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【発明の名称】 内視鏡の超音波洗滌装置
【発明者】 【氏名】三森 尚武

【氏名】秋庭 治男

【氏名】町田 光則

【氏名】井山 勝蔵

【要約】 【課題】洗滌槽の底部外面に回転移動する超音波振動子を設け、この超音波振動子を回転させて洗滌槽内の内視鏡収容位置の全域に超音波を放射させることにより、超音波振動子の数を減少させてコストの低減を図る内視鏡の超音波洗滌装置を提供する。

【解決手段】洗滌槽16の底部外壁面にモータによって回転する回転板50を設け、この回転板50の下面に超音波振動子60を固着する。これにより、超音波振動子60は、内視鏡が収容される噴射装置18の周辺部下部を回転移動し、各回転位置において洗滌槽16に貯留された洗滌液に超音波を放射する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 洗滌槽に内視鏡を収容して該内視鏡を洗滌液に浸漬させ、該洗滌液に超音波振動子から超音波を放射して前記内視鏡を超音波洗滌する内視鏡の超音波洗滌装置において、前記超音波振動子を前記洗滌槽の底部裏側で移動させながら位置を変えて前記洗滌槽内の洗滌液に超音波を放射するようにしたことを特徴とする内視鏡の超音波洗滌装置。
【請求項2】 洗滌槽に内視鏡を収容して該内視鏡を洗滌液に浸漬させ、該洗滌液に超音波振動子から超音波を放射して前記内視鏡を超音波洗滌する内視鏡の超音波洗滌装置において、前記洗滌槽内に洗滌液を噴射させる回転噴射装置を備え、前記回転噴射装置に前記超音波振動子を固定し、前記回転噴射装置の回転によって前記超音波振動子を移動させながら前記洗滌槽内の洗滌液に超音波を放射するようにしたことを特徴とする内視鏡の超音波洗滌装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は内視鏡の超音波洗滌装置に係り、特に洗滌液に浸漬した内視鏡を超音波により洗滌する内視鏡の超音波洗滌装置に関する。
【0002】
【従来の技術】内視鏡洗滌装置は、検査に使用された内視鏡を洗滌槽内に収容し、内視鏡全体に洗滌液を流し、あるいは、洗滌液や消毒液に内視鏡全体を浸漬させて内視鏡を洗滌・消毒する装置である。現在、このような内視鏡洗滌装置において、洗滌液を洗滌槽内に貯留して内視鏡を洗滌液に浸漬し、洗滌液に超音波を放射して内視鏡を超音波洗滌する超音波洗滌装置が提案されている。超音波は超音波振動子から放射されるが、超音波振動子は通常洗滌槽の底面外壁に固定されるか、或いは洗滌槽内に留置される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、超音波振動子を洗滌槽の底面外壁に固定する場合には、例えば、特開平6−7290号公報に示されているように内視鏡が収容される位置、即ち、洗滌槽の略全域に超音波が均等に放射されるように超音波振動子を多数配設しなければならず、コストがかかるという問題があった。また、超音波振動子を洗滌槽内に留置する場合には、上述の場合と同様な理由からコストがかかるという問題があるとともに、洗滌槽内に超音波振動子を配置するために内視鏡の収容、洗滌等の邪魔になるという問題があった。
【0004】本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、超音波振動子の数を減少させてコストの低減を図るとともに、内視鏡が収容される洗滌槽内の位置の全域に超音波を適切に放射することができる内視鏡の超音波洗滌装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成するために、洗滌槽に内視鏡を収容して該内視鏡を洗滌液に浸漬させ、該洗滌液に超音波振動子から超音波を放射して前記内視鏡を超音波洗滌する内視鏡の超音波洗滌装置において、前記超音波振動子を前記洗滌槽の底部裏側で移動させながら位置を変えて前記洗滌槽内の洗滌液に超音波を放射するようにしたことを特徴としている。
【0006】また、前記目的を達成するために、前記洗滌槽に内視鏡を収容して該内視鏡を洗滌液に浸漬させ、該洗滌液に超音波振動子から超音波を放射して前記内視鏡を超音波洗滌する内視鏡の超音波洗滌装置において、前記洗滌槽内に洗滌液を噴射させる回転噴射装置を備え、前記回転噴射装置に前記超音波振動子を固定し、前記回転噴射装置の回転によって前記超音波振動子を移動させながら前記洗滌槽内の洗滌液に超音波を放射するようにしたことを特徴としている。
【0007】本発明によれば、洗滌槽の底部裏側で超音波振動子を移動させて超音波振動子の位置を変えて洗滌槽内の洗滌液に超音波を放射する。又は、洗滌槽内に洗滌液を噴射させる回転噴射装置の一部に超音波振動子を固定し、回転噴射装置の回転によって超音波振動子を移動させて洗滌槽内の洗滌液に超音波を放射する。これにより、例えば1つ又は少数の超音波振動子によって洗滌槽内の内視鏡が収容される位置の全域に超音波を放射することができるようになり、多数の超音波振動子を用いなくても充分に内視鏡の洗滌を行うことができるようになる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下添付図面に従って本発明に係る内視鏡の超音波洗滌装置の好ましい実施の形態について詳説する。図1は、本発明に係る内視鏡の超音波洗滌装置の一実施の形態を示した正面図であり、図2は、図1の正面図において超音波洗滌装置を上方から見た場合の洗滌槽内部の構成を示した平面図である。図1に示すように内視鏡の超音波洗滌装置10(以下、単に超音波洗滌装置10という。)は箱型に形成され、装置本体12と蓋14とから構成される。装置本体12の上面には、内視鏡が収容される洗滌槽16が設けられ、洗滌槽16内に検査に使用された内視鏡が収容される。
【0009】図2に示すように洗滌槽16内には洗滌槽16の底面より突出した円柱型の噴射装置18が設けられ、この噴射装置18の周辺部に内視鏡が巻回された状態で収容される。噴射装置18には噴射ノズル18A、18Aが設けられ、噴射ノズル18A、18Aから洗滌液(水や薬液等の液体)が噴射されるようになっている。この噴射装置18が駆動されると、噴射装置18が回転するとともに、噴射ノズル18Aから洗滌液等が噴射され、洗滌槽16内に収容された内視鏡の洗滌等が行われる。
【0010】また、洗滌槽16内部の側面には、洗滌液や消毒液等の液体を洗滌槽16内に供給する給水口20、洗滌槽16に収容された内視鏡に外側から液体を噴射する噴射ノズル22、22、内視鏡の内部管路に液体を送液するカプラ24等が設けられている。洗滌槽16の底面には、噴射装置18の周辺を囲むように内視鏡の収容位置を規制する位置決めピン26、26、…が配設されている。
【0011】また、詳細は後述するが洗滌槽16の底部裏側に、内視鏡を超音波洗滌するための超音波振動子が設けられている。内視鏡を超音波洗滌する場合には、洗滌槽16内に洗滌液を貯留して内視鏡を完全に洗滌液に浸漬させるとともに、超音波振動子から洗滌液に超音波を放射して内視鏡に付着した汚れ等を超音波の振動により洗滌する。
【0012】次に上記超音波振動子の取付構造について説明する。図3は、上記超音波洗滌装置10の装置本体12の内部構成を示した断面図である。同図に示すように装置本体12のケーシング12Aに洗滌層16が取り付けられる。洗滌槽16の底部16Aの略中心位置には、底部16Aと一体形成された屈曲部16Bによって開口された円形の孔30が設けられる。この孔30に上記噴射装置18の円柱部材32が挿通されて、円柱部材32の上部が洗滌槽16内に突出した状態で回転自在に設置される。上記屈曲部16Bと上記円柱部材32との間にはリング状のシール34が取り付けられ、洗滌槽16内に貯留された洗滌液等がこれらの屈曲部16Bと円柱部材32の隙間から漏れないようになっている。
【0013】上記円柱部材32の上部周面には孔32A、32A、…が設けられ、これらの孔32Aに噴射ノズル18Aの先端が嵌合される。噴射ノズル18Aには、円柱部材32の下方に設けられた流体管路34から洗滌液等の液体が供給されるようになっており、この流体管路36から供給された液体が噴射ノズル18Aの先端から噴射される。
【0014】また、上記円柱部材32の下端にはリング状のギア38が固着され、このギア38に図示しないモータによって駆動されるギア40が噛合される。これにより、モータを駆動することによりギア40とギア38を介して円柱部材32が回転する。尚、円柱部材32の側面と装置本体12に固定された固定部材42との間にはベアリング44が取り付けられており、円柱部材32はこのベアリング44によって側面が支持された状態で回転する。
【0015】洗滌槽16の底部16A下部には、底部16Aの外壁に接した状態でリング状の回転板50が設けられる。そして、超音波振動子60は、この回転板50の下面の一部に固着される。この回転板50は、固定部材42と固定部材52に固定されたベアリング54、56によって水平方向に回転自在に支持されている。そして、回転板50の外周面にはギア50Aが形成され、このギア50Aに図示しないモータによって駆動されるギア58が噛合される。従って、モータが回転するとこの回転板50がギア58を介して回転し、超音波振動子60は、円柱部材32の周辺部の内視鏡が収容される位置の下方を回転移動する。
【0016】超音波振動子60が回転移動する位置の下方には、図4の拡大図にも示すようにリング状の平坦な面を有する基台62が設けられ、この基台62の上面にコード63、63によって電源に接続されたリング状の2極の電極板64A、64Bが設置される。そして、これらの電極64A、64Bに超音波振動子60に接続されたブラシ66A、66Bが接触する。これにより、超音波振動子60が回転移動した場合にブラシ66A、66Bが電極64A、64Bに接触しながら移動するようになり、超音波振動子60の回転によるコード63、63の絡まりを防止することができるとともに、任意の回転位置において超音波振動子60に電源を供給することができる。
【0017】尚、図5に示すように、略回転中心に設置されたロータリコネクタ100に超音波振動子60のコード63、63を接続して、コード63、63の絡まりを防止するようにしてもよい。尚、ロータリコネクタ100は、電源との接続を切らずにコード63、63の接続端63Aの位置を任意角度に回転させることができるようにしたものである。また、コード63、63の一部を所定円102の軌跡を描くようにガイド部材によりガイドし、コード63、63が他の部材に絡まらないようにしてもよい。
【0018】次に、上記超音波振動子60の作用について説明する。上記超音波振動子60は、洗滌槽16内に貯留した洗滌液に超音波を放射することにより、洗滌液に浸漬された内視鏡を超音波洗滌するものである。超音波洗滌を行う場合、内視鏡を洗滌液に浸漬された後、モータを駆動して上記ギア58を回転させ、回転板50を回転させる。これにより、回転板50の下面に固着された超音波振動子60が内視鏡が収容される噴射装置18の周辺部の下方を回転移動する。そして、超音波振動子60が回転移動している際にコード63、63を介して電極板64A、64Bに電源を供給し、ブラシ66A、66Bを介して超音波振動子60に電源を供給する。これにより、超音波振動子60が発振して超音波が回転板50及び洗滌槽16の底部16Aを介して洗滌槽16内の洗滌液に放射される。
【0019】これにより、超音波は、洗滌槽16内の内視鏡が収容される位置の全域に放射される。尚、超音波振動子60を回転移動させながら超音波を放射させるようにしてもよいし、また、所定移動角度毎に超音波振動子60を移動停止させ、その位置で超音波を所定時間放射させるようにしてもよい。また、汚れの付着がひどい部分で超音波を長時間放射させるようにしてもよい。
【0020】以上のように、超音波振動子60を洗滌層16の底部16A下方で回転移動させ、各回転移動位置において超音波振動子60から超音波を放射させるようにしたことにより、多数の超音波振動子を用いなくても1つの超音波振動子60で洗滌層16内の内視鏡を洗滌することができる。次に、本発明に係る内視鏡の超音波洗滌装置の他の実施の形態を図6に示す。図6は、上記超音波振動子60を噴射装置18に取り付けた場合の装置本体12の断面図であり、上記図3と同一又は類似作用の構成部材には同一符号を付し、その説明は省略する。同図に示すように超音波振動子60は噴射装置18の円柱部材32の内壁面に固着される。従って、超音波振動子60は、円柱部材32の回転によって洗滌槽16内を円柱部材32の周面位置に沿って回転移動することができ、内視鏡が収容される位置の全域に超音波を放射することができる。
【0021】以上、上記実施の形態では、超音波振動子60を回転板50又は噴射装置18の円柱部材32に1つ設けるようにしたが、これに限らず複数設けるようにしてもよい。この場合にも、従来のように超音波振動子を所定位置に固定した場合に比べて少数の超音波振動子によって、洗滌層16内の全域に超音波を放射することが可能である。
【0022】また、上記実施の形態では、洗滌槽16の中央部に噴射装置18が設けられている場合について説明したが、例えば、この噴射装置18が設けられていない場合の超音波洗滌装置において洗滌槽16の底面が平坦に形成されている場合には、上記回転板50はリング状ではなく円盤状に形成し、超音波振動子は、回転板の回転によって内視鏡が収容される位置の下方を通過する位置に1つ又は複数設けるようにしてもよい。
【0023】また、上記実施の形態では、超音波振動子60を回転板50により回転移動させるようにしたが、これに限らず他の移動機構により回転以外の移動(直線移動等)で超音波振動子60の位置を変えるようにしてもよい。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、洗滌槽の底部裏側で超音波振動子を移動させて超音波振動子の位置を変えて洗滌槽内の洗滌液に超音波を放射するようにしたため、又は、洗滌槽内に洗滌液を噴射させる回転噴射装置の一部に超音波振動子を固定し、回転噴射装置の回転によって超音波振動子を移動させて洗滌槽内の洗滌液に超音波を放射するようにしたため、少数の超音波振動子によって内視鏡の収容位置の全域に超音波を放射することができるようになり、多数の超音波振動子を用いなくても充分に内視鏡の洗滌を行うことができる。
【0025】これにより、超音波振動子の数が削減され、コストの低減を図られる。また、超音波振動子を洗滌槽外に設けるようにしたため、内視鏡の収容、洗滌等の邪魔にならないようにすることができる。
【出願人】 【識別番号】000005430
【氏名又は名称】富士写真光機株式会社
【出願日】 平成9年(1997)8月22日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 憲三
【公開番号】 特開平11−56748
【公開日】 平成11年(1999)3月2日
【出願番号】 特願平9−226722