| 【発明の名称】 |
磁気共鳴イメージング装置及び撮像方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】渡部 滋
【氏名】高橋 哲彦
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| 【要約】 |
【課題】磁化率及び局所磁場不均一に対する感受性が高い撮像が可能なMRI装置を提供する。
【解決手段】90゜パルス101印加後、複数の180゜パルス102,103・・・を一定の間隔で印加し、180゜パルス間において、読み出し傾斜磁場111の極性を反転させながら印加して位相エンコード量の異なる複数のグラディエントエコー信号GE1〜GE4を発生させる。この際、グラディエントエコー信号が発生するタイミングでスピンエコーが発生しないように読み出し傾斜磁場111のタイミングを制御し、T2*を反映したグラディエントエコー信号のみで画像を構成する。これにより局所的磁場不均一性を反映した画像が得られる。複数の180゜パルスの間隔を、90゜パルス印加から180゜パルス印加までの時間の2倍よりも長く設定し、スピンエコー信号を高周波域の位相エンコードを付与すタイミングで発生させてもよい。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】被検体に静磁場を与える静磁場発生手段と、前記被検体にスライス選択傾斜磁場、位相エンコード傾斜磁場、及び読み出し傾斜磁場を与える傾斜磁場発生手段と、前記被検体の生体組織を構成する原子の原子核に核磁気共鳴を起こさせる高周波パルスを所定のパルスシーケンスで繰り返し印加するシーケンサと、このシーケンサからの高周波パルスにより前記被検体の生体組織の原子核に核磁気共鳴を起こさせるために高周波磁場を照射する送信系と、前記核磁気共鳴により放出されるエコー信号を検出する受信系と、この受信系で検出したエコー信号を用いて画像再構成演算を行う信号処理系と、得られた画像を表示する表示手段とを備えた磁気共鳴イメージング装置において、前記シーケンサは、前記高周波パルスとして、90゜パルスを印加し、次いで複数の180゜パルスを一定の間隔で印加し、隣り合う180゜パルス間に、複数の読み出し傾斜磁場を磁場の極性を反転させながら印加して複数のグラディエントエコー信号を発生させると共に、前記グラディエントエコー信号を位相エンコードするために前記位相エンコード傾斜磁場を印加するパルスシーケンスを実行し、その際、スピンエコーが発生するタイミング以外のタイミングで前記グラディエントエコー信号が発生するように前記読み出し傾斜磁場の印加を制御することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。 【請求項2】被検体に静磁場を与える静磁場発生手段と、前記被検体に傾斜磁場を与える傾斜磁場発生手段と、前記被検体の生体組織を構成する原子の原子核に核磁気共鳴を起こさせる高周波パルスを所定のパルスシーケンスで繰り返し印加するシーケンサと、このシーケンサからの高周波パルスにより前記被検体の生体組織の原子核に核磁気共鳴を起こさせるために高周波磁場を照射する送信系と、前記核磁気共鳴により放出されるエコー信号を検出する受信系と、この受信系で検出したエコー信号を用いて画像再構成演算を行う信号処理系と、得られた画像を表示する表示手段とを備えた磁気共鳴イメージング装置において、前記シーケンサは、前記高周波パルスとして、90゜パルスを印加し、次いで複数の180゜パルスを一定間隔で印加して、隣り合う180゜パルス間に、読み出し傾斜磁場を磁場の極性を反転させながら印加して複数のグラディエントエコー信号を発生させると共に、前記グラディエントエコー信号を位相エンコードするために前記位相エンコード傾斜磁場を印加するシーケンスを実行し、その際、180゜パルスの間隔(TE2)を前記90゜パルスと最初の180゜パルスとの間隔(TE1/2)の2倍より長くし、高周波域の位相エンコードを付与するタイミングでスピンエコー信号を発生させることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。 【請求項3】90゜パルスを印加した後、一定の間隔で複数の180゜パルスを印加してスピンエコー信号を発生させると共に、隣接する前記180゜パルス間に、読み出し傾斜磁場を磁場の極性を反転させながら印加して複数のグラディエントエコー信号を発生させるとともに、前記グラディエントエコー信号を位相エンコードするために位相エンコード傾斜磁場を印加し、前記グラディエントエコー信号に基づき磁気共鳴画像を得る撮像方法において、隣接する前記180゜パルス間の間隔が、前記90゜パルスと最初の180゜パルスとの間隔の2倍より長いことを特徴とする撮像方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は磁気共鳴イメージング装置(以下「MRI装置」という)及びMRI装置を用いた撮像方法に係わり、特に磁化率の差又は局所磁場不均一に対する感受性の高い画像の取得を可能とするMRI装置及び撮像方法に関する。 【0002】 【従来の技術】MRI装置における撮像方法として、スピンエコー法やグラディエントエコー法を基礎とした高速撮影のための種々のシーケンスが知られている。そのうち、高速スピンエコー法(FSE法)は、90゜パルスによる励起で発生した横磁化を180゜パルスの印加を繰り返すことで多重エコーを発生させるマルチエコー法を応用した撮像方法で、各々のエコー信号に異なる位相エンコードを付与して1枚の画像を高速に得られるようにしたものや、これを複数のシーケンス列に分割することによりスピンエコー法に近い画質を得られるようにしたものがある。 【0003】また、エコープラナーイメージング法(EPI法)は、高周波パルスによる反転を用いないで、読み出し傾斜磁場を高速で反転させることにより、1個の励起パルスで複数のエコーを取得する方法であり、超高速撮影が可能であるとともに静磁場不均一に対してもきわめて敏感である。 【0004】更に、高周波パルスの反転と、傾斜磁場の反転によるエコーの発生を双方併せたものとして、ハイブリッド型のシーケンスも知られている(特公平6−46985号)。 【0005】このハイブリッド型の計測シーケンスは、図8に示すように、90゜パルスRFをスライス選択傾斜磁場Gsと共に印加した後、180゜パルスRFを一定間隔(エコー時間TE)で複数回印加する。これら180゜パルスの間で、読み出し傾斜磁場Gfを印加する磁場極性を反転させながら複数回印加する。これにより、複数のグラディエントエコー信号GE1〜GE4が発生する。ここで、180゜パルス印加後、90゜パルスと最初の180゜パルスとの間隔(TE/2)と同じ時間が経過した時点でスピンエコー信号SEが発生する。即ち、発生する複数のグラディエントエコー信号の中央にスピンエコー信号SEが発生する。例えば最初の180゜パルスの後にはGE1、GE2、SE、GE3、GE4の順番でエコー信号が発生する。 【0006】k空間走査方法では、同図に示すようにスピンエコー信号SEをk空間の低周波領域(k空間中央付近)に配置し、また、局所磁場不均一又は磁化率の差を反映したT2*強調されている前後のグラディエントエコーGE1〜GE4を高周波領域に配置するように位相エンコードを制御する。これにより、コントラストは従来のスピンエコー画像に類似したコントラストを有する画像を高速で得ることができる。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記のFSE法やハイブリッド型シーケンスでは、スピンエコー画像の長所を有する画像を得ることができるが、磁化率や局所磁場不均一に対する感受性は低く、例えば、血腫のように磁化率の差を生じさせる疾患や、脳機能計測の手段として期待されているBOLD法に応用することは困難であった。 【0008】一方、EPI法では磁化率の差や局所磁場不均一に対する感受性は高く、計測時間もきわめて短いため上述した疾患や機能計測として有効な撮像方法であるが、T2*による横緩和で信号が減衰しないうちに信号を取り切ってしまうような強力な傾斜磁場電源が必要であることから、装置が高価格となり、商用の標準機では実現できないという課題があった。 【0009】本発明は、磁化率及び局所磁場不均一に対する感受性が高く、高速撮像が可能なMRI装置を商用標準機として提供すること及び新規な撮像方法を提供することを目的とする。 【0010】 【課題を解決するための手段】本発明のMRI装置は、被検体に静磁場を与える静磁場発生手段と、被検体にスライス選択傾斜磁場、位相エンコード傾斜磁場、及び読み出し傾斜磁場を与える傾斜磁場発生手段と、被検体の生体組織を構成する原子の原子核に核磁気共鳴を起こさせる高周波パルスを所定のパルスシーケンスで繰り返し印加するシーケンサと、このシーケンサからの高周波パルスにより被検体の生体組織の原子核に核磁気共鳴を起こさせるために高周波磁場を照射する送信系と、核磁気共鳴により放出されるエコー信号を検出する受信系と、この受信系で検出したエコー信号を用いて画像再構成演算を行う信号処理系と、得られた画像を表示する表示手段とを備えたものであって、シーケンサは、90゜パルスの印加後、複数の180゜パルスを一定の間隔で印加し、隣り合う180゜パルス間に、偶数の読み出し傾斜磁場を磁場の極性を反転させながら印加してグラディエントエコー信号を発生させると共に、グラディエントエコー信号を位相エンコードするために位相エンコード傾斜磁場を印加するハイブリッド型のパルスシーケンスを実行する。この際、グラディエントエコー信号を発生させるタイミングが、スピンエコーが発生するタイミングと重ならないようにし、スピンエコー信号を発生させずに、グラディエントエコー信号のみを用いて画像再構成する。 【0011】T2*強調されたグラディエントエコー信号のみで再構成することにより、磁化率及び局所磁場不均一を反映した画像を得ることができる。 【0012】本発明のMRI装置の別の態様では、シーケンサは、90゜パルス印加後、複数の180゜パルスを一定間隔で印加して、隣り合う180゜パルス間に、読み出し傾斜磁場を磁場の極性を反転させながら印加してグラディエントエコー信号を発生させると共に、グラディエントエコー信号を位相エンコードするために位相エンコード傾斜磁場を印加するハイブリッド型のシーケンスを実行する。その際、180゜パルスの間隔を、90゜パルスと最初の180゜パルスとの間隔の2倍より長くし、高周波域の位相エンコードを付与するタイミングでスピンエコー信号を発生させ、その他のグラディエントエコー信号には、それより低周波域の位相エンコードを付与する。 【0013】この態様においては、発生されるスピンエコー信号はk空間における高周波領域に配置され、スピンエコーを含まないグラディエントエコー信号がk空間における低周波領域に配置されるので、第1の態様と同様にしてT2*強調されたグラディエントエコー信号がコントラスト上支配的となって、磁化率及び局所磁場不均一を反映した画像を得ることができる。 【0014】また、本発明の撮像方法は、90゜パルスを印加した後、一定の間隔で複数の180゜パルスを印加してスピンエコー信号を発生させると共に、隣接する180゜パルス間に、読み出し傾斜磁場を磁場の極性を反転させながら印加して複数のグラディエントエコー信号を発生させるとともに、グラディエントエコー信号を位相エンコードするために位相エンコード傾斜磁場を印加し、グラディエントエコー信号に基づき磁気共鳴画像を得る撮像方法において、隣接する180゜パルス間の間隔が、90゜パルスと最初の180゜パルスとの間隔の2倍より長いものである。 【0015】この撮像方法では、90゜パルスと最初の180゜パルスとの間隔を変更することにより、180゜パルスの印加後に得られるスピンエコーのタイミングを、180゜パルス間に得られるグラディエントエコー信号の発生タイミングに対し、任意に制御することができ、これらエコー信号に付与する位相エンコード量を適当なものにすることにより、スピンエコー信号とグラディンエントエコー信号の性質の差を反映した画像再構成が可能となる。特に、スピンエコー信号に他のグラディエントエコー信号より高い位相エンコード量を付与することにより、磁化率及び局所磁場不均一を反映した画像を得ることができる。 【0016】 【発明の実施の形態】以下、本発明のMRI装置の実施例について詳細に説明する。 【0017】図7は本発明のMRI装置の全体構成を示すブロック図で、このMRI装置は、被検体が配置される空間に均一な静磁場を発生させる静磁場発生磁石1、磁場強度をX、Y、Z方向にそれぞれ独立して線形に変化した傾斜磁場Gx、Gy、Gzを静磁場に重畳して印加する傾斜磁場発生系2、このような磁場内に置かれた被検体の組織内において核磁気共鳴を生じさせるために高周波磁場を発生させる送信系3、高周波磁場の照射によって被検体から発生される共鳴信号を受信する受信系4、これら各系統の動作のタイミングをコントロールするシーケンサ5、受信系4から送られる計測データをもとに画像再構成に必要な各種演算を行うと共に、MRI装置全体を制御する中央処理部(以下、CPUという)6及びCPU6に撮影条件等の入力を行なうと共に、CPU6により処理されたデータを様々な方法で出力する信号処理系7を備えている。 【0018】傾斜磁場発生系2は、傾斜磁場を発生させる傾斜磁場コイル8及び傾斜磁場コイル8に電流を供給する傾斜磁場電源9を備えている。 【0019】送信系3は、高周波信号を発生させる高周波発信器10、この高周波信号を変調する変調器11、この変調された信号を増幅する高周波増幅器12及び増幅された信号に従い高周波磁場を発生する照射コイル13を有する。 【0020】受信系4は、共鳴信号を受信する受信コイル14、受信コイル14に接続され、信号を増幅する増幅器15、この増幅信号を二系列の信号に変換する直交位相検波器16及びこれらの信号をデジタル量の計測データに変換するA/D変換器17を備えている。 【0021】信号処理系7は、CPU6で処理されたデータ等を保存するための磁気ディスク18及び磁気テープ19等の外部記憶媒体と、再構成画像を表示する手段としてCRT等のディスプレイ20とを備えている。 【0022】このような構成においてシーケンサ5は、CPU6の指令に従い、3系統の傾斜磁場電源9の動作のタイミングを制御し、静磁場発生磁石1により付与される均一な磁場強度の磁場に重畳して、傾斜磁場コイル8により傾斜磁場を印加する。一方、送信系3では、高周波発信器10から出力される信号は、シーケンサ5により動作のタイミングを制御された変調器11により変調され、次いで増幅器12で増幅される。照射コイル13にこの信号が流れると、所定のパルス状の高周波磁場が被検体に照射される。 【0023】このようにCPU6に制御されたシーケンサ5の働きにより、撮像方法に応じた所定のパルスシーケンスに従って高周波磁場及び傾斜磁場が印加される。本発明のMRI装置では、撮像方法としてT2*強調画像を得るためのハイブリッド型シーケンスが実行される。 【0024】これらの磁場の印加により被検体から発生した磁気共鳴信号は、受信系4の受信コイル14により受信される。受信された信号は増幅器15で増幅された後、直交位相検波器16で二系列に分けられ、それぞれの信号がA/D変換器17でデジタル量の計測データに変換される。このときA/D変換器17はシーケンサ5によりデータ収集のタイミングを制御される。この計測データはCPU6に入力され、2次元フーリエ変換等の演算が施され、画像再構成される。再構成された画像はディスプレイ20に表示され、また、磁気ディスク18及び磁気テープ19といった外部記憶媒体に画像データとして保存される。 【0025】次に、このような本発明のMRI装置において実行される撮像方法について説明する。 【0026】図1は本発明による撮像シーケンスの1実施例を示すタイミング図である。この実施例のシーケンスは、図8に示すハイブリッド型シーケンスを基本としているが、スピンエコー信号SEを発生させない点を特徴としている。 【0027】この撮像シーケンスでは、まず90゜パルス101を印加し、その後、一定間隔で複数の180゜パルス102、103、104・・・を印加する。この場合、90°パルス101と最初の180°パルス102との間隔をTE/2とすると、180°パルスの繰り返し間隔はTEである。 【0028】これらの高周波パルスRFの印加と同時に、計測断面を選択するための正の極性をもったスライス選択傾斜磁場Gs105、107、108・・・を印加する。90゜パルス101印加後のスライス選択傾斜磁場Gs106は、リフェーズのために印加される負の極性の磁場である。 【0029】また、第1の180゜パルスと次の180゜パルスを印加する間に、読み出し傾斜磁場Gf111を磁場極性を反転させながら複数回印加する。グラディエントエコー信号は、それまでに印加された読み出し傾斜磁場Gfの磁場強度を印加時間で積分した値がゼロになった時点で発生し、この場合、磁場の反転回数に等しい複数のグラディエントエコー信号GE1〜GE4が発生する。 【0030】一方、通常の90゜パルス−180゜パルス列では180゜パルス印加からTE/2時間経過した時点で、スピンエコーが発生するが、ここでは本来スピンエコー信号が発生するタイミングの時にエコー信号が発生しないように反転読み出し傾斜磁場を印加する。図示する例のように180゜パルスの間で均等に反転読み出し傾斜磁場を印加する場合には、偶数回(例えば4,6,8回)の反転を行うことにより、中央に位置するスピンエコーを発生させないことができる。これにより、得られるグラディエントエコー信号GE1〜GE4はスピンエコーを含まない信号のみとなる。 【0031】これらグラディエントエコー信号GE1〜GE4は、位相エンコード傾斜磁場Gp114〜117によって位相エンコードされる。位相エンコード傾斜磁場Gpは、例えば、最初のグラディエントエコー信号GE1には位相エンコード量の大きい正極性の傾斜磁場114を印加し、順次、負極性の傾斜磁場115、116、117を印加し、段階的に減少する位相エンコード量を付与する。最後に一連の傾斜磁場を打ち消すために正極性の傾斜磁場118を印加する。 【0032】上述した反転読み出し傾斜磁場Gf及び位相エンコード傾斜磁場Gpを印加するステップは、180゜パルスを印加する度に繰り返され、最終的に[読み出し傾斜磁場反転回数(1エコー列のエコー数)]×[180゜パルスの数]に相当するプロジェクションのデータを収集することができる。例えば上記のシーケンスは、1回の90゜パルスによる励起ごとに、180゜パルスの印加による高周波磁場の反転を4〜50回繰り返すことができ、1つの180゜パルス間に読み出し傾斜磁場の反転を4〜8(偶数)回繰り返すことができるため、16〜200プロジェクション程度のデータが収集できる。1枚の画像再構成に必要なプロジェクション数は、通常128〜256程度なので、1回の励起(1ショット)で必要なデータを収集できるが、1ショット当たりのエコー数を減らしマルチショット化してもよい。これによりS/N、コントラストの最適化を図ることができる。この場合でも、90゜パルスを印加する間隔(繰り返し時間TR)を5秒程度とすれば2〜4回の繰り返しで20秒以内の計測が可能である。 【0033】収集されたデータのk空間走査方法及び配置を図2(a)及び(b)に示す。各180゜パルスの印加後に収集されるデータ(エコー列のデータ)は、順次k空間を上から下に向って走査し、最終的に同図(b)に示すようにk空間に配置されたデータを得ることができる。 【0034】このパルスシーケンスによって得られたデータは、磁場の不均一性の影響を排除したスピンエコー成分を含まず、T2*の影響を受けたグラディエントエコー信号のみからなる。従ってこのようなT2*強調のかかったグラディエントエコー信号GEのみで画像構成を行うことにより、局所磁場不均一又は磁化率の差を反映した画像を得ることができる。 【0035】尚、以上の実施例では、4つのエコー信号のうちエコー信号GE1及びGE4をk空間の高周波領域に配置する場合を示したが、エコー信号のk空間配置はこれに限定されない。一般に、エコー列(読み出し傾斜磁場の反転で得られる一連のエコー信号)のうち、発生するタイミングがスピンエコー信号の発生するタイミングに近いものほど信号強度は強く、T2*強調度は弱い。例えば、図1の4つのエコー信号のうちエコー信号GE1及びGE4の方がGE2及びGE3よりT2*強調が大きくなる。従ってこれら信号の局所磁場不均一又は磁化率に対する感受性及び目的とするコントラストに応じて、どのエコー信号をk空間の低周波領域に配置するか、高周波領域に配置するかを設定することができる。 【0036】また図1の実施例の別の態様として、図3に示すような位相エンコードの制御方法を採用することも可能である。図3の実施例でも90゜パルス及び180゜パルスを印加するタイミング及びエコー信号計測のタイミングは図1と同様であるが、ここでは位相エンコード傾斜磁場Gp(14〜18、14'〜18')の印加パターンが異なり、収集されたデータのk空間走査方法及び配置は図4(a)及び(b)に示すようになる。即ち、奇数番目の180゜パルスの印加後に収集されるデータ(奇数番目のエコー列のデータ)は、k空間を上から下に向って走査し、偶数番目の180゜パルスの印加後に収集されるデータは、エコー列のデータは下から上に走査する。最終的に図2(b)と同様にk空間に配置されたデータを得ることができる(図4(b))。 【0037】次に、第二の実施例を図5に示すタイミング図を用いて説明する。この実施例でも従来のハイブリッド型シーケンスを基本としているが、ここではスピンエコー信号を通常のハイブリッド型シーケンスとは異なるタイミングで発生させる。 【0038】このシーケンスにおいて、まず90゜パルス101を印加し、その後、一定間隔で複数回の180゜パルス102、103・・・を印加する。この際、スライス傾斜磁場Gsを印加することは図1の実施例と同様である。但し、このシーケンスでは、180°パルスの繰り返し間隔は、図1に示したパルスシーケンスとは異なり、90°パルスと最初の180°パルスとの間隔をTE1/2とするとTE1よりも長い間隔(TE1/2+TE2/2、ここでTE2>TE1)である。これにより、スピンエコー信号SEは、最初の180°パルス印加後、TE1/2経過後および、2番目の180°パルス印加後、TE2/2経過後に発生する。このようにスピンエコー信号SEの発生間隔は、奇数番目の180゜パルスの後には短いエコー間隔TE1で発生し、偶数番目の180゜パルスの後には長いエコー間隔TE2で発生することになる。 【0039】この実施例でも、180゜パルス間で、反転する読み出し傾斜磁場Gfを印加する。これにより奇数番目の180゜パルスの後はスピンエコー信号SE、グラディエントエコー信号GE1、GE2、GE3、GE4の順で、偶数番目の180゜パルスの後はグラディエントエコー信号GE4、GE3、GE2、GE1、スピンエコー信号SEの順でエコー信号列が得られる。 【0040】これらエコー信号は図1に示す実施例と異なる位相エンコード傾斜磁場を印加することにより位相エンコードされる。即ち、奇数番目のエコー列ではスピンエコー信号SEに位相エンコード量の大きい、即ち高周波域の正極性の傾斜磁場114を印加し、順次、負極性の傾斜磁場115、116、117、118を印加する。逆に偶数番目のエコー列ではグラディエントエコー信号GE4に負極性の傾斜磁場114'を印加し、順次、正極性の傾斜磁場115'〜118'を印加し、最後に発生するスピンエコー信号SEには高周波域の正極性の傾斜磁場を印加するようにする。 【0041】このようなシーケンスを必要なプロジェクション数のデータが得られるまで繰り返す。この実施例でも、撮像時間を短時間で行うためには1ショットで1枚の画像を作成するのに必要なプロジェクション数を得てもよいし、またこれを分割してマルチショット化し、S/N、コントラストの最適化を図ってもよい。 【0042】収集されたデータのk空間走査方法及び配置を図6(a)及び(b)に示す。奇数番目の180゜パルスの印加後に収集されるデータ(奇数番目のエコー列のデータ)は、k空間を上から下に向って走査し、偶数番目の180゜パルスの印加後に収集されるデータは下から上に走査する。最終的に同図(b)に示すようにスピンエコー信号SEがk空間の高周波領域に配置されたデータを得ることができる。 【0043】このように中程度にT2*強調のかかったグラディエントエコー信号GE2をk空間における低周波領域に配置し、局所磁場不均一又は磁化率の差を反映していないスピンエコー信号SEをk空間における高周波領域に配置することにより、従来のハイブリッド型のシーケンス(図8)の場合とは異なり、グラディエントエコー信号GE2が画像のコントラストの決定に支配的であるので、図1および図3のシーケンスの場合と同様、局所磁場不均一又は磁化率の差を反映した画像を得ることができる。 【0044】以上説明したように、図5に示すパルスシーケンスはT2*強調画像を得る撮像方法として好適であるが、2種類のエコー時間(TE1、TE2)を適当に設定することによって、180゜パルスの印加後に得られるスピンエコーのタイミングを、グラディエントエコー信号の発生タイミングに対し、任意に制御することができるので、これらエコー信号に付与する位相エンコード量を適当なものにすることにより、スピンエコー信号とグラディンエントエコー信号の性質の差を利用したその他の画像再構成法に適用することも可能である。 【0045】また以上の実施例では、2次元撮像の場合を示したが、スライス方向にもエンコード傾斜磁場を印加する3次元撮像とすることも可能である。 【0046】 【発明の効果】本発明によれば、撮像シーケンスとして高速スピンエコー法とグラディエントエコー法を組合せたハイブリッド型シーケンスを基本として、スピンエコー信号を発生させずに、T2*強調のかかったグラディエントエコー信号のみを用いて画像を構成することにより、局所的磁場不均一性を反映した画像が得られる。 【0047】また本発明によれば、ハイブリッド型シーケンスを基本として、高周波域の位相エンコードを付与するタイミングでスピンエコー信号を発生させ、画像のコントラストの決定に支配的である低周波データとしてはT2*強調のかかったグラディエントエコー信号を用いて画像を構成することにより、局所的磁場不均一性を反映した画像が得られる。 【0048】また本発明によれば、EPI法のように高価な高磁場装置を用いなくても、短時間でT2*を反映した画像が得られる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000153498 【氏名又は名称】株式会社日立メディコ
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)7月16日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】多田 公子 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−33012 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)2月9日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−190887 |
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