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【発明の名称】 親子式内視鏡装置
【発明者】 【氏名】大原 健一

【氏名】岡田 慎介

【要約】 【課題】子スコープを挿入するまでの操作が容易であり、しかも子スコープによって良好な観察像を得ることができる親子式内視鏡装置を提供すること。

【解決手段】親スコープ10の処置具挿通チャンネルに挿脱自在で上記処置具挿通チャンネルの全長より長い有効長を有する外套シース20と、上記外套シース20内に挿脱自在で上記外套シース20の全長より長い有効長を有する造影剤注入チューブ30と、上記外套シース20内に挿脱自在で上記外套シース20の全長より長い有効長を有する子スコープ40とを設けた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】親スコープの処置具挿通チャンネルに挿脱自在で上記処置具挿通チャンネルの全長より長い有効長を有する外套シースと、上記外套シース内に挿脱自在で上記外套シースの全長より長い有効長を有する造影剤注入チューブと、上記外套シース内に挿脱自在で上記外套シースの全長より長い有効長を有する子スコープとを設けたことを特徴とする親子式内視鏡装置。
【請求項2】上記子スコープには、挿通チャンネルが設けられていない請求項1記載の親子式内視鏡装置。
【請求項3】上記外套シースの先端部分が、先側へ次第にすぼまるテーパ状に形成されている請求項1又は2記載の親子式内視鏡装置。
【請求項4】上記外套シースの基端部分と上記造影剤注入チューブの基端部分とを係脱自在に結合させるための結合機構が設けられている請求項1、2又は3記載の親子式内視鏡装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、胆管内等へ造影剤を注入してから子スコープを挿入して胆管内等を観察できるようにした親子式内視鏡装置に関する。
【0002】
【従来の技術】胆管内等へ内視鏡を挿入してその内部を観察するのは容易ではない。そこで従来は、親スコープの処置具挿通チャンネルに挿通した造影剤注入チューブの先端を十二指腸側から胆管に差し込んで管内に造影剤を注入してから、造影剤注入チューブに通したガイドワイヤーの先端を胆管内に留置し、その状態で造影剤注入チューブを抜去し、それに代えてガイドワイヤーを子スコープの挿通チャンネルに通して、ガイドワイヤーに沿って子スコープを胆管内に誘導していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、内視鏡的に胆管内を造影するだけでも相当に手間のかかることなのに、その後胆管内にまずガイドワイヤーの先端を留置しなければならず、子スコープの挿入はそれからになってしまうので、操作が非常に煩雑で時間がかかり、医者も患者も疲れてしまうことが少なくなかった。
【0004】また、挿入部の直径を2mm程度に細くしなければならない子スコープに、ガイドワイヤーを通すための挿通チャンネルを設けなければならないので、子スコープの光学性能が犠牲になって胆管内の良好な観察像を得ることができなかった。
【0005】そこで本発明は、子スコープを挿入するまでの操作が容易であり、しかも子スコープによって良好な観察像を得ることができる親子式内視鏡装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するため、本発明の親子式内視鏡装置は、親スコープの処置具挿通チャンネルに挿脱自在で上記処置具挿通チャンネルの全長より長い有効長を有する外套シースと、上記外套シース内に挿脱自在で上記外套シースの全長より長い有効長を有する造影剤注入チューブと、上記外套シース内に挿脱自在で上記外套シースの全長より長い有効長を有する子スコープとを設けたことを特徴とする。
【0007】なお、上記子スコープには、挿通チャンネルが設けられていなくてもよく、上記外套シースの先端部分が、先側へ次第にすぼまるテーパ状に形成されているとよい。
【0008】また、上記外套シースの基端部分と上記造影剤注入チューブの基端部分とを係脱自在に結合させるための結合機構が設けられているとよい。
【0009】
【発明の実態の形態】図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は、親スコープ10を介して胆管100内に造影剤注入チューブ30の先端を差し込んで、胆管100内に造影剤を注入する状態を示している。
【0010】親スコープ10は、側方視型のいわゆる十二指腸ファイバースコープであり、操作部11に可撓管状の挿入部12が連結されていて、操作部11からの遠隔操作によって屈曲自在な湾曲部13が挿入部12の先端部分に連結され、対物光学系等が内蔵された先端部本体14が湾曲部13の先端に連結されている。
【0011】処置具類を挿通するための処置具挿通チャンネルが挿入部12と湾曲部13の内部を通って配置されており、その処置具挿入口15は操作部11の下部に突設され、処置具出口16は先端部本体14の側面に開口形成されている。
【0012】造影剤注入チューブ30は処置具挿通チャンネル内に直接通されているのではなく、造影剤注入チューブ30の可撓性チューブ31部分が外套シース20に通され、造影剤注入チューブ30の基端部に設けられた手元口金32が外套シース20の基端部に設けられた手元口金22と結合されて、造影剤注入チューブ30と外套シース20とが一体になった状態で用いられる。
【0013】外套シース20の有効長(即ち、可撓性チューブ21の長さ)は処置具挿通チャンネルの全長より長く形成されていて、可撓性チューブ21を処置具挿入口15から処置具挿通チャンネル内にいっぱいに差し込めば、可撓性チューブ21の先端部分21aが処置具出口16から例えば5〜10cm程度突出する長さに形成されている。
【0014】しかし、外套シース20が造影剤注入チューブ30と結合して使用される状態では、造影剤注入チューブ30の可撓性チューブ31の先端部分が処置具出口16から突出して胆管100内に差し込まれた位置にあるときに、外套シース20の可撓性チューブ21の先端部分21aが湾曲部13の根元の直前に位置するように、外套シース20の可撓性チューブ21と造影剤注入チューブ30の可撓性チューブ31との長さの差が設定されている。
【0015】このような状態で造影剤注入チューブ30の可撓性チューブ31の先端が胆管100内に挿入されていて、造影剤注入チューブ30の手元口金32に突設された注入口金33から造影剤を注入することにより、その造影剤を胆管100内に送り出して、胆管100のX線造影像を得ることができる。
【0016】胆管100内への造影剤注入が済んだら、図2に示されるように、外套シース20の手元口金22と造影剤注入チューブ30の手元口金32との結合を解除し、造影剤注入チューブ30は動かさずに、外套シース20だけを処置具挿入口15内に押し込む。
【0017】すると、外套シース20の可撓性チューブ21の先端部分21aが処置具出口16から突出して、可撓性チューブ31をガイドにして胆管100内に挿入される。
【0018】その状態になったら、外套シース20を動かさないようにして造影剤注入チューブ30を抜去し、図3に示されるように、子スコープ40の挿入部42を外套シース20内に差し込むことによって、子スコープ40の挿入部42の先端が外套シース20をガイドにして胆管100内に挿入され、子スコープ40で胆管100内を観察することができる。
【0019】図4は、外套シース20と造影剤注入チューブ30とが双方の手元口金22,32において結合された状態の外観図である。39は、造影剤注入チューブ30の可撓性チューブ31の先端近傍の外周面に形成された指標である。
【0020】図5は、結合された状態の外套シース20と造影剤注入チューブ30の手元口金22,32部分の構造を示している。外套シース20の可撓性チューブ21は、摩擦抵抗の小さなフッ素樹脂チューブ等によって形成されていて、手元口金22と螺合するチューブ押さえ部材24によって手元口金22に押し付け固定されている。
【0021】外套シース20の手元口金22はT字管状に形成されていて、その側面に突出する注入口金23からは、胆管100内を洗浄する必要がある場合等に、可撓性チューブ21内を経由して胆管100内に洗浄液等を注入することができる。
【0022】造影剤注入チューブ30の可撓性チューブ31は、外套シース20の可撓性チューブ21内に挿脱自在な太さの摩擦抵抗の小さなフッ素樹脂チューブ等によって形成されていて、手元口金32と螺合するチューブ押さえ部材34によって手元口金32に押し付け固定されている。
【0023】造影剤注入チューブ30の手元口金32はT字管状に形成されており、その側面に突出する注入口金33に注射器等を接続して、可撓性チューブ21内に造影剤を注入することができる。
【0024】35は、可撓性チューブ31が押し込み操作時に座屈しないようにするために可撓性チューブ31内に通された金属線製の芯金であり、その芯金35の基端部が固着された固定摘み36が手元口金32の突端側にねじ込み固定されている。37は、シール用のOリングである。
【0025】外套シース20の手元口金22の突端側にはナット26がねじ込み固定されていて、ナット26の内面部分と手元口金22の突端面との間に形成された溝状部分に弾力性のあるゴム製のOリング27が装填されている。
【0026】造影剤注入チューブ30のチューブ押さえ部材34は、先側の半部の外面が先細りのテーパ状に形成されていて、その部分がナット26内から手元口金22内に差し込まれている。そして、それがいっぱいに差し込まれた状態のときにOリング27の内側に位置するチューブ押さえ部材34の外周面に、Oリング27が係合する円周溝38が形成されている。
【0027】その結果、図5に示されるように造影剤注入チューブ30が外套シース20に対していっぱいに差し込まれたときに、Oリング27が円周溝38に係合して、いわゆるクリックがきいた状態で造影剤注入チューブ30と外套シース20とが結合される。
【0028】Oリング27と円周溝38との係合は弾力的なものなので、造影剤注入チューブ30の手元口金32を外套シース20の手元口金22から強く引き出す方向に力を加えると、Oリング27と円周溝38との係合が外れ、図6に示されるように、外套シース20と造影剤注入チューブ30との結合が解除されて軸線方向に相対的に進退自在となる。
【0029】また、その状態から造影剤注入チューブ30の手元口金32を外套シース20の手元口金22側に強く押し込めば、Oリング27を円周溝38に係合させて、クリックがきいた状態で造影剤注入チューブ30と外套シース20とを結合させることができる。
【0030】図7は、外套シース20の可撓性チューブ21の先端部分21aを示しており、造影剤注入チューブ30による造影剤注入の次には、外套シース20の可撓性チューブ21を押し進めてその先端部分21aを胆管100内に差し込まなければならない。
【0031】そこで、外套シース20の可撓性チューブ21が引っ掛かりなくスムーズに前進できるように、その先端部分21aは先細りに絞られた形状に形成されていて、造影剤注入チューブ30の可撓性チューブ31の表面に密着している。
【0032】図8は、子スコープ40を示しており、操作部41の下端部に挿入部42の基端が連結されている。挿入部42の直径は例えば2mm程度であり、その長さ(有効長)は外套シース20の全長より長く形成されている。43は接眼部、44は図示されていない光源装置に接続されるライトガイドコネクタである。
【0033】図9は、子スコープ40の挿入部42の先端部分を示している。挿入部42は、全長にわたって可撓性チューブ46で外装されていて、その先端に先端部本体47が連結されている。
【0034】先端部本体47の先端面には、図10にも示されるように、観察窓48と照明窓51とが配置されていて、観察窓48の内側に配置された対物光学系49による被写体の結像位置にイメージガイドファイババンドル50の入射端面が配置されている。
【0035】照明窓51の内側には、プラスチック製のライトガイドファイバ52の射出端が配置されていて、その前面には、ライトガイドファイバ52から射出される照明光の配光を良くし且つファイバ端面を保護するためのガラス製のビーズ53が配置されている。
【0036】本発明の子スコープ40は、胆管100に挿入するためにガイドワイヤーを使う必要がないので、XI−XI断面を示す図11に示されるように、可撓性チューブ46の内部にはガイドワイヤーを通すためのチャンネルの類が設けられておらず、イメージガイドファイババンドル50とライトガイドファイバ52だけが通されている。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、まず、造影剤注入チューブを外套シースに通した状態で親スコープの処置具挿通チャンネルに挿通して造影剤注入を行い、次いで造影剤注入チューブをガイドとして外套チューブを目的部まで押し進めてから造影剤注入チューブを抜去し、造影剤注入チューブに代えて子スコープを外套チューブ内に通すことによって、子スコープを胆管内等の目的部位に容易に誘導して内視鏡観察を行うことができる。
【0038】したがって、ガイドワイヤー等を用いることなく子スコープを目的部位に容易に挿入することができ、子スコープにはガイドワイヤーを通すためのチャンネル類を設ける必要がなくて、内部スペースの多くを光学系のために用いることができるので、光学性能を向上させて良好な観察像を得ることができる。
【出願人】 【識別番号】000000527
【氏名又は名称】旭光学工業株式会社
【出願日】 平成9年(1997)7月25日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】三井 和彦
【公開番号】 特開平11−42207
【公開日】 平成11年(1999)2月16日
【出願番号】 特願平9−199064