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【発明の名称】 内視鏡システム
【発明者】 【氏名】森山 宏樹

【要約】 【課題】本発明は硬度可変の内視鏡と他機種とで、術者にとって挿入性の違和感を極力なくすようにできる内視鏡を提供することを目的とする。

【解決手段】本発明は、軟性部の硬度を調節する硬度調節機構を備えた第1の内視鏡2と、この第1の内視鏡2の使用対象と使用対象を同じくする第2の内視鏡102とを少なくとも有する内視鏡システムにおいて、第1の内視鏡2における軟性部13の硬度の調節範囲内に、前記第2の内視鏡102の軟性部113の硬度が含まれるように構成し、各内視鏡2、102を使え分ける場合において、術者にとって挿入性の違和感を極力なくせて使え勝手がよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】軟性部の硬度を調節する硬度調節機構を備えた第1の内視鏡と、この第1の内視鏡の使用対象と使用対象を同じくする第2の内視鏡とを少なくとも有する内視鏡システムにおいて、第1の内視鏡における軟性部の硬度の調節範囲内に、前記第2の内視鏡の軟性部の硬度が含まれるようにしたことを特徴とする内視鏡システム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、長尺な可撓性挿入部の可撓性の度合いを可変調整可能にした内視鏡を備えた内視鏡システムに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、軟性内視鏡は、細長な挿入部を、人体を切開することなく、体腔内に挿入することにより、その体腔内の部位を観察したり、必要に応じて処置具を誘導して体腔内部位の治療・処置を行うことができる。この種の軟性内視鏡の挿入部は屈曲した体腔内経路を通じて挿入させるために可撓性を有する構成になっている。しかし、内視鏡の挿入部が可撓性を有するために手元側操作部に対する挿入部の先端側の位置や向きが定めにくく、挿入部の先端部分を目標とする方へ導入することが難しくなる場合がある。
【0003】これに対処するため、例えば実開平3−43802号公報のものにあっては挿入部における軟性部内に可撓性調節部材を挿通し、必要に応じて、その可撓性調節部材の硬さの度合を変化させることにより軟性部の可撓性の硬さの度合を調節するようにしている。このようにすれば、挿入部における可撓性の硬さの度合を適宜、調節することにより屈曲した体腔内経路内にも容易に挿入することが可能となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
(従来の問題点)前述した従来の硬度可変調整手段は、それによって軟性部の可撓性の度合、つまり硬さの度合が、具体的にどのような軟らかさレベルからどのような硬さレベルに変化させられるのかが客観的にわかるようなものではなかった。
【0005】軟性内視鏡において、その挿入部の可撓性の度合は全てのものがある硬さの度合に定められたものではなく、ある内視鏡をベースに、それに硬度可変手段を付加する場合、普通に考えれば、挿入部に硬度可変手段を付加したことで、挿入部が太径化し、あるいは挿入部内の内蔵物の充填率が増したりして、そのベースとした内視鏡のものよりも硬くなりやすい。また、硬度可変手段自体も元々の軟状態においても、本来的なある硬さレベルを有しているため、ベースとした内視鏡のものよりも硬なる。つまり、軟性部の硬度が調整可能な内視鏡といっても、ベースとした内視鏡のものよりも、その軟状態において既に硬く、しかも、硬度可変手段自体の影響で軟性部の硬度がさらに硬くなる傾向がかなりある。
【0006】以上のことから、ある術者が使用しようとする複数種の内視鏡を備えたシステムで、硬度調整が可能な内視鏡と、それ以外の機種がある場合(同システムで両方の内視鏡を使用する場合)、硬度調整が可能な内視鏡と他機種とではその軟性部の硬度に差が生じ、それらを使う際、術者のとっての親近性がなくなることも考えられる。それでは、術者が、一方の使い慣れた機種から、他方の新しい機種に替えてそれを使用する場合、例えば大腸への挿入時に、元々は患者の大腸の個体差や挿入部位のニーズに応じて複数の硬度を使い分けるために硬度可変の内視鏡を用いることになるが、その硬度可変の内視鏡と、他機種の硬度に親近性がないと、新しく使う機種の硬度に慣れるまでは術者は違和感を強く感じて挿入操作性が落ちてしまう可能性があり、それでは硬度調整機能は役立たず、せっかくの硬度調整機能がシステム全体の中では十分に活用されているとはいいがたい。
【0007】(発明の目的)本発明は前記課題に着目してなされたものであり、その目的とするところは硬度可変の内視鏡と他機種とで使え分ける場合、術者にとって挿入性の違和感を極力なくすようにできる内視鏡システムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、軟性部の硬度を調節する硬度調節機構を備えた第1の内視鏡と、この第1の内視鏡の使用対象と使用対象を同じくする第2の内視鏡とを少なくとも有する内視鏡システムにおいて、第1の内視鏡における軟性部の硬度の調節範囲内に、前記第2の内視鏡の軟性部の硬度が含まれるように構成したものである。
【0009】通常、硬度調節機構の硬度可変手段が付加されることで、軟性部の軟状態でも硬くなる傾向を考慮したうえで、同システム内で、硬度可変手段を有する内視鏡の硬度調整範囲内に、他機種の軟性部硬度が含まれるように、各機種の挿入部における各構成要素のサイズ、材質などの仕様を設定する。そうすることで、硬度可変機能を用いることで、ニーズに応じて他機種と異なる硬度も実現できるし、また、術者にとって使い慣れた機種と親近性のある硬度の関係を実現する。
【0010】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]図1乃至図5及び図7を参照して、本発明の第1実施形態を説明する。
(構成)図1は、第1実施形態に係る内視鏡システム1の概略的な構成を示す。内視鏡システム1は電子式の第1の内視鏡2と、第2の内視鏡102の他に内視鏡用光源装置3、信号処理装置4、及びカラーモニタ5が備えられている。
【0011】第1の内視鏡2は挿入部6、操作部7及びユニバーサルコード8を備えてなり、ユニバーサルコード8の延出先端には前記内視鏡用光源装置3に接続するためのコネクタ9が設けられている。挿入部6は前記操作部7に接続され、その接続端には折止め部材10が設けられている。挿入部6はその先端側から順に連結された先端部11、湾曲部12、及び軟性部13の部分を備えてなり、この内部にはライトガイド14やその他の内蔵物が内挿されている。ライトガイド14はその挿入部6、操作部7、及びユニバーサルコード8の各内部を通じて先端部11からコネクタ9のライトガイドコネクタ部15にわたり配置されている。
【0012】挿入部6の先端部11には対物レンズ18と電荷結合素子(CCD)等の撮像素子19を有する撮像部20が設けられている。撮像部20の撮像素子19には信号ケーブル21が接続されている。信号ケーブル21は挿入部6、操作部7、及びユニバーサルコード8の各内部を通じて前記ライトガイドコネクタ部15にある電気的接続用コネクタ22に接続されている。この電気的接続用コネクタ22には前記信号処理装置4に通じる外部ケーブル23が接続されている。
【0013】前記信号処理装置4にはドライブ回路24及び信号処理回路25が内蔵され、このドライブ回路24及び信号処理回路25は前記外部ケーブル23及び信号ケーブル21を通じて前記撮像部20を駆動すると共に、その撮像信号を処理して映像信号を生成し、カラーモニタ5に出力するようになっている。
【0014】前記挿入部6の湾曲部12はその軸方向に配置した複数の湾曲駒26を有してなり、各湾曲駒26は隣接する端部が枢着され、湾曲部12を全体として湾曲するように構成する。最先端の湾曲駒26には左右または上下に位置して一対の湾曲操作ワイヤ27の先端が取着され、湾曲操作ワイヤ27の後端側はスプロケット28に巻き掛けられた牽引ワイヤ29に接続されている。そして、湾曲操作ノブ30によりスプロケット28を回転操作することにより湾曲操作ワイヤ27を押し引きして前記湾曲部12を全体として牽引する向きに湾曲するようになっている。
【0015】前記操作部7の把持部31には処置具挿入口32が設けられ、この処置具挿入口32は処置具挿通用チャンネル33に接続されている。この処置具挿通用チャンネル33は前記挿入部6の先端部11において開口している。
【0016】この第1の内視鏡2はその挿入部6の軟性部13の硬度が調節可能に構成されている。この硬度調節機構を以下に説明する。すなわち、第1の内視鏡2において、例えば、折止め部材10に隣接する操作部7の前端部分には硬度調整操作(或いは可撓性調整操作)を行う、操作部材として、円筒形状の硬度調整ノブ(或いは可撓性調整ノブ)34が回転可能に設けられている。そして、この硬度調整ノブ34を回動する操作を行うことにより、前記軟性部13内に配置された硬度可変手段(或いは可撓性可変手段)を形成する硬度変更用ワイヤ(以下、単にワイヤと略記)35及び硬度変更用コイル(以下、単にコイルと略記することがある。)36を介して、軟性部13の硬度(或いは可撓性)の度合を変更できるようになっている。
【0017】図2は第1の内視鏡2のより具体的な構造を示す。挿入部6の軟性部13の外皮を形成する軟性管37の中には前述した硬度変更用ワイヤ35及び硬度変更用コイル36が配置されている。硬度変更用コイル36は単条または複数条の密巻きのものであり、この硬度変更用コイル36内には硬度変更用ワイヤ35が挿通されている。硬度変更用ワイヤ35は前記硬度調整ノブ34を操作した場合の力を圧縮力としてコイル36に印加するものである。
【0018】湾曲部12の後端部分と軟性部13の前端部分とは硬性の接続管38で接続されている。この接続管38は湾曲部12の最後端の湾曲駒26に固着され、或いは最後端の湾曲駒26自体がその接続管38の機能を兼ねるように構成しても良い。この接続管38を含む湾曲駒26はゴムチューブ等の弾性を有する外皮39で覆われている。
【0019】接続管38には前記硬度変更用コイル36の先端から突出するワイヤ35の先端がろう付け等で強固に固定されている。また、ワイヤ35の先端より少し後方となる途中位置にはコイル36の先端がその挿通したワイヤ35の部分に対してろう付け等で強固に固定されている。一方、このコイル36の手元側端部は操作部7の前端部内に配置したコイルストッパ40に突き当たって、その位置でろう、半田、接着剤等で固着しており、この位置より後方側への移動と回転が規制(阻止)されている。コイル36内に挿通されたワイヤ35はこのコイルストッパ40に形成された孔部分を貫通して後方側に延出されている。そして、ワイヤ35はコイル36内を摺動することによりそのコイル36に対して前後に移動自在なように組み付けられている。なお、コイル36は大きくは回転しない状態に取り付けられている。
【0020】前記コイルストッパ40は、軟性管37の後端を操作部7に固定する後端口金41にビス42で固定されている。後端口金41はその外周に配置した円筒管43の前端部付近でビス42,ナット44で締付け固定されている。
【0021】一方、ワイヤ35の手元側末端部、つまり後端には鍔状のワイヤストッパ45がろう付け等で強固に固定されている。また、コイルストッパ40とワイヤストッパ45の間には、前後方向に移動可能な牽引部材46が配置され、この牽引部材46は溝48(或いは孔)を有しており、この溝48内に前記ワイヤ35を通すようにして、把持部31内に同軸的に配置された円管状の移動リング47に固定されている。つまり、図3(B)に示すように、半径方向にワイヤ35を通す溝48を形成した牽引部材46は円管状の移動リング47の内周面にビス49によって固定されている。
【0022】この移動リング47は把持部31内に固定された円筒管43の内側において、その内周面に沿って軸方向(前後方向)に摺動しながら移動可能である。従って、この移動リング47の移動と共に、牽引部材46が後方側へ移動すると、図2の2点鎖線で示すように、その牽引部材46はワイヤストッパ45に突き当たることになる。さらに牽引部材46を後方側に移動させる操作を行うことにより、ワイヤストッパ45もさらに後方側へ移動されることになる。
【0023】ワイヤストッパ45が後方側に移動されない状態では、コイルストッパ40により後方側への移動が規制されたコイル36は軟性部13の硬度が最も高い状態、つまり軟性部13が最も屈曲し易い、硬度が低い軟状態にある。これに対し、ワイヤストッパ45が後方側に移動して、ワイヤ35の後端も同時に後方側に移動すると、固定的なコイルストッパ40はコイル36を相対的に前方側へ押し付ける圧縮力が作用する。
【0024】つまり、ワイヤ35の後端を後方側に移動させる力を加えることにより、コイル36に圧縮力を与えることになり、この圧縮力により、弾性を有するコイル36の可撓性を低い状態、つまり屈曲しにくい硬度(より正確には屈曲に対する硬度)が高い、硬い状態に設定できるようになる。この場合、牽引部材46の後方側への移動量に応じて、コイル35への圧縮力の大きさを変更でき、従って、その軟性部13の可撓性の大きさ(硬度の大きさ)を変更できるようになる。
【0025】次に、前記ワイヤストッパ45の移動操作機構について説明する。円筒管43の外側にはカム筒体51が被さっている。この円筒管43に被嵌したカム筒体51の筒体部分には2本のカム溝52a、52bが180度の位相差をもって螺旋状に設けられている。つまり2本のカム溝52a、52bは互いに対向して対称的に設けられている。また、円筒管43にもその長手軸方向に沿って平行な2本の長孔53が設けられている。この2本の長孔53も互いに対向して対称的に設けられている。移動リング47には、ビス部で固定された2つのピン54が設けられ、各ピン54はその移動リング47と共に一体的に移動するようになっている。各ピン54は各別にそれぞれ対応した、円筒管43の長孔53と、カム筒体51のカム溝52a、52bに嵌まり込んで係合している。長孔53はワイヤ35の後端、或いはワイヤストッパ45の移動範囲(図2の符号E)をカバーする領域と長さに設定されている。
【0026】カム筒体51の外側には前述した硬度調整ノブ34が設けられ、その周方向の複数ケ所に設けたピン55によって両者は固定的に連結されている。つまり、硬度調整ノブ34にはピン孔が形成され、このピン孔にはその内側のカム筒体51に届くピン55が嵌入されて固定され、ピン孔は充填剤56で塞がれている。
【0027】硬度調整ノブ34はその前端が円環形状の当接部材57に突き当たり、前方ヘの移動が規制されている。この当接部材57は円筒管43の前端付近の外側に配置され、前記折止め部材10の後端を支持する支持部材58の外周にビス59で固定されている。
【0028】また、硬度調整ノブ34の後端側ではカム筒体51の外周面に把持部筒体61の前端の内周面が嵌合し、かつこの把持部筒体61の前端の外周面は硬度調整ノブ34の後端の切り欠いた内周面に嵌合している。つまり、硬度調整ノブ34は前後方向への移動が規制された状態で(円筒管43の周りで)回動自在であり、カム筒体51を介して円筒管43の外周面に嵌合するように配置されている。このように硬度調整ノブ34はその軸回りで回転操作可能であるが、前記当接部材57は回転しないようにビス59で固定されている。
【0029】図4(A)はカム筒体51のカム溝52a、52bの形状を示す。これらのカム溝52a、52bは2条カムを形成し、その一方のカム溝を52a、もう一方のカム溝を52bで示している。前述したように、カム溝52aとカム溝52bは同じ形をしていてカム筒体51の軸に対して一方を180度回転した位置に他方が重なるような対称となる位置にそれぞれ設けられている。尚、図4(A)で示すもののカム溝52a、52bは単純な滑らかな溝形状(滑らかな螺旋形状)をしている。また、図4(A)に示す構造の代わりに、図4(B)に示すように、例えばカム溝52bの途中に凹部64aがあったり、カム溝52bの端部に凹部64bが設けられている構造にして、これらの位置にピン54が設定された場合に操作者にクリック感を与えるようにしても良い。
【0030】以上のような硬度調節機構を設けたことにより一般的には挿入部6の硬度は高まるが、この実施形態の第1の内視鏡2においては以下のような方策によりその挿入部6の硬度が硬くならないようにしている。挿入部6が硬くならない構成の例としては軟性部13の外周部を構成する軟性管37の外皮樹脂を硬度の軟らかいものを用いたり、軟性管37の肉厚を薄くして、従来の軟性管より軟らかくする。もちろん、外皮樹脂の内側の編状管や螺旋管を軟らかい材質にしてもよい。
【0031】また、処置具挿通用チャンネル33を形成するチューブ材を従来のものより軟らかい材質のものにする。例えば、従来はテフロン(登録商標)等の弗素系樹脂の単層チューブであったものを、内側部分はテフロンの極薄チューブで外側部分を多孔質エラストマーにした2層チューブを用いる。また、硬度変更用コイル36は素線径が0.45〜0.7mmで、外径が2.0mm〜2.5mmにし、細くして軟性部13の可撓性に及ぼす影響を小さく抑える。硬度変更用ワイヤ35も外径が0.8mm〜1.3mmの撚線ワイヤにし、柔軟かつ高強度にする。また、従来のものより処置具チャンネル用チューブの径や他の内蔵物の径のサイズを細くし(ある程度性能が低下するが)、その代わりに硬度可変手段を内蔵することで、内蔵物の合計として硬くなるのを防ぎ、軟性部13の外径を従来と同等もしくはそれ以下にして硬くなることを防止する。
【0032】一方、図2に示すように、操作部7の把持部31に隣接する前方位置には前記処置具挿入口32を形成する挿入口枠体65が設けられている。この挿入口枠体65は操作部7の内部において、前記処置具挿入口32側の部分とユニバーサルコード8内に挿通される吸引管路66側の部分とに分岐している分岐部材67に接続され、この分岐部材67の前端には挿入部6内に設けられた処置具挿通用チャンネル33の手元端部が接続部68により接続されている。
【0033】この分岐部材67はビスにより円筒管43に固定されている。この円筒管43はその後端がビスにより操作部7の湾曲操作機構等が取り付けられる枠体60に接続されている。この円筒管43は操作部7に対して固定的であり、硬度調整ノブ34側が回転されても回転しない構造となっている。
【0034】図3(A)に示すように、挿入部6内には様々の内蔵物が配置されている。つまり、上下、左右に対応する位置に配置された4本の湾曲操作ワイヤ27、中央付近に配置された2本の信号ケーブル21、中央の上部寄りに配置された2本のライトガイド14、下寄りに配置された処置具挿通用チャンネル33、左寄りに配置されたコイル36及びワイヤ35、これに隣接して、配置された送気を行うための送気チューブ69及び送水するための送水チューブ70等が内蔵されている。また、操作部7内にも図3(B)に示すような内蔵物が配置されている。この内蔵物は図3(A)と同じである(配置は異なることがある。)。
【0035】以上の第1の内視鏡2は挿入部6の軟性部13の硬度を調整する機能が備えられたものあるが、他方の第2の内視鏡102はそのような硬度調整機能がなく、従来からよくある通常の内視鏡と同様なものである。硬度調整機能がない点を除くと、第1の内視鏡2と同様な構成のものである。一応、第2の内視鏡102を概略的に説明すると、次の通りである。
【0036】すなわち、第2の内視鏡102は挿入部106、操作部107及びユニバーサルコード108を備える。ユニバーサルコード108の延出先端には前記内視鏡用光源装置3に接続するためのコネクタ109が設けられている。挿入部106は前記操作部107に接続され、その接続端には折止め部材110が設けられている。挿入部106はその先端側から順に連結された先端部111、湾曲部112、及び軟性部113の部分を備え、この内部にはライトガイドやその他の内蔵物が内挿されている。操作部107には湾曲操作ノブ139、把持部131や処置具挿入口132などが設けられている。ユニバーサルコード108のコネクタ109にはライトガイドコネクタ部115や電気的接続用コネクタ122が設けられている。電気的接続用コネクタ122には前記信号処理装置4に通じる外部ケーブル23が接続されるようになっている。
【0037】次に、本発明の特徴的な事項について説明する。図5は硬度調節機構付きの第1の内視鏡2と硬度調節機構無しの第2の内視鏡102の挿入部6、106における軟性部13、113の、その先端からの長さに対する硬度、つまり硬度バランス特性を示すグラフである。第1の内視鏡2の挿入部6における軟性部13を最も柔らかく調整した状態での硬度バランス特性を符号81aで示し、軟性部13を最も硬く調整した状態での硬度バランス特性を符号81bで示す。
【0038】第2の内視鏡102における軟性部113の硬度バランス特性を符号82で示す。第2の内視鏡102の硬度バランス特性は調節できず、常に定まった値のものである。これらの硬度バランス特性81a,81b、82はいずれも先端側部分が手元側の部分よりも軟らかい硬さ特性を呈する。また、第1の内視鏡2の挿入部6における軟性部13を最も柔らかく調整した状態での硬度バランス特性81aは硬度調節機構無しの第2の内視鏡102の硬度レベルと全長にわたりほぼ同じである。前記コイル36の先端は30cm付近に位置するので、最も硬くした状態での硬度バランス特性81bを示す破線が始まるのはその30cm付近からとなる。
【0039】尚、本実施形態ではコイル36の先端が30cm付近に位置するようにしたが、本発明はそれ以外の場合であっても良い。例えば20cm〜40cmなどであってもよい。
【0040】(作用)図7を参照して、第1の内視鏡2と第2の内視鏡102による、大腸内の挿入方法の例を示す。まず、第1の内視鏡2を用いたときの挿入方法について説明する。最初は軟性部13を軟状態のまま図7(A)のように曲がりくねったS状結腸92、下行結腸93を通過させ、挿入部6の先端部11を脾湾曲94の付近まで到達させる。そこで、軟性部13を捻りながら引くようにして略直線化する。それに伴い図7(B)のようにS状結腸92の曲がりくねった部分が折り畳まれるように短縮し、略直線状態になる。ここで、硬度調整ノブ34を回転操作させて硬度調節機構のコイル36の部分を硬状態にして挿入部6を押し込み、挿入を行うと、図7(C)のようにS状結腸92、横行結腸95の部分に、図7(A)の如くの大きく撓むことがない状態で、通過させることができ、軟性部13の手元側からの操作力を、その先端側に伝わらせながらスムーズに大腸の深部へ挿入していくことができる。
【0041】次に、第2の内視鏡102を用いた挿入方法について説明する。最初は第1の内視鏡2の場合と同様に脾湾曲94の部分付近まで到達させた後、軟性部13を捻りながら引くような操作を行い、S状結腸92を畳み込み、短縮した状態にする。その後、図7(C)のような深部までの挿入を行うが、そのとき、S状結腸92、横行結腸95ができるだけ図7(A)の如くの状態に撓んでしまわないように注意しながら挿入する。しかし、この第2の内視鏡102はその軟性部113を硬質化する機能がないので、患者の個体差や術者のテクニックの上達度等、場合よっては第2の内視鏡102では、図7(A)の如く形状に、S字結腸92、横行結腸95が撓んでしまう可能性があり、挿入しにくいことが起こり得ることもある。
【0042】ところで、第1の内視鏡2と第2の内視鏡102とでは前述した如く、硬度調整機能の有無の差だけではなく、例えば、通常画質と高画質の違いがあったり、通常処置具チャンネルサイズと、大きな処置具チャンネルサイズのものであったりと、その他の性能(機能)が異なっている場合が考えられる。そのことにより、同じ術者がある患者に対しては第1の内視鏡2を用い、また違った患者に対しては第2の内視鏡102を用いたりと内視鏡2、102を使い分けたりする必要が生じてくる場合が考えられる。あるいは1日の検査数が増えて検査の能率化のために内視鏡システム1で使用可能な内視鏡を、第1の内視鏡2と第2の内視鏡102の2本を用意する必要が生じ、ある患者に第1の内視鏡2を使用したら、それを洗浄消毒している間に違う患者には第2の内視鏡102を使用するなども考えられる。それらの場合、最初に従来からある第2の内視鏡102のみを購入して、しばらくしてから新しく発売された第1の内視鏡2を購入、又はその逆の順などの状況が考えられる。
【0043】以上のような状況からして、今後は、同じユーザーが、第1の内視鏡2と第2の内視鏡102といった機能の違った複数の内視鏡を共に使用する機会は数多くなると考えられる。
【0044】図5で実線で示す如く、第1の内視鏡2の硬度バランス特性81aと、第2の内視鏡102の硬度バランス特性82がほぼ同じ場合には違和感なく使い分けることができる。しかし、仮に、第1の内視鏡2の硬度バランス特性の調整領域、つまり実線81aと破線81bの間の範囲から第2の内視鏡102の硬度バランス特性82が明らかに大きく外れている場合、例えば、第1の内視鏡2の軟状態での硬度バランス特性81aが第2の内視鏡102の硬度バランス特性82よりも明らかに硬い場合、すでに第2の内視鏡102(硬度バランス特性82)を使い慣れた術者にとっては、新たに内視鏡2を入手して、その内視鏡2を使おうとしても、その術者にとって、その内視鏡2はそれまで経験のない硬い内視鏡となる可能性がある。使い慣れた内視鏡より硬い挿入部を有する内視鏡は術者がよほど注意して患者に挿入しないと、患者に大きな苦痛を与えたり、仮に麻酔をしていても、患者の大腸にダメージを与える可能性が増す。
【0045】しかし、本実施形態では図5で示す如く、第1の内視鏡2の軟状態での硬度バランス特性81aと第2の内視鏡102の硬度バランス特性82はほぼ同じ硬さレベルであり、第2の内視鏡102を使い慣れた術者は違和感なく、新しい第1の内視鏡2の軟状態を使いこなせる。そのうちに、新しい第1の内視鏡2の硬度バランス特性を少しづつ硬状態に調整するなどして、硬状態に慣れていくことができる。その過程で、仮に硬状態で挿入がうまくいかなくなる場合が生じたら、使い慣れた軟状態の設定に戻せばよく、直ちに使い慣れた第2の内視鏡102と同様の硬度バランス特性にすることができるので、術者にとっては安心して新たな第1の内視鏡2を使用できる。
【0046】逆に、先に第1の内視鏡2のものを使い慣れた術者が、後から新たに第2の内視鏡102を使おうとする場合、第1の内視鏡2を使い慣れた術者は軟状態から硬状態に至る範囲での硬度バランス特性の硬さの経験があるため、新しい第2の内視鏡102を違和感がなく使いこなすことができる。例えば図5の硬度バランス特性82なら軟状態の硬度バランス特性81aと同様であるから違和感がなく使いこなすことが可能である。
【0047】第2の内視鏡102の硬度バランス特性82(軟性部を硬くした機種を具備した場合)が、仮に第1の内視鏡2の最も硬い状態の硬度バランス特性81bよりも明らかに硬いと、第1の内視鏡2を使い慣れた術者でもその硬度バランス特性82は未知の硬さであり、前述したのと同様、患者へ大きな苦痛を与えやすくなったり、患者の大腸に損傷を与える可能性が増したりする。従って、第1の内視鏡2の軟状態から硬状態に至る範囲での硬度バランス特性の硬さの設定や、第2の内視鏡102の硬度バランス特性の硬さ特性にはそのような事態が起きないように注意をすべきである。
【0048】また、軟性部13の硬さは特に軟性部13の先端位置から硬度変更用コイル36の先端部付近の硬さが重要である。それは軟性部13の中では先端側から順に生体に対して作用していくためであり、特に硬度変更コイル36の先端付近は術者が意図的に硬さが変えられる部位の最初であるため、そのあたり(本実施形態では30cm付近)の硬さが術者にとってどれだけ親近性があるものであるかが重要である。
【0049】ところで、図5で示す如く、軟性部13、113の先端より40cmの位置から50cm付近の硬度バランス特性82は同部位の硬度バランス特性81aよりも明らかに軟らかい(硬度バランス特性81a,81bの軟状態から硬状態に至る範囲の外)ようでもあるが、ここで重要なのは30cm付近より前方の部位での硬度バランス特性であり、ここでは軟状態での硬度バランス特性81aと硬状態の硬度バランス特性81bの範囲内(軟状態の硬度バランス特性81aとほぼ同じといってよい。)にあるので、上述した術者にとって使用上の親近性という効果は十分に得られる。
【0050】また、第1の内視鏡2の硬度可変機能によってその硬度バランス特性を調整し、硬度バランス特性の値を選択できる。この場合、硬度調整ノブ34で回転操作して調整後、その硬度調整ノブ34から手を離してもその調整位置に保持(ロック)されることが望ましい。この場合、硬度調整ノブ34を回転操作したとき、例えば図2において示される各回転摺接部の摺動摩擦により硬度調整ノブ34を任意の位置に保持するようにしてもよいし、図示しないロックレバーやノブにより操作するようにしたロック機構で保持するようにしてもよい。また、図4(b)で示すようにカム溝52a、52bに設けた凹部64aにピン54を係合させて、そこに止めるようにしてもよく、このようにすると、術者はクリック感が得られて硬度バランス特性82と同じレベルの硬度になったことが分かりやすい。
【0051】尚、本実施形態では第2の内視鏡102の硬度バランス特性82が、第1の内視鏡2の軟状態での硬度バランス特性81aとほぼ同様の硬さレベルとした場合である例を説明したが、その硬度バランス特性82が、硬状態の硬度バランス特性81bとほぼ同様の硬さの場合でもよく、この場合にも術者にとっての2機種の使用上の感触として親近感が同様に得られる。
【0052】(効果)第1実施形態の内視鏡システムによれば、硬度可変機能のある内視鏡と、その機能のない内視鏡を、術者が親近感をもってそれらを使用することができる。また、硬度調節機構を設けたことにより挿入部6の硬度が硬くならないように前記方策の構成を施すので、硬度可変機能を設けないものに比べて挿入部6の硬度が硬くならない。
【0053】[第2実施形態]図6を参照して、本発明の第2実施形態を説明する。
(構成)この実施形態の内視鏡システムにおいては、第2の内視鏡102の硬度バランス特性82の値が、第1の内視鏡2の軟状態での硬度バランス特性81aと、硬状態での硬度バランス特性81bの略中間の値に設定したものである。その他は前述した第1実施形態のものと同様である。
【0054】また、第1の内視鏡2の硬度可変機能によってその硬度バランス特性を、第2の内視鏡102の硬度バランス特性82とほぼ同じ硬度レベルに調整する。このとき、硬度調整ノブ34から手を離してもその状態を保持(ロック)することも可能である。この場合、硬度調整ノブ34を回転操作したとき、例えば各回転摺接部の摺動摩擦により硬度調整ノブ34を任意の位置に保持するようにしてよいし、図4(b)のように、カム溝52a、52bに設けた凹部64aにピン54を係合させて、そこに止めると、第1の内視鏡2の硬度バランス特性が、第2の内視鏡102の硬度バランス特性82付近の硬度に保持できるように設定してもよい。この場合には術者は凹部64aでクリック感が得られて、第2の内視鏡102の硬度バランス特性82と同じレベルの硬度になったことが分かりやすい。
【0055】(作用)第2の内視鏡102(硬度バランス特性82)を使い慣れた術者が、第1の内視鏡2の硬度バランス特性81aを新たに使おうとする場合、その第1の内視鏡2の硬度バランス特性81aの軟状態では第2の内視鏡102の硬度バランス特性82よりも明らかに軟らかい。親近性はないものの、軟らかい分には、患者に対して大きな苦痛を与えにくいし、大腸へのダメージも与えにくい。従って、最初は軟らかすぎると感じて速やかに挿入ができないとしても、患者に対する安全性の上では特に問題がない。しかし、使い慣れた第2の内視鏡102の硬度バランス特性82と同様の硬度レベルにしたければ、硬度調整ノブ34の操作の調整で、軟性部13の先端から30cmから手元側部分は硬度バランス特性82に近い硬度バランス特性を再現できる。
【0056】第1の内視鏡2を、先に使い慣れた術者が、新たに第2の内視鏡102を使おうとする場合、その先端から20cm近傍は軟性部先端の硬さとしては未知の硬さであるため、最初はそれなりの注意を要するが、その先端から30cmから手元側は第1の内視鏡2で経験できる硬さの範囲内なので使う上での親近性がある。また、軟性部全体が親近性のない硬さの内視鏡に比べれば、かなり使いやすいはずである。
【0057】第1の内視鏡2の大腸への挿入方法として、前に図7で説明したように途中で硬さを変える場合以外にも、最初からその患者に適した硬さを選択して挿入する場合もある。すなわち、患者の大腸にはかなりの個体差があり、それが大腸挿入の難しさの大きな要因となっており、例えば同じS状結腸でもある患者は軟らかい挿入部でループを形成しながら挿入するのが適していたり、ある患者は硬い挿入部でできるだけループを作らずに挿入するのが適していたりする。
【0058】第2の内視鏡102はそのどちらにもそこそこ使えるような中間の硬さであるとすれば、それを使い慣れた術者にとっては第1の内視鏡2は第2の内視鏡102よりも軟らかい状態も硬い状態も実現できるので、あらゆる患者に対応できる良好な挿入性が得られる。
【0059】また、第1の内視鏡2を使い慣れた術者にとって、第2の内視鏡102は前記第1実施形態では最軟状態(または最硬状態)のような極端な硬さと同等であったが、本実施形態では中間の硬さなので、どんな患者に対してもそこそこ対応でき得るものである。
【0060】(効果)この実施形態の内視鏡システムによれば、第1の内視鏡2と第2の内視鏡102はあらゆる患者の個体差に対応できることが考慮されたラインナップであり、使い易いものである。
【0061】[第3実施形態]図8及び図9を参照して、本発明の第3実施形態を説明する。
(構成)本実施形態の特徴は図9に示す如く、第1の内視鏡2の軟性部13の硬状態での硬度バランス特性81aが、その軟性部13の先端より90cmの位置付近から手元側の部分の硬度が軟らかくなっていることである。このような傾向は軟状態から硬状態の全ての範囲において調節される、いずれの硬度バランス特性においても同様に設定される。このようにする手段の1つは軟性部13の軟性管37の少なくとも一部が樹脂で構成されているとすれば、その樹脂の組成を90cm付近から異なる組成にして軟らかくなるように成形するなど、軟性管37の材質の特性を変化させたり、その他、コイル36の特性に変化を付けるなど、軟性管37の内蔵物を工夫したりすることが考えられる。
【0062】前記コイル36の構成部分を工夫する例として、図8で示す如く、コイル36を、先端側コイル部36aと基端側コイル部36bに分ける等、複数のコイル部を途中でつないだ構造とする。そして、図8(A)のものではコイル内径が略同一でコイル外径の異なる複数のコイル部36a,36bを繋いだ例であり、図8(B)のものではコイル内外径は略同一だが、素線断面形状が全く異なる(先端コイル部36aは矩形に近い形状であり、基端コイル部36bは丸形)ものとした例である。
【0063】また、本実施形態では第1の内視鏡2の硬状態での硬度バランス特性81bが、軟性部13の先端より100cm付近の位置から手元側の部分では、第2の内視鏡102の硬度バランス特性82の手元側硬度とほぼ似たような硬度としたものである。なお、本実施形態の軟性部13では先端より90cmから100cmにかけて少しずつ軟らかくしているが、急激に軟らかくなるようにしてもよい。その他は前述した第1実施形態のものと同様である。
【0064】(作用)大腸への内視鏡挿入時には挿入部6の軟性部13を捻る場合があるが、本実施形態では、軟性部13の手元側部分を軟らかくすると(図9の硬度バランス特性81aの実線)、その軟性部13を把持して捻ったときに(例えば50cm〜900cmを把持していたとして)、その把持したところより手元側部分において捻った量に対応したループが形成されやすくなる。つまり、捻り操作の力量が軽くなり、術者にとって楽に捻り操作ができるようになる。
【0065】前述した図6で示すような硬度バランス特性の場合、硬状態にすると、その硬度バランス特性81bが手元側において硬度バランス特性82よりかなり硬くなるので、捻り操作が硬度バランス特性82に比べてかなり重くなる。しかし、本実施形態では硬度バランス特性を硬状態の硬度バランス特性81bにしてもその先端から100cm付近から始まる手元側部分は硬度バランス特性82の手元側部分と同様の硬さなので、捻り操作性は硬度バランス特性82と同様によい。
【0066】また、図8で示すような構造においては図8(A)(B)の両方とも、曲げたときの素線どうしの接触点が、コイル36bがコイル36aより中心軸に近いので、コイル36aよりもコイル36bの方が硬状態で、あまり硬くならない。
【0067】その場合、硬度バランス特性81の軟状態の硬度は図9の2点鎖線で示すごとくであるが、硬状態では100cm付近からはそれほど硬くならない。第2の内視鏡102の軟性部113の硬度バランス特性82も90cm付近から手元側を軟らかくすることも考えられるが、大腸深部の挿入時に軟性部113を90cm以上、生体内に入れた場合に、手元側の軟性部が生体内で撓みやすく、手元操作が先端に伝わりにくくなる可能性がある。第1の内視鏡2の硬度バランス特性を硬状態にすれば、手元の軟性部分も、前記硬度バランス特性82の手元側硬度並になるので、深部挿入時にその硬度バランス特性82より撓みやすくなることは防げる。コイル36の位置が、硬度バランス特性の調整領域の手元軟性部分より前方にあればその効果は出せる。
【0068】(効果)この第3実施形態の内視鏡システムによれば、硬状態にしても軟性部の捻り操作性が悪くならない。
【0069】[第4実施形態]図10及び図11を参照して、本発明の第4実施形態を説明する。
(構成)本実施形態の内視鏡システムでは、さらに様々な機種の内視鏡の関係を説明する。図10で示す如く、この内視鏡システム1にあっては前記第1の内視鏡2の他に内視鏡202、302、402があり(もっと多くあってもよい)、多数の機種を有する場合の例である。
【0070】各内視鏡202、302、402はいずれも挿入部206、306、406、操作部207、307、407、及びユニバーサルコード208、308、408を備える。各ユニバーサルコード208、308、408の延出先端には前記内視鏡用光源装置3に接続するためのコネクタ209、309、409が設けられている。各コネクタ209、309、409にはそれぞれライトガイドコネクタ部215、315、415や電気的接続用コネクタ222、322、422が設けられている。各挿入部206、306、406はそれぞれの操作部207、307、407に接続され、それらの接続端には折止め部材210、310、410が設けられている。各操作部207、307、407にはそれぞれ湾曲操作ノブ230、330、430や処置具挿入口232、332、432などが設けられている。さらに、挿入部206、306、406はいずれも先端部211、311、411、湾曲部212、312、412、及び軟性部213、313、413を備える。
【0071】そして、各々の内視鏡2、202、302、402における軟性部13、213、313、413の硬度バランス特性を図11において、符号81〜84で示す。ここで、内視鏡202は挿入部206が比較的短く、軟性部213の全長が比較的軟らかく、その内視鏡202の硬度バランス特性82は第1の内視鏡2の軟状態での硬度バランス特性81aの先端側部分のものとほぼ同じか、やや硬いぐらいである。また、内視鏡302の挿入部306は比較的細径であり、その硬度バランス特性83は全体的に前記内視鏡2の軟状態での硬度バランス特性81aのとほぼ同じ硬さである。また、内視鏡402の挿入部406は、前記内視鏡302の挿入部306より太径であり、その硬度バランス特性84は前記内視鏡2の硬状態(30cmより手元側)の硬度バランス特性81bとほぼ同じ硬さである。
【0072】(作用)内視鏡202、302、402を使い慣れた術者にとって、後から新たな内視鏡2を入手して、これを使おうとする場合、その新たな内視鏡2の軟状態での硬度バランス特性81aは内視鏡302の硬度バランス特性83とほぼ同じだし、硬状態での硬度バランス特性81bは内視鏡402の硬度バランス特性84とほぼ同じなので、術者にとって、軟状態の硬度バランス特性81a、硬状態の硬度バランス特性81bともに違和感無く使いやすいものである。また、内視鏡202の硬度バランス特性82に対しても、軟状態での硬度バランス特性81a先端側軟性部(35cm近傍より先端側部分)は内視鏡202の硬度バランス特性82より軟らかいので、患者に対して安全なものである。
【0073】一方、内視鏡2を使い慣れた術者が後から内視鏡202、302、402を新たに使う場合、その硬度バランス特性の軟状態から硬状態に至る硬さの感じを把握していれば、いずれもほとんど違和感少なく使うことが可能である。
【0074】このように、内視鏡2の硬度バランス特性が他の複数機種の軟性部の硬度と似たような硬度を再現できうる場合、硬度調整ノブ34の外表面に硬度レベルを表す指標を設け、ある指標に硬度調整ノブ34を合わせて調整するようにすると、その調整が容易である。ある機種のものと似た硬度になる指標を選べば、術者にとって、他機種との関連がわかりやすいだけではなく、その硬度の選択及び調整がし易い。
【0075】本実施形態の内視鏡システムでは内視鏡2の硬度バランス特性の最軟状態と最硬状態が他の機種の内視鏡302、402の硬度バランス特性83、84に対応しているので、その硬度バランス特性83、84が、硬度バランス特性の軟状態と硬状態の中間位置にあるより、術者にとって更にわかりやすい(硬度調整ノブ34の回転操作の限界が硬度バランス特性83、84になるため、指標を見なくても硬度バランス特性83、84の硬さレベルを認識できる)。
【0076】また、硬度バランス特性83、84の両方が内視鏡2の硬度バランス特性の軟状態から硬状態の中間位置である場合(もちろん硬度バランス特性83より硬度バランス特性84は明らかに硬い)、硬度調整ノブ34を任意の位置で保持することができ、特にロック可能であれば、硬度バランス特性83、84と似た硬度バランス特性を再現した状態を維持して容易に使用することができる。
【0077】従来、患者の大腸の個体差に対応して異なる硬さの内視鏡を用いたり、また、同じ内視鏡システムを複数の術者が使う場合、術者の挿入手技の違い(好みの違い)で異なる硬さの内視鏡が用いられることがあったが、内視鏡2の硬度調整範囲がそれら同じ内視鏡システムの異なる硬さの複数機種の硬度を含むことで、硬度調整機能が内視鏡システム全体の中で十分に活用されることになる。
【0078】(効果)これまでの実施形態の内視鏡システムのものより、更に多くの機種と、硬度可変機能付きの内視鏡との間に親近感を持たせたので、使い勝手がより向上した。
【0079】[第5実施形態]図12を参照して、本発明の第5実施形態を説明する。
(構成)本実施形態は内視鏡システムの中に、硬度可変機能を有する機種が複数あった場合の例である。その一方の内視鏡の硬度バランス特性81a,81bと他方の内視鏡の硬度バランス特性85a,85bを図12に実線、破線で示す。また、各内視鏡においての硬状態と軟状態の硬度バランス特性の幅は互いに一部が重なるようになっている。
【0080】(作用)一部の硬さレベルが異なることで、一方を使い慣れた術者が他方を使うときに、共通の硬さ領域があることで親近性を持つことができる。また、重ならない部分があることで、一方では網羅できない硬さ領域を他方で網羅できるので、2つ合わせると非常に広範囲の硬さ領域を術者が必要に応じて用いることができる。一方の不慣れな硬さ領域で仮に挿入にとまどう場面が生じたら、他方と共通する親近性のある硬さ領域にして対処することが可能である。
【0081】(効果)この実施形態の内視鏡システムによれば、複数の硬度可変内視鏡の間で、親近性を持たせられると同時に、1つの硬度可変内視鏡よりも更に広範囲な硬さ領域を実現できる。
【0082】[追記]これまで説明した実施形態のものではコイルとワイヤによる硬度可変手段を述べたが、例えば形状記憶合金を用いたり、流体圧を利用したり、あるいは同じコイルでも他の内蔵物を囲むような大きなコイルを用いたり、さらには他の様々な手段であってもよいことはもちろんである。
【0083】以下、本発明に関連する発明を列記する。各発明は適宜、組み合わせることが可能なものである。
<付記>[クレームA群]
(1)軟性部の硬度を調節する硬度調節機構を備えた第1の内視鏡と、この第1の内視鏡の使用対象と使用対象を同じくする第2の内視鏡とを少なくとも有する内視鏡システムにおいて、第1の内視鏡における軟性部の硬度の調節範囲内に、前記第2の内視鏡の軟性部の硬度が含まれるようにしたことを特徴とする内視鏡システム。
【0084】(2)前記(1)において、硬度調節可能な内視鏡の硬度を、他の内視鏡と略同等の硬度にロック可能にした。
(3)前記(1)において、硬度調節可能な内視鏡の最も軟らかい状態、または最も硬い状態が他の内視鏡の軟性部と略同等の硬度になるようにした。
(4)前記(1)において、硬度調節可能な内視鏡の最も軟らかい状態と最も硬い状態の中間に他の内視鏡の軟性部の硬度が位置するようにした。
(5)前記(1)において、硬度調節可能な内視鏡の硬度調節範囲内に、軟性部の硬度が異なる複数の内視鏡の軟性部における硬度が含まれるようにした。
(6)前記(1)において、複数の硬度調節可能な内視鏡の各々の硬度調節範囲が、一部は重なり、一部は重ならないようにした。
【0085】[クレームB群]
(1)軟性部内に硬度可変手段を設けた内視鏡において、前記硬度可変手段により軟性部を硬質化したときに、軟性部の手元側の一部の硬質化した硬度が、それより先端側の硬質化した硬度より軟らかくなるようにしたことを特徴とする内視鏡。
(2)上記(1)において、軟性部の軟状態において、手元側の一部がそれより先端側より軟らかくなるようにした。
(3)前記(1)において、硬度可変手段を、手元側の硬度可変幅がそれより先端側の硬度可変幅より小さくなるように形成した。
【0086】(クレームB群についての従来の問題点)従来は、軟性部を硬質化すると、操作部に至るまで硬くなるので、操作部を回さずに挿入部だけを捻ろうとした場合、その捻り操作が重くなり、術者が疲れる可能性があった。
【0087】(クレームB群の目的)軟性部を硬質化しても、捻り操作が極力重くならないようにする。クレームB群は軟性部を硬質化しても、手元側は、それより先端側より硬質化レベルが小さくなるようにする。そうすることで、硬状態で挿入部を捻ったとき、手元側がそれより先端側より撓みやすくなるので、挿入部の捻り操作が重くなるのを極力防げる。
【0088】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、硬度可変の内視鏡と他機種とで使え分ける場合において、術者にとって挿入性の違和感を極力なくせて使え勝手がよい内視鏡システムを提供することができる。
【出願人】 【識別番号】000000376
【氏名又は名称】オリンパス光学工業株式会社
【出願日】 平成9年(1997)7月24日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦 (外4名)
【公開番号】 特開平11−42206
【公開日】 平成11年(1999)2月16日
【出願番号】 特願平9−198515