| 【発明の名称】 |
生体内ダイポール推定精度評価装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】山崎 敏正
【氏名】上條 憲一
【氏名】剣持 聡久
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| 【要約】 |
【課題】複数及び深部に推定されたダイポールの信頼性を定量的にしかも即座に評価する生体内ダイポール推定精度評価装置を提供する。
【解決手段】本発明の生体内ダイポール推定精度評価装置は、多チャネル脳波データと電極位置データを入力とし、ダイポールの順問題及び逆問題の解法にx−z平面内に位置するダイポールを利用するx−z平面ダイポール順問題解析部11と、x−z平面ダイポール逆問題解析部12と、順問題及び逆問題の解からJacobian行列式を算出するJacobian行列算出部13と、行列積を算出し行列積の固有値分解解析部14と、行列積の固有値分解解析部14から求められた生体内ダイポールの固有値と固有ベクトルから、ダイポールパラメータ信頼領域楕円体構成部15及びダイポールパラメータ信頼限界算出部16により、生体内ダイポールの推定結果の信頼性を定量的に評価する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 多チャネル脳波データと前記多チャネルに対応する電極位置データを入力とし、活動部位のダイポール推定精度を評価する生体内ダイポール推定精度評価装置において、ダイポールの電位分布を電位値として計算するx−z平面ダイポール順問題解析手段と、前記電位分布の計算値と計測値からダイポールパラメータの最適値を計算するx−z平面ダイポール逆問題解析手段と、前記順問題及び前記逆問題の解から各電極位置とダイポールパラメータに対応するJacobian行列式を算出するJacobian行列算出手段と、前記Jacobian行列の行列積を求め固有値分解を解析するJacobian行列積固有値分解解析手段と、前記行列積の固有値分解解析手段から求められたJacobian行列積の固有値と固有ベクトルから信頼領域を与えるダイポールパラメータ信頼領域楕円体構成手段と、前記行列積の固有値分解解析手段から求められたJacobian行列積の固有値と固有ベクトルから信頼限界を算出するダイポールパラメータ信頼限界算出手段と、を有することを特徴とする生体内ダイポール推定精度評価装置。 【請求項2】 前記x−z平面ダイポール順問題解析手段が、ダイポールが作る頭皮上の電位分布を、3次元直交座標系(x、y、z)のx−z平面上にダイポールが位置し、始点がz軸上にある場合の電位値として計算するx−z平面ダイポール順問題解析手段を有する請求項1記載の生体内ダイポール推定精度評価装置。 【請求項3】 前記x−z平面ダイポール逆問題解析手段が、前記x−z平面ダイポール順問題解析手段により求められた電位分布の理論値と頭皮上で実際に観測された計測値の差の二乗和が最小となる、ダイポールの位置とモーメントを推定するx−z平面ダイポール逆問題解析手段を有する請求項1記載の生体内ダイポール推定精度評価装置。 【請求項4】 前記x−z平面ダイポールJacobian行列算出手段が、前記x−z平面ダイポール順問題解析手段で利用された計算式を使って、電位値の、ダイポールの位置パラメータ、特に動径成分に関する1階偏微分を求め、微分された式に前記x−z平面ダイポール逆問題解析手段で得られたダイポールパラメータの最適値を代入し、微分した式の値を各電極位置について求めるx−z平面ダイポールJacobian行列算出手段を有する請求項1記載の生体内ダイポール推定精度評価装置。 【請求項5】 前記x−z平面ダイポールJacobian行列積固有値分解解析手段が、前記x−z平面ダイポールJacobian行列算出手段により得られた行列成分を電極位置に関して総和を取り、推定されたダイポールの数を次元とする正方行列を算出し、前記正方行列に固有値分解を施すx−z平面ダイポールJacobian行列積固有値分解解析手段を有する請求項1記載の生体内ダイポール推定精度評価装置。 【請求項6】 前記ダイポールパラメータ信頼領域楕円体構成手段が、前記x−z平面ダイポールJacobian行列積固有値分解解析手段により得られた固有値と固有ベクトル、及びχ2 分布の95%あるいは99%点の値を使って、推定されたダイポールパラメータの信頼領域を与える楕円体を構成するダイポールパラメータ信頼領域楕円体構成手段を有する請求項1記載の生体内ダイポール推定精度評価装置。 【請求項7】 前記ダイポールパラメータ信頼限界算出手段が、前記x−z平面ダイポールJacobian行列積固有値分解解析手段により得られた固有値と固有ベクトル、及びχ2 分布の95%あるいは99%点の値を使って、推定されたダイポールパラメータの信頼限界を算出するダイポールパラメータ信頼限界算出手段を有する請求項1記載の生体内ダイポール推定精度評価装置。 【請求項8】 生体内組織、特に、脳内の活動部位をダイポールとして推定した際に、活動部位のダイポール推定精度を評価する生体内ダイポール推定精度評価装置において、ダイポールが作る頭皮上の電位分布を、3次元直交座標系(x、y、z)のx−z平面上にダイポールが位置し、始点がz軸上にある場合の電位値として計算するx−z平面ダイポール順問題解析手段と、前記x−z平面ダイポール順問題解析手段により求められた電位分布の理論値と頭皮上で実際に観測された計測値の差の二乗和が最小となる、ダイポールの位置とモーメントを推定するx−z平面ダイポール逆問題解析手段と、前記x−z平面ダイポール順問題解析手段で利用された計算式を使って、電位値の、ダイポールの位置パラメータ、特に動径成分に関する1階偏微分を求め、微分された式に前記x−z平面ダイポール逆問題解析手段で得られたダイポールパラメータの最適値を代入し、微分した式の値を各電極位置について求めるx−z平面ダイポールJacobian行列算出手段と、前記x−z平面ダイポールJacobian行列算出手段により得られた行列成分を電極位置に関して総和を取り、推定されたダイポールの数を次元とする正方行列を算出し、前記正方行列に固有値分解を施すx−z平面ダイポールJacobian行列積固有値分解解析手段と、前記x−z平面ダイポールJacobian行列積固有値分解解析手段により得られた固有値と固有ベクトル、及びχ2 分布の95%あるいは99%点の値を使って、推定されたダイポールパラメータの信頼領域を与える楕円体を構成するダイポールパラメータ信頼領域楕円体構成手段と、前記x−z平面ダイポールJacobian行列積固有値分解解析手段により得られた固有値と固有ベクトル、及びχ2 分布の95%あるいは99%点の値を使って、推定されたダイポールパラメータの信頼限界を算出するダイポールパラメータ信頼限界算出手段と、を有することを特徴とする生体内ダイポール推定精度評価装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、生体内組織、特に、脳内の活動部位をダイポールとして推定した際に、その推定精度を定量的に評価する装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来から、頭皮上の複数点で計測された電磁場分布から脳内の活動部位を推定する場合、得られた推定結果の精度を評価する方法として、以下のような方法が知られていた。頭皮上電磁場分布の計測値と理論値の差の二乗をすべての観測点について総和を取り、その総和を計測値の二乗和で除すことによって得られる正規化二乗誤差を使って推定精度を評価していた。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述した生体内ダイポール推定精度評価装置では、モデルの適合度を与えるだけで、その信頼性までは評価できない。例えば、深部に推定されたダイポールに対しては、特に、信頼性が問題になるが、正規化二乗誤差ではその信頼性を定量的に評価することができない。更に、複数のダイポールを推定する場合には、ダイポール間の距離がいくら短くても、それらを1つのダイポールと見倣すべきかどうかの判断材料を定量的に与えることができなかった。 【0004】本発明の目的は、上述の課題を解決するためのものであり、順問題の解を与える式を利用して、推定されたダイポールの統計的な信頼領域を計算する。利用する順問題の解が特殊な形をしているので、信頼領域の計算が非常に簡単であり、ダイポールが推定されると即座にその信頼領域の算出を可能とする生体内ダイポール推定精度評価装置を提供することである。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明の生体内ダイポール推定精度評価装置は、多チャネル脳波データと多チャネルに対応する電極位置データを入力とし、活動部位のダイポール推定精度を評価する生体内ダイポール推定精度評価装置において、ダイポールの電位分布を電位値として計算するx−z平面ダイポール順問題解析手段と、電位分布の計算値と計測値からダイポールパラメータの最適値を計算するx−z平面ダイポール逆問題解析手段と、順問題及び逆問題の解から各電極位置とダイポールパラメータに対応するJacobian行列式を算出するJacobian行列算出手段と、Jacobian行列の行列積を求め固有値分解を解析するJacobian行列積固有値分解解析手段と、行列積の固有値分解解析手段から求められたJacobian行列積の固有値と固有ベクトルから信頼領域を与えるダイポールパラメータ信頼領域楕円体構成手段と、行列積の固有値分解解析手段から求められたJacobian行列積の固有値と固有ベクトルから信頼限界を算出するダイポールパラメータ信頼限界算出手段と、を有することを特徴とする。 【0006】また、x−z平面ダイポール順問題解析手段は、ダイポールが作る頭皮上の電位分布を、3次元直交座標系(x、y、z)のx−z平面上にダイポールが位置し、始点がz軸上にある場合の電位値として計算するx−z平面ダイポール順問題解析手段を有する。 【0007】また、x−z平面ダイポール逆問題解析手段は、x−z平面ダイポール順問題解析手段により求められた電位分布の理論値と頭皮上で実際に観測された計測値の差の二乗和が最小となる、ダイポールの位置とモーメントを推定するx−z平面ダイポール逆問題解析手段を有する。 【0008】また、x−z平面ダイポールJacobian行列算出手段は、x−z平面ダイポール順問題解析手段で利用された計算式を使って、電位値の、ダイポールの位置パラメータ、特に動径成分に関する1階偏微分を求め、微分された式にx−z平面ダイポール逆問題解析手段で得られたダイポールパラメータの最適値を代入し、微分した式の値を各電極位置について求めるx−z平面ダイポールJacobian行列算出手段を有する。 【0009】また、x−z平面ダイポールJacobian行列積固有値分解解析手段は、x−z平面ダイポールJacobian行列算出手段により得られた行列成分を電極位置に関して総和を取り、推定されたダイポールの数を次元とする正方行列を算出し、正方行列に固有値分解を施すx−z平面ダイポールJacobian行列積固有値分解解析手段を有する。 【0010】更に、ダイポールパラメータ信頼領域楕円体構成手段は、x−z平面ダイポールJacobian行列積固有値分解解析手段により得られた固有値と固有ベクトル、及びχ2 分布の95%あるいは99%点の値を使って、推定されたダイポールパラメータの信頼領域を与える楕円体を構成するダイポールパラメータ信頼領域楕円体構成手段を有する。 【0011】更にまた、ダイポールパラメータ信頼限界算出手段が、x−z平面ダイポールJacobian行列積固有値分解解析手段により得られた固有値と固有ベクトル、及びχ2 分布の95%あるいは99%点の値を使って、推定されたダイポールパラメータの信頼限界を算出するダイポールパラメータ信頼限界算出手段を有する。 【0012】本発明の基本原理は、順問題の解を与える式のダイポールパラメータに関する1階偏微分に基づいて、推定されたダイポールの統計的な信頼領域を計算することにある。順問題の解法にはx−z平面に位置するダイポールを利用するので、各ダイポールについて信頼領域を計算する場合、その推定精度が最も重要となる動径成分のみに関する1階偏微分だけを計算すれば良いので、計算が非常に簡単であり、複数及び深部に推定されたダイポールの信頼性を定量的にしかも即座に評価することができる。 【0013】 【発明の実施の形態】本発明の生体内ダイポール推定精度評価装置の一実施例を図1に示す。同図に示すように、本発明の生体内ダイポール推定精度評価装置は、脳電位データを得るために、頭皮上に装着される複数個の脳波センサ(電極)10と、ダイポールが作る頭皮上の電位分布を、3次元直交座標系(x、y、z)のx−z平面上にそのダイポールが位置し、始点がz軸上にあるような場合の電位値として計算するx−z平面ダイポール順問題解析部11と、x−z平面ダイポール順問題解析部11で求まった電位分布の理論値と頭皮上で実際に観測された計測値の差の二乗和が最小となるように、ダイポールの位置とモーメントを推定するx−z平面ダイポール逆問題解析部12と、x−z平面ダイポール順問題解析部11で利用された計算式を使って、電位値の、ダイポールの位置パラメータ、特に動径成分に関する1階偏微分を求め、微分された式にx−z平面ダイポール逆問題解析部12で得られたダイポールパラメータの最適値を代入し、微分した式の値を各電極位置について求めるx−z平面ダイポールJacobian行列算出部13と、x−z平面ダイポールJacobian行列算出部13で得られた行列成分を電極位置に関して総和を取り、推定されたダイポールの数を次元とする正方行列を算出し、その正方行列に固有値分解を施すx−z平面ダイポールJacobian行列積固有値分解解析部14と、x−z平面ダイポールJacobian行列積固有値分解解析部14で得られた固有値と固有ベクトル、及びχ2 分布の95%あるいは99%点の値を使って、推定されたダイポールパラメータの信頼領域を与える楕円体を構成するダイポールパラメータ信頼領域楕円体構成部15と、x−z平面ダイポールJacobian行列積固有値分解解析部14で得られた固有値と固有ベクトル、及びχ2 分布の95%あるいは99%点の値を使って、推定されたダイポールパラメータの信頼限界を算出するダイポールパラメータ信頼限界算出部16を有している。 【0014】 【実施例】図1を用いて、本発明の実施例について説明する。 【0015】尚、脳波計測については、電極10、例えば、Ag/AgCl皿電極を複数個頭皮上に装着したり、あるいは、Electro-Cap (ECI社(米国)製)を被験者の頭部にかぶせたりして、頭皮上の複数点で同時計測された脳電位を増幅する生体信号アンプ、例えば、NECメデイカルシステムズ(株)製 Biotop 6R-12、の構成により、脳波波形のアナログ信号が得られる。このアナログ信号はA/D変換器、例えば、カノープス電子(株)製A/Dコンバータボード ADXM-98A 、によってデジタル信号に変換され、記憶媒体、例えば、日本電気(株)製パーソナルコンピュータ PC-9821Xt内のハードディスクに格納される。また、ダイポール推定に必要な電極位置データは、生体の外表面に固定された磁場発生器とその磁場を検知する磁気センサにより、簡単に計測することができる。 【0016】以下では、x−z平面ダイポール順問題解析部11及びx−z平面ダイポール逆問題解析部12へ入力されるデータとして、多チヤネル脳波データ101、電極位置データ102を仮定する。 【0017】頭皮上で観測された(脳)電位から脳内のダイポールを推定する生体内ダイポール推定装置として、例えば、NEC製ダイポールソフト「Syna Point」を利用することができる。 【0018】ダイポールを推定するためには、一般に、頭皮上の電位分布の理論値を計算する「順問題」と、計測値と理論値の差が最小になるようにダイポールパラメータを最適化する「逆問題」を解かなければならない。そこで、以下では、「順問題」の解法と「逆問題」の解法に分けて説明する。 【0019】x−z平面ダイポール順問題解析部11、例えば、日本電気(株)製パーソナルコンピュータ PC-9821Xtは、電極位置データ102を利用して、以下のように順問題を解く。 【0020】順問題の解は、頭部モデルとして3層同心球が仮定され、l 番目のダイポールの位置とモーメントが、それぞれ、【0021】 【数1】
で与えられる場合、即ち、ダイポールが3次元直交座標系(x、y、z)のx−z平面内に位置し、その始点がz軸上にある場合、極座標表現された電極位置(R、θ、ψ)に作る電位φ【0022】 【数2】
が利用される。但し、【0023】 【数3】
とする。ここで、Pn (cosθ)とPnl(cosθ)は、それぞれ、Legendre関数とLegendreの随伴関数であり、【0024】 【数4】
である。但し、R、R1 、R2 は、それぞれ、頭皮、脳、頭蓋骨の外側に相当する同心球の半径、σ1 は脳と頭皮の導電率、σ2 は頭蓋骨の導電率とし、 f1 ≡R1 /R、f2 ≡R2 /R、ξ≡σ2 /σ1 (4) とした、尚、(x、y、z)と(R、θ、ψ)の関係及びダイポールモデルは図2と、3層同心球の頭部モデル(R、R1 、R2 、σ1 、σ2 の意味)は図3、をそれぞれ参照することにより理解される。 【0025】x−z平面ダイポール逆問題解析部12、例えば、日本電気(株)製パーソナルコンピュータ PC-9821Xtは、前記x−z平面ダイポール順問題解析部11で得られた脳電位の理論値と多チヤネル脳波データ101を利用して、以下の手順に従って逆問題を解く。 【0026】1.逆問題の解析は最適化問題に帰着される。最適化には繰り返し演算が伴うが、演算を開始するためには初期値が必要である。この初期値とは、正しく、ダイポールの位置とモーメントであり、例えば、乱数発生により、Nasion座標系(3次元直交座標系)の中にダイポールを配置させる。 【0027】2.定位されたダイポールを、回転により、x−z平面上に移動させる(ダイポールの始点はz軸上)。 【0028】3.同じ回転により、各電極位置を移動させる(電極位置データ102を変換させる)。移動した電極位置における電位値を、前記x−z平面ダイポール順問題解析部11を使って、計算する。 【0029】4.電位の理論値(計算値)φi (i=1、・・・・、I)(Iは電極数)と計測値【0030】 【数5】
の間の正規化二乗誤差【0031】 【数6】
を計算する。 【0032】5.最初に設定した初期値を少しずらし、上記の手順2〜4を行ない、正規化二乗誤差が最小となるまで、こうした手順を繰り返す。尚、パラメータ値をずらす方法として、例えば、Gauss-Newton法と最急降下法を混合したPowellのhibrid法を利用することができる。 【0033】こうして推定されたダイポールパラメータの値(動径成分のみ)121をr0*k(k=1、・・・、L)とする。 【0034】次に、x−z平面ダイポールJacobian行列算出部13、例えば、日本電気(株)製パーソナルコンピュータ PC-9821Xtは、x−z平面ダイポールに関するJacobian行列の成分を以下のようにして算出する。 【0035】順問題の解111が前記x−z平面ダイポール順問題解析部11のように与えられ、評価すべき推定精度をダイポールの位置に限定すると、(2)式から明らかなように、変数と見倣せるダイポールパラメータはr0 のみであるから、得られる推定精度はダイポールの動径方向のみに限ることができる、この時、(2)式のダイポールパラメータに関する1階偏微分はr0 に関する1階偏微分【0036】 【数7】
のみに帰着され、しかも上式と順問題の解を与える式が非常に類似している。即ち、上式と(2)式の右辺の無限級数の各項は(n−1)/r0 だけが異なるのみである。 【0037】こうして、推定されたダイポールパラメータにおけるx−z平面ダイポールに関するJacobian行列の各成分の値131は、各軍極位置(Ri 、θi 、ψi )(i=1、・・・・、I)に対して、【0038】 【数8】
で求まる。Ailは、I×L次の行列の成分を表していることになる。 【0039】次に、x−z平面ダイポールJacobian行列積固有値分解解析部14、例えば、日本電気(株)製パーソナルコンピュータ PC-9821Xtは、【0040】 【数9】
で定義されるx−z平面ダイポールJacobian行列積Bkl(k、l=1、2、・・、L)を算出し、その行列積に固有値分解を施す。但し、Ailは前記x−z平面ダイポールJacobian行列算出部13で得られた行列の成分、Lは所定の時刻で同時推定されたダイポールの数である。また、Bklは定義から明らかなようにL次の対称正方行列となる。例えば、推定されたダイポールの数が4の場合、行列積Bは【0041】 【数10】
となる。 【0042】ここで、行列Bの固有値と対応する固有ベクトルを、それぞれ、βk 、υk (k=1、・・・、L) とおく。但し、υk ≡(υk1 ,・・・,υkL)T とする。 【0043】次に、ダイポールパラメータ信頼領域楕円体構成部15、例えば、日本電気(株)製パーソナルコンピュータ PC-9821Xtは、以下のようにして、推定されたダイポールパラメータの信頼領域を算出する。 【0044】推定されたダイポールパラメータr0*の信頼領域は楕円体【0045】 【数11】
によつて表現することができる。但し、[B]kl≡Bkl、p2 は自由度Lのχ2分布の99(あるいは95)%点である。更に、前記x−z平面ダイポールJacobian行列積固有値分解解析部14で得られた行列Bの固有値βk と対応する固有ベクトルυk 141を利用すれば、【0046】 【数12】
を得る。ここで、Gr0はr0*を中心とするRL 内の楕円体であり、その軸の半分はpβk-1υk (k=1、・・・、L)となる。 【0047】更に、ダイポールパラメータ信頼限界算出部16、例えば、日本電気(株)製パーソナルコンピュータ PC-9821Xtは、前記x−z平面ダイポールJacobian行列積固有値分解解析部14で得られた行列Bの固有値βk と対応する固有ベクトルυk 142を利用して、真のダイポールパラメータに対する信頼限界を以下のようにして算出する。 【0048】真のダイポールパラメータ【0049】 【数13】
に対する99(あるいは95)%の信頼限界は【0050】 【数14】
で与えられる、ここで、δk はGr0に接する【0051】 【数15】
の最大値であり、【0052】 【数16】
で求まる。但し、υk ≡(υk1 ,・・・,υkL)T とする。 【0053】前記ダイポールパラメータ信頼限界算出部16で得られた信頼限界を利用すると、図4のように得られたダイポールの推定精度を視覚的に捉えることができる。 【0054】 【発明の効果】本発明を用いることにより、ダイポールの推定精度及び推定結果の信頼性を定量的に表現でき、しかも視覚的に把握することができる。本発明の特長は、順問題の解法にx−z平面内に位置するダイポールを利用することにある。これにより、推定精度が最も問題となるダイポール位置の動径成分に対する信頼領域及び信頼限界の算出に演算を留めることができるので、データ解析が簡単でそれに要する時間も短縮できる。例えば、4つのダイポールの推定精度を調べる場合、本発明では4次の正方行列の固有値分解だけで済むが、従来の装置ではダイポールパラメータすべて(ダイポールの位置に関して3つ、ダイポールのモーメントに関して3つ)の信頼領域を計算するためには24(=4×6)次の正方行列の固有値分解を行なわなければならず、本発明ではデータ解析に要する時間が大幅に短縮できる。本発明により、複数及び深部に推定されたダイポールの信頼性を、定量的にしかも即座に評価することができる効果がある。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004237 【氏名又は名称】日本電気株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)7月23日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】若林 忠 (外4名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−33008 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)2月9日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−197126 |
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