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【発明の名称】 内視鏡の視野変換装置
【発明者】 【氏名】堀井 章弘

【要約】 【課題】術者の頭部の動きによって、術者の所望の視野を得ることができる内視鏡の視野変換装置を提供する。

【解決手段】内視鏡画像の視野を変換する視野変換カメラ4と、観察者の頭部の移動を検出する姿勢センサ17と、この姿勢センサ17によって検出された移動量を表示する表示モニタ15と、前記移動量を確認する確認スイッチ13と、この確認スイッチ13によって確認された移動量に基づき、視野変換カメラ4を動作させる制御装置14とを具備する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 内視鏡画像の視野を変換する視野変換手段と、観察者の頭部の移動を検出する移動検出手段と、この移動検出手段によって検出された移動量を表示する表示手段と、この表示手段の表示を参照して前記移動量を確認する確認手段と、この確認手段によって確認された移動量に基づき、前記視野変換手段を動作させる制御手段と、を具備することを特徴とする内視鏡の視野変換装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は内視鏡の視野変換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】処置具と内視鏡とをそれぞれ別個に患者の体腔内に挿入し、体腔内に挿入された処置具の先端部分の画像を内視鏡の観察視野内に捉え、処置具による患部の処置状態を内視鏡によって観察しながらその処置作業を行う内視鏡下の手術が一般に知られている。
【0003】米国特許5436542号公報は、内視鏡を保持したロボットアームを、術者の頭部に設けられた位置センサの検出値に応じて駆動する方法を開示している。
【0004】また、特開平6−30896号公報は、術者の指令を音声認識システムに認識させて内視鏡を保持したロボットアームを駆動し、視野変換を行う方法を開示している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記した米国特許5436542号公報では、内視鏡を保持したロボットアームを、術者の頭部の運動に応じて駆動している。この方法では、術者の不用意な動きによる動作を防止するために、術者がフットスイッチを押したときのみに動作する。しかし術者の頭部の運動は不安定なので、画面の移動が不安定になり術者の希望する視野を得るのが困難である。
【0006】本発明はこのような課題に着目してなされたものであり、その目的とするところは、術者の頭部の動きによって、術者の所望の視野を得ることができる内視鏡の視野変換装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために、本発明の内視鏡の視野変換装置は、内視鏡画像の視野を変換する視野変換手段と、観察者の頭部の移動を検出する移動検出手段と、この移動検出手段によって検出された移動量を表示する表示手段と、この表示手段の表示を参照して前記移動量を確認する確認手段と、この確認手段によって確認された移動量に基づき、前記視野変換手段を動作させる制御手段とを具備する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0009】まず、本発明の第1実施形態について説明する。第1実施形態の目的は、術者が手を用いずに術者の頭の動きによって内視鏡の視野を術者が持った方向に確実に移動する手段を提供することにある。
【0010】図1(A)は、本発明の第1実施形態の構成を示す図である。スコープ1は接眼部3によって視野変換カメラ4に接続されている。スコープ1の根元はスコープホルダ7によって図示しない手術台に保持されている。スコープ1の挿入部2は体壁8に取り付けられたトラカール9を通して体腔内に挿入され、体腔内を観察できる。また、体腔内には鉗子10の挿入部12が挿入されている。鉗子10の手元にはハンドル11及びハンドル11の近辺には確認スイッチ13が設けられている。
【0011】視野変換カメラ4は制御装置14に接続され、制御装置14は内視鏡の画像を表示する表示モニタ15に接続されている。図1(B)はこの表示モニタ15に内視鏡の画像を表示した様子を示している。また、制御装置14は姿勢センサ17及び確認スイッチ13に接続されている。姿勢センサ17は固定具18によって術者の頭16に着脱自在に固定されている。視野変換カメラ4は電動で駆動されるズームレンズ5及び撮像素子6から成り立っている。撮像素子6は制御装置14によってスコープ1の光軸に対して垂直に上下左右に平行移動することができる。
【0012】次に、上記した構成の作用を図1及び図2を参照して説明する。
【0013】スコープ1によって図1(B)に示されるR1の領域が撮影される。このR1の領域はズームレンズ5によって拡大される。その拡大された一部分の領域が撮像素子6に投影され、撮像素子6によって撮影された部分が表示モニタ15にR2で示すように表示される。ここで、撮像素子6を光軸に対して上下左右に移動することによって、スコープ1にて観察される先端部におけるR2の範囲が変わる。それによって、表示モニタ15に表示される画像の位置が変更され、あたかもスコープ1を上下左右に動かしたかのような画像を得ることができる。
【0014】また、ここで、ズームレンズ5の拡大率を変えることにより、スコープ1を近づけたり、遠ざけたりしたのと同じような画像を得ることができる。この視野移動は術者の頭16に設けられた姿勢センサ17によって制御される。
【0015】図2は表示モニタ15に表示されたモニタ画像22を示す図である。モニタ画像22の中央にカーソル24が表示されている。術者の頭16の上下の移動19及び左右の移動20が術者の頭16に設けられた姿勢センサ17によって検出され、これらの移動19、20に応じてカーソル24を画面上を移動させることができる。
【0016】ここで、術者が所望の位置25にカーソル24を移動させ、その時点で鉗子10に設けられた確認スイッチ13を押すと、その時のカーソルの位置25が画面の中央になるように視野変換カメラ4が駆動され、視野が23のように変換される。これにより、術者は所望の位置に視野を自由に変換することができる。また、術者の頭16の前後方向の運動21に対応して視野変換カメラ4のズームレンズ5の拡大率を変化させることで、頭16を前に突き出せば画面が拡大され、逆に頭16を引けば縮小されるといったように、あたかも物体に近づいたり、遠ざかったりしているかのような画像を得ることも可能である。
【0017】図3は図1に示す姿勢センサ17の詳細な構成を示す図である。姿勢センサ17の内部には、上下方向の回転を検出する第1のジャイロセンサ26a及び左右方向の回転を検出する第2のジャイロセンサ26b及び図示されない視面に対して垂直に設けられた前後方向の回転度を検出する第3のジャイロセンサより成る。これら第1、第2、第3のジャイロセンサによって、術者の頭16の相対的な回転移動量が求められる。しかしながら、これら第1、第2、第3のジャイロセンサで求められた移動量は絶対的な位置や絶対的な姿勢ではない。そのため、ある時点からの姿勢の変化をそれぞれのセンサ出力を積分することで術者の頭の姿勢を得ることができる。しかしながら、一般にこのジャイロセンサはドリフト(時間による値の変化)が大きいため、積分を長時間続けると値が正確でなくなるという欠点がある。従って、このようなセンサを用いる場合には、鉗子10に設けられた確認スイッチ13を最初に押した段階から積分を開始し、押し終わった状態の位置を読み込むといった構成にするような配慮が必要である。
【0018】また、本実施形態では図示しない第3のジャイロセンサを姿勢センサ17で構成することもできる。第3のジャイロセンサは、第1のジャイロセンサ29a及び第2のジャイロセンサ26bと、それぞれ垂直な位置に配置される。その場合、第1のジャイロセンサ26a及び第2のジャイロセンサ26bによって、術者の頭16の上下方向の運動19及び左右方向の運動20のみを検出して視野方向を変換する。視野の拡大、縮小に関しては、鉗子10に設けられた確認スイッチ13にズームスイッチを設けることで実現できる。
【0019】上記した第1実施形態によれば、術者の頭16の移動というような不安定な動きを視野移動に用いても確認スイッチ13を有しているために所望の方向に対して移動ができる。また、確認スイッチ13を設けることによって、ジャイロセンサのような安価なセンサを用いて本実施形態を構成することができる。
【0020】また、術者が手元で操作するのは確認スイッチ13だけであり、その他の操作は術者の頭の移動によって行われるため、術者は手術作業に専念できる。
【0021】以下に本発明の第2実施形態を説明する。第2実施形態の目的は視野変換カメラを音声認識装置によって確実に所望の視野に移動させることにある。
【0022】図4は本発明の第2実施形態の構成を示す図である。第2実施形態では第1実施形態で示された構成に加え、制御装置14に音声認識装置27が接続されている。音声認識装置27にはマイク29が接続されている。マイク29はインカム28によって術者の頭16に固定されている。また、鉗子10には確認スイッチ13が設けられている。
【0023】次に、上記した構成の作用を説明する。
【0024】術者は確認スイッチ13を押した後で、マイク29に対して指令コマンドを発生する。音声認識装置27は確認スイッチ13が押された直後の音声コマンドのみを認識し、その音声コマンドに対応して制御装置14を駆動する。ここで、音声コマンドとは画面の上下左右を指令する命令、上、下、右、左、また、画面の拡大率を変更させる指令、ズームイン、ズームアウト等である。
【0025】一般には音声認識装置はある一定以上の認識率を持ち得ない。そのために、誤動作する可能性があるが、確認スイッチ13を操作した後のコマンドのみを解釈するという構成を採用することによって、誤動作が防止できる。
【0026】また、上記した音声コマンドに、「少し」上、「ちょっと」下等の指令が与えられた時に視野が微動するような図示されない微動司令部を制御装置14に設けることで、視野変換の移動量を可変することができる。
【0027】第2実施形態の構成では、価格の安い認識率の低い音声認識装置を用いることも可能である。また、図4に示すように、術者の声を取得するマイク29を視野変換カメラ4の内部に内蔵マイク30として設けることも可能である。これにより、術者はマイクのためにインカムを装着する必要がなくなり、また、一般に視野変換カメラ4と術者の位置が近いため、十分に音声を拾うことができる。
【0028】上記した第2実施形態によれば、音声認識装置を用いて視野変換カメラを駆動しても誤操作を防止できる。また、得られた画像を画像処理し、観察部位の胆嚢などの臓器や鉗子などの器具を識別し、音声コマンドでそれらの臓器の名称や器具の名称を指示することで、認識された臓器や器具が画面の中央に来るように制御することができる。
【0029】以下に本発明の第3実施形態を説明する。第3実施形態の目的は、術中に手を用いずに視野変換を行なえるようにして術者が手術操作に専念できるようにすることにある。
【0030】図5(A)は本発明の第3実施形態の構成を示す図である。第3実施形態の構成は、制御装置14と、方向指示手段31と、方向センサ68と、操作スイッチ32とからなる。方向センサ68は術者の足に装着されたサンダル34の裏に設けられている。方向センサ68及び操作スイッチ32の出力が方向指示手段31に接続され、方向指示手段31の出力が制御装置14の入力に接続されている。
【0031】方向センサ68は、プレート35と、足の上下左右の移動に対応する感圧センサ36a、36b、36c、36dとからなる。感圧センサ36aの構造は、図5(B)に示すように、感圧導電ゴム37が電極38に挟まれ、それがサンダル34に内蔵されている。36b、36c、36dに関しても同じ構造である。また、プレート35にはそれぞれの感圧センサ36a、36b、36c、36dに対応する突起40が設けられている。また、プレート35は支点39によって、サンダル34に対応して移動することができる。この構成により、術者の体重移動に対応して上下左右の指示を出すことができる。
【0032】以下に上記した構成の作用を説明する。例えば、術者が足の前方に力をかけると、プレート35の突起40がサンダル34を強く押し、その結果、感圧センサ36aの出力が増大する。また、下、右、左に関しても同様である。この構成により、術者は自分の足の体重移動によって自在に視野を変換することができる。しかしながら、足の力加減では、微妙な操作が不可能である。ここで、鉗子10に設けられた操作スイッチ32の視野移動スイッチ33a及びズームスイッチ33bを用いる。視野移動に関しては、第1実施形態と同様な操作を行うことができる。視野移動スイッチ33aを押すと、モニタ画面にカーソルが表示され、そのカーソルを足への体重を移動させることによって、画面上のカーソルを移動する。そのカーソルが所望の位置に来たときに視野移動スイッチ33aを離す。その位置がカーソルの位置として指定され、その位置に対して視野変換が行われる。
【0033】また、ズームの倍率を変化させたい場合には、ズームスイッチ33bを押しながら、術者は足に対して体重移動を左右に行う。その時、感圧センサ36d、及び36cで体重移動を検出し、その結果に基づいてズームの移動が行われる。そして、ズームスイッチ33bを離した時にはズームの変換を行う。これによって、術者は自由に視野の拡大率を変換することができる。
【0034】図6は上記した第3実施形態の変形例を示す図である。術者の足44に装着されたサンダル41の底面にトラックボール42が設けられている。トラックボール42の上にはスイッチ43が設けられている。トラックボール42によって、術者の足44の前後左右の移動を検出することができる。
【0035】また、術者が足44を強く踏むことによって、トラックボール42が床によって押され、スイッチ43をonすることができる。この構成で術者が足44を強く踏んだ時に、スイッチ43がonになり、スイッチ43がonになっているときのトラックボール42の移動量を検出することで足44の移動量を検出し、その移動量に基づいて視野変換カメラにより視野を変換することで術者の所望の視野を得ることができる。
【0036】上記した第3実施形態によれば、術者は術中に手を用いずに視野変換を行うことができるため、手術操作に専念することができるという利点がある。
【0037】以下に本発明の第4実施形態を説明する。第4実施形態の目的は、術者が鉗子の持つ方向を変化させても鉗子に設けられた上下左右の移動スイッチによって自在に視野変換が行えることにある。
【0038】図7(A)、(B)は本発明の第4実施形態の構成を示す図である。鉗子10には操作スイッチ45が着脱自在に設けられ、操作スイッチ45にはズームノブ47と、移動スイッチ46が設けられている。また、操作スイッチ45からはケーブル48が接続されており、ケーブル48は制御装置14に接続されている。移動スイッチ46はハンドル11を把持している術者の指によって、上下左右の移動方向を検出することができる。また、ズームノブ47はハンドル11に対して右側からも左側からも操作することができる。それはズームノブ47に突起51が設けられているからである。ズームノブ47の回転は、操作スイッチ45に設けられたズームアップスイッチ50a及びズームダウンスイッチ50bにより検出される。ズームノブ47を右方向に回せばズームアップ、左方向に回せばズームダウンとなる。
【0039】また、操作スイッチ45には加速度センサ49a、49b、49cが設けられている。49aは操作スイッチの横方向、49bは操作スイッチの縦方向の加速度を検出し、49cは49a及び49bに垂直な成分の加速度を検出する。これら49a、49b、49cの加速度センサにより、重力方向が検知される。
【0040】図8は、図7に示す移動スイッチ46の詳細な構成を示す図である。移動スイッチ46は操作ノブ52とその下側に固定された永久磁石53及び操作ノブ52及び永久磁石53と一体的に構成された半球57で構成され、半球57は半球状の孔を持つ凹みに躍動して自在に回転できるようになっている。それら半球の下には永久磁石53の磁界の向きを検出するホール素子54a、54b、54c、54dが設けられている。これらホール素子54a、54b、54c、54dのセンサ出力(SU 、SD 、SL 、SR )から操作ノブ52の操作方向θi ( 56) が、θi =tan-1(SU −SD )/(SL −SR )により求められる。
【0041】以下に上記した構成の作用を説明する。鉗子10の操作ハンドル11が地面に対して垂直である場合には、移動スイッチ46の移動方向、上下左右及び操作モニタ上での視野変換の方向、上下左右は一致している。しかしながら、操作ハンドル11を大きく傾けた場合には移動スイッチ46の上下左右とモニタ15の上下左右は一致しなくなる。したがって、この不一致を加速度センサ49a、49b、49cにより求められた重力方向によって補正する必要がある。
【0042】図9はこの補正について説明するための図である。図9に示すように、加速度センサ49a、49b、49cによりハンドル11に対する重力方向58が検出される。この重力方向58は鉗子ハンドル11に対して角度γということが検出される。また、移動スイッチ46の操作方向はθi (56)であることが得られる。これより、実際のモニタ画像15(図7(C))の上下方向に対する視野移動方向はθo =θi +γ…59という形で算出することが可能である。この算出されたθo に基づいて視野方向を移動することができる。
【0043】これにより、ハンドル11が垂直方向に対して傾いている場合でも、移動スイッチ46の移動方向とモニタの視野の移動方向とを一致させることができる。また、本実施形態では、3つの加速度センサにより、3次元的な重力方向を検出しているが、加速度センサ49a及び49bを用いた2次元的な重力方向の検出でも同様の補正を行うことが可能である。
【0044】上記した第4実施形態によれば、ハンドル11が垂直方向に対して傾いている場合でも、移動スイッチ46の移動方向とモニタの視野の移動方向を一致させることができるため、術者の手の操作感覚と視野の方向を一致させやすい。
【0045】また、本実施形態では操作スイッチ45は、操作スイッチケーブル48で制御装置14に接続されているが、これを、電極波、赤外線等による光通信、超音波等を用いて無線で操作情報を制御装置14に伝送することは当然可能である。この場合、操作スイッチ45に信号送信手段とボタン電池などの送信手段への電源供給手段が設けられ、制御装置14には信号受信手段が設けられる。このような構成では多数の手術器具に操作スイッチ45を設けても、操作スイッチケーブル48が邪魔になることがない。
【0046】また、本実施形態のような移動スイッチ46で視野の移動操作を行う場合には、スイッチの向きと画面の向きの相違による違和感の他に、人による画像の移動の捉えかたによる違和感が生じることがある。即ち、視野を上下左右に動かす場合に、スコープを上下左右(つまり自分自身が動く方向に)に操作するように指示するのか、画面そのものを上下左右に動かすのかで、操作方向が逆になる。これは、操作者の感じ方に依存するので、制御装置14に操作方向の対応の正/逆転を選択するスイッチを設けることで、両方の要求に対して対応できるようになる。
【0047】また、本実施形態で示される操作スイッチ45のズームノブや移動スイッチ46のスイッチを押し込むときの軽/重で2段階に操作できるものとし、軽の時には微動し、重のときには粗動するように設定することができる。これによりすばやくかつ精密に視野移動または視野拡大・縮小の設定ができる様になる。多段階スイッチや無段階スイッチを用いることによりさらに精密な速度の制御を行うことができる。またスイッチの構成を変えず、押している時間が長くなればスピードを早くするといった、押している時間によって速度の制御を行うことも可能である。
【0048】以下に本発明の第5実施形態を説明する。第5実施形態の目的は術者が処置具を交換しても簡単な操作で視野方向の変換が可能な手段を提供することにある。
【0049】図10は本発明の第5実施形態の構成を示す図であり、第1実施形態の制御装置14と、指サックセンサ61と、フットスイッチ65と、視野変換カメラ4の内部に設けられたソースコイル64と、指サックセンサ61の内部にある3次元位置センサ62とからなる。3次元位置センサ62及びソースコイル64及びフットスイッチ65は制御装置14に接続されている。指サックセンサ61は術者の中指63に着脱自在に固定することができる。
【0050】以下に上記した構成の作用を説明する。
【0051】3次元位置センサ62はソースコイル64に対して受信コイルの役目をしており、ソースコイル64で発生される磁界に対して相対的な3次元位置を3次元位置センサ62で検出することが可能である。術者がフットスイッチ65を踏むと図11に示されるように、モニタ画像22にカーソル25が表示される。カーソル25は術者の中指63の動きに対応して検出される3次元位置センサ62の3次元的な位置の変換によって移動可能である。
【0052】具体的には、術者が中指63を横方向に上下左右に水平移動させるものが視野の上下左右の移動に対応し、中指63を前方に突き出すことがズームアップ、手前に引き戻すことがズームダウンに対応している。これにより、フットスイッチ65を踏むことにより、モニタ画面22上にカーソル25を表示させることができる。その状態で術者の中指63を水平に上下左右に移動させることにより、所望の位置にカーソル25を移動することができる。
【0053】そこで、フットスイッチ65を離すと、その位置が術者の所望の位置として固定され、当該位置が画面中央にくるように視野変換カメラ4によって視野が移動される。また、フットスイッチ65を踏んだ状態で術者の中指63を前に突き出すと、3次元位置センサ62によって術者の中指63の移動が検出され、モニタ画像22上にズームアップされる範囲66が表示される。術者の所望の倍率まで達した時に、フットスイッチ65を離すことにより、その指定されたウィンドウ66の範囲が画面一杯になるように拡大される。逆に、ズーム倍率を下げたい場合には手前側に中指63を移動させることによって、中指63の移動が検出され、視野範囲が広がる方向が矢印67でモニタ画面22上に表示される。
【0054】このようにして、3次元位置センサ62が設けられた指サックセンサ61により、視野を術者の所望の方向に移動させることができる。一般に、手術中では術者は多くの種類の処置具を交換しながら用いているが、この実施形態においては、処置具の交換の度にスイッチを持ち変える必要がないという特徴を有する。また、本実施形態における3次元位置センサ62は磁気センサに留まらず、第1実施形態で示したような、ジャイロセンサ、また、第4実施形態で示されたような、加速度センサを用いることもできる。
【0055】上記した第5実施形態によれば、術者が処置具を交換しても、処置具の交換の度にスイッチを持ち変える必要がなく、操作が簡便になる。
【0056】以下に上記した第5実施形態の変形例を説明する。第5実施形態のように術者の操作によって容易に視野変換の方向を指示する方法は他にも考えられる。図12および図13はその一例を示す。図12に示される内視鏡視野の表示モニタ画面69の上部にアイコン70a〜アイコン70hが設けられている。アイコン70a〜アイコン70hには視野の移動方向を示す矢印が描かれており、現在選択されているアイコン70fが点滅している。
【0057】ここで、図13に示される鉗子10に設けられた選択スイッチ72のスイッチノブ73を上方向(A方向)に押すと選択されたアイコンが右側に一つ移動し、最右端に来ると、最左端のアイコンに移動する。スイッチノブ73を下方向(C方向)に押すと選択されたアイコンが左側に一つ移動し、最左端に来ると、最右端のアイコンに移動する。選択されたアイコンの示す移動方向は画面中央の矢印カーソル71に表示される。
【0058】スイッチノブ73の上下動により移動したい方向のアイコンを選択し、スイッチノブ73を横方向(B方向)に押すと、押している間だけ選択されたアイコンの矢印が示す方向(または矢印カーソルの方向)に視野が移動する。この方法では、鉗子の向きによらず画面の移動方向を指定可能で、術者は視野の移動する方向を確認した上で移動操作を行うことができる。
【0059】また、図14のように表示モニタ69の画面の右上端のコーナにアイコン74を表示させてもよい。図12で選択されたアイコンが左右に移動する代わりに、スイッチノブ73の上下動で選択されたアイコン70a〜70hがコーナ74に順番に表示される。スイッチノブ73を横方向(B方向)に押すと押している間だけ選択されたアイコンの矢印が示す方向に視野が移動するのは図12と同様である。この方法ではアイコンの表示スペースを節約することができる。
【0060】また、図15のように、表示モニタ69の中央に矢印カーソル75を表示させ、その方向を図13の選択スイッチ72によって連続的に可変することもできる。スイッチノブ73を上方向(A方向)に押すと、押している間だけ矢印カーソル75が連続的に右回転し、スイッチノブ73を下方向(C方向)に押すと矢印カーソル75が左回転し、矢印カーソル75の方向を指定できる。スイッチノブ73を横方向(B方向)に押すと、押している間だけ矢印カーソル75の方向に視野が移動する。図15で矢印カーソル75の代わりに中心から画面端への輝線などを用いても同様である。
【0061】また、図16に示すように、表示モニタ69に、画面の分割された領域を示す指標77と、この指標77に対応したアイコン76a〜76iを設け、図12と同様に図13の選択スイッチ72の上下動でアイコン(図16では76g)を選択し、スイッチノブ73を横方向(B方向)に押すとアイコンに示された座標(C1)が画像の中心になるように視野が移動する。
【0062】また、図17(B)に示すように鉗子78の先端に色マーカ79を設け、図17(A)に示す表示モニタ69の画像中の色マーカ79の位置で視野移動およびズーム操作を行うこともできる。表示モニタ69の右側に色抽出エリア80を設け、色マーカの位置を画像処理により検出する。
【0063】色抽出エリア80には、視野の上下左右の移動方向に対応するアイコン81a〜81dと、視野のズームイン/アウトに対応するアイコン81e、81f、視野を視野移動範囲の中央に設定する原点復帰に対応するアイコン81gが内視鏡画像に重ねて表示されており、色マーカを操作を行いたいアイコンに重ね、鉗子78に設けた図示されないスイッチを押すと、検出された色マーカ79の位置からアイコンが選択され、選択されたアイコンの操作(図17では原点復帰)が実行される。この方法では一つの鉗子スイッチですべての操作を選択できる。
【0064】また、図18に示すように、表示モニタ69の画面の右上に色抽出エリア82を設け、色抽出エリア82内での鉗子78の色マーカ79の位置に対応して矢印カーソル83の方向を変え、鉗子78に設けた図示されないスイッチを押すとスイッチを押している間だけ矢印カーソル83で指示される方向に視野が移動するようにしてもよい。
【0065】なお、上記した図12〜図18の例で表示された表示モニタ上のアイコン、指標等の位置は、表示モニタの任意の位置に設けることが当然可能である。また、アイコン、指標等は通常観察時には表示されず、特定のスイッチの操作あるいは選択スイッチ等に軽く触れることで表示/非表示したり、長時間操作がされない場合には自動的に非表示になることで観察の邪魔にならないようにすることも当然可能である。
【0066】以下に本発明の第6実施形態を説明する。第6実施形態の目的は術者の興味位置に合焦した内視鏡画像を提供することにある。
【0067】図19は本発明の第6実施形態の構成を示す図であり、スコープ84と追尾カメラ85は接続されている。追尾カメラ85は、フォーカスレンズ86、ズームレンズ87、CCDカメラ88を有し、CCDカメラ88はレンズ群の光軸に対して上下左右に平行するCCD移動手段89に固定されている。フォーカスレンズ86はフォーカスレンズ86を光軸方向に駆動するフォーカスレンズ駆動手段90に固定されている。
【0068】術者の操作する鉗子78の先端部には色マーカ79が設けられている。CCDカメラ88の映像信号は表示モニタ91と色抽出手段93に入力される。色抽出手段93で検出された色マーカの位置情報は、CCD移動制御手段94および合焦手段95に入力される。CCD移動制御手段94には追尾スイッチ97が接続されている。
【0069】CCD移動制御手段94から出力されたCCD移動制御信号はCCD移動手段89に入力される。合焦手段95には合焦スイッチ98が接続されている。合焦手段95は、色マーカの位置情報および映像信号によりフォーカスレンズ駆動信号を生成して、フォーカスレンズ駆動手段90に出力する。またズーム駆動制御手段96にはズームスイッチ99が接続されている。ズーム駆動制御手段96からのズーム駆動信号によりズームレンズ87が駆動される。
【0070】以下に上記した構成の作用を説明する。
【0071】スコープ84の観察像は、フォーカスレンズ86、ズームレンズ87によって結像され、その結像面上をCCDカメラ88がCCD移動手段89により平行移動することで、スコープ84の画像の一部を切りだし、表示モニタ91に表示される。
【0072】鉗子78の先端に設けられた色マーカ79の表示モニタ91上の位置92は、色抽出手段93で映像信号から画像処理することで得られ、CCD移動制御手段94は、追尾スイッチ97が操作されると、色マーカ79の位置92が表示モニタ91の中央になるようにCCD移動手段89を制御する。これにより、術者は見たい視野方向に色マーカ79の位置92を位置付け、追尾スイッチ97を操作することで所望の方向に視野を変換できる。
【0073】また、合焦手段95は、合焦スイッチ98が操作されると、色抽出手段93により得られた色マーカ79の位置92に合焦するようにフォーカスレンズ駆動手段90を駆動する。合焦方法としては、映像信号から色マーカ位置付近の映像情報の高周波成分を取り出し、高周波成分が大きくなる方向にフォーカスレンズを移動させ、高周波成分が最大になったときにフォーカスレンズ86を停止させる「山登り法」等を用いることができる。これにより術者はよく見たい部分に色マーカ79を位置し、合焦スイッチ98を操作することで所望の位置に合焦させることができる。
【0074】また、ズームスイッチ99を操作すると、ズームイン/アウトの操作に基づいてズーム駆動制御手段96によりズームレンズ87が駆動され、視野の拡大・縮小が行える。
【0075】上記した第6実施形態によれば、術者の興味位置に合焦した内視鏡画像を提供することができる。
【0076】また、色マーカによらず、第4実施形態の操作スイッチ45のような方向操作手段で合焦位置を指定しても同様の作用・効果が得られる。この時、方向操作手段により合焦される位置が画面上に表示されると操作が容易である。
【0077】また、本実施形態の追尾スイッチ97、合焦スイッチ98、ズームスイッチ99を図20(A)、(B)に示すように、鉗子78の手元に設けられた鉗子スイッチ100上に構成することもできる。ズームスイッチ99はズームイン(テレ:T)とズームアウト(ワイド:W)のシーソ型スイッチで構成されており、他のスイッチと指の感触だけで区別し易くなっている。追尾スイッチ97はスイッチSWA101、スイッチSWB102、コモン接地板(COM)103よりなり、2段階の操作が可能になっている。
【0078】図21(A)、(B)、(C)は追尾スイッチ97の操作方法を説明するための図である。図21(A)は追尾スイッチ97が押されておらず、スイッチSWA101、スイッチSWB102の両方とも導通していない。図21(B)のように追尾スイッチ97を軽く押すと、スイッチSWA101とコモン接地板(COM)103が接し、スイッチSWA101がONになる。スイッチSWA101がONになると、色マーカ位置92に対してあらかじめ決められたオフセット量だけずれて十字カーソル104が表示される。
【0079】次に図21(C)に示すように、追尾スイッチ97を深く押すと、スイッチSWB102がコモン接地板(COM)103に接し、スイッチSWB102がONになる。スイッチB102がONになると十字カーソル104の位置が画面の中央になるように視野が移動する。術者が見たいのは通常は、鉗子先端部にある実際に操作している対象であるが、色マーカは鉗子のシャフトにつけるのが容易なため術者の見たい位置と色マーカの位置はずれている。そこで、あらかじめ頻度の高い鉗子の位置で色マーカと鉗子先端のオフセット量を定め、色マーカの位置にオフセット量を加えれば鉗子の先端部に視野の中央を移動できる。
【0080】しかし、鉗子の方向や鉗子への距離によってオフセット量を加えた移動先の位置が鉗子先端に必ずしも一致するとは限らず、どこになるか直感的にわかりにくい。また色抽出の誤差が大きければ術者の想定と移動先の位置が大きくずれる可能性がある。そこで追尾スイッチ97を軽く押すとオフセット量を加えた移動先の位置が十字カーソル104で表示されるため、術者はその位置を確認してから操作することができ、術者の想定と異なった位置に視野移動することがなくなる。
【0081】なお、上記した具体的実施形態には以下の構成を有する発明が含まれている。
【0082】(1)内視鏡画像の視野を変換する視野変換手段と、観察者の頭部の移動を検出する移動検出手段と、この移動検出手段によって検出された移動量を表示する表示手段と、この表示手段の表示を参照して前記移動量を確認する確認手段と、この確認手段によって確認された移動量に基づき、前記視野変換手段を動作させる制御手段と、を具備することを特徴とする内視鏡の視野変換装置。
【0083】(1−1)前記移動量が内視鏡の視野の平行移動に対応する構成(1)に記載の内視鏡の視野変換装置。
【0084】(1−1−1)前記移動量が内視鏡の視野の平行移動および拡大縮小に対応する構成(1−1)に記載の内視鏡の視野変換装置。
【0085】(1−2)前記移動検出手段が頭部に着脱可能に固定されたセンサである構成(1)に記載の内視鏡の視野変換装置。
【0086】(1−2−1)前記センサがジャイロセンサによる2次元以上の姿勢センサである構成(1−2)に記載の内視鏡の視野変換装置。
【0087】(1−2−2)前記センサが加速度センサによる3次元位置センサである構成(1−2)に記載の内視鏡の視野変換装置。
【0088】(1−2−3)前記センサが磁気センサによる3次元位置センサである構成(1−2)に記載の内視鏡の視野変換装置。
【0089】(1−3)前記確認手段が手術器具に設けられたスイッチである構成(1)に記載の内視鏡の視野変換装置。
【0090】(1−4)前記確認手段がフットスイッチである構成(1)に記載の内視鏡の視野変換装置。
【0091】(1−5)前記表示手段が内視鏡画像と重ねて表示される標識である構成(1)に記載の内視鏡の視野変換装置。
【0092】(1−6)前記視野変換手段が内視鏡像の一部分を切り出して表示する表示手段で構成されている構成(1)に記載の内視鏡の視野変換装置。
【0093】(1−6−1)前記表示手段は、ズームレンズによる拡大と、撮像素子を光軸に対して垂直に移動する手段を有する構成(1−6)に記載の内視鏡の視野変換装置。
【0094】(1−6−2)前記表示手段は、画像の一部を電子的に拡大する手段を有する構成(1−6)に記載の内視鏡の視野変換装置。
【0095】(1−7)前記視野変換手段が内視鏡および撮像手段を移動するマニピュレータにより構成される構成(1)に記載の内視鏡の視野変換装置。
【0096】(2)内視鏡画像の視野を変換する視野変換手段と、音声入力手段と、入力された音声コマンドを認識する音声認識手段と、音声コマンドの確認手段と、確認された音声コマンドに基づいて、前記視野変換手段を動作させる制御手段と、を具備することを特徴とする内視鏡の視野変換装置。
【0097】(2−1)前記視野変換手段自身に音声入力手段が設けられている構成(2)に記載の内視鏡の視野変換装置。
【0098】(2−2)前記確認手段が手術器具に設けられたスイッチである構成(2)に記載の内視鏡の視野変換装置。
【0099】(2−3)前記確認手段がフットスイッチである構成(2)に記載の内視鏡の視野変換装置。
【0100】(2−4)前記音声コマンドが、内視鏡の視野の平行移動および拡大縮小に対応するものである構成(2)に記載の内視鏡の視野変換装置。
【0101】(3)内視鏡画像の視野を変換する視野変換手段と、観察者の足により操作される指示手段と、この指示手段の確認手段と、確認された指示に基づき、前記視野変換手段を動作させる制御手段と、を具備することを特徴とする内視鏡の視野変換装置。
【0102】(3−1)前記指示手段が指示方向に対応する自由度を有するセンサであり、観察者が装着する履物に設けられている構成(3)に記載の内視鏡の視野変換装置。
【0103】(3−1−1)前記センサが履物に内蔵されている構成(3−1)に記載の内視鏡の視野変換装置。
【0104】(3−2)前記確認手段が手術器具に設けられたスイッチである構成(3)に記載の内視鏡の視野変換装置。
【0105】(3−3)前記確認手段が履物に内蔵されたスイッチである構成(3)に記載の内視鏡の視野変換装置。
【0106】(3−4)前記指示手段が視野方向に平行移動と、視野の画像の拡大縮小を切り換えて指示する手段を含む構成(3)に記載の内視鏡の視野変換装置。
【0107】(4)内視鏡画像の視野を変換する視野変換手段と、内視鏡視野を表示する表示モニタと、体腔内に挿入される手術器具と、この手術器具に着脱可能に設けられた操作手段と、この操作手段に設けられた姿勢検出手段と、前記操作手段による操作入力を前記姿勢検出手段によって補正する補正手段と、この補正手段の出力に基づいて前記視野変換手段を動作させる制御手段と、を具備することを特徴とする内視鏡の視野変換装置。
【0108】(4−1)前記操作手段が、視野方向の平行移動と、視野の拡大縮小を指示するスイッチで構成される構成(4)に記載の内視鏡の視野変換装置。
【0109】(4−2)前記姿勢検出手段が、2 次元以上の姿勢センサである構成(4)に記載の内視鏡の視野変換装置。
【0110】(4−2−1)前記姿勢検出手段が、2次元以上の加速度センサにより、重力方向を検知する構成(4−2)に記載の内視鏡の視野変換装置。
【0111】(4−3)前記補正手段が、前記操作手段の重力方向に対する操作方向と、表示モニタの画面移動方向が一致するように補正する構成(4)に記載の内視鏡の視野変換装置。
【0112】(5)内視鏡画像の視野を変換する視野変換手段と、体腔内に挿入される手術器具と、この手術器具に着脱可能に設けられた操作手段と、この操作手段の出力に基づいて前記視野変換手段を動作させる制御手段と、を具備する内視鏡の視野変換装置において、前記手術器具がハンドルを有する処置具であり、このハンドルの両面に前記操作手段が設けられていることを特徴とする内視鏡の視野変換装置。
【0113】(5−1)前記操作手段が、視野方向の平行移動と、視野の拡大縮小を指示するスイッチで構成され、平行移動スイッチが処置具の挿入軸の方向と該一致し、拡大縮小スイッチの操作レバーが処置具ハンドルの両面に渡っている構成(5)に記載の内視鏡の視野変換装置。
【0114】(6)内視鏡画像の視野を変換する視野変換手段と、観察者の指に着脱自在に設けられた指示手段と、この指示手段の確認手段と、確認された指示に基づき前記視野変換手段を動作させる制御手段と、を具備することを特徴とする内視鏡の視野変換装置。
【0115】(6−1)前記指示手段が指サック状に構成された指示方向に対応する自由度を有するセンサであり、指の位置または姿勢を検出する構成(6)に記載の内視鏡の視野変換装置。
【0116】(6−2)前記指示手段が、視野方向の平行移動と、視野の画像の拡大縮小を指示できる構成(6)に記載の内視鏡の視野変換装置。
【0117】(7)興味部位検出手段と、この興味部位検出手段により得られた画面上の位置近傍に対して合焦を行う合焦手段と、を具備することを特徴とする内視鏡装置。
【0118】(7−1)視野変換手段を有する構成(7)に記載の内視鏡装置。
【0119】(7−2)前記興味部位検出手段が、手術器具に設けた指標を検出する構成(7)に記載の内視鏡装置。
【0120】(7−3)前記興味部位検出手段が、手術器具に設けられた操作スイッチである構成(7)に記載の内視鏡装置。
【0121】上記した各構成を有する発明の従来の技術は以下の通りである。
【0122】(1)、(1−3)
米国特許5436542号公報は、内視鏡を保持したロボットアームを、術者の頭部に設けられた位置センサの検出値に応じて駆動する方法を開示している。
【0123】(2)特開平6−30896号公報は、術者の指令を音声認識システムに認識させて内視鏡を保持したロボットアームを駆動して視野変換を行う方法を開示している。
【0124】(3)、(3−1)
特表平7−509637号公報は内視鏡下手術に用いられる内視鏡装置を開示している。これはロボットアームにより内視鏡を保持し、術者がフットスイッチを操作することで内視鏡の位置を変え、内視鏡の視野を変えるものである。これにより従来内視鏡を保持していた助手は煩雑な仕事から解放され、また術者は自分の思う方向に自在に視野を変えることができる。
【0125】(4)、(5)、(6)
特願平8−284193号公報は、視野移動を指示する手段として、手術器具の長手方向に着脱自在な視野移動方向を指示するジョイスティックと、視野の拡大率を指示するズームスイッチとを手術器具の操作ハンドルの横に設けた構成を開示している。
【0126】(7)特開平9−28663号公報は、ロボットアームを用いずに内視鏡の視野を自在に変換する方法を開示している。この方法では、内視鏡の画像の撮像範囲を撮像光学系の一部分をアクチュエータで移動することで変更する。可動部分は装置内部に設けられているので装置が動作することによる危険性が少なく、安全性が高い。小型で、通常の内視鏡とTVカメラの組み合わせに置き換えて用いられるので取扱が容易である。また、鉗子の先端に設けられた色マーカの画像中の位置を検出して視野を変換する鉗子の自動追尾機能を実現でき、術中に術者が視野を変換することが容易である。
【0127】上記した各構成を有する発明が解決しようとする課題は以下の通りである。
【0128】(1)米国特許5436542号公報では、内視鏡を保持したロボットアームを、術者の頭部の運動に応じて駆動している。この方法では、術者の不用意な動きによる動作を防止するために、術者がフットスイッチを押したときのみに動作する。しかし術者の頭部の運動は不安定なので、画面の移動が不安定になり術者の希望する視野を得るのが困難である。
【0129】(1−3)米国特許5436542号公報では、フットスイッチで誤動作防止をしているが、フットスイッチで操作する医療器具は電気メス等複数存在するので、操作の混乱が生じやすい。
【0130】(2)特開平6−30896号公報では、音声認識システムによる術者の指令の誤認識により、術者の意図とは異なった操作が行われる可能性がある。
【0131】(3)特表平7−509637号公報では、術者がフットスイッチを操作することでロボットアームを制御し、内視鏡の視野を変えることができるが、足の運動に応じて微妙な画面の制御をするのは困難であるため、術者の希望どおりの視野に移動できないことがある。
【0132】(3−1)特表平7−509637号公報では、フットスイッチで視野を制御することができるが、フットスイッチで操作する医療器具は電気メス等複数存在するので、操作の混乱が生じやすい。
【0133】(4)特願平8−284193号公報では、手術器具の向きとジョイスティックによる視野移動方向の関係は固定されている。しかし、実際の手術では術者の手術器具の向きは様々であるため、術者の方向感覚と視野方向の移動方向に違和感が感じられる場合がある。
【0134】(5)特願平8−284193号公報では、視野の拡大率を指示するズームスイッチを手術器具の操作ハンドルの横に設けたものが開示されているが、術者が手術器具を他方の手に持った場合、また、助手に術者と反対側の手に渡した場合、ズームスイッチが操作しにくい。
【0135】(6)特願平8−284193号公報では、術者がスイッチを有していない手術器具を用いた場合、視野変換操作が行えない。多数の手術器具を用いた場合、スイッチの配線が多数必要になり邪魔である。
【0136】(7)特開平9−28663号公報では、スコープ視野をズームレンズで拡大した一部を切り出して表示するが、ズームレンズでの拡大により被写界深度が小さくなり、術者の見たい部分のピントが甘くなることがある。
【0137】上記した各構成を有する発明の目的は以下の通りである。
【0138】(1)術者の頭部の動きによって、術者の所望の視野を得る。
【0139】(1−3)術者の操作しやすい位置に確認手段を設ける。
【0140】(2)音声指令の誤認識が起きても術者の意図以外の動作をしない。
【0141】(3)術者の足の操作でも視野を術者の意図どおりの位置に制御する。
【0142】(3−1)他の医療器具のフットスイッチと混乱することなく視野を制御する。
【0143】(4)手術器具の向きが変わっても、術者の操作方向と画面の移動方向を合わせる。
【0144】(5)操作者の右手・左手いずれでも操作できるズームスイッチを提供する。
【0145】(6)手術器具を交換しても操作の容易な視野変換操作手段を提供する。
【0146】(7)術者の興味位置に合焦した内視鏡画像を提供する。
【0147】
【発明の効果】本発明によれば、術者の頭部の移動に基づいて、内視鏡画像を術者の所望の視野に容易にかつ安定して移動することができる。
【出願人】 【識別番号】000000376
【氏名又は名称】オリンパス光学工業株式会社
【出願日】 平成9年(1997)10月1日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦 (外4名)
【公開番号】 特開平11−104064
【公開日】 平成11年(1999)4月20日
【出願番号】 特願平9−268516