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【発明の名称】 掃除具
【発明者】 【氏名】辻井 宣博

【氏名】坂本 敬之

【氏名】加藤 啓育

【要約】 【課題】起毛布も容易かつ確実に清掃できる安価な掃除具を提供する。

【解決手段】底面部21に開口部21aを形成してなる塵埃収納室20と、底面部21の開口部21aに遊挿されて塵埃収納室20の内外に突出する固定ブラシ30と、固定ブラシ30の下部に設けられ被清掃面に滑動可能に接触するガイド片33と、底面部21に設けた揺動ブラシ41,52とを備え、固定ブラシ30は、塵埃収納室20に保持された固定ベース体31とその外面に毛先が斜め上方へと向かうよう傾倒させて植設した多数の毛材32とからなり、揺動ブラシ41,51は、底面部21の下方に所定の回転角度範囲内で揺動可能に軸着されると共にその軸着位置を中心とする円弧状の周面を有する揺動ベース体42,52と、その周面に植設された毛材32とを備えると共に、揺動ベース体42,52の下端部に位置する毛材32が固定ブラシ30へ向って傾倒するよう植設する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 塵埃を収納し得る中空構造をなし底面部に開口部を形成してなる塵埃収納室と、前記塵埃収納室に保持され、底面部に形成された開口部に遊挿されて塵埃収納室の内方から外方へと突出する固定ブラシと、前記固定ブラシの下部に設けられ、被清掃面に滑動可能に接触するガイド片と、前記固定ブラシの近傍に位置するよう前記塵埃収納室の底面部に設けた少なくとも一個の揺動ブラシと、を備え、前記固定ブラシは、前記塵埃収納室に保持された固定ベース体と、この固定ベース体の外面に毛先が斜め上方へと向かうよう傾倒させて植設された多数の毛材とからなり、前記揺動ブラシは、前記塵埃収納室の底面部下方に所定の回動範囲内で揺動可能に軸着されると共にその軸着位置を中心とする円弧状の周面を有する揺動ベース体と、この揺動ベース体の周面に所定の傾倒方向に向けて植設された多数の毛材とを備えると共に、前記揺動ベース体の下端部に位置する毛材が前記固定ブラシへ向けて傾倒するよう植設してなり、被清掃面上で塵埃収納室を移動させることにより、被清掃面との接触によって揺動ブラシが揺動し、固定ブラシより移動方向後方に位置する揺動ブラシがその毛材によって被清掃面上の塵埃を捕捉し、固定ブラシより移動方向前方に位置する揺動ブラシが捕捉した塵埃を固定ブラシの毛材に受け渡すことを特徴とする掃除具。
【請求項2】 揺動ブラシは、固定ブラシを挟んで相対向する2箇所に設けられた第1の揺動ブラシと第2の揺動ブラシとからなり、前記両揺動ブラシは、被清掃面に対しガイド片を接触させたときに、各揺動ブラシの周面が被清掃面から浮上しているように配置し、かつ前記植毛面に植毛された毛材のみが接触するよう構成され、被清掃面上で塵埃収納室を往復動させることにより、被清掃面と毛材との接触によって両揺動ブラシが揺動し、往動時には固定ブラシより往動方向後方に位置する第2の揺動ブラシがその毛材によって被清掃面上の塵埃を捕捉すると共に、固定ブラシより往動方向前方に位置する第1の揺動ブラシが捕捉した塵埃を固定ブラシの毛材に受け渡す一方、復動時には第2の揺動ブラシがその毛材にて捕捉した塵埃を固定ブラシの毛材へと受け渡すと共に、第1の揺動ブラシが被清掃面上の塵埃をその毛材にて捕捉することを特徴とする請求項1記載の掃除具。
【請求項3】 塵埃収納室は、揺動ブラシを揺動可能に支持すると共に固定ブラシを遊挿させる開口部を形成してなる底面部と、この底面部に対して着脱可能に保持されると共に、前記底面部との組み合わせによって中空体構造をなす蓋体とにより構成されることを特徴とする請求項1または2記載の掃除具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、絨毯、またはカーペットなどの起毛布の清掃に好適な掃除具に関する。
【0002】
【従来の技術】清掃作業の中でも、絨毯やカーペットの敷かれた床面の清掃は困難な作業の一つとされている。これは、カーペットの起毛には糸屑や毛髪などの様々な塵埃が付着し易く、また、一旦付着したこれら塵埃は、起毛に絡み付くなどして容易に分離し得ないことによる。このため、長尺な毛材を束ねた通常の箒などでカーペット等を清掃した場合には、その起毛表面に浮上している塵埃をすくいとる程度のことしかできず、起毛内部に侵入している塵埃を除去することは困難であり、十分な清掃効果を期待することはできない。従って、起毛内部の塵埃は掃除機によって吸引して除去するのが最も一般的で有効な手段とされているが、これにあっても、起毛の長さが長い場合などには、吸引力だけでは不十分となるため、カーペットを振動させたり、ブラシを回転させるといった電動機構を付加し、これによって内部の塵埃を掻き出すようにしたものも提案、実施されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、現在の掃除機は単なる塵埃の吸引だけでなく、種々の電動機構によって清掃能力の向上を図るものとなっているが、家庭などにおいて室内を清潔に保つための基本は、頻繁に清掃作業を行うことであり、そのため作業に使用する道具としては手軽さが使用者に求められる重要な要素となる。つまり、老人や子供などの比較的非力なものでも容易に扱い得ることが、家庭内で使用する清掃用具としては特に重要である。しかしながら、電源を要し、重量も大きい掃除機にあっては、吸塵能力などには優れるものの手軽さに欠け、狭小な部分などを頻繁に清掃するには不向きであり、価格的にも高価なものとなっている。
【0004】また、現在では、簡便性を考慮した掃除具として、交換可能なシート材を用いたいわゆるペーパーモップや、筒状に捲回した粘着シートを柄の下端部に回動可能に支持させたものなどが提案、実施されている。しかしながら、上記ペーパーモップは、主としてフローリングなどの拭取り作業を対象としており、これを絨毯やカーペットなどに適用しても起毛内部の塵埃を除去することができないという問題がある。また、前記の粘着シートを用いたものにあっても、被清掃面が絨毯やカーペットなどであった場合に、塵埃以外に被清掃面の起毛までもが引き抜かれると言う問題があると共に、起毛内部の塵埃に関してはやはり十分な清掃効果が得られないという問題がある。
【0005】この発明は、前記問題点に着目してなされたものであり、何人も容易に取り扱うことができ、カーペットなどの起毛布の敷設された箇所にも容易かつ適正に適用することができると共に、電動機構などを用いない安価な構成の掃除具を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解決するため次の構成を有する。すなわち、本願発明は、塵埃を収納し得る中空構造をなし底面部に開口部を形成してなる塵埃収納室と、前記塵埃収納室に保持され底面部に形成された開口部に遊挿されて塵埃収納室の内方から外方へと突出する固定ブラシと、前記固定ブラシの下部に設けられた被清掃面に滑動可能に接触するガイド片と、前記固定ブラシの近傍に位置するよう前記塵埃収納室の底面部に設けた少なくとも一個の揺動ブラシと、を備え、前記固定ブラシは、前記塵埃収納室に保持された固定ベース体と、この固定ベース体の外面に毛先が斜め上方へと向かうよう傾倒させて植設された多数の毛材とからなり、前記揺動ブラシは、前記塵埃収納室の底面部下方に所定の回動範囲内で揺動可能に軸着されると共にその軸着位置を中心とする円弧面を有する揺動ベース体と、この揺動ベース体の周面に所定の傾倒方向に向けて植設された多数の毛材とを備えると共に、前記揺動ベース体の下端部に位置する毛材が前記固定ブラシへ向けて傾倒するよう植設したものである。
【0007】上記構成を有する本願発明によれば、例えば、被清掃箇所がカーペットなどのような起毛布の敷設されている箇所であった場合にも、起毛の内部に侵入した塵埃などを掻き出し、捕捉して良好な清掃状態を得ることができる。すなわち、カーペットなどの被清掃面に前記ガイド片及び揺動ブラシの毛材を接触させて塵埃収納室を移動させると、被清掃面との接触によって揺動ブラシは所定の回動範囲内で揺動する。そして、往動開始時には、揺動ブラシは被清掃面との接触によって一方の揺動規制位置へと揺動してそれ以上の揺動を阻止され、さらに往動方向へと塵埃収納室を移動させると、固定ブラシより往動方向後方に位置する揺動ブラシの毛材には起立方向への力が加わるため、その毛材は被清掃面の起毛内部にまで侵入しながら移動する。その結果、被清掃箇所の起毛内方に侵入している塵埃は、揺動ブラシの毛材によって掻き出されて捕捉され、揺動ブラシ内部に蓄積する。
【0008】この後、塵埃収納室を復動方向へと移動させると、固定ブラシより復動方向前方(往動方向後方)に位置する揺動ブラシは被清掃面との接触によって一方の揺動規制位置から他方の揺動規制位置へと揺動し、それ以上の揺動を阻止される。この他方の規制位置への揺動に際し、固定ブラシより復動方向前方に位置する揺動ブラシは毛材に既に捕捉蓄積していた塵埃を固定ブラシの毛材に受け渡す。このようにして揺動ブラシによる塵埃の捕捉と、捕捉した塵埃の固定ブラシへの受け渡しを繰り返すことにより、被清掃面上の塵埃は、固定ブラシに沿って徐々に塵埃収納室内へと送り込まれ、塵埃収納室内に蓄積される。
【0009】また、固定ブラシを挟んで、第1の揺動ブラシと第2の揺動ブラシを設ければ、往動時及び復動時のいずれにおいても塵埃を除去することができ、より効率的に清掃作業を行うことができる。すなわち、塵埃収納室の往動時には、固定ブラシより往動方向後方に位置する第2の揺動ブラシがその毛材によって被清掃面上の塵埃を捕捉し、固定ブラシより往動方向前方に位置する第1の揺動ブラシが既に捕捉していた塵埃を固定ブラシの毛材に受け渡す。また逆に、復動時には、第2の揺動ブラシがその毛材にて捕捉した塵埃を固定ブラシの毛材へと受け渡すと共に、第1の揺動ブラシが被清掃面上の塵埃をその毛材にて捕捉する。なお、各揺動ブラシは、被清掃面に対しガイド片を接触させるたときに、両揺動ブラシの周面が被清掃面から浮上しているように配置し、かつ前記植毛面に植毛された毛材のみが接触するよう構成されているため、両揺動ブラシは被清掃面上でスムーズに移動する。
【0010】なお、塵埃収納室は、揺動ブラシを揺動可能に支持すると共に固定ブラシを遊挿させる開口部を形成してなる底面部と、この底面部に対して着脱可能に保持されると共に、前記底面部との組み合わせによって中空体構造をなす蓋体とにより構成することが考えられ、このように構成すれば、蓋体を開くことによって、塵埃収納室に収納された塵埃を容易に取り出すことができ、塵埃収納室及び固定ブラシの清掃も容易に行うことができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図1ないし図7を参照して本発明の第1の実施形態を詳細に説明する。なお、図1は同実施形態の外観斜視図、図2は図1に示した掃除具本体の要部縦断側面図、図3は図2に示した塵埃収納室の蓋体を開いた状態を示す斜視図、図4ないし図7は図2に示したものの作用説明図である。図1において、ここに示す掃除具は、長尺な棒状の柄1(把持部)の下端部に掃除具本体2を軸着したものとなっており、作業者が床面上に立った状態で作業を行ういゆわるモップ型の掃除具となっている。
【0012】そして、前記掃除具本体2は図2及び図3に示すように構成されている。すなわち、前記掃除具本体2は、中空体構造をなす塵埃収納室20と、この塵埃収納室20に保持される固定ブラシ30と、塵埃収納室20の底面部21に保持される前後一対の揺動ブラシ(第1の揺動ブラシ41,第2の揺動ブラシ51)とからなる。このうち、前記塵埃収納室20は、矩形形状をなす板状部材の中央部に開口部21aを形成してなる底面部21と、前記底面部21の一端部にヒンジ23を介して開閉自在に連結された蓋体22とからなる。前記蓋体22は外周面22a、側面22b、及び底面22cにより立体形状をなし、前記蓋体22を前記底面部21の上面に重合させて閉塞状態とすることにより、中空体構造をなすようになっている。なお、24は蓋体22の他端部に突設したフック状の係止部で、蓋体22を閉塞させることにより底面部21の他端部に係合してその閉塞状態を維持することができると共に、係止部24を外方へと押し開くことにより底面部21との係合を解除して蓋体22を開くことができるようになっている。
【0013】また、前記固定ブラシ30は、前記蓋体22の内面に上端部が固定された直方体形状の固定ベース体31と、この固定ベース体31の前後両面に植設した多数の毛材32とで構成されており、前記固定ベース体31の下端部には、その前後両辺に沿って前後方向へと突出するようガイド片33が固定され、このガイド片33の横断面は、先端部に向かうに従って肉厚が減少する先細り形状をなしている。また、前記毛材32はその毛先が外方へ向けて斜め上方へ向かうよう傾倒している。そして、前記固定ブラシ30は前記蓋体22と共に開閉し、蓋体22を閉塞状態とすることにより、前記固定ブラシ30は、前記底面部21の開口部21a内に遊挿されるようになっている。
【0014】前記第1,第2の揺動ブラシ41,51は、前記開口部21aより前方及び後方において支軸40,50により回動自在に支持されており、前記支軸40,50を中心とする円弧状の周面42a,52aを有する揺動ベース体42,52と、各周面に植設される毛材43,53とにより構成される。これら揺動ベース体42,52の各毛材43,53は、いずれも揺動ベース体42,52の下端部に位置する毛材43,53、すなわち被清掃面に接触する位置にある毛材43,53の毛先が常に固定ブラシ30に向かうような方向へ傾倒している。
【0015】そして、各揺動ブラシ41,51は、その周面42a,52aの下端部が前記固定ブラシ30の下端に設けられたガイド片33より若干上方に設けられており、平坦な被清掃面Wに前記ガイド片33を接触させた時、両揺動ブラシ41,51における揺動ベース体42,52の各周面42a,52aが被清掃面Wの上面から僅かに上方へと浮上し、毛材43,53のみが被清掃面Wに接触するようになっている。また、両揺動ブラシ41,51は、後側上面部が前記塵埃収納室20の底面部21に当接する復動開始位置(図4参照)から、前側上面部が前記底面部21に当接する往動開始位置(図5参照)まで揺動可能となっている。
【0016】上記構成を有する掃除具によって清掃作業を行う場合には、塵埃収納室20の蓋体22を閉塞状態とし、底面部21を下方に向けて、起毛布Wなどの被清掃面上にガイド片33と共に両揺動ブラシ41,51の毛材43,53を接触させる。そして、柄1を持って塵埃収納室20を前後方向に往復動させることにより、ガイド片33が被清掃面W上を摺動しつつ揺動ベース体42,52の周面42a,52aは、被清掃面Wに接触させずに毛材43,53のみが接触して毛材43,53の先端で起毛布Wにおける塵埃Dを捕捉し、除去して行く。なお、ここで言う前後方向とは、起毛布Wなどの被清掃面上において塵埃収納室20の前辺及び後辺と直交する方向、換言すれば、支軸40,50と直交する平面上の方向であり、各図中、矢符Xは前方を、矢符Yは後方をそれぞれ示している。
【0017】この塵埃収納室20の往復移動に伴う揺動ブラシ41,51の動作は図4ないし図7に示すようになる。すなわち、図4に示すように、塵埃収納室20を前方(X方向)へと移動させると(往動させると)、両揺動ブラシ41,51は起毛布Wとの接触摩擦抵抗によって支軸40,50を中心として図中時計方向へと回転し、各揺動ブラシ41,51は、その後方側上面42b,52bが底面部21に当接して一方の揺動規制位置に達し、それ以上の時計方向への回転は阻止される。
【0018】この状態で、さらに塵埃収納室20を前方へと移動させると、固定ブラシ30より前方に位置する第1の揺動ブラシ41の毛材43は、起毛布Wと接触している毛材43が起毛布Wと接触していない毛材43より傾倒した状態となる。これに対し、固定ブラシ30より後方に位置する第2の揺動ブラシ51の毛材53は、先端が起毛布W内に侵入して起立状態となるため、起毛布Wの各起毛W1に絡み付いた毛髪や糸屑、及び内部に侵入していた塵埃Dなどを捕捉して表面側へと掻き出し、起毛布W上面に落下している塵埃Dなどと共に各毛材53内に蓄積する。
【0019】次いで、図5に示すように、集塵収納室20を後方(Y方向)へと移動させると(復動させると)、両揺動ブラシ41,51は起毛布Wとの接触摩擦抵抗によって支軸40,50を中心として図中反時計方向へと回転し、各揺動ブラシ41,51は、その前方側上面42f,52fが底面部21に当接して他方の揺動規制位置に達し、それ以上の反時計方向への回転は阻止される。そして、この反時計方向への回転により第2の揺動ブラシ51の毛材53は固定ブラシ30に植設された毛材32に接する位置まで移動し、先に捕捉蓄積した塵埃を固定ブラシ30まで移動させて受け渡す。この際、塵埃はガイド片33によって案内されて移動するため、第2の揺動ブラシ51によって捕捉された塵埃Dは、起毛布W上に取り残されることなく確実に固定ブラシ30へと移動する。そして、塵埃収納室20をさらに後方へと移動させると、第1の揺動ブラシ41の毛材43が起毛布W内に侵入して起立状態となり、起毛布Wにおける塵埃Dを捕捉し蓄積する。
【0020】この後、図6に示すように、再び塵埃収納室20を前方(X方向)へと移動させると(往動させると)、起毛布Wとの接触摩擦抵抗によって、揺動ブラシ41,51はその後側上面部42b,52bが底面部21に当接するまで時計方向へと回転し、それ以上の時計方向への回転は阻止される。これにより、第1の揺動ブラシ41の毛材43に捕捉蓄積されていた塵埃Dは、固定ブラシ30の毛材32まで移動して固定ブラシ30の毛材32に受け渡される。また、第2の揺動ブラシ51の毛材52は固定ブラシ30に受け渡した塵埃Dから抜脱し、その塵埃Dは固定ブラシ30に捕捉された状態で保持される。そして、さらに塵埃収納室20を前方へと移動させると、第2の揺動ブラシ51が起毛布Wにおける塵埃を捕捉する。
【0021】次に、図7に示すように、塵埃収納室20を再度後方へと移動させると、両揺動ブラシ41,51が共に反時計方向へと回転する。そして、第2の揺動ブラシ51はそれまで捕捉蓄積した塵埃Dを、固定ブラシ30へと移動して受け渡し、既に固定ブラシ30にて保持されている塵埃Dを上方へと押し上げる。また、第1の揺動ブラシ41は、先に固定ブラシ30まで移動させた塵埃Dから離脱し、その後さらに後方へと移動することによって起毛布Wにおける塵埃Dを捕捉する。このようにして、塵埃収納室20の前後動(往復動)を繰り返すことにより、各揺動ブラシ41,51が起毛布Wにおける塵埃Dを捕捉して除去すると共に、各揺動ブラシ41,51にて捕捉した塵埃Dは、固定ブラシ31の毛材32に沿って徐々に上方へと移動して行き、底面部21に形成されている開口部21aから塵埃収納室20内へと送り込まれ、最終的に同室20の底面部21に落下して収納される。
【0022】また、塵埃収納室20内に収納された塵埃は、係止部24と底面部21との係合を解除して蓋体22を開くことにより、容易に取り出すことができる。しかも蓋体22を開くことにより、固定ブラシ30も共に外方へと露呈するため、固定ブラシ30に付着している塵埃などの除去、清掃も容易に行うことができ、優れた使い勝手を得ることができるものとなっている。
【0023】また、上記実施形態においては、2個の揺動ブラシ41,51を固定ブラシ30を挟んだ位置に相対向して設けた場合を例にとり説明したが、揺動ブラシの数は、必ずしも2個に限らず、その他所望の個数設けることも可能である。例えば、揺動ブラシを1個または3個以上設けることも可能であり、その場合には、揺動ブラシの数、及び取付箇所に応じて塵埃収納室の開口部およびここに挿入される固定ブラシを設ければ良い。なお、単一の揺動ブラシを設ける場合には、往動時または復動時のみに塵埃の捕捉が行われることとなるため、複数個の揺動ブラシを設ける場合に比べて集塵能力は劣るが、起毛布の起毛を一定の方向に傾倒させた状態で清掃する場合などには有効であり、揺動ブラシの数は用途に応じて適宜設定することが望ましい。
【0024】また、上記各実施形態においては、長尺な柄を有する床用モップ型掃除具を例にとり説明したが、短尺な柄が支持体に設けられているような、いわゆるハンディータイプのモップにも本発明は適用可能である。勿論、上記実施形態においても、柄を短尺なものに交換し得るよう構成すれば、卓上などの清掃に適したハンディータイプのモップとすることも可能であり、柄の形状、取付構造などは必要に応じて適宜変更可能である。
【0025】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明に係る掃除具は、被清掃箇所がカーペットや絨毯などのような起毛布であった場合にも、塵埃収納室を往復動させることで揺動ブラシが起毛の内部に侵入した塵埃を掻き出して捕捉すると共に、捕捉した塵埃を固定ブラシへと受け渡しながら塵埃収納室内へと移動させて蓄積させることができ、一旦捕捉した塵埃が再び被清掃面に残留するとった不都合が生じることもなく、極めて良好な清掃状態を得ることができる。しかも、掃除機などのように電動機構を使用しないため、安価かつ軽量に構成することができる。
【0026】また、固定ブラシを挟んで前後に第1,第2の揺動ブラシを設けるようにすれば、往動時及び復動時のいずれにおいても塵埃を除去することができるため、より優れた清掃能力を得ることができる。さらに、各揺動ブラシは、被清掃面に対しガイド片を接触させたときに、各揺動ブラシの周面が被清掃面から浮上しているよう配置し、かつ前記植毛面に植毛された毛材のみが接触するよう構成されているため、両揺動ブラシは被清掃面上でスムーズに移動する。また、塵埃収納室を底板とこれに開閉自在に連結される蓋体とにより構成するようにすれば、塵埃収納室内の塵埃を容易に除去することができ、良好な使い勝手を得ることができる。
【出願人】 【識別番号】000006769
【氏名又は名称】ライオン株式会社
【出願日】 平成9年(1997)12月18日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 博光 (外1名)
【公開番号】 特開平11−178766
【公開日】 平成11年(1999)7月6日
【出願番号】 特願平9−348976