トップ :: A 生活必需品 :: A61 医学または獣医学;衛生学




【発明の名称】 経内視鏡的に挿入される超音波診断装置
【発明者】 【氏名】坂本 利男

【氏名】田中 俊積

【氏名】糸井 啓友

【氏名】吉原 正敏

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 先端キャップ内に超音波振動子を収納した超音波走査部と、内部に信号ケーブルを挿通させ、先端に超音波振動子を連結したフレキシブルシャフト及びこのフレキシブルシャフトが挿通され、前記先端キャップに連結した可撓性のチューブを含む可撓性コードと、この可撓性コードの基端部に設けられ、前記フレキシブルシャフトに連結した回転伝達部及び信号ケーブルに接続した電極とを有する接続コネクタとから構成した超音波プローブと、この超音波プローブの作動を制御する超音波操作部と、超音波観測装置とからなり、前記超音波プローブは内視鏡の通路に挿通されて、超音波検査を行うものにおいて、前記超音波走査部の外径を前記通路の内径より大きくする一方、前記可撓性コード及び接続コネクタの外径を前記通路の内径より小さくする構成としたことを特徴とする経内視鏡的に挿入される超音波診断装置。
【請求項2】 前記超音波操作部は、少なくとも回転駆動手段で回転駆動される回転軸と、この回転軸の回転角を検出する回転角検出手段と、回転側電極と固定側電極とを備えたロータリコネクタとを内蔵したものからなり、前記接続コネクタの回転伝達部と、信号ケーブルの電極とは、それぞれ超音波操作部の回転軸とロータリコネクタの回転側電極とにそれぞれ着脱可能に連結され、かつこの超音波操作部には前記チューブの基端部が固定的に連結されるチューブ連結部を設ける構成としたことを特徴とする請求項1記載の経内視鏡的に挿入される超音波診断装置。
【請求項3】前記超音波操作部は、少なくとも回転駆動手段で回転駆動される回転軸と、この回転軸の回転角を検出する回転角検出手段と、回転側電極と固定側電極とを備えたロータリコネクタとを内蔵したものからなり、この超音波操作部には接続アダプタを着脱可能に連結すると共に、この接続アダプタに前記接続コネクタを着脱可能に接続されるようになし、前記接続コネクタの回転伝達部と、信号ケーブルの電極とは、それぞれ超音波操作部の回転軸とロータリコネクタの回転側電極とが前記接続アダプタを介して接続され、さらに前記チューブの基端部を固定的に連結するチューブ連結部を前記アダプタに設ける構成としたことを特徴とする請求項1記載の経内視鏡的に挿入される超音波診断装置。
【請求項4】 前記先端キャップは前記チューブに対して着脱可能であり、また前記接続コネクタは前記チューブより細径のものであり、かつ前記回転伝達部には、少なくとも前記チューブの内径より突出する抜け止め部を着脱可能に設ける構成としたことを特徴とする請求項1記載の経内視鏡的に挿入される超音波診断装置。
【請求項5】 前記抜け止め部は前記回転伝達部に、その軸線と直交する方向に立設した回転伝達ピンで構成したことを特徴とする請求項4記載の経内視鏡的に挿入される超音波診断装置。
【請求項6】 前記回転伝達部は、間に導電部材からなる回転部を挟んだ前後に電気絶縁部材からなる回転部を連結することにより構成され、先端側の回転部には電極ピンを設け、前記信号ケーブルからの配線をそれぞれ電極ピンと導電部材の回転部とに接続し、かつ前記回転伝達ピンはこの導電部材の回転部に螺挿する構成としたことを特徴とする請求項5記載の経内視鏡的に挿入される超音波診断装置。
【請求項7】 前記チューブの基端部には、前記回転伝達部が摺接回転するリング部材を形成し、かつこのリング部材の少なくとも一部の外周に回転規制部を設ける構成とし、前記回転伝達ピンの前記導電部材からなる回転部からの突出部分の長さはこのリング部材の内周と外周との間であることを特徴とする請求項6記載の経内視鏡的に挿入される超音波診断装置。
【請求項8】 前記回転伝達ピンと前記リング部材との間に、前記回転伝達部に遊嵌され、外径がこのリング部材より小さい遊嵌リングを設ける構成としたことを特徴とする請求項7記載の経内視鏡的に挿入される超音波診断装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内視鏡に設けた通路を介して体腔内等に挿入されて超音波検査を行うようにした、経内視鏡的に挿入される超音波診断装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】体内組織に関する情報を得るための超音波診断装置として、内視鏡に形成されている通路、例えば処置具挿通チャンネルを介して体内に挿入されるようにしたものは従来から知られている。この種の経内視鏡的に挿入される超音波診断装置は、超音波プローブと、超音波操作部と、超音波観測装置とから大略構成されるものであり、処置具挿通チャンネル内に挿通されるのは、超音波プローブである。従って、超音波プローブは細く、しかも可撓性のあるコード状の部材からなり、先端に超音波振動子が設けられる。また、超音波操作部は超音波振動子の作動を制御するためのものであり、超音波観測装置は超音波振動子に駆動信号を供給すると共に、この超音波振動子で得た反射エコー信号を取り込んで、所定の信号処理を行う信号処理機構と、この信号処理機構で生成した超音波画像に基づいて超音波画像が表示されるモニタ装置とから構成される。
【0003】この種の超音波診断装置を構成する超音波プローブは、内視鏡の処置具挿通チャンネルに挿通される関係から、この超音波プローブの大きさについての制約から、超音波振動子としては単板振動子で形成される。従って、この超音波振動子による走査方式としては、メカニカル走査を行う構成とするのが一般的である。ここで、メカニカル走査の代表的なものとしては、ラジアル走査及びリニア走査がある。メカニカルラジアル走査を行う場合には、超音波振動子を回転駆動する必要があり、またメカニカルリニア走査を行う場合には、超音波振動子を必ずしも回転させる必要はないが、超音波振動子の走査時の方向制御等を行うために、やはり回転機構を設けるのが好ましい。さらに、メカニカル走査においては、ラジアル走査とリニア走査とでは、超音波振動子を動かす方向が違うだけであるから、超音波振動子の回転機構と直進機構とを備えておれば、ラジアル走査も行えるし、またリニア走査も行える。
【0004】このように、ラジアル走査を行うにしろ、またリニア走査を行うにしろ、超音波プローブにおける超音波振動子は回転操作が可能になっていなければならない。しかも、この回転操作は内視鏡の処置具挿通チャンネルの外で行えるようにする必要がある。超音波操作部はこのために設けられるものであり、この超音波操作部の構成としては、少なくとも超音波振動子を遠隔操作で回転させる回転手段を備え、ラジアル走査を行う場合には、この回転手段に加えて超音波振動子の回転角を検出する手段を設け、さらにリニア走査も行えるようにするには、超音波プローブを処置具挿通チャンネル内で押し引き操作する手段と、この押し引き操作における超音波振動子のリニア方向の位置を検出手段とが必要になる。また、超音波操作部は、超音波振動子と超音波観測装置との間の信号の中継手段としての機能も発揮する。
【0005】超音波プローブを用いて超音波診断を行うに当っては、まず内視鏡の挿入部を体腔内に挿入する。この挿入部の先端には内視鏡観察機構が設けられているから、所要の挿入経路に沿って患部等の超音波診断を行うべき部位にまで容易に導くことができる。内視鏡検査により患部等が発見されると、内視鏡の本体操作部に設けた処置具導入部から処置具挿通チャンネル内に超音波プローブを挿入して、挿入部の先端から所定の長さだけ突出させる。この状態で、超音波プローブの先端に設けた超音波振動子から超音波パルスを体内に向けて送信すると、体内組織の断層部分から反射エコーが得られ、この反射エコーを超音波振動子により電気信号に変換してこの信号を取り出すが、超音波振動子を移動させながら一定の間隔毎に超音波パルスの送受信を繰り返すことにより超音波走査が行われて、所定の範囲にわたって体内組織に関する情報を取得できる。
【0006】以上のように、内視鏡の処置具挿通チャンネルを介して超音波プローブを体腔内に挿入するように構成すると、体腔内で内視鏡の観察機構による監視下でこの超音波プローブを操作できるから、所望の部位の超音波走査が可能になる。従って、超音波振動子を正確かつ容易に患部その他超音波検査を行う必要のある位置に配置できる。また、超音波パルスの送受信は体腔内壁における患部等の至近位置で行うことができ、特に粘膜直下における腫瘍の有無の確認等といった検査を正確に行えることになり、超音波による検査・診断精度が極めて良好になる。
【0007】前述したように、超音波振動子を遠隔操作で回転させるために、超音波プローブの構成としては、可撓性を有するチューブの先端に音響特性に優れた樹脂材からなる先端キャップを設け、この先端キャップ内に超音波振動子を配置することにより超音波走査部とする。そして、超音波振動子は密着コイル等からなるフレキシブルシャフトの先端に連結して、このフレキシブルシャフトをチューブ内に挿通させて、フレキシブルシャフトをチューブ内で軸回りに回転させることにより、超音波振動子を回転させるようにしている。従って、超音波プローブは、フレキシブルシャフトを挿通させたチューブからなる可撓性コードと、この可撓性コードの先端に連結された前述の超音波走査部とから構成される。また、超音波プローブは、その可撓性コードの基端部が超音波操作部に連結されるが、可撓性コードのうち、チューブは超音波操作部に固定され、フレキシブルシャフトは超音波操作部の内部に設けた回転駆動手段に連結される。さらに、フレキシブルシャフト内には超音波振動子に接続した信号ケーブルが挿通されており、この信号ケーブルは、超音波操作部内で、超音波観測装置側に着脱されるコード内の配線とロータリコネクタを介して相対回動可能に、しかも確実に電気的に導通する状態に接続される。
【0008】超音波プローブと超音波操作部とは一体的に設けるように構成することもできるが、超音波プローブは体腔内に挿入される等の関係から、それらを別部材で構成して、着脱可能に接続するように構成するのが一般的である。このために、超音波プローブには、超音波操作部に着脱可能に接続される接続コネクタを設け、超音波プローブを内視鏡の処置具挿通チャンネル内に挿通させた後に、この接続コネクタを超音波操作部に接続する。このように、接続コネクタは処置具挿通チャンネル内に挿入する必要がないことから、その外径寸法は処置具挿通チャンネルにより制約を受けない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前述したように、超音波プローブは経内視鏡的に体腔内に挿入されるものであるから、この超音波プローブの太さ、即ち外径寸法は処置具挿通チャンネルの内径に規制されることになる。従って、この超音波プローブにおける可撓性コードと超音波走査部とは処置具挿通チャンネルの内径より細くしなければならない。超音波振動子は先端キャップ内に収納されることから、この超音波振動子のサイズは極めて小さくなる。超音波振動子のサイズが小さいと、その振動周波数が高く、かつパワーも小さくなるために、超音波を体内における十分な深さまで進達させることができず、また反射エコーも弱いものとなって、外乱ノイズの影響を受け易くなることから、S/N比が低下する等の問題点がある。
【0010】本発明は以上の点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、内視鏡の処置具挿通チャンネル等の通路に挿通される超音波プローブにおいて、超音波走査部を構成する超音波振動子のサイズを大きくして、低周波でパワーの大きな超音波パルスを送信できるようにすることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成するために、本発明は、先端キャップ内に超音波振動子を収納した超音波走査部と、内部に信号ケーブルを挿通させ、先端に超音波振動子を連結したフレキシブルシャフト及びこのフレキシブルシャフトが挿通され、前記先端キャップに連結した可撓性のチューブを含む可撓性コードと、この可撓性コードの基端部に設けられ、前記フレキシブルシャフトに連結した回転伝達部及び信号ケーブルに接続した電極とを有する接続コネクタとから構成した超音波プローブと、この超音波プローブの作動を制御する超音波操作部と、超音波観測装置とからなり、前記超音波プローブは内視鏡の通路に挿通されて、超音波検査を行うものであって、前記超音波走査部の外径を前記通路の内径より大きくする一方、前記可撓性コード及び接続コネクタの外径を前記通路の内径より小さくする構成としたことをその特徴とするものである。
【0012】ここで、超音波操作部は、少なくとも回転駆動手段で回転駆動される回転軸と、この回転軸の回転角を検出する回転角検出手段と、回転側電極と固定側電極とを備えたロータリコネクタとを内蔵したもので構成される。接続コネクタの回転伝達部と、信号ケーブルの電極とは、それぞれ超音波操作部の回転軸とロータリコネクタの回転側電極とにそれぞれ着脱可能に連結できるようになし、かつこの超音波操作部にはチューブの基端部が固定的に連結されるチューブ連結部を設ける構成とすることにより超音波プローブの接続コネクタは超音波操作部に直接接続できる。また、超音波操作部に接続アダプタを接続し、この接続アダプタに超音波プローブを着脱可能に連結する構成としても良い。
【0013】また、超音波プローブにおいては、少なくとも超音波走査部を構成する先端キャップ内に超音波伝達媒体を封入して、空気と完全に置換しなければならないが、フレキシブルシャフトの潤滑性等の観点から、実際には超音波プローブの内部全体を超音波伝達媒体に充満させるようにする。しかしながら、超音波プローブは細径の長尺部材であり、チューブ内にフレキシブルシャフトが挿通された状態では超音波伝達媒体を隈なく充満させるのは極めて困難である。超音波走査部と可撓性コードとを比較すると、超音波走査部の方がサイズが大きいために、フレキシブルシャフトと共に超音波振動子をチューブから引き抜くようにして分解することはできない。
【0014】以上の点を考慮して、超音波伝達媒体を充満させるに当っては、接続コネクタはチューブより細径のものとするように構成し、かつ回転伝達部には少なくともチューブの内径より径方向に突出する抜け止め部を着脱可能に設ける。これにより、抜け止め部の非装着状態では、超音波振動子を連結したフレキシブルシャフトをチューブから分離でき、チューブ内に挿通させた後に抜け止め部を装着すると、みだりに逸脱しないように保持できる。また、先端キャップはチューブとは別部材で構成し、螺挿等の手段で連結できるように構成する。超音波伝達媒体を充満させた後には、先端キャップを接着剤等で固着することもできるが、使用中に超音波伝達媒体が漏れたり、汚損したりした時に、再充填できるようにするには、先端キャップとチューブとは着脱可能に連結する。ここで、前述した抜け止め部は回転伝達部に、その軸線と直交する方向に立設した回転伝達ピンで構成することができる。回転伝達部としては、間に導電部材からなる回転部を挟んだ前後に電気絶縁部材からなる回転部を連結することにより構成され、先端側の回転部には電極ピンを設け、前記信号ケーブルからの配線をそれぞれ電極ピンと導電部材の回転部とに接続するようにした場合には、回転伝達ピンはこの導電部材の回転部に螺挿する構成とすれば良い。チューブの基端部に各回転部が摺接回転するリング部材を形成し、かつこのリング部材の少なくとも一部の外周に回転規制部を設けた場合には、回転伝達ピンの突出長はこのリング部材の内周と外周との間となるように設定する。また、回転伝達ピンをリング部材に直接当接させると、回転伝達部に回転むら等が生じる等円滑な回転が損なわれるようであれば、回転伝達ピンとリング部材との間に回転伝達部に遊嵌され、外径がこのリング部材より小さい遊嵌リングを介在させるように構成すれば良い。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の一形態について、図面を参照して詳細に説明する。まず、図1に超音波検査装置の全体構成を示す。超音波検査装置は、超音波プローブ1と、超音波操作部2及び超音波観測装置3とから構成され、超音波観測装置3にはモニタ4が付設される。超音波プローブ1は内視鏡5を介して体腔内に挿入されるものであり、具体的には、内視鏡5の本体操作部5aに設けられ、鉗子その他の処置具を挿通させるための処置具導入部6aから挿入されて、この本体操作部5aから挿入部5bを貫通するように形成した処置具挿通チャンネル6を介して体腔内に導かれる。また、本体操作部5aには図示しない光源装置やプロセッサ等に接続するためのユニバーサルコード5cが延在されている。ここで、超音波観測装置3及びそのモニタ4はラック7に装架されており、超音波操作部2はこのラック7に連結した支持アーム8の先端に方向調整可能に取り付けられている。そして、超音波操作部2からのコード9が引き出されて、このコード9は超音波観測装置3に着脱可能に接続される。
【0016】超音波プローブ1は、図2乃至図5に示した構成となっている。まず、図2に示したように、超音波プローブ1は、先端側から、超音波走査部1aと、可撓性コード1bと、接続コネクタ1cとから構成される。超音波走査部1aは、図3及び図4に示したように、先端キャップ10を有し、この先端キャップ10は連結部材11に螺合されており、内部に超音波振動子13が装着されている。この先端キャップ10内で超音波振動子13を回転させながら、超音波パルスの送受信が行われる。これら各部の寸法関係としては、超音波走査部1aの外径が最も太く、可撓性コード1b及び接続コネクタ1cはそれより細くなっており、超音波走査部1aを構成する先端キャップ10の外径は処置具挿通チャンネル6の内径より大きく、可撓性コード1b及び接続コネクタ1cの外径寸法は処置具挿通チャンネル6の内径より小さくなっている。そして、先端キャップ10内に設けた超音波振動子13は回転部材14に装着され、回転部材14は先端キャップ10の内面側に設けた軸受15により回転自在に支持されており、超音波振動子13がラジアル走査を行えるようになっている。ここで、処置具挿通チャンネル6の内径より太径の超音波走査部において、先端キャップ10のみならず、その内部に設けた超音波振動子13の寸法もできるだけ大きくすることにより、送受信面の面積を広く取るようにしている。
【0017】可撓性コード1bは、軟性樹脂等から構成したチューブ16内にフレキシブルシャフト17を挿通させたものである。そして、チューブ16の先端には先端キャップ10に螺着した連結部材11と連結されている。なお、先端キャップ10を連結部材11に連結した状態では、内部がシールされるようになっている。フレキシブルシャフト17は、例えば密着コイル等から構成されるが、回転伝達をより正確かつ確実に行うために、2重の密着コイルから構成するのが好ましい。フレキシブルシャフト17の先端は回転部材14に連結して設けた回転筒体18に固着される。さらに、超音波振動子13には一対からなる電極19a,19bが設けられ、これら両電極19a,19bには信号線20a,20bが接続されており、これら信号線20a,20bは回転筒体18内で同軸ケーブル20となり、同軸ケーブル20はフレキシブルシャフト17の内部に挿通されて、接続コネクタ1c内にまで延在されている。
【0018】図5に可撓性コード1bと接続コネクタ1cとの接続部を拡大して示す。チューブ16の基端部は金属材からなるリング部材としての保持筒21に嵌合固定されている。また、フレキシブルシャフト17の基端部は回転伝達部22に連結されている。ここで、回転伝達部22は、軸線方向に4つの回転部23〜26を順次ねじ結合することにより構成される。フレキシブルシャフト17に直接連結される第1の回転部23は保形性を持たせるために金属で形成されており、この第1の回転部23は、同様に剛性の高い金属材からなる保持筒21内に位置し、この保持筒21に対して摺動回転するようになっており、その間はシール部材27により気液密に保持されている。第1の回転部23に連結した第2の回転部24はプラスチック等の電気絶縁部材からなり、第2の回転部24に連結した第3の回転部25は金属等の導電部材で形成され、さらに第3の回転部25に連結した第4の回転部26は電気絶縁部材で構成される。
【0019】ここで、第1の回転部23を金属で形成しているのは、シール部材27によるシール性を確保するためのものであり、同様に金属で形成した保持筒21との間でシール部材27を所定量撓めるようにしてその間のシールを完全に行う。また、第3の回転部25が導電部材で形成されているのは、電極として機能させるためのものである。従って、この第3の回転部25の前後の位置に電気絶縁部材からなる第2,第4の回転部24,26が配置されている。同軸ケーブル20は、回転伝達部22内に挿通されており、その芯線20cは絶縁部材からなる第4の回転部24に挿通させた電極ピン28に接続されており、シールド線20dは第3の回転部25に接続されている。
【0020】さらに、第3の回転部25には回転伝達ピン29が設けられている。この回転伝達ピン29は、後述するように、回転伝達部22に回転を伝達するためのものであり、第3の回転部25の周胴部に螺挿されて、所定の長さ突出している。そして、回転伝達部22における回転伝達ピン29の位置と保持筒21が嵌合している部位との間には、遊嵌リングを構成するスペーサリング30が遊嵌されている。このスペーサリング30の端面は回転伝達ピン29の側部と保持筒21の端面とに当接可能となっており、これにより回転伝達部22及びこの回転伝達部22に連結したフレキシブルシャフト17と、可撓性コード1bの可撓チューブ16及び保持筒21とが分離されないように保持される。また、このスペーサリング30はプラスチック等の絶縁部材から構成され、これによって共に金属材で形成した第3の回転部25及び回転伝達ピン29と、保持筒21との間を絶縁している。
【0021】ここで、超音波プローブ1の超音波走査部1aを構成する先端キャップ10内に流動パラフィン等の超音波伝達媒体が封入されており、しかもこの超音波伝達媒体は、先端キャップ10内において、完全に空気と置換されるようになっている。また、必ずしもチューブ16内には超音波伝達媒体を入れる必要はないが、フレキシブルシャフト17の回転時における動きの円滑性を確保する潤滑剤等の機能を発揮させるために、このフレキシブルシャフト17の内部にも超音波伝達媒体を供給する。従って、この先端キャップ10からチューブ16におけるシール部材27に至る内部全体に超音波伝達媒体を充満させるようにしている。
【0022】次に、超音波操作部2は、図6に示したように、プラスチック等の絶縁部材から構成されるケーシング31を有し、このケーシング31内には、回転軸32が設けられており、この回転軸32は軸受33によりケーシング31に回転自在に支承して設けられて、このケーシング31に設けた開口部31aに臨んでいる。また、回転軸32には一対からなるギア34,35が取り付けられている。一方のギア34には、電動モータ36の出力軸に設けた駆動ギア37が噛合して設けられている。また、他方のギア35はエンコーダ38の入力軸に設けた従動ギア39と噛合している。そして、この回転軸32の内部には電極部材40が配置されている。この電極部材40は内筒41と外筒42とを有し、これら内筒41と外筒42は導電性部材で形成され、かつこれら内筒41,外筒42間には絶縁筒43が介装されている。さらに、外筒42は絶縁リング44に挿嵌されており、この絶縁リング44が回転軸32に挿嵌・固着されている。従って、同軸ケーブル20は、後述する接続アダプタ50を介して、その芯線20cが内筒41に、またシールド線20dが外筒42にそれぞれ電気的に接続される。
【0023】回転軸32の一端は、前述したように、ケーシング31の開口部31aに臨んでいるが、その他端はケーシング31内に設けたロータリコネクタ45の回転側部材45aに連結されている。また、このロータリコネクタ45の固定側部材45bにはコード9内のケーブル9aが接続されている。さらに、ロータリコネクタ45の固定側部材45bは回転規制部材46に嵌合されており、これによってこの固定側部材45bが共回りするのを規制し、かつ振れを防止するように構成している。そして、この開口部31aの周囲には連結筒部47が立設されており、この連結筒部47は回転軸32を囲繞している。
【0024】超音波プローブ1の接続コネクタ1cは以上の構成を有する超音波操作部2に接続される。この接続は、接続コネクタ1cを直接超音波操作部2に接続することもできるが、本実施の形態では、接続アダプタ50を介して接続するように構成している。このために、接続アダプタ50は、その一方側に接続コネクタ1cへの接続機構が、また他方側には超音波操作部2への接続機構が設けられている。接続アダプタ50は、図7に示したように、最外周側に略円筒状に形成したハウジング51と、このハウジング51の先端側に螺挿された保持筒52とから構成した固定体を有し、この固定体は超音波操作部2に固定的に保持される。このために、ハウジング51の一端側は超音波操作部2のケーシング31に設けた連結筒部47に着脱可能に連結され、かつ連結した状態で相対回動しないように、連結筒部47の係合突起47aに係合する係合溝51aが設けられている。また、保持筒52には、超音波プローブ1の接続コネクタ1cにおける保持筒21が挿通できる挿通孔52aが形成されている。そして、保持筒52にはその端部側の外周面から挿通孔52aに臨む貫通孔52bが複数箇所穿設され、これら貫通孔52bには固定用ビス53が出没可能に挿通されており、この固定用ビス53とばね受け54との間には、固定用ビス53が突出する方向に付勢するばね55が弾装されている。固定用ビス53は先端が尖った係止部53aとなっており、接続コネクタ1cの保持筒21の外周面には、回転規制部として機能する軸線方向に向けてのローレット状の係止溝(図示せず)が形成されて、接続コネクタ1cを保持筒21が挿通孔52a内にまで挿入されると、固定用ビス53の係止部53aが保持筒21の係止溝に係合して、フレキシブルシャフト17を回転させて行う超音波振動子13によるラジアル超音波走査時に、保持筒21及びこの保持筒21に連結したチューブ16の回り止め機能を発揮するチューブ連結部として機能する。
【0025】接続アダプタ50におけるハウジング51及び保持筒52からなる固定体の内部には回転体を構成する部材が設けられており、回転側部材は回転筒部材56と中空回転体57とから構成される。中空回転体57には超音波プローブ1の接続コネクタ1cが挿入されるソケット58が螺挿されており、またこの中空回転体57は保持リング59に螺挿されている。保持リング59は袋ナット60で回転筒部材56に連結保持されている。中空回転体57は絶縁部材から構成され、その内部には第1の筒状電極61が螺挿されており、この第1の筒状電極61の内側に絶縁部材62が螺挿されている。さらに、絶縁筒62の内部に第2の筒状電極63を装着する構成としたものである。ここで、これら第1,第2の筒状電極61,63はそれぞれ軸線方向に割りの入ったばね性を有するものである。さらに、中空回転体57の周胴部には駆動ピン64が設けられており、この駆動ピン64は超音波プローブ1の接続コネクタ1cが接続された時に、その回転伝達ピン29と当接することになる。そして、これら駆動ピン64と回転伝達ピン29間が係合することによって、接続アダプタ50の回転体からの回転力が接続コネクタ1cの回転伝達部22に伝達される。
【0026】一方、回転筒部材56の先端側の部位には、超音波操作部3における回転軸32の太径化された部位の内面に形成した円環状凹部32aに係合して、接続アダプタ50が超音波操作部3から逸脱しないように保持するためのCリング65が嵌合されている。また、このCリング65の嵌合部より先端側の部位にはスプラインを形成し、回転軸32の内面に形成したスプライン部32bと係合する連結リング66が螺合されている。回転筒部材56の内部にはコネクタ部材67が固定的に設けられている。コネクタ部材67は、それぞれ導電部材からなる外套管68と電極棒69と、これら外套管68,電極棒69間には絶縁リング70が介装されている。そして、第1の筒状電極61との間は配線71により、また第2の筒状電極63と電極棒69との間は配線72によりそれぞれ接続されている。また、外套管68及び電極棒69はそれぞれ割りが入ったものから構成される。ここで、固定側部材と回転側部材とは、軸受を介して連結するように構成することもできるが、ハウジング51と回転筒部材56とを僅かな隙間を持たせて遊嵌させるように構成している。
【0027】一方、超音波プローブ1を直接超音波操作部2に接続する場合には、この超音波操作部2の接続部を接続アダプタ50における超音波プローブ1の接続側と実質的に同じ構成とすれば良い。
【0028】以上のように構成することによって、超音波プローブ1は、その先端の超音波走査部1aを構成する超音波振動子13を装着した先端キャップ10が内視鏡5に設けた処置具挿通チャンネル6の内径より大径に形成することができるから、超音波振動子13の送受信面を大きくして、低い周波数で、パワーの大きな大型のものを用いることができる。これによって、体内への進達度が深くなり、反射エコー信号の感度も良好になって、S/N比が向上する。ただし、この超音波プローブ1は超音波走査部1aの外径が処置具挿通チャンネル6の内径より大きいために、処置具導入部6a側から挿入することはできない。しかしながら、接続コネクタ1c及び可撓性コード1bは処置具挿通チャンネル6より細くしているので、挿入部5bの先端側から挿入することはできる。
【0029】そこで、内視鏡5の挿入部5bを体腔内に挿入する前の段階で、予め超音波プローブ1の接続コネクタ1cを挿入部5bの先端側から処置具挿通チャンネル6内に挿通させて、その接続コネクタ1cを本体操作部5aに設けた処置具導入部6aから導出させる。ここで、接続コネクタ1cは直接超音波操作部2に接続されるのではなく、接続アダプタ50を介して超音波操作部2に接続されることから、接続コネクタ1cを処置具導入部6aから導出させた後に、まず接続コネクタ1cを接続アダプタ50に接続する。この接続は、電極ピン28を保持筒52の挿通孔52aに挿嵌させることにより行える。これによって、電極ピン28が接続アダプタ50のソケット58における第2の筒状電極63内に挿入され、回転伝達ピン29が接続アダプタ50側の駆動ピン64に接合される状態になると、保持筒21の外周に設けた溝に固定用ビス53が係合することになる。この結果、接続アダプタ50の回転側部材を回転させると、回転伝達ピン29,64間の係合により回転の伝達が行われ、かつ保持筒52に超音波プローブ1の保持筒21とが係合して、回転方向に固定される。
【0030】以上の操作は、接続アダプタ50は自由状態となっているから、片方の手で接続アダプタ50を把持した状態で、容易に行うことができ、かつ接続時に細い接続コネクタ1cに無理な力が作用して損傷させる等のおそれはない。また、脆弱な接続コネクタ1cを、強度の高い接続アダプタ50で覆うことによって、細くて脆弱な部材である接続コネクタ1cの保護が図られる。
【0031】超音波検査を行う際には、接続アダプタ50を超音波操作部2に接続することによって、図8に示した状態にする。ここで、超音波操作部2は支持アーム8に取り付けられており、この支持アーム8は可動であるにしろ、接続時には様々な方向に力が加わることになる。しかしながら、脆弱な接続コネクタ1cは予め接続アダプタ50に接続されており、直接超音波操作部2に接続されるのはこの接続アダプタ50であり、この接続アダプタ50の回転筒部材56を超音波操作部2のケーシング31に設けた回転軸32に連結し、またハウジング51を連結筒部47に連結すると、コネクタ部材67が超音波操作部2の電極部材40に接続される。これによって、回転軸32の回転が接続アダプタ50の回転筒部材56及び中空回転体57を介して超音波プローブ1の回転伝達部22に伝達され、さらにこの回転伝達部22に連結したフレキシブルシャフト17に回転を伝達することができる。また、超音波振動子13に接続した信号線20a,20bからなる同軸ケーブル20は、電極ピン28,回転伝達ピン29を介して接続アダプタ50のソケット58における第1,第2の筒状電極61,63から配線71,72を介し、コネクタ部材67の内筒管69及び外套管68から超音波操作部2の内筒41,外筒42からなる電極部材40と通じ、さらにこの電極部材40からロータリコネクタ45を経てコード9を介して超音波観測装置3と電気的に接続される。
【0032】従って、電動モータ36を作動させると、この回転力がフレキシブルシャフト17を介して超音波プローブ1の先端において、超音波振動子13を装着した回転部材14にまで伝達されて、この回転部材14が回転駆動される。そして、超音波観測装置3にエンコーダ38からの信号を取り込んで、所定角度毎に駆動パルスを超音波振動子13に印加することによって、超音波振動子13から体内に向けて超音波パルスが送信されて、その反射エコーが受信される。この受信信号を超音波観測装置3に伝送して、所定の信号処理を行うことによって、超音波画像信号を生成できる。この超音波画像はラジアル超音波画像であって、このラジアル超音波画像はモニタ4に表示されることになる。ここで、送受信面の面積が大きい大型の超音波振動子13を用いているから、超音波の出力パワーが大きくなり、S/N比の向上が図られる。この結果、モニタ4に表示されるラジアル超音波画像が鮮明になり、その画質が良好になる。
【0033】ところで、超音波振動子13と体腔内壁との間に空気が介在していると、超音波の減衰が激しくなる。従って、先端キャップ10と体腔内壁との間には超音波伝達媒体としての脱気水等を介在させる。この脱気水等は直接体腔内に注入するか、バルーンを用いて、このバルーン内に脱気水等を供給して膨張させるようにする。一方、先端キャップ10の内部にも超音波伝達媒体を充満させる。超音波伝達媒体として流動パラフィンを用いると、潤滑機能も発揮するから、先端キャップ10内だけでなく、チューブ16内にも流動パラフィンを供給して、チューブ16内でのフレキシブルシャフト17の回転を円滑化させる。従って、超音波プローブ1を組み付ける際等には、先端キャップ10からチューブ16内全体を流動パラフィンで充満させる必要がある。チューブ16内にフレキシブルシャフト17を挿通させた状態では、内部を完全に流動パラフィンと置換するのは極めて困難になる。そこで、超音波プローブ1を分解し、超音波伝達媒体を貯留した槽内に浸漬させた上で、槽内を真空状態にして、先端キャップ10及びチューブ16の内部はもとより、フレキシブルシャフト17及びこのフレキシブルシャフト17と回転筒体18や回転伝達部22への接続部分の内部に隈なく超音波伝達媒体を浸透させる。
【0034】まず、超音波プローブ1を分解するには、図9に示したように、先端キャップ10を連結部材11から分離した状態に保持する。この状態で、超音波伝達媒体の槽内に分解した超音波プローブ1を浸漬させて、真空状態にすることによって、これら超音波プローブ1を構成する全ての部材の内部にまで超音波伝達媒体を浸透させる。そして、槽を開放状態にして、超音波伝達媒体に浸漬させたままで超音波プローブ1を組み立てる。この組立作業は、接続コネクタ1cを構成する回転伝達部22を連結部材11側からチューブ16内に挿入して、保持筒21側から回転伝達部22を所定長さ突出させる。さらに、スペーサリング30を嵌合させた後に、第3の回転部25に回転伝達ピン29を螺挿すると共に、連結部材11には先端キャップ10を螺合する。この結果、超音波プローブ1が組み立てられて、その内部からは空気が完全に排出されて、内部空間の全てに超音波伝達媒体を充満させることができる。また、回転伝達ピン29を装着することによって、フレキシブルシャフト17がみだりに軸線方向に動かないようにする抜け止め機能を発揮する。従って、フレキシブルシャフト17にある程度の張力が作用する状態にして装着でき、可撓性コード1bが挿入経路に沿って曲がっても、超音波振動子13が先端キャップ10内でみだりに動くことはない。
【0035】超音波プローブ1の組み付け状態では、先端キャップ10は連結部材11に螺合させているが、この螺合部を接着剤で固着すれば、先端キャップ10は連結部材11からの脱落を防止できる。ただし、内部の超音波伝達媒体が汚損されたり、漏れ出したりした場合には、再充填を行うことができるようにするのが好ましい。このためには、先端キャップ10を連結部材11に着脱可能としておく。これにより、先端キャップ10を螺回して分離した後に、回転伝達部22を構成する第3の回転部25から回転伝達ピン29を取り外す。ここで、回転伝達ピン29は第3の回転部25に螺挿されているから、この回転伝達ピン29の取り外しも容易に行える。回転伝達ピン29が取り外されると、フレキシブルシャフト17及び回転伝達部22は、超音波振動子13を装着した回転部材14側から引き出すことによって、チューブ16から分離できる。この状態で、超音波伝達媒体の槽に浸漬することにより超音波伝達媒体の再充填が可能になる。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、超音波走査部の外径を内視鏡の通路の内径より大きくする一方、可撓性コード及び接続コネクタの外径を通路の内径より小さくすることにより、超音波プローブを内視鏡の通路に挿入部の先端側から挿入することができるようにしているので、先端キャップ内に設けられる超音波振動子の送受信面のサイズを大きくして、低周波でパワーの大きな超音波パルスを送信できる等の効果を奏する。
【出願人】 【識別番号】000005430
【氏名又は名称】富士写真光機株式会社
【出願日】 平成9年(1997)7月24日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】影井 俊次
【公開番号】 特開平11−42231
【公開日】 平成11年(1999)2月16日
【出願番号】 特願平9−212716