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【発明の名称】 脳外科手術用ヘッドフレーム
【発明者】 【氏名】斉 藤 清

【氏名】根 本 達 哉

【氏名】岩 野 英 昭

【要約】 【課題】被手術者の頭部を動かしても、被手術者の手術部位に広い術野を確保する。

【解決手段】半円弧状の頭部固定枠11に移動自在に配置された案内枠13に、案内枠13の移動方向と直交する方向に移動自在に半円弧状の保持枠14を配置し、この保持枠14に複数の頭部固定ピン15を設け、保持枠14と頭部固定枠11を別々に動かす。
【特許請求の範囲】
【請求項1】半円弧状案内面を有する頭部固定枠と、頭部固定枠に半円弧状案内面に沿って移動自在に配置された案内枠と、案内枠の移動方向と直交する方向に延びるように案内枠に設けられた半円弧状案内部と、半円弧状案内部に半円弧状案内面に沿って移動自在に配置された半円弧状の保持枠と、保持枠に周方向に間隔を置いて設けられた複数の頭部固定ピンとを有する脳外科手術用ヘッドフレーム。
【請求項2】頭部固定枠の半円弧状案内面と半円弧状案内部の案内面は、同心上に位置することを特徴とする請求項1に記載の脳外科手術用ヘッドフレーム。
【請求項3】頭部固定ピンは、固定ピン本体と、固定ピン本体の先端部に回動自在に支持されたピンヘッドと、ピンヘッドに設けられた複数のピンとを有することを特徴とする請求項1または2に記載の脳外科手術用ヘッドフレーム。
【請求項4】ピンは3本であり、各ピンはピンヘッドに同心円上に配置されたことを特徴とする請求項3に記載の脳外科手術用ヘッドフレーム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、脳外科手術中において、被手術者の頭部の位置を自由に変換できる脳外科手術用ヘッドフレームに関する。
【0002】
【従来の技術】この種の脳外科手術用ヘッドフレームとして、図7および図8に示すように、半円弧状の頭部固定枠1と、この頭部固定枠1を摺動自在に保持する本体部2と、頭部固定枠1の周方向に間隔を置いて設けられた複数の固定ピン3,3,…とを有する形式のものはすでに知られている。
【0003】上記脳外科手術用ヘッドフレームでは、頭部固定枠1への被手術者の頭部4の固定を、固定ピン3を半径方向内方に突き出し、固定ピン3で被手術者の頭部4を固定することで行なう。また、頭部固定枠1に固定された被手術者の頭部4を動かすには、本体部2に設けた止め手段5をゆるめ、頭部固定枠1を本体部2の案内面に沿って摺動することで行なう。
【0004】上記脳外科手術用ヘッドフレームは、使用に際して、被手術者の頭部4を固定した頭部固定枠1に基礎フレーム6を固定し、この基礎フレーム6に脳へら固定器や手術器具保持器を摺動自在に配置し、脳へら固定器に脳へらを設け、手術器具保持器に手術器具を設ける。
【0005】脳外科手術は、医者が脳へらや手術器具を操作して行なうが、脳外科手術中において被手術者の手術部位7の良好な術野を確保するために、被手術者の頭部4を少し動かす必要が生じることがある。脳外科手術中に被手術者の頭部を動かすには、頭部固定枠1を本体部2に固定する止め手段5を緩め、頭部固定枠1を本体部2に対して摺動することで行なう。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記形式の脳外科手術用ヘッドフレームでは、頭部固定枠を動かすと、頭部固定枠に基礎フレームが固定されているので、頭部固定枠の動きに連動して基礎フレームも動き、被手術者の手術部位によっては基礎フレームが邪魔になって、手術部位の広い術野を確保できないという問題点がある。
【0007】また、上記形式の脳外科手術用ヘッドフレームでは、被手術者の頭部を動かすために頭部固定枠を摺動させると、被手術者の頭部の動き量によっては被手術者の首に負荷がかかった状態になってしまう。
【0008】本発明は上記した点に鑑みてなされたもので、被手術者の頭部を動かしても、被手術者の手術部位に広い術野を確保できる、脳外科手術用ヘッドフレームを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の脳外科手術用ヘッドフレームは、半円弧状の頭部固定枠に基礎フレームを固定するとともに、半円弧状の頭部固定枠に案内枠を介して半円弧状の保持枠を可動に設けることで、頭部固定枠に固定された基礎フレームと被手術者の頭部を保持する半円弧状の保持枠とが別々に動くようにし、被手術者の頭部を動かした際の被手術者の手術部位の広い術野を確保する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。なお、図1および図2において図7および図8と同一部材については同一符号を付す。
【0011】図1は本発明による脳外科手術用ヘッドフレームを示す。この脳外科手術用ヘッドフレーム10は、半円弧状の頭部固定枠11と、この頭部固定枠11を摺動自在に支持する本体部12と、頭部固定枠11に移動自在に配置された案内枠13と、案内枠13に移動自在に配置された半円弧状の保持枠14と、この保持枠14に周方向に間隔を置いて設けられた複数の頭部固定ピン15,15,…とを有する。
【0012】上記案内枠13は、スライド台16と案内部17とを有する。案内枠13は、スライド台16を頭部固定枠11の内面に装着することで頭部固定枠11に対して摺動自在に支持される。案内枠13に設けた案内部17はスライド台16の移動方向と直交する方向に延びている。案内部17の案内面の曲率と頭部固定枠11の摺動面の曲率は同一中心になるように設定されている。
【0013】上記保持枠14は、スライド台18と半円弧状部分19とを有する。保持枠14は、スライド台18を案内枠13の案内部17に装着することで案内枠13の案内部17に沿って摺動自在に支持される。この保持枠14の半円弧状部分19の曲率は、頭部固定枠11の摺動面の曲率と同一中心になるように設定されている。この場合、保持枠14に支持される手術者の頭部の大きさの違いを考慮して、径の異なる保持枠14を複数個用意し、保持枠14を手術者の頭部の大きさに応じて選択して使用することができる。
【0014】また、上記保持枠14の半円弧状部分19の両端部分をヒンジ連結し、両端部分を半円弧状部分から回動することで、手術者の頭部の大きさの違いに対応することもできる。
【0015】また、保持枠14の半円弧状部分19の両端部には操作ハンドル20,21が取り付けられている。そのため、保持枠14は、操作ハンドル20,21により案内枠13の案内部17に沿って移動する。保持枠14の移動位置はスライド台18に設けた止め具22により固定される。
【0016】上記頭部固定ピン15は、尖端部23とねじ部24を有し、保持枠14の半円弧状部分19に周方向に間隔を置いて尖端部23が半円弧状部分19の仮想中心に向くように配置されている。
【0017】つぎに作用を説明する。
【0018】脳外科手術用ヘッドフレーム10に被手術者の頭部4を固定するには、まず、保持枠14の内部に被手術者の頭部4を配置し、保持枠14に設けられた複数の頭部固定ピン15を半径方向内方に動くように回し、各頭部固定ピン15の尖端部23で被手術者の頭部4を固定する。
【0019】つぎに、頭部固定枠11に基礎フレーム6を固定し、この基礎フレーム6に図示しない脳へら固定器や手術器具保持器を摺動自在に配置し、脳へら固定器に脳へらを設け、手術器具保持器に手術器具を設ける。
【0020】医者は脳へらや手術器具を操作して脳外科手術を行なうが、脳外科手術中において、被手術者の手術部位7の良好な術野を確保するために被手術者の頭部を少し動かす必要が生じた場合、案内枠13と頭部固定枠11と固定を解除し、保持枠14の操作ハンドル20,21を手で持って、保持枠14を案内枠13とともに頭部固定枠11の内面に沿って移動することで行なう。この場合、保持枠14は固定された頭部固定枠11および基礎フレーム6に対して移動するので、被手術者の手術部位7の良好な術野を確保することができる。
【0021】さらに、被手術者の手術部位7の良好な術野を確保するためには、保持枠14と案内枠13の固定を解除し、保持枠14を案内枠13に対して移動することで行なう。
【0022】このように、本発明の脳外科手術用ヘッドフレーム10では、保持枠14を固定された頭部固定枠11に対して2方向に動かすことができるので、基礎フレーム6に設けられた手術器具等が邪魔にならない位置に対被手術者の手術部位7を移動でき、したがって、被手術者の手術部位7の良好な術野を確保することができる。
【0023】図4ないし図6は本発明の脳外科手術用ヘッドフレーム10に適用される頭部固定ピン30を示す。
【0024】この頭部固定ピン30は、ねじ部31を有する固定ピン本体32と、この固定ピン本体32の先端部に設けられた取付け部33と、球状連結部34を有し取付け部33に回動自在に支持されたピンヘッド35と、このピンヘッド35に設けられた3本のピン36,36,36を有する。3本のピン36は、ピンヘッド35に同心に配置されている。
【0025】上記頭部固定ピン30は、ピンヘッド35が回動するので、ピンヘッド35に設けた3本のピン36,36,36は被手術者の頭部4の動きに応じて動き、被手術者の頭部4に無理な力を加えることがない。
【0026】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、頭部固定枠と保持枠を別々に動くようにしたので、手術中に被手術者の頭部を動かしても、被手術者の手術部位に広い術野を確保することができる、
【出願人】 【識別番号】000193612
【氏名又は名称】瑞穂医科工業株式会社
【出願日】 平成9年(1997)6月16日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 一雄 (外3名)
【公開番号】 特開平11−4837
【公開日】 平成11年(1999)1月12日
【出願番号】 特願平9−158532