| 【発明の名称】 |
肌色測定装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】塚原 弘政
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| 【要約】 |
【課題】熟練を要することなく適切な押圧力で肌色測定装置を生体の皮膚に押圧することができる肌色測定装置を提供する。
【解決手段】肌色測定装置84は、ハウジング86およびハウジング86と所定範囲で直線方向に摺動可能に嵌合する保持部材88がスプリング104により相互に離隔する方向に付勢されている。肌色測定装置84が生体の皮膚に押圧され、スプリング104が圧縮されると、スプリング104の圧縮位置に基づいて、肌色測定装置84の生体の皮膚に対する押圧力が、押圧部位に光が漏れ入らず且つ押圧部位の皮膚が虚血されない圧力範囲すなわち最適押圧力範囲が記された押圧力表示装置99により示されるので、測定者は熟練を要することなく肌色測定装置84を生体の皮膚に押圧することができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 生体の表皮の所定部位に当接させられて該部位を遮光するハウジングと、前記生体の表皮のうちの該ハウジングにより遮光された部位を照射する光源装置と、前記生体の表皮のうちの前記光源装置により照射された部位からの反射光を受ける受光装置とを備え、該生体の表皮の肌色を測定する肌色測定装置であって、前記ハウジングに対して所定の範囲内で一方向に移動可能となるように直接的に若しくは間接的に嵌合されて測定者により保持される保持部材と、前記ハウジングと該保持部材とを相互に離隔する方向に付勢するスプリングと、該スプリングの圧縮位置に基づいて、前記ハウジングの前記生体の表皮に対する押圧力が予め設定された値であることを表す押圧力表示装置とを、含むことを特徴とする肌色測定装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、生体の末梢循環状態を判定するために該生体の表皮上から該生体の肌色を検出する肌色測定装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】たとえば、顔、手足、体の表皮の色などの生体の肌色は、生体の体調とくに末梢循環状態を反映していることが知られている。このため、医療従事者にとって生体の肌色も重要な生体情報であり、生体の診断に際して参考とされる場合が多い。特に、遠隔地にある患者に対して在宅医療を行う場合に、患者側装置から医療従事者側装置へ電話回線を介して伝送されたカラー画像から患者の肌色を判定するためにも、定量的に看者の肌色を測定する装置が望まれる。 【0003】これに対し、生体の表皮の所定部位に当接させられて該部位を遮光するハウジングと、前記生体の表皮のうちの該ハウジングにより遮光された部位を照射する光源装置と、前記生体の表皮のうちの前記光源装置により照射された部位からの反射光を受ける受光装置とを備え、その生体の表皮の肌色を測定する肌色測定装置が提案されている。これによれば、肌色が客観的な値として得られるので、熟練を要することなく生体の肌色を容易に判定できるのである。 【0004】 【発明が解決すべき課題】ところで、上記のような肌色測定装置においては、外来光が混入せず且つ生体の押圧部位が変色すなわち虚血しない程度に測定者がハウジングを生体の皮膚に押圧する必要がある。しかしながら、その押圧のために測定者によるそれぞれ力の入れ具合いに熟練を必要とし、また、その押圧力がばらつくため、必ずしも充分な精度で肌色を測定することができないという問題があった。 【0005】本発明は以上のような事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、熟練を要することなく適切な押圧力で肌色測定装置を生体の皮膚に押圧することができる肌色測定装置を提供することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、生体の表皮の所定部位に当接させられてその部位を遮光するハウジングと、前記生体の表皮のうちの該ハウジングにより遮光された部位を照射する光源装置と、前記生体の表皮のうちの前記光源装置により照射された部位からの反射光を受ける受光装置とを備え、その生体の表皮の肌色を測定する肌色測定装置であって、(a) 前記ハウジングに対して所定の範囲内で一方向に移動可能となるように直接的に若しくは間接的に嵌合されて測定者により保持される保持部材と、(b) 前記ハウジングと該保持部材とを相互に離隔する方向に付勢するスプリングと、(c) そのスプリングの圧縮位置に基づいて、前記ハウジングの前記生体の表皮に対する押圧力が予め設定された値であることを表す押圧力表示装置とを、含むことにある。 【0007】 【発明の効果】このようにすれば、肌色測定装置を用いて肌色を測定するに際して、押圧力表示装置により前記ハウジングの前記生体の表皮に対する押圧力が予め設定された範囲であると示されるように測定者が保持部材を押しつけることにより、外来光が混入せず且つ生体の押圧部位が虚血しない程度に測定者がハウジングを生体の皮膚に押圧することができるので、何ら熟練を必要とすることなく、適切な押圧力で確実に肌色を測定することができる。 【0008】 【発明の他の態様】ここで、好適には、(d) 前記生体の表皮のうち該光源装置により照射される部位を押圧して虚血させる虚血装置と、(e) 前記生体の表皮のうち該光源装置により照射された部位が虚血されていない状態で前記受光装置により得られたスペクトルに基づいて第1測色値を算出し、該部位が前記虚血装置により虚血された状態で前記受光装置により得られたスペクトルに基づいて第2測色値を算出し、該第1測色値から第2測色値を差し引くことにより測色値差を算出し、該測色値差を出力する測色値差演算手段とを、含むことにある。このようにすれば、測色値差演算手段では、生体の表皮のうち該光源装置により照射された部位が虚血されていない状態で前記受光装置により得られたスペクトルに基づいて第1測色値が算出され、その部位が前記虚血装置により虚血された状態で前記受光装置により得られたスペクトルに基づいて第2測色値が算出され、その第1測色値から第2測色値を差し引くことにより測色値差が算出されて出力される。この測色値差は、第1測色値から虚血操作時の第2測色値を差し引いた血であることから、肌色の変化に密接に関連する血液が除去された状態の肌色すなわちメラニン量に関連する生体固有の色の影響が除かれた肌色を表している。したがって、肌色が客観的な値として得られるので、熟練を要することなく生体の肌色を容易に判定できるのである。 【0009】また、好適には、前記虚血装置は、(f) 前記ハウジングの前記生体の表皮に当接させられる部分に設けられた比較的平坦な押圧壁と、(g) 前記光源装置からの照射光を透過させるために該押圧壁の少なくとも一部に設けられた光透過壁とを有するものである。このようにすれば、生体の表皮に当接させられる押圧壁の少なくとも一部が光透過壁によって構成されていることから、照射部位の周囲の生体皮膚だけが該押圧壁により押圧される場合に比較して押圧部位が均一に押圧されて虚血操作が充分に行われるので、肌色が一層正確に測定される利点がある。 【0010】また、好適には、(h) 前記ハウジングと保持部材との間に設けられてそれらハウジングと保持部材とに対して一方向に摺動可能に嵌合された中間部材と、(i)前記ハウジングとその中間部材とを相互に離隔する方向に付勢する第1スプリングと、(j) 前記中間部材と前記保持部材とを相互に離隔する方向に付勢する第2スプリングとを、含み、(k) 前記第1スプリングおよび第2スプリングの一方は、その収縮によって前記押圧壁により押圧される表皮の肌色が変化しない弾性力に設定され、他方は、その収縮によって前記押圧壁により押圧される表皮下が虚血される弾性力に設定されたものである。このようにすれば、肌色測定装置を用いて肌色を測定するために保持部を保持した測定者は、非虚血時には、前記第1スプリングおよび第2スプリングの一方が所定量だけ収縮するまで肌色測定装置を生体の皮膚に向かって押圧するだけで、押圧壁により押圧される表皮の肌色が変化しない適切な押圧力を発生させ得る一方、虚血時には、上記第1スプリングおよび第2スプリングの他方が所定量だけ収縮するまで肌色測定装置を生体の皮膚に向かって押圧するだけで、押圧壁により押圧される表皮下が充分に虚血される適切な押圧力を発生させ得るので、熟練を要することなく非虚血時および虚血時において適切な押圧力で肌色測定装置を生体の皮膚に押圧することができる。 【0011】 【発明の好適な実施の形態】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。 【0012】図1は、本発明の一実施例である肌色測定装置84を備えた対話型在宅医療支援装置14を示す図であり、患者18の居宅などに配置される患者側装置10と、病院、医院などなどの医療機関に配置される医療従事者側装置12とから成る。上記の患者側装置10と医療従事者側装置12とは電話回線などの通信回線16を介して相互に接続されている。 【0013】上記患者側装置10は、上記通信回線16に接続された制御装置20、患者18の音声を入力するための音声入力装置として機能するマイクロホン22、患者18へ音声を出力するための音声出力装置として機能するスピーカ24、患者18へ画像を出力するためにカラーブラウン管或いはカラー液晶板などから構成されるカラー画像表示装置26、患者18を撮像し、患者18の皮膚の色すなわち肌色を測定する肌色測定装置付撮像装置28、患者18の血圧値、脈拍数、体温、血液酸素飽和度、心電誘導波形などの生体情報を測定するための生体情報測定装置32、上記患者側装置10の電源投入、電話器34の切り換え、肌色測定装置84による肌色測定開始或いは生体情報測定装置32による生体情報測定開始などの操作を行うための操作釦を備えた操作箱36、上記生体の皮膚の色度値或いは生体情報などの患者18から得られた情報などを記憶するための記憶装置38を備えている。肌色測定装置付撮像装置28は、患者18を撮像するためのカラー撮像装置80、患者18の肌の色を定量的に測色することができる肌色測定装置84および肌色測定装置84により肌色を測定する部位を示すためのポインタ装置82を備えている。 【0014】上記肌色測定装置付撮像装置28には、それにより撮像されたカラー画像を表すために明度信号(Y信号)、色度信号(I、Q信号)により構成される映像信号を後述の送信画像色調整装置60から送信された色調整信号に基づいて調整する色調整回路40と、基準色見本画像70を表示させるための基準色信号を出力する基準色信号出力回路(図示せず)が設けられている。上記制御装置20は、たとえばマイクロコンピュータおよび送受信装置により構成されたものであり、医療従事者側装置12から送信された信号を復調し、医療従事者側のカラー撮像装置52により撮像された画像をカラー画像表示装置26に表示させるとともに、医療従事者側のマイクロホン44に入力された音声をスピーカ24から出力させ、さらに、医療従事者側の送信画像色調整装置60から入力されて伝送されてきた色調整信号を上記色調整回路40へ供給する。また、上記制御装置20は、上記マイクロホン22に入力された患者18の音声、上記肌色測定装置付撮像装置28により撮像された画像、患者18の皮膚の色度値、上記生体情報測定装置32により測定された生体情報を変調し、医療従事者側装置12へ送信する。 【0015】ここで、上記色度とは、明度を除いた光の色の種別を数量的に規定したものである。本実施例では、色度図上においてシアン青と赤っぽいオレンジとを結ぶ線すなわちI軸とそのI軸に対して白色部位で直交する線すなわちQ軸とを座標軸として設定したときのI成分値およびQ成分値が用いられる。 【0016】また、前記医療従事者側装置12は、前記通信回線16に接続された制御装置42、医療従事者50の音声を入力するための音声入力装置として機能するマイクロホン44、医療従事者50へ音声を出力するための音声出力装置として機能するスピーカ46、医療従事者50へ画像を出力するためにカラーブラウン管或いはカラー液晶板などから構成されるカラー画像表示装置48、医療従事者50を撮像するためのカラー撮像装置52、そのカラー画像表示装置48における表示色を調整するために手動操作される操作体54Y 、54Q 、54I を備え、その操作体54Y 、54Q 、54I の操作にしたがって明度(Y信号)調整値、色度(Q信号)調整値および色度(I信号)調整値を出力する表示画像色調整装置56、そのカラー画像表示装置48における表示色を調整するために手動操作される操作体58Y 、58Q 、58I を備え、患者側の肌色測定装置付撮像装置28において撮像された画像を構成する色信号を調整するためにその操作体58Y、58Q 、58I の操作にしたがって明度(Y信号)調整値、色度(Q信号)調整値および色度(I信号)調整値を出力する送信画像色調整装置60、上記制御装置42の電源投入、電話器62の切り換え、生体情報測定開始などの操作を行うための操作釦を備えた操作箱64、上記患者側の制御装置20から送信された情報などを記憶するための記憶装置66を備えている。また、上記カラー画像表示装置48の前面ケースの右下位置には、その表示画面のうちの予め定められた一定の場所に表示される基準色見本画像70の近傍となるように、基準色見本部材72が設けられている。 【0017】医療従事者50は、基準色見本画像70の色が基準色見本部材72の色と一致するように表示画像色調整装置56の操作体54Y 、54Q 、54I 或いは、送信画像色調整装置60の操作体58Y 、58Q 、58I を手動操作する。これによって、患者18の肌の色が医療従事者側のカラ−画像表示装置48に正確に再現される。 【0018】上記制御装置42もマイクロコンピュータおよび送受信装置により構成されたものであり、患者側装置10から送信された信号を復調し、患者側の肌色測定装置付撮像装置28により撮像された画像をカラー画像表示装置48に表示させるとともに、患者側のマイクロホン22に入力された音声をスピーカ46から出力させる。また、上記制御装置42は、上記マイクロホン44に入力された医療従事者50の音声、上記カラー撮像装置52により撮像された画像、上記送信画像色調整装置60から入力された色調整信号を変調し、患者側装置10へ送信する。 【0019】図2は、本発明の一実施である肌色測定装置84を備え、患者側作業者によって操作される肌色測定装置付撮像装置28の側面図であり、図3は正面図である。上記肌色測定装置付撮像装置28は、前記患者18を撮像するためのカラ−撮像装置80、カラ−撮像装置80の撮像範囲内へ比較的細い光ビ−ムを出力し、前記患者18の皮膚のうちの肌色測定装置84による測色予定部位をその光ビ−ムによって示すための光源を備えたポインタ装置82および患者18の皮膚に当接されて生体の肌色を測定する肌色測定装置84を一体的に備えている。このため、患者側作業者は、肌色測定装置84による測色予定部位をポインタ装置82から出力される光ビ−ムにより示すことができ、医療従事者側は伝送されてきたカラ−撮像装置80により撮像された画像により測色部位を正確に知ることができる。従って、肌色測定装置84による測色部位を医療従事者側から指示する部位に正確に位置決めすることができる。 【0020】肌色測定装置84は、円筒状のハウジング86と、患者側作業者に保持され、ハウジング86と所定範囲で直線方向に摺動可能に嵌合する円筒状の保持部材88が後述するスプリング104により相互に離隔する方向に付勢されている。ハウジング86には、生体の測色部位に押圧される押圧面を有する押圧部材89がハウジング86に螺合されることにより着脱可能に取り付けられている。この押圧部材89は感染防止等のため測定毎あるいは患者18毎に取り替えられるものである。保持部材88の先端側には、保持部材88の一部を構成している光透過部材92が設けられており、光透過部材92を通してハウジング86の外周面を一周するように予め設けられた押圧力表示線94が確認できる。この光透過部材92は無色透明である必要はなく、光透過部材92を通して押圧力表示線94が確認できるものであればよい。また、図3に示すように、押圧部材89の患者18の皮膚を押圧圧面の中央には、比較的硬い無色透明のアクリル樹脂あるいはガラスなどの円板状の光透過壁90が嵌め着けられている。 【0021】また、上記光透過部材92の先端側には、肌色測定装置84を患者18の皮膚に対して外部の光が漏れ入らないように押圧する押圧力の下限を示す最適押圧力下限表示線96がその外周面を一周するように設けられており、基端部側12肌色測定装置84により押圧される部位が変色しないすなわち虚血状態とならない圧力の上限を示している最適押圧力上限表示線98が外周面を一周するように設けられている。すなわち、押圧力表示線94が最適押圧力下限表示線96と最適押圧力上限表示線98との間の範囲内にあれば、肌色測定装置84の患者18の皮膚に対する押圧力は、外部の光が漏れ入らず且つ押圧部位が虚血状態とならない押圧力すなわち最適押圧力であることになる。従って、押圧力表示線94、最適押圧力下限表示線96、最適押圧力上限表示線98は押圧力表示装置99として機能している。なお、ここでいう虚血とは、生体の皮膚の一部を押圧することにより、生体の皮膚の一部から血液が除かれた状態をいう。 【0022】図4は、図3のA−A線断面の端面図である。生体の皮膚に対する照射条件および反射光の反射条件が保持部材88の位置に拘らず一定となるように、ハウジング86の押圧部材89が螺合されている側と反対側の端部(基端部)には、光源装置100および受光装置102が固設されている。光源装置100は、周囲をハウジング86により遮光された患者18の皮膚を一定の光量の白色光で照射するものであり、受光装置102は、光源装置100により照射された部位からの反射光を受光するものである。ハウジング86と保持部材88は、スプリング104により相互に離隔する方向に付勢されている。このスプリング104のバネ定数は、最適押圧力範囲が広くなるように、すなわち最適押圧力下限表示線96と最適押圧力上限表示線98との間の距離が大きくなるように比較的低く設定されている。そのため、患者側作業者は最適押圧力を容易に維持できるため、測定の精度および再現性が好適に高められる。 【0023】図5は、患者18の肌色を測定しようとする位置をポインタ装置28から出力される光ビ−ムによって示している図である。なお、図5の肌色測定装置84は押圧力表示装置99を省略して示してある。患者側作業者は肌色測定装置付撮像装置28を手に持ち、ポインタ装置82から出力される光ビ−ムを患者18の皮膚に照射することにより、肌色測定装置84による測色予定部位を示すことができ、医療従事者側は伝送されてきたカラ−撮像装置80により撮像された画像により肌色測定装置84による測色予定部位を正確に知ることができる。従って、肌色測定装置84による測色部位を医療従事者側から指示する部位に正確に位置決めすることができる。 【0024】図6は医療従事者50の指示により測色予定部位を正確に位置決めした後に、肌色測定装置84が患者18の皮膚に押圧されて肌色が測定されている状態を示す図である。なお、肌色測定装置84は押圧力表示装置99を省略して示してある。患者側作業者が肌色測定装置84の押圧力を最適押圧力とした状態で、図示しない測定開始ボタンを押すことにより、光源装置100から一定の光が発光され、受光装置102が患者18の皮膚から反射された光を受光し、得られたスペクトルに基づいて患者の肌色が測定される。測定された測色値は患者側装置10のカラ−画像表示装置26に表示され且つ記憶装置38に記憶される。さらに、通信回線16により医療従事者側に伝送され、カラ−画像表示装置48に表示され且つ記憶装置66に記憶される。 【0025】上述のように、本実施例では、肌色測定装置84を用いて肌色を測定するに際して、押圧力表示装置99により肌色測定装置84の患者18の皮膚に対する押圧力が予め設定された範囲であると示されるように患者側作業者が肌色測定装置84を押し付けることにより、外来光が混入せず且つ患者18の皮膚の押圧部位が虚血しない程度に患者18の皮膚を押圧することができるので、何ら熟練を必要とすることなく、適切な押圧力で確実に肌色を測定することができる。 【0026】次に、本発明の他の実施例について図面に基づいて詳細に説明する。尚、上記実施例と同一の構成を有する部分には同一の符号を付して説明を省略する。 【0027】本実施例においては、肌色測定装置106の構成のみが前述の実施例と異なる。従って図1と同様の対話型在宅医療支援装置において、肌色測定装置106を備えた肌色測定装置付撮像装置108が用いられる。図7は、肌色測定装置付撮像装置108の側面図であり、図8は肌色測定装置106を図3のA−A線と同様の面で切断した端面図である。ハウジング110は、円筒形であり、患者18の皮膚に当接される側(先端部)に当接部材111が螺合されることにより着脱可能に取り付けられており、当接部材111の中央部分には比較的硬い無色透明のアクリル樹脂或いはガラス等の円板状の光透過壁90が嵌め着けられており、その当接部材111の生体の皮膚に押圧させられる側の面には、ゴム等の軟質性材料から構成され、皮膚に押圧される面が比較的平坦である押圧壁すなわち押圧部材112が接着剤等により貼り付けられている。この押圧部材112の貼り付けられた当接部部材111は感染防止等のため、測定毎あるいは患者18毎に取り替えられるようになている。押圧部材112は、肌色測定装置106が患者18の皮膚に当接される際に皮膚に密着されて、外来光の混入を一層防止するものである。その押圧部材112の中心には、前記光透過壁90と中心を同じくし、径も略同じとする無色透明の材料よりなる光透過壁114が設けられている。また、ハウジング110の皮膚に当接される側とは反対側の端部(基端部)には、前述の実施例と同様の光源装置100および受光装置102が固設されている。体温センサ116は、比較的細い棒状を有し、その先端面が押圧部材112の患者18の皮膚に押圧される面と略同じとなるように、ハウジング110の先端部から基端部に向かう方向へ嵌通している。この体温センサ116は、肌色測定装置106が患者18の皮膚に押圧され、肌色が測定される際に、同時に患者18の皮膚に押圧され押圧部位の体温を測定する。 【0028】上記ハウジング110は、所定の範囲で直線方向に摺動可能となるように円筒状の中間部材118と嵌合しており、ハウジング110と中間部材118は、第1スプリング120により相互に離隔する方向に付勢されている。また、ハウジング110と嵌合している中間部材118は、所定の範囲で直線方向に摺動可能となるように円筒状の保持部材122と嵌合しており、中間部材118と保持部材122は、第2スプリング124により相互に離隔する方向に付勢されている。また、第1スプリング120は、その収縮によって押圧部材112により押圧される患者18の皮膚の肌色が変化しないすなわち虚血されない弾性力に設定されたものであり、第2スプリング124のばね定数は、第1スプリング120のばね定数に対して十分大きく、肌色測定装置106が患者18の皮膚に押圧される際に、第2スプリング124は、第1スプリング120が完全に縮むまでほとんど収縮を開始しないように設定されている。 【0029】第1押圧力表示装置126は、ハウジング110に設けられた案内突起128と、中間部材118に設けられ案内突起128をハウジング110の移動方向に案内する長手状の案内穴130と、案内穴130の両側に表示される最適押圧力表示部132とからなる。最適押圧力表示部132は、押圧部材112の押圧力が患者18の皮膚と押圧部材112が密着させられることにより、外来光の混入を防止できる圧力であり、且つ押圧部材112により押圧される部位が虚血されない圧力となる範囲を最適押圧力として表示するものである。また、第1押圧力表示装置126は、ハウジング110が中間部材118から抜け落ちることを防止する機能も有している。 【0030】第2押圧力表示装置134は、中間部材118に設けられた案内突起136と、保持部材122に設けられ案内突起136を中間部材118の移動方向に案内する長手状の案内穴138からなる。第2スプリング124は、押圧部材112により押圧されている患者18の皮膚の押圧部位が虚血状態となった後に収縮を開始するように、比較的高いばね定数に設定されている。患者18の皮膚の押圧部位が虚血状態となり第2スプリング124の収縮が開始させられると、案内突起136が押圧力がない状態において接している案内穴138の端部から離れることにより、第2押圧力表示装置134は患者18の皮膚の押圧部位の虚血状態を示す。従って、患者18の皮膚を押圧し、光透過壁114を有する押圧部材112、押圧部材112が接着されている当接部材111、当接部材111が螺合さているハウジング110、第2スプリング124、患者側作業者により保持される保持部材122および第2押圧力表示装置134は虚血装置としても機能している。すなわち、肌色測定装置106は、その構成の一部により虚血装置としての機能も有している。この虚血装置によれば、生体の皮膚の虚血状態を得るためには、第2押圧力表示装置134の案内突起136が、押圧力がない状態において接している案内穴138の端部から離れるような押圧力で肌色測定装置106を患者18の皮膚に押圧すればよいため、押圧不足により虚血が不十分となること、およひ押圧力が強すぎるため患者18に必要以上の負担をかけることが解消される。また、第2押圧力表示装置134は、中間部材118が保持部材122から抜け落ちることを防止する機能も有している。 【0031】図9は、肌色測定装置106により測定される非虚血状態における皮膚の色および虚血状態における皮膚の色から肌色の変化に密接に関連するメラニン量に関連する生体固有の色の影響が除かれた肌色の値を算出する際の制御装置20の制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。 【0032】患者側作業者により肌色測定装置106が患者18の皮膚に押圧され、肌色測定装置106の押圧力が最適押圧力範囲であると第1押圧力表示装置126により示された場合において、肌色測定装置106の図示しない第1測定開始ボタンを患者側作業者が操作することにより、光源装置100から一定の光量の白色光が発光され、患者18の皮膚からの反射光を受光装置102が受光する。測色値算出手段140は、受光装置102が受光した光に基づいて患者18の皮膚の色度値すなわち測色値を算出し、算出された測色値は、第1測色値記憶手段142により第1測色値C1 として記憶装置38に記憶される。 【0033】肌色測定装置106の患者18の皮膚に対する押圧力がさらに強められ、第2押圧力表示装置134により、患者の皮膚が虚血状態であると示される押圧力において、肌色測定装置106の図示しない第2測定開始ボタンを患者側作業者が操作することにより、光源装置100から上記第1測定と同一の光が発光され、患者18の皮膚からの反射光を受光装置102が受光する。測色値算出手段140は、受光装置102が受光した光に基づいて患者18の皮膚の測色値を算出し、算出された測色値は、第2測色値記憶手段144により第2測色値C2 として記憶装置38に記憶される。測色値差演算手段146は、記憶された第1測色値C1 から第2測色値C2 を引くことにより、すなわち、数式1により測色値差DCを算出する。 【0034】 【数1】DC=C1 −C2【0035】図10は、上記測色値差DCを算出する際の制御装置20の制御作動の要部を説明するフロ−チャ−トである。図において、ステップ(以下、ステップを省略する)S1では、肌色測定装置106が患者18の皮膚に押圧され、その押圧力が、最適押圧力であると第1押圧力表示装置126により示された場合において、その押圧力が保持された状態で肌色測定装置106の図示しない第1測定開始ボタンを患者側作業者が操作したか否か、すなわち患者側作業者の判断により一次押圧力が決定されたか否かが判断される。このS1の判断が否定された場合には繰り返しS1の判断が実行される。 【0036】しかし、このS1の判断が肯定された場合には、測色値算出手段140に対応するS2において、光源装置100から一定の光量の白色光が発光され、受光装置102が受光した患者18の皮膚からの反射光に基づいて、患者18の皮膚の測色値が算出される。続く第1測色値記憶手段142に対応するS3では、S2において算出された測色値が第1測色値C1 として記憶装置38に記憶される。 【0037】続くS4においては、第2押圧力表示装置134により、患者18の皮膚が虚血状態であると示される押圧力において、その虚血状態が保持された状態で肌色測定装置106の図示しない第2測定開始ボタンを患者側作業者が操作したか否か、すなわち患者側作業者の判断により二次押圧力が決定されたか否かが判断される。このS4の判断が否定された場合には繰り返しS4の判断が実行される。 【0038】しかし、このS4の判断が肯定された場合には、測色値算出手段140に対応するS5において、光源装置100から一定の光が発光され、受光装置102が受光した患者18の皮膚からの反射光に基づいて患者18の皮膚の測色値が算出される。続く第2測色値記憶手段144に対応するS6では、S5において算出された測色値が第2測色値C2 として記憶装置38に記憶される。続く測色値差演算手段146に対応するS7では、記憶された第1測色値C1 から第2測色値C2 を引くことにより、すなわち、数式1により測色値差DCが算出される。 【0039】上述のように、本実施例によれば、肌色測定装置106は、その構成部材の一部により患者18の皮膚の所定部位を押圧して虚血させる虚血装置としての機能も有し、患者18の皮膚のうち光源装置100により照射された部位が虚血されていない状態で受光装置102により得られたスペクトルに基づいて第1測色値C1 が算出され、その部位が虚血された状態で受光装置104により得られたスペクトルに基づいて第2測色値C2 が算出され、測色値差演算手段146において、その第1測色値C1 から第2測色値C2 を差し引くことにより測色値差DCが算出される。この測色値差DCは、肌色の変化に密接に関連する血液が除去された状態の肌色すなわちメラニン量に関連する生体固有の色の影響が除かれた肌色を表している。したがって、肌色が客観的な値として得られるので、熟練を要することなく生体の肌色を容易に判定できる。 【0040】また、本実施例によれば、肌色測定装置106の当接部材111の患者18の皮膚に当接される側の面に接着されている押圧部材112は、皮膚に押圧される面が比較的平坦であり、その中心部に光透過壁114が設けられていることから、照射部位の周囲の生体皮膚だけが押圧部材112により押圧される場合に比較して押圧部位が均一に押圧されて虚血操作が充分に行われるので、肌色が一層正確に測定される。 【0041】また、本実施例によれば、ハウジング110と保持部材122との間に中間部材118が設けられ、ハウジング110と中間部材118とは第1スプリング120により相互に離隔する方向に付勢され、中間部材118と保持部材122とは第2スプリング124により相互に離隔する方向に付勢されている。そして、第1スプリング120はその収縮によって押圧部材112により押圧される患者18の皮膚の肌色が変化しないすなわち虚血されない弾性力に設定され、第2スプリング124は押圧部材112により押圧される患者18の表皮下が虚血状態となった後に収縮が開始されるように設定され、その収縮の開始すなわち虚血状態となったことが第2押圧力表示装置134により示される。このため、肌色測定装置106を用いて肌色を測定するために保持部材122を保持した患者側作業者は、非虚血時には、第1スプリング120の弾性力すなわち押圧力が第1押圧力表示装置126により最適押圧力であると示されるように肌色測定装置106を患者18の皮膚に押圧させるだけで、押圧部位の皮膚の肌色が変化しない適切な押圧力を発生させ得る。また、虚血時には、第2スプリング124が収縮させられているすなわち押圧部位が虚血状態にあることが第2押圧力表示装置134により示されるので押圧部位の表皮下が虚血され且つ必要以上の押圧力により患者18に負担を強いることのない適切な押圧力を発生させることができるので、熟練を要することなく非虚血時および虚血時において適切な押圧力で肌色測定装置106を患者18の皮膚の押圧することができる。 【0042】また、本実施例によれば、その先端が押圧部材112の皮膚に押圧される面と略等しい位置となるようにハウジング110を嵌通する体温センサ116が設けられている。このため、押圧部材112が患者18の皮膚に押圧されたときに体温センサ116も表皮に押圧されるため、患者18の皮膚の測色値を測定すると同時に患者18の皮膚の押圧部位の体温も同時に測定でき、測色部位の肌色と体温の関係を知ることができる。 【0043】以上、本発明の一実施例を図面に基づいて説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。 【0044】たとえば、前述の実施例では、肌色測定装置84の保持部材88の一部に設けられた光透過部材92は、円周の全部に渡って設けられていたが、円周の一部であっても構わない。また、押圧力表示装置99の押圧力表示線94、最適押圧力下限表示線96、最適押圧力表示線98も円周の一部に設けられたものであっても構わない。 【0045】また、前述の実施例では、肌色測定装置付撮像装置28、106は患者側作業者により操作されていたが、患者本人が直接操作するものであっても構わない。 【0046】また、前述の実施例では、押圧力表示装置99、126は、ハウジング86、110の保持部材88或いは中間部材118に対する移動距離を肌色測定装置84、106上に表示するものであったが、位置センサ等によりハウジング86、110の保持部材88或いは中間部材118に対する移動距離を算出し、その移動距離から押圧力を算出し、カラ−画像表示装置26に表示する等の他の方法であっても構わない。押圧力がカラ−画像表示装置26に表示される場合は、患者18本人が患者18の顔に肌色測定装置84、106を押圧する場合に押圧力が確認しにくいという問題が解消される。 【0047】また、前述の他の実施例では、図7に示したように肌色測定装置106には2つの第1押圧力表示装置126が備えられていたが、1つあるいは3つ以上であっても構わない。 【0048】また、前述の他の実施例では、肌色測定装置106には、一本の体温センサ100が備えられていたが、複数本の体温センサ100が備えられ、その平均を押圧部位の皮膚の体温として算出するものであっても構わない。 【0049】また、前述の他の実施例では、押圧部材112が貼り付けられている当接部材111がハウジング110に螺合されることにより着脱可能に取り付けられていたが、当接部材111と押圧部材112が平面ファスナ等により接合されることにより、押圧部材112のみが交換可能とされてもよい。
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| 【出願人】 |
【識別番号】390014362 【氏名又は名称】日本コーリン株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)8月11日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】池田 治幸 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−56788 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)3月2日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−216613 |
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