| 【発明の名称】 |
眼科装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】内田 浩治
【氏名】正木 俊文
|
| 【要約】 |
【課題】比較的簡単な構成で、オートアライメントの検知範囲を広くしかつ広い範囲で接近防止を検知する。
【解決手段】アライメント受光光学系において、光源43の波長のみがプリズム35a、35bを透過し、左側のプリズム35aで光束が上方に、右側のプリズム35bで光束が下方に屈折し、光源43のスポット像は撮像素子37上の中心付近に垂直方向に並ぶ2個の輝点として結像する。この2個の輝点の位置ずれが検出されると、前後動モータ5、上下動モータ12、左右動モータ18が駆動して、フィードバック制御が行われ、自動的に眼圧測定部1を適正アライメント位置に合わせる。また、被検眼Eがノズル31の先端に接近して観察範囲が覆われて撮像受光面が全体に暗くなると眼圧測定部1は後方へ退避し、再び被検眼Eの瞳孔部やアライメント輝点が摘出されると、オートアライメントが継続されて眼圧測定が行われる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 被検眼の前眼部の観察映像信号を用いて検眼する検眼手段と、該検眼手段を被検眼に位置合わせする駆動手段とを有する眼科装置において、前記検眼手段の観察映像状態のみを用いて被検眼の位置を検知する検知手段と、該検知手段の位置情報を基に、前記検眼手段を前後方向に制御する制御手段とを有することを特徴とする眼科装置。 【請求項2】 被検眼の前眼部を照明する前眼部照明手段と、該前眼部照明手段の照射が観察鏡筒で遮光される空間に被検眼があることを観察映像信号を用いて被検眼への異常接近と検知する検知手段と、該検知手段の情報により前記検眼手段を退避させる制御手段とを有する請求項1に記載の眼科装置。 【請求項3】 被検眼の観察光学系の光路中に観察光束を分離するプリズムと、該プリズムにより分離された観察映像信号のずれ量に応じて被検眼の位置ずれを検知する検知手段と、前記検知手段の情報により前記検眼手段の位置合わせを行う制御手段とを有する請求項1に記載の眼科装置。 【請求項4】 被検眼の観察光学系の光路中に観察光束を分離するプリズムと、該プリズムにより分離された観察映像信号の所定ずれ量を被検眼への異常接近として検知する検知手段と、該検知手段の情報により前記検眼手段の被検眼への異常接近を回避する制御手段とを有する請求項1に記載の眼科装置。 【請求項5】 被検眼の角膜に向けて空気を吹き付け、被検眼に光束を投影しその反射光束を光電変換し、得られた電気信号を基に眼圧測定を行う眼科装置において、角膜に向けて空気を吹き付けるノズルと、該ノズルに空気を供給するための空気発生手段と、該ノズル側を被検眼に位置合わせするための駆動手段と、該駆動手段の固定側に前記空気発生手段を配置し、前記ノズルと前記空気発生手段を繋ぐ流路の少なくとも1個所に回転可能な接合機構を有する流路を備えたことを特徴とする眼科装置。 【請求項6】 前記接合機構はベアリング軸受けと空気漏れ防止材とを有する請求項5に記載の眼科装置。 【請求項7】 前記接合機構はねじ形状の雄側と雌側で回転可能とした請求項5に記載の眼科装置。 【請求項8】 被検眼の角膜に向けて空気を吹き付け、被検眼に光束を投影しその反射光束を光電変換し、得られた電気信号を基に眼圧測定を行う眼科装置において、角膜に向けて空気を吹き付けるノズルと、該ノズルに空気を供給するための空気発生手段とを有し、前記ノズルと前記空気発生手段は蛇腹形状のフレキシブル管により連結することを特徴とする眼科装置。 【請求項9】 被検眼の角膜に向けて空気を吹き付け、被検眼に光束を投影しその反射光束の光電変換し、得られた電気信号を基に眼圧測定を行う眼科装置において、角膜に向けて空気を吹き付けるノズルと、該ノズルに空気を供給するための空気発生手段とを有し、前記ノズルと前記空気発生手段を繋ぐフレキシブル管は螺旋状の芯線を被覆して形成したことを特徴とする眼科装置。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、眼科医院等において検眼測定や眼圧測定に使用する眼科装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】 (1) 従来、角膜にアライメント光束を投影し、その反射光を受光してオートアライメントを行う眼科装置が、特開昭62−19150号公報に開示されており、また被検眼と装置の位置合わせするためのアライメント光学系や測定光学系を用いて、検眼部が被検眼に接近した場合には検眼部を退避させるように制御する眼科装置や、超音波センサや静電容量センサを検眼部の被検眼側に配置して検眼部の接近防止制御を行う装置や、駆動部に予め所定距離よりも接近しない制限を設けた装置などが知られている。 【0003】(2) また、被検眼に空気を吹き付けるノズルと空気の供給を行う空気発生部の間の流路を比較的短くし、光学部材を保持する基台に直線状の空洞の孔を形成した装置や、特開昭61−272028号公報等に開示されているように、流路をフレキシブルチューブにより繋ぐ技術が知られている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】 (イ) しかしながら上述の従来例(1) においては、アライメント光学系を使ってオートアライメントや接近防止をする場合、特に角膜反射光学系で行う場合には、被検眼の上下左右方向に予め或る程度位置合わせをしておかないと、角膜反射光束を受光部が受光できず、オートアライメントや接近防止の検知範囲が狭くなる。また、超音波センサや静電容量センサを使用する場合には、これらセンサの取付けや駆動回路、検知回路などの構成が増えて複雑になる。また、予め決められた位置で駆動部を制限した場合には、被検眼が検眼直前に突発的に装置に近付いた時などを検知できないという問題がある。 【0005】(ロ) また、上述の従来例(2) においては、空気をノズルに供給する空気発生部は、眼圧を測定する眼圧測定部に比べて比較的大きな構成となる。従って、空気発生部と眼圧測定部を一体化して位置合わせを行うと、駆動部の負荷が大きくなり、測定部の小型化が妨げられるという問題が生ずる。 【0006】また、フレキシブル管を使用した場合には、フレキシブル管の端部は継ぎ手に固定されるために自由度がなく、長さを大きくしないと自在に可動することができない。更に、フレキシブル管の材質に堅い物質を使うと自由度が失なわれ、逆に柔らかい物質を使うと自由度は増すが管内の断面形状が維持できず、管が折れて流路を塞いでしまうという問題がある。 【0007】本発明の第1の目的は、上述の問題点(イ) を解消し、比較的簡単な構成でオートアライメントの検知範囲を広くしかつ接近防止を広い範囲で検知できる安全な眼科装置を提供することにある。 【0008】本発明の第2の目的は、上述の問題点(ロ) を解消し、比較的狭い空間で自由度のある流路を形成して、測定部又は装置全体の小型化が可能な眼科装置を提供することにある。 【0009】本発明の第3の目的は、フレキシブル管を使用することにより常に一定の流量の空気を供給して測定の信頼性を向上した眼科装置を提供することにある。 【0010】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するための本発明に係る眼科装置は、被検眼の前眼部の観察映像信号を用いて検眼する検眼手段と、該検眼手段を被検眼に位置合わせする駆動手段とを有する眼科装置において、前記検眼手段の観察映像状態のみを用いて被検眼の位置を検知する検知手段と、該検知手段の位置情報を基に、前記検眼手段を前後方向に制御する制御手段とを有することを特徴とする。 【0011】また、本発明に係る眼科装置は、被検眼の角膜に向けて空気を吹き付け、被検眼に光束を投影しその反射光束を光電変換し、得られた電気信号を基に眼圧測定を行う眼科装置において、角膜に向けて空気を吹き付けるノズルと、該ノズルに空気を供給するための空気発生手段と、該ノズル側を被検眼に位置合わせするための駆動手段と、該駆動手段の固定側に前記空気発生手段を配置し、前記ノズルと前記空気発生手段を繋ぐ流路の少なくとも1個所に回転可能な接合機構を有する流路を備えたことを特徴とする。 【0012】本発明に係る眼科装置は、被検眼の角膜に向けて空気を吹き付け、被検眼に光束を投影しその反射光束の光電変換し、得られた電気信号を基に眼圧測定を行う眼科装置において、角膜に向けて空気を吹き付けるノズルと、該ノズルに空気を供給するための空気発生手段とを有し、前記ノズルと前記空気発生手段を繋ぐフレキシブル管は螺旋状の芯線を被覆して形成したことを特徴とする。 【0013】 【発明の実施の形態】本発明を図示の実施例に基づいて詳細に説明する。図1は第1の実施例のオートアライメント眼圧計の平面図、図2は側面図を示している。眼圧測定部1は送りねじ2、ガイド軸3によって支持され、前後動フレーム4により送りねじ2、ガイド軸3が支持されている。また、送りねじ2の片端に前後モータ5が直結され、眼圧測定部1の側面に雌ねじ軸受6が固定されている。従って、前後動モータ5の回転駆動により送りねじ2が回転し、眼圧測定部1はガイド軸3に沿って前後方向に移動できるようになっている。 【0014】上下動フレーム7には、ガイド軸8及び送りねじ9が垂直方向に立てられ、眼圧測定部1を含め前後動フレーム4を昇降して上下方向の移動ができるようになっている。前後動フレーム4には、ガイド軸8の軸受10と送りねじ9の雌ねじ軸受11が固定され、更に上下動フレーム7の下部には駆動源である上下動モータ12が配置されている。 【0015】眼圧測定部1の左右方向の移動は上下動と同様で、左右動フレーム13にはガイド軸14、送りねじ15が水平方向に並べられ、眼圧測定部1及び前後動フレーム4を含め上下動フレーム7を水平方向に移動できるようになっている。上下動フレーム7の下部には、ガイド軸14の軸受16と送りねじ15の雌ねじ軸受17が設けられており、更に左右動フレーム13の側面には駆動源である左右動モータ18が配置されている。 【0016】図2において、眼圧測定部1の側面に空気流入部の接合部20が固定され、接合部20の反対口にフレキシブル管21、空気発生部22が連結されている。空気発生部22は左右動フレーム13に固定され、眼圧測定部1と共に左右方向に移動するようになっている。また、空気発生部22は眼圧測定部1の上下及び前後方向の移動には連動せず、フレキシブル管21の自由度により、上下及び前後方向の全ストローク範囲において、常に一定の空気を空気室23へ送り込む構成になっている。空気発生部22はロータリソレノイド24、リンク機構25、ピストン26、シリンダ27から成り、ロータリソレノイド24の回転によりピストン26を水平移動させて、シリンダ27内の空気を眼圧測定部1へ送り込むようになっている。 【0017】眼圧測定部1の内部において、被検眼Eに対向して軸L上に被検眼観察光学系が配置されている。被検眼観察光学系は被検眼E側から、レンズ30、ノズル31、レンズ32、ダイクロイックミラー33、図3に示すようなマスク34及び2個のプリズム35a、35b、レンズ36、撮像素子37が順次に配列され、レンズ30の近傍には前眼部照明用LED光源38a、38bが配置されている。 【0018】アライメント光学系においては、受光光学系が観察光学系と一部共用されており、ダイクロイックミラー33の入射方向には、レンズ39、ハーフミラー40、ダイクロイックミラー41、投影レンズ42、光源43が順次に配列され、投影光学系が形成されている。また、ハーフミラー40の反射射方向には、アパーチャ44、受光素子45が配置され、角膜変形検出光学系が形成されており、ダイクロイックミラー41の入射方向には固視LED光源46が配置されて、固視標投影光学系が形成されている。なお、空気室23にはその内部の圧力を検出する圧力センサ47が取り付けられている。 【0019】前眼部照明用LED光源38a、38bにより照明された被検眼Eの観察像は、レンズ30、ノズル31の外側、レンズ32を通って、ダイクロイックミラー33を透過し、マスク34、レンズ36を経て撮像素子37へ導かれる。先ず、アライメント投影光学系において、光源43から出射した光束は、投影レンズ42、ダイクロイックミラー41、ハーフミラー40を透過し、レンズ39を介してダイクロイックミラー33で反射され、ノズル31内を経て被検眼Eに向かう。被検眼Eの角膜で反射された光束はレンズ30、レンズ32を通り、ダイクロイックミラー33を透過し、マスク34を経てプリズム35a、35bで2光束に分離され、レンズ36を通って撮像素子37に導かれる。 【0020】観察光学系において、角膜からの光束はマスク34の中央開口部Pを通り、アライメント受光光学系においては、光源43からの波長のみがプリズム35a、35bを透過し、左側のプリズム35aで光束が上方に、右側のプリズム35bで光束が下方に屈折し、適正作動距離のときに、光源43のスポット像は、撮像素子37上の中心付近に垂直線上に並ぶ2個の輝点として結像する。 【0021】図4は観察画像の説明図を示し、撮像素子37で得られた映像をディスプレイ48上に表示している。作動距離が前後にずれると、2個の輝点は適正作動距離での基準位置に対しそれぞれ左右方向に相対的に移動する。被検眼Eに対して眼圧測定部1が上下左右方向に移動すると、2個の輝点は共にそのずれ量に応じて相対位置を変えずに上下左右方向に移動する。図4は被検眼Eが左下に稍々ずれ、更に作動距離も若干ずれている状態を示している。 【0022】角膜変形検出の投影光学系はアライメント投影光学系と共用され、光源43から出射した光束は投影レンズ42、ダイクロイックミラー41を透過し、レンズ39を介してダイクロイックミラー33で反射され、ノズル31内を経て被検眼Eに向かう。受光光学系において、変形された角膜による角膜反射光束はレンズ30、レンズ32を通って、ダイクロイックミラー33を経てハーフミラー41で一部反射され、アパーチャ44を通って受光素子45に導かれる。 【0023】固視標投影光学系において、固視LED光源46から出射した光束は、ダイクロイックミラー41で反射され、ハーフミラー41を透過し、レンズ39を介してダイクロイックミラー33で反射され、ノズル31内を経て被検眼Eに導かれる。 【0024】図5は眼圧計の電気制御部の構成図を示し、全体の制御を行うためのコンピュータ50が設けられており、撮像素子37の出力はA/D変換器51を介してコンピュータ50と画像メモリ52に接続され、画像メモリ52の出力はコンピュータ50に接続されている。また、撮像素子37の出力は画像合成回路53を介してディスプレイ48に接続され、画像合成回路53の出力はコンピュータ50に接続されている。また、受光素子45と圧力センサ47の出力は、増幅回路54、A/D交換器55を介してコンピュータ50に接続されている。 【0025】一方、コンピュータ50の出力は駆動回路56を介して前眼部照明用LED光源38a、38b、固視用LED光源46、光源43にそれぞれ接続され、また駆動回路57を介して前後動モータ5、上下動モータ12、左右動モータ18にそれぞれ接続され、更に駆動回路58を介してロータリソレノイド24に接続されている。 【0026】観察光学系及びアライメント光学系の受光部である撮像素子37で受光されて光電変換された信号は、画像合成回路53を介してディスプレイ48に送られる。このとき、画像合成回路53は眼圧測定結果やアライメント視標を表示するために、キャラクタ合成信号をコンピュータ50から受け取り、観察映像と合成してディスプレイ48に表示する。また、アライメント検出処理される観察映像は、画像をデジタル化するA/D変換器51を介して画像メモリ52に送られ、画像メモリ52に記憶された画像はコンピュータ50に取り込まれて、瞳孔位置検出やアライメント位置検出の処理が行われる。 【0027】空気室23内の圧力を検出する圧力センサ47と、角膜変形検出光学系の受光部である受光素子45で光電変換された信号は増幅回路54で増幅され、A/D変換器55でデジタル化されコンピュータ50に送られる。また、前眼照明LED光源38a、38b、固視LED光源46、光源43のオン・オフ又は光量の制御は、コンピュータ50から制御信号が駆動回路56に送られて行われる。 【0028】被検眼Eと眼圧測定部1の位置ずれに応じて、コンピュータ50の制御信号がモータ駆動回路57に送られ、前後動モータ5、上下動モータ12、左右動モータ18の回転方向や駆動速度が制御される。なお、これらの各モータ5、12、18は、被検眼Eを観察光学系やアライメント光学系で検知できない場合には、トラックボールやマウス又はキー入力の操作でも駆動可能である。また、測定時に駆動されるロータリソレノイド24は、適正アライメント状態になったときにコンピュータ50からトリガ信号が駆動回路58に発せられて駆動する。 【0029】眼圧測定に際しては、眼圧測定部1の観察光学系の撮像素子37に被検眼Eが撮像されるように、検者はディスプレイ48を見ながらトラックボール等を操作して、前後動モータ5、上下動モータ12、左右動モータ18を駆動してアライメントを行う。このとき、被検者は眼圧測定部1から出射する固視LED光源46を固視する。眼圧測定部1のアライメント光学系を使って、被検眼Eに対する眼圧測定部1の位置合わせを正確に行う。 【0030】被検眼Eの瞳孔が或る程度映った状態で、オートアライメントを開始するキー入力を行うと、前眼部照明用LED光源38a、38bの光量が瞬間的に最大値近くに増加し、このときの全画像が撮像素子37に取り込まれる。取り込まれた画像は図6(a) に示すように、瞳孔以外の部分は前眼照明LED光源38a、38bの反射光が多く反射して入ってくるために白く映り、一方で瞳孔部は反射光が入らないので黒く映る。従って、このコントラスト差から瞳孔部が抽出されて瞳孔位置が決定する。 【0031】適正アライメント位置からずれている場合にはそのずれ量を算出し、そのずれ量に応じて上下動モータ12、左右動モータ18を駆動する。或る程度アライメントが合ってくると、アライメント検出光学系の受光光束と2個のアライメント輝点が撮像素子37に受光されてディスプレイ48に映る。2個のアライメント輝点の位置ずれが検出されると、適正アライメント位置に更に合わせるように前後動モータ5、上下動モータ12、左右動モータ18が駆動する。このようにして、オートアライメントのフィードバック制御が行われ、自動的に眼圧測定部1を適正アライメントに位置合わせすることができる。 【0032】適正アライメント位置に合わされると、トリガ信号が発生して自動的に空気発生部22が駆動される。空気発生部22から空気室23に空気が送り込まれ、ノズル31から角膜に空気が吹き付けられる。吹き付けられた空気により角膜が変形し、所定変形状態で受光素子45の出力はパルス状になり、そのピーク時の空気室23内の圧力が圧力センサ33で測定されて眼圧値に換算される。以上が被検眼Eへのアライメントから眼圧測定までの一連動作となる。 【0033】オートアライメント中は眼圧測定部1は自動的に位置合わせされており、検者は強制的に中断しない限り測定終了まで何も操作しなくてもよい。しかし、被検眼Eがオートアライメント中に何らかの原因で眼圧測定部1に接近した場合には、被検眼Eの急な位置変化によって検出位置を見失い、被検眼Eと接触する可能性がある。 【0034】このために、図1に示すように前眼部照明用LED光源38a、38bの照射範囲が限定されており、被検眼Eがノズル31の先端に接近する領域Aでは、前眼部照明用LED光源38a、38bが明るく照明していても、図6(b) に示すように観察範囲全体が覆われて撮像受光面が全体に暗くなる。 【0035】この暗くなる現象が撮像素子37で捉えられると、眼圧測定部1を数mm後方へ退避させる制御が働き、更に数mm後方へ退避させた後に、再び被検眼Eの瞳孔部やアライメント輝点が抽出されると、オートアライメントが継続されて眼圧測定が行われる。このようにして、オートアライメント中に突発的に、被検眼Eから装置への接近した場合でも、安全に眼圧測定を実施することができる。このように、本実施例は従来のように被検眼に視標を投影することなく、真に前眼部の観察映像信号のみに基づいて装置を前後に移動させる構成を採用している。 【0036】図7は第2の実施例の眼圧計の構成図を示し、前眼部照明用LED光源38a、38bの位置はレンズ30に隣接され、被検眼Eが眼圧測定部1に接近した状態でも、常に被検眼Eが照明されるようになっている。また、観察光学系のダイクロイックミラー54の後方には、レンズ60、マスク61、プリズム62、レンズ63を順次に配置され、その後方に撮像素子37が配置されている。マスク61は縦に3つの開口部が設けられ、中心は観察光学系の光束が通るために稍々大きめに作られており、その上下に設けた開口部には、アライメント光源である光源43の波長のみを透過するフィルタが設けられている。その他は第1実施例と同様の構成で、図1と同じ符号は同じ部材を表しており説明は省略する。 【0037】前眼部照明用光源38a、38bによる被検眼Eの観察光束は、レンズ30、32、ダイクロイックミラー33を透過し、レンズ60によりプリズム62内に結像し、プリズム62の上半分と下半分で相反する左右方向に屈折して分離される。この観察光束のレンズ60による結像位置は、被検眼Eと眼圧測定部1の距離が適正作動距離よりも長い場合は、プリズム62よりもレンズ60に近い側に結像し、観察映像は上半分は右側に下半分は左側にずれて映る。一方、被検眼Eと眼圧測定部1の距離が適正作動距離よりも短い場合は、プリズム62よりもレンズ63に近い側に結像し、観察映像は上半分は左側に下半分は右側にずれて映る。 【0038】図8(a) は被検眼Eが眼圧測定部1に対して稍々左方向にずれた状態で接近したときのディスプレイ48上の画像を示している。また、オートアライメント中に、このように被検眼Eが眼圧測定部1に接近したときに検出される瞳孔画像は、図8(b) に示すように画像メモリに記憶される。上下に分離された2つの瞳孔はそれぞれ円の一部としてその中心位置が求められ、2つの部分円の中心位置の左右方向のずれ量が所定値より大きくなると、被検眼Eが異常接近していることが判別される。また、瞳孔全体が上半分又は下半分の何れかだけに撮像されている場合には、その瞳孔の大きさが所定量より大きくなると、被検眼Eへ異常接近していることが判別される。 【0039】また、2個の部分円の中心位置の左右方向のずれ量や瞳孔の大きさが所定量以下であれば、アライメントずれと判断され、更に瞳孔の全体位置の撮像面の中心からのずれ量によって、被検眼Eの上下左右方向の位置ずれが判別される。このように、瞳孔検出によって異常接近やアライメントずれを検出することができるので、適正なアライメント位置に移動するように、駆動回路57を介して前後動モータ5、上下動モータ12、左右動モータ18の制御を行う。 【0040】このように、角膜頂点と観察光軸を正確に合わせないと、角膜反射光束を受光できない従来の角膜反射光束によるアライメント光学系と比較して、本実施例の観察光学系では被検眼Eの瞳孔が見える範囲で位置検出ができるので、広い範囲で位置検出を行ってオートアライメントの検知が可能となり、操作性を向上することができる。 【0041】また、第1の実施例と同様に、マスク61により撮像素子37にアライメント検出光学系の角膜反射によるアライメント光束点が結像するようになっており、本実施例ではプリズム60により分離された観察映像内にアライメント輝点が前眼部観察像と合わされて、図9に示すようにディスプレイ48上に表示される。従って、アライメント検出をより正確に行うことができ、誤検出を防止することができる。 【0042】これらの第1、第2の実施例において、被検眼Eの瞳孔が観察映像で検出されていなくとも、通常の前眼部照明用光源38a、38bの明るさで、観察映像全体が白い反射光で覆われているときは、被検者の顔が異常接近して皮膚の散乱光を受光しているとして、眼圧測定部1を退避させる制御をすれば、更に安全な装置とすることができる。 【0043】また、測定前に被検眼Eに応じて所定距離以上に接近しないように駆動部に制限を設けた装置では、予め設定した距離が適正アライメント位置に近い場合には、オートアライメント中にその制限を受けて測定が中断する可能性があるが、本実施例を利用すれば、予め設定された位置から被検眼Eが徐々に近付く、即ち装置から被検眼Eが離れていっても、オートアライメント中の被検眼Eの位置を優先させることにより、設定した制限距離を修正することも可能である。なお、本発明は眼圧計だけでなく眼底カメラや眼屈折計等の他の眼科装置にも利用することができる。 【0044】図10は第3の実施例の眼圧計の平面図を示し、眼圧測定部70は被検眼Eに対向する位置に配置され、この眼圧測定部70に固定された雌ねじ軸受71と送りねじ72により、被検眼Eの前後方向に移動できるようになっている。送りねじ72は両端でフレーム73に支持され、前後動モータ74の駆動により回転するようになっている。また、フレーム73は被検眼Eの上下方向に移動させるための送りねじ75及びガイド軸76で支持されており、フレーム73にはガイド軸76の軸受76aと送りねじ75の雌ねじ軸受75aが固定されている。その他の構成は図示を省略してあるが、この上下機構も前後機構と同様に図示しない上下動モータにより上下に駆動され、また左右方向も同様な構成で左右に駆動されるようになっている。 【0045】眼圧測定部70の側面には、空気発生部77から空気が供給される接合部78が配置され、この接合部78は眼圧測定部70の側面に沿って回転可能とされており、空気発生部77と接合部78はフレキシブル管79で結合されている。また、空気発生部77はロータリソレノイド80、シリンダ81、ピストン82、リンク部83から成り、ロータリソレノイド80の回転駆動により、リンク部83を介してピストン82が直線移動し、シリンダ81内の空気をフレキシブル管79を介して空気室84へ送り込む構成になっている。また、眼圧測定部70には空気室80の圧力を測定する圧力センサ85が取り付けられている。 【0046】図11は眼圧測定部の断面図を示し、被検眼Eの観察光学系には、レンズ90、ノズル91、レンズ92、ダイクロイックミラー93、マスク94、プリズム95、レンズ96、撮像素子97が順次に配列されており、レンズ90の近傍には前眼部照明用光源98が配置されている。ダイクロイックミラー93の入射方向には、レンズ99、ハーフミラー100、ダイクロイックミラー101、レンズ102、光源103が順次に配列され、アライメント光学系が形成されている。ハーフミラー100の反射方向にはアパーチャ104、受光素子105から成る角膜変形検出光学系が配置され、ダイクロイックミラー101の入射方向には固視LED光源106から成る固視標投影光学系が配置されている。 【0047】被検眼Eに眼圧測定部70を位置合わせして、空気吹き付けによる角膜変形を検出することにより眼圧測定を行う。被検眼Eの観察光学系において、前眼部照明用光源98で照明された被検眼Eにより形成された観察像は、レンズ90、ノズル91の外側、レンズ92を通って、ダイクロイックミラー93を透過し、マスク94、レンズ96を経て撮像素子97へ導かれる。 【0048】アライメント光学系において、光源103から出射した光束は、投影レンズ102、ダイクロイックミラー101、ハーフミラー100を透過し、レンズ99を介してダイクロイックミラー93に反射され、ノズル91内に照射されて被検眼Eへ向かう。被検眼Eの角膜で反射された光束は、レンズ90、レンズ92を通ってダイクロイックミラー93を透過し、マスク94、プリズム95により2光束に分離され、撮像素子97に導かれる。マスク94、プリズム95の光束断面は図12に示すようになっており、適正作動距離では光源103のスポット像は撮像素子97に2個の輝点として結像する。作動距離が変化した場合には、この2個の輝点の間隔が変化して、方向と変化量が分かる。 【0049】また、角膜変形検出光学系において、光源103から出射した光束は、投影レンズ102、ダイクロイックミラー101、ハーフミラー100を透過し、レンズ99を介してダイクロイックミラー93で反射され、ノズル91内を経て被検眼Eへ向かう。変形された角膜からの反射光束は、レンズ90、レンズ92を通ってダイクロイックミラー93で反射され、ハーフミラー100で更に一部が反射されて、アパーチャ104を通り受光素子105に導かれる。 【0050】固視標投影光学系においては、固視LED光源106から出射した光束は、ダイクロイックミラー101で反射され、ハーフミラー100を透過し、レンズ99を介してダイクロイックミラー93に反射され、ノズル91内を経て被検眼Eに導かれる。 【0051】測定に際しては、先ず眼圧測定部70の観察光学系を使ってラフアライメントを行う。このとき、被検者は眼圧測定部70から出射する固視標を固視し、眼圧測定部70のアライメント光学系を使って、被検眼Eに対する眼圧測定部70の位置合わせを正確に行う。所定位置にアライメントされると、撮像素子97の位置情報を基に制御回路によって自動的に空気発生部77が駆動される。空気発生部77から密閉された空気室84に空気が送り込まれ、ノズル91から角膜へ空気が吹き付けられる。吹き付けられた空気により角膜が変形し、所定変形状態での受光素子105の出力がパルス状になり、そのピーク時の空気室84内の圧力を圧力センサ85で測定して眼圧に換算する。 【0052】図13は空気発生部と眼圧測定部間の空気流路の断面図を示し、眼圧測定部70内の空気室84は、接合部78、フレキシブル管79を介して空気発生部77に連結している。接合部78はフランジ固定部107と回転部108から成り、フランジ固定部107と回転部108の接続部分は、ベアリング109とシール材110から構成されている。従って、回転部108はフランジ固定部107に対して滑らかに回転可能となり、シール材110によって流路内の空気が外部に漏れない構成とされている。また、フランジ固定部107の管内は眼圧測定部70の空気室84に結合されており、その結合部分は外部に空気漏れがないように固定されており、更に回転部108はフレキシブル管79と結合され、その結合部分も外部に空気漏れがないように固定されている。 【0053】このような構成により、回転部108はフランジ固定部107に対して回転可能とされているので、眼圧測定部70が前後又は上下に移動したときに、眼圧測定部70に対するフレキシブル管79の接合部分の方向が変化して、フレキシブル管79の張力が押さえられ、前後駆動部又は上下駆動部に余分な負荷が掛かることはない。 【0054】従って、駆動には比較的小型のモータを使用することが可能となり、装置の小型化及びコスト低減に有効である。また、フレキシブル管79は弾性を有するステンレス又は細い芯線が柔らかい樹脂膜にスパイラル状に埋め込まれた構成とすれば、流路の屈曲が柔軟にでき管内の断面も変形し難く、流れる空気が遮断されることがない。 【0055】図14は接合部及びフレキシブル管の構成を単純化した変形例を示し、フランジ固定部107’には細かいピッチの雄ねじが形成されており、回転部108’にはこの雄ねじに対する雌ねじが形成されている。回転部108’とフランジ固定部107’の隙間tは、ねじピッチの2倍以上に保たれ、回転部108’は蛇腹形状のフレキシブル管79’と結合されており、この回転角は1回転未満なので、ねじが締め付けられて回転が停止することはない。 【0056】また、フレキシブル管79’は蛇腹形状になっているために、フレキシブル管79’の断面の径方向には変形し難く、流路方向には変形し易い。従って、流路に対し柔軟に屈曲することができ、管内の断面が変形し難いために、流れる空気が遮断されることはない。 【0057】本変形例においても、前後又は上下駆動部に余分な負荷が掛からないので、比較的小型のモータの使用が可能となりで、装置の小型化及びコスト低減に有効である。 【0058】上述の実施例では、駆動部によって眼圧測定部70を位置合わせする構成を説明したが、図15に示すように手持ちの眼圧測定部70’を有する眼圧計においても、眼圧測定部70’と空気発生部77’とを接合部78’とフレキシブル管79’を用いて結合することにより、眼圧測定部70’の向きに対して自由度が増し操作性が向上する。また、フレキシブル管70’が外観に露出されても、外圧による変形も発生し難い。 【0059】 【発明の効果】以上説明したように本発明に係る眼科装置は、検眼手段の観察映像信号を用いて被検眼の位置を検知し、この位置情報を基に検眼手段を前後方向に制御することにより、比較的簡単な構成で被検眼の位置を広範囲に検出することができるので、オートアライメントや接近防止に有効に作用し、被検者にとって操作性及び安全性が向上する。 【0060】また、本発明に係る眼科装置は、空気発生手段を繋ぐ流路の少なくとも1個所に回転可能な接合機構を設けたことにより、駆動部に余分な負荷が掛からず、また測定部の向きに対する自由度が増して操作性が向上する。 【0061】本発明に係る眼科装置は、ノズルと空気発生手段を断面が蛇腹形状のフレキシブル管で連結することにより、流路が屈曲しても流路の断面形状を変形させないので、常に一定の流量の空気を供給でき装置の信頼性が向上する。従って、比較的小型のモータの使用が可能となり、装置の小型化及びコスト低減に有効である。 【0062】本発明に係る眼科装置は、ノズルと空気発生手段を繋ぐフレキシブル管を螺旋状の芯線を被覆して形成することにより、流路が屈曲しても流路の断面形状を変形させないので、常に一定の流量の空気を供給でき、装置の信頼性が向上する。従って、比較的小型のモータの使用が可能となり、装置の小型化及びコスト低減に有効である。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000001007 【氏名又は名称】キヤノン株式会社
|
| 【出願日】 |
平成9年(1997)10月3日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】日比谷 征彦
|
| 【公開番号】 |
特開平11−104081 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)4月20日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−287908 |
|