| 【発明の名称】 |
内視鏡 |
| 【発明者】 |
【氏名】河内 昌宏
【氏名】岡▲崎▼ 次生
【氏名】北野 誠二
【氏名】浦崎 剛
|
| 【要約】 |
【課題】本発明は、湾曲部の構造を改良することで、湾曲部を術者の操作通りの正確な湾曲形状に湾曲操作して術者が意図する方向に挿入部先端部を指向させることができる内視鏡を提供することを最も主要な特徴とする。
【解決手段】湾曲部5の湾曲変形時に湾曲部5が目的と異なる方向に湾曲動作する傾向が強い湾曲部5の軸方向の特定区間の第1の湾曲ブレード19Aの湾曲部位の剛性を、湾曲部5の軸方向の第1の湾曲ブレード19A以外の他の部位の剛性より高く設定したものである。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 体腔内に挿入される細長い挿入部の内部に複数の内蔵物が配設されるとともに、前記挿入部の先端部側に湾曲変形操作される湾曲部が配設され、前記湾曲部が、前記挿入部の軸方向に並設された複数の湾曲駒を互いに回動自在に枢支連結した湾曲管と、この湾曲管を被嵌する湾曲ブレードと、この湾曲ブレードを被覆する外皮とから構成される内視鏡において、前記湾曲部の湾曲変形時に前記湾曲部が目的と異なる方向に湾曲動作する傾向が強い前記湾曲部の軸方向の特定区間の湾曲部位の剛性を、前記湾曲部の軸方向の前記特定区間以外の他の部位の剛性より高く設定したことを特徴とする内視鏡。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、体腔内に挿入される細長い挿入部の先端部側に湾曲変形操作される湾曲部が配設された内視鏡に関する。 【0002】 【従来の技術】一般に、内視鏡には、体腔内に挿入される細長い挿入部の先端部側に湾曲変形操作される湾曲部が配設されている。この湾曲部は、挿入部の軸方向に並設された複数の湾曲駒を互いに回動自在に枢支連結した湾曲管と、この湾曲管を被嵌する湾曲ブレードと、この湾曲ブレードを被覆する外皮とから構成されている。 【0003】また、内視鏡の挿入部の内部には体腔内を観察、処置するための複数の内蔵物、例えば送気送水チャンネル、鉗子用チャンネル、ライトガイドファイバーや、イメージガイドファイバー、もしくは、撮像ケーブル等の内蔵物が配設されている。ここで、内視鏡の挿入部の内部に配設されている各内蔵物は、内視鏡の種類が異なれば材質、剛性、大きさそして挿入部内での配置もそれぞれ異なる。 【0004】また、実公平7−4002号公報には内視鏡の湾曲部に第1湾曲部と、第2湾曲部とを設け、第1、第2湾曲部にかかる保護ネット(湾曲ブレード)の素線の湾曲部の軸線に対する傾斜角を先端側よりも基端側を小さくするように変更することにより、湾曲部の前後の第1湾曲部と第2湾曲部とで張り具合を調整して第2湾曲部における必要な追従性を保持し、かつ十分に柔軟な構造にする技術が開示されている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】一般に、内視鏡の使用中、湾曲部を湾曲動作させた際には挿入部の内部に配設されている各内蔵物による外力が生じる。ここで、内視鏡の挿入部の内蔵物は、内視鏡の種類や、機種が異なれば材質、剛性、大きさ、そして挿入部内での配置もそれぞれ異なるので、湾曲部を湾曲動作させた際の湾曲部の湾曲形状もこの内蔵物による外力からの影響を受け、内視鏡の種類、或いは機種毎に様々な湾曲形状の傾向が現れることになる。 【0006】すなわち、術者が湾曲部を意図する方向、例えば術者が内視鏡の挿入部の先端部を手元側の操作部側に向けて反転指向させるために、湾曲部を湾曲動作させた場合には、図13(A)に示すように内視鏡の挿入部aにおける湾曲部bの先端側の先端構成部cが意図しない方向に指向したり、図13(B)に示すように湾曲部bの基端側が意図しない方向に指向するおそれがある。 【0007】また、図13(C)に示すように、術者が内視鏡の挿入部aの先端側の先端構成部cを上側に約90°屈曲させる方向に向けて指向させるために湾曲部bを湾曲動作させた場合には、図13(D)に示すように湾曲部bの基端側が目的と異なる湾曲動作をし、術者が意図しない方向に先端構成部cが指向するおそれがある。なお、この場合、湾曲部bの先端側が同様に目的と異なる湾曲動作をし、内視鏡の挿入部aの先端部が意図しない方向に指向されるおそれもある。 【0008】そのため、上記従来構成のものにあっては湾曲部bを任意の方向に湾曲操作する際、湾曲管内の内蔵物の影響で、湾曲部bが目的方向と異なる方向に湾曲動作し、挿入部aの先端側の先端構成部cが術者の意図しない方向に指向操作されるおそれがある。 【0009】また、実公平7−4002号公報の従来技術では湾曲部を組み立てた状態で湾曲部を構成する内蔵物の配列、それを保護する内蔵物保護部材、湾曲駒の配列や、組み合わせにより、湾曲部の先端側、中央側あるいは基端側で、それぞれ正規の湾曲方向とは異なる方向に湾曲されるおそれがある。そのため、この実公平7−4002号公報の従来技術でも湾曲部の湾曲操作時に意図しない方向に湾曲してしまうおそれがあるので、正確な湾曲形状を有する湾曲部を構成することができない問題がある。 【0010】本発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的は、湾曲部の構造を改良することで、湾曲部を術者の操作通りの正確な湾曲形状に湾曲操作して術者が意図する方向に挿入部先端部を正しく指向させることができる内視鏡を提供することにある。 【0011】 【課題を解決するための手段】本発明は、体腔内に挿入される細長い挿入部の内部に複数の内蔵物が配設されるとともに、前記挿入部の先端部側に湾曲変形操作される湾曲部が配設され、前記湾曲部が、前記挿入部の軸方向に並設された複数の湾曲駒を互いに回動自在に枢支連結した湾曲管と、この湾曲管を被嵌する湾曲ブレードと、この湾曲ブレードを被覆する外皮とから構成される内視鏡において、前記湾曲部の湾曲変形時に前記湾曲部が目的と異なる方向に湾曲動作する傾向が強い前記湾曲部の軸方向の特定区間の湾曲部位の剛性を、前記湾曲部の軸方向の前記特定区間以外の他の部位の剛性より高く設定したことを特徴とする内視鏡である。そして、内視鏡の湾曲部を湾曲させた場合には湾曲部が目的方向と異なる方向に湾曲動作する傾向が強い湾曲部の軸方向の特定区間の湾曲部位の湾曲管を被嵌する湾曲ブレードの剛性を、湾曲部の軸方向の特定区間以外の他の部位の剛性より高く設定する状態で、湾曲部の軸方向に沿って変化させることにより、湾曲ブレードが目的方向と異なる方向に湾曲動作し、先端部が術者の意図しない方向に指向することを抑制し、確実に目的とする方向に湾曲部を湾曲動作させ、先端部を術者が意図する方向に指向させて観察を行うことができるようにしたものである。 【0012】 【発明の実施の形態】以下、本発明の第1の実施の形態を図1および図2(A),(B)を参照して説明する。図1は本実施の形態の電子内視鏡1のシステム全体の概略構成を示すものである。ここで、内視鏡1には体腔内に挿入される軟性の細長い挿入部2が設けられている。この挿入部2の基端部には検査者が把持する手元側の操作部3が設けられている。 【0013】また、挿入部2には操作部3に基端部が連結された細長い可撓性を有する可撓管部4と、この可撓管部4の先端部に配設された例えば上下方向および左右方向にそれぞれ湾曲操作可能な湾曲部5と、この湾曲部5の先端部に連結された硬質の先端構成部6とが設けられている。 【0014】また、操作部3には鉗子等を導入する処置具導入口7が設けられているとともに、湾曲部5の動作を制御する図示しない上下湾曲操作ノブおよび左右湾曲操作ノブと、送気送液機能を制御する送気/送液ボタンと、吸引機能を制御する吸引ボタンと、映像記録機能や光量調整等を遠隔的に行うスイッチとがそれぞれ設けられている。そして、操作部3の図示しない上下、左右の各湾曲操作ノブにて湾曲部5を湾曲させることにより、先端構成部6の向きを変えて所望の位置の被観察部位の観察が可能となる。 【0015】さらに、操作部3の側面には可撓性を備えたユニバーサルコード8の基端部が連結されている。このユニバーサルコード8の先端部には第1のコネクタ9が連結されている。 【0016】また、光源装置10にはコネクタ受け10aが設けられている。そして、内視鏡1の第1のコネクタ9は光源装置10のコネクタ受け10aに着脱可能に接続されている。これにより、光源装置10の光源ランプにて発生された照明光をユニバーサルコード8内に配設されたライトガイドを介して電子内視鏡1の先端構成部6へ導くことができる。 【0017】また、第1のコネクタ9には信号ケーブル11の一端部が接続されている。この信号ケーブル11の他端部は第2のコネクタ12を介して映像信号処理回路や、駆動回路を内蔵する信号処理装置であるビデオプロセッサ13に接続されている。さらに、ビデオプロセッサ13には映像信号を表示するモニタ14と、映像を記録するVTRデッキ15と、ビデオプリンタ16と、ビデオディスク17等の周辺機器がそれぞれ接続されている。 【0018】そして、内視鏡1による観察像はこの内視鏡1の先端構成部6に設けられた図示しない固体撮像素子等によって電気信号に変換された後、この固体撮像素子からの出力信号が信号ケーブル11を介してビデオプロセッサ13に送られるようになっている。さらに、ビデオプロセッサ13にて処理された信号は、モニタ14、VTRデッキ15、ビデオプリンタ16、ビデオディスク17にそれぞれ送られるようになっている。そして、内視鏡1による観察像の映像がモニタ14に表示されるとともに、必要に応じてVTRデッキ15およびビデオディスク17にその映像が記録され、さらににその映像がビデオプリンタ16でプリント出力されるようになっている。 【0019】また、本実施の形態の湾曲部5は図2(B)に示すように中空に形成された湾曲管18の外周面にステンレス製の素線19aにより網目状に編み上げられた網管19bによって形成された湾曲ブレード19を被嵌し、さらにその外側にゴムあるいは合成樹脂材料よりなる外皮20を被覆して構成されている。 【0020】さらに、湾曲管18には、図2(A)に示すように挿入部2の軸方向に沿って複数の湾曲駒、すなわち上下方向に回動可能な複数の上下湾曲駒21と、左右方向に回動可能な複数の左右湾曲駒22とが互いに回動自在に枢支連結された状態で並設されている。ここで、湾曲管18の複数の上下湾曲駒21と、複数の左右湾曲駒22とは湾曲管18全体が上下左右の各4方向に湾曲自在になるように、組み合わされた状態で配列されている。 【0021】すなわち、先端構成部本体の後端部に設けられた最先端位置の第1湾曲駒28の後端部および最先端位置の第1湾曲駒28以外の上下湾曲駒21の前後の両端部には、一対の平面状連結部23が周方向に180°離れた位置に平行に設けられている。 【0022】また、各左右湾曲駒22には前後一対の回動要素22a,22bがそれぞれ設けられている。ここで、前側の回動要素22aの前端部には上下湾曲駒21の後端部の平面状連結部23と重合する平面状連結部23、後ろ側の回動要素22bの後端部には上下湾曲駒21の前端部の平面状連結部23と重合する平面状連結部23がそれぞれ形成されている。そして、連設される各湾曲駒21、22間は一対の平面状連結部23を重合させた状態でリベット24によって上下方向に回動自在に枢支連結されている。 【0023】さらに、各左右湾曲駒22の前側の回動要素22aの後端部および後ろ側の回動要素22bの前端部には、一対の平面状連結部23が周方向に180°離れた位置に平行に設けられている。そして、各左右湾曲駒22の前後の回動要素22a,22b間はこれらの一対の平面状連結部23を重合させた状態でリベット24によって左右方向に回動自在に枢支連結されている。 【0024】なお、平面状連結部23には前後の湾曲駒21、22間、および各左右湾曲駒22の前後の回動要素22a,22b間が互いに重合して回動できるように相手の平面状連結部23と干渉せずに回動できるだけの面積を持った平面部が設けられている。 【0025】また、湾曲ブレード19には湾曲部5の先端部側を覆う第1のブレード構成体19Aと、湾曲部5の後端部側を覆う第2のブレード構成体19Bとが設けられている。ここで、第1のブレード構成体19Aと第2のブレード構成体19Bとはそれぞれ剛性の異なる網管によって形成されている。すなわち、本実施の形態では例えば、先端部側の第1のブレード構成体19Aは網管19bの隣接する一対の素線19a間のピッチP1 が、後端部側の第2のブレード構成体19Bの網管19bの隣接する一対の素線19a間のピッチP2 よりも小さく(P1 <P2)なるように設定されている。そのため、先端部側の第1のブレード構成体19Aの剛性は後端部側の第2のブレード構成体19Bの剛性よりも高くなっている。 【0026】さらに、高剛性の第1のブレード構成体19Aと低剛性の第2のブレード構成体19Bとの間は連結部25によって連結されている。ここで、第1のブレード構成体19Aと第2のブレード構成体19Bとの間の連結部25は両ブレード構成体19A,19Bの端面同士、又は両ブレード構成体19A,19Bの端面間を重ね合わせて全周半田付けや、接着剤でほつれないように固定されている。 【0027】また、上下湾曲駒21の内周面の上下方向の湾曲方向に対応する各部分および左右湾曲駒22の内周面の左右方向の湾曲方向に対応する各部分には、それぞれ中空のワイヤガイド26が配設されている。さらに、湾曲部5の上下左右の4方向の各湾曲方向に対応する各組のワイヤガイド26には、湾曲操作ワイヤ27がそれぞれ挿通されている。 【0028】また、これら4本の湾曲操作ワイヤ27の先端部は、先端構成部6の図示しない先端構成部本体の後端部に設けられた第1湾曲駒28の内周面の一部を内側に切り起こして突出させた突出部29にロウ付け固定されている。さらに、4本の湾曲操作ワイヤ27の基端部側は、挿入部2の可撓管部4内に挿通され、操作部3の内部に延出されている。 【0029】また、操作部3には図示しない上下湾曲操作ノブおよび左右湾曲操作ノブの操作力を上下湾曲用の一対の上下湾曲操作ワイヤ27および上下湾曲用の左右湾曲用の一対の左右湾曲操作ワイヤ27にそれぞれ伝達する操作力伝達機構が内蔵されている。そして、上下湾曲操作ノブを操作することにより、上下湾曲用の一対の上下湾曲操作ワイヤ27の一方を牽引、他方を弛緩して、湾曲部5全体を上下方向に遠隔的に湾曲操作可能になっている。同様に、左右湾曲操作ノブを操作することにより、左右湾曲用の一対の左右湾曲操作ワイヤ27の一方を牽引、他方を弛緩して、湾曲部5全体を左右方向に遠隔的に湾曲操作可能になっている。さらに、上下湾曲操作ノブおよび左右湾曲操作ノブをそれぞれ操作することにより、上下方向と、左右方向とを組み合わせた任意の中間方向に遠隔的に湾曲操作可能になっている。 【0030】また、内視鏡1の先端構成部6には観察部位の観察を行う図示しない対物光学系と、図示しない撮像ユニットとが配設されている。ここで、対物光学系には複数のレンズが組み込まれている。さらに、撮像ユニットには対物光学系のレンズの結像位置に配置されて、撮像面に結像した光学像を電気信号に光電変換する撮像部が設けられている。 【0031】また、湾曲部5の湾曲管18内には図2(B)に示すように撮像ユニットで光電変換された光学像の電気信号を伝送するための伝送ケーブル30や、光源光量を体腔内に導くためのライトガイドファイバー31や、体腔内を診断、処置するための鉗子等処置具を挿通するための鉗子チャンネル32や、先端構成部6の対物レンズ面の汚れを取り除くための送気送水チャンネル33等の内蔵物が配設されている。 【0032】次に、上記構成の作用について説明する。本実施の形態では内視鏡1の使用時には、内視鏡挿入部2を体腔内に挿入したのち、手元側の操作部3の上下湾曲操作ノブおよび左右湾曲操作ノブの少なくとも一方を操作する。これにより、挿入部2の湾曲部5を湾曲動作させ、内視鏡の先端構成部6内の対物光学系のレンズの向きを所望の方向の観察対象物に向けて指向させ、観察する。 【0033】ここで、例えば、湾曲部5を上下左右の4方向のうち、上方向に湾曲動作させる場合には、まず、上下湾曲操作ノブを上方向に操作する。この場合には上下湾曲操作ノブの操作にともない上下湾曲用の一対の上下湾曲操作ワイヤ27のうちの上側ワイヤ27が牽引されるとともに、下側ワイヤ27が弛緩される。そのため、上下湾曲操作ワイヤ27の上側は、第1湾曲駒24の突出部29を介して、先端構成部6を上方向に牽引する。この結果、湾曲管18が湾曲ブレード19及び外皮20と共に上方向に湾曲動作し、先端構成部6は上方向に指向される。 【0034】また、挿入部2の湾曲部5を下方向に湾曲動作させる場合には、上下湾曲操作ノブを下方向に操作し、上下湾曲用の一対の上下湾曲操作ワイヤ27のうちの下側ワイヤ27を牽引させ、上側ワイヤ27を弛緩させることにより、上述の上方向に湾曲動作させる場合と同様にして行う。 【0035】さらに、挿入部2の湾曲部5を左方向、あるいは右方向に湾曲動作させる場合も、左右湾曲操作ノブを左方向、あるいは右方向に操作し、左右湾曲用の一対の左右湾曲操作ワイヤ27のうち、左ワイヤ27、あるいは右ワイヤ27側を牽引させ、湾曲動作させる側とは反対側のワイヤ27を弛緩させることにより、前述の上方向に湾曲動作させる場合と同様にして行う。 【0036】また、内視鏡1の挿入部2内には、様々な内蔵物が配設されており、それぞれの材質、剛性、大きさ、配列等により、湾曲部5に外力が作用して、湾曲部5が目的方向(意図した方向)と異なる方向に湾曲動作するおそれがある。 【0037】ここで、湾曲部5の先端側部分、中央部分、基端側部分の3領域において、目的方向と異なる方向に湾曲する条件の一例は次の通りである。例えば、内視鏡1の挿入部2内の内蔵物には、長さの異なる内蔵物を保護する為の保護部材、例えば、シリコンチューブや、EPTFE製のチューブなどが被覆されており、それぞれの内蔵物の剛性や、大きさは挿入部2の軸方向に対して変化している。 【0038】また、破損しやすい内蔵物を破損し難い位置、例えば、湾曲管18内に配設されているワイヤガイド26と干渉しない位置や、その他の内蔵物に保護される、もしくは湾曲駒21、22の内周面と干渉しないように挿入部2内の略中央部に移動させることにより、内視鏡1の挿入部2内での配列も挿入部2の軸方向に対して変化している。 【0039】すなわち、内蔵物の保護部材が、湾曲部5内において取り除かれ、内蔵物だけになると、挿入部2の軸方向に対する湾曲部5内でのバランスが崩れるため、湾曲部5の湾曲操作時には目的方向と異なる方向に湾曲動作する傾向がある。また、破損しやすい内蔵物を破損しにくい位置に移動する際に配列が変化する湾曲部位においては、内蔵物の軸方向への動きが変化するため、湾曲部5の湾曲操作時には目的方向と異なる方向に湾曲動作する傾向がある。 【0040】一方、湾曲部5は、所望の湾曲角度や、湾曲形状を得るため、上下、左右湾曲駒21、22が複数組、交互に連結されて構成されている。ここで、例えば、上下湾曲駒21は、上下の2方向に湾曲動作し、左右湾曲駒22は前後の両端部が上下方向、中央部分が左右方向の4方向に湾曲動作するように構成されている。そして、左右湾曲駒22が多く配列される湾曲部位は、上下湾曲駒21が配列される湾曲部位よりも、内蔵物の影響を受けやすく、湾曲部5の湾曲操作時には目的方向と異なる方向に湾曲動作する傾向がある。 【0041】よって、内蔵物保護部材、内蔵物の配列、湾曲駒21、22の配列および、それぞれの組み合わせ等の各種の条件に応じて、湾曲部5の湾曲操作時に目的方向と異なる方向に湾曲動作する部位は様々である。 【0042】また、例えば、内蔵物の保護部材が湾曲部5の先端側部分のみに被覆され、基端側部分では内蔵物だけとなる構成の湾曲部5では、この湾曲部5の湾曲操作時には湾曲部5の先端側部分のみで目的方向と異なる方向に湾曲動作する傾向がある。なお、湾曲部5の中央部分、基端側部分において、湾曲部5の湾曲操作時に目的方向と異なる方向に湾曲動作する場合も同様である。 【0043】そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態では、湾曲部5の先端側部分に高剛性の第1のブレード構成体19A、基端側部分に低剛性の第2のブレード構成体19Bを配設し、先端部側の第1のブレード構成体19Aの剛性が後端部側の第2のブレード構成体19Bの剛性よりも高くなるように設定されている。そのため、この湾曲部5が先端側部分において、目的方向と異なる方向に湾曲動作し、先端構成部6が術者の意図しない方向を指向しようとした場合(図13(A)参照)には、目的方向と異なる方向に湾曲動作しようとする湾曲部5の先端側部分の湾曲抵抗を増すことができるので、湾曲部5が目的方向と異なる方向に動作することを抑制することができる。その結果、湾曲部5の湾曲操作時に先端構成部6が術者の意図していない方向に向けられることを防止して術者の意図する方向に正しく指向操作することができる。なお、湾曲部5を下方向、左右方向に湾曲させる場合においても全く同様の作用効果を得ることができる。 【0044】さらに、湾曲部5の剛性を変化させる湾曲ブレード19は、略同一素線外径より形成されるので、湾曲部5の剛性を挿入部2の軸方向に沿って変化させた場合であっても湾曲部5の外径寸法を略同一外径寸法で保持することができる。そのため、内視鏡1の挿入部2全体の外径寸法を略同一外径寸法で保持することができるので、内視鏡1の挿入部2を患者の体腔内に挿入する際に、内視鏡1の挿入部2の一部が体壁等の凹凸に引っかかることなく、円滑に挿入することができ、患者の苦痛を軽減することができる。 【0045】また、本実施の形態においては、湾曲部5の先端側部分において目的方向と異なる方向に湾曲動作しようとする傾向を示す湾曲部5について説明したが、湾曲部5の基端側部分が目的方向と異なる方向に湾曲動作しようとする傾向を示す湾曲部5に対しては、本実施の形態とは逆に、湾曲部5の先端側部分に低剛性の第2のブレード構成体19B、基端側部分に高剛性の第1のブレード構成体19Aを配設して基端側部分の剛性を高くすれば良い。 【0046】さらに、湾曲部5の中央部分が目的方向と異なる方向に湾曲動作しやすい傾向を示す湾曲部5に対しては、湾曲部5の中央部分の剛性をそれより先端側部分及び基端側部分より高くすれば良い。 【0047】また、湾曲部5の先端側部分、基端側部分、中央部分の3領域のいずれかではなく挿入部2の軸方向の一部のみが局部的に目的方向と異なる方向に湾曲動作しようとする傾向を示す湾曲部5に対しては、目的方向と異なる方向に湾曲動作しようとする部分の湾曲ブレード19の剛性を他の部位より局部的に高くすれば良い。なお、この剛性が高い部分は、挿入部2の軸方向の1ヶ所だけでなくても2ヶ所以上の複数ヶ所でも良い。 【0048】また、図3(A)は本発明の第2の実施の形態を示すものである。一般に、内視鏡1の挿入部2内には、様々な内蔵物が配設されており、それぞれの材質、剛性、大きさ、配列等により、湾曲部5に外力が作用するために湾曲部5の湾曲操作時には目的方向と異なる方向に湾曲動作し、先端構成部6が術者の意図しない方向を指向する。 【0049】本実施の形態は、湾曲部5の先端側にいくほど内蔵物の影響が大きくなる傾向を示す内視鏡1に適用したものである。すなわち、本実施の形態では湾曲部5に作用する内蔵物からの外力の影響は湾曲部5の先端側部分>中間部分>基端側部分の関係となり、この関係に応じて目的方向とは異なる方向に湾曲動作しようとする傾向がある。 【0050】また、本実施の形態の湾曲部5の湾曲管18には図3(A)に示すようにステンレス製の網管41bの隣接する一対の素線41a間のピッチ間隔を変えた3種類のブレード構成体41A、41B、41Cがそれぞれ連結部42A、42Bを介して連結された湾曲ブレード41が設けられている。ここで、湾曲部5の先端部分に配置された第1のブレード構成体41Aの網管41bの素線ピッチ間隔をPa、中央部分に配置された第2のブレード構成体41Bの網管41bの素線ピッチ間隔をPb、後端部分に配置された第3のブレード構成体41Cの網管41bの素線ピッチ間隔をPcとすると、Pa<Pb<Pcの関係に設定されている。すなわち、本実施の形態の湾曲ブレード41は先端側から基端側に向けて多段階、本実施の形態では3段階にステンレス製の各ブレード構成体41A,41B,41Cの素線ピッチ間隔を順次大きくした状態で形成されている。 【0051】なお、その他の部分の構成は、第1の実施の形態(図1および図2(A),(B)参照)の内視鏡1と同じであるので、ここでは図1および図2(A),(B)と同一部分には同一の符号を付してその説明を省略する。 【0052】次に、上記構成の作用について説明する。本実施の形態では挿入部2内に配設された各内蔵物のバランスにより、湾曲部5の湾曲操作時に目的方向と異なる方向に湾曲動作し、先端構成部6が術者の意図しない方向を指向する傾向がある湾曲部5の湾曲ブレード41を、湾曲部5の湾曲操作時に目的方向と異なる方向に動作する大きさに比例して湾曲抵抗を増すように形成された複数の剛性を有する湾曲ブレード41を用いたものである。これにより、湾曲部5の湾曲操作時に湾曲部5が術者の目的方向と異なる方向に湾曲動作することを効果的に抑制することができるので、先端構成部6が術者の意図しない方向を指向することを防止して先端構成部6を術者の意図する方向に正しく指向操作することができる。 【0053】そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態では湾曲ブレード41に網管41bの素線ピッチ間隔がそれぞれ異なり、それぞれ剛性が異なる3種類のブレード構成体41A、41B、41Cを設けたので、湾曲部5の湾曲操作時に目的方向と異なる方向に湾曲動作しようとする湾曲部5を、細かく抑制することができる。これにより、術者が意図する方向に正しく挿入部2の先端構成部6を向けることができる。 【0054】なお、本実施の形態においては、湾曲部5の先端側部分において術者が意図しない方向に湾曲動作しようとする傾向を示す湾曲部5について説明したが、湾曲部5の基端側部分が異なる方向に湾曲動作しようとする傾向を示す湾曲部5に対しては、湾曲部5の基端側部分の第3のブレード構成体41Cの素線ピッチ間隔Pcを先端側部分の第1のブレード構成体41Aの素線ピッチ間隔Paに対して小さくし、湾曲部5の基端側部分の剛性を高くすれば良い。 【0055】また、湾曲部5の先端側部分および基端側部分以外の部分が、湾曲部5の湾曲操作時に目的方向と異なる方向に湾曲動作する湾曲部5に対しては、目的方向と異なる方向に湾曲動作する湾曲部位の湾曲ブレード41の剛性を他の湾曲部位よりも高くすれば良い。例えば、湾曲部5の中央部分が目的方向と異なる方向に湾曲動作しやすい傾向を示す湾曲部5に対しては、中央部分の剛性を先端側部分および基端側部分より高くすれば良い。 【0056】さらに、図3(A)の湾曲ブレード41では網管41bの素線ピッチ間の間隔が異なる3種類のブレード構成体41A、41B、41Cを連結した構成のものを示したが、ブレード構成体は3種類より多くても良く、また連結部42A、42Bを設けることなく、基端側部分に向かうにしたがって網管41bの素線の数を減らしていき連続的に素線ピッチを減少させても良い。 【0057】また、図3(B)は本発明の第3の実施の形態を示すものである。本実施の形態は湾曲部5の先端側にいくほど、挿入部2内の内蔵物の影響が大きくなり、湾曲部5の湾曲操作時に目的方向と異なる方向に湾曲動作しようとする傾向を示す湾曲部5に適用したものである。 【0058】すなわち、本実施の形態の湾曲部5の湾曲管18には、図3(B)に示すようにステンレス製の網管51bの素線51aの素線径が大きい最も太径の素線51aによって形成された第1のブレード構成体51Aと、この第1のブレード構成体51Aよりも網管51bの素線51aの素線径が小さい素線51aによって形成された第2のブレード構成体51Bと、この第2のブレード構成体51Bよりも網管51bの素線51aの素線径が小さい最も細径な素線51aによって形成された第3のブレード構成体51Cとを備えた湾曲ブレード51が設けられている。そして、第1のブレード構成体51Aは湾曲部5の先端側部分に配設され、第2のブレード構成体51Bは湾曲部5の中央部分、第3のブレード構成体51Cは湾曲部5の後端側部分に配設されている。さらに、第1のブレード構成体51Aと第2のブレード構成体51Bとの間、および第2のブレード構成体51Bと第3のブレード構成体51Cとの間は湾曲ブレード51を形成する素線径が徐々に小さくなるように連続的に滑らかに変化されている。 【0059】なお、その他の部分の構成は、第1の実施の形態(図1および図2(A),(B)参照)の内視鏡1と同じであるので、ここでは図1および図2(A),(B)と同一部分には同一の符号を付してその説明を省略する。 【0060】次に、上記構成の作用について説明する。本実施の形態では素線径が大きい第1のブレード構成体51Aが配置された湾曲部5の先端側部分は、これよりも素線径が小さい第2のブレード構成体51B、第3のブレード構成体51Cが配置された湾曲部5の中央部分および後端側部分より剛性が高くなっているので、湾曲部5の湾曲操作時には、湾曲部5の先端側部分では湾曲抵抗が増すことになる。 【0061】そのため、挿入部2内の各内蔵物のバランスにより湾曲部5に外力が作用し、湾曲部5の湾曲操作時に目的方向と異なる方向に湾曲動作する傾向を示す場合であっても湾曲部5の先端側部分で湾曲部5が術者の目的方向と異なる方向に湾曲動作することを効果的に抑制することができるので、先端構成部6が術者の意図しない方向を指向することを防止して先端構成部6を術者の意図する方向に正しく指向操作することができる。 【0062】そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、湾曲ブレード51を形成する網管51bの素線51aの素線径を第1のブレード構成体51A、第2のブレード構成体51B、第3のブレード構成体51Cの順に徐々に小さくなるように変化させることにより、段差のない湾曲部5を形成することができる。 【0063】さらに、湾曲ブレード51の第1のブレード構成体51A、第2のブレード構成体51B、第3のブレード構成体51C間にそれぞれ連結部を設ける必要がないので、組立がしやすいうえ、図2(A)の第1のブレード構成体19A、第2のブレード構成体19Bを連結する連結部25のように第1のブレード構成体51A、第2のブレード構成体51B、第3のブレード構成体51C間には硬質部がないため、湾曲部5の湾曲形状を滑らかにすることができる。これにより、内視鏡1の挿入部2を患者の体腔内に挿入する際、体壁等の凹凸に引っかかることなく挿入することができるので、患者の苦痛を軽減することができる。 【0064】なお、湾曲部5の基端側部分が湾曲部5の湾曲操作時に目的方向と異なる方向に湾曲動作しようとする傾向を示す湾曲部5に対しては、先端側部分から基端側部分に向けて徐々に網管51bの素線51aの素線径を大きくした湾曲ブレードを用いると良い。 【0065】また、湾曲部5の先端側部分および基端側部分以外の部分が湾曲部5の湾曲操作時に目的方向と異なる方向に湾曲動作しようとする傾向を示す湾曲部5に対しては、湾曲部5の湾曲操作時に目的方向と異なる方向に湾曲動作する湾曲部位の素線径を他の部位よりも大きくした湾曲ブレードを用いると良い。 【0066】また、図4(A)は本発明の第4の実施の形態を示すものである。本実施の形態は湾曲部5の先端側にいくほど、挿入部2内の内蔵物の影響が大きくなり、湾曲部5の湾曲操作時に目的方向と異なる方向に湾曲動作しようとする傾向を示す湾曲部5に適用したものである。 【0067】すなわち、本実施の形態の湾曲部5の湾曲管18には、湾曲部5の先端側部分に湾曲ブレード61を2重に重ねた厚肉のブレード重ね部62が配設されている。また、湾曲部5の基端側部分には湾曲ブレード61を一重のままの状態で被嵌した単一ブレード部63が配設されている。 【0068】なお、その他の部分の構成は、第1の実施の形態(図1および図2(A),(B)参照)の内視鏡1と同じであるので、ここでは図1および図2(A),(B)と同一部分には同一の符号を付してその説明を省略する。 【0069】次に、上記構成の作用について説明する。本実施の形態では均一な湾曲ブレード61を使用した状態において、湾曲部5の湾曲操作時に目的方向と異なる方向に湾曲動作し、術者が意図しない方向に先端構成部6を指向させる傾向を示す湾曲部位(湾曲部5の先端側部分)に厚肉のブレード重ね部62が配設されている。ここで、厚肉のブレード重ね部62は、湾曲部5の他の部位(例えば、肉厚が薄い単一ブレード部63が被覆されている部位)よりも湾曲部5の湾曲操作時に湾曲抵抗が増すことになる。 【0070】そのため、挿入部2内の各内蔵物のバランスにより湾曲部5に外力が作用し、湾曲部5の湾曲操作時に目的方向と異なる方向に湾曲動作することを効果的に抑制することができるので、先端構成部6が術者の意図しない方向を指向することを防止することができ、先端構成部6を術者の意図する方向に正しく指向操作することができる。 【0071】そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態では湾曲管18における湾曲部5の先端側部分に湾曲ブレード61を2重に重ねた厚肉のブレード重ね部62を配設したので、湾曲部5の製造時には湾曲ブレード61を2重に重ね合わせるだけで剛性が大きい厚肉のブレード重ね部62を形成することができる。そのため、異なる仕様の湾曲ブレード61を連結する作業が必要ないので、組み立て性が良好となる。 【0072】また、剛性が大きい厚肉のブレード重ね部62と肉厚が薄い単一ブレード部63との間の連結部が硬質になることも防ぐことができるので、内視鏡1の挿入部2を患者の体腔内に挿入する際、体壁等の凹凸に引っかかることがない。そのため、内視鏡1の挿入部2を患者の体腔内に円滑に挿入することができるので、患者の苦痛を軽減することができる。 【0073】なお、湾曲部5の湾曲操作時に湾曲部5の基端側部分が目的方向と異なる方向に湾曲動作する傾向を示す湾曲部5に対しては、湾曲部5の基端側部分に先端側部分よりも厚肉のブレード重ね部62を用いると良い。 【0074】また、湾曲部5の先端側部分および基端側部分以外の部分が、湾曲部5の湾曲操作時に目的方向と異なる方向に湾曲動作する傾向を示す湾曲部5に対しては、目的方向と異なる方向に湾曲動作する湾曲部分に厚肉のブレード重ね部62を用いると良い。 【0075】また、図4(B)は本発明の第5の実施の形態を示すものである。本実施の形態は湾曲部5の先端側部分、中央部分、基端側部分のうち湾曲部5の湾曲操作時に目的方向と異なる方向に湾曲する部分、例えば先端側部分に対して湾曲ブレード71の剛性を高めた高剛性のブレード構成体72を配設すると共に、湾曲部5の湾曲操作時に最も湾曲がかかる中央部分に低剛性のブレード構成体73を配設したものである。 【0076】なお、その他の部分の構成は、第1の実施の形態(図1および図2(A),(B)参照)の内視鏡1と同じであるので、ここでは図1および図2(A),(B)と同一部分には同一の符号を付してその説明を省略する。 【0077】次に、上記構成の作用について説明する。本実施の形態では湾曲部5の湾曲操作時に最も湾曲にかかる湾曲部5の中央部分の剛性を他の部分に比べて低くすることにより、湾曲部5が湾曲動作する際の湾曲抵抗を小さくすることができる。そのため、第1湾曲駒28にロウ付け固定されている湾曲操作ワイヤ27を牽引、弛緩し、湾曲部5を湾曲操作するための操作部3に設けられた湾曲操作ノブの回動力量を下げることができる。 【0078】そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、湾曲部5を湾曲操作する際に術者が湾曲操作ノブを回動操作する力量を軽減することができる。これにより、湾曲操作性が向上し術者の負担を軽減することができる。 【0079】また、図5(A)〜(D)は本発明の第6の実施の形態を示すものである。図5(A)は本実施の形態の内視鏡の挿入部81の先端側に配設された湾曲部82と可撓管部83との連結部を示すものである。 【0080】ここで、本実施の形態の湾曲部82は図5(B)に示すように中空に形成された湾曲管84の外周面にステンレス製の素線により網目状に編み上げられた網管によって形成された湾曲ブレード85を被嵌し、さらにその外側にゴムあるいはエラストマー等の合成樹脂材料よりなる外皮チューブ86を被覆して構成されている。 【0081】さらに、湾曲管84には、挿入部81の軸方向に沿って複数の湾曲駒、すなわち上下方向に回動可能な複数の上下湾曲駒87と、左右方向に回動可能な複数の左右湾曲駒88とが互いに回動自在に枢支連結された状態で並設されている。ここで、湾曲管84の複数の上下湾曲駒87と、複数の左右湾曲駒88とは内径寸法が略同一寸法に形成され、かつ湾曲管84全体が上下左右の各4方向に湾曲自在になるように、組み合わされた状態で配列されている。 【0082】また、湾曲管84の内側で、上下湾曲駒87の内周面における上下方向の湾曲方向に対応する各部分と、左右湾曲駒88の内周面における左右方向の湾曲方向に対応する各部分には、それぞれ中空のワイヤガイド89が配設されている。 【0083】さらに、各方向に対応する各組のワイヤガイド89には、それぞれ湾曲操作ワイヤ90が挿通されている。これら4本の湾曲操作ワイヤ90の先端は、先端構成部本体の後端部に設けられた最先端位置の第1湾曲駒28(図2(A)参照)の後端部の内周面にロウ付け固定されている。 【0084】また、可撓管部83にはステンレス帯を螺旋状に巻いて形成された螺旋管91が設けられている。なお、この螺旋管91は上下湾曲駒87および左右湾曲駒88の内径寸法と略同一径に設定されている。さらに、この螺旋管91の外周面は図5(D)に示すようにステンレス線で形成したブレード92に覆われ、さらにその外周面が押し出し成形で形成した可撓性の樹脂チューブ93により被覆されている。 【0085】また、螺旋管91の先端部は図5(A)に示すように連結口金94の後端部内周面に挿入状態で半田固定されている。さらに、この螺旋管91の後端部は操作部3(図1参照)側に設けられた図示しない固定部材に半田固定されている。 【0086】また、連結口金94の先端部は、湾曲部82の最後端位置に配置された最終湾曲駒95の後端部側の内周面に挿入状態で嵌合固定されている。さらに、連結口金94の内周面には可撓管部83内に配設された4つのワイヤ保護コイル96の先端部外周面がそれぞれ半田で固定されている。 【0087】各ワイヤ保護コイル96はワイヤガイド89と略同径に形成されている。そして、各ワイヤ保護コイル96内に湾曲操作ワイヤ90がそれぞれ挿通され、各湾曲操作ワイヤ90をそれぞれ保護するようになっている。 【0088】さらに、湾曲部82及び可撓管部83内には、図5(B)〜(D)に示すように像伝送ケーブル97や、ライトガイドファイバー98や、鉗子チャンネル99や、送気送水チャンネル100等の内蔵物が配設されている。なお、図5(B)〜(D)には上記像伝送ケーブル97や、ライトガイドファイバー98や、鉗子チャンネル99や、送気送水チャンネル100等の内蔵物の断面形状が示されている。ここで、図5(B)に示すように湾曲部82内に占める内蔵物およびワイヤガイド89のトータルの充填率と、図5(D)に示すように可撓管部83内に占める内蔵物およびワイヤ保護コイル96のトータルの充填率は略同一に設定されている。 【0089】そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態では図5(B),(C),(D)に示すように湾曲部82および可撓管部83の内径寸法が略同一で、かつワイヤガイド89とワイヤ保護コイル96とが略同径であるため、湾曲部82内および可撓管部83内でそれぞれ挿入部81内の内蔵物の充填率が略同一となる。そのため、湾曲部82を湾曲させた場合、各内蔵物の動きが軸方向に対して一様となるので、湾曲部82内で各内蔵物が蛇行したりすることなく、滑らかに動作する。その結果、一部の湾曲部位のみに局部的に湾曲抵抗が異なるような外力が湾曲部82内で作用しないので、湾曲部82が目的と異なる方向に湾曲動作することを抑制ことができる。したがって、挿入部81の先端構成部6(図1参照)が術者の意図しない方向に向けられることを防止して術者の意図する方向に正しく指向操作することができると共に、内蔵物の破損を抑制することができる。 【0090】さらに、本実施の形態では湾曲部82及び可撓管部83の内径寸法が略同一なので、それぞれの肉厚や外皮を略同一とすることで挿入部81の外径寸法を略同一に設定することができる。これにより、内視鏡の挿入部81を患者の体腔内に挿入する際、体壁等の凹凸に引っかかることなく挿入することができるので、患者の苦痛を軽減することができる。 【0091】また、図6および図7は本発明の第7の実施の形態を示すものである。図6は本実施の形態の内視鏡の挿入部111における湾曲部112の横断面図、図7は可撓管部113の横断面図をそれぞれ示すものである。一般に、内視鏡の挿入部111内には、様々な内蔵物が配設されており、これら内蔵物にはそれぞれ保護部材が装着されている。例えば、ライトガイドファイバーや、像伝送ケーブルにはシリコンや、EPTFEの保護チューブが被覆されて保護されているので、挿入部111の軸方向で内蔵物の外径寸法が異なる。 【0092】また、湾曲部112は、湾曲駒内径が異なる複数の湾曲駒114により構成されている。ここで、湾曲駒114の内周面には、湾曲操作ワイヤ115をガイドするワイヤガイド116がロー付け固定されている。 【0093】さらに、本実施の形態では、湾曲部112及び可撓管部113の内部に例えばシリコンや、EPTFE製で柔らかい保護管117が配設されている。ここで、湾曲部112の保護管117は、図6に示すように湾曲駒114の内周面におけるワイヤガイド116の固定部を除いた部分に、全ての湾曲駒において各内蔵物が占める充填率が略同一となるように、肉厚を調節した状態で配設されている。この場合、保護管117の肉厚は例えば、充填率を決定する要素の1つである湾曲駒114の内径寸法に比例した肉厚に設定されている。 【0094】さらに、可撓管部113の保護管117は図7に示すように可撓管部113内に設けられた螺旋管118の内周面に設けられている。そして、この保護管117の肉厚は湾曲部112内と可撓管部113内の充填率を略同一とする状態に設定されている。なお、その他の部分の構成は第6の実施の形態(図5(A)〜(D)参照)と同じである。 【0095】そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態では湾曲部112及び可撓管部113の内部に柔らかい保護管117を配設したので、湾曲部112及び可撓管部113の充填率が略同一となる。そのため、湾曲部112を湾曲させた場合、各内蔵物の動きが軸方向に対して一様となり、滑らかに動作する。 【0096】したがって、湾曲部112の湾曲時に一部の湾曲部位のみ湾曲抵抗が異なるような外力が作用しないので、湾曲部112が目的と異なる方向に湾曲動作することを抑制することができ、先端構成部6(図1参照)が術者の意図しない方向を指向することを防止して先端構成部6を術者の意図する方向に正しく指向操作することができる。 【0097】また、湾曲管84(図5(A)参照)内に柔軟な保護管117を設けたので、各内蔵物が湾曲管84の内周面や、ワイヤガイド116と干渉したり、隣接する湾曲駒87、88(図5(A)参照)間の隙間にはさまれて破損することを抑制できる。 【0098】さらに、湾曲部112の組み立て作業時には内視鏡の先端構成部6に各内蔵物が接続された後、湾曲部112及び可撓管部113内に内蔵物を挿通して組立を行う際、柔軟な保護管117によって各内蔵物が湾曲部112及び可撓管部113内に引っかかることなく、挿通することができるので、組立がしやすく、組立中に内蔵物が破損することがない。 【0099】なお、本実施の形態においては、湾曲部112の湾曲駒114の内周面および可撓管部113の螺旋管118の内周面にそれぞれ保護管117を設けているが、連結口金94(図5(A)参照)の内周面に保護管117を設け、湾曲部112と可撓管部113との間の全ての部分の充填率を略同一としても良い。 【0100】また、図8は本発明の第8の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第6の実施の形態(図5(A)〜(D)参照)の湾曲管84とは異なる構成の湾曲管121を設けたものである。 【0101】すなわち、本実施の形態の湾曲管121には上下左右の各4方向に湾曲自在になるように、上下方向に回動自在な複数の上下湾曲駒122と、左右方向に可動可能な複数の左右湾曲駒123とが湾曲管121の軸方向に並設された状態で組み合わせ配列されている。なお、各左右湾曲駒123には前後一対の回動要素123a,123bがそれぞれ設けられている。 【0102】さらに、本実施の形態の湾曲管121は、先端構成部6(図1参照)側から基端部側に向かうにしたがってこの湾曲管121の軸方向に並設された複数の湾曲駒122、123の内径寸法Dが徐々に大きくなるように構成されている。すなわち、図8に示す通り先端側から順に配設されている各湾曲駒122、123の内径寸法はD1 <D2 <D3 <D4 に設定されている。 【0103】また、可撓管部124にはステンレス帯を螺旋状に巻いて形成された螺旋管125が設けられている。この螺旋管125の外周面にはステンレス線で形成された網管からなるブレード126に覆われ、さらにその外周面が押し出し成形にて形成された可撓性の樹脂チューブ127により被覆されている。 【0104】さらに、螺旋管125の先端部には連結口金128の後端部が連結されている。この連結口金128の後端部には螺旋管125の外径寸法と略同一径の螺旋管連結部128aが形成されている。そして、この連結口金128の螺旋管連結部128aに螺旋管125の先端部が挿入された状態で、連結口金128の螺旋管連結部128aの内周面に半田固定されている。なお、螺旋管125の後端部は操作部3(図1参照)側に設けられた図示しない固定部材に半田固定されている。 【0105】また、連結口金128の先端部には湾曲駒連結部128bが設けられている。この連結口金128の湾曲駒連結部128bには湾曲管121の最後端位置に配置された最終湾曲駒129が嵌合固定されている。ここで、連結口金128の湾曲駒連結部128bは最終湾曲駒129の先端側内径寸法より内径寸法を大きく形成されている。そして、連結口金128の湾曲駒連結部128aが最終湾曲駒129の後端部に嵌入された状態で、連結口金128が最終湾曲駒129に嵌合し、湾曲管121と可撓管部124とが連結固定されている。なお、その他の構成は、第6の実施の形態(図5(A)〜(D)参照)と同じである。 【0106】そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態では湾曲管121及び可撓管部124の充填率が後端側に向かうにしたがって小さくなるため、湾曲管121を湾曲させた場合、各内蔵物が湾曲管121内で蛇行することなく、スムーズに可撓管部124内に移動し、各内蔵物の動きが軸方向に対して一様となり、滑らかに動作する。 【0107】したがって、湾曲管121の湾曲時に一部の湾曲部位のみ湾曲抵抗が異なるような外力が作用しないので、湾曲管121が目的と異なる方向に湾曲動作することを抑制することができ、先端構成部6(図1参照)が術者の意図しない方向を指向することを防止して先端構成部6を術者の意図する方向に正しく指向操作することができるとともに、内蔵物の破損を抑制することができる。 【0108】さらに、本実施の形態では、湾曲管121及び可撓管部124の内径寸法が、後端側に向かうにしたがって徐々に大きくなるように設定されているので、内視鏡の先端構成部6に各内蔵物が接続された後、湾曲管121及びこの湾曲管121に連結された可撓管部124内に内蔵物を挿通し、組立を行う際、各内蔵物が湾曲管121及び可撓管部124内に引っかかることなく、挿通することができる。そのため、組立がしやすく、組立中に内蔵物が破損することがない。 【0109】また、本実施の形態では、湾曲管121の先端側の湾曲駒も細くした構成を示したが、内蔵物の動きをスムーズにする目的を達成するためには、少なくとも湾曲部の中央部よりも湾曲部の後端部の内径寸法を大きくして内蔵物の充填率を低くすれば良く、湾曲管121の先端側が湾曲部の中央部より内径寸法が大きくなっていてもよい。 【0110】また、本実施の形態の変形例として、内蔵物を保護する保護部材を後端側に向かうにしたがって、大きく(太く)することにより、充填率を略同一にする構成にしてもよい。 【0111】また、図9(A)は図1に示す電子内視鏡1の先端構成部6の内部構成を示すものである。電子内視鏡1の先端構成部6には、図9(A)に示すように複数のレンズを配設して観察部位の観察を行う対物光学系131と、この対物光学系131の結像位置に配置されて、撮像面に結像した光学像を電気信号に光電変換する撮像部132とで構成される撮像ユニットが配設されている。 【0112】さらに、対物光学系131は第1観察レンズ枠133に収納された第1観察レンズ群134と、第2観察レンズ枠135に収納された第2観察レンズ群136と、第2観察レンズ枠135の外周面に外嵌し、第1観察レンズ枠133に嵌合する絶縁枠137とで構成されている。ここで、第1観察レンズ群134、第2観察レンズ群136は、第1観察レンズ枠133及び第2観察レンズ枠135にそれぞれ接着剤により接着固定されている。また、第1観察レンズ枠133と第2観察レンズ枠135との間は絶縁枠137を介して接着剤で接着固定されている。 【0113】さらに、第1観察レンズ枠133の先端側内周面には図9(B)及び図9(C)に示すようにレンズ中心に対して略点対称の位置に切り欠き138が設けられている。そして、対物光学系131の組み立て作業時にはこの第1観察レンズ枠133に第1観察レンズ群134を構成するカバーガラス139が介装された後に、切り欠き138に例えば、エポキシ系の接着剤140を塗布し、カバーガラス139を固定している。 【0114】また、先端構成部6には図9(A)に示すように略円柱状の先端構成部材141が設けられている。この先端構成部材141の先端部には絶縁性のプラスチック製の先端カバー142が被嵌され、接着剤により固定されている。 【0115】さらに、先端構成部材141には図示しない照明用透孔が形成されている。この照明用透孔に挿入固定された配光レンズ枠には光源装置による照明光を被観察部へ照射するための配光レンズが固定されている。そして、この配光レンズにはライトガイドの先端部が当接されている。 【0116】また、先端構成部材141には鉗子用透孔143が形成されている。この鉗子用透孔143には鉗子用パイプ144の先端部が挿入固定されている。この鉗子用パイプ144の基端部には挿入部2(図1参照)内に配設された鉗子チャンネル145の先端部が連結されている。さらに、鉗子チャンネル145の基端部は操作部3(図1参照)に形成された鉗子の挿入口7(図1参照)に連結されている。そして、この挿入口7に挿入された鉗子が鉗子チャンネル145、鉗子用パイプ144を介して先端構成部6から突出されるようになっている。 【0117】また、先端構成部材141には第1観察レンズ枠133が介装された観察用透孔146が形成されている。そして、この観察用透孔146を介して被観察部位の観察が行われるようになっている。さらに、先端構成部6にはカバーレンズ139に指向する送気送水用の図示しないノズルが設けられている。そして、操作部3に配設されている操作スイッチを操作することによりノズルを介してカバーレンズ139に送気送水を行い、このカバーレンズ139表面の汚れ・曇り等を除去することができるようになっている。 【0118】また、第1観察レンズ枠133は図示しない固定ねじにて観察用透孔146に固定されている。さらに、観察用透孔146と第1観察レンズ枠133との間にはOリング147が介装されている。そして、観察用透孔146内の水密状態がこのOリング147にて保持されている。 【0119】また、先端構成部材141の基端側には湾曲部5(図1参照)を構成する湾曲管の第1湾曲駒148が嵌合し、図示しない固定ねじにより固定されている。そして、この先端構成部材141の外周には外皮149が可撓管部4(図1参照)にかけて被覆されている。 【0120】次に、上記構成の作用について説明する。カバーレンズ139に欠けや、ヒビ割れ等の破損が生じた場合、このカバーレンズ139を交換する必要がある。このカバーレンズ139の交換作業時には、図9(D)に示すようにカバーレンズ139と第1観察レンズ枠133との間の切り欠き138に盛られた接着剤140を取り除き、この切り欠き138にレンズ固定治具150を挿入固定してカバーレンズ139の両端部を固定する。この状態で、図9(E)に示すようにカバーレンズ139の略中心部をレンズ割り棒151によって割る。この時、カバーレンズ139を固定しているので、カバーレンズ139を割る際、不安定な傾きが生じず、レンズ割り棒151をカバーレンズ139に垂直に突き当てることができ、カバーレンズ139を必要最小の力で割ることができる。 【0121】これにより、レンズ割り棒151が、第1観察レンズ群134のカバーレンズ139以外のレンズを傷つけずに、カバーレンズ139のみを割り、交換することができる。したがって、上記構成のものにあってはカバーレンズ139以外のレンズを傷つけずに、カバーレンズ139のみを安定に交換することができる効果がある。 【0122】また、図10は図1に示す電子内視鏡1の先端構成部6の先端構成部材161に鉗子用パイプ162を取付ける取付け構造を示すものである。図10の取付け構造では先端構成部材161に鉗子パイプ用ねじ孔163が形成されている。 【0123】また、鉗子用パイプ162には先端側に大径部162a、後端部側に小径部162bがそれぞれ形成されている。さらに、大径部162aの外周面には鉗子パイプ用ねじ孔163に螺着される雄ねじ部164が形成されている。そして、図10に示すように鉗子用パイプ162の雄ねじ部164が先端構成部材161の鉗子パイプ用ねじ孔163に螺合固定されている。なお、鉗子用パイプ162の内径寸法は先端構成部材161の外周面を覆う先端カバー165の鉗子パイプ用透孔166と略同径に設定されている。 【0124】また、鉗子用パイプ162の先端面には、この鉗子用パイプ162の中心線と略点対称の位置に回転溝167が2個、もしくは4個設けられている。さらに、鉗子用ねじ孔163の後端側開口部の周囲には鉗子用パイプ162との間に、例えば、シリコン系の接着剤168が塗布されている。そして、この接着剤168によって鉗子用パイプ162と鉗子用ねじ孔163との間の隙間から進入してくる水を防ぎ、水密を確保している。 【0125】また、鉗子用パイプ162の後端部側の小径部162bには挿入部2(図1参照)内に配設された鉗子チャンネル用のチューブ169の先端部が連結されている。 【0126】そこで、上記構成のものにあっては先端カバー165を先端構成部材161から取り外した状態で、鉗子用パイプ162の回転溝167に図示しない回転治具の先端部を挿入し、この回転治具を回転することにより、先端構成部材161に螺合固定された鉗子用パイプ162を取り外すことができる。そのため、鉗子用パイプ162の修理性を向上させることができる効果がある。 【0127】また、図11は図1に示す電子内視鏡1の湾曲部5の他の構成例を示すものである。図11の湾曲部5の構成例では湾曲管を構成する湾曲駒171には、湾曲操作ワイヤ27(図2参照)をガイドするワイヤガイド172が湾曲駒171の水平軸及び垂直軸上にロー付け固定されている。 【0128】そして、湾曲駒171内には、像伝送ケーブル173、ライトガイドファイバー174、鉗子チャンネル175、そして送気送水チャンネル176等の内蔵物が配設されている。ここで、ワイヤガイド172と干渉する内蔵物、例えば、鉗子チャンネル175にはワイヤガイド172と干渉しないように切り欠き部177が形成されている。 【0129】そこで、上記構成のものにあっては湾曲駒171の内周面の水平、垂直軸上にワイヤガイド172が配設されているので、湾曲操作ワイヤ27を牽引、弛緩する際、湾曲管には水平、垂直方向のみに牽引、弛緩する力が作用する。よって、湾曲部5が目的とする方向に湾曲動作し、先端構成部6(図1参照)を術者の意図する方向に指向させることができる効果がある。 【0130】また、図12は図11の変形例を示すものである。本変形例は鉗子チャンネル175が複数のワイヤガイド172と干渉する場合、切り欠き部177を複数、本変形例では2ヶ所に設けたものである。 【0131】なお、図11の湾曲部5の構成例では鉗子チャンネル175に切り欠き部177を設けたが、像伝送ケーブル173や、ライトガイドファイバー174にワイヤガイド172と干渉しないように切り欠き部177を形成しても良い。また、切り欠き部177はチューブ成形後に、必要部分のみ追加工したものでも、チューブ成形時に全長にわたって異形に成形したものでもどちらでも良い。 【0132】なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施できることは勿論である。次に、本出願の他の特徴的な技術事項を下記の通り付記する。 記(付記項1) 体腔内を観察、処置するための複数のチャンネルからなる内蔵物と、複数の湾曲駒を互いに回動自在に枢支連結した湾曲管とこの湾曲管を被嵌する湾曲ブレードと、この湾曲ブレードを被覆する外皮からなる湾曲部を有する内視鏡において、前記湾曲部が目的と異なる方向に湾曲動作する湾曲部位の剛性を軸方向に対して、他の部位の剛性より高くした湾曲部を有することを特徴とする内視鏡。 【0133】(付記項1の従来技術) 本発明は、術者の操作通りの正確な湾曲形状をなす湾曲部に関するものである。内視鏡には、体腔内を観察、処理するための例えば、送気送水チャンネル、鉗子用チャンネル、ライトガイドファイバーやイメージガイドファイバーもしくは、撮像ケーブル等の内蔵物が配設されている。これらの各内蔵物は、内視鏡が異なればそれぞれ材質、剛性、大きさそして挿入部内での配置も異なる。よって、湾曲部を湾曲動作させると内蔵物による外力が生じるため、湾曲形状も様々であり、湾曲部を術者が意図する方向、例えば術者が先端部を操作部がある基端側に向けて反転指向するために、湾曲部を上側に湾曲動作させた場合、湾曲部は図13(A)に示すように先端側が意図しない方向に指向したり、図13(B)に示すように湾曲部の基端側が意図しない方向に指向することがあった。また、図13(C)に示すように、術者が先端部を約90°指向するために湾曲動作させた場合、湾曲部は図13(D)に示すように湾曲部の基端側が目的と異なる湾曲動作をし、先端部が意図しない方向に指向することがあった。当然、図示しないが、湾曲部の先端側が目的と異なる湾曲動作をし、先端部が意図しない方向に指向することもあった。従来は、実公平7−4002号公報に示されるように、湾曲部の湾曲ブレードにおいて、先端側よりも基端側を構成する素線が、湾曲部の軸線に対して、傾斜角を小さくし、湾曲部の前後の張り具合を調整し基端側湾曲部の追従性及び柔軟性をもたせる技術が開示されているが、この技術では正確な湾曲形状を有する湾曲部を構成することはできなかった。 【0134】(付記項1が解決しようとする課題) 湾曲部を任意の方向に操作する際、湾曲管内の内蔵物の影響で、湾曲部が目的と異なる方向に湾曲動作し、挿入部先端部が術者の意図しない方向に指向操作されていた。 【0135】(付記項1の目的) 本発明は、湾曲部の構造を改良することで、術者が意図する方向に挿入部先端部を指向操作することができる湾曲部を有する内視鏡を提供することである。 【0136】(付記項1の課題を解決するための手段および作用) 本発明は、複数の湾曲駒を互いに回動自在に枢支連結した湾曲管と、この湾曲管を被嵌する湾曲ブレードとこの湾曲ブレードを被覆する外皮を有する内視鏡において、前記湾曲管を被嵌する湾曲ブレードの剛性を軸方向に沿って変化させた湾曲部を備えたものである。この構成によれば、内視鏡挿入部を体腔内等に挿入し、複数の湾曲駒を互いに回動自在に枢支連結した湾曲管を湾曲させ、先端部を術者が意図する方向に指向させて観察を行うことができる。ここで、前記湾曲部の湾曲管を被嵌する湾曲ブレードの剛性が軸方向に沿って変化させられているので、前記湾曲部が目的と異なる方向に湾曲動作し、先端部が術者の意図しない方向に指向することを抑制し、確実に目的とする方向に前記湾曲部を湾曲動作させ、先端部を指向させ観察を行うことができる。すなわち、湾曲部が目的と異なる湾曲動作をする湾曲部の特定部位の剛性を高くすることにより、挿入部先端部が術者の意図しない方向を指向することを抑制することができる。 【0137】(付記項2) 付記項1において、前記湾曲部が目的と異なる方向に湾曲動作する湾曲部位の湾曲ブレードの剛性を軸方向に対して、他の部位の剛性より高くした湾曲部を有することを特徴とする内視鏡。 【0138】(付記項3) 付記項1、2において、前記湾曲部が目的と異なる方向に湾曲動作する湾曲部位の湾曲ブレードを構成する素線のピッチを軸方向に対して変化させ、他の部位の剛性より高くした湾曲部を有することを特徴とする内視鏡。 【0139】(付記項4) 付記項1、2において、前記湾曲部が目的と異なる方向に湾曲動作する湾曲部位の湾曲ブレードの素線径を軸方向に対して変化させ、他の部位の剛性より高くした湾曲部を有することを特徴とする内視鏡。 【0140】(付記項5) 付記項1、2において、前記湾曲部が目的と異なる方向に湾曲動作する湾曲部位の湾曲ブレードの厚みを軸方向に対して変化させ、他の部位の剛性より高くした湾曲部を有することを特徴とする内視鏡。 【0141】(付記項6) 付記項1、2、3、4、5において、湾曲部の剛性を先端側より基端側を高くしたことを特徴とする内視鏡。 (付記項7) 付記項1、2、3、4、5において、湾曲部の剛性を基端側より先端側を高くしたことを特徴とする内視鏡。 【0142】(付記項8) 付記項1、2、3、4、5において、湾曲部の最も湾曲する部位の剛性を他の部位に比べて低くしたことを特徴とする内視鏡。 (付記項9) 付記項1、2、3、4、5において、湾曲部の最も湾曲する部位の剛性を他の部位に比べて高くしたことを特徴とする内視鏡。 【0143】(付記項10) 付記項1、2、3、4、5において、湾曲部の円弧状に湾曲する部位の剛性を他の部位に比べて低くしたことを特徴とする内視鏡。 (付記項11) 付記項1、2、3、4、5において、湾曲部の略中央部の剛性をそれより先端側及び基端側の剛性より高くしたことを特徴とする内視鏡。 【0144】(付記項12) 付記項1、2、3、4、5において、湾曲部の略中央部の剛性をそれより先端側及び基端側の剛性より低くしたことを特徴とする内視鏡。 (付記項13) 体腔内を観察、処置するための複数のチャンネルからなる内蔵物と、複数の湾曲駒を互いに回動自在に枢支連結した湾曲管よりなる湾曲部と、前記湾曲部を湾曲操作する湾曲操作ワイヤをガイドするワイヤガイドと、操作部と前記湾曲部とを連結する可撓管と、前記可撓管内にて前記湾曲操作ワイヤをガイドするワイヤ保護コイルを有する内視鏡において、湾曲管内に占める内蔵物およびワイヤガイドトータルの充填率と、可撓管内に占める内蔵物およびワイヤ保護コイルトータルの充填率を略同一としたことを特徴とする内視鏡。 【0145】(付記項13の従来技術) 本発明は、術者の意図したとおりの正確な湾曲形状をなす湾曲部に関するものである。従来は、特開平6−86753号公報に示されるように、湾曲駒内径を可撓管との連結部に向けて徐々に小さくなるように構成する技術が示されているが、この構造では、湾曲管内の充填率が徐々に高くなるので、可撓管との連結部が最も高くなる。よって、内蔵物が滑らかに動くことができなくなり、内蔵物の動きが悪い湾曲部位は湾曲抵抗が増し、術者が意図しない方向に外力が作用し湾曲動作すると共に、内蔵物の破損が引き起こされてしまう。 【0146】(付記項13が解決しようとする課題) 湾曲部を任意の方向に操作する際、湾曲管内の内蔵物の影響で、湾曲部が目的(意図した方向)と異なる方向に湾曲動作し、挿入部先端部が術者の意図しない方向に指向操作されていた。また、挿入部内で内蔵物の動きが滑らかでないため、湾曲部を湾曲動作させた時に内蔵物の破損が引き起こされる可能性があった。 【0147】(付記項13の目的) 本発明は、術者が意図する方向に挿入部先端部を指向操作することができると共に、内蔵物の破損を抑制することができる湾曲部を有する内視鏡を提供することである。 【0148】(付記項13の課題を解決するための手段及び作用) 本発明の内視鏡は、挿入部の湾曲部を構成する湾曲駒内径と可撓管内径を略同一とし、湾曲部と可撓管内の充填率を略同一としたものである。ここでいう充填率とは、湾曲部においては湾曲管の内径で、ワイヤガイドを含む湾曲管内の内蔵物の外径のトータル(内蔵物の断面積)を割った(除した)もののことであり、可撓管においては、可撓管先端部の内径でワイヤ保護コイルを含む可撓管先端部内の内蔵物の外径のトータルを割った(除した)もののことである。また、複数の内径を有する湾曲駒より構成される湾曲部においては、湾曲駒内周に保護管を配設することにより、湾曲部と可撓管内の充填率を略同一としたものである。もしくは、湾曲部を構成する湾曲駒内径を湾曲部中央部から湾曲部基端部にかけて徐々に大きく形成し、湾曲部内の充填率を徐々に低くなるように変化させたものである。 【0149】この構成によれば、内視鏡挿入部を体腔内等に挿入し、複数の湾曲駒を互いに回動自在に枢支連結した湾曲管よりなる湾曲部を湾曲動作させ、先端部を意図する方向に指向させ観察を行うことができる。すなわち、前記挿入部の湾曲部と可撓管内の充填率を略同一、もしくは湾曲管先端部よりも基端部の充填率を低くすることで、内蔵物の動きを滑らかにすることができるので、内蔵物による前記湾曲部への目的と異なる方向への湾曲抵抗を減らすことができ、確実に目的とする方向に前記湾曲部を湾曲動作させ、先端部を指向させ観察を行うことができると共に、内蔵物の破損を抑制することができる。 【0150】(付記項14) 付記項13において、湾曲部中央付近の複数の湾曲駒内径と可撓管内径を略同径としたことを特徴とする内視鏡。 (付記項15) 付記項13において、複数の湾曲駒内周に保護管を配設し、前記保護管を含めたトータルの充填率を湾曲部と可撓管とで略同一としたことを特徴とする内視鏡。 【0151】(付記項16) 複数の湾曲駒を互いに回動自在に枢支連結した湾曲管よりなる湾曲部と、前記湾曲部を湾曲操作する操作部と前記湾曲部とを連結する可撓管を有する内視鏡において、湾曲部中央部よりも、湾曲部基端部または可撓管内の内蔵物トータルの充填率を低くしたことを特徴とする内視鏡。 (付記項17) 付記項16において、湾曲駒の内径を湾曲部中央側から基端側へ徐々に大きくしたことを特徴とする内視鏡。 【0152】 【発明の効果】本発明によれば湾曲部の湾曲変形時に湾曲部が目的と異なる方向に湾曲動作する傾向が強い湾曲部の軸方向の特定区間の湾曲部位の剛性を、湾曲部の軸方向の特定区間以外の他の部位の剛性より高く設定したので、湾曲部の構造を改良することで、湾曲部を術者の操作通りの正確な湾曲形状に湾曲操作して術者が意図する方向に挿入部先端部を指向させることができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000000376 【氏名又は名称】オリンパス光学工業株式会社
|
| 【出願日】 |
平成9年(1997)8月21日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】鈴江 武彦 (外4名)
|
| 【公開番号】 |
特開平11−56763 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)3月2日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−225072 |
|