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【発明の名称】 清掃用具
【発明者】 【氏名】田能村 真里

【氏名】太田黒 隆浩

【要約】 【課題】清掃面のごま、砂、パン屑、又は埃等の粒子物質や髪の毛等の固形物を液体物質と共に除去できる清掃用具を提供する。

【解決手段】断面薄板形の液体保持用のフィルム1と清掃体2とを積層して清掃用具を構成する。清掃体2は弾性の吸収体からなり、吸収体は、パルプ、セルロース、又はセルローススポンジ等からなる。清掃体2の表面には凹部3を所定の間隔をおいて並べて切り欠く。また、複数の凹部3の間の底面に粘着剤5をそれぞれ塗着する。カーペットや畳み等にこぼした水分や油、及びパン屑の汚れを除去する場合、水分や油がカーペットや畳み等から凸部4を介して清掃体2に移動・吸収され、パン屑が凹部3の粘着剤5に吸着される。非接触領域である凹部3に粘着剤5が塗着されているので、粘着剤5が水分や油に覆われることがない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 清掃体と、この清掃体の少なくとも一面の一部に設けられた凹部と、この凹部に設けられた粘着剤とを含んでなることを特徴とする清掃用具。
【請求項2】 上記清掃体の少なくとも一部が不織布及び/又は弾性を有する吸収体からなる請求項1記載の清掃用具。
【請求項3】 上記清掃体の少なくとも一部は、毛細管を備えた多孔性液体不透過性物質からなる請求項1記載の清掃用具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、洗浄後の清掃面に残存した液体残留物の吸収性や保持力に優れ、しかも、清掃面のごま、砂埃、砂、パン屑、又は埃等の粒子物質や髪の毛等固形物を液体物質と共に除去することのできる清掃用具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、飲食時にジュースや醤油等をこぼして汚した場合、これらを比較的吸収性に優れたスポンジや拭布(雑巾やタオル等)を使用して吸収するようにしている。また、布繊維等にジュースや醤油等をこぼした場合、こぼした後の処理が不十分であると、後にシミとなるため、吸収しきれなかった成分に対しては洗剤を用い、その後、吸収性に優れるスポンジ等を使用して布繊維等の汚れを除去している。
【0003】なお、この種の先行技術文献として、特願平1−164347号や特願平3−113042号公報には、保水性を考慮したスポンジやワイピングが開示されている。また、実開昭61−160856号公報には、吸収性が付与されたシートの表面に粘着剤が部分的に設けられたクリーナ用粘着テープが開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の清掃用具は、以上のように構成されているので、ドレッシング等の液体物質と粒子物質とが混在している場合、液体物質のみが吸収除去され、粒子物質を除去することができないという問題があった。つまり、従来においては、こぼれた液体物質を除去するため、吸収性の良いスポンジ等を使用したり、除去しきれなかった成分を除去するためには、水や洗剤を使用して洗浄した後、洗浄残留物を吸収性に優れる清掃用具で除去している。しかしながら、粒子物質については、液体物質と同時に除去することができず、そのまま残存していた。
【0005】上記点に鑑み、粘着剤を備えた吸収剤が提案されているが、粘着剤が吸収体の表面に設けられているため、液体吸収時に粘着剤が液体に覆われてしまい、効率良く汚れを除去することができない。さらに、粘着剤が液体に覆われてしまうため、直接接触することにより、粘着剤の一部が剥げ落ち、清掃面をかえって汚してしまうという問題もあった。
【0006】本発明は、上記問題に鑑みなされたもので、清掃面のごま、砂埃、砂、パン屑、又は埃等の粒子物質や髪の毛等の固形物を液体物質と共に除去することのできる清掃用具を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明においては、上記課題を達成するため、清掃体と、この清掃体の少なくとも一面の一部に設けられた凹部と、この凹部に設けられた粘着剤とを含んでなることを特徴としている。なお、上記清掃体の少なくとも一部が不織布及び/又は弾性を有する吸収体からなるものであることが好ましい。また、上記清掃体の少なくとも一部は、毛細管を備えた多孔性液体不透過性物質からなることが好ましい。
【0008】ここで、特許請求の範囲における清掃体は、液体(一種又は二種以上のアルカリ剤、界面活性剤、溶剤、食用油、又は廃油等からなる)吸収用の吸収体が好ましいが、固形物や粒子物質の除去を重視する場合には、吸収性が若干劣っていても良い。この清掃体を吸収体とする場合、一種又は二種以上のパルプ、セルロース及びセルローススポンジ、ポリエチレン、ポリプロピレン、レーヨン及び/又はこれらの繊維を用いて構成することができるが、さらに毛細管を備えた多孔性液体不透過性物質としたり、各毛細管の先端部を先細りに形成することもできるし、不織布として形成させることもできる。不織布とする場合、上記各材料の繊維を使用すると好適である。また、清掃体は、単一物でも良いし、不織布と吸収体とが積層構造等をなしていても良い。
【0009】清掃体は、凹部を含んだ全体構成として、少なくとも断面ほぼ凹凸形、断面ほぼ波形、又は断面ほぼ山形等に形成することが可能である。また、清掃体には液不透過性シート、清掃シート、集塵シート、液体保持用のフィルム、柄、又はハンドル等を適宜設けることができる。また、凹部は、少なくとも単数複数の丸穴、角穴、多角形の穴、小判穴、又は楕円穴等に適宜設けることができる。この凹部は、複数の場合、その形状、構造、又は高さが同一でも良いし、そうでなくとも良い。さらに、粘着剤は、接着剤を含み、単数複数の凹部の底面、内側面、及び/又は内周面の全部、又は一部に直接、あるいは間接的に適宜設けることができる。
【0010】本発明によれば、被清掃面の粒子物質や固形物等の汚れを除去する場合には、清掃体を被清掃面に対して押圧することで、汚れが清掃体の凹部の粘着剤に吸着される。このように凹部に粘着剤が設けられているので、粘着剤が液体に覆われるのを少なくしたり、あるいは防止することができる。また、汚れが液体、粒子物質、及び/又は固形物からなる場合において、清掃体が吸収体のとき、圧縮作用や毛細管現象等により、液体は、被清掃面から吸収体に移動・吸収される。このように吸収体に液体が吸収されるので、液体が漏れて液垂れしたり、汚染の拡大を抑制防止することができる。
【0011】さらに、液体成分が除去された被清掃面に対し、次に吸収体を軽く押し付けて再度清掃することにより、残された粒子物質や固形物を効率よく除去することができる。このように、汚れに液体と粒子物質等が混在しても、集塵性を維持することができる。したがって、上述したように、本発明においては、吸収体が弾性体であるとより好適である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。本実施形態における清掃用具は、図1に示すように、各種の合成樹脂を用いて断面薄板形に成形された液体保持用のフィルム1と、清掃体2とを積層している。
【0013】清掃体2は基本的には断面板形の不織布及び/又は弾性の吸収体からなり、この吸収体は、パルプ、セルロース、セルローススポンジ、ポリエチレン、又はポリプロピレン、レーヨンはこれらの繊維からなる。この清掃体2の表面(清掃面)には複数の凹部3が所定の間隔をおいて横一列に並べて切り欠かれ、これに伴い複数の凸部4が区画形成されている。そして、複数の凹部3の間の底面には粘着剤5が層状にそれぞれ塗着されている。
【0014】上記構成において、カーペットや畳み等にこぼした水分や油、及びパン屑の汚れを除去する場合には、水分や油がカーペットや畳み等から変形した凸部4を介して清掃体2に移動・吸収されるとともに、パン屑が凹部3の粘着剤5に吸着される。上記構成によれば、吸収体製の清掃体2が使用され、しかも、清掃体2にフィルム1シートが積層されているので、清掃体2に水分や油が実に効率的に吸収・保持され、フィルム1から漏れて液垂れしたり、汚染の広がることがない。さらに、非接触領域である凹部3に粘着剤5が塗着されているので、液体吸収時に粘着剤5が水分や油に覆われることがなく、比較的大きなパン屑を効率良く除去することができる。
【0015】次に、図2は本発明の第2の実施形態を示すもので、この場合には、清掃体2の表面に複数の凹部3が所定の間隔をおいて横一列に並べて切り欠かれ、これに伴い複数の凸部4が区画形成されており、複数の凹部3の間の底面には層状の粘着剤5が断面薄板形のフィルム1aを介してそれぞれ塗着されている。その他の部分については、上記実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0016】本実施形態においても上記実施形態と同様の作用効果が期待でき、しかも、各凹部3の底面と粘着剤5との間にフィルム1aが介在されているので、水分や油の影響で粘着剤5の機能が低下したり、あるいは剥げ落ちるのをきわめて有効に防止することが可能になる。
【0017】次に、図3は本発明の第3の実施形態を示すもので、この場合には、清掃体6が毛細管を備えた多孔性液体不透過性物質からなり、この清掃体6の表面に複数の凹部3が所定の間隔をおいて横一列に並べて切り欠かれ、これに伴い複数の凸部4が区画形成されており、複数の凹部3の間の底面には粘着剤5が層状にそれぞれ塗着されている。その他の部分については、上記実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0018】本実施形態においても、簡易な構成で上記実施形態とほぼ同様の作用効果が期待でき、弾性がやや低下するものの、液体物質と共にごまやパン屑等のみを除去することができる。また、清掃体2Aが液体不透過性物質であるため毛管現象により吸引された液体が粘着剤と直接接しないため、図2のフィルム1aを介さずとも、粘着剤の剥げ落ちることがない。
【0019】なお、上記実施形態ではフィルム1と清掃体2Aとを積層したものを示したが、なんらこれに限定されるものではなく、フィルム1の代わりに液体不透過性シート2Aと清掃体2を積層しても良い。また、清掃体2及び/又は表面の一部に複数の凹部3を所定の間隔をおいて切り欠いても良い。
【0020】さらに、図4に示すように、吸収体2(ポリエステル繊維とレーヨン繊維(1:1)からなる不織布)と、毛細管7を多数備えた多孔性液体不透過性物質6とを積層して清掃用具を構成し、多孔性液体不透過性物質6の表面(清掃面)に複数の凹部3を所定の間隔をおいて横一列に並べて切り欠き、この複数の凹部3の間の底面に粘着剤5を層状にそれぞれ塗着しても良い。この場合、各毛細管7の先端部を吸収体2に向って先細りに形成して吸収体2に密接に設けることができる。また、凹部3間の底面に粘着剤5を断面薄板形のフィルム1aを介しそれぞれ塗着しても良い。
【0021】
【実施例】次に、本発明の実施例の液体の吸収性、液体の保持力、及び固形物の吸着性について比較例と比較しつつ説明する。実施例としては、図1〜図4に示す構造の清掃用具を使用した。また、比較例は、図5や図6に示す構造に構成された清掃用具を使用した。
【0022】図5の清掃用具は、清掃体2が吸収体からなり、この清掃体2の表面に複数の凸部4が所定の間隔をおいて横一列に並べて突設されるとともに、各凸部4の周面には粘着剤5が塗着されている。また、図6の場合、清掃体2が吸収体からなり、この清掃体2の表面に複数の切込8が所定の間隔をおいて横一列に並べて切り欠かれるとともに、各切込8の対向する内面には粘着剤5が塗着されている。
【0023】以上のような構成の実施例と比較例とを比較したところ、表1に示すように、実施例が液体の吸収性、液体の保持力、及び固形物の吸着性について良好な結果を得た。
【0024】
【表1】

【0025】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、清掃面のごま、砂埃、砂、パン屑、又は埃等の粒子物質や髪の毛等の固形物を液体物質と共に容易に除去することができるという効果がある。
【出願人】 【識別番号】000006769
【氏名又は名称】ライオン株式会社
【出願日】 平成10年(1998)5月7日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】神田 正義 (外1名)
【公開番号】 特開平11−313792
【公開日】 平成11年(1999)11月16日
【出願番号】 特願平10−124527