| 【発明の名称】 |
内視鏡用処置具における処置部の構造 |
| 【発明者】 |
【氏名】森 誠
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| 【要約】 |
【課題】
【解決手段】一方の座標軸Xが内周隅部23に交差する二点間の最大離間距離をC=A+2Sa 、他方の座標軸Yが内周隅部23に交差する二点間の最大離間距離をD=B+2Sb とする。両カップ刃体7,8では、C<Dであるため、(A+2Sa )<(B+2Sb )となる。隣接距離Sa は強度上一定以上必要であるので、開孔22の楕円内周縁22aの短径である最大空間距離Aを一定以上大きできない。しかし、開孔22の内周縁22aを楕円にしたので、その長径である最大空間距離Bが大きくなり、開孔22の面積は大きくなる。しかも、隣接距離Sa を一定以上に維持して強度を保持できる。隣接距離Sa と隣接距離Sb とをほぼ同一にしているので、楕円内周縁22aと内周隅部23との距離を一定に設定し易い。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 内視鏡を介して体内に挿入される連動部材の先端部に設けた処置部をこの連動部材を介して操作部により遠隔操作して作動させる内視鏡用処置具において、前記処置部にあっては連動部材により互いに開閉動可能に設けた第一カップ刃体と第二カップ刃体とを備え、この両カップ刃体は、底壁部と、この底壁部の外周に設けた周壁部と、この底壁部と周壁部とにより囲まれる収納凹部と、この底壁部に面する収納凹部の開口部で周壁部の端縁に設けた刃先部と、この底壁部に形成した開孔とを有し、両カップ刃体の閉動状態でそれらの収納凹部を重合させ、両カップ刃体の開動状態でそれらの収納凹部を開放し、前記両カップ刃体の底壁部に沿って互いに直交する第一方向及び第二方向のうち、前記底壁部と周壁部との境である収納凹部の内周隅部にあって第一方向の相対向内周隅部間の距離よりも第二方向の相対向内周隅部間の距離が大きい場合、この収納凹部の内周隅部の内側にある前記開孔の内周縁にあっても第一方向の相対向内周縁間の距離よりも第二方向の相対向内周縁間の距離を大きくしたことを特徴とする内視鏡用処置具における処置部の構造。 【請求項2】 開孔の内周縁とその外周にある収納凹部の内周隅部との間の隣接距離にあって、第一方向における隣接距離と第二方向における隣接距離とをほぼ同一にしたことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用処置具における処置部の構造。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、手術や医療検査等に用いられる内視鏡用処置具において、内視鏡を介して体内に挿入される連動部材の先端部に設けた処置部の構造に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来の内視鏡用処置具の処置部においては、連動部材により互いに開閉動可能に設けた第一カップ刃体と第二カップ刃体とを備えている。図5(a)(b)に示すように、この両カップ刃体7,8は、その底壁部18に開孔22を有している。両カップ刃体7,8が閉動してそれらの刃先部21が開口部20aの外周で互いに当接して組織を切断すると、その組織は互いに重合する両収納凹部20に入れられる。その場合、底壁部18の開孔22から両収納凹部20内の組織が外側へはみ出すので、両収納凹部20内の容積よりも多くの組織を切断することができる。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】前記開孔22の内周縁22aは円形状をなして無端状に閉じている。その円形の中心である座標中心Oで互いに直交して交差し且つ底壁部18に沿った平面上にある座標軸X,Yを想定した場合、一方の座標軸Xが円形内周縁22aに交差する二点間の最大空間距離Aと、他方の座標軸Yが円形内周縁22aに交差する二点間の最大空間距離Bは、それぞれ円形の直径であって、互いに同一(A=B)になっている。 【0004】また、底壁部18と周壁部19との境である内周隅部23が前記開孔22の内周縁22aの外周で無端状に閉じている。一方の座標軸Xがこの内周隅部23に交差する二点と前記開孔22の円形内周縁22aに交差する二点との間の両隣接距離をSa 、他方の座標軸Yがこの内周隅部23に交差する二点と前記開孔22の円形内周縁22aに交差する二点との間の両隣接距離をSb とするとともに、一方の座標軸Xがこの内周隅部23に交差する二点間の最大離間距離をC=A+2Sa 、他方の座標軸Yがこの内周隅部23に交差する二点間の最大離間距離をD=B+2Sb とする。一般に、両カップ刃体7,8では、C<Dであるため、(A+2Sa )<(B+2Sb )でかつA=Bから、Sa <Sb となる。 【0005】ところが、前記隣接距離Sa は強度上一定以上必要であるので、円形内周縁22aの直径である最大空間距離Aを一定以上大きくすることができない。そのため、開孔22の面積が制限される。従って、開孔22から外側へはみ出し得る組織が少なくなり、組織の切断量に悪影響を及ぼす。 【0006】本発明は、開孔から外側へはみ出し得る組織を多くするように開孔を改良することを目的にしている。 【0007】 【課題を解決するための手段】後記各実施形態の図面の符号を援用して本発明を説明する。請求項1の発明にかかる内視鏡用処置具においては、内視鏡を介して体内に挿入される連動部材(2)の先端部に設けた処置部(3)をこの連動部材(2)を介して操作部(1)により遠隔操作して作動させる。この処置部(3)にあっては連動部材(2)により互いに開閉動可能に設けた第一カップ刃体(7)と第二カップ刃体(8)とを備えている。この両カップ刃体(7,8)は、底壁部(18)と、この底壁部(18)の外周に設けた周壁部(19)と、この底壁部(18)と周壁部(19)とにより囲まれる収納凹部(20)と、この底壁部(18)に面する収納凹部(20)の開口部(20a)で周壁部(19)の端縁に設けた刃先部(21)と、この底壁部(18)に形成した開孔(22)とを有している。そして、両カップ刃体(7,8)の閉動状態でそれらの収納凹部(20)を重合させ、両カップ刃体(7,8)の開動状態でそれらの収納凹部(20)を開放する。 【0008】前記両カップ刃体(7,8)の底壁部(18)に沿って互いに直交する第一方向(X)及び第二方向(Y)のうち、前記底壁部(18)と周壁部(19)との境である収納凹部(20)の内周隅部(23)にあって第一方向(X)の相対向内周隅部(23)間の距離(C)よりも第二方向(Y)の相対向内周隅部(23)間の距離(D)が大きい場合、この収納凹部(20)の内周隅部(23)の内側にある前記開孔(22)の内周縁(22a)にあっても第一方向(X)の相対向内周縁(22a)間の距離(A)よりも第二方向(Y)の相対向内周縁(22a)間の距離(B)を大きくしている。 【0009】請求項2の発明にかかる内視鏡用処置具においては、請求項1の発明に下記の構成を追加している。開孔(22)の内周縁(22a)とその外周にある収納凹部(20)の内周隅部(23)との間の各隣接距離にあって、第一方向(X)における隣接距離(Sa )と第二方向(Y)における隣接距離(Sb )とをほぼ同一にしている。 【0010】 【発明の実施形態】 〔第一実施形態〕まず、本発明の第一実施形態にかかる内視鏡用処置具を図1〜3を参照して説明する。 【0011】<内視鏡用処置具の概略>図1(a)に示すように、操作部1から引き出された連動部材2は、内視鏡(図示せず)を介して体内に挿入されるものであって、この連動部材2の先端部に処置部3が取り付けられている。 【0012】この処置部3においては、図1(b)及び図2(a)(b)に示すように、連動部材2の外周保護コイル4の先端部に両腕部5,6が取着され、この両腕部5,6に対し第一カップ刃体7と第二カップ刃体8とが固定中心支軸9により互いに回動可能に支持されている。この両カップ刃体7,8は、後述する開閉リンク機構10により開閉動する。この開閉リンク機構10は、連動部材2の操作ワイヤ11を介して操作部1により遠隔操作されて作動するようになっている。 【0013】<前記開閉リンク機構10の詳細>前記第一カップ刃体7から一体に延設された第一連動レバー12と、前記第二カップ刃体8から一体に延設された第二連動レバー13とに連結孔14,15が貫設され、この両連結孔14,15にそれぞれ一本のリンクワイヤ16,17が挿通されて引掛けられている。この各リンクワイヤ16,17の両端部16a,17aは、前記連動部材1の操作ワイヤ11に対しその先端部11aの外周面に当てがわれた状態で溶着されて連結されている。この各リンクワイヤ16,17は、ある程度の剛性及び可撓性を有する。 【0014】前記操作部1により遠隔操作して操作ワイヤ11を引くと、図1(a)(b)及び図2(a)に示すように、前記各リンクワイヤ16,17により第一連動レバー12と第二連動レバー13とが互いに閉じる方向へ回動し、第一カップ刃体7と第二カップ刃体8とが互いに閉じる。また、操作部1により遠隔操作して操作ワイヤ11を押すと、図2(b)に示すように、これに前記保護コイル4の戻り力も加わり、第一連動レバー12と第二連動レバー13とが互いに開く方向へ回動し、第一カップ刃体7と第二カップ刃体8とが互いに開く。 【0015】<前記両カップ刃体7,8の詳細>図2(a)(b)及び図3(a)(b)に示すように、この両カップ刃体7,8は、メタルインジェクションモールドにより成形され、底壁部18と、この底壁部18の外周に設けられた周壁部19と、この底壁部18と周壁部19とにより囲まれる収納凹部20と、この底壁部18に面する収納凹部20の開口部20aで周壁部19の端縁に設けられた刃先部21と、この底壁部18に形成された開孔22とを有している。そして、両カップ刃体7,8の閉動状態で、それらの刃先部21が開口部20aの外周で互いに当接して収納凹部20が重合し、両カップ刃体7,8の開動状態で、それらの刃先部21が開口部20aの外周で互いに離れて収納凹部20が開放される。 【0016】前記開孔22は、図3に示すように、下記*の特徴的構成を有している。* 底壁部18と周壁部19との境である収納凹部20の内周隅部23が無端状に閉じているとともに、この内周隅部23の内側にある前記開孔22の内周縁22aが無端状に閉じている。この開孔22の内周縁22aの内側にある任意の座標中心Oで互いに直角に交差し且つ底壁部18に沿った平面上にある座標軸X,Yを想定した場合、一方の座標軸Xが前記内周隅部23に交差する任意の二点間の最大離間距離Cよりも、他方の座標軸Yが前記内周隅部23に交差する任意の二点間の最大離間距離Dを大きくしたことに合わせて、一方の座標軸Xが内周縁22aに交差する任意の二点間の最大空間距離Aよりも、他方の座標軸Yが内周縁22aに交差する任意の二点間の最大空間距離Bを大きくしている。より具体的には、この内周縁22aが楕円形状をなし、その楕円の中心が前記直交座標中心O(重心)に該当し、楕円の短径が前記座標軸X上にあって最大空間距離Aに該当するとともに、楕円の長径が前記座標軸Y上にあって最大空間距離Bに該当する。 【0017】すなわち、一方の座標軸Xに該当する第一方向Xと、他方の座標軸Yに該当する第二方向Yのうち、底壁部18と周壁部19との境である収納凹部20の内周隅部23にあって第一方向Xの相対向内周隅部23間の距離(前記最大離間距離Cに該当)よりも第二方向Yの相対向内周隅部23間の距離(前記最大離間距離Dに該当)が大きい場合、この収納凹部20の内周隅部23の内側にある開孔22の内周縁22aにあっても第一方向Xの相対向内周縁22a間の距離(前記最大空間距離Aに該当)よりも第二方向Yの相対向内周縁22a間の距離(前記最大空間距離Bに該当)を大きくしている。 【0018】* 前記開孔22で二点間の最大空間距離A,Bを生じさせる特定の直交座標軸X,Yにあって、一方の座標軸Xがこの内周隅部23に交差する二点と前記開孔22の内周縁22aに交差する二点との間の両隣接距離Sa と、他方の座標軸Yがこの内周隅部23に交差する二点と前記開孔22の内周縁22aに交差する二点との間の両隣接距離Sb とを、ほぼ同一にしている。すなわち、開孔22の内周縁22aとその外周にある収納凹部20の内周隅部23との間の各隣接距離にあって、第一方向Xにおける両隣接距離Sa と第二方向Yにおける両隣接距離Sb とをほぼ同一にしている。 【0019】<第一実施形態の特徴>第一実施形態は下記*の特徴を有する。 * 図3(b)において、一方の座標軸Xが前記内周隅部23に交差する二点間の最大離間距離をC=A+2Sa 、他方の座標軸Yが前記内周隅部23に交差する二点間の最大離間距離をD=B+2Sb とする。一般に、両カップ刃体7,8では、C<Dであるため、(A+2Sa )<(B+2Sb )となる。 【0020】前記隣接距離Sa は強度上一定以上必要であるので、開孔22の楕円内周縁22aの短径である最大空間距離Aを一定以上大きくすることができない。この点は従来技術の場合と同様である。 【0021】しかし、開孔22の内周縁22aを楕円にしたので、その長径である最大空間距離Bが大きくなる。そのため、開孔22の面積は、従来技術で示した円形内周縁22aの場合よりも、大きくなる。従って、開孔22から外側へはみ出し得る組織を多くして、組織の切断量も多くすることができる。しかも、前記隣接距離Sa を一定以上に維持して強度を保持することができる。 【0022】* 図3(b)において、隣接距離Sa と隣接距離Sb とをほぼ同一にしている。そのため、前記楕円内周縁22aと内周隅部23との距離を一定に設定し易くなる。従って、開孔22の外周全体で平均的な強度を得ることができる。 【0023】〔他の実施形態〕前記第一実施形態以外にも下記のように構成してもよい。図4(a)に示す第二実施形態、並びに図4(b)に示す第三実施形態は、それぞれ、第一実施形態と比較して、開孔22の形状を次のように変更しているが、基本的には同様な構成及び効果を有している。すなわち、第二実施形態における開孔22の内周縁22aは、相対向して平行な両直線部22a1 と、この両直線部22a1 の一端間及び他端間を結ぶ両半円弧部22a2 とからなる。なお、図4(a)に示す直交座標中心Oは、開孔22の内周縁22aの形状の重心である。また、第三実施形態の開孔22の内周縁22aは、相対向して平行な両直線部22a1 と、この両直線部22a1 の一端間を結ぶ半円弧部22a2 と、この両直線部22a1 に直交してそれらの他端間を結ぶ直線部22a3 とからなる。なお、図4(b)に示す直交座標中心Oは、開孔22の内周縁22aの形状の重心ではなく、その重心に対し若干ずれた位置にある任意の直交座標中心である。 【0024】 【発明の効果】請求項1の発明にかかる内視鏡用処置具によれば、強度を保持したまま開孔(22)の面積を大きくすることができ、開孔(22)から外側へはみ出し得る組織を多くして組織の切断量も多くすることができる。 【0025】請求項2の発明にかかる内視鏡用処置具によれば、請求項1の発明の効果に加え、開孔(22)の内周縁(22a)と収納凹部(20)の内周隅部(23)との間の隣接距離を一定に設定し易くなり、開孔(22)の外周全体で平均的な強度を得ることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001454 【氏名又は名称】株式会社貝印刃物開発センター
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)7月16日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】恩田 博宣
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| 【公開番号】 |
特開平11−33032 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)2月9日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−191453 |
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