| 【発明の名称】 |
放射線照射・検出装置および放射線断層撮影装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】柳田 弘文
【氏名】熊崎 昌也
【氏名】郷野 誠
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| 【要約】 |
【課題】放射線ビームの照射位置を精度良く検出する手段を備えた放射線照射・検出装置および放射線断層撮影装置を実現する。
【解決手段】放射線ビーム40の厚みの方向zにおいてその厚みよりも大きな寸法を持ちその方向における放射線ビームの照射位置に応じて互いに逆な変化特性の放射線検出信号を生じる1対の放射線検出素子242,244の放射線検出信号の差に基づいて、放射線検出素子アレイ24における放射線ビームの照射位置を示す照射位置信号を得るようにした。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 照射方向に垂直でかつ互いに垂直な2つの方向の一方では相対的に大きな寸法の幅を持ち他方では相対的に小さな寸法の厚みを持つ放射線ビームを照射する放射線照射手段と、前記放射線ビームの厚みの方向において前記放射線ビームの厚みよりも大きな寸法を持つ放射線検出素子が前記放射線ビームの幅の方向に複数個配列され前記放射線ビームの照射を受ける放射線検出素子アレイと、前記放射線検出素子アレイの少なくとも一端部に設けられ、前記放射線ビームの厚みの方向において前記放射線ビームの厚みよりも大きな寸法を持ちその方向における前記放射線ビームの照射位置に応じた変化特性の放射線検出信号を生じる少なくとも2個の放射線検出素子と、前記少なくとも2個の放射線検出素子の放射線検出信号の和に基づいて、前記放射線検出素子アレイにおける前記放射線ビームの照射位置を示す照射位置信号を生じる照射位置検出手段と、を具備することを特徴とする放射線照射・検出装置。 【請求項2】 照射方向に垂直でかつ互いに垂直な2つの方向の一方では相対的に大きな寸法の幅を持ち他方では相対的に小さな寸法の厚みを持つ放射線ビームを照射する放射線照射手段と、前記放射線ビームの厚みの方向において前記放射線ビームの厚みよりも大きな寸法を持つ放射線検出素子が前記放射線ビームの幅の方向に複数個配列され前記放射線ビームの照射を受ける放射線検出素子アレイと、前記放射線検出素子アレイの少なくとも一端部に設けられ、前記放射線ビームの厚みの方向において前記放射線ビームの厚みよりも大きな寸法を持ちその方向における前記放射線ビームの照射位置に応じて互いに逆な変化特性の放射線検出信号を生じる1対の放射線検出素子と、前記1対の放射線検出素子の放射線検出信号の差に基づいて、前記放射線検出素子アレイにおける前記放射線ビームの照射位置を示す照射位置信号を生じる照射位置検出手段と、を具備することを特徴とする放射線照射・検出装置。 【請求項3】 照射方向に垂直でかつ互いに垂直な2つの方向の一方では相対的に大きな寸法の幅を持ち他方では相対的に小さな寸法の厚みを持つ放射線ビームを照射する放射線照射手段と、前記放射線ビームの厚みの方向において前記放射線ビームの厚みよりも大きな寸法を持つ放射線検出素子が前記放射線ビームの幅の方向に複数個配列され前記放射線ビームの照射を受ける放射線検出素子アレイと、前記放射線検出素子アレイの少なくとも一端部に設けられ、前記放射線ビームの厚みの方向において前記放射線ビームの厚みよりも大きな寸法を持ちその方向における前記放射線ビームの照射位置に応じた変化特性の放射線検出信号を生じる少なくとも2個の放射線検出素子と、前記少なくとも2個の放射線検出素子の放射線検出信号の和に基づいて、前記放射線検出素子アレイにおける前記放射線ビームの照射位置を示す照射位置信号を生じる照射位置検出手段と、前記照射位置信号に基づいて、前記放射線検出素子アレイにおける前記放射線ビームの照射位置を調節する調節手段と、前記放射線検出素子アレイによる複数ビューの放射線検出信号に基づいて前記放射線ビームの通過領域についての断層像を生成する断層像生成手段と、を具備することを特徴とする放射線断層撮影装置。 【請求項4】 照射方向に垂直でかつ互いに垂直な2つの方向の一方では相対的に大きな寸法の幅を持ち他方では相対的に小さな寸法の厚みを持つ放射線ビームを照射する放射線照射手段と、前記放射線ビームの厚みの方向において前記放射線ビームの厚みよりも大きな寸法を持つ放射線検出素子が前記放射線ビームの幅の方向に複数個配列され前記放射線ビームの照射を受ける放射線検出素子アレイと、前記放射線検出素子アレイの少なくとも一端部に設けられ、前記放射線ビームの厚みの方向において前記放射線ビームの厚みよりも大きな寸法を持ちその方向における前記放射線ビームの照射位置に応じて互いに逆な変化特性の放射線検出信号を生じる1対の放射線検出素子と、前記1対の放射線検出素子の放射線検出信号の差に基づいて、前記放射線検出素子アレイにおける前記放射線ビームの照射位置を示す照射位置信号を生じる照射位置検出手段と、前記照射位置信号に基づいて、前記放射線検出素子アレイにおける前記放射線ビームの照射位置を調節する調節手段と、前記放射線検出素子アレイによる複数ビューの放射線検出信号に基づいて前記放射線ビームの通過領域についての断層像を生成する断層像生成手段と、を具備することを特徴とする放射線断層撮影装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、放射線照射・検出装置および放射線断層撮影装置に関し、特に、幅と厚みを持つ放射線ビームを照射し、この放射線ビームを、その厚みよりも大きな寸法を持つ放射線検出素子を放射線ビームの幅の方向に複数個配列した放射線検出素子アレイで受ける放射線照射・検出装置、およびそのような放射線照射・検出装置を備えた放射線断層撮影装置に関する。 【0002】 【従来の技術】放射線断層撮影装置の一例として、例えば、X線CT(computed tomography)装置がある。X線CT装置においては、放射線としてはX線が利用される。そして、放射線照射・検出装置、すなわちX線照射・検出装置を被検体の周りで回転(スキャン(scan))させて、被検体の周囲の複数のビュー(view)方向でそれぞれX線による被検体の投影データ(data)を測定し、それら投影データに基づいて断層像を生成(再構成)するようになっている。 【0003】X線照射装置は、撮影範囲を包含する幅を持ちそれに垂直な方向に所定の厚みを持つX線ビームを照射する。X線検出装置は、X線ビームの幅の方向に多数のX線検出素子をアレイ(array) 状に配列した多チャンネル(channel) のX線検出器によってX線を検出する。 【0004】X線検出器は、X線ビームの幅の方向に、X線ビームの幅に相当する寸法(幅)を有する。また、X線ビームの厚みの方向に、X線ビームの厚みよりも大きな寸法(厚み)を有する。 【0005】X線ビームの厚みは、断層撮影のスライス(slice) 厚を決定する。スライス厚は、撮影の目的に合わせて適宜の値に調節される。スライス厚の調節には、X線ビームの厚みを調節するコリメータ(collimeter)が用いられる。コリメータは、また、X線検出器におけるX線ビームの厚み方向の照射位置をも調節する。これによって、例えば、X線ビームを、その厚み方向において常にX線検出器の中央に入射するように調節し、予め較正された既知の感度でのX線検出が行えるようしている。 【0006】X線検出器に対するX線ビームの照射位置を調節するためには、X線検出器における厚み方向のX線ビームの照射位置を検出する必要がある。そのために、図10に示すように、X線検出器90の端部に、照射位置検出用のX線検出素子92が設けられる。 【0007】X線検出素子92は、そのX線入射面920の幅が、矢印94の方向すなわちX線ビーム100の厚みの方向での距離に応じて、次第に変化するようになっている。このようなX線検出素子92は、X線検出器90の一番端のX線検出素子の前面をX線遮蔽板96で対角的に半分覆うことによって構成される。 【0008】X線検出素子92がこのようなX線入射面920を有することにより、X線ビーム100が矢印94の方向で変位すると、それに応じてX線検出素子92のX線検出信号が変化する。したがって、X線検出素子92の検出信号の値により、X線検出器90におけるX線ビーム100の厚み方向の照射位置を示すことができる。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】このような構成でX線検出器における厚み方向のX線照射位置を検出する場合、照射位置検出用のX線検出素子はその受光面積の半分が遮蔽板によって覆われているため、本来のX線入射面の半分しか受光に関与しないので、X線検出感度が半分になる。このため、位置検出データの精度が悪く、X線照射位置の調節を精度良く行うことができない。このような事情は、X線に限らず例えばγ線等の他の種類の放射線を利用する場合も同様である。 【0010】本発明は上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、照射位置を精度良く検出する手段を備えた放射線照射・検出装置および放射線断層撮影装置を実現することである。 【0011】本発明の第2の目的は、特定の放射線検出器を放射線ビーム位置検出器としてのみならず、放射線ビームのレファレンスチャンネルとしても機能させ、検出器チャンネルの増設の必要性を抑制することのできる放射線照射・検出装置および放射線断層撮影装置を実現することである。 【0012】 【課題を解決するための手段】 (1)上記の課題を解決する第1の発明は、照射方向に垂直でかつ互いに垂直な2つの方向の一方では相対的に大きな寸法の幅を持ち他方では相対的に小さな寸法の厚みを持つ放射線ビームを照射する放射線照射手段と、前記放射線ビームの厚みの方向において前記放射線ビームの厚みよりも大きな寸法を持つ放射線検出素子が前記放射線ビームの幅の方向に複数個配列され前記放射線ビームの照射を受ける放射線検出素子アレイと、前記放射線検出素子アレイの少なくとも一端部に設けられ、前記放射線ビームの厚みの方向において前記放射線ビームの厚みよりも大きな寸法を持ちその方向における前記放射線ビームの照射位置に応じた変化特性の放射線検出信号を生じる少なくとも2個の放射線検出素子と、前記少なくとも2個の放射線検出素子の放射線検出信号の和に基づいて、前記放射線検出素子アレイにおける前記放射線ビームの照射位置を示す照射位置信号を生じる照射位置検出手段と、を具備することを特徴とする。 【0013】(2)上記の課題を解決する第2の発明は、照射方向に垂直でかつ互いに垂直な2つの方向の一方では相対的に大きな寸法の幅を持ち他方では相対的に小さな寸法の厚みを持つ放射線ビームを照射する放射線照射手段と、前記放射線ビームの厚みの方向において前記放射線ビームの厚みよりも大きな寸法を持つ放射線検出素子が前記放射線ビームの幅の方向に複数個配列され前記放射線ビームの照射を受ける放射線検出素子アレイと、前記放射線検出素子アレイの少なくとも一端部に設けられ、前記放射線ビームの厚みの方向において前記放射線ビームの厚みよりも大きな寸法を持ちその方向における前記放射線ビームの照射位置に応じて互いに逆な変化特性の放射線検出信号を生じる1対の放射線検出素子と、前記1対の放射線検出素子の放射線検出信号の差に基づいて、前記放射線検出素子アレイにおける前記放射線ビームの照射位置を示す照射位置信号を生じる照射位置検出手段と、を具備することを特徴とする。 【0014】第1の発明および第2の発明において、前記照射位置信号に基づいて、前記放射線検出素子アレイにおける前記放射線ビームの照射位置を調節する調節手段を備えることが、放射線検出素子アレイにおける放射線ビームの照射位置を適正化する点で好ましい。 【0015】(3)上記の課題を解決する第3の発明は、照射方向に垂直でかつ互いに垂直な2つの方向の一方では相対的に大きな寸法の幅を持ち他方では相対的に小さな寸法の厚みを持つ放射線ビームを照射する放射線照射手段と、前記放射線ビームの厚みの方向において前記放射線ビームの厚みよりも大きな寸法を持つ放射線検出素子が前記放射線ビームの幅の方向に複数個配列され前記放射線ビームの照射を受ける放射線検出素子アレイと、前記放射線検出素子アレイの少なくとも一端部に設けられ、前記放射線ビームの厚みの方向において前記放射線ビームの厚みよりも大きな寸法を持ちその方向における前記放射線ビームの照射位置に応じた変化特性の放射線検出信号を生じる少なくとも2個の放射線検出素子と、前記少なくとも2個の放射線検出素子の放射線検出信号の和に基づいて、前記放射線検出素子アレイにおける前記放射線ビームの照射位置を示す照射位置信号を生じる照射位置検出手段と、前記照射位置信号に基づいて、前記放射線検出素子アレイにおける前記放射線ビームの照射位置を調節する調節手段と、前記放射線検出素子アレイによる複数ビューの放射線検出信号に基づいて前記放射線ビームの通過領域についての断層像を生成する断層像生成手段と、を具備することを特徴とする。 【0016】(4)上記の課題を解決する第4の発明は、照射方向に垂直でかつ互いに垂直な2つの方向の一方では相対的に大きな寸法の幅を持ち他方では相対的に小さな寸法の厚みを持つ放射線ビームを照射する放射線照射手段と、前記放射線ビームの厚みの方向において前記放射線ビームの厚みよりも大きな寸法を持つ放射線検出素子が前記放射線ビームの幅の方向に複数個配列され前記放射線ビームの照射を受ける放射線検出素子アレイと、前記放射線検出素子アレイの少なくとも一端部に設けられ、前記放射線ビームの厚みの方向において前記放射線ビームの厚みよりも大きな寸法を持ちその方向における前記放射線ビームの照射位置に応じて互いに逆な変化特性の放射線検出信号を生じる1対の放射線検出素子と、前記1対の放射線検出素子の放射線検出信号の差に基づいて、前記放射線検出素子アレイにおける前記放射線ビームの照射位置を示す照射位置信号を生じる照射位置検出手段と、前記照射位置信号に基づいて、前記放射線検出素子アレイにおける前記放射線ビームの照射位置を調節する調節手段と、前記放射線検出素子アレイによる複数ビューの放射線検出信号に基づいて前記放射線ビームの通過領域についての断層像を生成する断層像生成手段と、を具備することを特徴とする。 【0017】第1の発明乃至第4の発明において、前記少なくとも2個ないし1対の放射線検出素子は前記放射線検出素子アレイの両端部に設けられたものであることが、放射線検出素子アレイにおける放射線照射位置をより適切に検出する点で好ましい。 【0018】また、第2の発明または第4の発明において、前記1対の放射線検出素子の放射線検出信号の和に基づいて、前記放射線の強度を示す信号を生じる放射線強度検出手段を備えることが、放射線検出信号のレファレンスを得る点で好ましい。 【0019】また、第1の発明乃至第4の発明において、前記放射線がX線であることが、その発生、検出および制御等に関し実用的な手段が最も充実している点で好ましい。 【0020】(作用)本発明によれば、放射線検出器として少なくとも2個の放射線検出素子を用いているので、放射線ビームの検出に関与する部分の面積が大きくなり、検出感度が高まる。 【0021】また、放射線ビームの照射位置に応じて互いに逆方向に変化する1対の放射線検出素子を用いた場合は、両者の検出信号の差を利用することにより、照射位置検出の感度が、単一の放射線検出素子の検出信号を利用する場合の2倍に向上する。これによって、位置検出データの精度が向上する。 【0022】さらに、放射線ビームの照射位置に応じて互いに逆方向に線形に変化する1対の放射線検出素子を用いた場合は、両者の検出信号の和をとることによって、この1対の放射線検出素子が1つのレファレンスチャンネルとして作用する。 【0023】 【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、本発明は実施の形態に限定されるものではない。 【0024】図1にX線CT装置のブロック(block) 図を示す。本装置は本発明の実施の形態の一例である。図1に示すように、本装置は、走査ガントリ(gantry)2と、撮影テーブル4と、操作コンソール(console) 6を備えている。 【0025】走査ガントリ2は、放射線源としてのX線管20を有する。X線管20から放射された図示しないX線は、コリメータ(collimater)22により例えば扇状のX線ビームとなるように成形され、検出器アレイ(array) 24に照射されるようになっている。X線管20とコリメータ22は、本発明における放射線照射手段の実施の形態の一例である。 【0026】検出器アレイ24は、本発明における放射線検出素子アレイの実施の形態の一例である。検出器アレイ24は、扇状のX線ビームの幅の方向にアレイ状に配列された複数のX線検出素子を有する。検出器アレイ24の構成については後にあらためて説明する。 【0027】X線管20、コリメータ22および検出器アレイ24は、X線照射・検出装置を構成する。X線照射・検出装置は、本発明における放射線照射・検出装置の実施の形態の一例である。X線照射・検出装置の構成については後にあらためて説明する。検出器アレイ24にはデータ収集部26が接続されている。データ収集部26は、検出器アレイ24の個々のX線検出素子の検出データを収集するようになっている。 【0028】X線管20からのX線の照射は、X線コントローラ(controller)28によって制御されるようになっている。なお、X線管20とX線コントローラ28との接続関係については図示を省略する。 【0029】コリメータ22は、コリメータコントローラ30によって調節されるようになっている。なお、コリメータ22とコリメータコントローラ30との接続関係については図示を省略する。 【0030】以上のX線管20乃至コリメータコントローラ30が、走査ガントリ2の回転部32に搭載されている。回転部32の回転は、回転コントローラ34によって制御されるようになっている。なお、回転部32と回転コントローラ34との接続関係については図示を省略する。 【0031】撮影テーブル4は、図示しない被検体を走査ガントリ2のX線照射空間に搬入および搬出するようになっている。被検体とX線照射空間との関係については後にあらためて説明する。 【0032】操作コンソール6は、中央処理装置60を有している。中央処理装置60は、例えばコンピュータ(computer)等によって構成される。中央処理装置60には、制御インタフェース(interface) 62が接続されている。制御インタフェース62には、走査ガントリ2と撮影テーブル4が接続されている。 【0033】中央処理装置60は制御インタフェース62を通じて走査ガントリ2および撮影テーブル4を制御するようになっている。走査ガントリ2内のデータ収集部26、X線コントローラ28、コリメータコントローラ30および回転コントローラ34が制御インタフェース62によって制御される。なお、それら各部と制御インタフェース62との個別の接続については図示を省略する。中央処理装置60、制御インタフェース62、コリメータコントローラ30およびコリメータ22は、本発明における調節手段の実施の形態の一例である。 【0034】中央処理装置60には、また、データ収集バッファ64が接続されている。データ収集バッファ64には、走査ガントリ2のデータ収集部26が接続されている。データ収集部26で収集されたデータがデータ収集バッファ64に入力される。データ収集バッファ64は、入力データを一時的に記憶する。 【0035】中央処理装置60には、また、記憶装置66が接続されている。記憶装置66は、各種のデータや再構成画像およびプログラム(program) 等を記憶する。中央処理装置60には、また、表示装置68と操作装置70がそれぞれ接続されている。表示装置68は、中央処理装置60から出力される再構成画像やその他の情報を表示するようになっている。操作装置70は、操作者によって操作され、各種の指示や情報等を中央処理装置60に入力するようになっている。 【0036】図2に、検出器アレイ24の模式的構成を示す。検出器アレイ24は、多数(例えば1000個)のX線検出素子24(i)を円弧状に配列した多チャンネルのX線検出器を形成している。iはチャンネル番号であり例えばi=1〜1000である。X線検出素子24(i)は、本発明における放射線検出素子の実施の形態の一例である。 【0037】図3に、X線照射・検出装置におけるX線管20とコリメータ22と検出器アレイ24の相互関係を示す。なお、図3の(a)は正面図、(b)は側面図である。同図に示すように、X線管20から放射されたX線は、コリメータ22により扇状のX線ビーム40となるように成形され、検出器アレイ24に照射されるようになっている。図3の(a)においては、扇状のX線ビーム40の広がりすなわちX線ビーム40の幅を示している。図3の(b)では、X線ビーム40の厚みを示している。 【0038】X線ビーム40の扇面に体軸を交叉させて被検体が搬入される。その状態を図4に示す。同図に示すように、撮影テーブル4に載置された被検体8が、X線ビーム40の扇面に体軸を交叉させて搬入される。X線ビーム40によってスライスされた被検体8の投影像が検出器アレイ24に投影される。被検体8のアイソセンタ(isocenter) におけるX線ビーム40の厚みが、被検体8のスライス厚thを与える。スライス厚thは、コリメータ22のX線通過開口によって定まる。 【0039】検出器アレイ24に対するX線ビーム40の照射状態のさらに詳細な模式図を図5に示す。同図に示すように、コリメータ22におけるコリメータ片220,222をX線通過開口を狭める方向に変位させることにより、検出器アレイ24における投影像のスライス厚を薄くすることができる。また、コリメータ片220,222をX線通過開口を広げる方向に動かすことにより、検出器アレイ24における投影像のスライス厚を厚くすることができる。 【0040】また、スライス厚thを設定したコリメータ片220,222の相対的位置関係を維持しながら両者を同時に動かすことにより、検出器アレイ24上のX線ビーム40の厚み方向の照射位置を調節する。なお、厚み方向の照射位置の調節は、コリメータ片220,222を動かす代わりに、検出器アレイ24を、破線矢印で示すように、X線ビーム40の厚み方向にコリメータ22に関して相対的に変位させることによって行うようにしても良い。このようにすれば、スライス厚の調節機構と厚み方向の照射位置の調節機構を別々に2系統設けることができ、多角的な制御が可能になる。これに対して、上記のように全てコリメータ22で行えば、制御の系統が1系統に統一でき、簡素化の要請に応じられる。 【0041】図6(a),(b),(c)は、検出器アレイ24のX線入射面における遮蔽板の構成の例を示す図である。図6(a)に示す例では、検出器アレイ24の端部には、複数の(この場合2個の)照射位置検出用のX線検出素子242、244が設けられている。X線検出素子242,244は、本発明における1対の放射線検出素子の実施の形態の一例である。なお、X線検出素子242、244が設けられている検出器アレイ24の端部付近は、被検体の透過像が投影される範囲外となっており、これによって、X線管20からのX線が被検体8を透過することなく直接照射される。 【0042】X線検出素子242、244は、それぞれのX線入射面250、270の幅が、矢印290の方向、すなわちX線ビームの厚み方向(z方向)の距離に応じて共に次第に変化するようになっている。その変化量は、X線検出素子242、244のそれぞれにおける変化量が加算されたものとなるため、変化の感度が増大する。 【0043】図6(b)に示す例では、遮蔽板252、272の配置が図6(a)に示す例における遮蔽板252、272の配置とちょうど反転の関係となって異なっているが、図6(a)に示す例と同様な効果を奏する。 【0044】図6(c)に示す例では、2個のX線検出素子にわたって一つの遮蔽板252が設けられている。この場合でも図6(a)に示す例と同様な効果を奏する。以上の3例は、X線ビームの検出に関与するX線検出素子の部分の面積の、X線ビームの照射位置に応じた変化方向が2個のX線検出器で同一である場合を示したが、この変化の方向を1対のX線検出素子で互いに逆にしても良い。 【0045】検出器アレイ24のX線入射面における遮蔽板の構成の他の一例を図7に示す。同図に示すように、検出器アレイ24の端部には、1対の照射位置検出用のX線検出素子242,244が設けられている。 【0046】X線検出素子242,244は、それぞれのX線入射面250,270の幅が、矢印290の方向すなわちX線ビーム40の厚み方向(z方向)の距離に応じて、次第に変化するようになっている。ただし、変化の方向は互いに逆になっている。すなわち、X線入射面250の幅は、例えば図の上から下に行くにつれて次第に減少するようになっており、X線入射面270の幅は、次第に増加するようになっている。 【0047】このようなX線検出素子242,244は、例えば、検出器アレイ24の端部にある2つのX線検出素子の長方形のX線入射面を、それぞれX線遮蔽板252,272で対角的に半分ずつ覆うこと等によって構成される。これは、検出器アレイ24における他のX線検出素子と同じ構造のX線検出素子を利用できる点で好ましい。なお、それに限らず、X線入射面の幅が次第に変化する特別な形状のX線検出素子を用いるようにしても良いのは勿論である。 【0048】X線検出素子242,244がこのようなX線入射面250,270を有することにより、X線ビーム40がz方向で変位すると、それに応じてX線検出素子242,244のX線検出信号がそれぞれ変化する。 【0049】その様子を図8に示す。図8は、X線ビーム40の移動距離zとX線検出信号Iとの関係の一例を示すグラフである。なお、移動距離zの原点は、図7に示すように、z方向におけるX線検出素子242,244の厚さの1/2の点(中心位置)にとり、移動方向は同図における下向きを正とする。 【0050】図8に示すように、X線検出素子242のX線検出信号は、X線ビーム40が負方向に最大変位した状態(z=−zm )で最大値Imax となり、中心位置(z=0)では(Imax +Imin )/2となり、正方向の最大変位状態(z=zm )でImin となる。 【0051】これに対して、X線検出素子244のX線検出信号Iは、X線ビーム40の負方向の最大変位状態(z=−zm )でImin となり、中心位置(z=0)では(Imax +Imin )/2となり、正方向の最大変位状態(z=zm )で最大値Imax となる。 【0052】すなわち、X線検出素子242,244により、X線ビーム40の照射位置の変化に応じて互いに逆な変化特性の1対のX線検出信号が得られる。これらのX線検出信号は、データ収集部26により収集されてデータ収集バッファ64に入力される。 【0053】中央処理装置60は、データ収集バッファ64に入力されたこれら1対の入力信号の差を求め、X線ビーム40の照射位置検出信号を形成するようになっている。中央処理装置60は、本発明における照射位置検出手段の実施の形態の一例である。照射位置検出信号は、図8に破線で示すように、X線ビーム40のz方向の位置に応じて、最大値Imax から最小値2Imin −Imax まで連続的に変化する信号となる。 【0054】X線ビーム40の変位に対する照射位置検出信号の変化量は、個々のX線検出素子242,244の検出信号の変化量の2倍になる。すなわち、個々のX線検出素子242,244の2倍の感度の照射位置検出信号が得られる。 【0055】中央処理装置60は、このような照射位置検出信号に基づいて、検出器アレイ24におけるX線ビーム40の厚み方向の照射位置を認識し、X線ビーム40が常に検出器アレイ24の厚み方向の中心に照射されるように、制御インタフェース62およびコリメータコントローラ30を通じてコリメータ22を制御し、X線ビーム40の照射位置を調節する。 【0056】中央処理装置60、制御インタフェース62、コリメータコントローラ30およびコリメータ22は、本発明における調節手段の実施の形態の一例である。検出器アレイ24の位置調節機構が備わっているときは、検出器アレイ24のz方向の位置を調節してX線ビームの照射位置を修正するようにしても良い。 【0057】位置検出の感度が向上したので、照射位置の修正を高精度に行うことができる。したがって、例えば、スキャン中に、X線管20の温度上昇によるX線焦点の移動等により、X線ビーム40の照射位置がずれかかっても、直ちに修正される。 【0058】中央処理装置60は、また、X線検出素子242,244のX線検出信号の和を求めるようになっている。図9は1対のX線検出素子242、244のX線検出信号の和が、X線管20から照射されるX線の強度を示すレファレンス信号に等しいことを説明する図である。1対のX線検出素子242、244のX線検出に関与する部分の面積(横のハッチングを付した部分)は、レファレンス用のX線検出素子246のX線検出の関与する部分の面積(縦のハッチングを付した部分)に等しい。 【0059】図8に一点鎖線で示すように、X線ビーム40のz方向における照射位置に関係なく検出信号の電流値が一定なX線検出信号が得られる。このX線検出信号は、X線管20から照射されるX線の強度を示すレファレンス(reference) 信号を与える。すなわち、X線検出素子242,244は、X線ビーム40の照射位置検出とレファレンス信号検出とに共用される。 【0060】X線検出素子244に隣接するX線検出素子246も、被検体8の透過像の投影範囲の外にあり、レファレンス用のX線検出素子となっている。X線検出素子246は、遮蔽されない長方形のX線入射面290を有する。中央処理装置60は、それによるX線検出信号をもレファレンス信号として用る。このようにレファレンス信号を複数化し、それらの平均値を求めることにより、ノイズ(noise)の影響が少ないレファレンス信号を得ている。 【0061】本装置では、X線ビームの照射位置検出用に、検出器アレイ24における2つのX線検出素子を割り当てるので、一見したところ、図8に示した従来例に比べて、隣接するレファレンス用のX線検出素子を1つ犠牲にしたように見える。しかし、2つのX線検出素子の検出信号の和によってレファレンス信号を形成するようにしたので、レファレンス信号数の減少はない。したがって、実質的には、レファレンス用のX線検出素子は犠牲になっていない。また、照射位置検出用に新たにX線検出素子を付け加えことをしないので、検出アレイ24のX線検出素子の数が全体として増えるということもない。 【0062】検出器アレイ24の他方の端部には、以上のX線検出素子242,244,246と同様に構成された3つのX線検出素子242’,244’,246’が設けられている。これらX線検出素子242’,244’,246’のX線検出信号も、上記と同様に、X線ビーム40の照射位置調節およびレファレンスのために利用される。このように、検出器アレイ24の両端においてX線ビームの照射位置の検出および調節を行うことにより、X線ビーム40と検出器アレイ24との平行性を良くすることができる。 【0063】X線管20とコリメータ22と検出器アレイ24とからなるX線照射・検出装置は、それらの相互関係を保ったまま被検体8の体軸の周りを回転(スキャン)する。スキャンの1回転当たり複数(例えば1000)のビュー角度で被検体の投影データが収集される。投影データの収集は、検出器アレイ24−データ収集部26−データ収集バッファ62の系統によって行われる。 【0064】データ収集バッファ62に収集された投影データは、中央処理装置60により、同時に収集されたレファレンス信号を用いてX線強度補正が施され、補正後の投影データに基づいて、中央処理装置60により断層像の生成すなわち画像再構成が行われる。中央処理装置60は、本発明における断層像生成手段の実施の形態の一例である。画像再構成は、1回転のスキャンで得られた例えば1000ビューの投影データを、例えばフィルタード・バックプロジェクション(filteredback-projection)法によって処理すること等により行われる。 【0065】以上、放射線としてX線を用いた例について説明したが、放射線はX線に限るものではなく、例えばγ線等の他の種類の放射線であっても良い。ただし、現時点では、X線がその発生、検出および制御等に関し実用的な手段が最も充実している点で好ましい。 【0066】 【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明では、放射線検出器として少なくとも2個の放射線検出素子を用いているので、放射線ビームの検出に関与する部分の面積が大きくなり、検出感度が高まる。また、放射線ビームの厚みの方向においてその厚みよりも大きな寸法を持ちその方向における放射線ビームの照射位置に応じて互いに逆な変化特性の放射線検出信号を生じる1対の放射線検出素子の放射線検出信号の差に基づいて、放射線検出素子アレイにおける放射線ビームの照射位置を示す照射位置信号を得るようにしたので、照射位置を精度良く検出する手段を備えた放射線照射・検出装置および放射線断層撮影装置を実現することができる。 【0067】さらに、放射線ビームの照射位置に応じて互いに逆な方向に線形に変化する1対の放射線検出素子を用いた場合は、両者の和をとることによって、この1対の放射線検出素子が一つのレファレンスチャンネルとして作用する。したがって、検出器チャンネルの増設の必要性が抑制され、検出器が簡単で安価になる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000121936 【氏名又は名称】ジーイー横河メディカルシステム株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)7月18日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】井島 藤治 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−33019 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)2月9日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−193824 |
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