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【発明の名称】 三次元イメージング・システムおよび方法
【発明者】 【氏名】ウィリアム・トーマス・ハットフィールド

【氏名】トッド・マイケル・ティルマン

【氏名】パトリシア・アン・シューバート

【要約】 【課題】動いている超音波散乱体を含む被検体ボリュームの三次元イメージング方法およびシステムを提供する。

【解決手段】被検体ボリューム内の多数のサンプル・ボリュームから反射された超音波エコーを検出し、超音波散乱体によって反射された超音波エコーから少なくとも部分的に導き出された速度データを取得し、多数のサンプル・ボリュームの各々に対して速度データを記憶し、該記憶されている速度データから、所定の範囲内にある速度データのみを含むソース速度データ組を検索し、ソース速度データ組の中の速度データを第1の像平面へ投影して、第1の投影像を表す投影速度データ組を形成し、第1の投影像を表示する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 動いている超音波散乱体を含む被検体ボリュームの三次元イメージング・システムにおいて、超音波ビームを送信して、被検体ボリューム内の多数のサンプル・ボリュームから反射された超音波エコーを検出する超音波トランスジューサ・アレイ、超音波散乱体によって反射された超音波エコーから少なくとも部分的に導き出された速度データを取得する手段であって、各々の速度データが前記多数のサンプル・ボリュームの内のそれぞれの1つのサンプル・ボリュームに対応している手段、前記多数のサンプル・ボリュームの各々に対して速度データを記憶するメモリ手段、前記メモリ手段に記憶されている速度データから、所定の範囲内にある速度データのみを含むソース速度データ組を検索する手段、前記ソース速度データ組の中の速度データを第1の像平面へ投影して、第1の投影像を表す投影速度データ組を形成する手段、表示モニタ、および前記第1の投影像を前記表示モニタに表示させる手段、を含んでいることを特徴とする三次元イメージング・システム。
【請求項2】 更に、前記ソース速度データ組の中の速度データを、前記第1の像平面に対して回転されている第2の像平面に投影して、第2の投影像を表す投影速度データ組を形成する手段、および前記第2の投影像を前記表示モニタに表示させる手段を含んでいる請求項1記載のシステム。
【請求項3】 患者の心臓サイクル波形内の所定の特徴に応答して、少なくとも1つのフレームの速度データが前記メモリ手段に記憶される請求項1記載のシステム。
【請求項4】 動いている超音波散乱体を含む被検体ボリュームの三次元イメージング方法において、被検体ボリューム内に超音波ビームを送信するステップ、被検体ボリューム内の多数のサンプル・ボリュームから反射された超音波エコーを検出するステップ、超音波散乱体によって反射された超音波エコーから少なくとも部分的に導き出された速度データを取得するステップであって、各々の速度データが前記多数のサンプル・ボリュームの内のそれぞれ1つのサンプル・ボリュームに対応しているステップ、前記多数のサンプル・ボリュームの各々に対して速度データを記憶するステップ、前記の記憶されている速度データから、所定の範囲内にある速度データのみを含むソース速度データ組を検索するステップ、前記ソース速度データ組の中の速度データを第1の像平面へ投影して、第1の投影像を表す投影速度データ組を形成するステップ、および前記第1の投影像を表示するステップ、を含んでいることを特徴とする三次元イメージング・システム。
【請求項5】 更に、前記ソース速度データ組の中の速度データを、前記第1の像平面に対して回転されている第2の像平面に投影して、第2の投影像を表す投影速度データ組を形成するステップ、および前記第2の投影像を表示するステップを含んでいる請求項4記載のシステム。
【請求項6】 患者の心臓サイクル波形内の所定の特徴に応答して、少なくとも1つのフレームの速度データが記憶される請求項4記載のシステム。
【請求項7】 動いている超音波散乱体を含む被検体ボリュームの三次元イメージング方法において、被検体ボリューム内に超音波ビームを送信するステップ、被検体ボリューム内の多数のサンプル・ボリュームから反射された超音波エコーを検出するステップ、超音波散乱体によって反射された超音波エコーから少なくとも部分的に導き出された速度データを取得するステップであって、各々の速度データが前記多数のサンプル・ボリュームの内のそれぞれ1つのサンプル・ボリュームに対応しているステップ、前記多数のサンプル・ボリュームの各々に対して速度データを記憶するステップ、前記の記憶されている速度データから、所定の範囲内にある速度データを含み且つ該所定の範囲の外にある速度データを排除したソース速度データ組を検索するステップ、前記ソース速度データ組の中の速度データを第1の像平面へ投影して、第1の投影像を表す投影速度データ組を形成するステップ、および前記第1の投影像を表示するステップ、を含んでいることを特徴とする三次元イメージング・システム。
【請求項8】 更に、前記ソース速度データ組の中の速度データを、前記第1の像平面に対して回転されている第2の像平面に投影して、第2の投影像を表す投影速度データ組を形成するステップ、および前記第2の投影像を表示するステップを含んでいる請求項7記載のシステム。
【請求項9】 患者の心臓サイクル波形内の所定の特徴に応答して、少なくとも1つのフレームの速度データが記憶される請求項7記載のシステム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の分野】本発明は、一般的には、医学診断のための人体の解剖学的構造の超音波イメージングに関するものである。特に、本発明は、人体内の動いている流体または組織から反射された超音波エコーのドップラー偏移を検出することによって該動いている流体または組織の三次元イメージングを行う方法および装置に関するものである。
【0002】
【発明の背景】通常の超音波スキャナは、画素の輝度がエコー信号の強度に基づいて定められた、組織の二次元Bモード像を作成する。カラー流れイメージングでは、血液の流れまたは組織の動きを映像化することが出来る。ドップラー効果を利用して、心臓および血管内の血液の流れを測定することはよく知られている。後方散乱された超音波の周波数偏移を使用することにより、組織からの後方散乱体または血液の速度を測定することが出来る。後方散乱された超音波の周波数の変化すなわち周波数偏移は、血液がトランスジューサの方へ向かって流れているときは増加し、また血液がトランスジューサから遠ざかる向きに流れているときは減少する。このドップラー偏移は、流れの速度および方向を表すために異なるカラーを使用して表示することが出来る。カラー流れモードは、数百の隣接したサンプル・ボリュームを同時に表示し、これらは全て各々のサンプル・ボリュームの速度を表すためにカラー符号化されている。カラー流れ像はBモード像に重畳することが出来る。
【0003】本発明は、4つの主要なサブシステム(図1参照)、すなわちビーム形成装置2、処理装置4、走査変換器/表示制御器6および主制御器8で構成されている超音波イメージング・システムに用いられる。システムの制御は主制御器8に集中しており、主制御器はオペレータ・インターフェース(図示していない)を介してオペレータ入力を受け入れて、種々のサブシステムを制御する。主制御器はまたシステム・タイミングおよび制御信号を発生し、これらの信号がシステム制御母線10および走査制御母線(図示していない)を介して分配される。
【0004】主データ路が、トランスジューサからビーム形成装置へのディジタル化されたRF入力で始まる。ビーム形成装置は、2つの加算されたディジタル・ベースバンド受信ビームを出力する。ベースバンド・データはBモード処理装置4Aおよびカラー流れ処理装置4Bに入力され、そこで取得モードに従って処理されて、走査変換器/表示処理装置6へ処理済み音響ベクトル(ビーム)データとして出力される。走査変換器/表示処理装置6がこの処理済み音響データを受け取って、ラスタ走査フォーマットの像に対するビデオ表示信号をカラー表示モニタ12へ出力する。走査変換器/表示処理装置6は、主制御器8と協働して、表示用の多数の像、表示の注釈、グラフィック・オーバーレイ、並びにシネ(cine;動画)ループおよび記録された時間線データのリプレイ(再生)をフォーマッティングする。
【0005】Bモード処理装置4Aは、ビーム形成装置からのベースバンド・データを対数圧縮した信号包絡線へ変換する。B機能は、信号の包絡線の時間変化振幅を、各画素に対して8ビットの出力を使用してグレースケールで映像化する。ベースバンド信号の包絡線は、ベースバンド・データが表すベクトルの大きさである。血管や心室などの内部から反射された音波の周波数は血球の速度に比例してシフトすなわち偏移する。すなわち、血球がトランスジューサへ向かって動いている場合は正に偏移し、また血球がトランスジューサから離れる向きに動いている場合は負に偏移する。カラー流れ(CF)処理装置4Bは、イメージング平面内における血液の速度の実時間二次元像を作成するために使用される。血液の速度は、特定のレンジ・ゲートにおいてファイアリング(firing)相互の間での位相シフト(移相)を測定することによって計算される。像内の1つのレンジ・ゲートでドップラー・スペクトルを測定する代わりに、各々のベクトルに沿った多数のレンジ・ゲートおよび多数のベクトル位置から平均血液速度が計算され、この情報から二次元像が作成される。カラー流れ処理装置の構造および作用が、ここに引用する米国特許第5,524,629号に記載されている。
【0006】カラー流れ処理装置は、(8ビットの)速度信号、(4ビットの)分散(乱れ)信号および(8ビットの)パワー信号を発生する。オペレータが、速度および分散またはパワーを走査変換器へ出力するかどうか選択する。出力信号が、ビデオ処理装置22内に含まれているクロミナンス制御ルックアップ・テーブルに入力される。ルックアップ・テーブル内の各々のアドレスは24ビットを記憶する。作成される像中の各々の画素に対して、8ビットが赤の強度を制御し、8ビットが緑の強度を制御し、8ビットが青の強度を制御する。これらのビット・パターンは、流れの速度の方向または大きさが変わったときに各々の位置の画素の色が変わるように予め選定されている。例えば、トランスジューサへ向かう流れは赤で示され、トランスジューサから離れる向きの流れは青で示される。流れが速くなると、色はより明るくなる。
【0007】走査変換器/表示制御器6のBモード音響線メモリ14Aおよびカラー音響線メモリ14Bが、処理装置4Aおよび4Bからの処理済みディジタル・データをそれぞれ受け取って、Bモード・データおよびカラー流れデータを、極座標(R−θ)セクター・フォーマットまたはデカルト座標線形配列から、適切にスケーリングしたデカルト座標表示画素データへ座標変換する。この画素データはX−Y表示メモリ18に記憶される。Bモードでは、強度データがX−Y表示メモリ18に記憶され、各々のアドレスに3つの8ビット画素が記憶される。また、カラー流れモードでは、データはメモリに次のように記憶される。すなわち強度データ(8ビット)、速度またはパワー・データ(8ビット)および分散(乱れ)データ(4ビット)が記憶される。
【0008】カラー流れまたはBモード・データの多数の相次ぐフレームが、先入れ先出し形式でシネ・メモリ(cine memory)24に記憶される。シネ・メモリは、背後で動作していて、使用者に実時間で表示される像データを捕獲するサーキュラー像バッファに類似するものである。使用者がシステムを停止(freeze)したとき、使用者はシネ・メモリに前に捕獲された像データを見ることが出来る。表示された像上にグラフィック・オバーレイを作成するためのグラフィック・データが、時間線/グラフィック処理装置及び表示メモリ20において作成されて記憶される。ビデオ処理装置22が、グラフィック・データと像データと時間線データとの間でマルチプレクシングを行って、ビデオ表示モニタ12上にラスタ走査形式で表示させる最終的なビデオ出力を作成する。更に、ビデオ処理装置は様々なグレースケールおよびカラー・マップを提供すると共に、グレースケールおよびカラー像を組み合わせる。
【0009】通常の超音波イメージング・システムは、Bモードまたはカラー流れモードの像をシネ・メモリ24に連続して収集する。シネ・メモリ24は、単一像検討および多重像ループ検討のための常駐ディジタル像記憶並びに様々な制御機能を行う。単一像シネ・リプレイの際に表示される関心のある領域は、像の取得の際に使用されたものである。シネ・メモリはまた、主制御器8を介してディジタル大容量記憶装置へ像を転送するためのバッファとして作用する。
【0010】二次元の超音波像は、観察者が走査している解剖学的構造を具体的に思い浮かべることが出来ないので、解釈するのがしばしば困難である。しかしながら、超音波プローブが関心のある領域にわたって掃引されて、二次元像を累積して三次元像を形成できれば、熟練した観察者および未熟な観察者が共に解剖学的構造を容易に思い浮かべることが出来る。特に、動いている流体または組織の三次元超音波イメージングは有利であろう。
【0011】
【発明の概要】本発明は、速度のドップラー偏移データを使用して、動いている流体または組織の三次元像を表示するための方法および装置である。イメージング平面に投影される画素強度データのボリュームを制限することによって、像のセグメント化が改善される。本発明によれば、関心のあるボリュームが動いている流体または組織を含んでいる場合、動いている流体または組織から反射された超音波中に存在するドップラー偏移を検出し、このドップラー偏移を使用することにより、投影されるべき画素データの量を制限することが出来る。
【0012】本発明を用いる装置は、患者の心臓サイクル波形内の所定の特徴(例えば、ピーク)の発生のような周期的な外部のトリガ事象に応答して、カラー流れモードの像をシネ・メモリ内に収集する超音波スキャナを有する。本発明によれば、各々の取得された画素は、各々のサンプル・ボリュームから反射されたエコー信号中の検出されたドップラー偏移から導き出した8ビットの速度値を有する。この速度情報は、主制御器(または別の専用の処理装置)によってイメージング平面に投影されるべき速度データを識別するために処理される。速度データは、所定の範囲内にある大きさを持つ各々の速度データ、例えば非ゼロの大きさを持つ速度データを検索することによって処理される。本発明の広義の概念によれば、最小閾値よりも大きい速度値、又は最大閾値よりも小さい速度値、或いは最小閾値と最大閾値との間の速度値を、シネ・メモリから投影のために検索していよい。この範疇内の画素は、投影像を再構成する際に使用するためのソース画素データ・ボリュームを画成するために用いられる。ソース画素データ・ボリューム内に含まれている画素は、種々のイメージング平面への投影を再構成する際に使用される。ソース・データ・ボリュームの外側の画素は、再構成に使用されない。その結果、セグメント化が改善された投影速度像が得られる。
【0013】動いている流体または組織を三次元で映像化するため、主制御器が、レイ・キャスティング(ray−casting)法を使用して、ソース・データ・ボリューム内の画素速度データを、複数の回転された像平面に投影するアルゴリズムを実行する。各々の投影から生じる投影データはシネ・メモリに戻される。投影データは、表示像の中心領域に表示するために記憶される。表示像の周辺部は、オプションとして、システム・オペレータによるシステムの停止(freezing)の前にX−Yメモリから読み出された最後のフレームからの未投影の速度データを含んでいてよい。この代わりに、投影速度像は、背景フレームからの未投影のデータなしに、表示することが出来る。
【0014】本発明の方法によれば、主制御器がシネ・メモリから速度データを検索する。速度データは、患者の心臓サイクル波形内の所定の特徴(例えば、ピーク)の発生に応答して、シネ・メモリに記憶される。1つの取得モードでは、毎サイクル当り1フレームがX−Yメモリからシネ・メモリへ転送される。次いで、関心のあるボリュームからの速度データが、前に述べた閾値を用いる方式に従って処理されて、種々のイメージング平面に投影されるべき速度のソース・データ・ボリュームを取得する。別の取得モードでは、多数の相次ぐフレームがトリガ事象に応答して音響フレーム速度でシネ・メモリに記憶される。次いで、速度データを前に述べたように処理して、投影像を再構成し、この投影像をシネ・メモリに戻す。シネ・メモリに記憶されたこれらの再構成されたフレームは、次いでシステム・オペレータによって選択的に表示することが出来る。
【0015】
【好ましい実施態様の説明】図2を参照して説明すると、主制御器は中央処理装置(CPU)42およびランダム・アクセス・メモリ44を有する。CPU42はその中に読出し専用メモリ(ROM)を含み、該メモリは、取得した速度および乱れデータのボリュームを、異なる角度で取った多数の三次元投影像に変換するのに使用されるルーチンを記憶している。CPU42は、システム制御母線10を介してX−Y表示メモリ18およびシネ・メモリ42を制御する。具体的に述べると、CPU42はX−Y表示メモリ18からビデオ処理装置22およびシネ・メモリ24へのデータの流れを制御すると共に、シネ・メモリ24からビデオ処理装置22およびCPU42自身へのデータの流れを制御する。超音波イメージング・システムがカラー流れモードで動作しているとき、被検体の多数の平行な走査またはスライスの内の1つを表す各フレームのカラー流れデータが、X−Y表示メモリ18に記憶されて、次のサイクルでビデオ処理装置22およびシネ・メモリ24へ伝送される。走査された被検体ボリュームを表す1スタック(stack)のフレームが、シネ・メモリ24内の一区分24Aに記憶される。初期化の際(図3のステップ26を参照)、CPU42はシネ・メモリの区分24Aから関心のある被検体ボリュームに対応するカラー流れデータのみを検索する。これは、各々の選択されたフレームから、関心のある領域内のカラー流れデータのみを検索することにより達成される。多数の選択されたフレームの各々からの関心のある領域に対応するカラー流れデータは、関心のあるソース・データ・ボリュームを形成する。
【0016】本発明の好ましい実施態様によれば、関心のあるソース・データ・ボリュームは、所定の範囲内の速度成分、例えば非ゼロの(すなわち、ゼロでない)速度値を持つ画素を有する。ソース・データ・ボリューム内の速度データは、異なる視角で取った投影像を再構成するために使用される。速度の投影が、米国特許第5,226,113号明細書に開示されているレイ・キャスティング・アルゴリズムを使用して一連の変換を実行するCPU42で、再構成される。相次ぐ変換は、所定の角度範囲内(例えば、+90°乃至−90°の範囲内)で、所定の角度増分(例えば、10°の間隔)で作られた最大の又は最小の、或いは平均化された速度投影を表す。しかしながら、角度増分は10°である必要はなく、また本発明が特定の角度範囲に制限されるものでもない。
【0017】本発明で使用されるレイ・キャスティング法によれば、サンプル50(図4参照)の立体的に表現された投影像が、超音波トランスジューサ・アレイを使用して被検体ボリュームを走査することによって、任意の視角から、例えば角度パラメータ(θ、φ)で表記される球面投影角から表示される。ここで、θは視線58の射影線(extension)58’がX−Y平面上に作る角度であり、φは視線58が射影線58’に対して作る角度である。サンプル・ボリューム52は、一連の積み重なった隣接したスライスまたはシートOS1 、OS2 、・・・、OSk を作成するように走査され、各々のスライスは同じ数の被検体ボリューム要素(ボクセル)OVを含む。各々のボクセルはシートの平面(例えば、X−Y平面)内に矩形の輪郭を持つ。この輪郭が正方形になるように相補的な辺は等しい長さSであってよいが、シートの厚さTは一般にいずれの辺の長さにも等しくない。従って、第1の被検体スライスOS1 が第1の多数の被検体ボクセルOVi,j,1 を含み、ここでiおよびjはボクセルのそれぞれのX軸位置およびY軸位置である。同様に、第2の被検体スライスOS2 が第2の多数の被検体ボクセルOVi,j,2 を含む。任意の被検体スライスOSk が多数の被検体ボクセルOVi,j,k を含む。ここで、kはそのボクセルのZ軸位置である。
【0018】各々の被検体ボクセルOVi,j,k が分析されて、そのデータ値(強度、速度またはパワー)がデータ・ボリューム54の対応するデータ・ボクセルDVi,j,kに置かれる。データ・ボリュームDVi,j,k は、各々の被検体スライスOSk の厚さおよび各々の被検体ボクセルの面寸法(X−Y平面におけるボクセルの大きさ)が一般に同じでなくても、簡単な立方i,j,k格子である。すなわち、被検体ボリュームは各々のボクセルに対して異なるX、YおよびZ寸法を持っていてよいばかりではなく、任意の次元におけるボクセルの総数が同じである必要もない。例えば、典型的な超音波三次元走査では、各々のスライスが256×256行列のボクセルを持つ、128個のスライスを得ることが出来る。
【0019】CPU42によって用いられる公知の技術に従って、各々のデータ・ボクセルDVi,j,k 内の格子点から像平面56へのレイ・キャスティングすなわち射線(ray)の投射によって被検体50の像が投影される(図3のステップ34)。便宜のため、格子点は、例えばデータ・ボリュームの原点に最も近いデータ・ボクセルの頂点であってよい。投射された射線62は被検体ボリューム52をみる球面角度パラメータ(θ,φ)から変換された球面角度パラメータ(α,β)を持つ投影角でデータ・ボリューム54を出て行く。これらの2つの角度は、非立方体の被検体ボリューム52に対して立方体のデータ・ボリューム54を使用したことによる幾何学的歪みにより、同じではない。しかし、投射された射線62はバーX−バーY平面の射影線62’を持ち(ここで、バーXおよびバーYは、図示のようにXおよびYのそれぞれの頭に横棒を引いた記号を表す)、射影線62’はデータ・ボリュームのバーX軸に対して角度αを作り、また射線62はZ軸と角度βを作る。角度αおよびβは回転プロセス(以下に説明する)によって決定されて、(球面座標における操作を仮定すると)所望の視角(θ,φ)でサンプル・ボリューム52を見ることに対応する。各々の射線62はデータ・ボリュームのボクセル格子点から像平面へ向けて投射される。
【0020】全ての射線62は像平面のある部分に突き当たるが、考慮中の像平面画素60a内に入る射線のみが該像平面画素に対するデータに寄与することが出来る。従って、被検体ボリューム52の一部分を選び且つこの選ばれた被検体ボリュームを見る視角(θ,φ)を選択すると、データ・ボリュームの対応する部分の各ボクセル内のデータ値が、像平面56へある角度(α,β)で投影される(被検体ボリュームに対して歪んだデータ・ボリュームを見ることに対応する)。従って、第1のボクセル(例えば、DVi,1,k )内のデータ値が、選ばれた角度θおよびφに従って、射線62aに沿って逆投影される。この射線62aは画素60a内の衝突位置64で像平面56に突き当たる。これはこの画素に突き当たる最初の射線であるので、入射データの強度、速度またはパワー値が所望の画素60aに帰する(記憶される)。データ・ボリューム内の次の第2のボクセル(例えば、DVi,2,k )はそのボクセルの格子点から同じ角度(α,β)で投射される射線62bが関係し、それは像平面56に衝突位置64bで突き当たる。衝突位置64bが所望の画素60a内にあると仮定すると、第2の投影された値が現在記憶されている第1の値と(最大画素投影のために)比較され、そのうちの大きい方の値が画素60aに対して記憶される。ここで、平均値投影の場合には、現在の投影されているデータ・ボクセルの値が、その投影の射線の突き当たる像平面の画素に既に記憶されている和の値に加算され、次いでその結果の和が最終的にその画素に突き当たるこのような射線の計数値で割算されることが理解されよう。選択されたデータ・ボリューム内の各々のボクセルが逐次的にエントリされて像平面56に投影されるとき、あるデータ・ボリューム・ボクセル(例えば、DVi,3,k )はその関連する射線62pに沿って投影されるが、所望の画素60a内に突き当たらず、従ってそのデータ値(例えば、強度)が画素60aに対して現在記憶されているデータ値と比較されない。特定の三次元の視角(θ,φ)におけるデータのその投影に対して、画素画素60aに対する最大データ値がそのとき確立される。しかし、射線62pが事実上、別の像平面画素(例えば、画素画素60b)内にある衝突位置64pを持ち、その画素に記憶されているデータ値と比較されて、比較後の大きい方の値がその画素に対する記憶装置に戻される。全てのデータ値は、新しい投影が取られるときにゼロにリセットされる。従って、像平面画素の各々は像投影手順の開始時にリセットされ、(選択された被検体ボリューム52の部分によって設定されるような、全空間または選択された部分内の)データ・ボリューム・ボクセルの全ては個別に且つ逐次的に走査される。各々データ・ボクセルDV内のデータ値は、その1つの画素60内で像平面56に突き当たる関連の射線62により投影される。各々の画素内の最大値は射線投射されたデータ・ボリューム・ボクセルの現在値との間で比較されて、その内の大きい方の値が決定される。この大きい方の値は、次いで、最大値像の一部分として記憶される。実際には、最大画素投影の場合、新しく投射されたデータ・ボクセル値が、新しく投射された射線が突き当たる像平面画素に対して既に記憶されているデータ値よりも大きいときだけ、記憶された最大値が変更される。
【0021】上記の技術の別の面によれば、データ投影がスケーリングされ(図3のステップ36)、被検体ボリュームと像平面との間の非等方性が、逆投影の完了後の一組の計算だけによって除かれる。ここで図5を参照して説明すると、被検体ボリュームが実際のボリューム(容積)であるのに対して、データ・ボリュームが抽象的な概念であるので、第1の平面において、任意の視方向66が被検体ボリューム52およびデータ・ボリューム54の両方に対して位置決めされる角度ψよりも異なる角度γで立方体のデータ・ボリューム格子54を表すことに起因するデータ投影の歪みの量を決定することが必要である。各々のボクセルの見かけの寸法は、有効な立て方向の角度(仰角)ψおよびγが変わるにつれて変わろうとする。アスペクト比A(被検体ボリューム52内の実際のスライスの厚さTと同じ被検体ボリューム52内の実際の画素の大きさSとの比として定義される)が1でない(すなわち、被検体ボクセルがデータ・ボリューム54におけるように立方体のボクセルではないとき、1より大きいか又は小さい)場合、立て方向の角度ψおよびγが異なり、データ・ボリューム内の有効な立て方向角度ψが、被検体ボリューム内の実際の立て方向角度γとは異なる。データは、次式で得られる被検体の立て方向角度に従って回転される。
【0022】Ψ=tan-1[(1/A)tan(γ)]
その後、投影されたデータは、(回転が水平軸の周りになされた場合)被検体ボリューム内で正しい高さを持つように、全ての投影されたデータの高さに立て方向スケーリング係数を乗算することによって、スケーリングすることが出来る。古い投影像の高さHを有効なスケーリング係数ES により補正することが出来る。ここで、ES =[(Acosγ)2+sin2γ]1/2であり、新しい高さH’はH’=H・ES である。上記と同じことが、回転が垂直軸の周りになされるときの幅について当てはまる。
【0023】上記の関係を利用して、データ・ボリュームの角度(α,β)を回転すると角度(θ,φ)になり、歪みが1つの軸に沿っているだけであるので、角度θは角度αに等しい。3×3回転マトリクス[M]の要素を決定することができ、2つの関係する回転角度が与えられていると、これらの関係を使用してデータ・ボリュームから像平面への変換が決定される。
【0024】X’=M1X+M2Y+M3Z+XOY’=M4X+M5Y+M6Z+YOここで、M1−M6は回転マトリクスの最初の2行(すなわち、M1=−sinθ、M2=cosθsinψ、M3=0、M4=−cosθsinψ2、M5=−sinθsinψ、M6=cosψ)であり、X’およびY’は投影された点の像平面上の位置であり、XOおよびYOは像平面XおよびYのオフセット(それぞれXおよびY最低値点を基準としている)であって、そこから像平面の選択された部分が始まるオフセットである。データが像平面56上に投影された後、等方性でない被検体ボクセルの効果を補正するために像がスケーリングされる。回転マトリクスの係数M1−M6を投影(所与のθおよびφ)の始めに予め計算して(図3のステップ32)、全ての回転の計算のために使用することが出来ることが理解されよう。
【0025】図6は、主制御器8(または別の専用の処理装置)内に設けられている上述のレイ・キャスティング法を実行する手段を示す。このような手段は、シネ・メモリ24からデータ入力70aに受け取ったスライス・データを記憶するための三次元データ・メモリ手段70を有する。各々の被検体ボクセルに関するデータが、CPU74からボクセル・アドレス入力70bに受け取ったボクセル・アドレス入力情報に応答して、そのボクセルのアドレスに記憶される。三次元データ・メモリ手段70が満たされたとき(被検体ボリューム52からデータ・ボリューム54への全ての要求されたデータの転送に対応する)、関心のある被検体ボリューム部分が選択されて、そのX、YおよびZ方向における開始コーナーおよび範囲を設定するデータがCPU74からアドレス作成手段72の入力72aへ送られる。アドレス作成手段72は、アドレス出力72bに、選択された被検体ボリューム内の各々のボクセルのX,Y,Zアドレスを逐次的に供給する。出力72bは三次元データ・メモリ手段70の出力データ・アドレス入力70cに接続されていて、その1つのボクセルに対する記憶された強度データがアドレスされて三次元データ・メモリ手段の出力70dから出力されるようにする。ボクセルのX,Y,Zアドレスはまた逐次的に回転パラメータ計算手段76の第1の入力76aにも供給される。回転パラメータ計算手段76は、CPU74を介して角度(α,β)情報を、計算されたマトリクス要素M1−M6値として受け取って、出力76cに、選択された視角(θ,φ)で見たときの被検体のX,Y,Z画素に対応する像平面画素のアドレスX’,Y’を供給する。視角(θ,φ)情報はシステムに入力されて、CPU74によって処理される。その結果は視方向マトリクス手段78の入力78bおよび78cに入力されて、その出力78aから回転パラメータ計算手段76へマトリクス要素M1−M6が供給される。像平面画素のアドレスX’,Y’は、像平面メモリ手段80として作用するフレーム・バッファのアドレス入力80aに現れる。同時に、データ・ボリュームから像平面に投影された強度データが、三次元データ・メモリ手段の出力70dから像平面メモリ手段の新データ入力80bに現れる。このデータはまた、データ比較手段82の新データ入力82aにも現れる。入力80aのそのアドレスに対して像平面メモリ手段80に前に記憶されていた強度データが旧データ出力80cに現れ、従ってデータ比較手段の旧データ入力82bに現れる。入力82aおよび82bのそれぞれの新データおよび旧データがデータ比較手段82内で比較され、入力82aの新データが入力82bの旧データよりも大きい場合は、出力82cが選定された論理状態(例えば、高論理レベル)に作動される。出力82cは像平面メモリ手段80の置換制御データ入力80dに接続されている。これにより、置換制御データ入力80dが選定された論理レベルにある場合、入力80aによって制御されたアドレスに記憶されるデータが、入力80bの新データを受け入れるように変更される。従って、記憶されているデータは(CPU74からの)データ/制御ポート80eの信号等によって最初にリセットされ、そして新データが前に記憶された旧データよりも大きいという比較結果に応答して、各々の像平面画素位置X’,Y’に対して最大値のデータが記憶される。選択されたアドレスの全てがアドレス作成手段72によって逐次的に走査された後、像平面メモリ手段80に記憶されているデータがCPU74においてスケーリングされ、このスケーリングされたデータは表示、永久記憶または同様な目的のために像平面メモリ手段80から取り出すことが出来る。
【0026】本発明によれば、図3に示されている方法は、シネ・メモリから検索された関心のあるデータ・ボリュームに対して、カラー流れ速度データに適用される。投影像内の各々の画素は、所与の像平面上への投影によって導き出されたそれぞれの変換された速度データを含む。更に、シネ・メモリがオペレータによって停止(freeze)されたときに、CPU42はシネ・メモリ24の区分24B内の多数の相次ぐアドレスにX−Yメモリ18からの最後のフレームを記憶させる。第1の投影視角にたいする投影像データがシネ・メモリの区分24B内の第1のアドレスに書き込まれ、これにより関心のある領域内の投影像データが背景フレーム上に重畳される。このプロセスは、全ての投影像がシネ・メモリの区分24B内に記憶されるまで、各々の角度増分に対して繰り返される。各々の投影像フレームは、変換されたデータを含む関心のある領域で構成され、またオプションとして、関心のある領域を囲んでいて、関心のある領域の変換されたデータによってオーバーライト(上書き)されない背景フレーム・データより成る背景周辺部を含む。背景の像は、各々の表示された投影がどの場所から見たものであるかを一層明確にする。そこで、オペレータは投影像の内の任意の1つを表示のために選択することが出来る。更に、一連の投影像を表示モニタ上にリプレイ(再生)して、被検体ボリュームをあたかも観察者の前で回転しているかのように表示することが出来る。
【0027】本発明の好ましい実施態様では、超音波イメージング・システムは複数の異なる投影モードを有する。例えば、投影は最大または最小値の画素を含んでいてよい。別のモードでは、面の表現(rendering)を行うようにレイ・キャスティング法を用いてもよい。速度のソース・データ・ボリュームを形成するとき、そこから速度データを取ろうとするフレームまたは走査を識別するために2つのタイプのゲート動作を使用することが出来る。システム・オペレータが患者の心臓サイクル内のある特定の点における血流に関心がある場合、システムは、患者に接続された心臓モニタからの出力を受け取るように接続される。各サイクル毎に、モニタは心臓サイクル波形内の所定の特徴の発生に応答して信号を発生する。モニタからの各々の出力に応答して、主制御器が、トリガ事象の発生時またはトリガ事象から所定の遅延期間後にX−Yメモリ内に存在しているフレームをシネ・メモリに記憶させる。従って、毎サイクル当り1フレームがシネ・メモリに記憶される。この代わりに、心臓サイクル波形内の所定の特徴の発生に応答して、音響フレーム速度で多数の相次ぐフレームがシネ・メモリに記憶される。
【0028】どの取得モードが用いられるかに拘わらず、ソース・データ・ボリュームは、各フレーム内の関心のある領域に対応する画素データをシネ・メモリから検索し、次いで画素データを処理して、所定の閾値範囲内にある速度成分(例えば、非ゼロの速度成分)を持つ画素データのみを取得することによって、形成される。この速度情報は、次いで、表示のための投影速度像を再構成するために、種々のイメージング平面に投影される。
【0029】上記の好ましい実施態様は例示の目的で開示された。超音波イメージングまたはコンピュータ・グラフィックスの分野における当業者には種々の変更および変形を容易になし得よう。このような全ての変更および変形は特許請求の範囲に包含されるものである。
【出願人】 【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【出願日】 平成10年(1998)5月6日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】生沼 徳二
【公開番号】 特開平11−28214
【公開日】 平成11年(1999)2月2日
【出願番号】 特願平10−123449