| 【発明の名称】 |
床面艶出機用磨き力調整装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】鴨志田 浩之
【氏名】春日 康治
|
| 【要約】 |
【課題】床面艶出機のフイルターバッグが吸引したダストによって目詰りした場合でも、また、操作ハンドルの操作が原因で、パッドの床面に対する磨き圧力に変化が生じた場合でも、パッドの回転速度を制御して床面に対するパッドの吸着力(磨き力)を一定に調節する。
【解決手段】床面を磨くパッド3を回転するモータ4の電流値を電流センサ27で検出して、この電流値が予めプログラム設定された設定値に達すると、上記モータ4の回転を制御してパッド3の回転速度を増速又は減速調節し、床面に対するパッド3の吸着力を一定に調節する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 パッドカバー内に設けたパッドをモータで高速回転することにより、このパッドと床面の間に発生する負圧によってパッドを吸着させて床面の艶出しを行う一方、この艶出しによって生じたダストをパッドの回転による旋回気流に乗せてパッドカバー内よりフイルターバッグに送り込んで集塵するように構成した床面艶出機に於いて、上記モータの電流値を検出する電流値検出手段と、この検出手段によって検出されたモータの電流値が予めプログラムされた設定値に達すると、上記モータの回転を制御してパッドの回転速度を増速又は減速調節し、床面に対するパッドの吸着力を一定に調整するパッド吸着力調整手段とによって構成したことを特徴とする床面艶出機用磨き力調整装置。 【請求項2】 予めプログラム設定するモータ電流の設定値に、少くとも無負荷電流値よりも高めに設定した下限電流設定値と、少くとも限界設定値よりも低めに設定した上限電流設定値を設けて、モータの電流値がこれ等下限と上限の電流設定値の範囲内に成るようにモータの回転速度を増速又は減速制御するように構成したことを特徴とする請求項1記載の床面艶出機用磨き力調整装置。 【請求項3】 電流値検出手段によって検出したモータの電流値が無負荷電流値と同じか又はそれ以下である場合は、モータの回転数を一定に維持するように制御し、また、検出した電流値が限界設定値に達するか又はこれを超えた場合には、モータの回転を直ちに停止するように制御することを特徴とする請求項1記載の床面艶出機用磨き力調整装置。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、操作ハンドル(操作竿)を押して走行させながらパッドをモータで高速回転して床面の艶出しを行う床面艶出機の技術分野に属するものであって、具体的には、パッドを高速回転して艶出しする時に発生するパッド屑や床面上のゴミと云った各種のダストを、周囲に飛散させずにフイルターバッグに集塵する機能を備えた床面艶出機に関するものである。 【0002】 【従来の技術】作業者が操作ハンドルを押して走行させながらパッドをモータで高速回転して床面の艶出しを行う従来の手押し走行式床面艶出機は、パッドの上面側とその周囲をパッドカバーで覆うことにより、パッドの回転時に発生する各種のダストを周囲に飛散させないようにしている。 【0003】ところが、パッドの周囲をパッドカバーで覆うだけでは、運転が進むに従ってカバー内部にダストが溜ってしまって、パッドカバーの下端口に取付けたスカートが凹凸面とか段差面等でまくれたり引掛ったりして床面との間に隙間が生じると、この隙間から内部に溜っていたダストが旋回気流と共に勢い良く飛散して周囲を汚す問題があった。 【0004】そこで、例えば実開平5−39457号公報に見られるように、パッドカバーにダクトを介してフイルターバッグを接続することにより、艶出しによって生じた各種のダストをパッドの回転による旋回気流に乗せてダクトを通してフイルターバッグに集塵させることが考えられた。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の床面艶出機に使用している集塵装置は、上述したようにパッドの回転によって発生する旋回気流に乗せてダストをフイルターバッグに送って集塵させる極めて簡易的なものであって、特にブロアーやフアン等の装置類を用いてダストをフイルターバッグに強制的に集塵させるものではないから、フイルターバッグが吸引したダストによって目詰りして気流が充分に抜けなくなったりすると、勢いパッド室の気圧が上昇し、その結果、パッドと床面との間の吸引力(吸着力)が低下して、磨き力が低下してしまう問題があった。 【0006】また、操作ハンドルを押して走行させながら床面を磨くように構成した艶出機の構造上、操作ハンドルを極端に上下に操作することで、パッドの床面に掛る負荷の強弱が発生して磨き圧力が変化してしまい、床面を均一に磨くことができなくなる問題もあった。 【0007】従って本発明の技術的課題は、床面艶出機のフイルターバッグが吸引したダストによって目詰りした場合でも、また、操作ハンドルの操作が原因で、パッドの床面に対する磨き圧力に変化が生じた場合でも、パッドの回転速度を制御して床面に対するパッドの吸着力(磨き力)を一定に調節することである。 【0008】 【課題を解決するための手段】上記の技術的課題を解決するために本発明で講じた手段は以下の如くである。 【0009】パッドカバー内に設けたパッドをモータで高速回転することにより、このパッドと床面の間に発生する負圧によってパッドを吸着させて床面の艶出しを行う一方、この艶出しによって生じたダストをパッドの回転による旋回気流に乗せてパッドカバー内よりフイルターバッグに送り込んで集塵するように構成した床面艶出機に於いて、【0010】(1) 上記モータの電流値を検出する電流値検出手段と、この検出手段によって検出されたモータの電流値が予めプログラムされた設定値に達すると、上記モータの回転を制御してパッドの回転速度を増速又は減速調節し、床面に対するパッドの吸着力を一定に調整するパッド吸着力調整手段とによって構成すること。(請求項1) 【0011】(2) 予めプログラム設定するモータ電流の設定値に、少くとも無負荷電流値よりも高めに設定した下限電流設定値と、少くとも限界設定値よりも低めに設定した上限電流設定値を設けて、モータの電流値がこれ等下限と上限の電流設定値の範囲内に成るようにモータの回転速度を増速又は減速制御するように構成すること。(請求項2) 【0012】(3) 電流値検出手段によって検出したモータの電流値が無負荷電流値と同じか又はそれ以下である場合は、モータの回転数を一定に維持するように制御し、また、検出した電流値が限界設定値に達するか又はこれを超えた場合には、モータの回転を直ちに停止するように制御すること。(請求項3) 【0013】上記(1)で述べた請求項1に係る手段によれば、モータでパッドを高速回転して床面の艶出しを行っている最中に、フイルターバッグにダストが溜って目詰りを引起し、その結果、パッドカバー内の圧力が高くなって床面に対するパッドの吸着力が低くなり、磨く力が低下した場合には、電流値検出手段がモータの電流値の変化を検出し、この検出した電流値が予めプログラムした設定値よりも低くなると、上記モータの回転を増速制御してパッドの吸着力を高めるため、磨き力を強めに調節して床面を均一に磨くことを可能にする。 【0014】更に上記(1)で述べた請求項1に係る手段によれば、床面に対するパッドの吸着力が強くなって、磨き力が反対に強くなり過ぎた場合には、この時のモータの電流値の変化を電流値検出手段が検出すると共に、この検出した電流値が予めプログラムした設定値を超えると、上記モータの回転を減速制御してパッドの吸着力を弱めるため、強すぎる磨き力を弱めに調節して床面を均一に磨くことを可能にする。 【0015】上記(2)で述べた請求項2に係る手段によれば、モータによるパッドの回転に基づく電流値を、プログラム設定した下限電流設定値と上限電流設定値の範囲内に成るように自動制御するものであって、例えば、フイルターバッグの目詰りが進んで磨き力が低下し、パッドモータの電流値が下限電流設定値に達するか、これよりも降下した場合には、モータの回転数を上げて吸着力を高くして強く調節する一方、モータの回転数を上げた結果、その電流値が上限電流設定値に達するか、これを超えて磨き力が強くなり過ぎた場合には、モータの回転数を落してパッドの吸着力と磨き力が弱くなるように自動制御することができるものであって、パッドの磨き力をフイルターバッグの目詰りや操作ハンドルの操作に影響されることなく常に一定になるように調節することを可能にする。 【0016】上記(3)で述べた請求項3に係る手段によれば、パッドが床面に接触せずに空転している無負荷電流値(空転時の電流値)の場合は、パッドモータは一定の回転数でパッドを一定に回転し続けるが、モータの電流値が限界設定値(危険設定値)に達するか又はこれを超えた場合には、安全のためにモータの回転を直ちに停止してパッドの回転を止めるため、フイルターバッグの目詰り等を解消して安全に再スタートさせることを可能にする。 【0017】以上の如くであるから、上記(1)〜(3)の手段によって上述した技術的課題を解決して、前記従来の技術の問題点を解消することができる。 【0018】 【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る床面艶出機用磨き力調整装置の実施の形態を図面と共に説明すると、図1と図2は本発明を備えた床面艶出機の側面図であって、図1はパッドの回転を止めてパッドを床面から離した運転停止時の状態(無負荷状態)を示し、図2はパッドを回転して床面の艶出し運転を行っている状態(負荷状態)を示す。 【0019】これ等の図面に於いて、1は艶出機自体、2はその底面に取付けたパッドカバーを示し、パッドカバー2の内部にはモータ4によって高速回転される床面艶出用のパッド3が回転自在に収められ、且つ、パッドカバー2の下側周縁部には、運転時に下端縁を床面に接地させてパッド3の高速回転によってパッドカバー2内に負圧を発生させるために、全体を柔軟材料で造った粉塵飛散防止カバー2aが取付けられており、また、上記のパッド3は、床面との間に発生する負圧によって床面側に吸着させた状態で高速回転して、床面を磨く仕組に成っている。 【0020】更に、3Xはパッド3の固定用ブラケットで、4Vはモータ4の回転をパッド3に伝達するベルト、5は艶出機1のフレーム1T(図3参照)に取付けた車軸、6はこの車軸5に回転自在に取付けた走行用車輪、7は下側の脚板7aの部分を車軸5に対して回動自在に取付けた操作ハンドルを示し、8は操作ハンドル7の上端に取付けた操作ボックス、8aは操作ボックス8に取付けた操作レバー、9はパッドカバー2から送られて来る含塵気流を艶出機1の後部に取付けたフイルタバッグ10側に送り込むダクト、11は艶出機1の後部に取付けた補助車輪で、11aはその車軸、23は電源部を構成するバッテリを示す。 【0021】上述した操作ハンドル7の脚板7aは二又に形成され、これ等両脚板7aに穿設した軸穴(図示省略)に走行用車輪6を取付けた車軸5が挿通され、また、図3に示した左側の車軸5の先端側には円筒状のボス12が取付けられ、このボス12がネジ(図示省略)を用いて操作ハンドル7の一方(左側)の脚板7aの内側に固定されている。 【0022】図3に於いて13は上記ボス12に取付けた止めピンで、15a,15b,15cは上記の車軸5を挿通する軸穴を中心とする円周方向に沿ってフレーム1Tの内側面に間隔的に穿設したスプリング圧調整用の嵌込穴であって、これ等の穴15a〜15cには止めピン15が嵌込み自在に成っていて、車軸5と共に上記の軸穴を通してフレーム1Tの内側に挿通されたボス12の周面に巻装されている捩りスプリング14の両端部14aと14bが、図示の如くこの止めピン15と、上述したボス12に取付けられている止めピン13に夫々捩り方向に圧縮した状態で引掛けられていて、常時その捩り解弾力によって操作ハンドル7を立てた状態に、また、フレーム1Tの前部を車軸5を支点にして斜め上方に持ち上げてパッド3を床面より離した状態(図1の角度Lの状態)に夫々弾支するように構成されている。 【0023】また、上述したダクト9は、その先端口がパッドカバー2の後部室内に連通されていて、モータ4によって回転するパッド3によってパッドカバー2の室内3Tに発生した回転遠心力作用による環状の圧縮空気流を、この先端口よりダクト9及び前述したフイルタバッグ10の内部を通して大気に排出する仕組に成っており、その結果、パッド3が高速回転するとパッド3の底部を中心にしてパッドカバー2の室内3Tに負圧が発生し、その吸着力で図1の如く捩りスプリング14によって床面より斜め上方に離れた状態にバランスが保たれていたパッド3が、捩りスプリング14の弾発力に抗して図2の如く床面側に密着状態に接地して床面を磨くことができるものであって、従って、この捩りスプリング14の弾発力は上記パッド3の高速回転によって発生する負圧吸引力よりも少し弱めに設定されている。 【0024】本発明に係る磨き力調整装置は以上の如き構成の艶出機1に使用されるものであって、次にその電気的な構成を図4に示した回路図に従って説明すると、21はマイクロコンピュータを用いて構成した制御部、22はこの制御部21に接続した例えばテンキー等から成る電流値設定手段で、制御部21にはCPUと、請求項1に記載したパッド吸着力調整手段を実現するためのプログラムや、その他の各種システムプログラムを格納したメモリが具備されている。 【0025】更に図4に於いて、24はバッテリ23を電源とする電源回路に接続した電源スイッチ、26は電源スイッチ24をONすると励磁するリレー26Aと、このリレー26Aのスイッチ26Bとによって構成した接点部、27は上述したパッド3用のモータ4の電流値を検出する電流センサ(電流値検出手段)であって、上述した制御部21は、この電流センサ27が検出したモータ4の電流値が、上述した設定手段22を用いて予めメモリ(図示省略)にプログラム入力された設定値に達すると、モータ4の回転を制御してパッド3の回転速度を増速制御、又は減速制御するように構成されている。 【0026】上記の設定手段22によって制御部21のメモリにプログラム入力される設定値(電流値)には、パッド3が空転している時の無負荷電流値A(例えば15A)と、パッド3を安定した状態で回転させるための最低限の下限電流設定値B(例えば35A)と最大限の上限電流設定値C(例えば45A)、及び、安全を確保するための限界(危険)電流設定値D(例えば65A)があり、通常は上記上限と下限の両電流設定値BとCの間でモータ4を制御回転するように構成されている。 【0027】次に、上述した制御部21によるモータ4、即ち、操作パッド3の回転制御の処理手順を図5に示したフローチャートに従って説明すれば、始めのステップS1で電源スイッチ24がONされると、次のステップS2で電流センサ27によるモータ4の電流値の検出が行われて、次のステップS3に進む。 【0028】ステップS3では、電流センサ27によって検出されたモータ4の電流値が予め設定されている無負荷電流値A(例えば15A)と比較され、この無負荷電流値Aと同じか、それよりも低い場合、即ち、パッド3が床面から完全に離れて無抵抗で回転している場合は、モータ4の回転数が一定に維持されると共に、再びステップS2に戻って上記の処理を繰返すが、高い場合には次のステップS4に進む。 【0029】ステップS4では、回転するパッド3が床面に吸着して磨いている時のモータ4の回転数を制御するものであって、検出されたモータ4の電流値が予め設定されている下限電流設定値B(例えば35A)と比較され、この下限電流設定値Bと同じか、それよりも低い場合、即ち、パッド3による磨き力が通常よりも弱い場合には、ステップS7に進んでモータ4の回転数を1段増速制御して磨き力を強くした後、上述したステップS2に戻るが、反対に高い場合には次のステップS5に進む。 【0030】ステップS5では、検出されたモータ4の電流値が予め設定されている上限電流設定値C(例えば45A)と比較され、この上限電流設定値Cと同じか、それよりも高い場合、即ち、パッド3による磨き力が通常よりも強い場合には、ステップS8に進んでモータ4の回転数を1段減速制御して磨き力を弱くした後、上述したステップS2に戻るが、反対に低い場合には次のステップS6に進む。 【0031】ステップS6では、検出されたモータ4の電流値が予め設定されている限界電流設定値D(例えば65A)と比較され、この限界電流設定値Dと同じか、それよりも高い場合、即ち、何んらかの理由でパッド3の磨き力が限界圧力よりも強くなり過ぎてしまった場合には、ステップS9に進んで安全確保のためにモータ4の回転を停止した後、再び始めのステップS1に戻るが、低い場合には上記のステップS2に戻って処理を繰返す。 【0032】従って本発明に係る床面艶出機用磨き力調整装置によれば、モータ4の電流値が常に下限電流設定値Bと上限電流設定値Cの間、具体的には36A〜44Aの間で一定になるように調節されるため、常に一定の吸着力(磨き力)で床面を均一に磨くことができ、また、フイルターバッグ10の目詰りが進んだ結果、モータ4の回転数を更に上げることによりモータ4の電流値が限界電流値Dの65Aに達するか、これを超えてしまった場合には、安全のためにモータ4を直ちに停止するため、この停止の間にフイルターバッグ10の目詰りを解消して、再スタートを可能にする。 【0033】尚、図面にはフイルターバッグ10として全体を略袋状に形成したものが使用されているが、これに代えて、例えば市販されている電気掃除機用のダストパックをそのままダクト9の口に交換自在に装着するようにしてもよく、その選択は任意とする。 【0034】 【発明の効果】以上述べた次第で、本発明に係る床面艶出機用磨き力調整装置によれば、フイルターバッグの目詰り具合や、操作ハンドルによるパッド押圧操作の強弱(個人差)に影響されることなく、パッドを常に同じ吸着力で制御回転して床面を均一の磨き力で磨くことができるから、優れた艶出し効果を発揮することができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000101617 【氏名又は名称】アマノ株式会社
|
| 【出願日】 |
平成9年(1997)10月31日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】矢島 正和
|
| 【公開番号】 |
特開平11−128135 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)5月18日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−316038 |
|