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【発明の名称】 内視鏡用処置具の操作部
【発明者】 【氏名】大内 輝雄

【要約】 【課題】操作ワイヤの移動ストロークの大きな処置具であっても、適度な操作ストロークによって細かい微動操作等も楽に行うことができる内視鏡用処置具の操作部を提供すること。

【解決手段】第1と第2の指かけ11,12間の距離の変化を増幅してシース1に対する操作ワイヤ2の移動量に変換する移動量増幅手段13,17,20を設けた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】シース内に軸線方向に進退自在に挿通された操作ワイヤを手元側から上記シースに対して軸線方向に進退操作するための内視鏡用処置具の操作部であって、操作者の親指を係合させるための第1の指かけとその手の他の指を係合させるための第2の指かけとの間の距離を変化させることにより、上記操作ワイヤが上記シースに対して進退するようにしたものにおいて、上記第1と第2の指かけ間の距離の変化を増幅して上記シースに対する上記操作ワイヤの移動量に変換する移動量増幅手段を設けたことを特徴とする内視鏡用処置具の操作部。
【請求項2】上記移動量増幅手段が、固定ラックと、その固定ラックと噛み合うピニオンと、そのピニオンと噛み合う可動ラックとを有していて、上記固定ラックは上記シースと一方の指かけに対して固定され、上記ピニオンは他方の指かけに対して回転自在に連結され、上記可動ラックは上記操作ワイヤに対して連結固定されている請求項1記載の内視鏡用処置具の操作部。
【請求項3】上記移動量増幅手段が、固定ラックと、その固定ラックと噛み合うピニオンと、そのピニオンと噛み合う可動ラックとを有していて、上記固定ラックは上記シースに対して固定され、上記ピニオンは一方の指かけに対して回転自在に連結され、上記可動ラックは上記操作ワイヤと他方の指かけに対して連結固定されている請求項1記載の内視鏡用処置具の操作部。
【請求項4】上記ピニオンが単一の歯車であり、上記第1と第2の指かけ間の距離の変化が2倍に増幅されて上記シースに対する上記操作ワイヤの移動量に変換される請求項2又は3記載の内視鏡用処置具の操作部。
【請求項5】上記移動量増幅手段が、変速歯車及びその変速歯車と噛み合う二つの可動ラックを有していて、その変速歯車は上記シースと一方の指かけとに対して回転自在に連結され、上記変速歯車の小径歯車と噛み合う可動ラックには他方の指かけが連結固定され、大径歯車と噛み合う可動ラックには操作ワイヤが連結固定されている請求項1記載の内視鏡用処置具の操作部。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は内視鏡用処置具の操作部に関する。
【0002】
【従来の技術】内視鏡用の処置具は一般に、シース内に挿通された操作ワイヤを手元側に設けられた操作部で軸線方向に進退操作するようになっている。
【0003】そのための操作部には、一般に、親指を係合させるための第1の指かけと、人指し指と中指を係合させるための第2の指かけとが設けられていて、二つの指かけ間の距離を変化させることによって、それと同じ長さだけ操作ワイヤがシースに対して軸線方向に移動するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】内視鏡用処置具の中で、高周波スネアやバスケット型回収具などのような先端ループワイヤ式の処置具等には、操作ワイヤの移動ストロークの非常に長いものがある。
【0005】そのような処置具の場合には、操作部の指かけの操作ストロークも非常に長くなるので、操作ワイヤを押し出すためには、図7に示されるように、指かけ51,52に係合させた指と指との間の間隔を一杯に伸ばさざるを得ない状態になり、肉体的に苦痛を伴うと共に、操作し難くなって細かな微動操作などを行うことができない。
【0006】そこで本発明は、操作ワイヤの移動ストロークの大きな処置具であっても、適度な操作ストロークによって細かい微動操作等も楽に行うことができる内視鏡用処置具の操作部を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するため、本発明の内視鏡用処置具の操作部は、シース内に軸線方向に進退自在に挿通された操作ワイヤを手元側から上記シースに対して軸線方向に進退操作するための内視鏡用処置具の操作部であって、操作者の親指を係合させるための第1の指かけとその手の他の指を係合させるための第2の指かけとの間の距離を変化させることにより、上記操作ワイヤが上記シースに対して進退するようにしたものにおいて、上記第1と第2の指かけ間の距離の変化を増幅して上記シースに対する上記操作ワイヤの移動量に変換する移動量増幅手段を設けたことを特徴とする。
【0008】なお、上記移動量増幅手段が、固定ラックと、その固定ラックと噛み合うピニオンと、そのピニオンと噛み合う可動ラックとを有していて、上記固定ラックは上記シースと一方の指かけに対して固定され、上記ピニオンは他方の指かけに対して回転自在に連結され、上記可動ラックは上記操作ワイヤに対して連結固定されていてもよい。
【0009】或いは、上記移動量増幅手段が、固定ラックと、その固定ラックと噛み合うピニオンと、そのピニオンと噛み合う可動ラックとを有していて、上記固定ラックは上記シースに対して固定され、上記ピニオンは一方の指かけに対して回転自在に連結され、上記可動ラックは上記操作ワイヤと他方の指かけに対して連結固定されていてもよい。
【0010】そして、上記ピニオンが単一の歯車であり、上記第1と第2の指かけ間の距離の変化が2倍に増幅されて上記シースに対する上記操作ワイヤの移動量に変換されるようにしてもよい。
【0011】また、上記移動量増幅手段が、変速歯車及びその変速歯車と噛み合う二つの可動ラックを有していて、その変速歯車は上記シースと一方の指かけとに対して回転自在に連結され、上記変速歯車の小径歯車と噛み合う可動ラックには他方の指かけが連結固定され、大径歯車と噛み合う可動ラックには操作ワイヤが連結固定されていてもよい。
【0012】
【発明の実態の形態】図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態の内視鏡用処置具の操作部を示しており、図示されていない内視鏡の処置具挿通チャンネルに挿脱される例えば四フッ化エチレン樹脂製チューブからなる可撓性のシース1の基端が、操作部本体10の先端部分に連結固着されている。
【0013】シース1内には、可撓性の操作ワイヤ2が軸線方向に進退自在に挿通されていて、その操作ワイヤ2の先端には、シース1の先端から突出して自己の弾性によってループ状に膨らむ弾性ワイヤ(図示せず)が連結されている。
【0014】この内視鏡用処置具が高周波スネアの場合には弾性ワイヤは一平面上に膨らみ、バスケット型把持具等の場合には立体的にかご状に膨らむように形成される。そして弾性ワイヤは、操作ワイヤ2によってシース1の先端内に引き込まれることにより弾性変形して窄まる。
【0015】シース1に対する操作ワイヤ2の進退操作は、操作者の親指を第1の指かけ11に係合させ、その手の人指し指と中指を第2の指かけ12に係合させて行われ、第2の指かけ12はこの実施の形態においては操作部本体10に一体的に形成されている。
【0016】操作部本体10は、肉厚の厚い筒状に形成されていて、その内周面には手元側開口(図1において左側の開口)から奥に向かって軸線方向にラック(固定ラック)13が形成されている。
【0017】そして、操作部本体10内に軸線方向に進退自在に配置されたワイヤ駆動部材15に、操作ワイヤ2の基端が手動の固定ネジ16によって固定されている。したがって、固定ネジ16を緩めればワイヤ駆動部材15に対して操作ワイヤ2を付け替えることができる。
【0018】固定ネジ16の頭部は、操作部本体10に軸線方向に形成された長溝14内を通過して外面に突出しており、固定ネジ16が長溝14内で移動できる範囲でしかワイヤ駆動部材15が進退移動できないようになっている。
【0019】ワイヤ駆動部材15には、操作部本体10に形成された固定ラック13と対向する位置に、それと同じピッチのラック(可動ラック)17が形成されていて、一つの小歯車からなるピニオン20が両ラック13,17と同時に噛み合う状態に配置されている。
【0020】このピニオン20は、連結棒19の先端に回転自在に軸支されており、操作部本体10から手元側に突出する連結棒19の他端側に、前述の第1の指かけ11が一体的に形成されている。
【0021】このように形成された実施の形態の内視鏡用処置具の操作部は、第1の指かけ11と第2の指かけ12とに操作者の所定の指を係合させて、両指かけ11,12を近づける方向に操作すると、図2に示されるように、操作ワイヤ2が先側に送り出されてその先端に連結された弾性ワイヤをシース1の先から押し出すことができる。ただし、ワイヤ駆動部材15の先端面が操作部本体10に当接したら、それ以上の押し出し動作は行われない。
【0022】そのような動作の際に、ピニオン20が操作部本体10に形成された固定ラック13とワイヤ駆動部材15に形成された可動ラック17の両方に対して同時に噛み合っているので、操作部本体10に対するワイヤ駆動部材15の移動量は操作部本体10に対する連結棒19の移動量の2倍になる。
【0023】このようにして、第1の指かけ11と第2の指かけ12との間の距離の変化Aが2倍に増幅されてシース1に対する操作ワイヤ2の移動量Bに変換されることになり、操作ストロークAは操作ワイヤ2の移動ストロークBの半分で済む。
【0024】したがって、第1の指かけ11と第2の指かけ12とに掛ける指の間をさほど大きく広げる必要がないので、操作部を楽に保持した状態で楽に操作を行うことができ、微動操作等も容易に行うことができる。
【0025】図3は、本発明の第2の実施の形態の内視鏡用処置具の操作部を示しており、第2の指かけ12を操作部本体10ではなくワイヤ駆動部材15に設けて、その第2の指かけ12を長溝14から操作部本体10の外部に突出させたものである。したがって、第2の指かけ12が長溝14内で移動できる範囲がワイヤ駆動部材15の可動ストロークである。
【0026】このように構成すると、操作部本体10が静止していると考えたとき、ワイヤ駆動部材15は第1の指かけ11の移動量の2倍だけ同方向に移動し、それと共に操作ワイヤ2と第2の指かけ12が移動する。
【0027】したがって、図4に示されるように、第1の指かけ11と第2の指かけ12との間の距離の変化A(即ち、(第2の指かけ12の移動量)−(第1の指かけ11の移動量))はシース1に対する操作ワイヤ2の移動量Bの半分で済み、第1の実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0028】図5は、本発明の第3の実施の形態の内視鏡用処置具の操作部を示しており、ピニオン20として、大歯車20aと小歯車20bが同軸に一体的に形成された変速歯車を用い、ワイヤ駆動部材15に形成された可動ラック17を大歯車20aと噛み合わせ、連結棒19に形成された可動ラック21を小歯車20bと噛み合わせたものである。
【0029】ピニオン20は操作部本体10に回転自在に軸支されている。第1の指かけ11は連結棒19に形成され、第2の指かけ12は操作部本体10に形成されている。操作部本体10にラックは形成されていない。ワイヤ駆動部材15の移動ストロークは、連結棒19との当接及び操作部本体10との当接によって規制される。
【0030】このように構成すると、図6に示されるように、シース1に対する操作ワイヤ2の移動量Bは、第2の指かけ12に対する第1の指かけ11の移動量Aに対して、(大歯車20aの歯数)/(小歯車20bの歯数)で表される比で増幅されるので、歯数を選択することによりその増幅量を任意に設定することができる。
【0031】なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の内視鏡用処置具の操作部は、高周波スネアやバスケット型回収具以外の各種の内視鏡用処置具に適用することができる。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、第1と第2の指かけ間の距離の変化を増幅してシースに対する操作ワイヤの移動量に変換する移動量増幅手段を設けたことにより、操作ワイヤの移動ストロークの大きな処置具であっても、適度な操作ストロークによって、指かけに係合させる指と指の間の間隔をさほど広げることなく細かい微動操作等も楽に行うことができる。
【0033】また、ラックとピニオンを介して操作ワイヤを駆動させることにより、非常に安定した動作で移動量を増幅することができる。
【出願人】 【識別番号】000000527
【氏名又は名称】旭光学工業株式会社
【出願日】 平成9年(1997)8月18日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】三井 和彦
【公開番号】 特開平11−56771
【公開日】 平成11年(1999)3月2日
【出願番号】 特願平9−221281