況においても、正確に血液の特性を計測できる血液の計測装置を提供することにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために本発明の血液特性の計測装置は以下のような構成を備える。即ち、血液中に光を照射し、その透過光強度に基づいて当該血液の特性を計測する計測装置であって、所定波長の光を発光する発光手段と、前記血液流路中に設けられ、前記発光手段により発光された光を当該血液流路中で反射するための反射材と、前記反射材で反射された光を受光して透過光強度を検出する受光手段と、前記受光手段により検出された透過光強度に基づいて前記血液の特性を求める演算手段とを有することを特徴とする。 【0008】 【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施の形態を詳しく説明する。 【0009】図1は、本発明の実施の形態の基本原理を説明するための図である。 【0010】図1において、101は血液流路で、その内部を図示のように血液が流れている。102は反射板で、血液流路101内で血液の流れる方向に沿って配置されている。103,104のそれぞれは光ファイバで、発光素子105で発光された光は光ファイバ103を通って血液流路101内の血液を通過して反射板102に照射され、その反射板102で反射された光が光ファイバ104を通って受光素子106に入力される。 【0011】ここで反射板102は、ステンレス表面を鏡面状にしたもの、または、硝子製の反射鏡等を使用する事ができるが、本実施の形態では経時的な安定性を考慮してステンレスを使用した。なお、この反射板102の反射率は理想的にはほぼ100%とする。また発光素子105は、ヘマトクリット値の計測のみの場合は光の波長780nmから830nmの1つのLED又は半導体レーザ素子を使用する事が可能であるが、ここでは光量の制御が比較容易な半導体レーザを使用した。さらに血液中の酸素飽和度を計測する場合は、さらに650nmから680nmの波長の光を発光する発光素子(図2の発光素子107)を使用する。受光素子106は、入射した光の光量を検出するためのもので、ここではフォトダイオードまたはフォトトランジスタを使用する。 【0012】こうして発光素子105により発光された光を光ファイバ103を通して血液流路101内の反射板102に照射し、この反射板102からの光を光ファイバ104を通して受光素子106に導くことにより、血液流路101を流れる血液のヘマトクリット値、及び、あるいは酸素飽和度を求めることができる。尚、血液の酸素飽和度を計測する場合は、図2に示すように、波長780nmの波長の光を発光する発光素子105からの光と、波長660nmの光を発光する発光素子107からの光をそれぞれ光ファイバを通して光結合器108に入力し、その後一本の光ファイバ103により血液流路101内に導く。ここでは発光素子105,107は交互に駆動され、それぞれの光が反射板に照射され、その反射板102により反射された光が光ファイバ104を通して受光素子106に送られて、各波長の光の透過光強度が計測回路111により計測され、目的とするヘマトクリット値或いは酸素飽和度が算出される。 【0013】図3は、血液流路101内に設置した反射板102近傍の拡大図で、ここでは説明のために血液中の血球301を模式的に示している。 【0014】血液中の血球による影響が生じない状態では、光ファイバ103を通して入射された光は反射板102により反射されて、そのまま受光側の光ファイバ104に入射される。しかし、血液中に含まれる血球により光の吸収、散乱が増加し、光ファイバ104に入射される透過光強度が低下する。ここで、この照射光強度と入射光強度との比に基づいて、その血液中におけるヘマトクリット値、或いは酸素飽和度が測定される。 【0015】図4は本実施の形態の酸素飽和度測定装置の概略構成を示すブロック図で、前述の図面と共通する部分は同じ番号で示し、その説明を省略する。 【0016】図4において、発光素子105は例えば波長780nmの光を発射し,発光素子107は例えば波長660nmの光を発射する。これら2つの発光素子105,107はそれぞれ交互に駆動される。受光素子106で検知された信号は増幅器401で増幅され、各発光素子の駆動タイミングに応じてA/D変換器402でデジタル信号に変換されて透過光強度が得られる。 【0017】一般にはヘモグロビン濃度は、波長780nmの光の透過光強度Iから次式により計算される。 【0018】[Hb]=a−b×log10Iここで、a,bは光センサの特性に依存する係数である。 【0019】本実施の形態では、演算部403は、異なる波長の光による透過光強度比と酸素飽和度との関係式を記憶しており、この関係式に基づいてA/D変換器402により変換された透過光強度を示すデジタル値を用いて演算部403により酸素飽和度を求めた。 【0020】より好ましくは、更に波長1250nmの光を発光する発光素子を備え、この発光素子より照射された光の透過光強度をI1とし、前述の波長780nmの光の検出された透過光強度をI2、波長660nmの光の検出された透過光強度をI3とし、各透過光強度比I2/I1,I3/I1を基に酸素飽和度を求めることにより,血液中に含まれる他の成分による影響を軽減することができる。 【0021】また、演算部403では,A/D変換器402によりデジタル信号に変換されたデータをそのまま用いるのではなく、例えば十数回サンプリングした値の平均値を求め、その平均値に従って演算するようことにより、ノイズなどによる影響を軽減できる。こうして演算された結果は表示器404に出力されて表示される。 【0022】図5は、本実施の形態の血液計測装置を人工心臓(遠心式血液ポンプ装置)に組み込んだ例を示す図である。 【0023】図5では、磁気浮上型人工心臓のインペラ501のステンレス板502を前述の反射板として利用して、人工心臓内の血液のへマトクリット値及び酸素飽和度を計測することができる。 【0024】以上説明したように本実施の形態によれば、人工心臓、あるいは人工心肺などの体外補助循環システムにおいて、設置場所の制限を受けずに血液のヘマトクリット値及び酸素飽和度を連続的に計測することが可能となる。 【0025】 【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、人工心臓、あるいは人工心肺などの体外補助循環システムにおいて、血液内に光反射板を設置し、これに光を照射し、その透過光強度を計測して血液の特性を測定する計測装置を提供を提供できる。 【0026】また本発明によれば、血液回路を通して多量の血液が流れるような状況においても、正確に血液の特性を計測できるという効果がある。 【0027】
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| 【出願人】 |
【識別番号】000109543 【氏名又は名称】テルモ株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)9月30日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】大塚 康徳 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−104114 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)4月20日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−267384 |
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