| 【発明の名称】 |
像品質試験ファントム・ツールおよびディジタルX線像処理方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】リチャード・アウフリヒティヒ
【氏名】アレクサンダー・ワイ・トウクマン
|
| 【要約】 |
【課題】ディジタルX線透視および撮影システムにおける像品質の自動的な監視および評価のための像品質試験ファントム並びに方法を提供する。
【解決手段】像品質試験ファントム・ツールは、複合ファントム25、複合ファントムのディジタル像を作成する手段、および複合ファントムのディジタル像に適用されて、X線システム像品質測度を計算する処理手段を有する。複合ファントムは、分解能パターン18、細部コントラスト・ファントム20、ステップ状くさび16および鉛の線ファントム22を持つ挿着体15を含む。システムの像品質を自動的に評価するため、複合ファントムのディジタル像が作成され、該ディジタル像に処理手段を適用して、X線システム像品質測度が計算される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ディジタルX線透視および撮影システムの較正および標準化のための像品質試験ファントム・ツールにおいて、複合ファントム、前記複合ファントムのディジタル像を作成する手段、および前記複合ファントムのディジタル像に適用されて、X線システム像品質測度を計算する処理手段を有することを特徴とする像品質試験ファントム・ツール。 【請求項2】 前記複合ファントムが、当該複合ファントムに対して機械的安定性を与えるための基板、前記基板の上に配置されたメッシュであって、中央切り取り部分を持つメッシュ、前記中央切り取り部分に位置決めされる挿着体、および当該複合ファントムを収容する支持体を有している請求項1記載の像品質試験ファントム・ツール。 【請求項3】 前記挿着体が、分解能パターン、細部コントラスト・ファントム、多レベルの銅のステップ状くさびおよび鉛の線ファントムを有している請求項2記載の像品質試験ファントム・ツール。 【請求項4】 ディジタルX線像を処理して、システムの像品質を自動的に評価するディジタルX線像処理方法において、分解能パターン、細部コントラスト・ファントム、多レベルの銅のステップ状くさびおよび鉛の線ファントムを有している挿着体を含む複合ファントムのディジタル像を作成する工程、および前記ディジタル像に処理手段を適用して、X線システム像品質測度を計算する工程を有することを特徴とするディジタルX線像処理方法。 【請求項5】 前記の処理手段を適用する工程が、前記の分解能パターン、ステップ状くさび、細部コントラスト・ファントムおよび鉛の線ファントムの初期局在化を行うために前記ディジタル像の断面を通じての導関数を計算する工程、初期推定値付近の領域においてN×Nのエッジ強調カーネルで局在化フィルタリングを行う工程、前記像の円形のエッジを追跡することによって付加的な局在化情報を得る工程、二次多項式ワーピングを実行することによって前記像上の関心のある領域の位置を自動的に予測する工程、各々の関心のある領域で一次および二次統計量およびそれらの変量を計算して、システムの分解能、一様性、ダイナミックレンジ、コントラスト対ノイズ比およびノイズを推定する工程、並びに2つの鉛の線ファントムからのエッジ追跡データの多項式当てはめによりシステムひずみを推定する工程を有している請求項4記載のディジタルX線像処理方法。 【請求項6】 更に、前記ファントムの前記ディジタルX線像から平坦な場の像をディジタル減算することにより、システムの明るさの非一様性によって入り込むバイアスを除いて、減算像を作成する工程を含んでいる請求項5記載のディジタルX線像処理方法。 【請求項7】 更に、分解能、ステップ状くさびおよびコントラスト対ノイズ比の計算に前記減算像を使用する工程を含んでいる請求項6記載のディジタルX線像処理方法。 【請求項8】 更に、像品質データの傾向監視を自動的に行うことによりX線システムの像品質を分析する工程を含んでいる請求項5記載のディジタルX線像処理方法。 【請求項9】 前記傾向監視が、前記ファントムの像を特定の間隔で得ることにより行われる請求項8記載のディジタルX線像処理方法。 【請求項10】 更に、傾向監視データを遠隔で監視することによりX線システムの像品質を評価する工程を含んでいる請求項9記載のディジタルX線像処理方法。 【請求項11】 更に、前記X線システムの像品質を較正する工程を含んでいる請求項8記載のディジタルX線像処理方法。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は一般にX線システム・パラメータの測定および検証に関するものであり、更に詳しくはディジタルX線透視および撮影システムにおける像品質の自動的な監視および評価のための像品質試験装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】X線システムは解剖学的構造のイメージングおよび測定のために長く使用されている。通常のX線撮影では、イメージング受容体が、蛍光体材料の薄いシートである増感スクリーンと接触して取り付けられたフィルムで構成されている。このスクリーン・フィルム組合せは典型的にはカセット内に収容される。X線がイメージング対象の物体/患者を透過するとき、X線エネルギが増感スクリーン材料によって吸収され、一部分が光に変換される。この光にフィルムが露出されて、像が作成される。 【0003】X線が発見されてから間もなくして、蛍光スクリーンに瞬時の連続した像を表示するX線透視法が開発された。最近では、この技術はかなり改善されている。第1のステップは、X線像を人間の目で見ることの出来る光像に変換するイメージ増倍管の導入であった。次のステップは、イメージ増倍管の出力を一層大きなテレビジョン・モニタへ伝送するためのテレビジョン・カメラ・システムの導入であった。その後に、ディジタルX線透視システムが開発された。ディジタルX線透視システムでは、モニタで表示する前に、テレビジョン・カメラの出力をディジタル化して、改良イメージ処理方法の使用によりディジタル的に増強する。イメージ増倍管およびテレビジョン・システムの両方の導入により、全X線システム・イメージ・チェーンの正確な較正に高い要件が課せられている。X線ファントムは、通常のX線システムおよびディジタルX線システムに対する公知の較正装置および訓練用補助装置である。今日では大まかに2つのタイプのファントムが利用できる。第1のタイプとしては、人体の全身または特定の部分、或いは実際の人骨のプラスチック製複製物が挙げられ、また第2のタイプとしては、X線システムの特定の応答を測定するための物理に基づいたファントムが挙げられる。第1のタイプは主に、診断のための種々のX線像を撮るために人体が適切に位置決めされるようにX線技師を訓練するのに使用される。第2のタイプのファントムは、X線システムの像品質の較正および評価に利用される。 【0004】X線イメージング装置のX線量および像品質を測定する際に広範な科学的仕事が行われている。X線イメージング装置の評価をし易くするために試験ファントムおよび測定が発展した。規制の観点から、放射線量がしばしば関心のある重要なパラメータである。今日の一般的な方針は、患者を不当な放射線量から保護しながら、放射線技師が許容できる品質の像を得ることが出来るようにすることである。 【0005】近年において、放射線量と共に像品質についての独立の第三者の監視に関心が高まっている。この用途のために様々なファントムおよび線量計が使用されていおり、線量試験は量的であるのに対して、像品質試験はほとんど定性試験である。更に、既存の像品質試験は、幾つかの異なるファントムを多くの主観的な目視評価と組み合わせて利用する非常に反復的な較正方法より成る。これらのシステムはまた、使用者による広範な対話型操作を必要としている。 【0006】既存の方式には固有の幾つかの欠点がある。その1つは、システムとの対話型操作のために技師または研究者を必要とすることに伴う経費が常にかかることである。2番目は、人による対話型操作には必然的に誤った読みの危険性があることである。医療の質についての関心が高まっているので、X線装置の規制の評価について関心が高まっている。しかしながら、これはコスト削減についての政府機関に対する圧力とは逆行する。従って、信頼性があり且つ誤りのない像品質情報の収集を容易にする必要性が当該分野に存在する。 【0007】 【発明の概要】本発明は、ディジタルX線透視および撮影システムにおける像品質の自動的な監視および評価のための像品質試験ファントム(ハードウエアおよびソフトウエア)並びに方法を提供する。幾つかの異なるファントムを多くの主観的な目視評価と組み合わせて利用する非常に反復的な較正および像品質検証方法を使用する代わりに、本発明によるファントムは高速の客観的な像品質の測定および評価のための効率的でロバスト(robust)な方法を提供する。 【0008】本発明の一面によれば、X線像品質試験ツールが2つの部分、すなわちハードウエア部分、具体的には複合ファントムと、ソフトウエア部分とを有する。複合ファントムは、鋼のメッシュで覆った銅のシートを有する。メッシュの中央部分が切り取られ、銅シート上の中央部分に挿着体が位置決めされる。挿着体は、分解能パターン、細部コントラスト・ファントム、ステップ状くさびファントムおよび線ファントムを有する。複合ファントムは、X線システムのイメージング装置の前側に設けられたハウジングまたは支持体に取り付けられる。ソフトウエアは種々の像および信号処理アルゴリズムを有し、これらのアルゴリズムは、ファントムのディジタル像に適用されたとき、必要なX線システム像品質の測度を計算するのに必要な全ての論理手段を提供する。 【0009】従って、本発明の目的は、ディジタルX線透視および撮影システムに使用するのに特に適した、像品質の自動的な監視および評価のための複合ファントムおよび関連したソフトウエアより成る像品質試験ツールを提供することである。本発明の別の目的は、ファントムを使用して、このようなシステムの傾向監視および較正を行う方法を提供することである。 【0010】本発明の他の目的および利点は、以下の説明、添付の図面および特許請求の範囲から明らかになろう。 【0011】 【発明の好ましい実施態様】本発明はX線像品質試験ファントムを提供し、これにより非常に高速で客観的な像品質の測定および評価を行うための効率的な方法を提供する。本発明の重要な面は、重要なX線システム像品質パラメータを客観的に且つ瞬時に測定する能力を提供することである。 【0012】図面を参照して説明すると、図1および2には、本発明による像品質試験ファントム10が示されている。銅のシート12が、大体円形であって、複合ファントムの基板として作用する。銅のシート12の目的は、ファントムに対して機械的安定性を与え、像分析のために適切なX線ビーム品質を与え、また適切なダイナミックレンジを与えることである。鋼のメッシュ14が、銅のシート12の上に配置される。鋼メッシュ14の中央のほぼ四角の部分が切り取られる。鋼のメッシュ14の残りの部分は、X線像の分解能の一様性の計算に使用される。 【0013】メッシュの無い中央領域では、複合ファントムは挿着体15を有する。この挿着体15は、10レベルの銅のステップ状くさび16、分解能パターン18、細部コントラスト・ファントム20および鉛の線ファントム22を含んでいる。ステップ状くさび16の寸法はほぼ2.5cm×5.5cmであり、ステップは0.254mm乃至2.54mmの範囲にある。ステップ状くさび16の目的は、X線システムのダイナミックレンジおよび直線性を評価することである。 【0014】分解能パターン18は、0.1mmの鉛箔から作られた0.5線対/mm乃至5線対/mmの空間的頻度(frequency)をカバーする。分解能パターン18はまた3つの1cm×1cmの領域も有し、これらは0mm、0.1mmおよび1.0mmの鉛をそれぞれ持つ。分解能パターン18はX線システム変調伝達関数の計算に使用され、四角の領域は正規化の目的に使用される。 【0015】アルミニウムの細部コントラスト・ファントム20は3つのステップを有し、各ステップには3つの開口がそれぞれ設けられている。3つの開口の直径は、例えば、7.6mm、3.8mmおよび1.9mmであり、3つのステップのそれぞれの厚さは1mm、2mmおよび3mmに定めることができる。細部コントラスト・ファントム20の目的は、X線システムの相対コントラストおよびコントラスト対ノイズ比を評価することである。アルミニウムの基部が適切なコントラスト・レベルおよび形状因子を与える。鉛の線ファントム22aおよび22bが、分解能パターン18の外側の縁に配置されていて、歪み測定のために使用される。 【0016】図3は、像品質試験ファントム10を支持体24に取り付けた例を示す。支持体24は、取っ手26および位置合わせピン28を含むことができる。支持体24に取り付けた像品質試験ファントム10(これらは像品質試験ファントム複合体25を構成する)を血管用X線システムに実際に適用した例が、図4に示されている。他のシステムの場合には、像品質試験ファントム複合体25は、イメージ増倍管または他のディジタル・イメージング装置の前面に取り付けられる寸法にすることが出来る。図4に示されているように、ファントム10および支持体24から成る像品質試験ファントム複合体25は、イメージ増倍管30の前に取り付けられる。X線位置決め装置32が、イメージ増倍管30およびX線管34をX線テーブル36の上下にそれぞれ位置決めする。 【0017】像品質試験ファントム10を構成したとき、本発明に従って、ディジタルX線システムにおける像品質の自動的な監視および評価のための方法が提供される。本発明による像品質試験ツールの第2の一体部分は、ソフトウエア機能部である。本発明は、自動像品質試験プロセスを完成するために、ハードウエアの像品質試験ファントムと共に、ソフトウエアによる方法を提供する。ファントム10のディジタルX線像が取得されたとき、それは本発明に従って処理することが出来る。 【0018】先ず、分解能パターン18、ステップ状くさび16、細部コントラスト・ファントム20および鉛の線ファントム22aおよび22bの初期局在化が像の断面を通じての空間導関数を計算することによって行われる。N×Nのエッジ強調カーネル(kernel)で局在化フィルタリングが初期推定値付近の領域で実行される。付加的な局在化情報が、図5に示されているように像の円形のエッジ38を追跡することによって得られる。ダイナミック・プログラミングによって得られるようなエッジ連結アルゴリズムを実行することにより、分解能パターン18、ステップ状くさび16、細部コントラスト・ファントム20および鉛の線ファントム22aおよび22bのエッジが正確に特定され、これらのエッジが参照符号42で示されている。二次多項式ワーピング(warping)を実行することにより、像品質試験ファントム10の既知の配置形状に基づいて像上の関心のある領域の位置が自動的に予測される。関心のある領域の所望の位置は、分解能パターン18上の特定の頻度および正規化点、ステップ状くさび16の各々のレベル、細部コントラスト・ファントム20の各々のディスクおよび周囲領域、並びにメッシュ・パターン14の多数(例えば、8つ)の周辺領域および2つの中央領域内にある。一次および二次統計量およびそれらの変量が各々の関心のある領域で計算されて、システム分解能、一様性、ダイナミックレンジ、コントラスト対ノイズ比およびノイズが推定される。システムひずみは、2つの鉛の線ファントム22aおよび22bからのエッジ追跡データの多項式当てはめにより推定される。 【0019】図5を参照すると、複合ファントムの実際のディジタル像の例が示されている。上書きの図は、X線システム像品質の評価に使用された重要な像領域を表す。全ての領域は、使用者の対話型操作を行うことなく自動的にソフトウエアによって識別され区別された。平坦な銅シートの付加的なディジタル像が利用できる場合は、この平坦な場の像を像品質試験ファントム10の像からディジタル減算することにより、システムの明るさの非一様性によって入り込むバイアスを除くことが出来る。この減算像は分解能18、ステップ状くさび16およびコントラスト対ノイズ比の計算に使用される。 【0020】ファントムの検出、ボックスすなわち図5に例として示されている関心のある領域40の位置決め、およびパラメータの計算が、全て本発明に従って自動的に達成されるので、本発明の方式はX線イメージング・チェーン内のパラメータの自動的な傾向監視、較正および最適化に使用するのに特に適している。傾向監視の目的のために、ファントムを特定の間隔で、例えば2週ごとにイメージング(撮像)することができ、また得られたデータを記録して、設定されたデータ・ベースと比較することが出来る。比較結果は、現場から離れたサービス・センタで利用できるようにして、遠隔での分析および評価を行えるように出来る。 【0021】システムの最適化に関して、ファントムは自動的閉ループ較正に必要なデータを提供する。現代のX線透視システムについてのほとんどの調節はソフトウエアで制御されるので、最小二乗法のような反復的方法を使用することにより、ファントムによって測定されたシステム・パラメータを最適化することが出来る。本発明に従った1つの自動的較正プロセスは、像品質試験ファントム10で初期システムを測定する。測定値が規格外である場合、システムについてソフトウエア制御による調節を行う。次いで、像品質試験ファントム10で新しい状態を再測定し、そして最小二乗反復的最適化のような反復的方法を使用することにより、システムの調節により得られた測定値とエンジニアリング規格との間の差を最小にする。 【0022】本発明は、ディジタル像の処理、像品質の分析、およびX線システム像品質の評価を行えるようにする。平坦な場の像を像品質試験ファントムの像からディジタル減算することにより、システムの明るさの非一様性によって入り込むバイアスを除くことが出来る。この減算像は分解能、ステップ状くさびおよびコントラスト対ノイズ比の計算に使用することが出来る。 【0023】X線システムの像品質の分析は、像品質データの傾向監視を自動的に行うことを含む。傾向監視は、ファントムを特定の間隔で、例えば2週ごとにイメージング(撮像)し、得られたデータを記録して、設定されたデータ・ベースと比較することによって行うことが出来る。X線システム像品質の評価は、更に現場から離れたサービス・センタのよりこのようなシステムの遠隔監視を含み得る。 【0024】本発明によれば、分解能、一様性、ダイナミックレンジ、コントラスト対ノイズ比、ひずみおよびノイズのようなイメージ・システム・パラメータを効果的に客観的に測定するために、第1のX線像品質試験複合ファントムが使用される。本発明は更に、ファントムを使用して、使用者の対話型操作を行うことなく、像品質試験複合ファントムのディジタルX線像内の個々の構成部分の位置を自動的に検出する方法を提供する。この方法には、エッジ検出および追跡を使用し、多項式ワーピングにより像品質試験ファントム内の関心のある領域の位置を推定することが含まれる。本発明は、像品質試験ファントムを、局部および遠隔の両方でのシステム像品質傾向監視に使用すると共に、システム性能を最適化するために反復的方法を使用する閉ループ設計のデータ帰還として使用する。 【0025】本発明を特定の好ましい実施態様について詳述したが、本発明の精神および範囲内で種々の変更および変形を容易になし得ることが理解されよう。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】390041542 【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ 【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
|
| 【出願日】 |
平成10年(1998)3月23日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】生沼 徳二
|
| 【公開番号】 |
特開平11−4822 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)1月12日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−72963 |
|