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【発明の名称】 食器洗浄機
【発明者】 【氏名】由良 政樹

【氏名】乾 浩章

【氏名】稲田 剛士

【要約】 【課題】洗浄工程における加熱能力を高めて、短時間で所定の洗浄性能が得られる食器洗浄機を提供することを目的としているものである。

【解決手段】被洗浄物を収納する食器かご2と、これらを内装する洗浄槽1と、洗浄水を噴射する噴射口を有する洗浄ノズル7と、電動機5により駆動された遠心羽根車4にて洗浄水を加圧する洗浄ポンプ3と、洗浄水を加熱するヒータ6と、洗浄ポンプ3とヒータ6の運転を制御する制御装置10を備えて、前記制御装置10は洗浄ポンプ3の加圧能力とヒータ6の加熱能力を連動させて、機器全体の負荷を一定値以下に制御することを特徴とした構成でもって、洗浄工程にて、洗浄ポンプ3への通電量を削減して、ヒータ6への通電量を増大することで、洗浄水および食器を短時間で加熱できて、所定の洗浄性能が得られる食器洗浄機を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 被洗浄物を収納する食器かごと、これらを内装する洗浄槽と、洗浄水を噴射する噴射口を有する洗浄ノズルと、電動機により駆動され洗浄水を加圧する洗浄ポンプと、洗浄水を加熱するヒータと、前記洗浄ポンプとヒータへの通電を制御する制御装置を備えて、前記制御装置は洗浄ポンプの加圧能力とヒータの加熱能力を連動させて、機器全体の負荷を一定値以下に制御することを特徴とする食器洗浄機。
【請求項2】 洗浄ポンプの遠心羽根車の回転数切換手段を設けて、制御装置は前記回転数切換手段により洗浄ポンプの加圧能力を減少させて、ヒータの加熱能力を増大させることを特徴とする請求項1記載の食器洗浄機。
【請求項3】 制御装置は洗浄工程で洗浄ポンプの通電を間欠的に停止して、ヒータの加熱能力を増大させたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の食器洗浄機。
【請求項4】 洗浄ポンプまたは洗浄ポンプの電動機にはずみ車を設けたことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の食器洗浄機。
【請求項5】 遠心羽根車の外周部に錘を配設したことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の食器洗浄機。
【請求項6】 はずみ車は電動機に送風して電動機を冷却する羽根を設けたことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の食器洗浄機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、洗浄水や空気を加熱するヒータを備えた食器洗浄機に係わり、特に洗浄ポンプとヒータの構成および制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の食器洗浄機について、図7および図8に基づいて説明する。
【0003】食器の洗浄を行う場合には、被洗浄物である食器を洗浄槽31の食器かご32に収納し、洗剤を投入して運転を開始する。運転が開始されると、まず洗浄ポンプ33による洗浄水を加圧する動作が安定するように、所定量の洗浄水を洗浄槽31に供給する給水工程が実行される。洗浄ポンプ33は遠心羽根車34と、これを駆動する電動機35を有している。続いて、洗浄ポンプ33によって加圧され且つヒータ36によって加熱された洗浄水が洗剤と共に洗浄ノズル37の噴射口から噴射される本洗工程が行われる。洗浄水は洗浄ノズル37の噴射口から鉛直方向または斜め上方向に噴射される。また洗浄ノズル37はこの噴射反力によって略水平に回転する。このように回転する洗浄ノズル37から噴射された洗浄水の衝突力・洗剤・熱等の作用によって、食器は洗浄されるものである。
【0004】洗浄ノズル37は略管状の入口部を有していて、これを内装してその回転を支持する略管状のノズル軸受38が設けられている。洗浄工程で洗浄ポンプ33が運転されると、洗浄ノズル37は洗浄水圧と重量のバラスンがとれて、入口部の端面はノズル軸受38の内部で回転するとともに、洗浄水の水漏れを抑制した摺動部を形成する。そこで、摺動部には、摩擦抵抗の小さい素材のスペーサが装着されていて、洗浄ノズル37の回転を滑らかなものとしている。
【0005】洗浄水が所定の温度に高まるとともに、所定時間の本洗工程を経過すると、次に食器等から洗い落とされた汚れを含む洗浄水を排水ポンプ(図示せず)によって機外に排出する排水工程に入る。引き続いて、新たに洗浄水を供給する給水工程と、洗浄や残菜(食器に付着した汚れを残菜ともいう)で汚れた食器をすすぐために洗浄水を洗浄ノズル37から噴射するすすぎ工程と、前記排水工程とが連続して4回繰り返されて、洗浄工程を終了する。特に、次工程の乾燥工程を短時間で行うために、最終のすすぎ工程は、ヒータ36によって洗浄水を加熱しながら行う加熱すすぎ工程となっている。
【0006】図8に、以上の洗浄工程における機器全体の負荷状態を電流値で示す。横軸tは運転時間を、縦軸Aは機器の電流値であり、単位はそれぞれ分(min)とアンペア(A)である。なお、これらの単位は以下ではほとんど省略する。洗浄ポンプ33の電流値はA(P0)、ヒータ36の電流値はA(H0)であり、その合計は機器の設置される電源コンセントの容量A(max)以下である。
【0007】続いて、送風機(図示せず)により機外から空気を送り込み、同時にヒータ36を断続的に運転して温風とし、この温風で食器に付着した水滴を蒸発させる乾燥工程が行われる。この乾燥工程で洗浄槽31内の多湿な空気は排気口39より機外に排出される。なお40は、洗浄ポンプ33・ヒータ36等の運転を制御する制御装置である。また、制御装置40の負荷は従来から一般に数ワット以下でわずかなものであるから、省略して説明する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述の従来構成の食器洗浄機は、洗浄ポンプとヒータの構成に関して、次記する課題を有している。
【0009】洗浄工程において、本洗工程や加熱すすぎ工程で洗浄ポンプ33とヒータ36を同時に運転する時に、機器が設置された電源コンセントの電流容量以下となるように、それぞれの負荷を合計して、通常食器洗浄機は15A以下となるように製造されている。また、洗浄ポンプ33を駆動する電動機35は起動時に大電流が流れることを考慮して、ヒータ36の電流値A(H0)は10〜11A以下のことが多い。すなわち、100V電源でヒータ36の加熱能力は1000W〜1100Wとなる。したがって、洗浄工程で所定量の洗浄水および食器を所定の温度まで加熱するために、長時間が必要であった。これを短縮するためには、少ない電流でも大容量のヒータで運転できる機器として、200Vに対応した機器および電源に変更する必要があった。
【0010】なお、発明者はすでに運転時間の短縮や省エネを実現する手段として、特願平4−271269号にて洗浄水量を少なくして洗浄ポンプの吐出能力を低減した運転方法の食器洗浄機を提案している。しかしながら、この場合、給水量を少なくするための調整手段を有する給水装置が必要であった。
【0011】本発明は、以上のような従来の食器洗浄機が有している課題を解決するものである。特に、短時間で所定の洗浄性能が得られる食器洗浄機を提供することを目的としているものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の食器洗浄機は、被洗浄物を収納する食器かごと、これらを内装する洗浄槽と、洗浄水を噴射する噴射口を有する洗浄ノズルと、電動機により駆動され洗浄水を加圧する洗浄ポンプと、洗浄水を加熱するヒータと、前記洗浄ポンプとヒータの運転を制御する制御装置を備えて、前記制御装置は洗浄ポンプの加圧能力とヒータの加熱能力を連動させて、機器全体の負荷を一定値以下に制御することとしたものである。
【0013】この発明によれば、制御装置は洗浄工程にて、特に加熱すすぎ工程で、洗浄ポンプの加圧能力を減少することで、その通電量を削減する。これに連動してヒータへの通電量を増大することで、ヒータの加熱能力を高めて、洗浄水および食器を短時間で所定の温度に加熱できて、所定の洗浄性能および乾燥性能が得られる食器洗浄機を提供できる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態は、各請求項に記載した構成と、その構成の機能を理解することにより容易に実現することができる。すなわち請求項1記載の発明のように被洗浄物を収納する食器かごと、これらを内装する洗浄槽と、洗浄水を噴射する噴射口を有する洗浄ノズルと、電動機により駆動され洗浄水を加圧する洗浄ポンプと、洗浄水を加熱するヒータと、前記洗浄ポンプとヒータへの通電を制御する制御装置を備えて、前記制御装置は洗浄ポンプの加圧能力とヒータの加熱能力を連動させて、機器全体の負荷を一定値以下に制御するようにすることにより、制御装置は洗浄工程にて、特に加熱すすぎ工程で、洗浄ポンプへの通電量を削減して、ヒータへの通電量を増大することで、洗浄水および食器を短時間で所定の温度まで加熱できて、所定の洗浄性能および乾燥性能が得られる。
【0015】また、請求項2記載の発明のように、請求項1記載の発明において、洗浄ポンプの遠心羽根車の回転数切換手段を設け、制御装置は前記回転数切換手段を制御して、洗浄ポンプの加圧能力を減少させて、ヒータの加熱能力を増大させるようにすることにより、請求項1記載の発明と同様に、洗浄ポンプの加圧能力を変化させることができる。そしてこのとき遠心羽根車の回転数を低速にすることで、その負荷トルクを低減して、洗浄ポンプへの通電量を削減できる。これに連動してヒータの通電量を増大することで、ヒータによる加熱能力を高めて、短時間で洗浄水を所定の温度に上昇させる。しかも、洗浄ポンプの加圧能力の減少に連動して、循環水量が減少するので、洗浄槽に給水する洗浄水量をも各工程で削減することが可能であり、この場合にはより短時間で所定の温度まで加熱できるので、より短い運転時間と消費電力量で所定の洗浄性能を得ることができる。
【0016】また、請求項3記載の発明のように、請求項1または請求項2記載の発明において、制御装置は洗浄ポンプの通電を間欠的に停止するようにすることにより、特に、制御装置が所定の時間だけ洗浄ポンプへの通電を停止することで、遠心羽根車は回転数が低下して、洗浄ポンプの加圧能力を減少することができる。そこで、この所定の時間だけ、よりヒータへの通電量を増大できるものである。ヒータの加熱能力を電源コンセントの容量まで拡大することが可能であり、さらに短時間で洗浄水を加熱して所定の洗浄性能を得ることができる。
【0017】また、請求項4記載の発明のように、請求項1または請求項2または請求項3の発明において、洗浄ポンプまたは洗浄ポンプの電動機にはずみ車を設ける構成とすることにより、特に、所定の時間だけ洗浄ポンプの通電を停止したときに、遠心羽根車の回転数は、はずみ車の慣性で維持されるかあるいは若干低下して、洗浄ポンプの加圧能力を減少することができる。なお、はずみ車は大きい慣性モーメントを持つように外周部分を重くした車であって、フライホイールとも呼ばれる。したがって、この通電を停止した所定の時間だけ、よりヒータへの通電量を増大できるものであり、さらに短時間で洗浄水を加熱して所定の洗浄性能を得ることができる。しかも洗浄ポンプの加圧能力および洗浄ノズルの噴射はほぼ維持されるので、高い洗浄力が得られる。
【0018】また、請求項5記載の発明のように、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載した発明において、洗浄ポンプの遠心羽根車の外周部分に錘を設けて、重くする構成とすることにより、遠心羽根車自体に、はずみ車の効果を設けたこととなり、短時間で高い洗浄力を得ることに加えて、新たな部品を必要とせずに洗浄ポンプを小型で、簡単な構成とすることができる。
【0019】また、請求項6記載の発明のように、請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載した発明において、はずみ車は電動機に送風して電動機を冷却する羽根を設けた構成とすることにより、短時間で高い洗浄力を得ることに加えて、新たな冷却ファンを必要とせずに、洗浄ポンプの大きさを小型にして、簡単な構成とすることができる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の具体的な構成についての実施例について、図面を参照しつつ説明する。
【0021】(実施例1)図1において、1は洗浄槽、2は食器、調理道具等の被洗浄物を収納する食器かご、3は洗浄水を加圧する洗浄ポンプ、4は洗浄ポンプ3の遠心羽根車、5はこの洗浄ポンプ3の遠心羽根車4を駆動して洗浄ポンプの一部を構成している電動機である。6は洗浄水を加熱するヒータ、7は洗浄水を噴射する噴射口を有する洗浄ノズルであり、8は洗浄ノズル7に洗浄水を取入れるための略管状の入口部を内装して、その回転を支持するノズル軸受である。9は洗浄槽1の空気を排出するための排気口、10は洗浄ポンプ3やヒータ6等への通電を制御する制御装置である。
【0022】次に本実施例の食器洗浄機としての動作を説明する。洗浄工程における運転は、基本的に従来のものと同様であるので説明を省略する。本実施例における特徴的な動作は、洗浄工程の各工程、本洗工程やすすぎ工程において行われる制御装置10による洗浄ポンプ3とヒータ6の通電の制御にある。
【0023】図2に示すように、加熱すすぎ工程では、本洗工程に比べて洗浄ポンプ3への通電を電流値でA(P1)まで小さくして、ヒータ6への通電をA(H1)まで増大するものである。ただし、合計の電流値は本洗工程とほぼ同一であり、機器の接続可能な電源容量であるA(max)以下には制御される。また、A(P1)での加圧能力は、本洗工程やその後のすすぎ工程よりは低い。しかしながら、本洗工程を経過した被洗浄物に対しては、充分にすすぎ効果を発揮する。
【0024】このようにヒータ6の加熱能力を増大することで、給水流を一定のままとして、加熱すすぎ工程において洗浄水を所定の温度まで上昇させるための加熱時間を短縮することができる。したがって、所定のすすぎ性能を得るための運転時間t(R1)は、従来に比べて短時間になっている。すなわち、洗浄工程の運転時間を短縮するとともに、所定の洗浄性能や乾燥性能が得られるものである。
【0025】なお、汚れの種類や量によっては、洗浄水を入れ換えて行うすすぎ工程の各工程においても、洗浄ポンプ3の通電を削減して加圧能力を低減しても、必要なすすぎ効果が得られるものである。この時に、ヒータ6の通電をA(H1)に増大して行うことで、すすぎ工程において、入れ換えた常温の洗浄水で食器の温度が本洗工程の時点から徐々に低下することを抑制できる。加熱すすぎの開始時点での食器の温度を通常より高めることができるものである。このように制御装置10がすすぎ工程で洗浄ポンプ3とヒータ6を制御すれば、上述の加熱すすぎの運転時間t(R1)をさらに短縮できるものである。
【0026】なお、乾燥工程は送風機(図示せず)により、洗浄槽1内に機外より空気を送り込み、ヒータ6を断続的に運転して温風とし、この温風で食器に付着した水滴を蒸発させるものであって、洗浄槽1内の多湿な空気は排気口9より機外に排出される。そこで、制御装置10が、図2の運転方法とは異なるが、従来と同じ図8に示す運転時間t(R0)の加熱すすぎを行うものとすると、食器および付着した水滴の温度が、従来の構成の食器洗浄機より高くできる。そのために乾燥速度が向上して、乾燥性能の向上や乾燥時間の短縮が図れるものである。このようにして、乾燥までを含めて全体の運転時間を短縮できるものである。
【0027】(実施例2)本実施例は、基本構成が実施例1と同様であり、洗浄工程での運転が異なるものであるから、この点について説明する。
【0028】洗浄工程のうち、図3に示すように本洗工程と加熱すすぎ工程では洗浄水や食器の温度を高めるために、洗浄ポンプ3とヒータ6を同時に通電して、本洗工程はt(W2)にて、加熱すすぎ工程はt(R2)にて、行われるものである。このとき制御装置10が、洗浄ポンプ3の遠心羽根車4の回転数を間欠的に低下させて、洗浄ポンプ3の加圧能力を減少させる。すなわち通電を間欠的にA(P0)からA(P2)に変化させて、この削減した電流値だけ、ヒータ6への通電を拡大する運転を行うものである。
【0029】このようにして、洗浄ポンプ3への通電をA(P2)まで小さくして、ヒータ6への通電をA(H2)まで増大するものであるが、機器全体の通電量がA(max)以下であることは、実施例1と同様である。すなわち、請求項1記載の発明に加えて、このような制御手段を実施することで、ヒータ3の通電を増大する時間が増加して、さらに洗浄水の加熱が短時間で行えるものである。
【0030】また、本実施例のような一般的な遠心ポンプである洗浄ポンプ3において、遠心羽根車4の回転数を低下させると、洗浄ポンプ3の加圧能力が減少して、洗浄ノズル7の噴射圧と流量が低下する。しかしながら、本実施例のように、間欠的に通常の回転数を与えて、洗浄ポンプ3の加圧能力を与えることで、すなわち洗浄ノズル7の噴射と温度と洗剤による洗浄力を間欠的に増大して、本洗工程で必要な洗浄性能を得ることができるものである。
【0031】なお、洗浄ポンプ3の一部を構成している電動機5の回転数を切換える手段としては、本実施例のような2極の誘導電動機の場合でも、数々の手段が存在する。すなわち、本実施例で電動機5の通電を低減する手段としては、電動機5のコイルの中間タップを設けて(一般的な技術のため、図示せず)、電動機5の出力すなわち回転トルクを低減した状態で運転することで、電動機5の負荷である遠心羽根車4の回転数が低速に切換わるものである。
【0032】また、電動機5の回転制御手段としては、位相制御やインバータ制御もよく行われる。
【0033】なお、電動機5がDCブラシレスモータであれば、さらに広範囲に回転数を制御できる。
【0034】なお、電動機5すなわち遠心羽根車4の回転方向を逆転することで、洗浄ポンプ3の加圧能力を変化させることも可能な手段である。一般的な洗浄ポンプ3は遠心ポンプの形式であり、遠心羽根車4の回転方向に関わらず洗浄水を加圧して吐出するものである。ただし、回転方向によって、洗浄水の加圧能力が変わる。遠心羽根車4を逆転して、渦巻き室に整合していないと低下するものである。そして、遠心羽根車4の加圧能力が高いと、電動機5の入力および電流値は高くて、加圧能力が低いと、電動機5の入力および電流値は低くなる。そこで、ヒータ6の通電量を高めることができて、本洗工程や加熱すすぎ工程で、洗浄水を短時間で所定の温度まで加熱できて、運転時間が短縮されることも、実施例1と同様である。
【0035】なお、このように洗浄ポンプ3の加圧能力の変化は、一般に電動機の回転数や通電量とほぼ比例関係にあって、この加圧能力を低減して、ヒータ6への通電を増大する構成であればよい。
【0036】(実施例3)本実施例は、基本構成が実施例1と同様であり、構成要素は図1とほぼ同じであるから、共用するとともに、説明を省略する。洗浄工程での運転が異なるものであるから、この点について説明する。
【0037】図4に示すように、制御装置10は洗浄ポンプ3すなわち電動機5の通電を間欠的に停止する。また、これに連動してヒータ6の通電量を拡大するものである。これによって、洗浄ポンプ3の加圧能力を間欠的に減少させるとともに、ヒータ6の加熱能力を通電量でA(H0)からA(H3)に高めるものである。
【0038】すなわち、この洗浄ポンプ3に通電を停止した時間は、機器が設置される場所の電源容量のほとんど全てを、ヒータ6への通電量としてA(H3)に使用できるものであり、所定の給水量の洗浄水を短時間で加熱して、必要な洗浄性能を得ることができる。
【0039】なお、洗浄ポンプ3の運転が間欠的であることから、連続運転に比べて洗浄水の循環流量は平均値として小さい。そこで間欠の周期の設定によって、少ない給水量の洗浄水でも、洗浄ポンプ3に空気を巻き込まずに安定して洗浄水を吐出できる。したがって、各工程の給水量を少なくして、さらに短時間で洗浄水を所定の温度に高めて、洗浄できるものである。すなわち、給水量の削減とヒータ6の通電時間の短縮に基づいて、節水と節電が図れるものである。
【0040】(実施例4)本実施例は、基本構成は実施例1と同様であるが、構成要素の一部および運転が異なるものであるから、この点について説明する。
【0041】図5において、11は電動機5の一端に設けたはずみ車である。ここで、はずみ車11は大きい慣性モーメントを持つように外周を重くした円盤状のものであって、フライホイールとも呼ばれるものである。はずみ車11は外周部に金属材料や比重の大きい材料による略環状の錘11aを設けて、空気を加圧する遠心羽根11bを有している。
【0042】洗浄工程で電動機5の通電を間欠的に停止したときに、電動機5はその直後に停止せずに、図6に示すように遠心羽根車4の回転数Nは、はずみ車11の慣性で徐々に低下する。そして、洗浄ポンプ3の加圧能力を減少するものである。
【0043】したがって、このようにして電動機5への通電を停止した時間だけ、よりヒータ6への通電量を増大できるものであると同時に、洗浄ポンプ3の加圧能力が徐々に低下するので、洗浄ノズル7の噴射による洗浄力が急激には低下しない。すなわち、短時間で洗浄水を加熱することができることに加えて、洗浄ポンプ3の加圧能力を持続するので、高い洗浄力が維持できるものである。
【0044】また特に、従来の洗浄ポンプでは一般に回転軸のシール手段として、低摩擦で耐久性あるメカニカルシールやオイルシールが使用されているが、シール性能を確実にするために所定の押付け力が作用して軸動力の損失を生じている。すなわち、電動機5自体が小形でローター(回転子)の慣性の小さいものであるほど、通電を停止した直後に回転が止まるものであった。
【0045】また、はずみ車11の慣性が大きいと、電動機5の通電を停止しても、遠心羽根車4が次に通電するまで回転を維持されて、洗浄ノズル7の噴射洗浄力が持続する。しかも、ヒータ6の加熱能力が拡大するので、洗浄水の温度上昇が短時間で行われるために、噴射・熱・洗剤による洗浄力の更なる向上が可能なものである。
【0046】なお、洗浄ポンプ3の遠心羽根車4の外周部に略環状の錘4aを配設して、上記と同様の効果を得ることができる。このようにして遠心羽根車4自体に、はずみ車の効果を設けることで、洗浄ポンプ3をより小型で、簡単な構成とすることができる。たとえば、遠心羽根車4を樹脂材料で構成して、金属材料の錘4aをインサートした一体成形品としたり、全体を金属材料で形成して、外周部を厚肉に構成することが可能である。なお、本実施例では、はずみ車11の略環状の錘11aと遠心羽根車4の略環状の錘4aが、両者共に設けてあるので、遠心羽根車4の回転の維持に優れているものである。また、錘の形状は1個の略環状のものに限らず、外周部近傍に複数個の形態で配置されていてもよいものである。
【0047】なお、はずみ車11は電動機5に送風して冷却する遠心羽根11bを設けて、はずみ車11自体に電動機5を冷却する送風効果を設けたので、電動機5を冷却するための専用のファンが不要であり、洗浄ポンプ3を小型で、簡単な構成とすることができる。
【0048】
【発明の効果】本発明は、以上のように構成されているので、以下に記載されるような効果を有する。請求項1記載の発明によれば、被洗浄物を収納する食器かごと、これらを内装する洗浄槽と、洗浄水を噴射する噴射口を有する洗浄ノズルと、電動機により駆動され洗浄水を加圧する洗浄ポンプと、洗浄水を加熱するヒータと、前記洗浄ポンプとヒータへの通電を制御する制御装置を備えて、前記制御装置は洗浄ポンプの加圧能力とヒータの加熱能力を互いに連動して制御して、機器全体の負荷である電流値を一定値以下に保持することで、洗浄工程にて、洗浄ポンプへの通電量を削減して、ヒータへの通電量を増大し、洗浄工程にて、特に加熱すすぎ工程で、洗浄ポンプへの通電量を削減して、ヒータへの通電量を増大し、短時間で洗浄水および食器を加熱できて、所定の洗浄性能が得られる食器洗浄機を提供する。
【0049】請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明において、制御装置は遠心羽根車の回転数切換手段を制御して、洗浄ポンプの加圧能力を減少させて、ヒータの出力を増大させる食器洗浄機とすることで、遠心羽根車の回転数切換手段を制御して、洗浄ポンプの加圧能力を変化させる。このとき洗浄ポンプの電動機への通電量が削減できるので、これに連動してヒータの通電量を増大することで、短時間で洗浄水を加熱できる。しかも、洗浄ポンプの加圧能力の減少に連動して、洗浄水量をも削減可能であり、より短時間で所定の温度まで加熱できるので、より少ない時間と消費電力量で所定の洗浄性能が得られる食器洗浄機とすることができる。
【0050】請求項3記載の発明によれば、請求項1または請求項2記載の発明において、制御装置は洗浄ポンプの通電を間欠的に停止して、洗浄ポンプの加圧能力を減少させることで、所定の時間だけ洗浄ポンプの通電を停止することで、遠心羽根車は回転数が低下して、洗浄ポンプの加圧能力を減少するものである。そこで、この所定の時間だけ、よりヒータへの通電量を増大できるものであり、さらに短時間で洗浄水を加熱して所定の洗浄性能が得られる食器洗浄機とすることができる。
【0051】請求項4記載の発明によれば、請求項1または請求項2または請求項3のいずれかの発明において、洗浄ポンプまたは電動機にはずみ車を設けたことで、所定の時間だけ洗浄ポンプの通電を停止したときに、遠心羽根車の回転数は、はずみ車の慣性で維持されるかあるいは若干低下して、洗浄ポンプの加圧能力を減少するものである。なお、はずみ車は大きい慣性モーメントを持つように外周を重くした車であって、フライホイールとも呼ばれる。したがって、この所定時間だけ、よりヒータへの通電量を増大できるものであり、さらに短時間で洗浄水を加熱して所定の洗浄性能を得ることができることに加えて、高い洗浄力が得られる食器洗浄機とすることができる。
【0052】請求項5記載の発明によれば、請求項1ないし請求項4に記載のいずれかの発明において、洗浄ポンプの遠心羽根車の外周部分を重くしたことで、遠心羽根車自体に、はずみ車の効果を設けることにより、洗浄ポンプが小型で、簡単な構成とした食器洗浄機とすることができる。
【0053】請求項6記載の発明によれば、請求項1ないし請求項5に記載のいずれかの発明において、はずみ車に電動機を冷却する効果を設けたので、電動機を冷却するためのファンが不要であり、洗浄ポンプを小型で、簡単な構成とすることができるものである。
【出願人】 【識別番号】000005821
【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
【出願日】 平成10年(1998)3月5日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】滝本 智之 (外1名)
【公開番号】 特開平11−244215
【公開日】 平成11年(1999)9月14日
【出願番号】 特願平10−53208