| 【発明の名称】 |
医療用具 |
| 【発明者】 |
【氏名】豊川 卓也
【氏名】源 政明
【氏名】榊山 昭二
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| 【要約】 |
【課題】使用済の判断が容易な、レーザー光を使用する際に用いられる医療用具を提供する。
【解決手段】レーザー光を使用する際に用いられる医療用具(例、レーザーカテーテルチューブ)であって、レーザー光の透過する部分にレーザー感光発色組成物(例、感光色素、光反応開始剤及び発色色素よりなる)が存在されていることを特徴とする医療用具。感光色素の例としてはチオベンゾフェノン系色素、光反応開始剤の例としては鉄−アレーン化合物、発色色素の例としてはトリフェニルメタンフタリド系色素。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 レーザー光を使用する際に用いられる医療用具であって、レーザー光の透過する部分にレーザー感光発色組成物が存在されていることを特徴とする医療用具。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明はレーザー光を使用する際に用いられる医療用具に関する。 【0002】 【従来の技術】レーザー光を使用する際に用いられる医療用具として、例えば、内部にレーザー光を導くための光ファイバーが挿入されるレーザーカテーテルチューブがある。カテーテルは、体内に薬液を注入したり、レーザー光などを導いたりするために用いられており、通常、軟質樹脂チューブにより構成されているものであるが、上記カテーテルのうち、レーザー光を導くためのレーザーカテーテルチューブは、図1に示すように、一端部2が閉塞されたチューブ1からなるものであり、内部3にレーザー光を通すための光ファイバーを挿入し、一端部2の先端側からレーザー光を患部等に向かって照射するために用いられている。 【0003】このようなレーザーカテーテルチューブは、人体に使用されるので滅菌不十分で使用したり、過使用や誤用すると重大な事故を起こす可能性があるため、衛生面、安全面の配慮から、使い捨てを前提とした品質設計とされている。しかしながら、使用済かどうかが判り難いという欠点があった。 【0004】医療用具の再使用防止の手段としては、用具の構造を特定の形状とすることにより使用済の判断を可能としたものが提案されている(例えば、実開平3−101908号公報)が、医療用具によっては、そのような特定の形状にするのが難しいものもある。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明は上記に鑑みてなされたものであり、その目的は、使用済の判断が容易な、レーザー光を使用する際に用いられる医療用具を提供することある。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明の医療用具は、レーザー光を使用する際に用いられる医療用具であって、レーザー光の透過する部分にレーザー感光発色組成物が存在されていることを特徴とする。 【0007】上記レーザー光を使用する際に用いられる医療用具としては、例えば、レーザーカテーテルチューブが挙げられるが、これに限らず、レーザー光を使用する際に用いられる医療用具であればどのようなものでもよい。上記医療用具の材質としては、特に限定されるわけではないが、通常、プラスチックが好ましい。 【0008】上記レーザー光としては、例えば、アルゴンレーザー、ヘリウム−カドミウムレーザー、クリプトンレーザー、ヘリウム−ネオンレーザー、半導体レーザーなどが挙げられる。 【0009】上記レーザー感光発色組成物とは、レーザー光に感光して着色する組成物のことを指し、基本的には、感光色素、光反応開始剤及び発色色素よりなる。 【0010】上記感光色素としては、例えば、シアニン系色素、メタロシアニン系色素、ローダシアニン系色素、オキソノール系色素、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色素、スチリル系色素、ベーススチリル系色素、ポリフィリン系色素、キサンテン系色素、スクワリリウム系色素、クロコニウム系色素、アズレニウム系色素、ジチオール金属塩系色素、ナフトキノン系色素、アントラキノン系色素、インドフェノール系色素、アゾ系色素、トリフェニルメタン系色素、インジゴ系色素、チオキサンテン系色素、チアジン系色素、クマリン系色素、ケトクマリン系色素、ピリリウム塩系色素、チオピリリウム塩系色素、チアゾール系色素、キノリン系色素、ベンゾフェノン系色素、チオベンゾフェノン系色素などが挙げられ、特に、シアニン系色素、キサンテン系色素、スチリル系色素、チアジン系色素、ベンゾフェノン系色素、チオベンゾフェノン系色素が好ましい。これらの感光色素は使用されるレーザ光源の波長に応じて使い分けられる。 【0011】上記光反応開始剤としては、例えば、芳香族ジアゾニウム塩、トリフェニルスルホニウム塩、ハロゲン化ジフェニル塩、スルホン酸エステル類、ニトロベンジルスルホネート、ジアゾナフトキノン類、有機ハロゲン化合物、感光色素類、鉄−アレーン化合物などが挙げられ、特に、有機ハロゲン化合物、鉄−アレーン化合物が好ましい。 【0012】上記発色色素としては、例えば、トリフェニルメタン系色素、トリフェニルメタンフタリド系色素、フェノチアジン系色素、フェノキサジン系色素、フルオラン系色素、インドリルフタリド系色素、アザフタリド系色素、ジフェニルメタン系色素、クロメピラゾール系色素、ロイコオーラミン系色素、ローダミンラクタム系色素、アゾメチン系色素、ロイコキサンテン系色素が挙げられ、特に、トリフェニルメタンフタリド系色素、インドリルフタリド系色素、アザフタリド系色素、フルオラン系色素、ローダミンラクタム系色素、ロイコキサンテン系色素が好ましい。 【0013】上記レーザー感光発色組成物が、レーザー光に感光して着色する原理を説明する。レーザー光が感光色素に当たると、感光色素が励起され、基底状態(S0 )から第一励起一重項状態(S1 )に遷移する。この状態から感光色素は項間交差(IC)現象により、第一励起三重項状態(T1 )に遷移する。このT1 は比較的寿命が長く、他分子に接触しエネルギーや電子の移行を起こしやすい。このT1 が光反応開始剤に作用し、光反応開始剤を分解して酸を発生させる。この酸が発色色素を発色させ、着色させる。従って、使用に際してレーザー光が透過すると、レーザー感光発色組成物が着色され、使用済であることが確認される。 【0014】レーザー光を使用する際に用いられる医療用具のレーザー光の透過する部分に、上記レーザー感光発色組成物を存在させる方法としては、例えば、上記医療用具がプラスチックのような成形によって製造されるような材料である場合は、上記レーザー感光発色組成物と原料樹脂とを混練したものを用いて医療用具(例えば、レーザーカテーテルチューブ)を成形する方法(成形方法としては、押出成形、射出成形、二次加工など適宜選択可能である);上記レーザー感光発色組成物をペーストレジン(使用するプラスチックを溶剤により糊状にしたもの)に溶解し、医療用具のレーザー光透過部分に塗布する方法などが挙げられる。上記レーザー感光発色組成物は、医療用具のレーザー光の透過する部分の全てにわたって存在せずに、その一部に存在してもよい。 【0015】本発明に用いられるレーザー感光発色組成物の配合は、光反応開始剤1モルに対し、感光色素は0.0001〜100モルが好ましく、0.001〜10モルがより好ましく、発色色素は0.1〜100モルが好ましく、0.1〜10モルがより好ましい。 【0016】本発明の医療用具の製造において、上記レーザー感光発色組成物と原料樹脂とを混練したものを用いる場合、レーザー感光発色組成物と原料樹脂との配合割合は、レーザー感光発色組成物中の光反応開始剤1重量部に対し、原料樹脂が50〜10000重量部の割合が好ましく、100〜5000重量部の割合がより好ましい。 【0017】本発明の医療用具の製造において、レーザー感光発色組成物をペーストレジンに溶解し、医療用具のレーザー光透過部分に塗布する方法を用いる場合、レーザー感光発色組成物と塗布・乾燥後のレジンとの配合割合は、レーザー感光発色組成物中の光反応開始剤1重量部に対し、レジンが50〜10000重量部の割合が好ましく、100〜5000重量部の割合がより好ましい。 【0018】 【発明の実施の形態】以下に実施例をあげて本発明を更に詳しく説明する。 【0019】実施例1GaAlAs半導体レーザー(λ=790nm、max50mW)に感光するように、下記の配合のレーザー感光発色組成物を製造した。感光色素として、チオミヒラーケトン(チオベンゾフェノン系色素、分子量284.4)の1モル、光反応開始剤として、〔(1−メチルエチル)−η6 −ベンゼン〕〔η5 −シクロペンタジエニル〕鉄(II)−六フッ化リン酸塩(鉄−アレーン化合物、分子量386.10、チバ・ガイギー社製、商品名「イルガキュア261」)の1モル、及び発色色素として、クリスタルバイオレットラクトン(トリフェニルメタンフタリド系色素、分子量415.54)の1モルを、適当量のテトラヒドロフランに分散混合してレーザー感光発色組成物を得た。 【0020】溶剤としてテトラヒドロフラン100ml、乾燥時間調整のための可塑剤としてジオクチルフタレート10ml、及び軟質塩化ビニルペレット(理研ビニル工業社製、商品名「SR1147」)10gを攪拌・混合して得られたペーストレジンに、上記のレーザー感光発色組成物を、ペーストレジン1000重量部に対して、上記のレーザー感光発色組成物中の光反応開始剤が1重量部の比率となるように混合して、塗布用組成物を得た。 【0021】軟質ポリ塩化ビニルからなる、図1に示す形状のレーザーカテーテルチューブ(内径1.1mm、外径2.0mm)1の閉塞加工された一端部2側を、上記塗布用組成物に浸漬・塗布後、引き上げて乾燥した。 【0022】このレーザーカテーテルチューブに光ファイバーを挿入し、GaAlAs半導体レーザー光を6分間照射したところ、レーザーカテーテルチューブの上記の組成物が浸漬・塗布された部分のレーザー光透過部分が青色に着色した。 【0023】実施例2GaAlAs半導体レーザー(λ=790nm、max50mW)に感光するように、下記の配合のレーザー感光発色組成物を含む押出成形用原料を製造した。感光色素として、4−〔3−クロロ−5−(1−エチル−4(1H)−キノリニリデン)−1,3−ペンタジエニル〕−1−エチルキノリニウムヨウ素(シアニン系色素、分子量540.87、日本感光色素研究所社製、商品名「NK−78」)の0.1モル、光反応開始剤として、〔(1−メチルエチル)−η6 −ベンゼン〕〔η5 −シクロペンタジエニル〕鉄(II)−六フッ化リン酸塩(鉄−アレーン化合物、分子量386.10、チバ・ガイギー社製、商品名「イルガキュア261」)の0.1モル、及び発色色素として、クリスタルバイオレットラクトン(トリフェニルメタンフタリド系色素、分子量415.54)の10モルを、軟質塩化ビニルペレット(理研ビニル工業社製、商品名「SR−1147」)750kgと混練して押出成形用組成物を製造した。 【0024】以下、本実施例に用いたレーザーカテーテルチューブの製造方法を図2に従って説明する。 【0025】上記の押出成形用組成物を押出成形して直径1.2mmの長尺状の断面円形の棒材11を成形した。上記棒材11を2mmの長さに、かつ切断面が長さ方向と正確に直交するようにペーパーカッターを用いて切断し、端面12aを有する円柱状ストランド12を得た。 【0026】次に、上記レーザー感光発色組成物を含まないことの他は上記と同様の押出成形用組成物を用いて、内径1.1mm、外径2.0mmであり、表面が平滑なチューブ13を成形した。 【0027】次に、上記円柱状ストランド12をチューブ13の先端に1mmの深さまで挿入して複合体14を得た後、複合体14を高周波誘導加熱により加熱された金型(推定金型最高温度は105〜170℃)に挿入し、円柱状ストランド12とチューブ13とを溶着すると共に、円柱状ストランド12の先端12bを丸めレーザーカテーテルチューブ14Aを得た。 【0028】このレーザーカテーテルチューブに光ファイバーを挿入し、GaAlAs半導体レーザー光を6分間照射したところ、レーザーカテーテルチューブの円柱状ストランド部分12cのレーザー光透過部分が青色に着色した。 【0029】 【発明の効果】本発明の医療用具は、レーザー光の透過する部分にレーザー感光発色組成物が存在されているので、使用に際してレーザー光が透過すると、該レーザー感光発色組成物が着色される。この着色を肉眼で確認することができるので、使用済の判断が容易であり誤って再使用する恐れがなくなり、院内感染等の危険がなくなる。また、仮に、誤用や過使用されても、着色によるレーザー光透過率減少により医療事故の恐れも少なくなる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002174 【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)7月24日 |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開平11−42236 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)2月16日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−198479 |
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