| 【発明の名称】 |
眼科検診装置の予備アライメント機構 |
| 【発明者】 |
【氏名】浜田 洋一
【氏名】阿部 國臣
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| 【要約】 |
【課題】被検眼と眼科検診装置の光軸とのアライメントが容易且つ迅速になされる眼科検診装置の予備アライメント機構の提供。
【解決手段】アライメント光学系6を有する角膜撮影装置1において、被検者に凝視させることにより被検眼Eを固定するための固視灯25と、該固視灯25の被検眼E側に配設された短波長光の透過を阻止しうる光学フィルターからなる照門29とを備えており、該照門29が、固視灯25から被検眼Eに至る固指標光投影光学系の光軸上に配設された集光レンズ21の被検眼E側に配設されている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 アライメント用光源と、該アライメント用光源からのアライメント指標光を被検眼に照射するためのアライメント光学系と、被検者に凝視させることにより被検眼を固定するための対象指標と、該対象指標の被検眼側に配設された照門とを備えてなる眼科検診装置の予備アライメント機構。 【請求項2】 前記対象指標が固視灯から構成されており、該固視灯からの固指標光を被検眼に投影するための固指標光投影光学系を備えており、該固指標光投影光学系の光軸上に集光レンズが配設されており、前記照門が前記集光レンズの被検眼側に配設されてなる請求項1記載の眼科検診装置の予備アライメント機構。 【請求項3】 前記照門が、前記集光レンズを透過してくる固指標光の像より大きい通過開口を有する開口形成部材からなる請求項1または2記載の眼科検診装置の予備アライメント機構。 【請求項4】 前記開口形成部材の開口が拡大および収縮されうるように構成されてなる請求項1〜3のうちのいずれか一の項に記載の眼科検診装置の予備アライメント機構。 【請求項5】 被検者に凝視させることにより被検眼を固定するための固視灯と、該固視灯からの固指標光を被検眼に投影するための固指標光投影光学系と、該固指標光投影光学系の光軸上に配設された集光レンズと、該集光レンズと前記固視灯との間に配設される光束絞り手段とを備えており、該光束絞り手段が短波長光の透過を阻止しうる光学フィルターから形成され且つ小径の光透過部を有してなる眼科検診装置の予備アライメント機構。 【請求項6】 アライメント用光源と、該アライメント用光源からのアライメント指標光を被検眼に照射するためのアライメント光学系と、固視灯の被検眼側に配設された照門とを備えてなる請求項5記載の眼科検診装置の予備アライメント機構。 【請求項7】 前記照門が短波長光の透過を阻止しうる光学フィルターから形成されており、前記アライメント用光源が長波長光を発光しうるように構成されてなる請求項1〜4または6記載の予備アライメント機構。 【請求項8】 前記照門と光束絞り手段とが同一種の光学フィルターから形成されてなる請求項6または7記載の眼科検診装置の予備アライメント機構。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は眼科検診装置の予備アライメント機構に関する。さらに詳しくは、被検眼の眼底、角膜、水晶体、ガラス体、毛様筋、眼内レンズ等の観察や撮影を行うための眼科検診装置において、装置と被検眼とのアライメントを迅速且つ容易に行うための予備アライメント機構に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、眼科医療分野で眼球の検査のために、被検眼の前記各部を観察・撮影する接触式や非接触式の装置が用いられている。かかる装置を被検者に使用する場合、通常は最初に被検眼の所定部位に装置の光軸を一致させるアライメント操作を行う。このアライメント操作には種々あるが、いずれも、検査者または装置が自動的に被検眼を観察しつつ行われるものである。たとえば、特開平7−362号公報および特開平7−100111号公報に開示された角膜撮影装置、並びに特開平8−275921号公報に開示された眼底カメラでは、被検眼を固定させた状態でその前眼部へ正面からアライメント指標光たる平行光を照射し、前眼部表面で反射された前記アライメント指標光の像を観察しつつ以下のとおりアライメントを行う。装置のモニタ画面では、その中心に装置の観察光学系または撮影光学系の光軸が設定されており、当該モニタ画面に映し出されているアライメント指標光の像(以下、プルキンエ像という)がモニタ画面の中心(前記光軸)に一致するように装置の観察光学系または撮影光学系を移動させる。したがって、観察光学系または撮影光学系の光軸は被検眼表面の頂点、つまり、被検眼表面における装置に最も近い点に一致することとなる。また、必要に応じて被検眼を微小角度回転させることによって観察・撮影部位を変えるようにしている。そして、このアライメント操作と並行して、またはそののちに、観察・撮影部位に観察光学系または撮影光学系の焦点を一致させる合焦操作を行う。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、被検者が自身の頭部を装置に対向させるときに、装置にはその案内となるようなものとして一般に、アゴ台、前頭部当接部または対物レンズ近くの覗き窓程度のものしか形成されていない。 【0004】したがって、被検者が自身の頭部を装置に対向させて被検眼となる眼によって前記覗き窓を覗いたとしても、被検者はいかなる位置からも固視灯やアライメント指標光を認識することができるので、被検眼の位置によっては前眼部が観察可能範囲から外れて前記モニタ画面に映らないことがある。そのような場合は、従来検査者が被検者に頭部移動の指示をしたり、または、アゴ台が可動である場合には検査者がアゴ台を移動させることにより前眼部がモニタ画面に入るようにしている。しかし、かかる手法ではアライメント操作に移るまで長時間を要し、また、アライメント操作にも長時間を要することとなり、結果的に被検者に長く緊張を強いることになる。 【0005】本発明はかかる課題を解決するためになされたものであり、被検者に前記覗き窓を通して固視灯またはアライメント指標光を凝視させる場合、それが照門内に入るように見させることによって固視灯またはアライメント指標光に対してほぼ一定位置且つ一定方向に被検眼を位置させる予備アライメントが可能な機構を提供することを目的としている。 【0006】 【課題を解決するための手段】すなわち本発明の第一の予備アライメント機構は、アライメント用光源と、該アライメント用光源からのアライメント指標光を被検眼に照射するためのアライメント光学系と、被検者に凝視させることにより被検眼を固定させるための対象指標と、該対象指標の被検眼側に配設された照門とを備えている(請求項1)。 【0007】被検者に対象指標を凝視させる場合、それが照門内に入るように見させることによって対象指標に対してほぼ一定位置且つ一定方向に被検眼を位置させることができる。したがって、被検眼が上記一定位置且つ一定方向に位置しているときに装置における撮影系の光軸や観察系の光軸が被検眼の頂点(被検眼表面のうち装置に最も近い点)近傍に位置するように設定しておけば、その後のアライメント操作を迅速かつ容易に行うことができる。前記照門に対して、対象指標がいわば照星であるということがいえる。 【0008】そして、前記対象指標が固視灯から構成されており、該固視灯からの固指標光を被検眼に投影するための固指標光投影光学系を備えており、該固指標光投影光学系の光軸上に集光レンズが配設されている眼科検診装置(請求項2)にあっては、前記照門は前記集光レンズの被検眼側に配設される。また、照門を通して見るべき前記対象指標としては、固視灯の他、アライメント光源等も含まれる。 【0009】また、前記照門は、前記集光レンズを透過してくる固指標光の像より大きい通過開口を有する開口形成部材から構成することができる(請求項3)。 【0010】さらに、前記開口形成部材の開口が拡大および収縮されうるように構成された予備アライメント機構(請求項4)にあっては、被検眼を一定位置且つ一定の方向に誘導することがさらに容易になるので好ましい。 【0011】なお、特許請求の範囲でいう開口とは、実際に空間が形成されたものの他、上述のごとく空間的には閉止されていて光が阻害されることなく透過しうる小径の部分が形成されたものも含む意味である。 【0012】本発明の第二の予備アライメント機構は、被検者に凝視させることにより被検眼を固定するための固視灯と、該固視灯からの固指標光を被検眼に投影するための固指標光投影光学系と、該固指標光投影光学系の光軸上に配設された集光レンズと、該集光レンズと前記固視灯との間に配設される光束絞り手段とを備えており、該光束絞り手段が短波長光の透過を阻止しうる光学フィルターから形成され且つ小径の光透過部を有している(請求項5)。 【0013】したがって、被検者の視度に応じて固視灯が光源絞り手段または光束絞り手段いずれかの像として明瞭に視認できる。すなわち、視度の異なる被検者に対しても何ら問題なく適用することができる。さらに、光束絞り手段が前述の照門の役割も担いうる。これは、固視灯からの光がたとえ光束絞り手段と干渉してもその光は光学フィルター製の光束絞り手段を透過するので、被検者は光束絞り手段の光透過部と固視灯との位置関係が認識でき、容易に固視灯を前記光透過部に一致させることができるからである。 【0014】加えて、アライメント用光源と、該アライメント用光源からのアライメント指標光を被検眼に照射するためのアライメント光学系と、固視灯の被検眼側に配設された照門とを備えてなる予備アライメント機構(請求項6)にあっては、前記第一の予備アライメント機構の作用効果と第二の予備アライメント機構の作用効果とを同時に奏しうる。すなわち、予備アライメントが可能な上に固視灯を明瞭に視認することができる。 【0015】また、前記第一の予備アライメント機構および第二の予備アライメント機構において、照門が短波長光の透過を阻止しうる光学フィルターから形成されており、前記アライメント用光源が長波長光を発光しうるように構成されたもの(請求項7)にあっては、被検者から見て対象指標(第二の予備アライメント機構にあっては固視灯)が照門に隠れることがあっても、対象指標(固視灯)の像が照門を透過しうるため、照門の開口と対象指標(固視灯)との位置関係が認識でき、容易に対象指標(固視灯)を開口に一致させることができる。また、対象指標(固視灯)が照門に隠れているときと照門の開口と一致しているときとは、対象指標(固視灯)の明度や色彩が異なるため、前記一致、不一致が明確になる。したがって、予備アライメントが一層容易になる。また、予備アライメントの精度を向上させるために何らの問題もなく照門の開口を小さくすることができる。しかも、予備アライメントに用いる照門がアライメント用光源によるいわば本アライメント時にも、この照門がアライメント用光源の近赤外光を透過するのでアライメント光を遮る等の不都合が生じない。 【0016】さらに、前記照門と光束絞り手段とが同一種の光学フィルターから形成されてなる予備アライメント機構(請求項8)にあっては、照門と光束絞り手段とが互いに悪影響を及ぼし合うことがないので好ましい。 【0017】なお、特許請求の範囲でいう短波長光の透過を阻止しうる光学フィルターとは、対象指標(固視灯)からの光のうち、短波長の範囲の光を透過させないフィルターを意味する。 【0018】 【発明の実施の形態】添付図面に示される実施形態に基づいて本発明の予備アライメント機構を説明する。 【0019】図1は本発明の予備アライメント機構の一実施形態が適用された眼科検診装置の一例たる角膜撮影装置を示す概略配置図である。図2は図1の角膜撮影装置におけるモニタ表示器の一例を示す説明図である。図3は図1の角膜撮影装置における被検者の視界を示す説明図である。図4は図1の角膜撮影装置において光学フィルター製の照門を用いた場合の被検者の視界を示す説明図である。図5は本発明の予備アライメント機構の一実施形態が適用された眼科検診装置の他の例たる眼底カメラを示す概略配置図である。図6は本発明の予備アライメント機構の他の実施形態が適用された眼科検診装置の一例たる角膜撮影装置を示す概略配置図である。図7は本発明の予備アライメント機構の前記他の実施形態が適用された眼科検診装置の他の例たる眼底カメラを示す概略配置図である。 【0020】図1の角膜撮影装置1は、被検眼Eに向かって前進後退するZ方向、並びにZ方向に垂直で且つ互いに垂直なX方向およびY方向に移動させうる機枠2上に配設された撮影系3を有している。 【0021】この撮影系3は、被検眼Eの前眼部をその斜め前方からスリット光によって照明するための照明光学系4と、被検眼Eの前眼部表面で反射された前記スリット光を撮影するための撮影光学系5と、被検眼Eの前眼部に向けて撮影光軸位置合わせ(アライメント)のためのアライメント光を正面から照射し、且つその角膜反射光を撮像するためのアライメント光学系6と、撮影光学系5の焦点を被撮影部位たる角膜内皮に一致させるための合焦光学系7とを含んでいる。 【0022】照明光学系4は、前眼部照明用光源としてのストロボ放電管8を有し、そこからの可視光をスリット9に通し、このスリット光を投影レンズ10によって被検眼Eの角膜に収束させるものである。本実施形態では照明光学系4の光路にその途中から後述の合焦光学系の光路を同一にするため、光路途中にハーフミラー11を介在させている。このハーフミラー11は可視光である照明光は透過し、赤外光である後述の合焦検出用光は反射するものである。 【0023】撮影光学系5は、角膜組織を撮影するためのテレビカメラ12を有し、被検眼Eの角膜で反射された前記スリット光を対物レンズ13、ミラー14および結像レンズ15を通したうえで前記テレビカメラ12に導くものである。本実施形態では撮影光学系5の光路が後述の合焦光学系とほとんど同一にしているため、途中で光路を分岐するためのハーフミラー16を介在させている。このハーフミラー16は可視光である照明光は反射し、赤外光である後述の合焦検出用光は透過するものである。 【0024】アライメント光学系6は、アライメント指標光の光源としての発光ダイオード17を有し、この発光ダイオード17からの近赤外光をミラー18、19、集光レンズ20、21、ハーフミラー22およびビームスプリッター23によって平行化するとともに前記撮影光学系5の光軸に沿わせて被検眼Eの前眼部にその正面から照射するものであり、さらに、前記アライメント指標光の被検眼E頂点における反射像(プルキンエ像)は、前記ビームスプリッター23、前眼部撮影レンズ24およびハーフミラー16を透過させてテレビカメラ12に送られる。前記ハーフミラー22は近可視光である前記アライメント指標光を反射し、可視光である後述の固視指標光を透過するものである。 【0025】そして、テレビカメラ12の受光面12aで結像した画像による受像信号は図2に示すモニタ表示器Mに光点Lとして表示される。このモニタ表示器Mではその画面中心Cに撮影光学系5の光軸が設定されている。アライメントは、図示しない制御回路からの信号により、前記光点Lが画面中心C近傍の狭い範囲に入るように機枠2がX、Y方向に移動させられることによってなされる。 【0026】なお、本アライメント光学系6には被検眼Eの光軸を一定方向に定めるための固視灯としての発光ダイオード25も配設されており、この固視灯25からの固視指標光は前記ハーフミラー22を透過してアライメント光学系6の光路に沿って被検眼Eにいたるようにされている。この固視灯25から被検眼Eにいたる光学系は、いわば固指標光投影光学系と呼べる。 【0027】合焦光学系7は、合焦用光源としての照明ランプ26と合焦検出用受光素子27とを有しており、照明ランプ26から集光レンズ28を透過してくる赤外光を前記ハーフミラー11によって照明光学系4の光路に沿わせてスリット光化して被検眼Eに照射し、その前眼部表面における反射光を前記撮影光学系5の光路に沿って前記合焦検出用受光素子27に至らせるものである。その際、前眼部表面反射光は撮影光学系5の光路に沿って前記ハーフミラー16に至り、これを透過して合焦検出用受光素子27に受光される。 【0028】前記照明光学系4と合焦光学系7とは互いに、合焦検出用の前記スリット光が前記合焦検出用受光素子27の受光点にちょうど入射するように反射される反射点が、照明光学系4におけるスリット光の収束点となるように構成されている。 【0029】そして、機枠2をZ方向に移動させ、スリット光が合焦検出用受光素子27に受光された(合焦がなされた)ことによる信号によって機枠2のZ方向移動が停止させられる。この合焦動作は前記アライメント動作と並行してもよく、また、アライメントが完了した後になされてもよい。 【0030】前記アライメント光学系6において、その光路における集光レンズ21の被検眼E側に開口部材(以下、照門という)29が配設されている。この照門29の配設が本角膜撮影装置1の大きな特徴である。照門29は流体配管でいうオリフィスのようなものであり、被検者が固視灯25を見た場合、固視灯25より僅かに大きく見える開口部29aが形成されたものである。この場合の固視灯25は照門29に対するいわば照星となる。 【0031】図3には被検者が照門29を通して固視灯25を見た様子が示されている。この照門29が配設されていない状態では、被検者が装置の覗き窓を通して固視灯25を見た場合、広い視野Vのうちのいずれの位置に固視灯を視認するのか定まらない。これは、アライメント光学系6の光軸と被検眼の角膜頂点(瞳孔中心に対応する)とが大きく離れる確率が高いことを意味する。つまり、図2に示すモニタ表示器Mの画面にプルキンエ像を示す光点Lが現れないことがある。 【0032】しかし、照門29が配設された本角膜撮影装置1では、被検者が照門29を通して固視灯25を見た場合、固視灯25がちょうど照門29に一致するように被検眼が位置するため、アライメント光学系6の光軸と被検眼の角膜頂点とが近接する状態となる。つまり、図2に示すモニタ表示器Mの画面の中心C近傍にプルキンエ像を示す光点Lが映し出されている。したがって、アライメント動作は瞬時に完了する。 【0033】前記照門29を、たとえば同心円状に配設した液晶パターンの切り換え表示等によってその開口部29aが拡大および収縮するように構成することも可能である。このように構成することにより、被検眼を一定位置且つ一定の方向に誘導することがさらに容易になる。 【0034】また、前記照門29は固視灯25から被検眼Eにいたる光軸上に固設される必要はなく、たとえば、光学系によって照門を合成投影するか、または照門を光軸上に進入および退避しうるように構成することも可能である。そうすることにより、装置の構成上の自由度が増し、さらに、前述のように開口部29aの拡大、収縮が容易になる。 【0035】前記開口部29aとは、実際に空間が形成されたものの他、上述のごとく空間的には閉止されていて光の全波長域が透過しうる小径の部分が形成されたものであってもよい。したがって、たとえば、透明な合成樹脂またはガラスなどに光を透過せしめる部分(前記小径孔に相当)を除いてその周囲に印刷などによって光不透過部や後述の光学フィルター部を形成したものなども採用しうる。 【0036】照門29の開口部29aを小さくするほど予備アライメントの精度は向上する。しかし、開口部29aを小さくすると、被検眼の位置によっては固視灯25からの光が照門29によって遮断されてしまうことがあり、被検者は固視灯25を見失うことが多くなる。そうなると、予備アライメント自体に時間がかかることになる。 【0037】かかる問題は照門29を光学フィルタから形成することによって解消することができる。すなわち、固視灯25が発する光の成分のうち、所定波長より長波長側(または、短波長側)のものを透過するフィルターを用いればよい。 【0038】所定波長より長波長側のものを透過するフィルター、たとえば、赤色フィルターと呼ばれるタイプSC60フィルターを用いれば、可視光におけるほぼ赤色より長波長側の光は透過される。一方、固視灯25として通常に用いられる発光ダイオードの発光色は一般に緑色から黄色にかけての波長成分を多く含んでいる。 【0039】このフィルター製照門を用いれば、被検眼の位置によって固視灯25が照門29に隠れた場合であっても、固視灯25からの光のうちほぼ赤色光より長波長側の光成分が照門を29透過する。したがって、図4(a)に示すように被検者は照門29上に赤い固視灯25を視認することができ、固視灯25と開口部29aとの位置関係がはっきりと認識できる。それにより、被検者は顔を動かして検査者の指示どおり固視灯25を照門29の開口部29a内へ容易に入れることができる(図4(b)参照)。そして、固視灯25からの光が開口部29aを透過するようになれば、被検者は固視灯25を緑色から黄色にかけての色に認識する。その結果、被検者は予備アライメントが終了したことも認識できる。 【0040】照門29を赤色フィルターから形成することによりさらなる利点が生じる。それは、予備アライメント後のいわば本アライメントに何らの支障も生じないことである。アライメント光源用の発光ダイオード17としては、被検眼に刺激を与えないように前述のとおり近赤外光または赤外光を発するものが用いられている。したがって、予備アライメントの終了後、照門29を必要としない本アライメント、すなわち、アライメント光源17を用いたアライメント時にはアライメント光源17からの近赤外光は照門29を何らの制限もなく透過しうるのである。 【0041】このように、赤色フィルター製照門を用いれば、予備アライメントを迅速に行うために何らの問題を生じずに照門の開口部を小さくすることができ、また、いわば本アライメントに何らの支障も来さない。 【0042】要するに、固視灯25の発する光のうち、長波長の範囲を透過しうる光学フィルターを選択すれば如上の作用を奏しうる。 【0043】本実施形態では、予備アライメント機構を角膜撮影装置に適用した場合を例にとって説明したが、本発明はとくに角膜撮影装置に限定されることはない。たとえば、特開平8−275921号公報に開示されたような眼底カメラに対しても同様に適用可能である。図5に示すようにこの眼底カメラ31は、撮影用光源32および対物レンズ33等を備えて、照明光を被検眼Eの瞳孔を通して眼底を照明する照明光学系34と、自動フォーカス用光源35を備え、合焦指標光を眼底に照射する合焦光学系36と、撮影用カメラ37を備え、眼底において反射した前記照明光に基づいて眼底を撮影するとともに、眼底において反射した前記合焦指標光に基づいて合焦検出を行うための眼底撮影光学系38とを有している。 【0044】さらに、前記合焦および撮影の各動作に先立って眼底撮影光学系38の光学瞳を被検眼Eの瞳孔中心に一致させるための作動距離検出光学系39およびアライメント光学系40を有している。 【0045】作動距離検出光学系39は、その作動距離検出用光源41からの作動距離検出用指標光を被検眼Eの前眼部に斜めから照射し、前眼部で反射された指標光を作動距離検出用受光素子42によって斜めから検出することにより作動距離を制御するものである。 【0046】アライメント光学系40は、アライメント用光源43からの赤外光を集光レンズ44および対物レンズ33を通して平行化して被検眼Eの前眼部に正面から照射し、この平行光の角膜反射像をアライメント用カメラ45で撮像し、撮像画面の中心(眼底撮影光学系38の光軸に対応している)に前記角膜反射像を一致させることによってアライメントを行うものである。アライメント光学系40には被検者に凝視させて被検眼を一定方向に固定させるための固視灯46も備えられている。固視灯46からの固指標光は前記アライメント光学系40の光路上を被検眼Eまでいたるように構成されている。 【0047】かかる眼底カメラ31において、固視灯46から被検眼Eにいたる光軸上の、前記集光レンズ44の被検眼側に照門29が配設されている。それにより、前述の角膜撮影装置1と同様に予備アライメントが可能となり、アライメント動作は瞬時に完了する。 【0048】なお、図示しないが、本眼底カメラ31においても、フィルター製照門を用いることができ、その場合、被検者は迅速且つ容易に照門29の開口部29aに固視灯25の像を一致させることができ、また、予備アライメントの精度向上のために照門29の開口部29aを小さくすることができるという、前述の角膜撮影装置1におけると同様の作用効果を奏する。赤色フィルターの選択ももちろん可能である。 【0049】図6にはさらに他の実施形態が示されている。図6に示される角膜撮影装置51において、その固視灯25に光源絞り部材52が配設されている点、前記ハーフミラー22の固視灯25寄りに光束絞り部材53が配設されている点、前記照門29が取り除かれている点、および集光レンズ20が取り除かれている点がそれぞれ図1の角膜撮影装置1との相違点である。その他の構成は図1の角膜撮影装置1のものと同一であるため、同一符号を記して説明を省略する。 【0050】前記光源絞り部材52は光が透過しうる小径孔52aが穿孔された光を透過しない材質、たとえば、黒色合成樹脂から形成されたものである。この小径孔52aの直径は固視灯25(光源)より小さくされており、本実施形態では直径が約3mmの固視灯25に対して小径孔52aの直径を約1.0mmとしている。 【0051】光束絞り部材53としては、その中央部に小径孔53aが形成された光学フィルター(たとえば、前述のタイプSC60フィルター)が用いられている。小径孔53aの直径は約1.5mmとしている。 【0052】両小径孔52a、53aの直径は前記1.0mmと1.5mmとに限定されることはなく、たとえば、光源絞り部材52の小径孔52aを約0.8mmとし、光束絞り部材53の小径孔53aを1.2mmとしてもよい。要するに、被検眼に近い光束絞り部材の小径孔53aの直径を、両絞り部材52、53の間隔に応じて光源絞り部材52の小径孔52aの直径よりわずかに大きくすればよい。この理由は、光源絞り部材52に視度が合う被検者にとって、光束絞り部材53が邪魔にならないようにしたものである。 【0053】なお、両小径孔52a、53aは、実際に空間が形成されたものの他、空間的には閉止されていて光の全波長域が透過しうる小径の部分が形成されたものであってもよい。したがって、たとえば、透明な合成樹脂またはガラスなどに光を透過せしめる部分(前記小径孔に相当)を除いてその周囲に印刷などによって光不透過部や光学フィルター部を形成したものなどを採用しうる。 【0054】前記光源絞り部材52は固視灯25の像を小さくするために配設するものあるから、光束絞り部材の小径孔53aより小さい固視灯25を用いれば、とくに光源絞り部材52は設ける必要はない。 【0055】両絞り部材52、53を配設することにより、図6の集光レンズ21に対して固視灯25からほぼ平行光からなる細い光束が透過される。したがって、被検眼の視度に起因して固視灯25がぼんやり見えるとき、つまり、光源絞り部材52の小径孔52aがぼんやり見えるときであっても、光束絞り部材53の小径孔53aがはっきり見えることが多い。一方、異なる視度の被検眼にとっては光束絞り部材53の小径孔53aがぼんやり見えるときに、光源絞り部材52の小径孔52aがはっきり見えることが多い。このように、異なる視度の被検者がそれぞれ固視目標(いずれかの小径孔52a、53a)を明瞭に視認することができる。また、光束絞り部材53の位置の変更によって視度の適応範囲を調節しうる。 【0056】この角膜撮影装置51では、被検眼の位置によっては光源絞り部材の小径孔52aを通った固視灯25からの光が光束絞り部材53に干渉することがある。しかし、光束絞り部材53を光学フィルタから形成しているため、固視灯25からの光は光束絞り部材53を透過するので何ら問題はない。すなわち、赤色フィルター製の光束絞り部材53を用いておれば固視灯25の光を赤く認識する。したがって、被検眼を動かして両小径孔52a、53aの像を一致させるのが容易となる。一致したときには緑色から黄色にかけての固視灯光を視認する。 【0057】このように、固視灯25を明瞭に視認できるうえ、光束絞り部材53を光学フィルタから形成することによって予備アライメントも可能となる。 【0058】また、光束絞り部材53を赤色フィルターから形成すれば、前述のとおりアライメント用光源17からの近赤外光または赤外光が何らの制限もなく透過しうるため、アライメント作用に支障はない。したがって、光束フィルター53の配設位置はとくにハーフミラー22の固視灯25寄りの位置に限定されることはなく、たとえば、図6中のハーフミラー22と集光レンズ21との間における任意の位置であってもよい。 【0059】なお、前記集光レンズ20の削除について、図1における前記集光レンズ20はアライメント用光源17からの光を固視灯25からの光と同様に平行光として被検眼Eに照射させるために、被検眼Eからの位置寸法を調節するためのものである。それを、アライメント用光源17または固視灯25の位置を変更してが、集光レンズ20を不要としたものである。 【0060】図6の角膜撮影装置51に、図1で示すのと同一の照門29をさらに配設することもできる。そうすることにより、明瞭に視認できる固視灯25を明瞭に視認できるため、照門29による予備アライメントが一層容易になる。 【0061】さらに、照門29と光束絞り部材53とを同一の光学フィルター(前記赤色フィルターが好ましい)から形成することにより、照門29が両絞り部材52、53による固視灯25の明瞭化機能に影響を及ぼすことがなく、また、両絞り部材52、53が照門29による予備アライメント機能に影響を及ぼすことがない。なぜなら、照門29も光束絞り部材53もともに固視灯25の光を赤色光として透過しうるからである。したがって、予備アライメントの精度を向上させるために、照門29の開口部29aを小さくしても、固視灯25の明瞭化機能と両絞り部材52、53が照門29による予備アライメント機能とが悪影響を及ぼし合うことはない。 【0062】図7にはさらに他の実施形態が示されている。図7に示されるのは眼底カメラ54であり、その固視灯46に光源絞り部材52が配設され、ミラー55とハーフミラー56との間に光学フィルターからなる光束絞り部材53が配設され、前記照門29が取り除かれた点が図4の眼底カメラ31との相違点である。その他の構成は図3の眼底カメラ31のものと同一であるため、同一符号を記して説明を省略する。 【0063】また、本眼底カメラ54においても、前記角膜撮影装置51(図6)と同様に、固視灯を明瞭に視認でき、光学フィルター製の光束絞り部材の使用により予備アライメントが容易になるという機能は同様に発揮しうるので詳細な説明を省略する。 【0064】なお、本眼底カメラ54においても、光束絞り部材53を赤色フィルターから形成することによってアライメント用光源43を遮ることはないため、この光束絞り部材53の配設位置は光源絞り部材52と集光レンズ44との間の任意の位置とすることができる。 【0065】図7の眼底カメラ54に、図4で示すのと同一の照門29をさらに配設することもできる。そうすることにより、明瞭に視認できる固視灯46を明瞭に視認できるため、照門29による予備アライメントが一層容易になる。 【0066】さらに、照門29と光束絞り部材53とを同一の光学フィルター(前記赤色フィルターが好ましい)から形成することにより、前述の通り、照門29が両絞り部材52、53による固視灯25の明瞭化機能に影響を及ぼすことがなく、また、両絞り部材52、53が照門29による予備アライメント機能に影響を及ぼすことがない。また、予備アライメントの精度を向上させるために、照門29の開口部29aを小さくしても、固視灯25の明瞭化機能と両絞り部材52、53が照門29による予備アライメント機能とが悪影響を及ぼし合うことはない。 【0067】如上の実施形態においては、被検者が照門29を通して凝視する対象(いわば照星)として固視灯を例にとったが、本発明ではとくに固視灯に限定されることはなく、可視光域を用いたアライメント光源を照星とする場合にも適用可能である。 【0068】また、他の眼科検診装置、たとえば、眼圧測定装置、視度測定装置等にも前述の照門を配設することによってアライメント動作を容易に且つ迅速に完了することができる。 【0069】 【発明の効果】本発明の第一の予備アライメント機構によれば、被検者に照門を通して対象指標を凝視させることにより、対象指標に対してほぼ一定位置且つ一定方向に被検眼を位置させることができる。したがって、眼科検診装置における撮影系の光軸や観察の光軸を被検眼の頂点近傍に位置させるアライメント操作を迅速かつ容易に行うことができる。 【0070】本発明の第二の予備アライメント機構によれば、被検者の視度が異なる場合であっても、固視灯が光源絞り手段または光束絞り手段いずれかの像として明瞭に視認できる。さらに、光束絞り手段が予備アライメントのための照門の役割も担いうる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000143282 【氏名又は名称】株式会社コーナン
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)12月26日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】角田 嘉宏 (外4名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−4807 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)1月12日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−359284 |
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