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【発明の名称】 電気掃除機の床用吸込具
【発明者】 【氏名】上岡 孝暢

【氏名】石井 史郎

【氏名】蓮 浩二

【氏名】柳沢 健児

【要約】 【課題】床面における吸込み性能を確保しつつ、絨毯の毛足の変形を減少させ、操作性に優れた電気掃除機の床用吸込具を得ること。

【解決手段】後側下部ケース8と前側下部ケース6とからなり床面14との間に隙間を設けたケース底面部4と、回転ブラシ18と、先端部が床面14に接する第1のシールリップ12と第2のシールリップ13等とを備えた吸込具本体1と、吸込具本体1に接続した継手部5とから構成し、後側下部ケース9の底面を前側下部ケース6の底面より上方に位置させてその底面と床面14との隙間距cを、前側下部ケース6の底面と床面14との隙間aよりも大きく形成した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 後側下部ケースと吸込口を有する前側下部ケースとからなり床面との間に隙間を設けたケース底面部と、該ケース底面部の吸込口近傍に設けた回転ブラシと、該吸込口を挟んで取付けられそれぞれの先端部が床面に接する第1のシールリップと第2のシールリップ等とを備えた吸込具本体と、該吸込具本体に接続した継手部とから構成した床用吸込具を備えた電気掃除機であって、前記後側下部ケースの底面を前記前側下部ケースの底面より上方に位置させて該底面と前記床面との隙間を、前記前側下部ケースの底面と前記床面との隙間よりも大きく形成したことを特徴とする電気掃除機の床用吸込具。
【請求項2】 後側下部ケースと床面との隙間を、5mm〜15mmとしたことを特徴とする請求項1記載の電気掃除機の床用吸込具。
【請求項3】 後側下部ケースの底面と前側下部ケースの継手部側底面との間に傾斜面を設けたことを特徴とする請求項1記載の電気掃除機の床用吸込具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気掃除機の床用吸込具に係り、より詳しくは、操作性が改善されて使い勝手が良い電気掃除機の床用吸込具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図7は従来の電気掃除機の床用吸込具の一例を示す縦断面図、図8はその要部を拡大した縦断面図、図9は図7の底面図である。この床用吸込具は、床面14との間に隙間を保持した状態で吸込具本体1を床面14に沿って移動させる。この際、ケース底面部4の前側下部ケース6に設けた第1のシールリップ12と第2のシールリップ13によって吸込口7の近傍を真空状態にして吸込み性能を高め、回転ブラシ18を高速回転させて絨毯の毛足を掻き分け、絨毯の毛足に絡み付いた塵埃や絨毯の奥に潜んだ塵埃を掻き出す。こうして、前側下部ケース6に設けた吸込口7から床面14の塵埃を吸引し、継手部5を経由し、本体(図示せず)内に集塵する。なお、吸込口7の幅W1 と第1のシールリップ12の幅W2との関係は、W1 <W2 に設定している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のように構成した電気掃除機の床用吸込具によれば、前側下部ケース6の底面と後側下部ケース9の底面とが同一の平面上にあり、絨毯面の清掃の際に、絨毯の毛足が特に後側下部ケース9の底面によって必要以上に床面14に押し付けられ、絨毯の毛足の潰れによって清掃後の絨毯面の外観品位が低下する。
【0004】また、絨毯の毛足が潰れると、回転ブラシ18の下端部と絨毯の毛足との接触が減少して、絨毯の毛足に絡み付いた塵埃を回転ブラシ18によって十分に掻き出すことができなくなる。
【0005】さらに、近年においては、吸込み力が高い電気掃除機が主流となっているが、特に絨毯面において、吸込み具本体1による吸着が激しくなって、操作性が悪化している。すなわち、後側下部ケース9の底面によって絨毯の毛足が押しつぶされると、押し潰された毛足と後側下部ケース9底面との間における摩擦から、操作性への抵抗が生じる。このため、ケース底面部4と床面14との間の隙間20を大きくしなければならず、高い吸込み力を持った電気掃除機であっても、本来の高い吸い込み性能を発揮することができないという問題があった。
【0006】また、吸込具本体1と床面14との間の激しい吸着によって低下した操作力を改善するために大径車輪を搭載した吸込み具もあるが、吸込み具自体の重量が大きくなり、かえって清掃時における操作性に悪影響を及ぼす場合もあった。
【0007】本発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、床面における吸込み性能を確保しつつ、絨毯の毛足の変形を減少させた、操作性に優れた電気掃除機の床用吸込具を得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る電気掃除機の床用吸込具は、後側下部ケースと吸込口を有する前側下部ケースとからなり床面との間に隙間を設けたケース底面部と、ケース底面部の吸込口近傍に設けた回転ブラシと、吸込口を挟んで取付けられそれぞれの先端部が床面に接する第1のシールリップと第2のシールリップ等とを備えた吸込具本体と、この吸込具本体に接続した継手部とから構成され、後側下部ケースの底面を前側下部ケースの底面より上方に位置させてその底面と床面との隙間を、前側下部ケースの底面と床面との隙間よりも大きく形成した。
【0009】また、後側下部ケースと床面との隙間を、5mm〜15mmとした。さらに、後側下部ケースの底面と前側下部ケースの継手部側底面との間に傾斜面を設けた。
【0010】
【発明の実施の形態】[実施の形態1]図1は本発明の実施の形態1の縦断面図、図2は図1の要部の縦断面図、図3は図1の底面図である。1は電気掃除機の床用吸込具の吸込具本体、2は吸込具本体1の上部から側部を覆う本体ケース、3は吸込具本体1の前部に配設されたバンパ、4は吸込具本体1の底部等を覆うケース底面部である。5は吸込具本体1の後部に取付けた継手部である。
【0011】6はケース底面部4のバンパ3側に位置し前部から底部にかけて取付けた前側下部ケースで、長手方向に沿って開口する吸込口7を備えており、吸込口7の継手部5側には上方に突出した突設部8が形成されている。9はケース底面部4の継手部5側に位置する後側下部ケースである。この後部側下部ケース9の底面は前部側下部ケース6の底面より上方に位置しており、前側下部ケース6の底面との間に段差部10が形成され、また、前部側下部ケース6の突設部8の底面と後部側下部ケース9の底面との間には、立設面11が形成されている。
【0012】12は前側下部ケース6の突設部8の長手方向に沿って突設部8の底面側に取付けた第1のシールリップ、13はバンパ3の長手方向に沿ってバンパ3と一体に取り付けた第2のシールリップであり、これら第1、第2のシールリップ12,13は前側下部ケース6に設けた吸込口7を挟むようにして配設され、床面14の清掃において吸込口7近傍を真空状体に保持して吸込力を確保する。
【0013】15は吸込具本体1の前側に設けた前部車輪、16は吸込具本体1の後側に設けた後部車輪である。17は吸込具本体1内に設けた吸込部で、吸込口7から吸引された塵埃を吸込部17を通して、パイプ、ホース、電気掃除機本体(図示せず)方向に導く。
【0014】18は吸込部17内に設けられて絨毯の毛足に絡み付いた塵埃を高速回転によって掻き出して清掃する回転ブラシ、19は回転ブラシ18のブレードである。回転ブラシ18の設置位置は、回転ブラシ18のブレード19の下端部が床面14に接することがない高さ位置に設けられ、ブレード19の下端部が床面14に接触して清掃時に床面14を傷付けないようにしてある。
【0015】次に、ケース底面部4の最底面と床面14との間に設ける隙間について詳述する。図1に示すように、第1、第2のシールリップ12,13の先端部は、ケース底面部4の最底面よりも距離aだけ下方に突設してその先端部が床面14に接触するようにしてある。こうして、ケース底面部4の最底面と、床面14との間に、例えばa=約2mmの第1の隙間20を形成し、これによって吸込口7近傍の真空度を高めている。
【0016】第1の隙間20をa=約2mmとしたのは、吸込み性能と操作性との関係から好ましい数値だからである。すなわち、床面14と吸込口7との間に設けた第1の隙間20が大きいと、絨毯の清掃時において操作性が改善されるが絨毯面との間に真空度が確保できず、吸込み性能に悪影響をもたらす。一方、第1の隙間20が小さいと、絨毯の清掃時において真空度が高まり吸込み性能が増すが、絨毯面上における操作性は著しく低下する。
【0017】次に、後側下部ケース9の底面と床面14との間に設ける隙間について詳述する。後側下部ケース9の底面と前側下部ケース6の底面との間には距離bからなる段差隙間21が形成されている。こうして、後側下部ケース9の底面と床面14との間に形成された第2の隙間22は、第1の隙間20の距離aと段差隙間21の距離bの和である距離cとなり、第2の隙間22は第1の隙間21よりも大きくなってる。
【0018】上記のように構成した実施の形態1の作用を説明する。電気掃除機の床用吸込具のケース底面部4を床面14に沿って前後のイ,ロ方向に移動させ、絨毯上の塵埃を吸引する。すなわち、前側下部ケース6に取り付けた第1のシールリップ12とバンパ3に取り付けた第2のシールリップ13とによって吸込口7近傍を真空状態にして吸込口7近傍の吸込み性能を向上させ、また、回転ブラシ18のブレード19を高速回転させて、絨毯の毛足を掻き分け毛足に絡み付きあるいはその奥に潜んだ塵埃を掻き出す。
【0019】この際、後側下部ケース9には段差部10が設けてあるので、第1のシールリップ12が移動した後に、特に後部ロ方向に移動した後に、第2の隙間22があるために絨毯の毛足が必要以上に押しつぶされることがなく、絨毯の毛足の潰れによる外観品位の低下やブレード19と絨毯の毛足との接触面積の低下もなく、回転ブラシ18によって十分な掻きだし吸引が得られると共に、絨毯の毛足と後側下部ケース9との摩擦による操作性への抵抗も生じない。こうして、前側下部ケース6に設けた吸込口7から吸込部17内に絨毯の塵埃を効率よく吸引し、吸引された塵埃は継手部5を通って、本体(図示せず)方向へと集塵される。
【0020】実施の形態1によれば、第1のシールリップ12と第2のシールリップ13によって、床面14の清掃時における吸込み性能維持のための真空度が十分に確保される。また、絨毯清掃において、高速回転する回転ブラシ18によって、絨毯の毛足に絡み付いた塵埃をかき出すことができる。さらに、前側ケース6の底面と後側下部ケース9の底面との間には段差部10が設けてあるので、後側下部ケース9が通過した後に絨毯の毛足を押しつぶすことがなく、回転ブラシ18の掻き出しによる吸引が効率的に行われると共に、絨毯の毛足と後側下部ケース9との摩擦による操作性への抵抗も生じることはない。
【0021】[実施の形態2]実施の形態1では、後側下部ケース9の底面と床面14との間に設けた第2の隙間22の距離をcしたが、実施の形態2ではその距離cを、具体的に、例えば5mm〜15mmにしたものである。その他の構成及び作用は、実施の形態1で示した場合と実質的に同様なので、説明を省略する。
【0022】実施の形態2によれば、第2の隙間22の距離cを5mm〜15mmにしたので、実施の形態1で示した効果に加えて、後部車輪16の軸心16aの床面14からの距離を限定できるために、直径30mm以上の大径の車輪を搭載することなく、吸込み具の操作性を確保することができる。
【0023】[実施の形態3]図4は本発明の実施の形態3の縦断面図、図5は図4の要部の縦断面図、図6は図4の底面図である。なお、図1〜図3と同一又は相当部分には同じ符号を付し、説明を省略する。実施の形態1では、前側下部ケース6の底面と後側下部ケース9の底面との間に段差部10を設け、前側下部ケース6の突設部8の継手部5側に立設面11を設けたが、実施の形態3では、前側下部ケース6の継手部5側と後側下部ケース9の吸込口7側をオーバーラップさせて、この部分の下面に立設面11に代えて傾斜面24を設けたものである。
【0024】上記のように構成した実施の形態3の作用を説明する。電気掃除機の床用吸込具のケース底面部4を床面14に沿って前後のイ,ロ方向に移動させ、絨毯上の塵埃を吸引する。すなわち、前側下部ケース6に取り付けた第1のシールリップ12とバンパ3に取り付けた第2のシールリップ13とによって吸込口7近傍を真空状態にして吸込口7近傍の吸込み性能を向上させ、また、回転ブラシ18のブレード19を高速回転させて、絨毯の毛足を掻き分け毛足に絡み付きあるいはその奥に潜んだ塵埃を掻き出す。
【0025】この際、後側下部ケース9の下面には段差部10が設けてあるので、第1のシールリップ12が移動した後に、特に後部ロ方向に移動した後に、第2の隙間22があるために絨毯の毛足が必要以上に押しつぶされることがなく、絨毯の毛足の潰れによる外観品位の低下やブレード19と絨毯の毛足との接触面積の低下もなく、回転ブラシ18によって十分な掻きだし吸引が得られ、特に突設部8と段差部10との間に傾斜面24を設けてあるので、絨毯の毛足と後側下部ケース9との摩擦による操作性への抵抗も生ぜず、操作性がきわめて良好となる。こうして、前側下部ケース6に設けた吸込口7から吸込部17内に絨毯の塵埃を効率よく吸引し、吸引された塵埃は継手部5を通って、本体(図示せず)方向へと集塵される。
【0026】実施の形態3によれば、実施の形態1で示した効果に加えて、突設部8と段差部10の間に傾斜面24を設けたので、絨毯の毛足の抵抗による操作性の悪化をさらに低下させることができる。
【0027】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明に係る電気掃除機の床用吸込具は、後側下部ケースと吸込口を有する前側下部ケースとからなり床面との間に隙間を設けたケース底面部と、ケース底面部の吸込口近傍に設けた回転ブラシと、吸込口を挟んで取付けられそれぞれの先端部が床面に接する第1のシールリップと第2のシールリップ等とを備えた吸込具本体と、この吸込具本体に接続した継手部とから構成され、後側下部ケースの底面を前側下部ケースの底面より上方に位置させてその底面と床面との隙間を、前側下部ケースの底面と床面との隙間よりも大きく形成した。
【0028】このため、床面上を清掃する際の真空度が確保されて吸込み性能が維持でき、また、絨毯の清掃の際に絨毯の毛足の潰れを防止することができ、さらに、清掃時に回転ブラシの掻き出し性能を損なうことなく、操作性を改善することができる。
【0029】また、後側下部ケースと床面との隙間を、5mm〜15mmとしたので、大径の車輪を搭載することなく操作性の改善を図ることができる。
【0030】さらに、後側下部ケースの底面と前側下部ケースの継手部側底面との間に傾斜面を設けたので、床用吸込具の操作において、絨毯の毛足の抵抗による操作性の悪化を解消することができる。
【出願人】 【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
【識別番号】000176866
【氏名又は名称】三菱電機ホーム機器株式会社
【出願日】 平成10年(1998)4月16日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 宗治 (外3名)
【公開番号】 特開平11−299712
【公開日】 平成11年(1999)11月2日
【出願番号】 特願平10−105968