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【発明の名称】 先端膨縮型内視鏡用処置具
【発明者】 【氏名】大内 輝雄

【氏名】西村 幸

【要約】 【課題】先端膨縮部の大きさが相違する処置具に共通の操作部を用いていながら操作ストロークを先端膨縮部の大きさに対応させることができる使い易い先端膨縮型内視鏡用処置具を提供すること。

【解決手段】シース1の基端部と操作ワイヤ2の基端部とを操作部10とワイヤ駆動部材14とに対して着脱自在に連結すると共に、シース1の基端がワイヤ駆動部材14の進退範囲の途中においてワイヤ駆動部材14と当接するようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】一本又は複数の弾性ワイヤを曲げて形成された先端膨縮部の端部を、シース内に軸線方向に進退自在に挿通された操作ワイヤの先端に連結し、上記操作ワイヤの基端が連結されたワイヤ駆動部材を上記シースの基端に連結された操作部において進退操作することにより上記操作ワイヤが上記シース内で進退して上記先端膨縮部が上記シースの先端から出入りし、それによって上記先端膨縮部が膨縮するようにした先端膨縮型内視鏡用処置具において、上記シースの基端部と上記操作ワイヤの基端部とを上記操作部と上記ワイヤ駆動部材とに対して着脱自在に連結すると共に、上記シースの基端が上記ワイヤ駆動部材の進退範囲の途中において上記ワイヤ駆動部材と当接するようにしたことを特徴とする先端膨縮型内視鏡用処置具。
【請求項2】一本又は複数の弾性ワイヤを曲げて形成された先端膨縮部の端部を、シース内に軸線方向に進退自在に挿通された操作ワイヤの先端に連結し、上記操作ワイヤの基端が連結されたワイヤ駆動部材を上記シースの基端に連結された操作部において進退操作することにより上記操作ワイヤが上記シース内で進退して上記先端膨縮部が上記シースの先端から出入りし、それによって上記先端膨縮部が膨縮するようにした先端膨縮型内視鏡用処置具において、上記シースの基端部を、軸線方向に移動させたあい異なる複数の位置で上記操作部に固定できるようにしたことを特徴とする先端膨縮型内視鏡用処置具。
【請求項3】上記シースの基端部分の外周に筒状部材が被嵌固着されていて、その筒状部材が上記操作部に対して着脱自在に連結される請求項1又は2記載の先端膨縮型内視鏡用処置具。
【請求項4】上記筒状部材が、上記操作部にねじ込まれた手動ネジによって押圧されて上記操作部に連結固定される請求項3記載の先端膨縮型内視鏡用処置具。
【請求項5】上記筒状部材の外周面に、上記手動ネジの先端を係合させるための溝が形成されている請求項4記載の先端膨縮型内視鏡用処置具。
【請求項6】上記溝が上記シースの軸線方向に位置をずらせて複数形成されている請求項5記載の先端膨縮型内視鏡用処置具。
【請求項7】上記先端膨縮部が、一本又は複数の弾性ワイヤを曲げてループ状に形成されている請求項1ないし6のいずれかの項に記載の先端膨縮型内視鏡用処置具。
【請求項8】上記先端膨縮部が、複数の弾性ワイヤの先端を爪状に曲げて形成されている請求項1ないし6のいずれかの項に記載の先端膨縮型内視鏡用処置具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、弾性ワイヤを曲げて形成された先端膨縮部をシースの先端から出し入れさせて膨縮させるようにした先端膨縮型内視鏡用処置具に関する。
【0002】
【従来の技術】高周波スネアやバスケット型回収具等による経内視鏡的処置の対象となるポリープや異物等の大きさは千差万別である。したがって、高周波スネアやバスケット型回収具等のような先端膨縮型内視鏡用処置具は一般に、先端膨縮部の大きさの異なる数種類のものが準備されていて、臓器の管腔の広さや被処置物の大きさ等に合わせて選択使用される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】先端膨縮型内視鏡用処置具に必要な操作ストロークは、先端膨縮部の大きさによって異なり、先端膨縮部が大きい場合には長い操作ストロークが必要であり、先端膨縮部が小さい場合には操作ストロークは短い方が使い易い。
【0004】そのような処置具の操作ストロークの長さは、一般に処置具の操作部によって決まる。しかし、内視鏡用処置具の種類は非常に多いので、先端膨縮部の大きさが相違するだけで操作部を変えていたのでは製造管理上収拾がつかなくなってしまう。
【0005】そのため、先端膨縮部の大きさが相違しても共通の操作部を使用せざるを得ないのが現実であり、短い操作ストロークで済むものに長い操作ストロークが与えられるので、先端膨縮部がシースの先端から出すぎたり、逆に引き込まれ過ぎたりして、微妙な操作をするのが難しくて使いにくかった。
【0006】また、引き込まれ量が多すぎると、ポリープや結石などを把持した状態で大きな操作力を加えたときにシースの根元付近に応力集中が起こってシースが座屈する恐れがあり、胆道、気管支、尿管などのような管腔の狭い臓器にストロークの大きな処置具を使用すると、粘膜面を傷つけたり必要以上の部位を把持してしまう恐れがあった。
【0007】そこで本発明は、先端膨縮部の大きさが相違する処置具に共通の操作部を用いていながら操作ストロークを先端膨縮部の大きさに対応させることができる使い易い先端膨縮型内視鏡用処置具を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するため、本発明の先端膨縮型内視鏡用処置具は、一本又は複数の弾性ワイヤを曲げて形成された先端膨縮部の端部を、シース内に軸線方向に進退自在に挿通された操作ワイヤの先端に連結し、上記操作ワイヤの基端が連結されたワイヤ駆動部材を上記シースの基端に連結された操作部において進退操作することにより上記操作ワイヤが上記シース内で進退して上記先端膨縮部が上記シースの先端から出入りし、それによって上記先端膨縮部が膨縮するようにした先端膨縮型内視鏡用処置具において、上記シースの基端部と上記操作ワイヤの基端部とを上記操作部と上記ワイヤ駆動部材とに対して着脱自在に連結すると共に、上記シースの基端が上記ワイヤ駆動部材の進退範囲の途中において上記ワイヤ駆動部材と当接するようにしたことを特徴とする。
【0009】また、本発明の先端膨縮型内視鏡用処置具は、一本又は複数の弾性ワイヤを曲げて形成された先端膨縮部の端部を、シース内に軸線方向に進退自在に挿通された操作ワイヤの先端に連結し、上記操作ワイヤの基端が連結されたワイヤ駆動部材を上記シースの基端に連結された操作部において進退操作することにより上記操作ワイヤが上記シース内で進退して上記先端膨縮部が上記シースの先端から出入りし、それによって上記先端膨縮部が膨縮するようにした先端膨縮型内視鏡用処置具において、上記シースの基端部を、軸線方向に移動させたあい異なる複数の位置で上記操作部に固定できるようにしたことを特徴とする。
【0010】なお、上記シースの基端部分の外周に筒状部材が被嵌固着されていて、その筒状部材が上記操作部に対して着脱自在に連結されるようにしてもよく、その場合、上記筒状部材が、上記操作部にねじ込まれた手動ネジによって押圧されて上記操作部に連結固定されるようにしてもよい。
【0011】そして、上記筒状部材の外周面に、上記手動ネジの先端を係合させるための溝が形成されていてもよく、上記溝が上記シースの軸線方向に位置をずらせて複数形成されていてもよい。
【0012】なお、上記先端膨縮部が、一本又は複数の弾性ワイヤを曲げてループ状に形成されていてもよく、上記先端膨縮部が、複数の弾性ワイヤの先端を爪状に曲げて形成されていてもよい。
【0013】
【発明の実施の形態】図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図3は、本発明の第1の実施の形態の先端膨縮型内視鏡用処置具の全体構成を示しており、例えば四フッ化エチレン樹脂製の可撓性チューブからなるシース1内に軸線方向に進退自在に挿通された操作ワイヤ2の先端に、一本又は複数の弾性ワイヤを曲げてループ状に形成された先端膨縮部3の基端部が連結されている。
【0014】先端膨縮部3としては、例えばステンレス鋼線を素材とする単線又は撚り線が用いられ、操作ワイヤ2を進退操作して先端膨縮部3をシース1の先端内から出し入れすることにより、先端膨縮部3が膨縮するようになっている。
【0015】シース1の基端は操作部10に連結固定されている。12は、指先で摘んで手動で締めつけたり緩めたりすることができるシース固定ネジであり、シース1の基端部分がこのシース固定ネジ12によって操作部本体11に押圧固定されている。
【0016】13は、シース1の基端部付近が急激に曲げられて折れてしまうのを防止するために、シース1の基端部分の外面を囲むように設けられた折れ止めチューブである。
【0017】14は、先端膨縮部3を軸線方向に進退駆動させるためのワイヤ駆動部材であり、シース1の基端部分の軸線の延長線方向に進退自在に操作部本体11に取り付けられている。
【0018】したがって、操作部本体11の端部に形成された第一の指掛け15とワイヤ駆動部材14に連結された第二の指掛け16とに操作者の指を掛けて、ワイヤ駆動部材14を進退操作することにより、操作ワイヤ2がシース1内で軸線方向に移動し、先端膨縮部3がシース1の先端から出入りして膨縮する。
【0019】図1は、操作部10部分を示しており、シース1の基端部は操作部本体11に直接連結されているのではなく、シース1の基端部の外周に金属製又はプラスチック製の筒状の基端口金21が接着固定されていて、その基端口金21がシース固定ネジ12によって操作部本体11に対して着脱自在に押圧固定されている。基端口金21の外周面のシース固定ネジ12の先端が押しつけられる部分には円周溝が形成されていて、抜け止めになっている。
【0020】操作部本体11には、軸線方向に長いスリ割り22が形成されていてII−II断面を示す図2にも示されるように、操作ワイヤ2の端部が連結されたワイヤ駆動部材14が、スリ割り22内に緩く嵌め込まれている。
【0021】ただし、操作ワイヤ2の基端部付近には座屈防止のために金属パイプ23が被嵌固着されていて、第二の指掛け16部分からワイヤ駆動部材14に通された手動のワイヤ固定ネジ24によって、金属パイプ23がワイヤ駆動部材14に着脱自在に押圧固定されている。金属パイプ23の外周面のワイヤ固定ネジ24の先端が押しつけられる部分には、円周溝が形成されて抜け止めになっている。
【0022】操作部本体11を囲んで設けられた第二の指掛け16は、固定ネジ25によってワイヤ駆動部材14に固定されている。その結果、第二の指掛け16とワイヤ駆動部材14とは、一体となってスリ割り22内を操作部本体11の軸線方向(即ち、シース1及び操作ワイヤ2の基端部分の軸線方向)に進退自在である。
【0023】シース1は、基端がスリ割り22内に突出しており、第二の指掛け16を先側に移動させるとワイヤ駆動部材14がシース1の端面1aに当接し、シース1の端面1aが第二の指掛け16の進退量即ち操作ワイヤ2の操作ストロークLを規制するストッパになっている。
【0024】したがって、基端口金21の端面からのシース1の端面1aの突出長さeを適宜な量にすることによって、操作ワイヤ2の操作ストロークLを適切に設定することができる。
【0025】そのシース1の突出長さeは、基端口金21をシース1に接着する際に決まる。そこで、先端膨縮部3が大きくて操作ストロークLを長くする必要があるものの場合には、シース1の突出長さeが短い状態に基端口金21を接着し、逆に先端膨縮部3が小さくて操作ストロークLが短い方がよいものの場合には、シース1の突出長さeが長い状態に基端口金21を接着する。
【0026】そして、シース固定ネジ12とワイヤ固定ネジ24とを緩めることにより、シース1と操作ワイヤ2とを共に操作部10から取り外して付け替えることができるので、操作ストロークLが相違する複数の先端膨縮型内視鏡用処置具に対し、一つの操作部10を用いて各々適切な操作ストロークで使用することができる。
【0027】図4は、本発明の第2の実施の形態の操作部10を示しており、折れ止めチューブ13が基端口金21としても兼用して用いられている。折れ止めチューブ13はシース1の基端部分の外周に接着固定されていて、シース固定ネジ12の先を当接させるための円周溝28が、折れ止めチューブ13の外周面に軸線方向に位置をずらして3ヶ所に形成されている。
【0028】したがって、操作部本体11に対するシース1の連結固定位置を3ヶ所から選ぶことにより、スリ割り22内へのシース1の端面1aの突出量が変わり、操作ストロークLを変えることができる。
【0029】シース固定ネジ12は手動で任意に緩めて締めつけ直すことができるので、操作ストロークLは何時でも変えることができる。したがって、一つの先端膨縮型内視鏡用処置具の操作ストロークLを使用前及び使用中においても変えて、使用し易い状態にすることができる。
【0030】なお、この実施の形態においては、操作ワイヤ2の基端部は180°折り返されてワイヤ駆動部材14に嵌め込まれていて、ワイヤ駆動部材14から簡単に外れないようになっている。また、ワイヤ駆動部材14も第二の指掛け16に対して弾性変形させて嵌め込まれており、簡単に外れないようになっている。
【0031】図5は、先端膨縮型内視鏡用処置具として高周波スネアを用いて小さなポリープ101を緊縛する手順を■、■、■で示しており、このような場合には、小さな先端膨縮部3を有するスネアを短い操作ストロークで使用するのがよい。
【0032】図6は、少し大きな先端膨縮部3を有する高周波スネアで小さなポリープ101を緊縛しようとしている状態を示しており、ポリープ101に比べて先端膨縮部3が大きすぎるので容易に緊縛することができない。
【0033】図7は、中程度の大きさのポリープ101を高周波スネアで緊縛する手順を■、■で示しており、このような場合には、中程度の大きさの先端膨縮部3を有するスネアを必要とする。
【0034】図8は、さらに大きなサイズのポリープ101を高周波スネアで緊縛する手順を■、■で示しており、このような場合には、より大きなサイズの先端膨縮部3を有するスネアを必要とする。
【0035】上述のようにして用いられる高周波スネアの先端膨縮部3の形状は、図9に示されるような六角形や図10に示されるオーバル形のものの他、それらを半分ずつ組み合わせた形状や、八角形等のものを用いてもよい。
【0036】図11は、本発明に用いられる六角形タイプの高周波スネアの先端部分を示しており、操作部10におけるストロークLを中程度に設定することにより、■に示されるように、先端膨縮部3の広がりの直径を20mm程度にして、中程度のポリープを緊縛することができる。
【0037】そして、■に示されるように、操作部10におけるストロークLを長く設定することにより、先端膨縮部3の広がりの直径を25〜30mm程度にして大きなポリープを緊縛することができる。
【0038】また、■に示されるように、操作部10におけるストロークLを短く設定することにより、先端膨縮部3の広がりの直径を10mm程度にして小さなポリープを緊縛することができる。■は、操作ワイヤ2がシース1内にいっぱいに引き込まれた状態を示している。
【0039】図12は、本発明に用いられるオーバル形タイプの高周波スネアの先端部分を示しており、操作ストロークに関する動作等は図11に示される六角形タイプのスネアと同様である。
【0040】図13は、本発明に用いられる八角形タイプの高周波スネアの先端部分を示しており、操作ストロークに関する動作等は図11に示される六角形タイプのスネアと同様である。
【0041】図14は、先端膨縮部3を3本又は4本以上の弾性ワイヤで籠状に形成した内視鏡用異物回収具を、内視鏡50を経由して胆道100等の内部に差し込んで、胆石200を排出しようとしている状態を示している。
【0042】図14に示されるように、胆石200の大きさは大小様々で、先端膨縮部3の膨出の大きさをそれに合わせて変える必要があるが、図4に示される操作部10を用いれば、使用中にシース固定ネジ12に係合させる円周溝28の位置を変えて操作ストロークLを適宜選択することにより、先端膨縮部3の膨出量を各胆石200の大きさに合わせることができる。このような使い方は、胆石200の回収に限らず、腸や胃等の内部から異物を回収する場合等にも適用することができる。
【0043】図15は、本発明に用いられる四本爪型の把持具の先端部分を示しており、■は操作ストロークLを長くして先端膨縮部3が大きく開くようにした状態を示し、■は操作ストロークLを短くして先端膨縮部3の開く大きさを小さく制限した状態を示している。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、シースの基端部と操作ワイヤの基端部とを操作部とワイヤ駆動部材とに対して着脱自在に連結すると共に、シースの基端がワイヤ駆動部材の進退範囲の途中においてワイヤ駆動部材と当接するようにしたことにより、先端膨縮部の大きさが相違する処置具に共通の操作部を用いて操作ストロークを先端膨縮部の大きさに対応させることができる。
【0045】また、シースの基端部を、操作部に対して軸線方向に移動させたあい異なる複数の位置で固定できるようにしたことにより、一つの処置具の操作ストロークを変化させて先端膨縮部の膨縮の大きさを処置対象物に対応する大きさにして使用することができる。
【出願人】 【識別番号】000000527
【氏名又は名称】旭光学工業株式会社
【識別番号】597089576
【氏名又は名称】有限会社リバー精工
【出願日】 平成9年(1997)7月16日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】三井 和彦
【公開番号】 特開平11−33031
【公開日】 平成11年(1999)2月9日
【出願番号】 特願平9−190338