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【発明の名称】 超音波イメージング方法およびシステム
【発明者】 【氏名】デイヴィッド・ジョン・ムジィラ

【氏名】アン・リンジィ・ホール

【氏名】マイケル・ジェイ・ワシュバーン

【氏名】ミール・セッド・セイド−ボロアフォロシュ

【氏名】デイヴィッド・ディー・ベッカー

【氏名】ドラリー・マーティネス

【氏名】サイアオ−リアング・クシュー

【要約】 【課題】所望の音響フレーム速度を維持しながらカラー流れ像の空間分解能および感度を増大する方法およびシステムを提供する。

【解決手段】動いている超音波散乱体の媒体のイメージングのため、相異なる第1および第2の送信焦点域の位置をそれぞれ持っている第1組および第2組の超音波ビームを前記媒体へ向けて順次送信して、第1および第2のフレームの画素流れデータをそれぞれ相次いで取得し、次いで、第1の現在のフレームのフレーム平均化画素流れデータを、フレーム平均化アルゴリズムと、前記第2のフレームの画素流れデータと、前に出力されたフレームのフレーム平均化画素流れデータとの関数として出力する。前記の前に出力されたフレームは、前記フレーム平均化アルゴリズムと、前記第1のフレームの画素流れデータと、その前に出力されたフレームのフレーム平均化画素流れデータとの関数として出力されたものである。前記第1の現在のフレームのデータはモニタに表示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 動いている超音波散乱体の媒体を映像化するためのイメージング方法において、第1のフレームの画素流れデータを作成するために前記媒体へ向けて第1組の超音波ビームを送信するステップであって、前記第1組の超音波ビームの内の各々のビームが第1の送信焦点域の位置を持っているステップ、第2のフレームの画素流れデータを作成するために前記媒体へ向けて第2組の超音波ビームを送信するステップであって、前記第2組の超音波ビームの内の各々のビームが前記第1の送信焦点域の位置とは異なる第2の送信焦点域の位置を持っているステップ、前記第1のフレームの画素流れデータ、次いで前記第2のフレームの画素流れデータを相次いで取得するステップ、第1の現在のフレームのフレーム平均化画素流れデータを、フレーム平均化アルゴリズムと、前記第2のフレームの画素流れデータと、前に出力されたフレームのフレーム平均化画素流れデータとの関数として出力するステップであって、該前に出力されたフレームのフレーム平均化画素流れデータが、前記フレーム平均化アルゴリズムと、前記第1のフレームの画素流れデータと、更にその前に出力されたフレームのフレーム平均化画素流れデータとの関数として出力されたものであるステップ、および前記第1の現在のフレームのフレーム平均化画素流れデータを表示するステップを有していることを特徴とするイメージング方法。
【請求項2】 前記画素流れデータが流れ速度データで構成されている請求項1記載の方法。
【請求項3】 前記画素流れデータがパワードップラーデータで構成されている請求項1記載の方法。
【請求項4】 前記第1の画素流れデータに第1の利得曲線が適用され、また前記第2の画素流れデータに前記第1の利得曲線とは異なる第2の利得曲線が適用される請求項1記載の方法。
【請求項5】 前記第1組の超音波ビームが第1のバースト長を持ち、また前記第2組の超音波ビームが前記第1のバースト長とは異なる第2のバースト長を持っている請求項1記載の方法。
【請求項6】 前記第1組の超音波ビームが第1の中心周波数を持ち、また前記第2組の超音波ビームが前記第1の中心周波数とは異なる第2の中心周波数を持っている請求項1記載の方法。
【請求項7】 前記第1組および第2組の超音波ビームが、1.0乃至3.0の範囲のFナンバーを持つ開口を有するトランスジューサ・アレイを使用して送信される請求項1記載の方法。
【請求項8】 超音波エコーが、1.0乃至3.0の範囲のFナンバーを持つ開口を有するトランスジューサ・アレイを使用して受信される請求項1記載の方法。
【請求項9】 前記フレーム平均化アルゴリズムは、前記第1のフレームの信号レベルと前記第2のフレームの信号レベルとの間の正規化された差の関数である持続係数を計算する請求項1記載の方法。
【請求項10】 更に、第3のフレームの画素流れデータを作成するために前記媒体へ向けて第3組の超音波ビームを送信するステップであって、前記第3組の超音波ビームの内の各々のビームが前記第1および第2の送信焦点域の位置のいずれとも異なる第3の送信焦点域の位置を持っているステップ、前記第2のフレームの画素流れデータの後に前記第3のフレームの画素流れデータを取得するステップ、第2の現在のフレームのフレーム平均化画素流れデータを、前記フレーム平均化アルゴリズムと、前記第3のフレームの画素流れデータと、前記第1の現在のフレームのフレーム平均化画素流れデータとの関数として出力するステップ、および前記第2の現在のフレームのフレーム平均化画素流れデータを表示するステップを有している請求項1記載の方法。
【請求項11】 動いている超音波散乱体の媒体を映像化するためのイメージング・システムにおいて、第1のフレームの画素流れデータを作成するために前記媒体へ向けて第1組の超音波ビームを送信する手段であって、前記第1組の超音波ビームの内の各々のビームが第1の送信焦点域の位置を持っている手段、第2のフレームの画素流れデータを作成するために前記媒体へ向けて第2組の超音波ビームを送信する手段であって、前記第2組の超音波ビームの内の各々のビームが前記第1の送信焦点域の位置とは異なる第2の送信焦点域の位置を持っている手段、前記第1のフレームの画素流れデータ、次いで前記第2のフレームの画素流れデータを相次いで取得する取得手段、第1の現在のフレームのフレーム平均化画素流れデータを、フレーム平均化アルゴリズムと、前記第2のフレームの画素流れデータと、前に出力されたフレームのフレーム平均化画素流れデータとの関数として出力するフィルタ平均化手段であって、該前に出力されたフレームのフレーム平均化画素流れデータが、前記フレーム平均化アルゴリズムと、前記第1のフレームの画素流れデータと、更にその前に出力されたフレームのフレーム平均化画素流れデータとの関数として出力されたものであるフィルタ平均化手段、表示モニタ、および前記第1の現在のフレームのフレーム平均化画素流れデータを前記表示モニタに表示させる手段を有していることを特徴とするイメージング・システム。
【請求項12】 前記取得手段が流れの速度を計算する手段を有している請求項11記載のシステム。
【請求項13】 前記取得手段が流れのパワーを計算する手段を有している請求項11記載のシステム。
【請求項14】 更に、第1の利得曲線および前記第1の利得曲線とは異なる第2の利得曲線を記憶している手段、前記第1の画素流れデータに前記第1の利得曲線を適用する手段、並びに前記第2の画素流れデータに前記第2の利得曲線を適用する手段を含んでいる請求項11記載のシステム。
【請求項15】 前記第1組の超音波ビームが第1のバースト長を持ち、また前記第2組の超音波ビームが前記第1のバースト長とは異なる第2のバースト長を持っている請求項11記載のシステム。
【請求項16】 前記第1組の超音波ビームが第1の中心周波数を持ち、また前記第2組の超音波ビームが前記第1の中心周波数とは異なる第2の中心周波数を持っている請求項11記載のシステム。
【請求項17】 更に、1.0乃至3.0の範囲のFナンバーを持つ送信開口を有するトランスジューサ・アレイを含んでいる請求項11記載のシステム。
【請求項18】 更に、1.0乃至3.0の範囲のFナンバーを持つ受信開口を有するトランスジューサ・アレイを含んでいる請求項11記載のシステム。
【請求項19】 前記フレーム平均化アルゴリズムは、前記第1のフレームの信号レベルと前記第2のフレームの信号レベルとの間の正規化された差の関数である持続係数を計算する請求項11記載のシステム。
【請求項20】 動いている超音波散乱体の媒体を映像化するためのイメージング方法において、ベクトル密度の組を記憶しておくステップ、第1のフレームの画素流れデータを作成するために前記媒体へ向けて第1組の超音波ビームを送信するステップであって、前記第1組の超音波ビームの内の各々のビームが第1の送信焦点域の位置を持つと共に、前記記憶されたベクトル密度の組のデシメーションに従って送信されるステップ、第2のフレームの画素流れデータを作成するために前記媒体へ向けて第2組の超音波ビームを送信するステップであって、前記第2組の超音波ビームの内の各々のビームが前記第1の送信焦点域の位置とは異なる第2の送信焦点域の位置を持つと共に、前記記憶されたベクトル密度の組のデシメーションに従って送信されるステップ、前記第1のフレームの画素流れデータ、次いで前記第2のフレームの画素流れデータを相次いで取得するステップ、第1の現在のフレームのフレーム平均化画素流れデータを、フレーム平均化アルゴリズムと、前記第2のフレームの画素流れデータと、前に出力されたフレームのフレーム平均化画素流れデータとの関数として出力するステップであって、該前に出力されたフレームのフレーム平均化画素流れデータが、前記フレーム平均化アルゴリズムと、前記第1のフレームの画素流れデータと、更にその前に出力されたフレームのフレーム平均化画素流れデータとの関数として出力されたものであるステップ、および前記第1の現在のフレームのフレーム平均化画素流れデータを表示するステップを有していることを特徴とするイメージング方法。
【請求項21】 動いている超音波散乱体の媒体を映像化するためのイメージング方法において、第1のフレームの画素流れデータを作成するために前記媒体へ向けて第1組の超音波ビームを送信するステップであって、前記第1組の超音波ビームの内の各々のビームが第1の送信焦点域の位置を持つと共に、一様でない横方向分布を持つベクトル密度の組に従って送信されるステップ、第2のフレームの画素流れデータを作成するために前記媒体へ向けて第2組の超音波ビームを送信するステップであって、前記第2組の超音波ビームの内の各々のビームが前記第1の送信焦点域の位置とは異なる第2の送信焦点域の位置を持つと共に、前記一様でない横方向分布を持つ前記ベクトル密度の組に従って送信されるステップ、前記第1のフレームの画素流れデータ、次いで前記第2のフレームの画素流れデータを相次いで取得するステップ、第1の現在のフレームのフレーム平均化画素流れデータを、フレーム平均化アルゴリズムと、前記第2のフレームの画素流れデータと、前に出力されたフレームのフレーム平均化画素流れデータとの関数として出力するステップであって、該前に出力されたフレームのフレーム平均化画素流れデータが、前記フレーム平均化アルゴリズムと、前記第1のフレームの画素流れデータと、更にその前に出力されたフレームのフレーム平均化画素流れデータとの関数として出力されたものであるステップ、および前記第1の現在のフレームのフレーム平均化画素流れデータを表示するステップを有していることを特徴とするイメージング方法。
【請求項22】 前記一様でない横方向分布が放物的分布である請求項21記載の方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の分野】本発明は一般に医学診断のための人体の解剖学的構造の超音波イメージング・システムに関するものである。特に、本発明は人体内の動いている流体または組織から反射された超音波エコーのドップラー偏移を検出することによって、該動いている流体または組織をイメージングすなわち映像化する方法およびシステムに関するものである。
【0002】
【発明の背景】通常の超音波スキャナは、画素の輝度がエコー信号の強度に基づいて定められた、組織の二次元Bモード像を作成する。カラー流れイメージングでは、血液の流れまたは組織の動きを映像化することが出来る。ドップラー効果を利用して、心臓および血管内の血液の流れを測定することはよく知られている。後方散乱された超音波の周波数偏移を使用することにより、組織からの後方散乱体または血液の速度を測定することが出来る。後方散乱された超音波の周波数の変化すなわち周波数偏移は、血液がトランスジューサの方へ向かって流れているときは増加し、また血液がトランスジューサから遠ざかる向きに流れているときは減少する。このドップラー偏移は、流れの速度および方向を表すために異なるカラーを使用して表示することが出来る。カラー流れ速度モードでは、数百の隣接したサンプル容積が同時に表示され、これらは全て各々のサンプル容積の速度を表すためにカラー符号化されている。パワードップラーイメージング(PDI)は、速度よりもむしろ流れ信号の振幅が表示されるカラー流れモードである。カラー流れ像はBモード像に重畳し得る。
【0003】本発明は、図1に示されるような4つの主要なサブシステム、すなわちビーム形成装置2、処理装置4(各々の異なるモードに対して別々の処理装置を含む)、走査変換器/表示制御器6およびカーネル8を有する超音波イメージング・システムに用いられる。システムの制御はカーネル8に集中しており、カーネルはオペレータ・インターフェース10を介してオペレータ入力を受け入れて、種々のサブシステムを制御する。主制御器12がシステム・レベル制御機能を実行する。これは、オペレータ・インターフェース10を介してオペレータからの入力およびシステム状態変化(例えば、モード変更)を受け入れて、適切なシステム変更を直接的に又は走査制御器を介して行う。システム制御母線14が主制御器からサブシステムへのインターフェイスを構成する。走査制御シーケンサ16が、ビーム形成装置2、システム・タイミング発生器24、処理装置4および走査変換器6に対する実時間(音響ベクトル・レート)制御入力を供給する。走査制御シーケンサ16は、ホストによって、音響フレーム(acoustic frame)取得のためのベクトル順序および同期化のオプションを持つようにプログラミングされる。従って、走査制御シーケンサはビーム分布およびビーム密度を制御する。走査変換器は、ホストによって定められたビーム・パラメータを、走査制御母線18を介してサブシステムへ送り出す。
【0004】主データ路が、トランスジューサ20からビーム形成装置2へのディジタル化されたRF入力で始まる。図2を参照して説明すると、通常の超音波イメージング・システムは、複数の別々に駆動されるトランスジューサ素子38より成るトランスジューサ・アレイ36を含む。各々のトランスジューサ素子は、送信器(図示していない)によって発生されたパルス波により付勢されたとき、超音波エネルギのバーストを発生する。被検体から反射されてトランスジューサ・アレイ36へ戻った超音波エネルギは、各々の受信用のトランスジューサ素子38によって電気信号に変換されて、ビーム形成装置2へ別々に印加される。
【0005】各々の超音波エネルギのバースによって作成されたエコー信号は、超音波ビームに沿った相次ぐ箇所に位置する被検体から反射される。エコー信号は各々のトランスジューサ素子38によって別々に検知され、特定の時点でのエコー信号の大きさが特定の距離で生じた反射量を表す。しかし、超音波散乱サンプル容積と各々のトランスジューサ素子38との間の伝搬路の差により、これらのエコー信号は同時に検出されず、またそれらの振幅は等しくない。ビーム形成装置2は別々のエコー信号を増幅し、各々の信号に適切な時間遅延を与え、そしてそれらの信号を加算することにより、サンプル容積から反射された全超音波エネルギを正確に表す単一のエコー信号を作成する。各々のビーム形成チャネル40がそれぞれのトランスジューサ素子38からエコー信号を受ける。
【0006】各々のトランスジューサ素子38に当たったエコーによって発生される電気信号を同時に加算するために、ビーム形成制御器42によって各々のビーム形成チャネル40にそれぞれ時間遅延が導入される。受信のためのビームの時間遅延は送信のための時間遅延と同じである。しかし、各々のビーム形成チャネルの時間遅延はエコーの受信の際に連続的に変えられて、エコー信号が出てくる距離の所に受信ビームを動的収束させる。ビーム形成チャネルはまた、受信したパルスに対してアポダイゼーション(apodization)およびフィルタリングを行うための回路(図示していない)を有する。
【0007】加算器36に入る信号は、それらが他のビーム形成チャネル40の各々からの遅延信号と加算されるように遅延される。その結果の加算信号は、ステアリングされたビームに沿って位置するサンプル容積から反射されたエコー信号の大きさおよび位相を表す。信号処理装置または検出器4が受け取った信号を表示データに変換する。
【0008】ビーム形成装置は、2つの加算されたディジタル・ベースバンド受信ビームを出力する。ベースバンド・データはBモード処理装置4Aおよびカラー流れ処理装置4Bに入力され、そこで取得モードに従って処理されて、走査変換器/表示処理装置6へ処理済み音響ベクトル(ビーム)データとして出力される。走査変換器/表示処理装置6はこの処理済み音響データを受け取って、ラスタ走査フォーマットの像に対するビデオ表示信号をカラーモニタ22へ出力する。
【0009】Bモード処理装置は、ビーム形成装置からのベースバンド・データを対数圧縮した信号包絡線へ変換する。B機能は、信号の包絡線の時間変化振幅を、各画素に対して8ビットの出力を使用してグレースケールで映像化する。ベースバンド信号の包絡線は、ベースバンド・データが表すベクトルの大きさである。血管や心室などの内部から反射された音波の周波数は血球の速度に比例して偏移する。血球がトランスジューサへ向かって動いている場合は正に偏移し、また血球がトランスジューサから離れる向きに動いている場合は負に偏移する。カラー流れ(CF)処理装置は、イメージング平面内における血液の速度の実時間二次元像を作成するために使用される。血液の速度は、特定の距離ゲートにおいてファイアリング(firing)相互の間での位相シフト(移相)を測定することによって計算される。像内の1つの距離ゲートでドップラー・スペクトルを測定する代わりに、各々のベクトルに沿った多数の距離ゲートおよび多数のベクトル位置から平均血液速度が計算され、この情報から二次元像が作成される。カラー流れ処理装置の構造および動作は、ここに引用する米国特許第5,524,629号明細書に開示されている。
【0010】カラー流れ処理装置は、(8ビットの)速度信号、(4ビットの)分散(乱れ)信号および(8ビットの)パワー信号を発生する。オペレータが、速度および分散またはパワーを走査変換器へ出力するかどうか選択する。出力信号が、ビデオ処理装置22内に含まれているクロミナンス制御ルックアップ・テーブルに入力される。ルックアップ・テーブル内の各々のアドレスは24ビットを記憶する。作成される像の各々の画素に対して、赤の強度が8ビットで制御され、緑の強度が8ビットで制御され、青の強度が8ビットで制御される。これらのビット・パターンは、流れの速度が方向または大きさを変えたとき、各々の位置での画素のカラーが変更されるように、予め選択されている。例えば、トランスジューサの方へ向かう流れが赤で表示され、またトランスジューサから離れる向きの流れが青で表示される。流れが速くなるにつれて、カラーはより明るくなる。
【0011】通常の超音波イメージング・システムでは、超音波トランスジューサ素子のアレイが超音波ビームを送信し、次いで被検体から反射されたビームを受信する。アレイは、典型的には、一列に配列されて、別々の電圧で駆動される多数のトランスジューサ素子で構成されている。印加電圧の時間遅延(または位相)および振幅を選択することによって、個々のトランスジューサ素子は、これらのトランスジューサ素子が発生する超音波が組み合わさって、好ましいビーム方向に沿って進行し且つビームに沿った選ばれた点に焦点を合わせた正味の超音波を形成するように、制御することが出来る。多数の走査線に沿って望ましい解剖学的情報を表すデータを取得するために、多数回のファイアリングを使用することが出来る。各々のファイアリングにおけるビーム形成パラメータを変えることにより、焦点の位置を変更し、さもなければ受信したデータの空間位置を変更することが出来る。印加電圧の時間遅延および振幅を変えることによって、被検体を走査するために一平面内でビームをその焦点と共に動かすことが出来る。
【0012】この同じ原理が、反射された音波を受信するようにトランスジューサ・プローブを用いるとき(受信モード)にも適用される。受信用トランスジューサ素子で発生された電圧は、正味の信号が被検体内の1つの焦点から反射された超音波を表すように加算される。送信の場合と同様に、この収束した超音波エネルギの受信は、各々の受信用トランスジューサ素子からの信号に対して別々の時間遅延(および/または位相シフト)と利得を与えることによって達成される。
【0013】このような走査は、ステアリング(steering)された超音波を送信し、短い時間後にシステムを受信モードに切り換えて、反射された超音波を受信して記憶する一連の測定で構成されている。典型的には、送信および受信は各々の測定の際に同じ方向にステアリングされて、走査線に沿った一連の点からのデータが取得される。受信器は、反射された超音波を受信するとき、走査線に沿った相次ぐ距離すなわち深さに動的に焦点合わせされる。
【0014】超音波イメージング・システムでは、最適な像を得るためのビーム間隔はビーム幅または横方向点広がり関数によって決定される。横方向点広がり関数は波長とFナンバーとの積によって決定される。波長は送信波形の中心周波数および受信器の復調周波数の関数である。Fナンバーは焦点深度を開口の大きさで割った値に等しい。
【0015】ファイアリングされるビームの数は空間サンプリング要件および所望のフレーム速度によって決定される。フレーム速度は、完全な1フレームのデータを形成するのに必要な全てのビームを送信および受信するのにかかる時間に反比例する。像中の起こり得る運動誘起エラーを最小にするためには高いフレーム速度が必要である。高いフレーム速度を維持するために、ビームの数はナイキスト(Nyquist)空間サンプリング要件を満足する最少の数に保たれる。最少の空間サンプリング要件よりも少ないビームがファイアリングされるとき、空間エイリアシングが生じる。最適な空間サンプリングにおいて、最高の分解能が、最高のフレーム速度と共に得られる。
【0016】
【発明の概要】本発明は、所望の音響フレーム速度を維持しながら、カラー流れ像の空間分解能および感度を増大させる方法および装置である。本発明によれば、一層狭く定められた焦点領域に超音波エネルギが集中され、これにより流れ感度および血管充填を増大することが可能になる。関心のあるカラー領域にわたって流れの一様性も達成される。
【0017】本発明の方法は、多数の送信焦点域の使用、および小さいFナンバーすなわち1.0〜3.0のFナンバーを持つ送受信開口の使用を含む、多数の技術を用いる。小さいFナンバーを持つ多数の送信焦点域を使用することにより、一層大きい被写界深度(depth−of−field)にわたって密な収束を行うことが可能になる。更に、各々の送信焦点域に対して特定の波形および特定の利得曲線が使用される。各々の焦点域は別々の音響フレームでファイアリングされる。データを表示するときに、これらの音響フレームの各々からの焦点内(in−focus)データを一緒に組み合わせるために適応フレーム平均化アルゴリズムが使用される。この方法の利点は、伝統的な単一焦点カラー・モードに比べて何ら付加的なファイアリングが必要とされないので、実際のフレーム速度が更に低下されることがないことである。
【0018】本発明のシステムは、多数のいわゆる「多重周波数セットアップ」を記憶する。各々の多重周波数セットアップは、特定のビーム形成および波形セットアップである。これらのセットアップの各々は、異なる送信サイクル数(すなわち、バースト長)を持つ異なる波形、異なるFナンバーなどを使用する。これらの多重周波数セットアップは、いわゆる「高速」および「低速」ビーム形成パラメータによってトランスジューサ・プローブ・ファイル内で定められる。これらのパラメータは、送信される波形、開口の使用の仕方(Fナンバー、アポダイゼーションなど)、受信時の信号の復調の仕方、焦点域の位置、および幾つかの他のパラメータを定める。低速/高速ビーム形成対が一般に多重周波数セットアップを定める。
【0019】高速ビーム形成パラメータは、使用者が用途または多重周波数セットアップを変更したとき、有意な移行遅延を起こすことなく変更できるパラメータである。低速ビーム形成パラメータは、システムのメモリに新しいビーム形成セットアップを装入することを要求するパラメータであって、使用者が異なる低速ビーム形成セットアップを使用するような用途または多重周波数セットアップを変更したとき、数秒の遅延を引き起こすパラメータである。
【0020】
【好ましい実施態様の詳しい説明】本発明の一面によれば、空間分解能を増大させるために小さい送受信Fナンバー(すなわち、広い開口)が使用される。小さいFナンバーの開口の使用による音響ビーム分布に及ぼす効果が、図3および4に示されている。図3は、大きいFナンバー(小さい開口)を使用した場合を示す。横方向の収束は、被写界深度がかなり大きい範囲になっていても、焦点において非常に鋭くはない。図4は、小さいFナンバー(大きい開口)を使用した場合のビームを示す。横方向の収束は焦点において狭く(鋭く)なっており、被写界深度は狭くなっている。本発明の好ましい実施態様では、Fナンバーの範囲は1.0乃至3.0である。
【0021】本発明の別の特徴によれば、多数の送信焦点域が使用される。小さいFナンバーを持つ多数の焦点域を使用することにより、被写界深度の問題が解決され、図5に示されるように大きな被写界深度にわたって鋭い収束が可能である。その上、各々の焦点域に対して特定の波形を使用することが出来る。近距離場では、送信波形は比較的短いバースト長を持つ。短いバースト長の波形の使用により、感度を犠牲にして(波形のエネルギを小さくして)より良好な軸方向分解能が得られる。感度の低下は、近距離場で開口を大きくすることによって補償できる。遠距離場では所要の侵入を達成するために長いバースト長の波形がしばしば必要になる。本発明の別の面によれば、送信波形は焦点域毎に変えることが出来る。低い周波数の波形を使用すると、侵入深さが大きくなり、また高い周波数の波形を使用すると、近距離分解能が良くなる。復調周波数の好ましい範囲は、プローブの応じて1.25乃至8MHzである。各々の焦点域に対する好ましい送信サイクル数(すなわち、バースト長)は、送信焦点深度、中心周波数および所望の軸方向分解能に応じて、2乃至8サイクルである。例えば、1つの高分解能ビーム形成セットアップによれば、復調周波数は全ての焦点域に対して5MHzであり、送信サイクル数は最初の10個の焦点域の位置(例えば、0.4cmから3.1cmまでの範囲)に対して3であり、11番目および12番目の焦点域の位置(例えば、それぞれ3.4cmおよび3.7cm)に対する送信サイクル数は4である。
【0022】本発明の更に別の面によれば、各々の焦点域に対して特定の利得曲線が使用される。ここで「利得曲線」とは、システムの利得が深さにつれて変化する様子を表す。深さが大きくなるにつれて音響信号の減衰が大きくなるので、深さが大きくなるにつれ、深さが浅い場合よりも一層大きな利得が必要になる。深さにわたって比較的一様な像を作成する(利得を一様にする)ため、典型的には深さが大きくなるにつれてより大きい利得を適用することが必要になる。しかしながら、本発明によれば、送信された信号のエネルギの殆どが送信焦点域またはその付近に現れる。各々の焦点域に対して特定の利得曲線を使用して、利得整合が行われる。利得は、信号が焦点域において高くなり且つ焦点域から離れるにつれて次第に小さくなるように、調節される。このようにして、フレーム平均化アルゴリズムは、高い焦点内信号を捕捉し、且つ焦点域から離れた区域からの焦点外信号寄与分を最小にする。利得曲線は、ファイル内にある各々の焦点域に対する一組のナンバーであり、このナンバーはその処理段内の信号に適用される利得を表す。これらの利得曲線は、ビーム形成装置の一部である等化ボードで適用される。
【0023】本発明による多数の焦点域のファイアリングは、各々の焦点域に対して完全なパケットをファイアリングすることが必要であるので、既にフレーム速度で制限されているカラーイメージング・モードに対して問題を提起する。この問題は、別々の音響フレームで各々の焦点域をファイアリングすることによって克服される。従って、焦点域の位置がフレーム毎に変化する。
【0024】カラー流れモードで走査する際、二次元像を作成するには、垂直なベクトルを左から右へ順次ファイアリングして、像を形成する一組の二次元の画素データを蓄積する。この垂直なデータ・ベクトルの組は、カラー流れデータの音響フレームとして知られている。カラー流れモードで走査する際、カラー流れデータの各々の音響フレームが取得されたとき、それは次の音響フレームが取得されている間に更に処理される。本発明の考え方によれば、各々の音響フレームはそのベクトルに対して1つの送信焦点域の位置を持ち、それはその前の音響フレームおよびその後の音響フレームの焦点域から異なるものであってよい。表示の準備のためにこれらの音響フレームの各々からの焦点内データを一緒に組み合わるために、適応フレーム平均化アルゴリズムが使用される。好ましい実施態様によれば、非線形のデータ依存性フレーム平均化アルゴリズムを使用して焦点域が組み合わされる。この方法の利点は、伝統的な単一焦点カラー・モードに比べて何ら付加的なファイアリングが必要とされないので、実際のフレーム速度が更に低下されることがないことである。像中の任意の所与の流れ信号レベルは、その流れに最も近い焦点域が送信されたとき、振幅が強くなる。他の離れた焦点域がファイアリングされたときは、その同じ流れは振幅が弱くなって現れる。フレーム平均化アルゴリズムはこの事実を利用して、強い焦点内流れ振幅を弱い焦点外流れ振幅よりも多く存続させて、空間分解能が一層高く且つ感度が一層大きい合成表示像を作成する。これは速度モードでもうまく働く。というのは、送信焦点域から離れた弱い焦点外流れが速度モード振幅閾値以下に低下する傾向があって、表示されないからである。送信焦点域またはその付近における強い焦点内流れは、この閾値より大きくなる傾向があり、従って速度信号は表示されることになる。
【0025】本発明の好ましい実施態様によれば、超音波イメージング・システムはカラー流れイメージングのために利用できる全部で12の焦点域の位置を有する。これらの焦点域の位置は、各々の低速ビーム形成セットアップにおいて異なるように定めることが出来る。使用者の選択およびデフォールト設定に応じて一度に1つ、2つ、3つまたは4つの連続した焦点域を関心のある領域(ROI)内でアクティブにすることが出来る。各々の焦点域が異なる音響フレームでファイアリングされ、次いで、フレーム平均化アルゴリズムを使用して相次ぐ焦点域を一緒に組み合わせることによって、表示のための像が形成される。また、被写界深度にわたって利得を整合させるために、各々の焦点域に対して特定の利得曲線が定められる。
【0026】本発明では、プローブ当たり3つまでの異なる多重周波数セットアップが可能であり、これは使用者が選択可能であり且つ全ての個々の用途にわたって予め設定することが出来る。また、3つの用途群が定められ、各群は3つまでの異なる多重周波数セットアップを持つことが出来る。これにより、最大9つ(3×3)の特定のビーム形成セットアップが可能である。各々の特定のビーム形成セットアップは、特定の一組の高速および低速ビーム形成パラメータから成る。主要な高速ビーム形成パラメータには、少なくとも、(1)焦点域毎の復調周波数、(2)焦点域毎の波形、(3)焦点域毎の送信サイクル数、(4)(信号対雑音比を最大にするように低域通過等化フィルタにより受信信号の中心周波数を整列させるために)ベースバンドに偏移させる前に到来受信信号に加えられる周波数オフセット、(5)リングダウン時間、および(6)許容される最大量の時間的補間が含まれる。主要な低速ビーム形成パラメータには、(1)焦点域の位置、(2)最小送信Fナンバー、および(3)最小受信Fナンバーが含まれる。
【0027】更に、各々の焦点域に対する多重周波数のオプションとして、速度およびパワードップラーイメージング・モードに対して別々に特定の等化フィルタを定めることが出来る。これにより、雑音に対する受信信号を最大にするために焦点域毎に最適なフロントエンド・マッチド・フィルタリングが可能になる。音響フレーム速度を更に高く増大させることが出来れば、流れの時間的特性が使用者にとって一層良好になり、またフレーム平均化アルゴリズムによって音響フレームを組み合わせる処理が一層容易になる。異なる焦点域が 異なる音響フレームでファイアリングされるということにより、所与の焦点域はn個の音響フレーム毎に更新されるだけである。ここで、nは関心のある領域(ROI)内のアクティブな送信焦点域の数、すなわち1、2、3または4である。フレーム平均化および利得整合が実際のフレーム速度および焦点域の数に対して正しく処理されない場合は、像のちらつきのような問題が生じ得る。また、焦点外の流れが不必要に表示されることがある。
【0028】フレーム平均化アルゴリズムは、焦点内流れの表示を可能にし、実際のフレーム速度およびアクティブな焦点域の数の関数としてフレーム間の像のちらつきを最小にする。フレーム平均化は1タップIIRフィルタによって実行され、該フィルタは前のフレームと現在のフレームとの間のカラーデータに基づいて持続(persistence)レベルを決定する。多数の焦点域を必要とする本発明のカラー流れイメージングの性質により、各々の焦点域に対応するカラー流れデータは、他の全ての焦点域がファイアリングされている間、有効に保持していなければならない。フレーム平均化によって与えなければならない別の機能は、相次ぐフレームの間で最も強いカラー信号に高い優先権を与えることである。これは、データを適応型で継ぎ合わせ又接合する機能を間接的に提供する。どのフレームでも、最も強い信号は送信焦点域に近い領域から来る。これは、全ての他の送信焦点域がファイアリングされている間、モニタで表示しなければならないデータである。データが有効に保持される持続期間は、アクティブな送信焦点域の数、信号強度および使用者による持続レベルの選択に応じて定められる。フレーム平均化はこれらの要件の全てを満足させなければならない。
【0029】本発明の好ましい実施態様によれば、走査変換器6内のX−Y表示メモリ(図示してない)が、フレーム平均化データを表す出力値のルックアップ・テーブルを有するフィルタを含む。このフレーム平均化データは、図6に示されたアルゴリズムを使用してオフラインで作成される。このアルゴリズムに従って計算された出力Yn はルックアップ・テーブルの一部として記憶される。
【0030】本発明のフレーム平均化回路は、X−Y表示メモリ・ボード上に配置されたランダム・アクセス・メモリ(RAM)を有する。RAMは2つの入力と1つの出力を有する。ルックアップ・テーブルがRAM内に記憶されている。一方の入力が、現在のフレームのフレーム平均化されてない画素データを受け取る。他方の入力が、時間遅延装置を介して前のフレームのフレーム平均化された画素データを受け取る。時間遅延装置は、フレーム速度の逆数に等しい時間だけ、前のフレームのデータを遅延させる。
【0031】フレーム平均化フィルタリング機能が、図6に示されたアルゴリズムによってオフラインで実行される、フィルタ出力はルックアップ・テーブルの形態でオンラインで記憶される。アルゴリズムは係数選択手段26を有し、そこで持続係数が計算されて選択される。係数選択は、音響フレーム速度、焦点域の数および所望の持続レベルの関数である。これらの因子は一緒にまとめられ、図6に「LUT選択」として示されている。
【0032】上記のアルゴリズムにおいて、選択された持続係数pが第1の乗算器28の一方の入力へ供給される。乗算器28の他方の入力は、フィルタリングされていない現在のフレーム入力Xn である。従って、乗算器28の出力は、積pXn である。係数選択手段26の結果として、値(1−p)が乗算器30の一方の入力へ供給される。乗算器30の他方の入力は、時間遅延装置34からのフレーム平均化された前のフレームの出力Yn-1 である。時間遅延装置34は、フレーム速度の逆数に等しい時間遅延を与える。従って、乗算器30の出力は、積(1−p)Yn-1 である。両方の乗算器の出力が加算器32に入力され、加算器32はフレーム平均化された現在のフレーム出力n =pXn +(1−p)Yn-1 (1)
を生じる。
【0033】本発明の好ましい実施態様によれば、RAMチップには、オフラインで作成されて出力値Yn を含む一組の多数のルックアップ・テーブルが装入されている。ルックアップ・テーブルは特定の動作パラメータ用に設計され、前に述べたように音響フレーム速度、焦点域の数および所望の持続レベルの関数である。各々のルックアップ・テーブルは、本発明のフレーム平均化アルゴリズムによってオフラインで作成されて多数の出力値Yn を含む。システム・オペレータによる様々な動作パラメータの選択に応答して、適切なルックアップ・テーブルがRAMチップにダウンロードされる。このルックアップ・テーブルは、フィルタリングされていない現在のフレームの入力Xn とフレーム平均化された前のフレームの出力Yn-1 との組合せ入力によってアドレスされて、オフラインのフレーム平均化フィルタリング機能の結果である出力Yn を選択する。
【0034】本発明のフレーム平均化方法によれば、出力値Yn は、前のフレームの信号レベルと現在のフレームの信号レベルとの間の正規化された差Δnormの関数である持続係数を使用して予め計算される。これは、前のフレームの信号レベルと現在のフレームの信号レベルとの間の差の絶対値をとり、その結果を2つのデータの算術平均(または幾何平均)で割ることによって達成される。
【0035】
Δnorm=|Xn−Yn-1|/(|Xn+Yn-1|/2) (2)
式2の結果を使用して、像中の持続の量が決定される。持続は、前のフレームおよび現在のフレームの内のどれだの部分が出力信号Yn を決定するために使用されるべきであるかによって定められる(式1を参照)。ここで、持続係数pは、下記のいずれかである。
p=1−f(−((Δnorm−k1)k2)+k4k3 (3)
または p=k+f(((Δnorm−k1)k2)+k4k3 (4)
ここで、fは非線形関数であり、またk、k1、k2、k3 およびk4 はアクティブな送信焦点域の数、音響フレーム速度およびシステム・オペレータによって選ばれた持続レベルに応じて定められる値を持つ定数である。好ましいf関数は、式3に対しては指数(exp)関数であり、式4に対しては双曲線正接(tanh)関数である。フレーム平均化された出力値を予め計算するための好ましい方法は、tanh関数を使用して式4に従って作成された持続係数を使用する。
【0036】出力値Yn は、多数組の動作条件の各組に対する各々の取り得る一対のXn およびYn-1 値について計算される。出力値Yn は、システムのメモリ内に別々のルックアップ・テーブルとして記憶される。システム・オペレータによる所望の動作条件の選択、例えば音響フレーム速度、焦点域の数および持続レベルの選択に応答して、適切なルックアップ・テーブルがRAMチップに記憶される。次いで、選択された動作パラメータが有効である間、画素データが、ルックアップ・テーブルから読み出されたフィルタ出力値に従ってフレーム平均化される。入力データは、走査変換されたフレーム・データまたは音響線データ(走査変換されていない)のいずれであってもよい。
【0037】本発明の更に別の面によれば、ベクトル密度が、所望の音響フレーム速度を維持するためにデシメーションされる。最大で2つのビーム形成されたベクトル密度の組をカラー流れモードに対して定めることが出来る。図1を参照して説明すると、走査制御シーケンサ16がホストによってこれらのベクトル密度の組に対してプログラムされる。分解能を犠牲にしてフレーム速度を得るために、2つの元のベクトル密度の何れかから一層低いベクトル密度へデシメーションする能力が、図7AおよびBに示されるように設けられる。また、図8に示されるように、像にわたって横方向に一様でないベクトル分布にさせることも出来る。好ましくは、放物的分布が使用される。しかしながら、本発明によるベクトル分布は放物的間隔関数に制限されない。一様でないベクトル分布により、像の縁へ向かってイメージングするとき、開口が小さくなるにつれて像の中心部に比べて像の両側でベクトルの数がより少なくなるようにすることが可能である。これにより、開口全体を使用できる場合、図の中心部で高分解能のベクトル密度を維持しながら、フレーム速度を改善することが出来る。
【0038】上述の好ましい実施態様は例示のために開示された。超音波イメージングの分野の当業者には本発明の概念の種々の変更および変形が容易に明らかであろう。このような全ての変更および変形は特許請求の範囲に包含されるものである。
【出願人】 【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【出願日】 平成10年(1998)5月6日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】生沼 徳二
【公開番号】 特開平11−28209
【公開日】 平成11年(1999)2月2日
【出願番号】 特願平10−123443