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【発明の名称】 立体内視鏡
【発明者】 【氏名】森住 雅明

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 対物レンズと、この対物レンズの光路を略90°曲げるプリズムと、このプリズムにより曲げられた光路における対物レンズの結像位置に配置した固体撮像素子及びその基板とからなる撮像ユニットを、挿入部の先端に所定の間隔を置いて平行に2組配置し、これら2組の撮像ユニットにより所定の視差を持った左右両眼用の画像を取得するようにした立体内視鏡において、前記両撮像ユニットのうち、一方側の撮像ユニットの固体撮像素子及びその基板を、他方側の固体撮像素子及びその基板に対して上下方向の反対側に向くように配置する構成としたことを特徴とする立体内視鏡。
【請求項2】 前記2組の撮像ユニットにおける一方の撮像ユニットの固体撮像素子に対して、他方の撮像ユニットの固体撮像素子を、その中心位置を含み、水平走査ラインと平行な軸回りに180°反転させて配置する構成としたことを特徴とする請求項1記載の立体内視鏡。
【請求項3】 前記2組の撮像ユニットを構成する固体撮像素子の一方からの画像信号を画像信号回転手段により180°画像を回転させる構成としたことを特徴とする請求項1記載の立体内視鏡。
【請求項4】 前記挿入部には、前記両撮像ユニットにおける対物レンズより被写体側の位置に逆ガリレオレンズを配置する構成としたことを特徴とする請求項1記載の立体内視鏡。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、挿入部の先端部分に撮像ユニットを平行に2組設けて、これら2組の撮像ユニットから左右両眼用の画像を取得するようにした立体内視鏡に関するものである。
【0002】
【従来の技術】内視鏡は、患者の体腔等の内部に挿入される挿入部の先端に、観察対象部を照明する照明部と、この照明部からの照明光の下で検査や診断等を行うための観察部とが設けられている。観察部は対物レンズを有し、この対物レンズの結像位置にイメージガイドの入射端を配置するか、またはCCD等の固体撮像素子が配置するように構成される。前者は光学式内視鏡、後者は電子内視鏡と呼ばれるものであり、電子内視鏡は固体撮像素子で撮像して光電変換した電気信号を外部に取り出して、映像信号処理装置に伝送して、この映像信号処理装置で所定の信号処理を行った上で、モニタ画面に映像を表示する構成としたものである。
【0003】近年においては、体腔内等の映像を立体的に把握できるようにするために、立体視が可能な映像情報を得るようにした立体内視鏡が開発され、実用化されるようになってきている。立体画像を得るための方式は種々あるが、挿入部の先端に左右一対の撮像ユニットを設けて、これら両撮像ユニットから得た2種類の画像をモニタ画面に交互に表示するようにしたものが一般的である。そして、モニタ画面に交互に映し出される映像に連動して開閉する液晶シャッタを装着した眼鏡を着用してモニタ画面を目視すると、このモニタ画面に表示されている映像を立体的に観察できることになる。
【0004】ここで、撮像ユニットは、対物レンズを含む光学系と固体撮像素子とから構成され、固体撮像素子は回路基板に搭載されている。回路基板には固体撮像素子の他に電子部品等が搭載される関係から、ある程度の大きさが必要であり、このような基板を挿入部の軸線方向の同じ位置で、軸線と直交する方向に2枚設けると、挿入部が太径化してしまう。このために、固体撮像素子及び回路基板は挿入部の軸線方向に向けて配置し、対物レンズからの光路をプリズムを用いて90°曲げた上で、固体撮像素子に入射させるようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、挿入部に設けられる2つの撮像ユニットを構成する各々の対物レンズは、視差を持たせるために、左右にある程度間隔を置いて配置する必要がある。しかしながら、撮像ユニットとしては、対物レンズだけでなく、プリズム及び固体撮像素子とその基板から構成されることから、基板の幅寸法等の制約から、2つの対物レンズが離れ過ぎて、左右の画像が大きくずれてしまい、モニタ画面に表示して、このモニタ画像を目視した時に、映像は立体的に認識できず二重に見えてしまうことになる。そこで、両対物レンズより被写体側の位置に逆ガリレオレンズを配置して結像倍率を小さくすると、あたかも両対物レンズの間隔が短くなったと同様の状態になる。しかしながら、回路基板の寸法・形状によっては、なお2つの対物レンズを正確に立体視できる位置関係とすることができない場合がある。
【0006】本発明は以上の点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、固体撮像素子とその回路基板を備えた一対の撮像ユニットにおける両対物レンズを、モニタ画面に表示した時に立体視するのに最適な間隔に配置できるようにすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成するために、本発明は、対物レンズと、この対物レンズの光路を略90°曲げるプリズムと、このプリズムにより曲げられた光路における対物レンズの結像位置に配置した固体撮像素子及びその基板とからなる撮像ユニットを、挿入部の先端に所定の間隔を置いて2組配置し、これら2組の撮像ユニットにより所定の視差を持った左右両眼用の画像を取得するようにした立体内視鏡であって、前記両撮像ユニットのうち、一方側の撮像ユニットの固体撮像素子及びその基板を、他方側の固体撮像素子及びその基板に対して上下方向の反対側に向くように配置する構成としたことをその特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実施の一形態について説明する。まず、図1に内視鏡の全体構成を示す。同図において、1は内視鏡、2は光源部と映像信号処理部とを一体に設けた光源ユニットである。内視鏡1は、体腔内に挿入される挿入部3と、この挿入部3の基端部に連結して設けた本体操作部4と、本体操作部4から引き出されたユニバーサルコード5とから構成される。ユニバーサルコード5が先端側が分岐しており、そのうちの1本のコード5aには光源ユニット2における光源部側ソケット2aに着脱可能に接続される光源コネクタ6が設けられている。また、他方のコード5bには光源ユニット2に設けた映像信号処理部側ソケット2bに着脱可能に接続される電気コネクタ7が設けられている。また、光源ユニット2にはモニタ8が接続されている。
【0009】図2に挿入部3の先端部分3aの構成を示す。先端部分3aはハウジング9を有し、このハウジング9には中央の部位に設けた観察部と、この観察部の両側に位置する照明部とから構成され、照明部には左右一対設けたライトガイド10,10(図4参照)の出射端が臨んでおり、体腔内に照明光を照射するためのものである。ライトガイド10は、挿入部3から本体操作部4を経てユニバーサルコード5にまで延在されており、さらにこのユニバーサルコード5のコード5aに導かれて、光源コネクタ6に入射端が臨んでいる。
【0010】ライトガイド10,10間における観察部には、図3及び図4に示したように、2組の撮像ユニット11L,11Rが設けられている。これら撮像ユニット11L,11Rは、それぞれ図5及び図6に示したように、対物レンズ鏡胴12L,12Rに対物レンズ13L,13Rを装着し、これら各対物レンズ鏡胴12L,12Rには光路を90°曲げるためのプリズム14L,14Rが接合・固定されている。以上の対物光学系は撮像ユニット11Lも撮像ユニット11Rも同様の構成である。プリズム14L,14Rには撮像手段として、固体撮像素子15L,15Rが接合して設けられ、これら固体撮像素子15L,15Rはそれぞれ回路基板16L,16Rに搭載されている。
【0011】ここで、固体撮像素子15Lと固体撮像素子15Rとでは、天地が逆に装着されることになる。即ち、プリズム14Lへの固体撮像素子15Lの接合方向と、プリズム14Rへの固体撮像素子15Rの接合方向の上下が逆になっている。このために、回路基板16Lからのケーブル17Lの引き出し方向と、回路基板16Rからのケーブル17Rの引き出し方向とは逆になる。回路基板16Rからは前方側にケーブル17Rが引き出されるが、このケーブル17Rは回路基板16Rの裏面側で折り返すようにして挿入部3内に引き回されている。そして、ケーブル17L,17Rは、ライトガイド10と共に挿入部3,本体操作部4及びユニバーサルコード5内に引き回されて、コード5bから電気コネクタ7に設けた端子(図示せず)に接続される。
【0012】立体内視鏡として構成されることから、挿入部3の先端には、前述した2組の撮像ユニット11L,11Rが装着されるが、図4からも明らかなように、2組の撮像ユニット11L,11Rは間隔Dだけ離間させた状態に配置されており、さらにこれら撮像ユニット11L,11Rより被写体側の位置には大きな開口を有する観察窓18(図2参照)が形成されており、この観察窓18には凹レンズと凸レンズとを組み合わせた逆ガリレオレンズ19が装着されている。
【0013】而して、2組の撮像ユニット11L,11Rで取得した画像信号を光源ユニット2における映像信号処理部に伝送して所定の信号処理を行った上で、モニタ8に左右の画像が交互に表示される。そして、観察を行う者は液晶シャッタ付きの眼鏡を着用して、モニタ8における画像の切り換わりに連動して液晶シャッタを開閉することによって、モニタ8に映し出されている映像を立体的に認識できることになる。ここで、撮像ユニット11L,11Rを構成する対物レンズ13L,13Rの間隔を広くしすぎると、視差が必要以上に大きくなり、立体視できなくなり、実質的に二重像となってしまう。従って、対物レンズ13L,13Rは両眼視差を持たせるのに適切な間隔に配置されなければならない。撮像ユニット11L,11Rは固体撮像素子15L,15Rを搭載した回路基板16L,16Rが最も大型で幅の広い部材であり、通常は、2組の撮像ユニット11L,11Rの配置間隔はこの回路基板16L,16Rの外形寸法により制約を受ける。
【0014】以上のことから、撮像ユニット11Rと撮像ユニット11Lとを上下逆方向を向けるように配置している。即ち、図3及び図4に示したように、撮像ユニット11Rの回路基板16Rが上側に、また撮像ユニット11Lの回路基板16Lは下側に位置している。これによって、2組の撮像ユニット11L,11Rのそれぞれの回路基板16L,16Rは相互に干渉し合うことがなくなり、対物レンズ鏡胴12L,12Rを密着させた状態にしても配置することができる。このために、2つの対物レンズ13L,13Rの間隔Dは任意に調整することができることになり、両対物レンズ13L,13Rの視野を、それぞれ左目画像と右目画像として正確な立体視が可能になる位置関係となるように配置できる。
【0015】ところで、撮像ユニット11Rを撮像ユニット11Lの上方で受光面は相互に対面する状態に配置されることになるから、それぞれの固体撮像素子15L,15Rでは、物体Sは図7に示したように撮像される。ここで、固体撮像素子15Rで得た画像を軸Aを中心として反転させると、固体撮像素子15Lと同じ面となり、この状態では両画像の上下及び左右の位置関係は同じになる。以上のことから、撮像ユニット11Lと撮像ユニット11Rとでは、固体撮像素子及びその回路基板を水平走査ラインと平行な軸に沿って反転させるように配置し、それ以外は同一の構成とする。これによって、固体撮像素子15Lでは左目画像が、また固体撮像素子15Rでは、左目画像に対して所定の視差を持った右目画像が得られる。ただし、固体撮像素子15Rの転送部15RTは、固体撮像素子15Lの転送部15LTとは反対側に位置させる必要がある。図5にあるように、撮像ユニット11L側では挿入部3の基端方向、即ち対物レンズ鏡胴12Lとは反対方向にケーブル17Lを引き出すのに対して、図6にあるように、撮像ユニット11R側では、挿入部3の先端方向、即ち対物レンズ12R方向にケーブル17Rを接続して、このケーブル17Rを折り返すようにする。
【0016】以上のようにして得られた両眼視差を持った2つの画像は、図8に示したような映像信号処理回路により信号処理がなされる。この図から明らかなように、撮像ユニット11Lの固体撮像素子15L及び撮像ユニット11Rの固体撮像素子15Rを駆動して、各固体撮像素子15L,15Rで蓄積した電荷が読み出される。そして、固体撮像素子15L,15Rから読み出された画像信号は、画像信号処理回路20L,20Rで所定の画像信号を生成するのに必要なブランキング,γ補正,輪郭補正,アパーチャ補正,ホワイトバランス等各種の信号処理が行われた上で、A/D変換器21L,21Rによりデジタル信号に変換された上で、画像メモリ22L,22Rに記録される。
【0017】そして、画像メモリ22L,22Rに1フィールド分の画像データが取り込まれると、その画像データが読み出されて、D/A変換器23L,23Rでアナログ信号に変換されて出力される。そして、切換スイッチ24により画像メモリ22Lからの画像信号と、画像メモリ22Rからの画像信号とが交互にモニタ8に取り込まれて、左目画像と右目画像とがモニタ8に交互に表示される。
【0018】モニタ8に表示される画像は、通常は1/60秒毎に画像を切り換えるが、右目画像と左目画像とが交互に表示されることから、画像の切り換えタイミングは1/120秒とする。そして、液晶シャッタを有する眼鏡を着用してモニタ8を観察すると、映像は立体的に把握できるようになる。両対物レンズ13L,13Rを立体視を可能とする上で最も好適な位置関係となるように配置できるから、モニタ8に表示された映像は忠実な立体視が可能になる。
【0019】なお、前述した実施の形態においては、固体撮像素子15L,15Rの配置を前後逆にすることによって、左目画像と右目画像との方向を一致させるように構成したが、上下に配置される2つの固体撮像素子から得られた画像信号を所要の信号処理を行うことによっても、2つの画像の方向を一致させることができる。即ち、図9に示したように、一方の固体撮像素子15Rで得られた画像信号を信号処理回路20Rで処理した上で、画像回転回路25にその信号を取り込んで、この画像回転回路25により固体撮像素子15Rで得られた画像を180°回転させる処理を行った上で、A/D変換器21Rを介して画像メモリ22Rに取り込むようにする。このように構成すれば、一方の固体撮像素子15Rからのケーブル17Rを折り返す必要がなく、固体撮像素子15Lと同じ方向から引き出すように構成することができる。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、一方側の撮像ユニットの固体撮像素子及びその基板を、他方側の固体撮像素子及びその基板に対して上下方向の反対側に向けて配置する構成としたので、両撮像ユニットにおける対物レンズ間の間隔を立体視するのに最適な間隔となるように調整できる等の効果を奏する。
【出願人】 【識別番号】000005430
【氏名又は名称】富士写真光機株式会社
【出願日】 平成9年(1997)8月20日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】影井 俊次
【公開番号】 特開平11−56757
【公開日】 平成11年(1999)3月2日
【出願番号】 特願平9−237850