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【発明の名称】 手術用トロカール
【発明者】 【氏名】リチャード・エフ・シュウェンバーガー

【氏名】ダレル・エム・ポエル

【氏名】サルバトーレ・プリビテラ

【氏名】ウィリアム・ディー・ケリー

【氏名】デビッド・ジェイ・ケイホルズ

【要約】 【課題】内視鏡的手技で使用される手術用トロカールを提供する。

【解決手段】手術用トロカール20は近位端59と遠位端とそれらを貫通する通路を有するスリーブ82を備えたカニューレアセンブリ80を具備している。開口を有するハウジング85がスリーブの近位端に配置され、カニューレアセンブリに挿入できる閉塞具アセンブリ30も具備し、ハンドル32と閉塞具シャフト45を備えている。閉塞具シャフトはハンドルに接続された近位端と、近位端と反対側の遠位端を有する。穿刺用先端50は組織に穿刺するために閉塞具シャフトの遠位端に配置されている。遠位端を有する保護具57は穿刺用先端を覆うために閉塞具シャフトの周囲にスライド可能に配置されている。この保護具は、穿刺用先端を通すことができるようにその遠位端に孔を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 近位端、遠位端及びそれらを貫通する通路を有するカニューレスリーブと、前記スリーブの前記通路と一直線上にある開口を有し前記スリーブの前記近位端に配置されるカニューレハウジングとを備えたカニューレアセンブリと;前記カニューレアセンブリ内に挿入可能であり、ハンドルと、前記ハンドルに接続された近位端と前記近位端と反対側の遠位端を有する閉塞具シャフトと、前記閉塞具シャフトの前記遠位端に配置された穿刺用先端を備えた閉塞具アセンブリとを具備する手術用トロカールにおいて、遠位端を有するとともに、前記閉塞具シャフトの前記穿刺用先端を覆うために前記閉塞具シャフトの周囲にスライド可能に配置された保護具であって、前記閉塞具シャフトの前記穿刺用先端を通すことができるように孔を前記遠位端に有する保護具を具備し、前記保護具孔と前記スリーブ遠位端を越えて前記穿刺用先端を露出するために、前記閉塞具アセンブリを前記カニューレアセンブリ内に挿入することにより前記ハンドルが前記ハウジングに接触すると、前記保護具が、引き込み位置まで前記ハンドルに対して移動できるフレキシブルな近位端を有することを特徴とする手術用トロカール。
【請求項2】 開口とコンタクト部分を有するハンドルと;前記ハンドル開口を通して延在し、前記ハンドルに固定される近位端と穿刺用先端を有する遠位端を有する閉塞具シャフトと;前記閉塞具シャフトの前記穿刺用先端を通すことができるようにその遠位端に孔を有するとともに、近位側への力をかけた時に前記穿刺用先端を露出するために前記ハンドルの前記コンタクト部分に対して引き込み位置まで移動可能なフレキシブルな近位端も有しており、前記閉塞具シャフトの前記穿刺用先端を覆うために前記閉塞具シャフトの周囲にスライド可能に配置され、前記ハンドル開口を通して延在する保護具と;を具備する閉塞具アセンブリ。
【請求項3】 開口とフレキシブルなコンタクト部分とを有するハンドルと;前記ハンドル開口を通して延在し、前記ハンドルに固定される近位端と、穿刺用先端を有する遠位端とを有する閉塞具シャフトと;前記閉塞具シャフトの前記穿刺用先端を通すことができるようにその遠位端に孔を有するとともに、近位側への力をかけた時に前記穿刺用先端を露出するために前記ハンドルの前記フレキシブルなコンタクト部分に対して引き込み位置まで移動可能な近位端も有しており、前記閉塞具シャフトの前記穿刺用先端を覆うために前記閉塞具シャフト周囲にスライド可能に配置され、前記ハンドル開口を通して延在する保護具と;を具備する閉塞具アセンブリ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は一般に内視鏡による手術に関し、より詳しくは、内視鏡による手術手技(手順)で使用するための防護具(シールド)あるいは保護具(プロテクター)を有するトロカールに関する。
【0002】
【従来の技術】手術で内視鏡による手順(内視鏡的手技)の使用が広く受け入れられている。本明細書で使用される用語、内視鏡的とは、腹腔鏡的手技や関節鏡的手技を含め損傷が僅かな全てのタイプの手術手技を包含するように定義する。従って、外科医が複雑な手術手技を特定の体腔あるいは解剖学的部位を囲む皮膚や組織に僅かな切開で行なうことができる多数の内視鏡的器具が開発されている。内視鏡的器具を体腔内に挿入するために、トロカールを使用して体腔に穿刺あるいはカニューレ挿入を行なうことが必要になることが多い。トロカールは当業界でよく知られており、閉塞具とトロカールカニューレからなるのが普通である。密閉具あるいはシールアセンブリがカニューレと共に使用され、内視鏡的手技時に流体や気体が漏れるのを防止することが一般的である。トロカールは閉塞具周囲に、挿入前と挿入後そして閉塞具とトロカールカニューレを取り外した後も閉塞具の鋭い穿刺先端を覆う保護要素を有することができる。この保護要素は安全防護具あるいは保護具と呼ばれることが多い。
【0003】1つのタイプのトロカールは、安全防護具(シールド)を利用し、患者の外側の皮膚にトロカールアセンブリの遠位端を押付けることによって閉塞具の穿刺端が皮膚、皮下脂肪、筋肉、筋膜を通して体腔内に刺さる力で通常挿入される。安全防護具を近くに引いて鋭い穿刺先端を出すためにトロカールを体腔に貫通させる。しかしながら、その貫通が終了すると同時に、安全防護具は穿刺先端を覆うその保護場所に自動的に戻る。このタイプのトロカールは、完全に戻る安全防護された(fully returnable safty shielded)トロカールである。外科医が一旦トロカールを体腔内に適切に配置したら、安全防護と共に閉塞具を取外し、次にトロカールカニューレを、例えば、内視鏡的器具の挿入のための通路として利用する。米国特許第5,387,197号(Smith他)はこのタイプのトロカールを記載している。
【0004】完全に戻る安全防護されたトロカールについては、トロカールが体腔に完全に貫通していない場合のために、カニューレハンドルを閉塞具から取り外してトロカール閉塞具にその防護具を「再取付け」(reload)する必要がある。従って、この方法ではトロカール閉塞具を気腹内に挿入しながら余分な工程を行なう必要がある。
【0005】さらに、幾つかの手技では、安全防護具を使わずにトロカールを利用することあるいはトロカール閉塞具をトロカールカニューレ内に配置した時にトロカール閉塞具を防護しないトロカールデザインを利用することが望ましい。従って、防護された閉塞具とカニューレを連結すると同時に、防護具を引き込み、閉塞具の穿刺先端を露出する。このタイプのトロカールはアセンブリで作動するトロカールと称することができる。
【0006】アセンブリで作動するトロカールは、閉塞具をカニューレ内に配置した時に防護具がその保護場所に戻らないようにする。米国特許第5,248,298号(Bendi ら)にはこのタイプのトロカールを記載されている。このように、ユーザーは刺された組織からトロカールをわずかに引き抜き、残りの組織層に続けて通すことができる。これにより気腹の「テント」(tenting)と一般に呼ばれるものが防止される。この方法では体腔にさらに十分にアクセスができると同時にテントを減らすことができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】テントに関する問題を取り除き、安全防護具を使用しないトロカールは完全に戻る安全防護されたトロカールより通常コストが安いため、外科医は手術のコストを下げるために、これらのタイプのトロカールを利用することが多い。しかしながら、安全防護具無しでトロカールを利用するトロカールの手技の場合、トロカールを扱う人をその先端で切ったりあるいはトロカールシールアセンブリあるいはその器具の他の構成要素をその閉塞具先端で損傷する可能性がある。
【0008】現在のところ、外科医に低いコストの選択肢を提供すると同時に、防護具や保護具で穿刺先端を保護する能力を、閉塞具をカニューレの近位端に連結する時まで維持するようなトロカールは知られていない。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、損傷が少ない手技(手順)、腹腔鏡手技、関節鏡手技などのような内視鏡的手技で使用される手術用トロカールである。
【0010】本発明による手術用トロカールは近位端と遠位端とそれらを貫通する通路を有するスリーブを備えたカニューレアセンブリを具備している。開口を有するハウジングがスリーブの近位端に配置され、スリーブの通路と一直線上にある。この手術用トロカールはまた、カニューレアセンブリと係合可能な閉塞具アセンブリも具備している。この閉塞具アセンブリはハンドルと閉塞具シャフトを備えている。この閉塞具シャフトは、ハンドルに接続される近位端と、近位端と反対側の遠位端を有する。穿刺用先端が閉塞具シャフトの遠位端に配置されている。
【0011】閉塞具アセンブリはまた、閉塞具穿刺用先端を覆うために閉塞具シャフトの周囲にスライド可能に配置された保護具を備えている。この保護具は閉塞具シャフトの穿刺用先端を通すことができるように孔を保護具遠位端に有する。この保護具はまた、保護具の孔とスリーブ遠位端を越えて穿刺用先端を露出するために、閉塞具アセンブリをカニューレアセンブリ内に挿入することによりハンドルがハウジングに接触(コンタクト)すると、ハンドルのコンタクト部分に対してスライド移動可能なフレキシブルな近位端も有する。この為、閉塞具アセンブリをカニューレアセンブリ内に挿入すると同時に近位側への力が保護具にかかり、保護具のフレキシブル近位端がハンドルのコンタクト部分に対してスライド移動するように、保護具を近位側へ移動させる。この接触(コンタクト)により、フレキシブル近位端がハンドルのコンタクト部分に対してスライド移動するにつれて、フレキシブル近位端が曲がりないしは撓む。
【0012】本発明によれば、保護具のフレキシブル近位端の実施形態はいくつかある。第1の実施形態は1対の可撓性アームである。保護具のフレキシブル近位端の第2の実施形態は、保護具と一体型の正弦波形部材である。
【0013】本発明による別の実施形態は、手術用トロカール、より詳細には開口とフレキシブルな接触部分を有するハンドルを具備する閉塞具アセンブリを提供するものである。閉塞具シャフトは、ハンドル開口を通して延在し、ハンドルに固定される近位端と穿刺用先端を有する遠位端を有する。保護具は閉塞具シャフトの穿刺用先端を覆うために閉塞具シャフトの周囲にスライド可能に配置され、ハンドル開口を通して延在する。この保護具はその遠位端に閉塞具シャフトの穿刺用先端を通すことができる孔を有している。この保護具はまた、近位側への力をかけた時に穿刺用先端を露出できるように保護具を引き込み位置まで引き込むためにハンドルのフレキシブルな接触部分に対してスライド移動可能な近位端も有している。
【0014】本発明の1つの利点は、閉塞具がカニューレアセンブリと係合する瞬間まで外科医やその他の人をその間、保護する手術用トロカールを提供することである。本発明による他の利点は、トロカールシールとトロカールの他の構成要素を保護する手術用トロカールを提供することである。本発明による他の利点は、腹膜のテントを無くす手術用トロカールを提供することである。
【0015】本発明による他の利点は、内視鏡的手術手技の二次的なポートとして閉塞具保護具を有する手術用トロカールを提供することである。
【0016】本発明を特徴づける様々な新規な特徴を、この開示の一部を構成する添付特許請求の範囲に特に示す。本発明、本発明の作用による利点、および本発明を使用することによって得られる特定の目的をさらに理解するために、本発明の好ましい実施形態を示す添付図面とその説明を参照する。
【0017】
【発明の実施の形態】図1に最もよく示すように、本発明は、腹腔鏡的手術手技や関節鏡的手術手技のような損傷が小さい全ての手術手技を含む内視鏡的手術手技のために、アセンブリで作動するトロカールとして利用される低コスト手術用トロカール20である。この手術用トロカール20は使い捨てであり、一人の患者に使用するだけの装置としてのに使用が企図されている。すなわち、本発明によるトロカール20は特定の手術手技のために一人の患者だけに使え、その使用後には、そのトロカール20が廃棄される。
【0018】手術用トロカール20は、米国特許出願第08/543,455号(10/16/95);第08/543,547号(10/16/95);第08/572,172号(12/13/95);第08/694,980号(8/9/96)および米国特許第4,535,773号;第5,224,952号;第5,256,149号;5,314,417号;第5,387,197号;5,248,298号;第5,330,437号;5,399,167号;第5,066,288号;第5,215,526号;および第5,267,965号に記載されたトロカールと同様であり、上記文献の全てをを本明細書の参考文献として含める。
【0019】手術用トロカール20は一般に30で示される閉塞具を備え、その閉塞具30は、手術用アクセスポートを構成するためのカニューレアセンブリ80を通る。図2は下部に開口34を有するハンドル32を備えた閉塞具アセンブリ30を示す。ハンドル32は、1対の第1保持リブ37と、その1対の第1保持リブ37に近接して配置された1対の第2保持リブとを有するコンタクト部分36備えている。さらに、そのコンタクト部分36は第1ランプ(傾斜)面41とその第1ランプ面41に鈍角で配置された第2ランプ面43も有する。
【0020】第1被保持部分47と第2被保持部分49を近位端に有する閉塞具シャフト45は、第1保持リブ37と第2保持リブ39でそれぞれハンドル32に固定される。閉塞具シャフト45の残りの部分はハンドルの開口34を通してハンドル32から延在する。
【0021】閉塞具シャフト45はまた、組織に刺すためのフラットブレード(平刃)55と、1対の上肩部53とを備えたブレードアセンブリである穿刺用先端50も有する。穿刺用先端50は閉塞具シャフト45の遠位端に固定されている。
【0022】保護具を貫通するチャンネル61を有する保護スリーブ(保護具)57は閉塞具シャフト45の周囲にスライド可能に配置されている。保護具57は、閉塞具シャフト45の近位部分に沿ってハンドル32内に配置されたフレキシブル近位端59を備えている。図4に示したように、保護具57は1個の成形プラスチックである。保護具の近位端59は1対の可撓性アーム62を備え、その可撓性アーム62は、閉塞具シャフト45から外側に撓ませることができる程に弾性的でフレキシブルであり、撓んだ後は保護具57から外れずに元の形とサイズに戻る。しかしながら、保護具57は成形プラスチックにのみ限定されることを意図するものではなく、上記のようなフレキシブル近位端59にとって必要な性質、特性を有する全ての種類の材料を包含することができる。
【0023】保護具の可撓性アーム62は、図4に示したように各可撓性アーム62の端部に内面64と端面68を備えている。保護具の可撓性アーム62の端面68は、ハンドルコンタクト部分36の第1ランプ面41から遠位側に当初は配置されており、それにより第1ランプ面41と可撓性アーム端面68の間にギャップ(隙間)を形成する。
【0024】閉塞具シャフト45と同様に、保護具57はハンドル開口34を通りハンドル32から延在する。保護具57は、トロカールを組織に挿入した後に、組織を拡張して手術用アクセスポートを作るための保護具57の遠位端に配置された拡張用先端部分(拡張器先端)67を備えている。
【0025】保護具57は、その外面円周に配置されハンドル開口34近くに配置されたボス66を有する。保護具57の拡張用先端部分67は保護具57のチャンネル61に通じる孔60を備えている。孔60は、閉塞具シャフト45の穿刺用先端50を通すことができように閉塞具57の遠位端に配置されている。
【0026】拡張器先端67は、穿刺用先端50を通すことができように孔60から保護具57の遠位端近くの位置まで垂直に延在するスロット69を備えている(図4)。保護具57は、穿刺用先端50の上肩部53で支持できるように拡張器先端67のチャンネル61内に円周に配置されたストッパー65を有する。
【0027】保護具57のフレキシブル近位端62はハンドル32内のコンタクト部分36近くに位置するため、保護具57は、閉塞具シャフト45の穿刺用先端50の上肩部53とハンドルコンタクト部分36の間で、閉塞具シャフト45の周囲をスライド移動することができる。ストッパー65は、保護具57が閉塞具ハンドル32から外れないように穿刺用先端50の上肩部53で支持される。
【0028】図2に最もよく示されているように、閉塞具アセンブリ30は、保護位置にあり、このことは保護具57が穿刺用先端50を越えて延在することによって、穿刺用先端50を覆い、フラットブレード55で不注意に切らないようにすることを意味する。
【0029】図5は、貫通する中央通路を形成するカニューレスリーブ82と、そのスリーブ82の近位端に配置されたシールハウジング85とを備えるカニューレアセンブリ80を示している。カニューレスリーブ82は、そのスリーブ82を組織に配置するためにスリーブ82の外面に螺旋捻子山83を設けている。ハウジング85は、ハウジング85の両側から略垂直方向に外側に延びたハンドル部分84を有する。ハウジング85は、一般に100で示されるシール(密封)アセンブリを中に収納するための中央開口87を備えている。シールアセンブリ100は中央開口87に配置されカニューレスリーブ82上に取付けられる。ハウジング85はまた、2個の保持装置ロック92を備えた保持装置90を有し、シールアセンブリ100の上面に取付けられ、カニューレハウジング85に固定される。シール保持装置90は、シールアセンブリ100を通して閉塞具アセンブリ30を直接挿入できる円錐形プラスチックリングである。
【0030】ハウジング85はまた、シール保持装置90の保持装置ロック92を受けるため、ハウジング85の両側に位置する1対の保持装置ロックスロット86を備えている。そこで、保持装置90の保持装置ロック92は、図1に最もよく示されているようにハウジング85の保持装置ロックスロット86内に圧入される。
【0031】図3に最もよく示されているように、保護具57をカニューレハンドル32内で近位側に引き込んだ位置まで引き込むことによって穿刺用先端50が露出する。保護具57に近位側への力Fを働かせると、可撓性アーム端面68はハンドルコンタクト部分36の第1ランプ面41に接触し、それからハンドルコンタクト部分36の第1ランプ面41を横切ってスライド移動可能になっている。可撓性アーム端面68と第1ランプ面41との最初の接触後は、近位側への力Fがかかることにより保護具57がハンドル32内で近位側に力が働き可撓性アーム62は、弾性でフレキシブルな材料から作られているので、閉塞具シャフト45から外側に撓み離れる。その近位端59の材料特性のために、可撓性アーム62をコンタクト部分36に対してスライド移動させると、対抗する力が保護具57にかかる。これらの材料特性により近位側への力Fを保護具57から解除すると、保護具57は保護されていた位置まで遠位側に戻る。
【0032】一旦、第1ランプ面41を越えるように可撓性アーム端面68をスライドさせれば、可撓性アーム62の内面64はハンドルコンタクト部分36の第2ランプ面43に接触し、それから第2ランプ面43を横切ってスライド移動可能になっている。そのため可撓性アーム62の端面68と内面64は、ハンドルコンタクト部分36の第1ランプ面41と第2ランプ面43に対してそれぞれスライド移動して閉塞具32内に保護具57が容易に滑らかに引き込まれる。可撓性アーム62に十分な抵抗面を与えて可撓性アーム62が第1ランプ面41を越えて容易にはスライドしない為の充分な抵抗面を可撓性アーム62に与えるべく、第1ランプ面41を閉塞具シャフト45に略垂直に配置する。この配置により、閉塞具32内に保護具57を引き込ませようとするまでは、誤って引き込まれないことになる。第2ランプ面43が第1ランプ面41に対して鈍角であるため、可撓性アーム62に対して抵抗性が小さな面となる。これにより、引き込みの際に保護具57は容易に引き込むことができる。
【0033】例えば外科医が保護具のボス66を掴み、その保護具57をハンドル32に向かって近位側に引く等の手動により保護具57にかけられる近位側への力Fにより、保護具はその引き込み位置まで引き込む。或いは、また、保護具57の拡大器先端67が図1及び図3に示したようにカニューレスリーブ82の遠位端を通して延在するまで、そして保護具のボス66がハンドル開口34でハンドル32に接触する位置まで、カニューレアセンブリ80を通してカニューレスリーブ82内に閉塞具アセンブリ30を挿入することにより保護具57がその引き込み位置まで引き込む。この位置で保護具57のボス66は円錐形のシール保持装置90の内面と接触して近位側への力Fを保護具57に対して作用させる。この近位側への力Fは、保護具孔60を通して穿刺用先端50を延ばすべくハンドル32内で保護具を57を近位側へと送り、組織を切るためのフラットブレード55を露出させる。ハンドル開口34は、保護具のボス66が閉塞具ハンドル32内に挿入できないように、円周に配置された保護具のボス66の外径より小さな径を有する。
【0034】さらに、図5に示したように、閉塞具32はまた、ハンドル開口34に隣接してハンドルから横に延びた保持ピン33を備えている。そのため、一旦カニューレアセンブリ80に閉塞具アセンブリ30を挿入してアセンブリで作動するトロカール20を形成したら、ハンドル32のわずかな回転運動により保持ピン33をシール保持装置90のピンスロット94に回し入れることによって、閉塞具アセンブリ30をカニューレアセンブリ80にロックすることができる。
【0035】回しピン(保持ピン)33がピンスロット94から外れて保護具57が穿刺用先端50を覆うその保護位置まで戻るように、回転動作を逆にすることによってのみハンドル32はロック解除される。保護具の近位端59の弾性でフレキシブルな特性のため、ハンドル32をカニューレハウジング85から離すことにより保護具57は穿刺用先端50を越えて遠位側に送られる。
【0036】図6乃至図8に示すように、シールアセンブリ100は、ダイアフラム(隔板)シール108を囲む円周上のエラストマー部材であるハウジングシール104を備えている。ダイアフラムシール108は、それを貫通する中央孔110を有し、ハウジングシール104から、上向き外側に突き出た略凸形状を有している。フランジ112はハウジングシール104の外周となる。
【0037】さらに、シールアセンブリ100は、ハウジングシール104とダイアフラムシール108の下面から遠位側に延在する2つの側壁122からなるS字型加圧シール120を備える。図8に示すように、各側壁122は互いに隣接する端部126を有し、その間でS字型スリット128を形成する。そのためシールアセンブリ100の中央孔110とS字型スリット128により閉塞具アセンブリ30を密閉した状態で中に挿入することができ、手術用流体の漏れを防止する。しかしながら、一旦、カニューレアセンブリ80を配置したら、手術手技を容易にできる他の手術器具をカニューレアセンブリ80に通せるように、閉塞具アセンブリ30をカニューレアセンブリ80から引き出すことができる。閉塞具30と同様に、シールアセンブリ100に挿入された他の手術器具は、シールアセンブリ100で、特に、S字型加圧シールとダイアフラムシール108で密閉される。
【0038】本発明による第2の実施形態の保護具57aを図10に示す。この実施形態では保護具57aは、中央ボア(孔)73と、間にノッチ76を形成した1対の近位先端74を有する正弦波形(シヌソイダル)部材72であるフレキシブルな近位端59aを備えている。ノッチ76と中央ボア73は保護具57aのチャンネル61と一直線上にある。保護具57aのチャンネルに沿ったノッチ76と中央ボア73は両方とも互いに直線配列されるため閉塞具シャフト45を受ける形になっている。近位先端74は、上述のように保護具57aに対して近位側への力Fがかけられることにより、第1ランプ面41に接触するためのハンドルコンタクト部分36の第1ランプ面41近くに配置される。近位先端74は、第2ランプ面43へ移動しないで第1ランプ面41に接触する比較的平らな部材である。
【0039】上記保護具57(図4)と同様に、保護具57aは1個の一体構成要素として成形プラスチックからできている。その形態と材料成分により、正弦波形部材72は弾性でフレキシブル部材であり、保護具57aが上記保護具57(図4)と同様の機能を果たすことができる。
【0040】本発明による他の実施形態を図9に示す。この実施形態ではトロカール20は近位端70を有する保護具57bを備えている。カニューレハンドル32のコンタクト部分36は、保護具57bの近位端70によって移動する1対の可撓性部材48からなる。一旦、近位側への力Fを保護具57bにかけたら、保護具57bの近位端70が可撓性部材48の内面に対しスライド可能に移動しながらコンタクト部分36に近位側に進むように、可撓性部材48はフレキシブルで弾性材料から作られる。保護具近位端70は可撓性部材48を閉塞具シャフト45から外側に離して撓ませ保護具57bを引き込ませ穿刺用先端50を露出する。このようにこの配置によって図2乃至図5に示した好ましい実施形態と同様の利点が提供される。
【0041】上記のように本発明によるトロカール20は幾つかの利点がある。特にこのトロカール20は一体として作動するトロカールであり、コストを意識した手術環境で選択されるトロカールに関するものである。コストは本手術界では大きな問題であるため、患者のために安全で有効な優れた手術による治療を行なうため新規で創造的な器具と技術を開発すると同時に手術手技からコストを下げるように求めることが必要であることが多い。本発明によって与えられる手術手技からコストを下げる有意義な方法の一つは、本発明による1個以上のトロカール20に沿って本発明の分野と背景の一部として記載したトロカールのような1個の完全に戻る安全防護のトロカールを利用することである。
【0042】完全に戻る防護トロカールは、主に付随的な部品と製造のコストの点で本発明によるトロカールよりもコストがかかるため、多くの外科医は1つの手術手技(手順)時に利用される完全に戻る安全防護のトロカール数が制限されることを求めるだろう。従って、外科医の多くは、患者に第1のアクセスポートを形成するために1個の完全に戻る安全防護のトロカールだけを利用することができる。安全防護の閉塞具をカニューレから外すと第1アクセスポートが形成され、第2アクセスポートの配置のために透視を行なうため内視鏡を第1アクセスポートに挿入する。
【0043】第2アクセスポートは、手術手技を容易にするため様々なタイプの手術器具を収容するように利用される。そこで、本発明によるトロカール20をこれらの第2アクセスポートを形成するのに使用することができる。図2に示したように、本発明によるトロカールは保護具57を利用するため、穿刺用先端55が覆われ、従って、閉塞具アセンブリ30をカニューレアセンブリ80内に取付けロックする前に閉塞具アセンブリ30を扱う全ての人に良好な安全性が与えられる。さらに、シールアセンブリ100を通してカニューレスリーブ82内に閉塞具をスライドすると穿刺用先端55がまだ覆われているためトロカール20のシールアセンブリ100も保護される。
【0044】この発明は最も好ましい態様に基づいて説明されたが、この詳細な説明を検討する人には、非常に多くの他の実施形態が特許請求の範囲に限定されない。特許請求の範囲に述べられた範囲と趣旨に十分入ることが容易に明らかであろう。
【0045】なお本発明の具体的な実施態様は、以下の通りである。
(1)前記保護具の前記フレキシブルな近位端は、前記ハンドルのコンタクト部分に対してスライド移動可能である少なくとも一つの可撓性アームを備える請求項1記載の手術用トロカール。
(2)前記保護具の前記フレキシブルな近位端は、前記ハンドルのコンタクト部分に対してスライド移動可能である1対の可撓性アームを備える実施態様(1)記載の手術用トロカール。
(3)前記コンタクト部分は第1ランプ面を備え、各可撓性アームは、前記コンタクト部分の前記第1ランプ面に対してスライド移動するために各アームの近位端に端面を備える実施態様(2)記載の手術用トロカール。
【0046】(4)前記コンタクト部分はさらに、前記第1ランプ面に隣接する第2ランプ面を備え、各可撓性アームは、前記第2ランプ面に対してスライド移動するために前記端面に隣接する内面を備える実施態様(3)記載の手術用トロカール。
(5)前記保護具を前記引き込み位置まで引き込んだ時に前記ハンドルに接触するためのボスを備える実施態様(4)記載の手術用トロカール。
(6)前記ハウジングの前記開口に配置されたシールアセンブリを備える実施態様(5)記載の手術用トロカール。
(7)前記ハウジングは少なくとも1つのスロットを備え、前記ハンドルは、前記ハウジングにそのハンドルをロックするために、前記少なくとも1つのスロットと取外し可能に取付けられる少なくとも1つのピンを備える実施態様(6)記載の手術用トロカール。
【0047】(8)前記穿刺用先端はフラットブレードを備える実施態様(7)記載の手術用トロカール。
(9)前記保護具は、前記保護具の前記遠位端に拡張先端部を備える実施態様(8)記載の手術用トロカール。
(10)前記スリーブは前記スリーブの外面に螺旋捻子山を備える実施態様(9)記載の手術用トロカール。
(11)前記保護具の前記フレキシブルな近位端は、前記ハンドルのコンタクト部分に接触するため正弦波形部材を備える請求項1記載の手術用トロカール。
(12)前記正弦波形部材は、前記正弦波形部材の近位端に1対の突起先端とその先端の間のノッチとを備える実施態様(11)記載の手術用トロカール。
【0048】(13)前記正弦波形部材は、貫通する中央開口を備え、前記中央開口と前記ノッチは前記閉塞具シャフトを受ける形状となっている実施態様(12)記載の手術用トロカール。
(14)前記保護具は、前記保護具を前記引き込み位置まで引き込むと前記ハンドルに接触するためのボスを備える実施態様(13)記載の手術用トロカール。
(15)前記ハウジングの前記開口に配置されたシールアセンブリを備える実施態様(14)記載の手術用トロカール。
【0049】(16)前記ハウジングは少なくとも1つのスロットを備え、前記ハンドルは前記ハウジングにそのハンドルをロックするために、前記少なくとも1つのスロットと取外し可能に取付けられる少なくとも1つのピンを備える実施態様(15)記載の手術用トロカール。
(17)前記穿刺用先端はフラットブレードを備える実施態様(16)記載の手術用トロカール。
(18)前記保護具は、前記保護具の前記遠位端に拡張先端部を備える実施態様(17)記載の手術用トロカール。
(19)前記スリーブは前記スリーブの外面に螺旋捻子山を備える実施態様(18)記載の手術用トロカール。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように本発明による手術用トロカールによれば、損傷が少ない手技(手順)、腹腔鏡手技、関節鏡手技などのような内視鏡的手技で有効にトロカールを使用することができる。更に、本発明の手術用トロカールによれば、外科医に低いコストの選択肢を提供できるとともに、閉塞部をカニューレ近位端に連結する時点まで穿刺先端を安全に保護することができる。
【出願人】 【識別番号】595057890
【氏名又は名称】エシコン・エンド−サージェリィ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Ethicon Endo−Surgery,Inc.
【出願日】 平成10年(1998)3月25日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】田澤 博昭 (外1名)
【公開番号】 特開平11−28215
【公開日】 平成11年(1999)2月2日
【出願番号】 特願平10−95220