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【発明の名称】 食器洗い機
【発明者】 【氏名】石原 隆行

【氏名】梶原 裕志

【氏名】新海 清恭

【要約】 【課題】洗浄ポンプより食器に向けて洗浄水を噴射して食器を洗浄する食器洗い機において、底板での漏水を受ける構成で、かつ、製造工程並びに市場における保守点検作業時に底板を取り外さないで機内の残水処理ができるようにする。

【解決手段】洗浄水を溜める洗浄槽1内に食器類5を収納し、食器類5に洗浄水を噴出する洗浄ポンプ18または洗浄水を機外へ排出する排水ポンプ20のドレイン口31を第1のシール部材33により封止し、洗浄槽1を支持する台枠7に底板28を取り付け、この底板28にドレイン口31の延長線上に開口部34を設け、この開口部34を第2のシール部材35で封止するようにしたものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 食器類を収納し洗浄水を溜める洗浄槽と、前記食器類に洗浄水を噴出する洗浄ポンプと、前記洗浄水を機外へ排出する排水ポンプと、前記洗浄槽を支持する台枠とを備え、前記洗浄ポンプまたは排水ポンプは、ドレイン口を封止する第1のシール部材を有し、前記台枠に取り付けた底板に前記ドレイン口の延長線上に開口部を設け、この開口部を第2のシール部材で封止するようにした食器洗い機。
【請求項2】 開口部を台枠と底板で形成し、この開口部を第2のシール部材で封止するようにした請求項1記載の食器洗い機。
【請求項3】 洗浄ポンプまたは排水ポンプのドレイン口から、第2のシール部材を通して機外に至る排水経路を備え、前記排水経路の先端を第1のシール部材で封止するようにした請求項1または2記載の食器洗い機。
【請求項4】 食器類を収納し洗浄水を溜める洗浄槽と、前記食器類に洗浄水を噴出する洗浄ポンプと、前記洗浄水を機外へ排出する排水ポンプと、前記洗浄槽を支持する台枠とを備え、前記台枠に取り付けた底板に排水経路を形成し、この排水経路に洗浄または排水ポンプのドレイン口を連結し、前記排水経路の出口を食器洗い機本体の前方に設け、第3のシール部材で封止するようにした食器洗い機。
【請求項5】 底板に形成した排水経路の出口を複数配設した請求項4記載の食器洗い機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、洗浄ポンプより食器に向けて洗浄水を噴射して食器を洗浄する食器洗い機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の食器洗い機は図6に示すように構成していた。以下、その構成について説明する。
【0003】図に示すように、洗浄槽1は、前方に開口部2を有し、この開口部2を扉3により開閉するとともに、内部に洗浄水を噴射する水平ノズル4を回転自在に設けており、洗浄槽1内に食器類5を収納するかご6を配置している。洗浄槽1は台枠7にて支持されている。
【0004】洗浄槽1内の洗浄水はヒータ8によって温水化され、洗浄ポンプ9にて排水口10に備えた残滓フィルター11から吸い込まれ、水平ノズル4に圧送されて食器類5に向けて噴出し循環することにより洗浄される。洗浄行程が終了すると、洗浄槽1の下部に設けた排水ポンプ12によって機外に洗浄水が排水される。次に新たに洗浄槽1に水が給水され、洗浄行程と同じような動作を繰り返して、すすぎ行程を複数回終了すると一連の全行程が終わる。
【0005】また、台枠7の中央部には底板13を設けており、機内のシール部などから、万一、水漏れを生じた場合に漏れた水を受けて、フロート式の水位検知部14で水漏れ異常を利用者に知らせる機能が付いている。
【0006】なお、従来の食器洗い機においては、洗浄ポンプ9は吸い込み側15と吐出側16を洗浄槽1に対して剛体接続して支持し、排水ポンプ12は台枠7にて支持し、ホース接続したものが一般的であった。
【0007】また、生産工程においては、洗浄槽1内に給水して洗浄ポンプ9を運転して各部の水漏れがないか検査し、出荷時には機内の残水を抜く作業をしており、これらは底板13を外した状態で、洗浄ポンプ9に設けたドレイン口17より実施していた。また、食器洗い機の保守点検、サービス時にも同様に、ドレイン口17より残水処理を行っていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の食器洗い機においては、洗浄ポンプ9の運転時には、その振動が洗浄槽1に伝わって振動音を拡大するため、洗浄ポンプ9を洗浄槽1から切り離してホースなどの可撓性を有する部材で接続するものが増えたきた。また、廉価な食器洗い機を提供する目的で、洗浄ポンプと排水ポンプとを一個のモータで正転、逆転して運転し、洗浄槽から切り離した構成のものも提案されている。
【0009】しかしながら、洗浄ポンプ9を洗浄槽1から切り離した構成においては、洗浄ポンプ9を底板13にて支持することになり、底板13を取り外した状態での残水抜き作業ができないという問題を有していた。
【0010】また、寒冷地域においては、機内の残水が凍結して使用できなくなることもあり、利用者が残水を抜く処理をしたいという要望も一部であった。
【0011】本発明は上記課題を解決するもので、底板での漏水を受ける構成で、かつ、製造工程並びに市場における保守点検作業時に底板を取り外さないで機内の残水処理ができるようにすることを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成するために、洗浄水を溜める洗浄槽内に食器類を収納し、食器類に洗浄水を噴出する洗浄ポンプまたは洗浄水を機外へ排出する排水ポンプのドレイン口を第1のシール部材により封止し、洗浄槽を支持する台枠に底板を取り付け、この底板にドレイン口の延長線上に開口部を設け、この開口部を第2のシール部材で封止するようにしたものである。
【0013】これにより、製造工程並びに市場における保守点検作業時には、底板を取り付けたままで、第1のシール部材と第2のシール部材をはずすことで、洗浄ポンプまたは排水ポンプに設けたドレイン口から底板の開口部を通して機内の残水処理ができ、また、通常の状態では、底板の開口部は第2のシール部材で封止されるので漏水を受けることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明は、食器類を収納し洗浄水を溜める洗浄槽と、前記食器類に洗浄水を噴出する洗浄ポンプと、前記洗浄水を機外へ排出する排水ポンプと、前記洗浄槽を支持する台枠とを備え、前記洗浄ポンプまたは排水ポンプは、ドレイン口を封止する第1のシール部材を有し、前記台枠に取り付けた底板に前記ドレイン口の延長線上に開口部を設け、この開口部を第2のシール部材で封止するようにしたものであり、製造工程並びに市場における保守点検作業時に、底板を取り付けたままで、第1のシール部材と第2のシール部材を取り外すことで、洗浄ポンプまたは排水ポンプに設けたドレイン口から底板の開口部を通して機内の残水処理ができ、また、通常の状態では底板の開口部は第2のシール部材で封止するので、底板により漏水を受けることができる。
【0015】請求項2に記載の発明は、上記請求項1に記載の発明において、開口部を台枠と底板で形成し、この開口部を第2のシール部材で封止するようにしたものであり、市場における洗浄ポンプなどの保守点検作業において、底板を台枠から取り外す時に、洗浄ポンプのドレイン口部分が底板の開口部に引っかからずに容易に作業できると同時に、ドレイン口を底板の開口部の先端部まで配設することが可能となるので、残水抜き作業時に底板側に残水がこぼれるのを防ぐことができる。
【0016】請求項3に記載の発明は、上記請求項1または2に記載の発明において、洗浄ポンプまたは排水ポンプのドレイン口から、第2のシール部材を通して機外に至る排水経路を備え、前記排水経路の先端を第1のシール部材で封止するようにしたものであり、寒冷地などにおいて、機外に配設された排水経路から利用者が容易に機内の残水を抜くことができる。
【0017】請求項4に記載の発明は、食器類を収納し洗浄水を溜める洗浄槽と、前記食器類に洗浄水を噴出する洗浄ポンプと、前記洗浄水を機外へ排出する排水ポンプと、前記洗浄槽を支持する台枠とを備え、前記台枠に取り付けた底板に排水経路を形成し、この排水経路に洗浄または排水ポンプのドレイン口を連結し、前記排水経路の出口を食器洗い機本体の前方に設け、第3のシール部材で封止するようにしたものであり、製造工程並びに市場における保守点検作業時に、底板を取り付けたままで底板の排水経路の出口から第3のシール部材を外して機内の残水処理ができ、また、底板の開口部を持たないので漏水を受けることができる。さらに、この排水経路から利用者が容易に機内の残水を抜くことができる。
【0018】請求項5に記載の発明は、上記請求項4に記載の発明において、底板に形成した排水経路の出口を複数配設したものであり、製造工程並びに市場における保守点検作業時における残水抜き時に、作業性のよい任意の方向から残水抜き作業を行うことができる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。なお、従来例と同じ構成のものは同一符号を付して説明を省略する。
【0020】(実施例1)図1に示すように、洗浄槽1は、前方に開口部2を有し、この開口部2を扉3により開閉するとともに、内部に洗浄水を噴射する水平ノズル4を回転自在に設けており、洗浄槽1内に食器類5を収納するかご6を配置し、洗浄槽1は台枠7にて支持されている。
【0021】洗浄槽1内の洗浄水はヒータ8によって温水化され、洗浄ポンプ18にて排水口19に備えた残滓フィルター11から吸い込まれ、水平ノズル4に圧送されて食器類5に向けて噴出し循環することにより洗浄される。洗浄行程が終了すると排水ポンプ20によって機外に洗浄水が排水される。次に新たに洗浄槽1に水が給水され、洗浄行程と同じような動作を繰り返してすすぎ行程を複数回終了すると一連の全行程が終わる。
【0022】洗浄ポンプ18と排水ポンプ20は駆動源を1つのモータ21とし、正転時に洗浄ポンプとして機能し、逆転時に排水ポンプとして機能するように構成されており、吸い込み口22(洗浄ポンプと排水ポンプとも吸い込み口は同じ)は排水口19と吸い込みホース23で接続され、洗浄ポンプ18側の吐出口24は水平ノズル4の回転中心となるノズル軸受け部25に吐出ホース26を介して接続され、ポンプ27全体は底板28にゴム製の支持台29を介して支持されている。
【0023】排水ポンプ20の吐出側は吐出口30とドレイン口31とに分かれ、吐出口30に排水ホース32を接続して機外に洗浄槽1内の水を排水する。ドレイン口31には第1のシール部材33を嵌合し封止しており、この延長線上には底板28に円筒状の開口部34を設け、第2のシール部材35にて封止している。
【0024】底板28は水を受けるように皿状の形態をしており、機内のシール部などから、万一、水漏れを生じた場合に漏れた水を受けてフロート式の水位検知部36で溜まった水を検知し、水漏れ異常を利用者に知らせる機能が付いている。
【0025】上記構成において作用を説明すると、生産工程においては、洗浄槽1内に給水して洗浄ポンプ18を運転して各部の水漏れがないか検査し、出荷時には機内の残水を抜く作業を行う。このとき、第2のシール部材35を取り外して底板28の開口部34を開放状態にしておき、排水ポンプ20のドレイン口31の第1のシール部材33を取り外して、ここから機内の残水を取り除いた後、第1のシール部材33の取り付け、さらに底板28の開口部34へ第2のシール部材35を取り付ける。
【0026】したがって、製造工程並びに市場における保守点検作業時に、底板28を取り付けたままで、第1のシール部材33と第2のシール部材35を取り外すことで、排水ポンプ20のドレイン口31から底板28の開口部34を通して機内の残水処理ができ、また、通常の状態では底板28の開口部34は第2のシール部材35で封止するので、底板28により漏水を受けることができる。
【0027】(実施例2)図2および図3に示すように、底板37の開口部38は上部が開放され、台枠39の下部が開放された開口部40と合わせて略円筒状の開口部41を形成し、ここに第2のシール部材42を挿入し封止している。他の構成は上記実施例1と同じである。
【0028】上記構成において作用を説明すると、生産工程における残水抜き作業は、上記実施例1と同じであるが、排水ポンプ20などの保守点検作業時において、底板37を取り外す場合、排水ポンプ20のドレイン口31や第1のシール部材33が引っかからないでスムーズに作業が行える。また、これはドレイン口31を開口部41の先端近傍まで配設できることになるので、残水処理時に底板37側に水が浸入しにくいことになり、残水作業性を大幅に向上することができる。
【0029】(実施例3)図4に示すように、排水ポンプ20のドレイン口31にドレインホース(排水経路)43を接続し、このドレインホース43を機外に食器洗い機の本体前方まで延長して配設している。ドレインホース43は途中底板44に設けた開口部45を封止する第2のシール部材46を貫通し、その先端に第1のシール部材47を設けている。なお、ドレインホース43と第2のシール部材46の貫通穴部48は第2のシール部材46により封止されている。他の構成は上記実施例1と同じである。
【0030】上記構成において作用を説明すると、ドレインホース43の第1のシール部材47を取り外せば、容易に排水ポンプ20のドレイン口31を経由して機内の残水を抜くことができる。生産工程は勿論のこと、特に寒冷地などで利用者が自ら機内の残水抜きを行う際には、ドレインホース43が食器洗い機本体前方まできているので極めて容易に作業をすることができる。
【0031】(実施例4)図5に示すように、排水ポンプ20のドレイン口49を下部に向け、排水経路50を内部に形成した底板51とドレイン口49はパッキング52を介して挿入接続され、底板51の排水経路50は食器洗い機本体の前方及び後方に各々第3のシール部材53、54を挿入し封止している。他の構成は上記実施例1と同じである。
【0032】上記構成において作用を説明すると、底板51の排水経路50を封止している第3のシール部材53または54を取り外せば、容易に排水ポンプ20のドレイン口49を経由して機内の残水を抜くことができる。生産工程は勿論のこと、特に寒冷地などで利用者が自ら機内の残水抜きを行う際にも排水経路50の出口を複数設けることにより、任意の位置で残水抜き作業が行え、作業性をさらに向上することができる。
【0033】
【発明の効果】以上のように本発明の請求項1に記載の発明によれば、食器類を収納し洗浄水を溜める洗浄槽と、前記食器類に洗浄水を噴出する洗浄ポンプと、前記洗浄水を機外へ排出する排水ポンプと、前記洗浄槽を支持する台枠とを備え、前記洗浄ポンプまたは排水ポンプは、ドレイン口を封止する第1のシール部材を有し、前記台枠に取り付けた底板に前記ドレイン口の延長線上に開口部を設け、この開口部を第2のシール部材で封止するようにしたから、低騒音化を図って洗浄ポンプを洗浄槽と分離し、底板で支持する構成を採用するにあたって、障害となる生産工程や保守点検時における残水抜き作業を底板での漏水検知機能を両立させた形で円滑に実施することができる。
【0034】また、請求項2に記載の発明によれば、開口部を台枠と底板で形成し、この開口部を第2のシール部材で封止するようにしたから、市場における洗浄ポンプなどの保守点検作業において、底板を台枠から取り外す時に、洗浄ポンプのドレイン口部分が底板の開口部に引っかからずに容易に作業できると同時に、ドレイン口を底板の開口部の先端部まで配設することが可能となるので、残水抜き作業時に底板側に残水がこぼれるのを防ぐことができる。
【0035】また、請求項3に記載の発明によれば、洗浄ポンプまたは排水ポンプのドレイン口から、第2のシール部材を通して機外に至る排水経路を備え、前記排水経路の先端を第1のシール部材で封止するようにしたから、寒冷地などにおいて、機外に配設された排水経路から利用者が容易に機内の残水を抜くことができ、凍結による運転不能などが生じないよう利便性を向上することができる。
【0036】また、請求項4に記載の発明によれば、食器類を収納し洗浄水を溜める洗浄槽と、前記食器類に洗浄水を噴出する洗浄ポンプと、前記洗浄水を機外へ排出する排水ポンプと、前記洗浄槽を支持する台枠とを備え、前記台枠に取り付けた底板に排水経路を形成し、この排水経路に洗浄または排水ポンプのドレイン口を連結し、前記排水経路の出口を食器洗い機本体の前方に設け、第3のシール部材で封止するようにしたから、低騒音化を図って洗浄ポンプを洗浄槽と分離し、底板で支持する構成を採用するにあたって、障害となる生産工程や保守点検時における残水抜き作業を底板での漏水検知機能を両立させた形で円滑に実施することができると同時に、排水経路から利用者が容易に機内の残水を抜くことができ、利便性を向上することができる。
【0037】また、請求項5に記載の発明によれば、底板に形成した排水経路の出口を複数配設したから、製造工程並びに市場における保守点検作業時における残水抜き時に、作業性のよい任意の方向から残水抜き作業を行うことができ、作業性を著しく向上することができる。
【出願人】 【識別番号】000005821
【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
【出願日】 平成9年(1997)11月26日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】滝本 智之 (外1名)
【公開番号】 特開平11−155792
【公開日】 平成11年(1999)6月15日
【出願番号】 特願平9−324122