| 【発明の名称】 |
超音波イメージング・システム、超音波イメージング・システムを動作させる方法及びマルチプレクサ・マザーボード |
| 【発明者】 |
【氏名】ダグラス・グレン・ワイルズ
【氏名】グレゴリー・アレン・リレガード
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| 【要約】 |
【課題】多数行型の開口における動的な選択及びビーム形成の制御を行うことのできる超音波イメージング・システム及びそのシステムを動作させる方法を提供する。
【解決手段】超音波イメージング・システムにおいて、ビームフォーマ2が有しているチャンネルよりも多い電気的に独立したトランスデューサ素子26を有している多数行型トランスデューサ配列24に対して、マルチプレクサがビームフォーマ2を接続している。マルチプレクサは、動作開口が配列24の少なくとも1つの軸に沿って走査することを可能にすると共に、動作開口の形状が電子的に変更されることを可能にする。マルチプレクサは、合成開口ビーム形成に適した送信開口及び受信開口を支援するものである。マルチプレクサは物理的には、様々なスイッチ・カードをプラグ・インすることができる受動的バックプレイン42として設計されている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 トランスデューサ素子の第1及び第2の行を含んでおり、該第1及び第2の行の各々は、それぞれの多数の前記トランスデューサ素子を含んでいるトランスデューサ配列と、あるサイクル長を形成するように所定の数のビームフォーマ・チャンネルを含んでいるビームフォーマと、前記第1及び第2の行の前記トランスデューサ素子と前記ビームフォーマ・チャンネルとの間でイメージング・データを多重化するスイッチング手段と、ビームフォーマ・チャンネル対トランスデューサ素子の割り当てを確立するように、マルチプレクサ状態コマンドの受信に応答して前記スイッチング手段を選択的に構成する制御手段とを備えており、前記ビームフォーマ・チャンネル対トランスデューサ素子の割り当ての順序及びサイクル長は、前記第1及び第2の行について同一であり、前記第1の行におけるチャンネル割り当ての第1のセットが、前記第2の行におけるチャンネル割り当ての第1のセットから前記サイクル長の2分の1だけずれている超音波イメージング・システム。 【請求項2】 前記第1の行についてのビームフォーマ・チャンネル対トランスデューサ素子の割り当ての第2のセットが、前記第1の行についてのビームフォーマ・チャンネル対トランスデューサ素子の割り当ての前記第1のセットから前記サイクル長の2分の1だけずれている請求項1に記載の超音波イメージング・システム。 【請求項3】 前記スイッチング手段は、第1及び第2のスイッチを含んでおり、トランスデューサ素子の前記第1の行の第1のトランスデューサ素子が、前記第1及び第2のスイッチを介して、第1及び第2のビームフォーマ・チャンネルにそれぞれ選択的に結合されており、該第1及び第2のビームフォーマ・チャンネルは、前記サイクル長の2分の1だけ離隔している請求項1に記載の超音波イメージング・システム。 【請求項4】 前記トランスデューサ配列は、トランスデューサ素子の第3及び第4の行を更に含んでおり、該第3及び第4の行の各々は、それぞれの多数の前記トランスデューサ素子を含んでおり、前記第3及び第4の行の前記トランスデューサ素子と前記ビームフォーマ・チャンネルとの間でイメージング・データを多重化するスイッチング手段を更に含んでいる超音波イメージング・システムであって、前記ビームフォーマ・チャンネル対トランスデューサ素子の割り当ての順序及びサイクル長は、前記第1から第4にわたる行について同一であり、前記第1の行におけるチャンネルの割り当ての第1のセットが、前記第3及び第4の行におけるチャンネルの割り当てのそれぞれの第1のセットから前記サイクル長の4分の1及び4分の3だけそれぞれずれている請求項1に記載の超音波イメージング・システム。 【請求項5】 前記スイッチング手段は、第1及び第2のスイッチを含んでおり、トランスデューサ素子の前記第1の行の第1のトランスデューサ素子が、前記第1及び第2のスイッチを介して、第1及び第2のビームフォーマ・チャンネルにそれぞれ選択的に結合されており、該第1及び第2のビームフォーマ・チャンネルは、前記サイクル長の2分の1だけ離隔している請求項4に記載の超音波イメージング・システム。 【請求項6】 多数の前記ビームフォーマ・チャンネルのうちのビームフォーマ・チャンネルの第1のセットとの多数の電気的接続を有している第1のコネクタと、前記多数のビームフォーマ・チャンネルのうちのビームフォーマ・チャンネルの第2のセットとの多数の電気的接続を有している第2のコネクタとを含んでいるマルチプレクサ・バックプレインを更に含んでおり、ビームフォーマ・チャンネルの前記第1及び第2のセットは、相互に排他的であり、前記スイッチング手段は、前記第1及び第2のコネクタにそれぞれ接続されている第1及び第2のマルチプレクサ・カードを含んでおり、該第1のマルチプレクサ・カードは、トランスデューサ素子の前記第1の行をビームフォーマ・チャンネルの前記第1のセットに結合するように独立に制御可能なスイッチの第1のセットを含んでおり、前記第2のマルチプレクサ・カードは、トランスデューサ素子の前記第2の行をビームフォーマ・チャンネルの前記第2のセットに結合するように独立に制御可能なスイッチの第2のセットを含んでいる請求項1に記載の超音波イメージング・システム。 【請求項7】 多数の前記ビームフォーマ・チャンネルのうちのビームフォーマ・チャンネルの第1のセットとの多数の電気的接続を有している第1のコネクタと、前記多数のビームフォーマ・チャンネルのうちのビームフォーマ・チャンネルの第2のセットとの多数の電気的接続を有している第2のコネクタとを含んでいるマルチプレクサ・バックプレインを更に含んでおり、ビームフォーマ・チャンネルの前記第1及び第2のセットは、相互に排他的であり、前記第1及び第2のコネクタは、端部を並べた状態で配列されており、前記スイッチング手段は、前記第1のコネクタに接続されている第1の部分と、前記第2のコネクタに接続されている第2の部分とを有している2倍幅のマルチプレクサ・カードを含んでおり、該マルチプレクサ・カードは、トランスデューサ素子の前記第1の行をビームフォーマ・チャンネルの前記第1のセットに結合するように独立に制御可能なスイッチの第1のセットと、トランスデューサ素子の前記第1の行をビームフォーマ・チャンネルの前記第2のセットに結合するように独立に制御可能なスイッチの第2のセットとを含んでいる請求項2に記載の超音波イメージング・システム。 【請求項8】 前記制御手段は、前記マルチプレクサ・バックプレインに取り付けられているマルチプレクサ制御ボードと、スイッチの前記第1及び第2のセットの状態を制御するために、前記マルチプレクサ制御ボードを前記第1及び第2のマルチプレクサ・カードに結合する制御線とを含んでいる請求項6に記載の超音波イメージング・システム。 【請求項9】 前記制御手段は、前記マルチプレクサ・バックプレインに取り付けられているマルチプレクサ制御ボードと、スイッチの前記第1及び第2のセットの状態を制御するために、前記マルチプレクサ制御ボードを前記マルチプレクサ・カードに結合する制御線とを含んでいる請求項7に記載の超音波イメージング・システム。 【請求項10】 前記マルチプレクサ・バックプレインは、前記多数のビームフォーマ・チャンネルのうちのビームフォーマ・チャンネルの第3のセットとの多数の電気的接続を有している第3のコネクタと、前記多数のビームフォーマ・チャンネルのうちのビームフォーマ・チャンネルの第4のセットとの多数の電気的接続を有している第4のコネクタとを更に含んでおり、ビームフォーマ・チャンネルの前記第1、第2、第3及び第4のセットは、相互に排他的であり、前記スイッチング手段は、前記第3及び第4のコネクタにそれぞれ接続されている第3及び第4のマルチプレクサ・カードを更に含んでおり、該第3のマルチプレクサ・カードは、トランスデューサ素子の第3の行をビームフォーマ・チャンネルの前記第3のセットに結合するように独立に制御可能なスイッチの第3のセットを含んでおり、前記第4のマルチプレクサ・カードは、トランスデューサ素子の第4の行をビームフォーマ・チャンネルの前記第4のセットに結合するように独立に制御可能なスイッチの第4のセットを含んでいる請求項6に記載の超音波イメージング・システム。 【請求項11】 4つの四半部を有しているマルチプレクサ・バックプレインを更に含んでおり、前記四半部の各々は、第1の多数の電気的接続を有している第1のコネクタと、第2の多数の電気的接続を有している第2のコネクタとを含んでおり、各々の四半部の前記第1及び第2の多数の電気的接続は、それぞれの相互に排他的なビームフォーマ・チャンネルのセットに並列に結合されている請求項1に記載の超音波イメージング・システム。 【請求項12】 所定の数のビームフォーマ・チャンネルと、トランスデューサ素子の2行の配列とを有している超音波イメージング・システムを動作させる方法であって、前記2行の各々のトランスデューサ素子を前記ビームフォーマ・チャンネルのうちのそれぞれの1つのビームフォーマ・チャンネルに割り当てる工程であって、各々のビームフォーマ・チャンネル対トランスデューサ素子の割り当ては、開く又は閉じるように選択的に制御可能なスイッチを含んでいるそれぞれの接続により提供されており、前記ビームフォーマ・チャンネル対トランスデューサ素子の割り当ての順序及びサイクル長は、前記2行の各々について同一であり、前記行のうちの第1の行についてのビームフォーマ・チャンネル対トランスデューサ素子の割り当ての第1のセットは、前記行のうちの第2の行についてのビームフォーマ・チャンネル対トランスデューサ素子の割り当ての第1のセットから前記サイクル長の2分の1だけずれている、割り当てる工程と、ビームフォーマ・チャンネルの数に等しい数のスイッチを選択的に閉じる工程であって、該スイッチは、各々のビームフォーマ・チャンネルが該ビームフォーマ・チャンネルに電気的に結合されているそれぞれのトランスデューサ素子を有するようにして選択される、選択的に閉じる工程とを備えた超音波イメージング・システムを動作させる方法。 【請求項13】 前記2行のうちの少なくともいくつかのトランスデューサ素子を前記ビームフォーマ・チャンネルの第2のそれぞれのビームフォーマ・チャンネルに割り当てる追加の工程を含んでおり、前記第1の行についてのトランスデューサ素子に対するビームフォーマ・チャンネルの第2の割り当ての各々は、前記第1の行についての前記トランスデューサ素子に対するビームフォーマ・チャンネルの前記第1の割り当てから前記サイクル長の2分の1だけずれている請求項12に記載の超音波イメージング・システムを動作させる方法。 【請求項14】 前記第1の行の第1のトランスデューサ素子を前記ビームフォーミング・チャンネルのうちの第1及び第2のビームフォーミング・チャンネルに割り当てる追加の工程を含んでおり、前記ビームフォーミング・チャンネルのうちの前記第1及び第2のビームフォーミング・チャンネルは、前記サイクル長の2分の1だけ離隔している請求項12に記載の超音波イメージング・システムを動作させる方法。 【請求項15】 前記トランスデューサ配列は、トランスデューサ素子の第3及び第4の行を更に含んでおり、前記方法は、該第3及び第4の行のトランスデューサ素子の各々を前記ビームフォーマ・チャンネルのうちのそれぞれのビームフォーマ・チャンネルに割り当てる工程を更に含んでおり、ビームフォーマ・チャンネル対第3及び第4の行のトランスデューサ素子の割り当ての各々は、開く又は閉じるように選択的に制御可能なスイッチを含んでいるそれぞれの接続により提供されており、前記ビームフォーマ・チャンネル対第3及び第4のトランスデューサ素子の割り当ての順序及びサイクル長は、前記第1、第2、第3及び第4の行の各々について同一であり、前記第1の行におけるビームフォーマ・チャンネル対トランスデューサ素子の割り当ての第1のセットが、前記第3及び第4の行についてのビームフォーマ・チャンネルの割り当てのそれぞれの第1のセットから前記サイクル長の4分の1及び前記サイクル長の4分の3だけそれぞれずれている請求項12に記載の超音波イメージング・システムを動作させる方法。 【請求項16】 前記第1の行の第1のトランスデューサ素子を前記ビームフォーマ・チャンネルのうちの第1及び第2のビームフォーマ・チャンネルに割り当てる追加の工程を含んでおり、前記ビームフォーマ・チャンネルのうちの前記第1及び第2のビームフォーマ・チャンネルは、前記サイクル長の2分の1だけ離隔している請求項15に記載の超音波イメージング・システムを動作させる方法。 【請求項17】 第1、第2、第3及び第4の四半部を備えたマルチプレクサ・マザーボードであって、該四半部の各々は、第1の多数の電気的接続を有している第1のソケットと、第2の多数の電気的接続を有している第2のソケットとを含んでおり、各々の四半部についての前記第1及び第2の多数の電気的接続は、チャンネルの4つのセットのうちのそれぞれのセットに対して並列に形成されており、前記第1の四半部の前記第1及び第2のソケットは、前記第3の四半部の前記第1及び第2のソケットにそれぞれ整列しており、前記第2の四半部の前記第1及び第2のソケットは、前記第4の四半部の前記第1及び第2のソケットにそれぞれ整列しているマルチプレクサ・マザーボード。 【請求項18】 前記第1の四半部の前記第1及び第2のソケットにそれぞれプラグ・インされている第1及び第2のマルチプレクサ・カードを更に含んでいる請求項17に記載のマルチプレクサ・マザーボード。 【請求項19】 前記第1の四半部の前記第1のソケットにプラグ・インされている第1の部分と、前記第3の四半部の前記第1のソケットにプラグ・インされている第2の部分とを有している2倍幅のマルチプレクサ・カードを更に含んでいる請求項17に記載のマルチプレクサ・マザーボード。 【請求項20】 前記第1の四半部の前記第1のソケットにプラグ・インされており、多数の選択的に制御可能なスイッチを当該マルチプレクサ・カード上に有しているマルチプレクサ・カードと、マルチプレクサ制御ボードと、前記マルチプレクサ・カード上で前記スイッチの状態を制御するために、前記第1の四半部の前記第1のソケットを介して、前記マルチプレクサ・カードに前記マルチプレクサ制御ボードを結合する回路機構とを更に含んでいる請求項17に記載のマルチプレクサ・マザーボード。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、多数行型(multi-row)超音波トランスデューサ配列を有している医用超音波イメージング・システムに関し、具体的には、トランスデューサの数がビームフォーマ・チャンネルの数よりも多いこのような多数行型超音波トランスデューサ配列に関する。 【0002】 【従来の技術】従来の超音波イメージング・システムは、超音波ビームを送信すると共に検査対象物体からの反射ビームを受信する超音波トランスデューサの配列を備えている。超音波イメージングの場合、1次元の配列が典型的には、1行に配列されていると共に個別の電圧で駆動されている多数のトランスデューサを有している。印加電圧の時間遅延(又は位相)及び振幅を選択することにより、個々のトランスデューサを制御して超音波を発生することができ、これらの超音波は、結合されて正味の超音波を形成し、正味の超音波は、好ましいベクタ方向に沿って伝播すると共に、ビームに沿って選択された1点に集束される。同一の解剖学的情報を表すデータを収集するために、多数のファイアリング(firing)を用いてもよい。ファイアリングの各々に関するビーム形成パラメータを変化させると、最大焦点に変化を与えたり、又は、例えば各々のビームの焦点を前のビームの焦点に対して移動させながら同じ走査線に沿って連続したビームを送信することにより、各々のファイアリングについての受信データの内容を変化させたりすることができる。印加電圧の時間遅延及び振幅を変化させることにより、ビームはその焦点に関して、物体を走査するための平面内で移動することができる。 【0003】トランスデューサ配列が、反射した音エネルギを受信するために用いられているとき(受信モード)にも同じ原理が適用される。受信中のトランスデューサにおいて発生される電圧は、正味の信号が物体内の単一の焦点から反射されている超音波を示すものになるように合計される。送信モードの場合と同様に、受信中の各々のトランスデューサからの信号に対して個別の時間遅延(及び/又は位相シフト)並びにゲインを与えることにより、超音波エネルギの上述のような集束式受信を行うことができる。 【0004】フェイズドアレイ(整相列型)超音波トランスデューサは、小さな圧電トランスデューサ素子の配列で構成されており、各々の素子との独立した電気的接続を有している。従来の殆どのトランスデューサでは、各素子は微小なピッチ(中心において1つの音波長に対して2分の1)で離隔されて、単一の列に配列されている。ここで用いる際には、「1D」(「D」は次元を意味する。)トランスデューサ配列という用語は、固定されている仰角(elevation)開口と、固定されたレンジにある仰角焦点とを有している単一行型のトランスデューサ配列を指すものとする。各素子に結合されている電子回路機構は、送信信号及び受信信号を制御したり、イメージング平面の全体にわたるように方向付けされ集束されている超音波ビームを形成したりするために、時間遅延を用いており、又、位相回転を用いることもある。超音波システム及びプローブによっては、プローブ内のトランスデューサ素子の数が、システムのビームフォーマ電子回路のチャンネルの数を上回っていることがある。このような場合には、電子式マルチプレクサを用いて、画像形成工程内の様々な部分に応じて異なる(典型的には、連続している)トランスデューサ素子のサブセットに、使用可能なチャンネルを動的に結合する。 【0005】典型的な1Dのリニア型又はコンベクス型のトランスデューサ配列及びマルチプレクサは、128のビームフォーマ・チャンネルと共に動作することができるが、トランスデューサ配列自体は、遥かに多い素子を有していることがある。1つのマルチプレクサによって、1セットの連続したトランスデューサ素子が同軸ケーブルを介してビームフォーマ・チャンネルに同時に結合することが可能になる。ある1セット内のそれぞれのトランスデューサ素子に結合されているスイッチを閉じることにより、ビームフォーマをトランスデューサ配列の一方の端部に結合することができ、超音波の集束ビームが送信及び受信されて、画像の対応するエッジについてのデータを収集することができる。連続した超音波ビームの原点がトランスデューサ配列に沿って反対側の端部に向かって段階的に移動するのに伴って、超音波ビームの原点が動作開口(active aperture)内に中心を置くように、動作開口を移動させると有利になる。開口を配列の最も左側の端部から反対側の端部に向かって、例えば1素子ずつ移動させるためには、第1の素子に結合されているマルチプレクサ・スイッチを開いて、次のセット内にある最後の素子に結合されているスイッチを閉じる。これにより、第1のビームフォーマ・チャンネルは、動作開口の一方の端部から反対側の端部へ移動し、その間、他のすべてのチャンネル及び素子は前と同様に接続されたままになっている。時間遅延及び他のビーム形成パラメータは、この新たなマルチプレクサの状態に対応するようにソフトウェアによって変更され、1つ又はそれ以上の更なる画像ベクタが収集される。次いで、第2の素子に結合されているスイッチを開いて、次のセット内にある次の素子に結合されているスイッチを閉じることにより、開口を更に右方へ段階的に移動させる。この方式で、動作開口を、トランスデューサ配列の一方の端部から他方の端部へ順次、段階的に移動させることができる。 【0006】1D配列の限定された仰角性能に改善するために、いわゆる「1.25D」配列、「1.5D」配列、「1.75D」配列及び「2D」配列を含めた様々な形式の多数行型トランスデューサ配列が開発されている。ここで用いる際には、これらの用語は以下の意味を有するものとする。1.25D)仰角方向の開口は可変であるが、集束は静的である;1.5D)仰角方向の開口、シェーディング及び集束は動的に可変であるが、配列の中心線に関して対称である;1.75D)仰角方向の形状及び制御方式は1.5Dのものと同様であるが、対称性の制限がない;2D)仰角方向の形状及び性能は、電子式のアポダイゼーション、集束及び方向付けを完全に行うことができ、方位角方向と同等である。1.25Dプローブの仰角開口は、レンジと共に増大するが、その開口の仰角集束は静的であって、1つ(又は複数)の固定された焦点を備えた機械的なレンズによって主として決定されている。1.25Dプローブは、近距離音場及び遠距離音場のスライス厚さ性能について、1Dプローブよりも実質的に優れているのに加え、追加のシステム・ビームフォーマ・チャンネルを要求しない。1.5Dプローブは、仰角方向で動的な集束及びアポダイゼーションを行うために、追加のビームフォーマ・チャンネルを用いる。1.5Dプローブは、特に中距離音場及び遠距離音場において、1.25Dプローブに匹敵する細かい分解能を提供することができ、コントラスト分解能については1.25Dプローブよりも実質的に優れている。1.75Dプローブは、開口内のすべての素子について独立にビーム形成用の時間遅延の制御を行うので、ビームフォーマは、体内の不均一な伝播速度(又はイメージング・システム若しくはトランスデューサの非一様性)を適応的(adaptive)に補償することができる。このような適応的なビーム形成又は位相収差制御に加えて、1.75Dプローブは、仰角方向の限定されたビームの方向付けを支援することもできる。 【0007】少なくともアポダイゼーションを行い(1.25D)、且つおそらくは動的ビーム形成(1.5D)、位相収差制御(1.75D)又は完全な2Dビーム方向付けを行うことにより、多数行型トランスデューサ配列は1Dプローブの限定された仰角性能を大幅に改善している。しかしながら、トランスデューサ内の素子の数は増大しているのにビームフォーマ内のチャンネルの数が足並みを揃えていないので、マルチプレクサの機能がますます重要になっている。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】その開示をここに参照すべきものであるSnyderへの米国特許第5,520,187号は、多数行型トランスデューサ配列については議論していないが、様々な数のビームフォーマ・チャンネルを備えたシステムのための様々なマルチプレクサ状態を支持する柔軟性のあるマルチプレクサについて記載している。マルチプレクサ状態は、例えばシリアル・インタフェイスを介して、超音波イメージング・システムによって繰り返しプログラムされることができる。このような特徴を以降で開示されるような多数行型配列用のマルチプレクサに用いると有利である。 【0009】その開示をここに参照すべきものであるThomas及びHarshへの米国特許第5,329,930号は、合成開口イメージングの方法を開示しており、これにより、有限数のシステム・ビームフォーマ・チャンネルが、マルチプレクサを介して、多数のトランスデューサ素子の連続したサブセットに結合される。各々の所望の画像ベクタについて、又、各々のトランスデューサ素子のサブセットについて、他のサブセットのトランスデューサ素子からの音響データとコヒーレントな状態で、音響ビームが送信され、受信されて加算される。このようにして、Nチャンネルのビームフォーマは、結果として得られる画像ベクタ当たりMサイクルの送受信(このことから、1対Mイメージング又は1:Mイメージングと名付けられている。)という代償はあるが、(M×N)素子のトランスデューサから得ることのできる分解能及び信号対雑音性能の大部分を達成することができる。Thomas及びHarshは、このマルチプレクサに対する規準については議論しているが、それに合った特定の設計は何ら開示していない。以降で開示されるマルチプレクサは、米国特許第5,329,930号の規準を満たし、且つ1.5D及び1.75Dのトランスデューサ配列の1:Mビームフォーマを支援するように設計されている。 【0010】 【課題を解決するための手段】多数行型の開口において動的な選択及びビーム形成の制御を行うことを目的として、ビームフォーマが、マルチプレクサを介して、ビームフォーマが有しているチャンネルよりも多い電気的に独立した素子を有している多数行配列型トランスデューサに結合されている。このマルチプレクサは、動作開口が配列の少なくとも1つの軸に沿って走査することを可能にすると共に、動作開口の形状が電子的に変更されることを可能にしている。又、このマルチプレクサは、合成開口のビーム形成に適した送信開口及び受信開口を支援する。加えて、このマルチプレクサは、比較的少ないスイッチを収納しているので、経費及び寸法についての経済性が得られる。信号の減衰を最小化するために、このマルチプレクサは、ビームフォーマ・チャンネルとトランスデューサ素子との間のいかなる信号経路に沿っても2つ又はそれ以上のスイッチを並列に置くことが一切ないように設計されている。好ましい実施例では、このマルチプレクサは、モジュラ式構成を有している。この特徴によって、標準的な部品セットから、素子の行の数と列の数とが様々なトランスデューサ配列に適したマルチプレクサを容易に組み立てることができる。 【0011】具体的には、多数行型トランスデューサ配列用のこのマルチプレクサは、システム・チャンネルとトランスデューサ素子との間の接続方式が以下の設計規則に準じるように設計されている。 規則I. チャンネル対素子の割り当ての順序及びサイクル長は、すべての列について同一である。 【0012】規則II. 開口の行は、対としてグループ化されている。各々の対の1つの行におけるチャンネルの割り当ては、他の行における割り当てからサイクル長の2分の1だけずれている。 規則III . 行の対を、4つ1組としてグループ化してもよい。各々の四半組の1つの対におけるチャンネルの割り当ては、他の対における割り当てからサイクル長の4分の1だけずれている。 【0013】規則IV. いずれかの素子がスイッチを介して2つのチャンネルに接続されている場合には、その素子に接続されている2つのチャンネルはサイクル長の2分の1だけ離隔している。このマルチプレクサの物理的な設計は、様々なスイッチ・カードをプラグ・インすることのできるような受動的バックプレインの設計と同じである。カード・コネクタは、2つの平行な列に配列されている。システム・チャンネルからのトレース(trace)は、バックプレイン上で分配されており、又、トランスデューサ素子からの同軸リードが、スイッチ・カードに接続されている。システム・チャンネル・トレースのバックプレイン上での構成は、バックプレインの両半部にプラグ・インしている2倍幅のスイッチ・カードによって、規則IVが満たされるような構成となっている。 【0014】 【実施例】図1は、主なサブシステムとして、ビームフォーマ2と、プロセッサ4(各々の異なるモードについて別個のプロセッサを含んでいる)と、スキャン・コンバータ/表示制御装置6と、カーネル8とを有している超音波イメージング・システムを示している。システム制御はカーネルを中心として行われ、カーネルは、オペレータが入力したコマンドをオペレータ・インタフェイス10を介して受け取って、様々なサブシステムを制御する。マスタ制御装置12は、オペレータからオペレータ・インタフェイス10を介して入力されたコマンド及びシステム状態の変更(例えば、モードの変更)を受け取ることにより、システム・レベルの制御作用を果たし、直接に又はスキャン制御シーケンサ16を介して、適当なシステムの変更を行う。システム制御バス14は、マスタ制御装置12から各サブシステムへのインタフェイスを提供している。スキャン制御シーケンサ16は、ビームフォーマ2(システム・タイミング発生装置23を含む)、プロセッサ4及びスキャン・コンバータ6に対して実時間(音響ベクタ速度)の制御信号を供給する。スキャン制御シーケンサ16は、ベクタ・シーケンスに関して、及び音響フレーム収集についての同期オプションに関して、そのホスト(カーネル8)によってプログラムされ、ホストによって設定されたベクタ・パラメータをスキャン制御バス18を介して各サブシステムへ配布する。 【0015】主なデータ経路は、超音波トランスデューサ20からビームフォーマ2へのアナログRF(無線周波数)入力信号によって開始する。ビームフォーマ2は、データをプロセッサ4のうちの1つに供給し、ここで、このデータは収集モードに従って処理される。処理されたデータは、処理済のベクタ(ビーム)・データとしてスキャン・コンバータ/表示制御装置6へ供給され、スキャン・コンバータ/表示制御装置6は、処理済のベクタ・データを画像用のビデオ表示信号へ変換し、次いで、ビデオ表示信号はカラー・モニタ22へ供給される。 【0016】図2は、個別に駆動される複数のトランスデューサ素子26で構成されているトランスデューサ配列24を含んでいる従来の超音波イメージング・システムを示している。複数のトランスデューサ素子26の各々は、送信器(図示されていない)によって発生されたパルス状の超音波波形によってエネルギを与えられたときに、検査対象物体に向けられた単位バーストの超音波エネルギを発生する。検査対象物体からトランスデューサ配列24へ反射されて戻ってきた超音波エネルギは、受信を行う各々のトランスデューサ素子26によって電気信号に変換されて、ビームフォーマ2に別個に印加される。 【0017】超音波エネルギの各々のバーストによって発生されたエコー信号は、超音波ビームに沿って並んだ連続したレンジに位置している物体から反射したものである。エコー信号は、各々のトランスデューサ素子26によって別個に感知され、任意の特定の瞬間におけるエコー信号の振幅が、ある特定のレンジにおいて生じた反射の量を表している。但し、超音波を散乱させるサンプル空間と各々のトランスデューサ素子26との間の伝播経路に差があるので、これらのエコー信号は同時には検出されず、又、これらのエコー信号の振幅は等しくならない。ビームフォーマ2は、個別のエコー信号を増幅し、その各々に対して適正な時間遅延を与えると共にこれらを加算して、サンプル空間から反射された全体の超音波エネルギを正確に示す単一のエコー信号を形成する。各々のビームフォーマ・チャンネル28が、それぞれのトランスデューサ素子26からアナログのエコー信号を受信する。 【0018】各々のトランスデューサ素子26に入射するエコーによって発生される電気信号を同時に合計するために、ビームフォーマ制御装置30によって、各々の別個のビームフォーマ・チャンネル28に時間遅延が導入される。受信用のビーム時間遅延は、送信用の時間遅延と同じである。しかしながら、各々のビームフォーマ・チャンネルの時間遅延はエコーの受信中に絶えず変化して、受信されたビームを、エコー信号が発している起点のレンジの位置に動的に集束させる。ビームフォーマ・チャンネルは又、受信されたパルスをアポダイズすると共にフィルタ処理するための回路機構(図示されていない)を有している。 【0019】加算器32に入る信号は、他のビームフォーマ・チャンネル28の各々からの遅延された信号と加算されたときに、加算後の信号が、方向付けされたビームに沿って位置しているサンプル空間から反射されたエコー信号の振幅及び位相を示すものになるように遅延されている。信号プロセッサ又は検出器34が、データを表示するために、受け取った信号を変換する。Bモード(グレイ・スケール)では、表示データは、エッジ強調及び対数圧縮等の何らかの追加処理を施された信号の包絡線となる。スキャン・コンバータ6(図1)は、検出器34から表示データを受け取って、データを表示用の所望の画像に変換する。具体的には、スキャン・コンバータ6は、音響画像データを、極座標(R−θ)のセクタ・フォーマット又はデカルト座標の線形配列フォーマットから、ビデオ速度で適当にスケーリングされたデカルト座標の表示ピクセル・データへ変換する。次いで、これらのスキャン・コンバートされたデータは表示モニタ22へ供給され、表示モニタ22は、信号の包絡線の時間変化する振幅をグレイ・スケールとして表示する。 【0020】典型的な1Dのリニア型又はコンベクス型のトランスデューサ配列及びマルチプレクサを図3に概略的に示す。ビームフォーマ2は、128のビームフォーマ・チャンネルを有しているものとして示されているが、トランスデューサ配列24はそれよりも大幅に多い素子(典型的には、192から256)を有している。マルチプレクサ36は、128までの連続したトランスデューサ素子26の任意のセットが同軸ケーブル38を介してビームフォーマ・チャンネル28に同時に結合することを可能にしている。0から127までの番号の付いたトランスデューサ素子26に結合されているスイッチを閉じることにより、ビームフォーマ2がトランスデューサ配列の左の端部に結合されると、超音波の集束されたビームが送信及び受信されて、画像の対応するエッジについてのデータを収集することができる。連続した超音波ビームの原点がトランスデューサ配列24に沿って右方へ段階的に移動するのに伴って、超音波ビームの原点が動作開口内に中心を置くように、動作開口を移動させると有利になる。開口を、配列内の最も左の端部から右に向かって1素子ずつ移動させるためには、素子0に結合されているマルチプレクサ・スイッチを開いて、素子128に結合されているスイッチを閉じる。これにより、ビームフォーマ・チャンネル0は、左の端部から開口の右辺へ移動し、その間、他のすべてのチャンネル及び素子は前と同様に接続されたままである。時間遅延及び他のビーム形成パラメータは、この新たなマルチプレクサの状態に対応するようにソフトウェアによって変更され、1つ又はそれ以上の更なる画像ベクタが収集される。次いで、素子1に結合されているスイッチを開いて、素子129に結合されているスイッチを閉じることにより、開口を更に右へ段階的に移動させると、マルチプレクサ36が図3に示す状態に置かれる。この方式で、動作開口をトランスデューサ配列24の一方の端部から他方の端部へ順次、段階的に移動させることができる。代替的には、同じマルチプレクサ・ハードウェアを用いて、1段階当たりにいくつかのトランスデューサ素子をスイッチすることにより、配列を横断してより高速に動作開口を走査させてもよい。イメージング・モードによっては、連続した開口を非順次的に選択して、トランスデューサ配列の左の端部と右の端部との間を前後にジャンプさせてもよい。 【0021】8行×24列のトランスデューサ配列及び16チャンネルのシステム・ビームフォーマによって1.25D及び1.5Dのビーム形成を行うためのマルチプレクサを図4〜図7に示す。図3に示す1Dの開口及び配列と同じ方式で、配列を横断してすべての開口を走査させることができる。図4、図6及び図7の周辺の文字(A〜H)及び数字(0〜23)は、配列の行及び列を示している。図4では、マトリクス内の数字は、マルチプレクサ・スイッチを介して各々のトランスデューサ素子に結合されるビームフォーマ・チャンネル(0〜15)を示している。 【0022】図5は、ビームフォーマ・チャンネル0及び8と、マルチプレクサ36と、図4に示す配列の第0列のトランスデューサ素子との間の電気的接続を示している。1.25D及び1.5Dのイメージングの場合には、トランスデューサ素子の8つの行が対として結合され、各々の対は、図4に示す配列の水平中心線に関して対称になっている。 【0023】図6は、1.25Dイメージングのために図5に示す配列と共に用いられるマルチプレクサ構成を示している。配列の各々の列内では、すべてのトランスデューサ素子が同じシステム・ビームフォーマ・チャンネルに結合されている。動作開口(影付きで示されている)の幅は、ビームフォーマ・チャンネルの数(例えば、16)によって制限されているか、又は、1:Mの合成開口イメージングを用いているならばM倍に増加していてもよい。動作開口の高さは、中央の2行といった小さなものでもよいし、配列の全高といった大きなものでもよい。開口の形状は、点描領域の左辺によって示すような矩形でもよいし、任意のもの(点描領域の右辺によって示すように、典型的には、楕円に近い凸形)でもよい。 【0024】図7に示す1.5Dの開口は、この結線及びマルチプレクサ構成によって達成することのできる大きなセットの開口形状の実例である。具体的には、図7は、1.5Dのビーム形成及び1:4の合成開口イメージングのためのマルチプレクサ構成を示している。近距離音場では、内側の開口(濃い点描)のみが用いられる。中距離音場及び遠距離音場では、周囲の開口(\\\の陰影、薄い点描、///の陰影)と、1:2から1:4の合成開口イメージングとを用いて、低いfナンバー、鋭い焦点及び高い分解能を維持することができる。 【0025】前に議論した設計規則を参考にすると、図4に示すチャンネル対素子の割り当ては、すべての行において左から右へ増加する。サイクル長は、システム・ビームフォーマ・チャンネルの数と等しく16である。図7の1.5D構成では、行A及び行Cにおけるチャンネルの割り当ては、行B及び行Dにおけるチャンネルの割り当てからサイクル長の2分の1、即ち、8チャンネルだけずれている。これにより、動作開口の寸法及び形状を決定するときに、様々な行を対にすることができ、例えば、中央(濃い点描)の16チャンネルの開口は、行C及び行Dを対にしている。この開口の形状は、行Cの0個の素子及び行Dの16個の素子のものから、各々の行において8個ずつの素子のものに到るまで、任意のものであり得る(行Dの素子よりも多い行Cの素子を用いることも可能だが、音響ビームの質に悪影響を及ぼすおそれがある。)。\\\陰影の1:2開口の場合は、行A及び行Dが対となり、行B及び行Cが第2の対を形成している。薄い点描の1:3開口の場合は、行A及び行Bが対となり、行C及び行Dは各々16素子ずつに固定されている。最後に、///陰影の1:4開口の場合は、行Aが行Cと対になり、行Bが行Dと対になる。これらの対の組み合わせ、及び結果として得られる可能な1.5D開口の形状を表1にまとめる。表1では、システム・ビームフォーマ・チャンネルの数はNで表されている。記号h、i、j、k、l及びmは、任意の整数を表しており、その各々は0とN/2との間の任意の値を取り得る。各々の記号に関連した数値が、図7に示す1.5Dの開口について表1の第6列に列挙されている。図4〜図7は8行×24列のトランスデューサ配列及び16チャンネルのビームフォーマを示しているが、同じ設計原理が64チャンネル又は128チャンネルのビームフォーマ、並びに6、8又はそれ以上の行及び128、192又はそれ以上の列の素子を有している配列にも適用されることが理解されよう。 表 1 列当たりの素子 図7 全 合 成 素子数 開 口図7 A+H B+G C+F D+E (N=16) 濃い点描 0 0 m N−m m=6 N\\\ k l N−l N−k k=2,l=4 2N 1:2薄い点描 j N−j N N j=6 3N 1:3/// N−h N−i N+h N+i h=i=2 4N 1:41:Mの合成開口イメージングにおいて最適な性能を得るために、送信時には1.25D開口(図6)を用い、受信時には1.5D開口(図7)を用いることが望ましいであろう。1.25D開口は、最適よりも劣る仰角ビーム制御を有している可能性があるが、N個の素子から成る小さな1.5D開口よりも遥かに大きな入射のための音響パワー及び信号対雑音を提供することができる。受信時には、1:M合成開口処理によって、M×N個の素子から成る1.5D開口の感度及び分解能を完全に達成することができる。この動作モードの場合には、1.25Dでの動作及び1.5Dでの動作の両方を支援し且つ2つの構成の間を速やかにスイッチすることができるマルチプレクサが必須である。 【0026】6行×24列のトランスデューサ配列及び32チャンネルのシステム・ビームフォーマによる1.25D及び1.75Dのビーム形成用のマルチプレクサを図8〜図11に示す。図面には示していないが、図8に示すマルチプレクサによって可能なのは、配列の全幅の単一行の開口及び1行当たりN/2=16素子までの素子を有している3行の1.5D開口である。図示の配列は、仰角方向においては結線による対称性を有していないので、マルチプレクサは、方位角(水平)方向及び仰角(垂直)方向の両方で配列を横断してすべての開口が走査されるように設計されている。図8の周辺の文字(A〜H)及び数字(0〜23)は、配列の行及び列を示している。マトリクス内の数字は、マルチプレクサ・スイッチを介して各々のトランスデューサ素子に結合されるビームフォーマ・チャンネル(0〜31)を示している。各々のトランスデューサ素子は、1つ又は2つのマルチプレクサ・スイッチに独立に結合されている。動作開口又はビーム形成が配列の水平中心線に関して対称であることといった制限はない。 【0027】図9は、1.25Dイメージング用のマルチプレクサ構成を示している。配列の各々の列において、すべての素子は、同一のビーム形成パラメータを用いてプログラムされた1対のシステム・チャンネルの一方又は他方に接続されている。このように対形成しているので、動作開口(点描)の任意の行における素子の最大数は、システム・チャンネルの数の2分の1となる(ここでは、N/2=16)。この動作幅は、1:Mの合成開口イメージングを用いているならば、M倍に増加していてもよい。動作開口の高さは、1行といった小さなものでもよいし、配列の全高といった大きなものでもよい。開口の形状は、点描領域の右辺によって示すような矩形でもよいし、任意のもの(点描領域の左辺によって示すように、典型的には、楕円に近い凸形)でもよい。 【0028】図10は、32チャンネルの1.75Dイメージング用の開口の例を示している。可能な開口は、1行当たりm個、N/2−m個、N/2−l個及びl個の素子を有している。図10では、濃い点描の開口についてはN=32、m=l=8であり、薄い点描の開口についてはm=l=5である。ここには、仰角方向における結線による対称性がないので、方位角(水平)方向及び仰角(垂直)方向の両方ですべての開口を走査させることができる。各々の開口内では、閉じているマルチプレクサ・スイッチのみが示されている。すべての素子についてのすべての可能なチャンネル接続方式の一覧を図8に示す。 【0029】図11は、1.75Dのビーム形成用及び1:3の合成開口イメージング用のマルチプレクサ構成を示している。近距離音場では、内側の開口(濃い点描)のみが用いられる。中距離音場及び遠距離音場では、周囲の開口(///の陰影、薄い点描)と、1:2又は1:3の合成開口イメージングとを用いて、低いfナンバー、鋭い焦点及び高い分解能を維持することができる。 【0030】設計規則を参考にすると、図8に示すチャンネル対素子の割り当ては、すべての行において左から右へ増加する(規則I)。第1のサイクル長は、システム・ビームフォーマ・チャンネルの数と等しく、32である。各々の行における素子のいくつかに対する第2のチャンネル接続は、第1のチャンネル接続からサイクル長の2分の1だけずれており(規則IV)、行A、行C及び行Eのうちの任意のものが対になることが可能になっており(規則II)、又、行B、行D及び行Fのうちの任意のものが対になることが可能になっている。行A、行C及び行Eにおけるチャンネルの割り当ては、行B、行D及び行Fにおけるチャンネルの割り当てからサイクル長の4分の1だけずれており(規則III )、方位角方向及び仰角方向の両方に走査することの可能な連続した4行、32素子、1.75Dの開口の形成が可能になっている(図10を見よ。)。 【0031】表2に、図11に示す1:3合成開口の1.75D開口の形状をまとめる。表2では、システム・ビームフォーマ・チャンネルの数はNで表されている。記号Mは任意の整数を表しており、その値は0とN/2との間にある。図11に示す1.75Dの開口についてN及びmに関連した数値が、表2の第5列に列挙されている。M≦4の場合の1:Mイメージング用のM×N個の素子及びM=5の場合の全開口を含めた他の開口も又、可能である。図8〜図11は6行×24列のトランスデューサ配列及び32チャンネルのビームフォーマを示しているが、同じ設計原理が64チャンネル又は128チャンネルのビームフォーマ、並びに6、8又はそれ以上の行及び128、192又はそれ以上の列の素子を有している配列にも適用されることが理解されよう。 表 2 列当たりの素子 図11 全 合 成 素子数 開 口図11 A,F B,E C,D (N=32) 濃い点描 0 m N/2−m m=6 N/// m N/2−m N/2 2N 1:2薄い点描 N/2−m N/2 N/2 3N−2m 1:3図12(A)及び図12(B)、並びに図13(A)、図13(B)及び図13(C)に、上述のマルチプレクサ構成のすべてを可能にするモジュラ式ハードウェア設計を示す。図示の構成は、128チャンネルのビームフォーマ用である。図12(A)に示すように、システム・コンソール・コネクタ40は4つの四半部(quadrants)に分割されており、ビームフォーマ2の128のチャンネルのための接続が、図示のように各四半部に分配されている。マルチプレクサは、MUXステート(MUX State)と呼ばれるパラメータによって制御されており、このパラメータは、マスタ制御装置12によって送信されて、システム・コンソール・コネクタ40上の線を制御する。MUXステート・パラメータは、マスタ制御装置に記憶されているトランスデューサ・マルチプレクサ制御プログラムに従って発生されている。 【0032】図12(B)に示すマルチプレクサ・バックプレイン又はマザーボード42は、システム・コンソール・コネクタ40(図12(A))上に搭載されている。コンソール・コネクタ40にこのように装着されているバックプレインの各々の四半部は、マルチプレクサ・カード46(図12(A))をまとめてコンソール・コネクタ40の対応する四半部と並列に接続するソケット44等の2つ又はそれ以上(ここでは、4つ)の同一のコネクタを収納している。コンソール・コネクタ及びマルチプレクサ・バックプレインの各四半部に対するシステム・ビームフォーマの割り当て、並びにバックプレイン上でのマルチプレクサ・カード・ソケットの位置は、端部を並べた状態で(end-to-end)整列しているソケット同士が、マルチプレクサのサイクル長の2分の1だけ(ここでは、128/2=64だけ)異なっているビームフォーマ・チャンネルに結合されるように配列されている。マルチプレクサ制御ボード48がコンソール・コネクタ上の制御線に結合されており、又、各々のマルチプレクサ・カード・ソケットへの別個の(並列でない)制御線に結合されている。制御ボード48は、マスタ制御装置からMUXステート・コマンドを受け取り、図12(A)に示すオン・ボード・メモリ50(ROM又はEEPROM)に記憶されているデータを用いて、各々のマルチプレクサ・カード46上の各々のスイッチを、コマンドに指定されているマルチプレクサ状態に要求される開放位置又は閉鎖位置に設定する。 【0033】図13(A)、図13(B)及び図13(C)は、図12(B)に示すマルチプレクサ・マザーボード上のソケットにプラグ・インされるマルチプレクサ・カードについてのいくつかの好ましい実施例を示している。各々のカードは、個別に制御することの可能なスイッチ52のセットを収納しており、スイッチ52は、トランスデューサ素子から、マルチプレクサ・バックプレイン上のソケットにプラグ・インされるコネクタ56を介して、特定のシステム・ビームフォーマ・チャンネルへ同軸リード54を接続することができる。図13(A)は、32の同軸リードを32のシステム・チャンネルに接続する低密度マルチプレクサ・カード46aを示す。図13(B)は、64の同軸リードを32のビームフォーマ・チャンネルに接続する高密度マルチプレクサ・カード46bを示す。このカードは、マルチプレクサ・バックプレインの同じ四半部内の隣接したソケットにプラグ・インされる2つの低密度32:32マルチプレクサ・ボードと同等であるが、よりコンパクトである。図13(C)は、64の同軸リードを64のシステム・チャンネルに接続する高密度マルチプレクサ・カード46cを示す。カード46cは、2つのコネクタ56を採用しており、一方のコネクタ56は、マザーボードの1つの四半部内のソケットにプラグ・インされ、他方のコネクタ56は、横方向に隣接した四半部のソケットにプラグ・インされる。マルチプレクサ・バックプレインにプラグ・インされると、カード46cによって、このカードに接続されている各々の同軸リード(即ち、それぞれのトランスデューサ素子用の同軸リード)がサイクル長の2分の1だけ異なっている2つのビームフォーマ・チャンネルのうちの任意のものに対して結合することが可能になる(このようにして、規則IVが満たされる。)。 【0034】以上の好ましい実施例は、例示の目的で開示された。当業者には、いくつかの変形又は改変が容易に明らかとなろう。そのような変形又は改変はすべて、特許請求の範囲に包含されているものとする。
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| 【出願人】 |
【識別番号】390041542 【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ 【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)5月7日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】生沼 徳二
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| 【公開番号】 |
特開平11−42225 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)2月16日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−124739 |
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