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【発明の名称】 掃除機
【発明者】 【氏名】山村 憲司

【氏名】荻野 雅人

【氏名】山田 謙一

【氏名】松永 義則

【要約】 【課題】集塵構造を備えた本体部の上部に把手、下部に集塵ノズルを備えて縦型形状の一体型に構成された掃除機を、床に配した集塵ノズル上に安定して自立させることができる掃除機を提供する。

【解決手段】本体部3の下部に固定された吸引パイプ6が吸塵ノズル5に回転方向の回転角度及び前後方向の揺動角度が所定角度範囲内で変化自在に連結される。吸塵ノズル5上に本体部3を自立させるときには、本体部3を前方方向の揺動限度位置まで揺動させると、吸引パイプ6の両側面に設けられた嵌入部13、13が吸塵ノズル5に設けられた保持部12、12の対向間に嵌入して吸引パイプ6は保持される。嵌入部13の前方側にはアール面13bが形成されているので、保持部12、12間への嵌入部13の嵌入はスムーズになされる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 集塵機能を備えた本体部の上部に把手を備え、本体部の下部に吸塵ノズルを備えて縦長形状の一体型に構成されてなり、前記本体部の下部に固定された吸引パイプに対し、前記吸塵ノズルが吸引パイプの中心軸回りに回転可能で且つ前後方向に揺動可能に連結されてなる掃除機において、前記吸塵ノズルに形成された前記吸引パイプとの連結口に、この連結口を挟んで一対の垂直平面を対面させた保持部を形成し、前記吸引パイプに前記保持部の垂直平面間に嵌まり込む幅の平行面を形成すると共に、その平行面の前方側をアール面に形成した嵌入部を設け、前記本体部を前方方向への所定位置に揺動移動させたとき、本体部及び把手の重心位置が吸塵ノズルの略中心位置上となり、吸引パイプの前記嵌入部が前記保持部の平面部間に嵌入して吸塵ノズル上に本体部を保持し、床面に配した吸塵ノズルに対して本体部が自立状態に維持されるようにしたことを特徴とする掃除機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、モータ及び集塵構造を備えた本体部に、吸塵ノズル及び把手を連結して縦長形状の一体型に構成した掃除機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】上記縦長形状の一体型掃除機は、スタンドタイプあるいはスティックタイプと称され、一般的に使用されている本体部と吸塵ノズルとの間をホースで接続する分離型の掃除機に比べてコンパクトに形成され、更に、蓄電池を備えて充電式とすることによって電源コードもなくすことができるので、その取り扱いは簡便となり、収納のためのスペースも少なくなる利点を有している。
【0003】この一体型掃除機の従来構成の一例を図6に示す。この従来構成の掃除機では、本体部30に蓄電池を備えた充電式に構成されているので、不使用時には充電器上にセットし、この状態を収納状態とすることによって、収納状態で蓄電池に充電されるので、使用時には充電器から取り外せば、常に充電された状態で使用することができる。このような一体型の掃除機においては、使用中に一時掃除作業を停止して掃除機から手を離した際に、図6に示すように、吸塵ノズル32上に本体部30が自立した直立状態に維持できるように構成される。一体型の掃除機では、床面に接する吸塵ノズル32に対して本体部30が回動でき、前後方向に揺動できるように連結され、本体部30はモータや蓄電池を内蔵して、その重量が重くなっているので、掃除を一時中断するとき、家具や壁面に掃除機をもたせかけると、滑走用車輪を備えて滑りやすく形成されている吸塵ノズル32に自在連結された状態でその上方にある本体部30の重量が加わって掃除機が倒れてしまうことが多い。そのため、吸塵ノズル32上に本体部30を直立状態に配することによって自立状態で維持されるように構成すると、掃除を再開する動作が即時に開始できる。
【0004】この吸塵ノズル32上に本体部30を直立させた自立状態に維持するための従来構造は、図7に示すように構成されている。吸塵ノズル32に凹部33が形成され、これに対応して本体部30に固定された吸引パイプ34の前方位置に凸部35が形成されている。本体部30を前方方向に揺動させて、前記吸引パイプ34に形成された凸部35を前記凹部33に嵌め込んだとき、吸塵ノズル32と本体部30との位置関係が、図6に示すように吸塵ノズル32上に本体部30が自立する状態となるようにする。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来構成の場合、吸塵ノズル32に対して回転自在に本体部が連結されているので、本体部を自立させるために前方方向に揺動させても、小さな凹部33の位置に凸部35が一致することは少なく、凹部33に吸引パイプ34の凸部35を挿入させるために、目視で互いの位置を確認しながら自在連結されている本体部30を動かすことになるため、本体部30を自立させるための動作に手間がかかる問題点があった。
【0006】本発明が目的とするところは、本体部を吸引ノズル上に自立状態にする作業動作を簡易に行い得るようにすると共に、自立状態の維持を確実にした一体型の掃除機を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するための本発明は、集塵機能を備えた本体部の上部に把手を備え、本体部の下部に吸塵ノズルを備えて縦長形状の一体型に構成されてなり、前記本体部の下部に固定された吸引パイプに対し、前記吸塵ノズルが吸引パイプの中心軸回りに回転可能で且つ前後方向に揺動可能に連結されてなる掃除機において、前記吸塵ノズルに形成された前記吸引パイプとの連結口に、この連結口を挟んで一対の垂直平面を対面させた保持部を形成し、前記吸引パイプに前記保持部の垂直平面間に嵌まり込む幅の平行面を形成すると共に、その平行面の前方側をアール面に形成した嵌入部を設け、前記本体部を前方方向への所定位置に揺動移動させたとき、本体部及び把手の重心位置が吸塵ノズルの略中心位置上となり、吸引パイプの前記嵌入部が前記保持部の平面部間に嵌入して吸塵ノズル上に本体部を保持し、床面に配した吸塵ノズルに対して本体部が自立状態に維持されるようにしたことを特徴とする。
【0008】この構成によれば、床面に配された吸塵ノズルに対して本体部を前方方向への揺動の限度位置まで移動させると、吸引パイプに形成された嵌入部が吸塵ノズルに形成された保持部の一対の垂直平面間に嵌入して吸塵ノズル上に吸引パイプが保持される。本体部をその前方方向への揺動限度位置に移動させたとき、本体部及び把手の重心が吸塵ノズルの略中心位置上になるように設定しておくと、自立状態が得られると同時に、本体部はその下部に固定された吸引パイプが吸塵ノズルに保持されるので、自立状態は安定して維持される。また、嵌入部の平行面の前方側にアール面が形成されているので、吸塵ノズルに対して回転可能に連結されている吸引パイプの回転角度が前方への揺動方向からずれていても、アール面の誘導により回転角度のずれは修正されて保持部の一対の平面部間に嵌入部が案内される。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明の一実施形態について説明し、本発明の理解に供する。尚、以下に示す実施形態は本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0010】図1において、本実施形態に係る掃除機1は、蓄電池を内蔵して所謂コードレスの状態で使用することができる充電式掃除機として構成されている。この掃除機1は、蓄電池、モータ、集塵構造等を内蔵した本体部3と、その上部に折り畳み可能に取り付けられた把手4と、本体部3の下部に固定された吸引パイプ6に連結された吸塵ノズル5とを備え、縦型形状の一体型掃除機の形態に構成され、不使用時には、図示するように充電器2上に置くことによって本体部3が充電器2に接続され、内蔵する蓄電池が充電されるように構成されている。また、図1(c)に示すように、不使用時には把手4は本体部3の後方側に折り畳み、高さを略1/2にして高さのない収納スペースにも置くことができ、製品としての輸送や梱包の体積も小さくできるように構成されている。
【0011】前記吸塵ノズル5と本体部3との間は、本体部3の下部に固定された吸引パイプ6が吸塵ノズル5に対して所定角度範囲内で回動及び前後方向の揺動が自在に連結されているので、図2(b)に示すように、使用時には床面に配した吸塵ノズル5に対して本体部3は、把手4の操作によって自由な角度に傾けることができ、吸塵ノズル5の吸塵口が床面に対面する状態を維持して吸塵ノズル5を床面上に滑走させて掃除することができる。このように掃除機1は、一体型に構成され、電源コードも接続されていないので、使用時の取り扱いが簡便であり、充電器2から取り外して即座に掃除を始めることができる。
【0012】このような掃除機を用いて掃除するとき、掃除機から手を離さざるを得ない状況は常に発生する。床面の掃除は、床面に置かれた様々な物を持ち上げたり家具類を移動させたりする動作を伴いつつ進められる。このようなときに掃除機から手が離れることになる。この状態は、一般に多く使用されている吸塵ノズルに延長管を連結し、ホースで延長管と本体部とをつなぐ分離型の掃除機の場合でも同様である。このような分離型の掃除機の場合では、吸塵ノズルに連結された延長管は単なるパイプであるため軽く、連結は固定状態であり、また、ホースが接続されているので、手を離すときには家具や壁面等に立てかけることができる。しかし、本構成のような一体型の掃除機の場合では、吸塵ノズル5に重い本体部3が直結されているため、手から離すために家具や壁面にもたせ掛けると、本体部3の重量が滑走車輪が設けられて床面を滑りやすく形成されている吸塵ノズル5が滑る方向に加重をかける状態となり、掃除機1が倒れてしまうことになりがちである。そこで、吸塵ノズル5上に本体部3及び把手4が直立した状態に自立できるようにすると、掃除機1から手を離して掃除を中断することができ、掃除を再開するときも即座に把手4を手にすることができる。本構成になる掃除機1では、図2に示すように、把手4を前方方向にやや倒した自立位置にすることによって、本体部3及び把手4の重心は吸塵ノズル5の略中心位置に垂直方向から加わることになって、床面に置かれた吸塵ノズル5上に本体部3及び把手4が自立するようになる。この自立状態で確実に保持されれば、掃除機1から手を離しても掃除機1は床面に自立した状態に維持される。この本体部3及び把手4を吸塵ノズル5上に自立した状態に維持する構成について以下に説明する。
【0013】図3は、吸塵ノズル5と、これに連結される吸引パイプ6との連結構造を示す三面図である。吸引パイプ6は、本体部3の下部に着脱可能に固定され、本体部3が備えたモータの回転による空気吸引により吸塵ノズル5が塵埃と共に吸引した空気を本体部3が備えた集塵構造内に送り込む作用をなす。また、吸塵ノズル5は、底面に広い吸塵面を備えると共に、底面に滑走車輪9を備えて把手4から加えられる前後方向への進退力によって床面上を滑走して吸塵できるように構成されている。この吸塵ノズル5と吸引パイプ6との間は、吸引パイプ6が吸塵ノズル5に対して回転方向の回動角度及び前後方向の揺動角度が所定角度範囲内で自在変化できるように連結される。
【0014】図3に示すように、吸塵ノズル5の上面には、その中央後方側(図示上方側)に吸引パイプ6を揺動可能に連結する揺動連結部7の上部膨出部7aが前後方向に円面を形成して上方に膨出させて形成され、この上部膨出部7aの上面には、中央部分を後方側に切り欠いた開口部14が形成され、この開口部14に面する両側に、開口部14を挟んで対向し、その対向面が垂直方向の平面に形成された一対の保持部12、12が形成されている。一方、吸引パイプ6には、本体部3の下部に挿入される挿入管11に連結部10が取り付けられている。この連結部10は、その下方先端部が吸塵ノズル5に回転方向の回動角度及び前後方向への揺動角度が変化できるように連結されており、挿入管11を垂直方向に向けたとき、即ち、本体部3及び把手4を垂直方向に立ち上げたときに、前記保持部12、12間に嵌入する平行面が形成された嵌入部13、13が設けられている。この嵌入部13は、図5に拡大図示するように、保持部12の垂直平面に平面当接する平行面13aと、その前方側のアール面13bとを備えている。
【0015】図4は、図3(a)のA−A線矢視断面により吸塵ノズル5に対する吸引パイプ6の回動及び揺動の構造を示すもので、吸塵ノズル5内には前記上部膨出部7aを一部分とする円形断面の揺動連結部7が形成されており、この揺動連結部7内に連結部10の先端の揺動部16が前後方向への回動可能に嵌め込まれている。即ち、円形断面の揺動連結部7内に同じく円形断面の揺動部16が嵌め合わされているので、揺動部16は揺動連結部7内で前後方向に回動自在となり、揺動部16から挿入管11に接続する首部分が、揺動連結部7に形成された前記開口部14内を移動する角度範囲内を前後方向に回動し、この揺動連結部7と揺動部16とによる回動可能な連結構造により、床面に配した吸塵ノズル5に対して本体部3を前後方向に揺動させることができる。
【0016】本体部3を後方に揺動させたとき、図4(a)に示すように、連結部10の首部分に形成された鍔部17の後方側が前記揺動連結部7に形成された開口部14の後端に当たるので、これが本体部3の後方への揺動の限度位置となる。また、本体部3を前方に揺動させたとき、図4(b)に示すように、前記鍔部17の前方側が前記揺動連結部7に形成された開口部14の前端に当たるので、これが本体部3の前方への揺動の限度位置となる。
【0017】また、前記挿入管11の吸塵ノズル5側は、図4に示すように、回動連結部15により前記揺動部16の首部と左右方向に約180度の回動が可能となるように連結されているので、本体部3は吸塵ノズル5に対して回動自在となる。
【0018】図2(b)に示したように、把手4が垂直方向になるように立ち上げると、垂直方向からやや前傾した状態で前方方向への前記揺動限界位置となり、自立状態のバランスが保たれると同時に、図5(a)に示すように、前記連結部10に形成された嵌入部13、13の平行面13a、13aが吸塵ノズル5上の一対の保持部12、12間に嵌入され、保持部12の平面に嵌入部の平面が一致して嵌入状態が保持されるので自立状態が安定し、掃除機1に身体が触れた程度のことでは嵌入部13が保持部12から抜け出すことはなく、掃除機1が倒れたりすることがない。
【0019】また、嵌入部13、13それぞれの前方側は図示するようにアール面13b、13bが形成されているので、保持部12、12間への嵌入は、嵌入部13の位置が吸引パイプ6の回動により揺動方向からずれていても、図5(b)に示すように、アール面13bが保持部12の平面に案内されて回転角度の変化は前後方向の揺動方向に修正され、保持部12、12の垂直平面間に嵌入部13、13の平面が一致するように嵌入される。
【0020】尚、吸塵ノズルと吸引パイプとの間の回動可能な連結構造は、上記構成によらずボールジョイント状の自在連結構造によっても、吸塵ノズルが吸引パイプの中心軸回りに回転可能で且つ前後方向に揺動可能に連結することができ、本体部を吸塵ノズル上に安定して自立させる実施形態の構成を適用することができる。
【0021】
【発明の効果】以上の説明の通り本発明によれば、縦型形状の一体型掃除機を床面に吸塵ノズルを配して、この吸塵ノズル上に本体部を自立させる動作が本体部の回転角度の状態にかかわらず簡単にでき、その自立状態が安定して維持されるので、掃除中に掃除機から手を離して他の作業動作を行うことができ、次に掃除を再開するときにも容易に把手を手にして掃除を始めることができる。
【出願人】 【識別番号】000005821
【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
【出願日】 平成10年(1998)3月31日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】石原 勝
【公開番号】 特開平11−276389
【公開日】 平成11年(1999)10月12日
【出願番号】 特願平10−85482