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【発明の名称】 前方視型細径内視鏡の先端部
【発明者】 【氏名】大原 健一

【氏名】岡田 慎介

【要約】 【課題】観察光学系収容穴と照明光学系収容穴を先端部本体に正確に形成することができ、且つ先端部本体に対する観察光学系及び照明光学系の接着を高い信頼性で行うことができる前方視型細径内視鏡の先端部を提供すること。

【解決手段】観察光学系収容穴55を先端部本体47の軸線方向に平行な円形の断面形状の穴により形成して、照明光学系収容穴56を、内側縁が観察光学系収容穴55の縁部の外側に沿い外側縁が先端部本体47の外周の内側に沿う曲がり長穴によって形成すると共に、先端部本体47の後端から全長の四分の一ないし二分の一の範囲を、観察光学系収容穴55と照明光学系収容穴56とが内部に開口する筒状に形成して、その筒状部47a内の空間に接着剤59を充填した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】挿入部の先端に連結された円柱状の先端部本体に、観察光学系収容穴と照明光学系収容穴とが形成された前方視型細径内視鏡の先端部において、上記観察光学系収容穴を上記先端部本体の軸線方向に平行な円形の断面形状の穴により形成して、上記照明光学系収容穴を、内側縁が上記観察光学系収容穴の縁部の外側に沿い外側縁が上記先端部本体の外周の内側に沿う曲がり長穴によって形成すると共に、上記先端部本体の後端から全長の四分の一ないし二分の一の範囲を、上記観察光学系収容穴と上記照明光学系収容穴とが内部に開口する筒状に形成して、その筒状部内の空間に接着剤を充填したことを特徴とする前方視型細径内視鏡の先端部。
【請求項2】上記筒状部内に観察光学系としてのイメージガイドファイバと照明光学系としてのライトガイドファイバが通っている請求項1記載の前方視型細径内視鏡の先端部。
【請求項3】上記筒状部が上記先端部本体の後端から全長の略三分の一の範囲に形成されている請求項1又は2記載の前方視型細径内視鏡の先端部。
【請求項4】上記挿入部に挿通されている内蔵物が観察光学系と照明光学系だけである請求項1、2又は3記載の前方視型細径内視鏡の先端部。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、前方視型細径内視鏡の先端部に関する。
【0002】
【従来の技術】前方視型内視鏡の挿入部の先端に連結された先端部本体には、観察光学系を収容するための観察光学系収容穴と照明光学系を収容するための照明光学系収容穴とが、軸線と平行方向に全長にわたって穿設されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、極細径の内視鏡の場合には、観察光学系収容穴及び照明光学系収容穴共に非常に細い穴になるので、先端部本体への加工の際に穴が途中で曲がったり変形することがあって加工が容易ではない。また、観察光学系や照明光学系と穴の内周面との接着も不完全なものになりがちで、接着による固定とシールの信頼性が低かった。
【0004】そこで本発明は、観察光学系収容穴と照明光学系収容穴を先端部本体に正確に形成することができ、且つ先端部本体に対する観察光学系及び照明光学系の接着を高い信頼性で行うことができる前方視型細径内視鏡の先端部を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するため、本発明の前方視型細径内視鏡の先端部は、挿入部の先端に連結された円柱状の先端部本体に、観察光学系収容穴と照明光学系収容穴とが形成された前方視型細径内視鏡の先端部において、上記観察光学系収容穴を上記先端部本体の軸線方向に平行な円形の断面形状の穴により形成して、上記照明光学系収容穴を、内側縁が上記観察光学系収容穴の縁部の外側に沿い外側縁が上記先端部本体の外周の内側に沿う曲がり長穴によって形成すると共に、上記先端部本体の後端から全長の四分の一ないし二分の一の範囲を、上記観察光学系収容穴と上記照明光学系収容穴とが内部に開口する筒状に形成して、その筒状部内の空間に接着剤を充填したことを特徴とする。
【0006】なお、上記筒状部内に観察光学系としてのイメージガイドファイバと照明光学系としてのライトガイドファイバが通っていてもよく、上記筒状部が上記先端部本体の後端から全長の略三分の一の範囲に形成されていてもよい。また、上記挿入部に挿通されている内蔵物が観察光学系と照明光学系だけであってもよい。
【0007】
【発明の実態の形態】図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図4は、親スコープの処置具挿通チャンネルに挿脱して使用される子スコープ40を示しており、操作部41の下端部に挿入部42の基端が連結されている。挿入部42の直径は例えば2mm程度であり、その長さ(有効長)は後述する外套シース20の全長より長く形成されている。43は接眼部、44は、図示されていない光源装置に接続されるライトガイドコネクタである。
【0008】図1は、子スコープ40の挿入部42の先端部分を示している。挿入部42は、全長にわたって可撓性チューブ46で外装されていて、その先端に先端部本体47が連結されている。
【0009】この子スコープは、図2にも示されるように、観察窓48と照明窓51とが先端部本体47の先端面に配置されて、先端部本体47の前方を観察するようにした前方視型の内視鏡であり、観察窓48の内側に配置された対物光学系49による被写体の結像位置にイメージガイドファイバ50の入射端面が配置されている。
【0010】照明窓51の内側には、プラスチック製のライトガイドファイバ52の射出端が配置されていて、その前面には、ライトガイドファイバ52から射出される照明光の配光を良くし且つファイバ端面を保護するためのガラス製のビーズ53が配置されている。
【0011】本発明の子スコープ40は、胆管等に挿入するためにガイドワイヤーを使う必要がないので、III−III断面を示す図3に示されるように、可撓性チューブ46の内部にはガイドワイヤーを通すためのチャンネルの類が設けられておらず、イメージガイドファイバ50とライトガイドファイバ52だけが通されている。
【0012】図1に戻って、先端部本体47は円柱状の金属(例えばステンレス鋼)を素材としていて、後半部は可撓性チューブ46の先端部分が被覆接着される分だけ外径寸法が細く形成されている。
【0013】そして、先端部本体47の後端から全長の略三分の一の範囲は、図3に示されるように外周部によって囲まれる肉厚の薄い円筒形の断面形状の筒状部47aに形成されている。
【0014】そして、先端部本体47の筒状部47aより先側の部分には、対物光学系49とイメージガイドファイバ50とによって構成される観察光学系が収容される観察光学系収容穴55と、ビーズ53とライトガイドファイバ52とによって構成される照明光学系が収容される照明光学系収容穴56とが先端部本体47の軸線と平行方向に形成されている。
【0015】観察光学系収容穴55は、後端が筒状部47a内に開口する断面形状が円形の穴であり、先側の半部内には対物光学系49が内蔵され、後側の半部にはイメージガイドファイバ50の入射端部が挿通固着されている。この観察光学系収容穴55は、先端部本体47の中心軸線に対して偏心して位置しており、その最も外側に寄った縁部が筒状部47aの内周面に接する位置にある。
【0016】照明光学系収容穴56は、内側縁が観察光学系収容穴55の縁部の外側に沿い外側縁が筒状部47aの内周面に沿う円弧状に曲がった形状の曲がり長穴であり、ライトガイドファイバ52の先端部分が挿通固着されてその先端部分にビーズ53が内蔵されていて、後端が筒状部47a内に開口している。
【0017】したがって、筒状部47a内にはイメージガイドファイバ50とライトガイドファイバ52が引き通されており、筒状部47aの空間内には接着剤59が充填されている。その結果、筒状部47a内においてイメージガイドファイバ50とライトガイドファイバ52が先端部本体47に対して確実に接着されている。
【0018】このように構成された前方視型細径内視鏡の先端部の先端部本体47は、微細な穴である観察光学系収容穴55と照明光学系収容穴56が形成されている部分が先側から全長の略三分の二の範囲と短いので、途中における穴の曲がりや変形が極めて小さくて正確に加工することができる。
【0019】また、接着剤59を確実に充填するだけの空間がある筒状部47aにおいて先端部本体47に対するイメージガイドファイバ50とライトガイドファイバ52の接着が行われているので、強固で信頼性の高い固定とシールが行われる。
【0020】図5は、子スコープ40を使用する前段階として、親スコープ10を介して胆管100内に造影剤注入チューブ30の先端を差し込んで、胆管100内に造影剤を注入する状態を示している。
【0021】親スコープ10は、側方視型のいわゆる十二指腸ファイバースコープあり、操作部11に可撓管状の挿入部12が連結されていて、操作部11からの遠隔操作によって屈曲自在な湾曲部13が挿入部12の先端部分に連結され、対物光学系等が内蔵された先端部本体14が湾曲部13の先端に連結されている。
【0022】処置具類を挿通するための処置具挿通チャンネルが挿入部12と湾曲部13の内部を通って配置されており、その処置具挿入口15は操作部11の下部に突設され、処置具出口16は先端部本体14の側面に開口形成されている。
【0023】造影剤注入チューブ30は処置具挿通チャンネル内に直接通されているのではなく、造影剤注入チューブ30の可撓性チューブ31部分が外套シース20に通され、造影剤注入チューブ30の基端部に設けられた手元口金32が外套シース20の基端部に設けられた手元口金22と結合されて、造影剤注入チューブ30と外套シース20とが一体になった状態で用いられる。
【0024】外套シース20の有効長(即ち、可撓性チューブ21の長さ)は処置具挿通チャンネルの全長より長く形成されていて、可撓性チューブ21を処置具挿入口15から処置具挿通チャンネル内にいっぱいに差し込めば、可撓性チューブ21の先端部分21aが処置具出口16から例えば5〜10cm程度突出する長さに形成されている。
【0025】しかし、外套シース20が造影剤注入チューブ30と結合して使用される状態では、造影剤注入チューブ30の可撓性チューブ31の先端部分が処置具出口16から突出して胆管100内に差し込まれた位置にあるときに、外套シース20の可撓性チューブ21の先端部分21aが湾曲部13の根元の直前に位置するように、外套シース20の可撓性チューブ21と造影剤注入チューブ30の可撓性チューブ31との長さの差が設定されている。
【0026】このような状態で造影剤注入チューブ30の可撓性チューブ31の先端が胆管100内に挿入されていて、造影剤注入チューブ30の手元口金32に突設された注入口金33から造影剤を注入することにより、その造影剤を胆管100内に送り出して、胆管100のX線造影像を得ることができる。
【0027】胆管100内への造影剤注入が済んだら、図6に示されるように、外套シース20の手元口金22と造影剤注入チューブ30の手元口金32との結合を解除し、造影剤注入チューブ30は動かさずに、外套シース20だけを処置具挿入口15内に押し込む。
【0028】すると、外套シース20の可撓性チューブ21の先端部分21aが処置具出口16から突出して、可撓性チューブ31をガイドにして胆管100内に挿入される。
【0029】その状態になったら、外套シース20を動かさないようにして造影剤注入チューブ30を抜去し、図7に示されるように、子スコープ40の挿入部42を外套シース20内に差し込むことによって、子スコープ40の挿入部42の先端が外套シース20をガイドにして胆管100内に挿入され、子スコープ40で胆管100内を観察することができる。
【0030】なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、例えば筒状部47a部分の軸線方向長さは先端部本体47の長さの二分の一ないし四分の一程度の範囲にあればよい。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、観察光学系収容穴と照明光学系収容穴とが形成されている部分が先端部本体の全長に比べて相当に短いので、途中における穴の曲がりや変形が極めて小さく正確に加工することができる。また、接着剤を確実に充填するだけの空間がある筒状部内において先端部本体に対するイメージガイドファイバとライトガイドファイバの接着が行われるので、強固で信頼性の高い固定とシールを行うことができる。
【出願人】 【識別番号】000000527
【氏名又は名称】旭光学工業株式会社
【出願日】 平成9年(1997)7月29日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】三井 和彦
【公開番号】 特開平11−42201
【公開日】 平成11年(1999)2月16日
【出願番号】 特願平9−202676