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【発明の名称】 高周波切開装置
【発明者】 【氏名】定政 明人

【要約】 【課題】操作性及び体腔内への挿通性(押し込み性)が高く、低コストな高周波切開装置を提供する。

【解決手段】本願発明に係る高周波切開装置は、電気絶縁性を有するシース本体と、シース本体内の少なくとも1つの内孔内に進退自在に挿入されるとともに、その一部を処置電極部とた導電性ワイヤと、からなり、前記導電性ワイヤに高周波電流を流し、前記処置電極部にて生体組織を切開する高周波切開装置において、前記導電性ワイヤは、柔軟性の高い先端部分と、先端部分よりも剛性の高い基端部分とからなる1本の単線ワイヤによって形成されていることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】電気絶縁性を有するシース本体と、シース本体内の少なくとも1つの内孔内に進退自在に挿入されるとともに、その一部を処置電極部とした導電性ワイヤと、からなり、前記導電性ワイヤに高周波電流を流し、前記処置電極部にて生体組織を切開する高周波切開装置において、前記導電性ワイヤは、柔軟性の高い先端部分と、先端部分よりも剛性の高い基端部分とからなる1 本の単線ワイヤによって形成されていることを特徴とする高周波切開装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、その一部が処置電極として機能する導電性ワイヤに高周波電流を流すことで生体組織を切開する高周波切開装置に関する。
【0002】
【従来の技術】生体の体腔内の組織を切開する手段としては、病変組織を焼灼して切開する高周波切開装置が広く知られている。
【0003】具体的な例を挙げると、特開平7−299078号公報には、可撓性を有する細径の導電性ワイヤを可撓性のシースに内装し、導電性ワイヤの先端部を該シース内にて固定するとともに、導電性ワイヤの基端側を該挿入部内にて押し引き操作自在とし、かつ、シースの先端側で導電性ワイヤの一部をシースの外部に露呈して処置電極部を形成する高周波切開装置が記載されている。
【0004】上記公報には、上記高周波切開装置にて生体組織を切開する手順として、導電性ワイヤを引き操作することでシースを撓ませ、シースの先端および導電性ワイヤの処置電極部を弓状のナイフ部とし、このナイフ部を生体組織に接触させつつ、導電性ワイヤに高周波電流を流して生体組織を焼灼することが記載されている。
【0005】また、上記公報には、導電性ワイヤを押し操作することで導電性ワイヤを撓ませて円弧状部とし、この円弧状部に高周波電流を流して病変組織を焼灼すること、が記載されいている。
【0006】ところで、上記処置電極部を構成する導電性ワイヤは、押し操作により導電性ワイヤ自体を円弧状に撓ませたり、引き操作によりシースを弓状に撓ませたり、さらには、細い体腔(管腔)内等へのシースの挿通性を向上するため、その先端部においては柔軟性の高さが、その他の基端部側においては剛性の高さが必要とされる。
【0007】一般的には、先端部側に柔軟性の高い導電性ワイヤを用いるとともに、基端部側にワイヤに剛性の高い導電性ワイヤを用い、これらをハンダ付けやロー付け等の接合手段で接合したものが用いられている。
【0008】また、柔軟性と剛性とを兼ね備えた導電性ワイヤのその他の例として、特開平4−307055公報所載の技術がある。上記公報には、導電性ワイヤに芯線を有する導電性の撚線ワイヤを用い、その先端部側のみ撚線を除去して芯線を露出することにより、先端部側の柔軟性を高めるとともに基端部側の剛性を高めることが記載されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】特開平7−299078号公報に記載されたような高周波切開装置において、導電性ワイヤが可撓性を重視するばかりにあまりに細いワイヤであると、押し操作、即ち、シースを体腔内に押し込む操作を行う場合、シースとワイヤとを組み合わせた状態での装置自体の可撓性が高すぎてしまい、シース先端にかかるはずの力が分散されてしまうので、シースの体腔内への挿通性(押し込み性)が低下してしまう。
【0010】また、導電性ワイヤをハンダ付けやロー付けによって接合する場合、筒状の接続コマに両ワイヤの端部を挿入した後にハンダ付けやロー付けを行っているため、接合部分の剛性だけが非常に高くなってしまう。
【0011】つまり、接合部付近のシースの可撓性が低下するので、例えば、シースを挿入している内視鏡を湾曲させたとき、導電性ワイヤが内視鏡の湾曲に十分追従できずに、導電性ワイヤの操作性が損なわれる場合がある。
【0012】また、接続コマを必要とする以上、導電性ワイヤの外径が部分的に太くなってしまうので、シース本体の内孔を大きくする必要がある。そのため、シース外径が全体的に大径となり、体腔内や内視鏡へのシースの挿通性が低下する。
【0013】また、ハンダ付けやロー付けで導電性ワイヤを接合したり、撚り線ワイヤの芯線を露呈するには、その作業に手間と時間がかかるため、コスト高となってしまう。
【0014】上記課題に鑑み、本発明は、操作性及び体腔内への挿通性(押し込み性)が高く、低コストな高周波切開装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題に鑑み、本発明に係る高周波切開装置は、電気絶縁性を有するシース本体と、シース本体内の少なくとも1つの内孔内に進退自在に挿入されるとともに、その一部を処置電極部とした導電性ワイヤと、からなり、前記導電性ワイヤに高周波電流を流し、前記処置電極部にて生体組織を切開する高周波切開装置において、前記導電性ワイヤは、柔軟性の高い先端部分と、先端部分よりも剛性の高い基端部分とからなる1 本の単線ワイヤによって形成されていることを特徴とする。
【0016】上記構成からなる高周波切開装置によると、柔軟性の高い先端部分と、先端部分よりも剛性の高い基端部分とからなる導電性ワイヤを用いているため、導電性ワイヤを押し操作する際、シース内でワイヤが撓み難くくなるとともに、シース自体もその基端側の剛性が高くなるので、体腔内へのシースの押し込みが容易となる。
【0017】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)本実施の形態は、高周波電流を用いて体腔内の十二指腸乳頭括約筋切開術(EST)に用いられる乳頭切開具(パピロトミーナイフ)を有する高周波切開装置に関し、その詳細について、図1乃至図4を用いて説明する。
【0018】図1は本実施の形態における高周波切開装置の概略構成を示す図、図2は図1における高周波切開装置の先端部分の拡大断面図、図3は本実施の形態で使用する内視鏡の挿入部先端の構造を説明するための図、図4は本実施の形態における高周波切開装置にて十二指腸乳頭括約筋を切開する様子を示す図である。
【0019】図1に示す高周波切開装置は、可撓性を有するチューブ状のシース本体1と、シース本体1の基端に固定された操作部2と、を有する。上記シース本体1は、図2に示す通り、その内孔1aにステンレス等の金属からなるとともに、図示省略した高周波電源装置に接続されている導電性のワイヤ3を1本挿通している。
【0020】導電性ワイヤ3は、その先端がシース1の外部に露呈して処置電極部3cを形成しているとともに、その先端がシース本体1の先端にて固定されている。また、導電性ワイヤ3の基端は、図示省略した固定手段によって、図1に示す操作部2のスライダ4に固定されている。
【0021】スライダ4は、シース本体1を同軸に固定した操作部本体5に対して、シース本体1の軸方向にスライド自在となっている。上記構成により、操作部本体5に対してスライダ4を軸方向に進退することで、シース本体1内における導電性ワイヤ3の押し操作及び引き操作が可能となり、導電性ワイヤ3を引き操作することで、シースの先端が弓状に撓む。
【0022】次に、導電性ワイヤ3及びシース本体1の詳細について図2を用いて説明する。図2に示す通り、導電性ワイヤ3の基端側はシース本体1の内孔1aに挿通されているが、導電性ワイヤ3の先端側は、シース本体1の先端側に形成されたワイヤ導出口1bから一旦シース本体1の外部に露呈して処置電極部3cを形成するとともに、ワイヤ導出口1bよりさらに先端側に形成されたワイヤ導出口1cから再び内孔1aに挿通されている。
【0023】シース本体1は、電気絶縁性及び可撓性を有するフッ素系樹脂等の熱可塑性樹脂製の可撓製チューブからなり、その内孔1aには、内孔1aと同軸で、筒状かつステンレス等のX線不透過性を有する金属製の固定部材6が圧入又は接着剤等にて固定されている。
【0024】固定部材6の孔部には、ハンダ付け、ロー付け、或いは接着等の接合手段により、上記導電性ワイヤ3の先端部が挿入、接合されている。導電性ワイヤ3は、先端部分Aと基端部分Bとが一体的に形成された断面円形の単線ワイヤであり、テーパ状の段差である境界部3bより先端側の先端部分Aの径を、境界部3bより基端側の基端部分Bの径よりも細径としている。
【0025】これによって、導電性ワイヤ3の先端部分Aは、基端部分Bよりも柔軟性が高く(剛性が低く)なっている。言い換えれば、基端部分Bは先端部分Aよりも剛性性が高く(柔軟性が低く)なっている。
【0026】次に、本実施の形態において、上記高周波切開装置と共に使用する側視型内視鏡の先端部分の構成について説明する。図3に示す通り、側視型内視鏡の挿入部7の先端を構成する先端部材8は、側方(図3においては上方)に開口部8aを有する有底(図3 においては左端)の円筒状で、その内径部には、図示省略した対物レンズ、ライトガイドが開口部8aに向けて備えられているとともに、処置具をガイドするガイド部材9が固定されている。
【0027】ガイド部材9には、基端(右端)側が内視鏡の挿入部7と同軸方向、かつ、先端(左端)側が上記開口部8a方向に連続した曲線状の案内孔9aが形成されている。
【0028】案内孔9aの基端側には筒状の接続部材10が、螺合、圧入、接着、溶接等により嵌め込み固定されており、この接続部材10には、挿入部7内に挿通されるとともに、内視鏡の操作部(図示省略)に接続されたテフロンチューブ11が接続されている一方、案内孔9aの先端側には、ピン12を中心に上記開口部8a方向に回動自在な起上台13が備えられている。
【0029】この起上台13には、内視鏡の操作部にて押し引き操作自在となるよう、挿入部7内に挿通された操作ワイヤ(図示省略)が接続されているとともに、その基端側が上記案内孔9aと連続し、かつ、その先端側が上記開口部8a方向に延びた曲線状の案内部13aが形成されている。
【0030】この案内部13aは、上記開口部8aより押し出されて使用される上記高周波切開装置のシース本体1の進退方向を決めるためのものである。即ち、シース本体1は案内部13aによって湾曲するため、湾曲する部分に位置する導電性ワイヤ3は高い柔軟性が必要である。
【0031】従って、本実施の形態では、上記高周波切開装置の導電性ワイヤ3における先端部分Aと基端部分Bとの境界部3bは、上記高周波切開装置を開口部8aより最大に突出させた場合において、少なくとも、起上台13より基端側に位置させた。
【0032】(作用)次に、上記構成からなる内視鏡及び高周波切開装置を用い、十二指腸乳頭括約筋を切開する作用について説明する。まず、図4に示す通り、十二指腸14内に内視鏡の挿入部7を挿入し、乳頭部15を確認したら内視鏡の操作部側から上記テフロンチューブ11内に高周波切開装置のシース本体1を挿入するとともに、先端部材8の開口部8aからシース本体1の先端を突出する。
【0033】そして、起上台13(図3参照)の操作ワイヤを引き操作し、起上台13を起上してシース本体1を内視鏡の基端側に向ける、あるいは、起上台13の操作ワイヤを押し操作し、起上台13を寝かせてシース本体1を内視鏡の先端側に向ける、といった操作を行い、シース本体1の向きを定めつつ、シース本体1の先端を、憩室16の奥にある乳頭部15から胆管17内に所定長さ挿入する。
【0034】このとき、図3にて図示の如く、導電性ワイヤ3の境界部3aは、起上台13よりも基端側に位置しているため、起上台13の案内部13aの方向に無理なく追従する。
【0035】また、導電性ワイヤ3の基端部分Bは、先端部分Aよりも剛性を高くしていることにより、シース本体1の基端側の剛性が高くなっているので、胆管17内に無理なく挿入される。
【0036】しかる後、スライダ4(図1参照)を後退し、導電性ワイヤ3を引き操作することでシース本体1の先端を弓状に撓ませ、シース本体1と処置電極部3cとにより弓状部を形成するとともに、この弓状部を乳頭部15に接触させ、この状態で高周波電源装置より導電性ワイヤ3に高周波電流を通電し、処置電極部3cにて乳頭部15を焼灼し、切開する。
【0037】切開が終了したら、スライダ4(図1参照)を押し操作してシース本体1の撓みを元に戻すとともに、内視鏡の操作部7を十二指腸14より引き抜くとともに、内視鏡から高周波切開装置のシース本体1を引き抜く。
【0038】(効果)本実施の形態における高周波切開装置によると、処置電極部を含む導電性ワイヤの先端部分に柔軟性を持たせたことにより、シース本体の先端部分の柔軟性が高くなるため、十二指腸から胆管内にシース本体を挿入するとき、生体への物理的なダメージを最低限に抑えることができる。また、導電性ワイヤの基端部分の剛性を高くしたことにより、シース本体とワイヤとを組み合わせた状態での装置全体の剛性が高くなるので、シース本体の先端を胆管の様な細い管路に挿入する際の押し込み性が向上する。
【0039】また、導電性ワイヤにおける柔軟な先端部分と、剛性の高い基端部分との境界部を起上台よりも基端側としたため、起上台の案内部にて湾曲される部分の柔軟性を高い状態に保てる。
【0040】従って、導電性ワイヤが起上台の動作を妨げることがないため、シース先端の向きを確実かつ容易に定めることができる。尚、本実施の形態では、導電性ワイヤを引き操作して導電性ワイヤを張り、シースを撓ませて弓状としたが、押し操作でワイヤの先端部分Aのみを撓ませ、処置電極部を円弧状(もしくは円形状)にしてもよい。
【0041】この場合、ワイヤの先端部分の柔軟性が高いことと、先端部分に比べて基端部分の剛性が高いことにより、シース内でワイヤが撓むことなく、処置電極を容易に円弧状(もしくは円形状)とすることができる。
【0042】(実施の形態2)本実施の形態における高周波切開装置について、図5乃至図8を用いて説明する。尚、実施の形態1と重複する点についての説明は省略する。図5は本実施の形態における高周波切開装置の先端部分の断面図、図6は図5のX−X断面図、図7はシースにワイヤ導出口を形成する過程を説明するための図であり、図7(a)はシースを側方からみた断面図、図7(b)は図7(a)のX−X断面図、図8は本実施の形態における高周波切開装置の概略構成を示す図、図9は本実施の形態における高周波切開装置にて十二指腸乳頭括約筋を切開する様子を示す図である。
【0043】尚、上記実施の形態1と同一の符号を付した構成についての説明は省略する。まず、本実施の形態におけるシース本体について説明する。図5及び図6に示す通り、シース本体18は、導電性ワイヤ19が挿入されるワイヤルーメン18a、及び、ガイドワイヤの挿通及び造影剤等の液体の注入が行われる多目的ルーメン18bの2つのルーメンを有する可撓性の多孔チューブより構成される。
【0044】ワイヤルーメン18a内には、上記実施の形態1と同様の固定部材6が固定さているとともに、その先端が固定部材6にて固定された導電性ワイヤ19が挿通されている。
【0045】導電性ワイヤ19は、境界部19bより先端部分Aの径を基端部分Bの径より細くしたものであり、境界部19bから処置電極部19cのほぼ中央に位置する部位にかけて、フッ素樹脂等の熱可塑性樹脂からなる可撓性の絶縁チューブ22によって被覆した点以外は、上記実施の形態1における導電性ワイヤ3と同様のものである。
【0046】また、上記シース本体18において、導電性ワイヤ19の先端付近、即ち、処置電極部19cをシース本体18の外部へ導出するための導出口18c、dは、例えば、図7(a)に示すように、シース本体18のワイヤルーメン18aに対してカッター20を当て、カッター20を垂直に下ろしてスリット18eを形成した後、スリット18eからワイヤルーメン18aに向って斜めに棒材21を押し込みつつ、上記スリット18eを押し広げることで形成するとよい。
【0047】このようにワイヤ導出口18c、dの開口面積を大きくすることにより、導電性ワイヤ19をワイヤ導出口18c、dに挿通する際に導電性ワイヤ19がワイヤ導出口18c、dに引っかかることを防止し、高周波切開装置の組み立て作業を容易なものとしている。
【0048】次に、上記シース本体18を用いた高周波切開装置について説明する。図8に示す通り、本実施の形態における高周波切開装置は、シース本体18と、シース本体18の基端に固定された分岐部23と、分岐部23に連結された操作部24とより構成される。
【0049】分岐部23は、シース本体18に形成された2つのルーメン18a、b(図5参照)を分岐するものであり、多目的ルーメン18bに連通する口金25を固定しているとともに、ワイヤルーメン18aに連通する操作部本体26を固定している。
【0050】操作部本体26には、操作部24を構成するスライダ27が、実施の形態1と同様に、操作部本体26に対してスライド自在に備えられている。また、口金25は、例えば、多目的ルーメン18bから体腔内に造影剤等の液体を供給するための注射筒等の液体供給手段を装着可能なよう、液体供給手段の形状に促した形状を呈している。
【0051】(作用)次に、上記構成からなる高周波切開装置と側視型内視鏡を用いてESTを施行する作用について説明する。まず、図9に示す通り、上記実施の形態1と同様の手順にて十二指腸14内に内視鏡の操作部7を挿入する。次に、図8にて図示の口金25から多目的ルーメン18bにガイドワイヤ(図示省略)を挿入し、実施の形態1と同様にシースの向きを操作してガイドワイヤのみを先に胆管17内に挿入した後、ガイドワイヤにシース本体18を沿わせながらシース本体18を胆管17内に挿入する。
【0052】造影剤等を注入する場合は、ガイドワイヤを引き抜いた後に、造影剤等を入れた注射筒等を口金25に装着して注入を行う。以後、上記実施の形態1と同様にして弓状部17を形成し、この弓状部17に乳頭15を接触させ、処置電極部19cに高周波電流をかけて乳頭部15を焼灼、切開する。
【0053】このとき、絶縁チューブ22によって被覆されている部分と憩室の辺縁部分28とが接触しても、導電性ワイヤ30が絶縁チューブ22によって絶縁されているので、辺縁部分28は焼灼されない。以後の操作については、上記実施の形態1と同様である。
【0054】(効果)本実施の形態によると、処置電極部の約半分が絶縁チューブによって被覆されているので、憩室の縁辺部分等、十二指腸乳頭部以外の場所に処置電極部が接触し、十二指腸乳頭部以外の生体組織を焼灼、切開することを未然に防ぐことができる。
【0055】(実施の形態3)図10乃至図12を用いて実施の形態3について説明する。図10及び図11は本実施の形態における高周波切開装置の先端部分の断面図、図12は本実施の形態における高周波切開装置にて十二指腸乳頭括約筋を切開する様子を示す図である。
【0056】図10及び図11に示すシース本体29は可撓性を有するテフロンチューブからなり、その内孔29aの先端側には、導電性ワイヤ30の先端部分Aより若干大径である貫通孔31aを有する筒状のストッパ31が圧入、接着等により固定されている。
【0057】ストッパ31は、その貫通孔31aがシース本体29と同軸となるよう固定され、その基端側に前記貫通孔31aと連通する円錐状のテーパ部31bを有し、かつ、その貫通孔31aには、導電性ワイヤ30の先端部が挿通されている。
【0058】導電性ワイヤ30は、シース本体29の内孔29a内にてシース本体29の軸方向に進退自在であり、導電性ワイヤ30の境界部30aより先端側の先端部分Aは、処置電極部30bとしてシース本体29の先端開口部29bから突出、引込み自在となっている。
【0059】また、導電性ワイヤ30の先端部分Aには、シース本体29の内孔29aより小さい外径であって、導電性ワイヤ30の基端部分Bの外径と同じかそれ以下の外径を有する筒状のストッパ32が、ロー付け、ハンダ付け、接着剤による接着等の手段にて固定されている。その他の構成は、上記実施の形態1と同様の構成である。
【0060】(作用)次に、上記構成からなる高周波切開装置を用い、十二指腸乳頭括約筋を焼灼、切開する作用について説明する。
【0061】図12に示す通り、上記実施の形態1と同様に、内視鏡の挿入部7を十二指腸14内に挿入した後、導電性ワイヤ30の処置電極部30bをシース本体29内に収納した状態(図10参照)で上記シース本体29を内視鏡の処置具挿通チャンネルに挿入するとともに、先端部材8の開口部8aより突出させる。
【0062】そして、上記実施の形態1と同様に、起上台13を操作してワイヤの向きを決めるとともに、先端開口部29bから処置電極部30bを突出し(図11参照)、導電性ワイヤ30の押し出し量を操作して処置電極部30bを乳頭(乳頭括約筋)15に接触させ、導電性ワイヤ30に高周波電流を通電し、乳頭15を焼灼、切開する。
【0063】このとき、シース本体29からの処置電極部30bの突出長は、図11に示す通り、ストッパ31のテーパ31bと導電性ワイヤ30に固定されたストッパ32とが当接することで規制される。切開を終了後、導電性ワイヤ30を内視鏡の操作部側へ引いてシース本体29の内孔29a内に収納し、この状態でシース本体29を内視鏡の処置具挿通チャンネルから引き抜く。
【0064】(効果)本実施の形態によると、上記実施の形態1と同様の効果を得ることができるとともに、ストッパにより処置電極部の突出長を規制できるので、剛性の高い基端部分が、誤って鉗子起上台にて屈曲されることを防止できる。
【0065】尚、本発明は、以下の構成を包含する。
(1)内視鏡の処置具挿通チャンネル内に挿通可能で電気絶縁性を有するシース本体と、シース本体内の少なくとも1つの内腔内に進退自在に挿入された導電性ワイヤと、導電性ワイヤの一部がシース本体の先端部近傍で外部に露出してなる処置電極と、からなり、 この処置電極に高周波電流を流して、生体部分を切開する内視鏡用高周波切開装置において、 導電性ワイヤは柔軟性の高い先端部分と、先端部分よりも剛性のある基端部分とからなる1 本のワイヤによって形成されていることを特徴とする内視鏡用高周波切開装置。上記構成(1)によると、処置電極を構成する導電性ワイヤが、柔軟性の高い先端部分と先端部分よりも剛性のある基端部分とを有するため、体腔内への挿通性、及び導電性ワイヤの押し操作、引き操作等の操作性が向上する、といった作用、効果が得られる。
【0066】(2)鉗子起上台を備えた内視鏡と組み合わせて使用する際、起上台を上げたときに接触するシース本体部分の内部に、導電性ワイヤの柔軟性の高い先端部分がくるように、先端部分の長さを有する構成(1)記載の内視鏡用高周波切開装置。上記構成(2)によると、上記構成(1)の作用、効果に加え、起上台を有する側視型の内視鏡に上記高周波切開装置を用いる際、起上台によって屈曲する先端部分の柔軟性が高くしているため、導電性ワイヤによって起上台の作動が妨げられない、といった作用、効果が得られる。
【0067】
【発明の効果】処置電極を構成する導電性ワイヤを1本の単線ワイヤとするとともに、、導電性ワイヤの先端部の柔軟性を高くし、かつ、導電性ワイヤの基端部分の剛性を高めているため、体腔内への挿通性(押し込み性)、及び、導電性ワイヤの押し操作、引き操作等の操作性が向上する。
【出願人】 【識別番号】000000376
【氏名又は名称】オリンパス光学工業株式会社
【出願日】 平成9年(1997)7月22日
【代理人】
【公開番号】 特開平11−33033
【公開日】 平成11年(1999)2月9日
【出願番号】 特願平9−195320