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【発明の名称】 内視鏡の超音波洗滌装置
【発明者】 【氏名】三森 尚武

【氏名】秋庭 治男

【氏名】町田 光則

【氏名】井山 勝蔵

【要約】 【課題】洗滌槽に内視鏡を収納して内視鏡を洗滌液に浸漬させ、洗滌液に超音波を放射して内視鏡を超音波洗滌する内視鏡の超音波洗滌装置において、洗滌液に放射された超音波振動の振動強度を加速度センサーにより検出することにより振動子の剥離や故障等を確実に検出し、振動子の剥離、故障等により内視鏡の洗滌が不完全になる不具合を防止する内視鏡の超音波洗滌装置を提供する。

【解決手段】洗滌槽16に貯留された洗滌液に超音波振動子100から超音波を放射し、洗滌液に照射された超音波の振動強度を加速度センサー104により検出する。加速度センサー104によって検出された振動強度が例えば正常時の半分以下に減衰した場合には、超音波振動子100に剥離等の異常が生じたと判定し、アラーム108や表示パネル24によってユーザにこの異常を警告する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 内視鏡を洗滌槽に収容し、該洗滌槽に洗滌液を貯留して内視鏡を洗滌液に浸漬させ、該洗滌液に超音波を放射して前記内視鏡を超音波洗滌する内視鏡の超音波洗滌装置において、前記洗滌液に放射された超音波の振動強度を検出する振動強度検出手段と、前記振動強度検出手段によって検出された振動強度が臨界値より小さい場合に、前記超音波を放射する超音波振動子の異常を警告する警告手段と、を備えたことを特徴とする内視鏡の超音波洗滌装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は内視鏡の超音波洗滌装置に係り、特に洗滌液に浸漬した内視鏡を超音波により洗滌する内視鏡の超音波洗滌装置に関する。
【0002】
【従来の技術】内視鏡洗滌装置は、検査に使用された内視鏡を洗滌槽内に収納し、内視鏡全体に洗滌液(水等)を流し、あるいは、洗滌液や消毒液に内視鏡全体を浸漬させて内視鏡を洗滌・消毒する装置である。現在、このような内視鏡洗滌装置において、洗滌液を洗滌槽内に貯留して内視鏡を洗滌液に浸漬し、洗滌液に超音波を放射して内視鏡を超音波洗滌する超音波洗滌装置が提案されている。超音波は超音波振動子から放射されるが、超音波振動子は通常洗滌槽の外壁に機械的構造又は接着によって固着される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、超音波振動子はそれ自体が振動しているため、常に洗滌槽から剥離する危険が伴う。振動子が剥離した場合には、それが僅かな剥離の場合でも超音波が洗滌槽内の洗滌液に適切に伝達されなくなり、洗滌性能が低下するという不具合が発生する。洗滌性能が低下すると内視鏡の汚れが完全に洗滌できずに2次感染の恐れが生じる等の問題が生じる。一方、振動子が僅かに剥離した程度ではユーザがその異常を検知することは困難である。
【0004】本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、振動子の剥離、故障等を確実に検出し、振動子の剥離、故障等により内視鏡の洗滌が不完全になる不具合を防止する内視鏡の超音波洗滌装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成するために、内視鏡を洗滌槽に収容し、該洗滌槽に洗滌液を貯留して内視鏡を洗滌液に浸漬させ、該洗滌液に超音波を放射して前記内視鏡を超音波洗滌する内視鏡の超音波洗滌装置において、前記洗滌液に放射された超音波の振動強度を検出する振動強度検出手段と、前記振動強度検出手段によって検出された振動強度が臨界値より小さい場合に、前記超音波を放射する超音波振動子の異常を警告する警告手段と、を備えたことを特徴としている。
【0006】本発明によれば、洗滌液に放射された超音波の振動強度を振動強度検出手段によって検出し、該検出した振動強度が臨界値より小さい場合には、超音波振動子に剥離等の異常が生じたことを警告手段によって警告する。即ち、超音波振動子から洗滌液に適切に超音波振動が伝達されている場合に期待される振動強度に比べて振動強度検出手段によって検出された振動強度が許容範囲を越えて低下した場合には、超音波振動子に剥離等の異常が生じたと判断し、警告を発する。これにより、超音波振動子の異常を確実に検出することができ、この異常により洗滌が不完全になるという不具合を防止することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下添付図面に従って本発明に係る内視鏡の超音波洗滌装置の好ましい実施の形態について詳説する。図1は、本発明に係る内視鏡の超音波洗滌装置の一実施の形態を示した斜視図である。同図に示すように超音波洗滌装置10は箱型に形成され、装置本体12と蓋14とから構成される。装置本体12の上面には、内視鏡が収容される洗滌槽16が設けられる。洗滌槽16内には円柱型の噴射装置18が設けられ、この噴射装置にはノズル18A、18A、…が設けられている。この噴射装置18が駆動されると、噴射装置18が回転するとともに、ノズル18Aから洗滌液等が噴射され、洗滌槽16内に収容された内視鏡の洗滌等が行われる。また、洗滌槽16内には給水口17が設けられ、この給水口17からも洗滌液等が供給される。
【0008】また、洗滌槽16の底部の外側には、図示しない超音波振動子が固着されている。内視鏡を超音波洗滌する場合には、洗滌槽16内に洗滌液を貯留して内視鏡を完全に洗滌液に浸漬させるとともに、超音波振動子から洗滌液に超音波を放射して内視鏡に付着した汚れ等を超音波の振動により洗滌する。上記蓋14は、ヒンジ20、20を介して装置本体12に開閉自在に設けられる。この蓋14が閉じられると、洗滌槽16の上部開口部が蓋14によって完全に覆われ、外部に洗滌液、消毒液等が飛散しないようになっている。
【0009】また、装置本体12の正面には操作パネル22や表示パネル24が設けられる。操作パネル22は、洗滌作業の内容に関する各種設定や洗滌開始等を指示する多数のボタンが設けられている。また、表示パネル24には、洗滌作業の残り時間や、作業終了までの時間、及びトラブル発生時の警告等の各種内容が表示される。
【0010】図2は、上記超音波洗滌装置10の洗滌槽16に内視鏡を収容した場合の様子を示した平面図である。同図に示すように洗滌槽16の略中央部に上記噴射装置18が配設され、その周辺部に内視鏡50が巻回された状態で収容されるようになっている。内視鏡50の手元操作部52は、洗滌槽16の側面に設けられたカプラ32、32の近傍に置かれる。カプラ32、32は、手元操作部52に設けられている送気・送水ボタンの装着口52A、吸引ボタンの装着口52B、鉗子挿入口52Cに、チューブ34、34、34を介して接続されるようになっている。これによりカプラ32から送出された洗滌液や消毒液等が内視鏡50内部の送気・送水チューブ、吸引チューブ、鉗子挿通用チューブに供給され、内視鏡50内部の洗滌等が行われる。
【0011】また、内視鏡50の軟性部54やLG軟性部56は上記噴射装置18を囲むような状態で洗滌槽16内に収容される。そして、鉗子を送出する鉗子口、空気や水を送出する送気・送水ノズル、照明光を照射する照明窓、CCD等が設けられた先端部60は、略、同図の点線で示す円61の範囲に収容されるようになっている。尚、符号58は、LG軟性部56の一端に取り付けられるライトガイドコネクタである。
【0012】次に、上記内視鏡の超音波洗滌装置の超音波振動子の異常を検知、警告する手段について説明する。図3は、内視鏡の超音波洗滌装置10の内部構成図である。尚、同図には、上記洗滌槽16、洗滌槽16内部に設置される上記噴射装置18及び洗滌槽16周辺に配設される給水口17、カプラ32、排水口36等が示されている。
【0013】同図に示すように超音波振動子100、100は、洗滌槽16の底部の外壁に接着材等により固着される。これらの超音波振動子100は、超音波制御ユニット102により超音波の発振のオン・オフが制御されるとともに、その出力強度が調整され、洗滌槽16内に貯留された洗滌液に超音波を放射する。これにより、洗滌液に浸漬された内視鏡50が超音波洗滌される。
【0014】一方、洗滌槽16の底部の外壁に加速度センサー(ピエゾ素子)104が固着される。この加速度センサー104は、上記超音波振動子100から洗滌液に放射された超音波振動を検出する。即ち、洗滌液に放射された超音波振動による衝撃の大きさを加速度として検出し、その検出した加速度の大きさを加速度センサー制御ユニット106に入力する。尚、ここでは加速度センサー104により超音波の振動強度を検出するようにしたが、これに限らず、通常使用されている超音波センサーを用いてその出力レベルを加速度センサー制御ユニット106に入力するようにしてもよい。
【0015】加速度センサー制御ユニット106は、上記超音波制御ユニット102から超音波振動子100の発振のオン・オフを検出し、発振がオンの場合に、上記加速度センサー104から入力された検出値を基準値と比較し、超音波振動子100が正常に洗滌液に超音波を放射しているか否かを判定する。具体的には、超音波振動子100が正常に洗滌液に超音波を放射している場合に、そのときの加速度センサー104の検出値を基準値として予め加速度センサー制御ユニット106に登録しておく。そして加速度センサー制御ユニット106は、この基準値に基づいて、加速度センサー104から入力された検出値が基準値に対して許容範囲にあるか否かを判断する。例えば、基準値が100Gであった場合に、検出値がその半分の50Gより小さくなった場合には、超音波振動子100が異常であると判断する。そして、この異常と判断した場合には、加速度センサー制御ユニット106は、アラーム108を鳴らすとともに、表示パネル24(図1参照)に超音波振動子100に異常が発生したことを表示し、ユーザに超音波振動子100の異常を警告する。
【0016】尚、上記加速度センサー104を設置する位置としては、図2の点線で示した円61内、即ち、最も汚れが付着している内視鏡50の先端部60が収容される位置の近傍に設置するのが望ましい。この位置において超音波振動の振動強度が減少すると最も悪影響を受けるためである。以上説明した内視鏡の超音波洗滌装置10の作用について説明する。洗滌槽16内に検査に使用した内視鏡50を収容して蓋14を閉め、操作パネル24を操作して洗滌の開始を指示すると、上記超音波洗滌装置10は、洗滌槽16の中央部に設置された噴射装置18を回転させ、噴射装置18のノズル18Aから洗滌液を噴射するとともに、洗滌槽16の側面に配設された給水口17から洗滌液を供給し、内視鏡50外表面全体を洗滌液によって洗滌する。また、同時にカプラ32、32からも洗滌液を内視鏡50内部の送気・送水チューブ、吸引チューブ、鉗子挿入用チューブに注入し、内視鏡50内部の洗滌も行う。尚、このとき排出口36を電磁バルブ等により閉成することにより、洗滌槽16内に洗滌を貯留し、内視鏡50を完全に洗滌液に浸漬させる。
【0017】内視鏡50が洗滌水に完全に浸漬されると、次に、上記超音波制御ユニット102は、超音波振動子100、100から洗滌液に超音波を放射し、所定時間内視鏡50を超音波洗滌し、内視鏡50の表面に付着した汚れ等を超音波振動により洗滌する。このとき、上記加速度センサー制御ユニット106は、洗滌液に放射された超音波の振動強度を加速度センサー104から入力し、この振動強度が臨界値以上か否かを判定する。もし、振動強度が臨界値より小さい場合には、上述したように、超音波振動子100が剥離等の異常を生じていると判定し、アラーム108を鳴らして警告を発するとともに、表示パネル24(図1参照)に超音波振動子100に異常が発生したことを表示し、ユーザに警告する。
【0018】超音波洗滌が終了すると、排水口36を開成し、洗滌槽16に貯留された洗滌水を排水する。排水が終了すると、噴射装置18のノズル18A及び給水口17から水を送出し、内視鏡50の洗滌を行う。以上の洗滌が終了すると、次に、排水口36を閉成し、給水口17から消毒液を供給して洗滌槽16に消毒液を貯留するとともに、カプラ32、32からも消毒液を供給し、内視鏡50の外表面及び内部を完全に消毒液に浸漬させる。そして、内視鏡50を消毒液に所定時間浸漬させた後、排水口36を開成して排水口36から消毒液を排出し、薬液タンク等に回収する。
【0019】この後、噴射装置18のノズル18Aや給水口17から洗滌槽16内に水を送出して内視鏡50や洗滌槽16に付着した汚れや消毒液等をすすぎ、最後に、噴射装置18のノズル18Aからエアー又はアルコール等を噴射して内視鏡50を乾燥させ、洗滌を終了する。このように、超音波振動子100から放射された超音波振動を加速度センサー104により検出して、超音波振動子100に異常が生じた場合には、即座にユーザに警告するようにしたため、ユーザは、その警告が発生した場合には、装置の修理等や、応急処置として超音波振動子100の出力を上げるなどの処理により、内視鏡50の洗滌が不完全のまま次の検査に使用されることを防止することができる。
【0020】尚、上記応急処置として超音波振動子100の出力を上げる作業はユーザが手動で行ってもよいが、上記加速度センサー制御ユニット106によって検出される振動強度に基づいて(振動強度が一定となるように)、上記超音波制御ユニット102が自動で超音波振動子100の出力を調整するようにしてもよい。以上、上記実施の形態では、加速度センサーを洗滌槽の底面に外側から設置するようにしたが、加速度センサーの設置位置はこれに限らず、洗滌槽16の内部に設置してもよい。また、図4に示すように、噴射装置18が中央にない場合に、蓋14の凸部14Aによって洗滌液や消毒液の使用量の節約を図るようにした場合には、この凸部14Aに加速度センサー104を設置してもよい。尚、図4において、図3に示した部材と同一又は類似部材には図3と同一番号を付している。また、図3において噴射装置18に設けられていたノズル18Aは、図4の装置では洗滌槽16の周面に設けられている。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、洗滌液に放射された超音波の振動強度を振動強度検出手段によって検出し、該検出した振動強度が臨界値より小さい場合には、超音波振動子に剥離等の異常が生じたことを警告手段によって警告する。即ち、超音波振動子から洗滌液に適切に超音波振動が伝達されている場合に期待される振動強度に比べて振動強度検出手段によって検出された振動強度が許容範囲を越えて低下した場合には、超音波振動子に剥離等の異常が生じたと判断し、ユーザに警告するようにしたため、超音波振動子の異常を確実に検出することができ、この異常により洗滌が不完全になるという不具合を防止することができる。これにより、洗滌が不完全な内視鏡が検査に使用されることによる2次感染等の危険を防止することができる。また、異常を警告された場合には、超音波振動子の出力を上げる等して適切な処理を施すことが可能となる。
【出願人】 【識別番号】000005430
【氏名又は名称】富士写真光機株式会社
【出願日】 平成9年(1997)8月19日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 憲三
【公開番号】 特開平11−56747
【公開日】 平成11年(1999)3月2日
【出願番号】 特願平9−222761