| 【発明の名称】 |
磁気共鳴映像装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】石原 康利
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| 【要約】 |
【課題】実行するパルスシーケンスの設定を容易にするための表示処理、検索処理機能を備えたことを特徴とする磁気共鳴映像装置の提供。
【解決手段】静磁場中におかれた被検体に傾斜磁場及び高周波磁場を所定のパルスシーケンスに従って印加し、励起された磁気共鳴信号を観測する磁気共鳴映像装置において、パルスシーケンスのデータ収集条件をベクトルに対応させ、所定のベクトル空間内に該データ収集条件に対応する座標を表示する表示手段(22,24)と、前記ベクトル空間内で、データ収集条件を変更することにより実行すべきパルスシーケンスに対応する新たなデータ収集条件の設定を行う設定手段(22,24)と、新たに設定されたデータ収集条件に対応するパルスシーケンスを実行する実行手段(20)とを備えたことを特徴とする磁気共鳴映像装置。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】静磁場中におかれた被検体に傾斜磁場及び高周波磁場を所定のパルスシーケンスに従って印加し、励起された磁気共鳴信号を観測する磁気共鳴映像装置において、パルスシーケンスのデータ収集条件をベクトルに対応させ、所定のベクトル空間内に該データ収集条件に対応する座標を表示する表示手段と、前記ベクトル空間内で、データ収集条件を変更することにより実行すべきパルスシーケンスに対応する新たなデータ収集条件の設定を行う設定手段と、新たに設定されたデータ収集条件に対応するパルスシーケンスを実行する実行手段と、を備えたことを特徴とする磁気共鳴映像装置。 【請求項2】前記表示手段は、既に実行したパルスシーケンスに対応するデータ収集条件の履歴を表示可能であることを特徴とする請求項1記載の磁気共鳴映像装置。 【請求項3】前記表示手段は、新たに設定されたデータ収集条件に対応するパルスシーケンスにより収集されることが予想されるデータを併せて表示可能であることを特徴とする請求項1記載の磁気共鳴映像装置。 【請求項4】既に実行したパルスシーケンスに対応するデータ収集条件の履歴を記録するデータベースを更に備えたことを特徴とする請求項1記載の磁気共鳴映像装置。 【請求項5】前記表示手段は、前記データベースに記録されたデータ収集条件の履歴を選択的に表示可能であることを特徴とする請求項4記載の磁気共鳴映像装置。 【請求項6】静磁場中におかれた被検体に傾斜磁場及び高周波磁場を所定のパルスシーケンスに従って印加し、励起された磁気共鳴信号を観測する磁気共鳴映像装置において、パルスシーケンスのデータ収集条件をベクトルに対応させ、所定のベクトル空間に該データ収集条件に対応する座標を表示することにより、既に実行したパルスシーケンスに対応するデータ収集条件の履歴を表示可能な表示手段を備えたことを特徴とする磁気共鳴映像装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、磁気共鳴現象を利用して被検体内部の形態画像、あるいは代謝物分布(代謝物分布画像)を観測する際に、実行するパルスシーケンスの設定を容易にするための表示処理、検索処理機能を備えたことを特徴とする磁気共鳴映像装置に関する。 【0002】 【従来の技術】磁気共鳴映像(MRI(Magnetic Resonance Imaging))装置及びこれに用いられるパルスシーケンスの開発に伴い、撮像可能な画像・スペクトルデータ種別が飛躍的に増加している。 【0003】医師や操作者は、患者(被検体)の症状に応じて、これら多くのパルスシーケンスから一つを選びデータ収集を行う。実行可能なパルスシーケンスは、TR,TE等多くのデータ収集条件によって定義されており、各条件を変更する際には、これらの既定値が記述されたテーブル中の値を適宜書き換えていた。得られたデータの読影結果から、次に撮像が必要なパルスシーケンスの取捨選択し、パラメータの変更が必要な場合には再度テーブル中の値を書き換えて、画像・スペクトルデータの収集を順次行い、診断能の向上を図っていた。 【0004】一般的には、先ず初めに、プロトン密度画像、緩和時間強調画像といった形態画像を収集し、これらの画像に異常が認められた場合に、以後その部位に対して3D画像、局所画像(高分解能画像)、血管画像、拡散画像等の撮像が適宜行われる。 【0005】これら、診断に必要なデータ種別は、病院ごとにルーチン化されていることが多いが、個々の症例に応じて、医師や操作者の経験に応じて随時選択されており、必要な場合には、前述したテーブル形式で記述されたデータ収集条件の設定値が適宜変更されていた。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかし、個々の患者に適切な診断を下すためには、数多いデータ収集モードを含むデータ収集条件から診断に有用なデータを収集するための条件が何かを、医師や操作者が各々の経験に基づいて順次判断し、各条件の設定値を編集してデータ収集を行う必要がある。経験によるデータ収集条件の設定を行った場合には、必ずしも必要としない画像データを収集してしまう可能性があるばかりでなく、適切な診断を行うために真に必要なデータを収集していなかったりする場合がある。さらに、テーブル形式の数値としてデータ収集条件の入力を行っていたため、入力誤りが生じる場合や、適切な値が設定されない場合があった。このため、患者の拘束時間が伸長することはもとより、診断の確度が低下してしまうことがあった。 【0007】同様に、複数のデータ収集モードを用いたデータ収集が必要な場合に、既に収集したデータや今後収集すべきデータの識別が煩雑になり、同一種類の画像を繰り返し撮像してしまう可能性もあった。このようなことも患者の拘束時間を伸長させる一因となっていた。 【0008】さらに、段階を追って収集されたデータ群に関し、データ群の最後に施行したデータ収集条件で収集したデータが、それ以前に収集されたデータから進めてきた診断結果と異なる等の曖昧性が認められた場合には、再度データを収集することが必要となる。しかし、全く最初からデータ収集を行っていたのでは、患者の拘束時間を伸長してしまう。これを回避するために、曖昧性が生じたパルスシーケンス以前のデータ収集条件を遡って検討する必要がある。従来はデータ収集条件を設定したテーブルから再度同一のデータ収集条件を持つパルスシーケンスを実行することを行っていた。このため、曖昧性を再度確認することはできても、最終的に有効な診断を行うためのパルスシーケンスを設定することができなかった。 【0009】 【課題を解決するための手段】上記課題を克服するために、本発明では、静磁場中におかれた被検体に傾斜磁場及び高周波磁場を所定のパルスシーケンスに従って印加し、励起された磁気共鳴信号を観測する磁気共鳴映像装置において、パルスシーケンスのデータ収集条件をベクトルに対応させ、所定のベクトル空間内に該データ収集条件に対応する座標を表示する表示手段と、前記ベクトル空間内で、データ収集条件を変更することにより実行すべきパルスシーケンスに対応する新たなデータ収集条件の設定を行う設定手段と、新たに設定されたデータ収集条件に対応するパルスシーケンスを実行する実行手段とを備えたことを特徴とする磁気共鳴映像装置を提供する。 【0010】ここで、前記表示手段は、既に実行したパルスシーケンスに対応するデータ収集条件の履歴を表示可能であることを特徴とするものでもよい。また、前記表示手段は、新たに設定されたデータ収集条件に対応するパルスシーケンスにより収集されることが予想されるデータを併せて表示可能であることを特徴とするものでもよい。 【0011】一方、既に実行したパルスシーケンスに対応するデータ収集条件の履歴を記録するデータベースを更に備えたことを特徴とするものでもよい。また、前記表示手段は、前記データベースに記録されたデータ収集条件の履歴を選択的に表示可能であることを特徴とするものでもよい。 【0012】更に、本発明では、静磁場中におかれた被検体に傾斜磁場及び高周波磁場を所定のパルスシーケンスに従って印加し、励起された磁気共鳴信号を観測する磁気共鳴映像装置において、パルスシーケンスのデータ収集条件をベクトルに対応させ、所定のベクトル空間に該データ収集条件に対応する座標を表示することにより、既に実行したパルスシーケンスに対応するデータ収集条件の履歴を表示可能な表示手段を備えたことを特徴とする磁気共鳴映像装置を提供する。 【0013】(作用)このように、収集したデータの収集条件を表示することによりパルスシーケンスが備えた性質を視覚的に確認することができる。また、パルスシーケンスが備えた性質を視覚化していることから、次回に実行すべきパルスシーケンスのデータ収集条件を、経験だけに因らずに変更・設定することが容易となる。このため、診断に必要十分な画像・スペクトルデータの収集を行うことができ、患者の拘束時間を必要最小限に留めることができる。さらに、個々の症例に必要な情報のみ収集することができるため、確度の高い診断を行うことができる。 【0014】また、パルスシーケンス実行条件(データ収集条件)の履歴を保存することで、予想される症例に対して必要となるデータ収集条件を自動的に設定できるため、検査時間を短縮することができる。 【0015】 【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明する。図1は本発明に係る、パルスシーケンスのデータ収集モードを含むデータ収集条件の表示処理・検索処理機能を備えた磁気共鳴映像装置の概略を示す図である。 【0016】同図に示す磁気共鳴映像装置は主磁場(静磁場)を発生するための主磁石10及び主磁石電源11と、直交するX、Y、Zの3軸方向にそれぞれ線形の傾斜磁場分布を持つ傾斜磁場を生成するための傾斜磁場コイル系12及び傾斜磁場電源13と、複数のシムコイルを含むシムコイル系14及びシム電源15と、高周波磁場を印加し、かつ、磁気共鳴信号を検出する高周波プローブ16(多核種の磁気共鳴信号の信号検出可能な様に調整する手段を講じたものでも良い)と、高周波プローブ16に高周波信号を供給する送信器(高周波送信アンプ)17と、プローブ16で検出された磁気共鳴信号を受信した後、検波及び増幅する受信器18と、受信した磁気共鳴信号から所定の画像データを収集するデータ収集部19と、パルスシーケンスを制御するシーケンスコントローラ20と、CPU/メモリ21及び表示装置22を含む計算機系(例えば,ワークステーション)23によって構成される。 【0017】パルスシーケンスのデータ収集条件等に関する情報は表示/検索処理部24において処理され、実行可能なパルスシーケンスに対応する座標がベクトル空間上で、階層的に制御端末などの表示装置22に表示される。表示されたデータ収集条件に基づいて新たなパルスシーケンスを設定する作業が行われ、その情報が表示/検索処理部24からパルスシーケンス格納部25に送られ、新たな条件に変更されたパルスシーケンスがシーケンスコントローラ19に送信されて、パルスシーケンスの実行が開始される。 【0018】次に、パルスシーケンスに関する情報表示処理、パラメータ設定に関して詳細に説明する。図2は、現在の磁気共鳴映像装置で収集可能な主な収集モードを示している。 【0019】MRI収集モードには、プロトン密度画像、緩和時間強調画像(T1強調,T2強調)に代表される形態画像が第一に挙げられる。これらの画像を収集するパルスシーケンスとしては、標準的なスピンエコー法・フィールドエコー法、FSE(Fast Spin Echo)法を初めとする高速撮像法、EPI(Echo Planar Imaging )法に代表される超高速撮像法等がある。 【0020】また、形態診断を行う他のモードとして,血管画像を撮像するためのMRA(Magnetic Resonance Angiography)、虚血部位を早期に検出可能な拡散強調画像、灌流強調画像,造影MRI(タ゛イナミック MRI)等が有る。これらの画像から得られる情報は,形態的な情報だけでなく、組織の機能をも反映している。 【0021】このような機能画像の他の代表的な例として、脳の活性部位の局在性を把握できる脳機能画像(f-MRI )、温熱生理機能を反映した画像が得られる温度分布画像、血液の流れなどの機能情報を画像化できる流速画像等が挙げられる。 【0022】さらに、生体の代謝情報を反映したスペクトルデータを収集するモードとしMRSI(Magnetic Resonance Spectroscopic Imaging)があり、近年、13C−MRS(MRSI)により脳内グルコース・アミノ酸代謝をin-vivo にて収集する研究が実用化に向けて進められているのを初め、1 H−MRSIにより脳内の種々の代謝産物を高分解能に収集する方法、31Pによりエネルギー代謝産物を収集する方法の研究等も盛んに行われている。 【0023】これらの収集モードは、図3に示すように、主に画像分解能に関する条件である空間次元数,スライス数,マトリクス数,スラブ数、スライスオフセット位置,セグメント数、主に画像コントラストに関する条件であるTR,TE,Flip角、主に特定信号成分の強調(抑圧)に関する条件である特定分子(水・脂肪等)抑圧パルスの有無,反転パルスの有無,デカップリングパルスの有無等のデータ収集条件によって特徴づけらている。さらにMRSIに関しては核種(1 H、13C、31P、…)等もデータ収集条件に含まれる。 【0024】これらデータ収集条件は、図4に示すような多次元空間にベクトル面を張るパラメータ群として理解することができ、前述したデータ収集モードを含むデータ収集条件は、これらのベクトル空間へと写像することができる。即ち、ベクトル空間上の1点は、ある特定のデータ収集条件を示しており、これらの条件を満たすパルスシーケンスと対応づけることが可能である。従って、医師や操作者は、このベクトル空間が表示された表示装置等の画面上で任意の点を指定することにより、実行パルスシーケンスの特定を行うことが可能となる。 【0025】図5は、一症例を診断するために、これらデータ収集条件を設定することにより、パルスシーケンスを選択し、実行する場合の本発明の概念を説明する図である。同図には、図1に示した表示装置22の入出力部のみが示され、画面上にはパルスシーケンス設定ウインドウが表示されている。 【0026】データを収集するには、多種多様なデータ収集条件で規定されたパルスシーケンスを選択する必要がある。一番最初に実行されるパルスシーケンスは、症例に因らず汎用性のあるデータ収集条件を有するものがデフォルトとして選ばれるようにしておくことが考えられる。しかし、症例に応じて適切なデータ収集条件が既知である場合には、操作者が任意に選択して検査を開始しても良い。この場合には、デフォルトに設定されたパルスシーケンスを実行した場合に比べて、1パルスシーケンスのデータ収集時間だけ、検査時間が短縮できる可能性がある。従って、最も疑われる症例に対して、最初に実行すべきパルスシーケンスを予め登録しておくことが自動化、検査時間の短縮の点で望ましい。 【0027】画面上では、まず、デフォルト若しくは症例に応じて設定されたパルスシーケンスのデータ収集条件に対応する座標I0(黒丸)が表示される。ここでI0は、前述した種々のデータ収集条件をベクトル空間上の一点{pn;n=1〜N,N=パラメータ数}で表していることになる。図に示したように、座標I0で示されるパルスシーケンスのデータ収集条件を画面上に同時に表示するようにしてもよい。ここで、座標I0は、p1=空間次元数=2、p2=スライス数=1、p3=スライスオフセット位置=0、p4=TR=3000ms、p5=TE=80ms、p6=Flip角=90°、p7=画像マトリクス=256 ×256 、p8=セグメント数=32、p9=脂肪抑圧有り、p10=反転パルス無しで指定されるFSE−T2強調画像のデータ収集条件を、pnのベクトル要素{pn}として表現したものである。 【0028】このように指定された座標I0に対応するパルスシーケンスによって収集されたデータを読影することによって、より詳細なデータが必要な場合には、データ収集条件を変更して、次のパルスシーケンスを実行する。この場合に選択される座標I1は、通常、座標I0と収集されたデータとを考慮して決定されるが、前回に実行したパルスシーケンスに対応する座標I0が視覚的に、かつ、定量的に表示されている場合には、座標I0により示されるデータ収集条件の変更を表示装置上で行うことにより適切なI1を設定することができる。具体的には、後述する手段により変更が必要なデータ収集条件をベクトル空間上で適宜選択することによりI1を決定する。図中では、新たなパルスシーケンスに対応する座標I1として、データ収集条件のうちTEの値を変更したFSE−T2強調画像のデータ収集を行う場合が示されている。 【0029】以下、同様に設定された複数のパルスシーケンスが実行される。k回目に実行するパルスシーケンスのデータ収集条件を示す座標Ikを設定する際に、それ以前に実行された全てのパルスシーケンスのデータ収集条件が視覚的に示されていれば、座標I0〜Ik−1のシーケンスと設定されたIkを比較することによって、得られる情報の妥当性・必要性を予想することができる。これは、それぞれのパルスシーケンスIkがそのパルスシーケンスの性質を示すベクトル空間上の1点を表しているためで、データ収集条件を反映したベクトルを空間的に効率良く表示することで、実行したパルスシーケンスの位置づけ、これから実行しようとしているパルスシーケンスの特性を確認しながらデータを収集することができる。 【0030】しかし、このような多種多様なデータ収集条件は図4のようなn次元ベクトル空間を構成し、かつ、これらのベクトルが互いに独立であるため、データ収集条件を一度に画像上に表示することは困難である。 【0031】近年の、バーチャルリアリティ技術によりこの空間を実現することも考えられるが、ここでは、Ikベクトルで表される収集モード・データ収集条件の具体的な表示方法、設定方法について以下に説明する。 【0032】図5に示したように、データ収集条件を数値で羅列しただけでは、実行しているパルスシーケンスの性質を視覚的に把握しにくいため、より視覚的に操作者へ表示するために、空間ベクトルを立体的に表示することが望ましい。 【0033】しかし、一般的にデータ収集条件は、視覚的に独立に表示できる3次元より大きい多次元であるため、そのままでは効果的に表示することが困難である。そこで、{pn}で表されるN個のデータ収集条件を視覚的に独立に表現可能な3次元以下のデータ収集条件群に分類して、図6に示すように例えば3次元ベクトル空間を表示装置の入出力部に表示することが考えられる。 【0034】図6では、一つの例として、画像コントラストに影響を及ぼすデータ収集条件TR,TE,フリップ角を3方向の基底ベクトル空間に定義し、これを第一の階層として表示している(図6(a))。また、次の階層として、空間次元数,スライス数,マトリクス数を3方向の基底ベクトル空間を表示している(図6(b))。残りのデータ収集条件も同様の階層構造により視覚化することができるが、同一階層には、画像に反映される性質が似たものを選ぶことが、データ収集条件を視覚的に設定する上で便利である。ここでは、3次元のデータ収集条件群に分類した例について説明するが、本発明はこの場合に限られず、2次元のデータ収集条件群に分類する場合や、3次元と2次元のデータ収集条件群を併用する場合も含まれる。 【0035】図6(a)に示すように、まず、デフォルト若しくは症例に応じて設定されたパルスシーケンスに対応する座標I0(黒丸)がTR,TE,フリップ角を選択するための第一の階層ベクトル空間に表示される。次に、実行するパルスシーケンスのTR,TE,フリップ角を選択するため、第一の階層ベクトル空間でそれぞれの設定値に対応する位置を指定することにより、パルスシーケンスI11(白丸)を決定する。図に示したように、設定前のパルスシーケンスと設定後のパルスシーケンスの画面上の表示を異ならせることにより両者の区別を明確にすると良い。また、ベクトル空間における位置の指定は、マウス等の入力デバイスにより入出力画面上で適宜行うことができる。 【0036】第一の階層でのデータ収集条件の設定が終了すると、図6(b)に示すように、パルスシーケンスI11(黒丸)が空間次元数,スライス数,マトリクス数を選択するための、第二の階層ベクトル空間に表示される。ここで表示される点は、現時点で設定されている空間次元数,スライス数,マトリクス数,あるいはデフォルトのこれらの値を示した座標となる.次に、この値から空間次元数,スライス数,マトリクス数の各パラメータ値を変更するには,この第二の階層ベクトル空間でそれぞれの設定値に対応する位置のパルスシーケンスI12(白丸)を決定する。ここでは、TR,TE,フリップ角,空間次元数,スライス数,マトリクス数の6個のデータ収集条件のみの場合を示しているが、これより多いパラメータの場合にも同様の考えに基づいて、階層的にデータ収集条件を設定できる。 【0037】このようにして、最後の階層(図6では第2の階層)が終了した時点では、実行するパルスシーケンスを表すベクトルI0→I1が図5に示したように表示される。このようにパルスシーケンスが決定されるたびに、それまで実行されたパルスシーケンスの履歴が表示されるようにすれば、誤って再度同じパルスシーケンスを実行してしまう虞がなく、患者の拘束時間の伸張を防止することができる。また逆に、このような履歴表示により、如何なるデータが不足しているか、あるいは、次に如何なるデータを収集すべきかが一目瞭然となる。また、係るパルスシーケンスの履歴は、データベースとして蓄積するようにしても良い。 【0038】なお、パルスシーケンスの履歴表示にあたっては、図7に示すように、データ収集条件を反映した名称、文字、記号で簡略表示しても良い。例えば、図5に示したパルスシーケンスI0を、図7では、指定されたTR,TE,フリップ角の性質から、パルスシーケンスI0を「T2強調画像(3000,80,90)」と表示するようにしても良い。また、その階層を特徴づける名称、文字、記号等でそのデータ収集条件を置き換えて表示することも考えられる。 【0039】ところで、新たな階層におけるデータ収集条件の設定によって、以前に設定した階層におけるデータ収集条件に制限が生じる場合が考えられる。このような場合には、既に設定した値を自動的に更新する処理を行うようにしても良いし、再度設定をやり直すようにしても良い。また、実際のMRI装置では、データ収集条件の中に任意に連続的な値を取ることが許容されていないものや一定の制限を受けているものがある。このような場合には、設定しようとした値が、設定可能な値でない場合や、一定の制限を越えた値である場合が生じうる。このような場合に対応すべく、設定可能な最も近い値を自動的に設定する等の機能を設けても良い。このように、設定値の更新や変更、設定のやり直し等が生じた場合には、図8に示すように、その旨の警告メッセージを出力する機能を備えることが望ましい。また、このようにして設定値が変更された場合は、その変更されたデータ収集条件に対応する座標が画面上に表示されるようにしても良い。 【0040】さらに、付加的な処理の機能として、図9に示すように、該当部分のベクトル空間を拡大して表示する機能を備え、設定の分解能を向上させ、データ収集条件をより詳細に設定できるようにしても良い。 【0041】以上のようなデータ収集条件の設定機能に基づいて、パルスシーケンスの設定が終了した後、パルスシーケンスI1が実行され、データの収集が行われる。このデータ収集の後、新たにデータを収集する際には上記と同様の手続きを繰り返し行うことになる。 【0042】次に、実行するパルスシーケンスを決定する他の方法について説明する。症例によっては、収集モード及びデータ収集条件が決定している場合がある。このような場合、予め収集可能なモードを記号・アイコン等で画面上に表示しておき、これらを指定した後に、上記のようなデータ収集条件を設定するためのサブウィンドウを表示し、処理を行う機能を備えることも考えられる。この場合、まず収集モードが決定され、そのモードにおけるデータ収集条件を上記したような階層表示を利用して設定することになる。 【0043】また、既に症例によって収集モードにおけるデータ収集条件まで決定している場合には、収集モードを示す記号・アイコン相互をマウス等を用いて、その記号・アイコンをクリックした順序に線分で接続していき、図10のようにネットワーク的に表示し、これに従ってパルスシーケンスを実行することも考えられる。このように、既に症例によって収集モードにおけるデータ収集条件が決定されており、それらのパラメータが登録されている場合には、ネットワーク的に指定された順序で、I0,I1,I2…と自動的にパルスシーケンスを呼び出すことで、検査の自動化が図られる。 【0044】以上説明したようになデータ収集条件のベクトル表示により、データ収集条件の設定を個々の症例に合わせて簡易、かつ、適切に行うことが可能となる。次に、既に収集された画像データやシミュレーションにより構成された画像等を利用して、次に実行するパルスシーケンスを決定する方法について説明する。 【0045】例えば、初めに設定されたデータ収集条件によって収集された画像上に、病巣部を示すと思われる領域が描出され、この収集画像より詳細なコントラストをつけた画像を収集したい場合には、データ収集条件を一部変更することが必要となる。これには、図5に示されるベクトル{pn}を変更することで行えることは既に述べた。ここで、上記図6(a)に示される第一の階層ベクトルに関するデータ収集条件は、画像コントラストに影響を与えるものであるから、画像のコントラストを調整するためには、これらの条件を再度新たに設定することが望ましい。この場合に、既に収集された画像上で病巣部と思われる注目領域における輝度の高低(化合物のピーク値の高低)と、現在のデータ収集条件とを考慮し、次に実行すべきデータ収集条件を設定する。その際、図に示すようにデータ収集条件を設定するための画面上に、収集予想データを同時に表示するようにすれば、新たな設定に際し収集される可能性のある画像のコントラストを参照しながら、新たなデータ収集条件を設定することが可能となる。なお、図示しないが、かかる収集予想データに隣接して、既に収集された画像に相当する参照画像を表示し、両者のコントラストの差が直接比較できるよにしても良い。 【0046】次に、過去に撮像した同一症例と思われるデータを収集した際のパルスシーケンスの履歴の検索機能について説明する。ある症例につき、パルスシーケンスを設定する場合、まずデータベースに記録されているパルスシーケンス履歴(I0〜Ikまでが記録されているとする)からデータ収集条件を検索し、その結果から、次のパルスシーケンスに対応する座標Ik+1で如何なるデータが期待されるかを収集予想データとして表示する。この収集予想データから、データ収集条件がIk+1のままで良好な結果が得られるのか、あるいは、データ収集空間のベクトルIk+1を加減する必要があるのかを判断することができる。このような処理を備えることにより、最適なパルスシーケンスに到達するまでの過程を大幅に短縮することができ、最適な画像を得るためのデータ収集条件を迅速に決めることが可能となる。 【0047】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、パルスシーケンスのデータ収集条件や履歴を階層的に医師や操作者に対して表示することで、現在収集を行っているパルスシーケンスの性質を視覚的に把握することが可能となり、対象とする症例に対して如何なるパルスシーケンスを施したかが一目瞭然となる。このため、データ収集の漏れを未然に防げることは勿論、対象症例に対して経過した思考過程が明瞭になり、不必要なデータを収集することなく、必要十分な診断データを得ることが可能となる。また、これらのデータ収集条件の履歴をデータベース化しておくことで、必要、かつ、十分なデータを自動的に収集することが可能となる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003078 【氏名又は名称】株式会社東芝
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)9月30日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】外川 英明
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| 【公開番号】 |
特開平11−104105 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)4月20日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−266524 |
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