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【発明の名称】 薬剤供給装置
【発明者】 【氏名】森田 佳孝

【氏名】高木 優二

【氏名】畑中 良雄

【要約】 【課題】薬剤充填カートリッジを複雑な形状にすることなく、供給水を薬剤充填カートリッジの下端の滲出膜部分に誘導し、カートリッジの管理を容易にすると共に、シャワー使用時に安定した薬剤の溶出を得られるようにする。

【解決手段】薬剤充填カートリッジ14と別体の水流ガイド23を設ける。この水流ガイド23をカートリッジ14と共にシャワーヘッド10内に摺動自在に収容する。シャワー使用時に水流ガイド23はカートリッジ14と一体に摺動変位し、カートリッジ14下端の滲出膜17部分に常時供給水を確実に案内する。カートリッジ14の下面を偏平にすることが可能であるため、製品出荷時に滲出膜17部分を確実にシールすることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 下端の薬剤導出口に滲出膜が付設された薬剤充填カートリッジを通水管路内のケースに摺動自在に収容する一方で、該ケース内の基部に、薬剤充填カートリッジの下降時に前記薬剤導出口を閉塞する弁座を突設し、ケース基端の給水口から流入した供給水の動圧によって薬剤充填カートリッジを前記弁座から離間させると同時に滲出膜から薬剤を溶出させてその薬剤の溶出した供給水をケース先端から流出するようにした薬剤供給装置であって、給水口から流入した供給水を薬剤充填カートリッジの滲出膜に誘導する水流ガイドをこのカートリッジと別体に設け、この水流ガイドを薬剤充填カートリッジと共にケース内に摺動自在に収容したことを特徴とする薬剤供給装置。
【請求項2】 水流ガイドが、下方変位時に弁座の遊挿を許容し給水時に供給水を滲出膜に吐出する吐出孔を有するベース部と、このベース部の下面に延設されて、給水口から流入した供給水を前記吐出孔に誘導する案内羽根と、ベース部の上面に突設されて、薬剤充填カートリッジの下面に当接した状態でそのカートリッジとの間に径方向の誘導路を形成する複数のストッパ突起を備えたことを特徴とする請求項1に記載の薬剤供給装置。
【請求項3】 通水管路内のケースに、水流ガイドの案内羽根の外面を案内するガイド突起を設けると共に、案内羽根に、このガイド突起と当接して水流ガイドの所定量以上の上昇変位を規制するストッパ爪を設けたことを特徴とする請求項2に記載の薬剤供給装置。
【請求項4】 水流ガイドの案内羽根の外面に、ガイド突起に摺接する軸方向に沿うビードを形成したことを特徴とする請求項3に記載の薬剤供給装置。
【請求項5】 通水管路内のケースがシャワーヘッドであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の薬剤供給装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば脱塩素剤等の薬剤を供給水中に溶出させてその薬剤の溶け込んだ供給水を散水する薬剤供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、脱塩素剤等の薬剤を充填したカートリッジをシャワーヘッド内に組み込み、シャワーの使用時に供給水中に薬剤を溶出させるようにした薬剤供給シャワーが案出されている。
【0003】このシャワーは、図8に示すように、シャワーヘッド1内に装填されるカートリッジ2内に薬剤が充填されており、そのカートリッジ2の下面に薬剤導出口5が設けられ、この薬剤導出口5にカートリッジ2内の薬剤を溶出させる滲出膜6が被着された構造となっている。この滲出膜6は、薬剤の重量ヘッド圧に耐え得る濾膜によって構成され、シャワー使用時に供給水の動圧を受けたときにだけカートリッジ2内の薬剤を滲出させるようになっている。そして、このシャワーの場合、供給水はカートリッジ2の内部を通過するのではなく、その動圧(供給水の流速によって滲出膜6上に生じる圧力分布差。)に応じた量の薬剤を滲出膜6から溶出させた後にカートリッジ2の外周側に回り込んで散水部7から吐出される。
【0004】また、このシャワーにおいて、カートリッジ2がシャワーヘッド1内に軸方向摺動可能に収容されると共に、シャワーヘッド1内の基部に弁座(図示せず。)が突設され、カートリッジ2が下方に変位したときに薬剤導出口5がこの弁座で閉塞されるようになっている。したがって、カートリッジ2が下方に変位するシャワーの不使用時には薬剤導出口5が弁座で確実に密閉され、カートリッジ2内の薬剤が滲出膜6を通して漏出することのないようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の薬剤供給シャワーにおいては、カートリッジ2の下端の滲出膜6に供給水を集中させることが難しく、カートリッジ2内の薬剤を滲出膜6を通して安定して溶出させることができなかった。
【0006】そこで、シャワーヘッド1内に水流ガイドを固設してそのガイドで供給水を滲出膜6の中心部に集中させることが考えられるが、上記のようにカートリッジ2がシャワーヘッド1内を摺動する構造になっているときには、水流ガイドとカートリッジ2の間隔がカートリッジ2の変動に伴って変化してしまい、やはり滲出膜6からの安定した薬剤の溶出を得ることは難しい。
【0007】また、カートリッジ2の下端に羽根状の水流ガイドを突設することで供給水を滲出膜6の中心部に集中させることも考えられるが、このようにした場合には、水流ガイドの突出部分が邪魔になり、商品流通時の管理が難しくなるという別の不具合を招く。
【0008】即ち、カートリッジを商品として流通させる場合には、温度等の環境変化によって薬剤が滲出膜から漏出することのないように滲出膜部分にシールをすると共に、カートリッジ内の薬剤の酸化防止のためにカートリッジ全体を空気バリア性フィルムの袋に収容するが、カートリッジの下端に水流ガイドが突出していると、このガイドが邪魔になって滲出膜を完全にシールすることができないうえ、流通過程で水流ガイドや空気バリア性フィルムの袋が破損する可能性が高く、このような理由から流通時の管理を慎重に行わなざるを得ない。
【0009】そこで本発明は、薬剤充填カートリッジを複雑な形状にすることなく、供給水を薬剤充填カートリッジの下端の滲出膜部分に集中させられるようにして、薬剤充填カートリッジの管理が容易で、しかも、シャワー使用時には安定した薬剤の溶出を得ることのできる薬剤供給シャワーを提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決するための手段として、請求項1の発明は、下端の薬剤導出口に滲出膜が付設された薬剤充填カートリッジを通水管路内のケースに摺動自在に収容する一方で、該ケース内の基部に、薬剤充填カートリッジの下降時に前記薬剤導出口を閉塞する弁座を突設し、ケース基端の給水口から流入した供給水の動圧によって薬剤充填カートリッジを前記弁座から離間させると同時に滲出膜から薬剤を溶出させてその薬剤の溶出した供給水をケース先端から流出するようにした薬剤供給装置であって、給水口から流入した供給水を薬剤充填カートリッジの滲出膜に誘導する水流ガイドをこのカートリッジと別体に設け、この水流ガイドを薬剤充填カートリッジと共にケース内に摺動自在に収容するようにした。
【0011】この発明の場合、供給水が給水口から導入されると、水流ガイドが薬剤充填カートリッジと一体になってケース内を上昇変位し、薬剤充填カートリッジが弁座から離間すると同時に、供給水が水流ガイドにガイドされて薬剤充填カートリッジの滲出膜部分に集中するようになる。水流ガイドはケース内を薬剤充填カートリッジと常時一体になって摺動するため、水流ガイドと薬剤充填カートリッジの間の流路は常に一定に維持されるようになる。また、水流ガイドは薬剤充填カートリッジと別体に設けたため、薬剤充填カートリッジの下面は偏平に形成することができる。
【0012】請求項2は、請求項1の発明において、水流ガイドが、下方変位時に弁座の遊挿を許容し給水時に供給水を滲出膜に吐出する吐出孔を有するベース部と、このベース部の下面に延設されて、給水口から流入した供給水を前記吐出孔に誘導する案内羽根と、ベース部の上面に突設されて、薬剤充填カートリッジの下面に当接した状態でそのカートリッジとの間に径方向の誘導路を形成する複数のストッパ突起を備えるようにした。
【0013】この発明の場合、水流ガイドと薬剤充填カートリッジが下降した状態では、水流ガイドの吐出孔を通して弁座が薬剤充填カートリッジの薬剤導出口を閉塞する。そして、給水口から供給水が流入すると、その供給水は水流ガイドの案内羽根に誘導されて吐出孔に集まり、吐出孔から薬剤充填カートリッジの滲出膜に吐出される。このとき滲出膜からは薬剤が溶出され、そこで薬剤の溶け込んだ供給水は水流ガイドのストッパ突起と薬剤充填カートリッジの間の誘導路を通ってそのカートリッジの外周側に回り込み、ケースの先端から流出される。
【0014】請求項3の発明は、請求項2の発明において、さらに通水管路内のケースに、水流ガイドの案内羽根の外面を案内するガイド突起を設けると共に、案内羽根に、このガイド突起と当接して水流ガイドの所定量以上の上昇変位を規制するストッパ爪を設けるようにした。この発明の場合、水流ガイドはストッパ爪とガイド突起の当接によってケースから抜け止めされる。
【0015】請求項4の発明は、請求項3の発明において、水流ガイドの案内羽根の外面に、ガイド突起に摺接する軸方向に沿うビードを形成するようにした。この発明の場合、水流ガイドの昇降動作時には案内羽根がビード部分でガイド突起と摺動する。ビードは水流ガイドの昇降動作方向に沿っているため、ガイド突起とのクリアランスを狭めても摺動抵抗が大きく増大することがない。
【0016】請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれかの発明において、通水管路内のケースをシャワーヘッドとした。
【0017】
【発明の実施の形態】次に、本発明の一実施例を図1〜図5に基づいて説明する。
【0018】図1,図2は本発明にかかる薬剤供給装置としての薬剤供給シャワーの全体構成を示すものであり、同図中10は、このシャワーの通水管路内のケースとしてのシャワーヘッドである。このシャワーヘッド10は、下端に給水口11を備えたロアボディ10aと、上端に散水部12を備えたアッパボディ10bがパッキン13を介してネジ止めされて成り、その内側に形成された中空部内には、円筒缶状の薬剤充填カートリッジ14がスプリング15によって下方に付勢された状態で収容されている。
【0019】この実施例の場合、薬剤充填カートリッジ14の内部には、強い塩素還元作用をもつ脱塩素剤としてのアスコルビン酸の過飽和水溶液が充填されており、このアスコルビン酸をシャワーヘッド10内で溶出させることで水道水中の残留塩素を除去するようになっている。
【0020】そして、薬剤充填カートリッジ14の底壁には薬剤導出口16が形成されており、この導出口16には、シャワーヘッド10内に導入される供給水の動圧を受けてカートリッジ14内の薬剤を溶出させる滲出膜17が取り付けられている。この滲出膜17は、例えば、セルロースアセテートの上下にポリエステルを積層した濾膜によって形成され、シャワーの不使用時に少なくともカートリッジ14内の薬剤の重量ヘッド圧に耐えられる(漏れが生じない)ようになっている。また、薬剤充填カートリッジ14の底部には長孔状の開口を有する偏平なパッチプレート18が付設され、このパッチプレート18によってカートリッジ14の底面が偏平にされると共に、カートリッジ14外部に臨む薬剤導出口16の開口形状が長孔状になっている。
【0021】一方、シャワーヘッド10内の基部中央には、上壁に一対の半円孔35a,35bを有する有底円筒状の固定ガイド36が小ねじ等によって取り付けられている(図3参照)。この固定ガイド36の上壁中央には、先端に合成ゴム製のシールパッキン19を備えた弁座20が上方に向かって突設されており、さらにこの固定ガイド36の周壁は円筒状のガイド壁21とされている。弁座20は薬剤充填カートリッジ14が下方変位した状態で同カートリッジ14の薬剤導出口16に密接して、この薬剤導出口16を完全に閉塞するようになっている。したがって、弁座20の先端部は薬剤導出口16の開口よりも一回り大きい長孔状に形成されている。また、固定ガイド36上壁の各半円孔35a,35bの径方向外側の縁部は、ガイド壁21の上端部に対し径方向内側に向かって所定量延出しており、この縁部が本発明におけるガイド突起22を構成している。さらに、図4に示すように半円孔35a,35bの円弧上には、軸方向に所要長さを有し、前記縁部と同様にガイド壁21の上端部に対し、径方向内側に向かって所定量延出したガイドレール22aを夫々2個所設けている。
【0022】さらに、シャワーヘッド10内の基部には、給水口11から流入した供給水を薬剤充填カートリッジ14の滲出膜17部分に誘導する水流ガイド23が摺動自在に収容されている。この水流ガイド23は、図3に示すように円板状のベース部24の中央部に長孔状の吐出孔25が形成され、このベース部24の下面に一対の案内羽根26,26が延設されると共に、ベース部24の上面に吐出孔25の周縁を取り囲むように4つのストッパ突起27が突設されている。
【0023】ここで、ベース部24に形成された吐出孔25は供給水を薬剤充填カートリッジ14の滲出膜17に集めて吐出する部分であるが、水流ガイド23とカートリッジ14が下方に変位した状態では、弁座20の先端部が薬剤導出口16をシールするようになっている。したがって、このとき弁座20の先端部は吐出孔25を貫通して薬剤充填カートリッジ14の薬剤導出口16を閉塞する。
【0024】各案内羽根26は、その外側面が円弧面状に形成される一方で、内側面が吐出孔25に向かって収束するように緩やかにすぼまって形成されており、給水口11から流入した供給水がこの案内羽根26の内側面に沿って吐出孔25内に集められるようになっている。また、案内羽根26は、半円孔35a,35bに遊挿して固定ガイド36のガイド壁21内に挿入され、この各半円孔35a,35bの孔縁のガイド突起22及びガイドレール22aによって摺動自在に昇降ガイドされるようになっている。そして、各案内羽根26の外側面には軸方向に沿う複数(この例の場合二つ)のビード37が一体に形成されており、ガイド突起22の円弧面に対してこのビード37部分で摺接するようになっている。したがって、水流ガイド23の昇降時には、ビード32によって各案内羽根26とガイド突起22の摺接面積、延いては摺動抵抗を常時小さく維持することができ、このことから各案内羽根26とガイド突起22のクリアランスを小さくすることが可能となっている。
【0025】そして、さらに案内羽根26の先端部には径方向外側に向かって突出するストッパ爪28が延設されており、水流ガイド23がシャワーヘッド10内で所定量上昇したときに、このストッパ爪28がガイド突起22と当接して水流ガイド23のそれ以上の上昇を規制するようになっている。尚、ストッパ爪28は、案内羽根26の先端側に向かって先細り状に傾斜したテーパ面28aを有しており、水流ガイド23をシャワーヘッド10内に組み込む際に、テーパ面28aのガイド作用により案内羽根26の先端部がガイド突起22を乗り越えてガイド壁21内に容易に収容されるようになっている。
【0026】また、ベース部24の上面に突設された4つのストッパ突起27は薬剤充填カートリッジ14の下面に当接し、隣接するストッパ突起27,27とカートリッジ14の下面の間に径方向に沿った誘導路29を形成するようになっている。
【0027】尚、水流ガイド23と固定ガイド36は、案内羽根26と半円孔35a,35bの係合によって回転方向の相対変位が規制され、薬剤充填カートリッジ14とシャワーヘッド10は、図7に示すようにカートリッジ14の下端外周に180度間隔で突設した突起38と、ロアボディ10aの内周面に給水口11側に収束するように形成したガイド溝39の係合によって回転方向の相対変位が規制されている。
【0028】この薬剤供給シャワーは以上のような構成であるため、供給水が給水口11からシャワーヘッド10内に導入されると、水流ガイド23と薬剤充填カートリッジ14が図1に示すように供給水の圧力を受け、スプリング15を押し縮めて上昇変位するようになる。こうして水流ガイド23と薬剤充填カートリッジ14が一体になって上昇すると、薬剤充填カートリッジ14が弁座20から離間すると同時に、水流ガイド23の案内羽根26にガイドされて吐出孔25に集まった供給水が吐出孔25から薬剤充填カートリッジ14の滲出膜17の中心部に向かって吐出される。
【0029】そして、こうして供給水が滲出膜17に吐出されると、その動圧を受けて薬剤充填カートリッジ14内の薬剤が滲出膜17を通して溶出され、ここで薬剤の溶け込んだ供給水は、さらに水流ガイド23と薬剤充填カートリッジ14の間に形成された誘導路29を通ってカートリッジ14の外周側に回り込み、最終的にシャワーヘッド10の先端の散水部12を通って外部に散水される。
【0030】また、この状態から供給水が止められると、薬剤充填カートリッジ14と水流ガイド23がスプリング15の力によって下降変位し、薬剤充填カートリッジ14の薬剤導出口16が弁座20によって閉塞されるようになる。
【0031】この薬剤供給シャワーの場合、上述のように水流ガイド23が常時薬剤充填カートリッジ14と一体になって作動するため、水流ガイド23とカートリッジ14の間の通路間隔が常時一定に維持されることとなり、滲出膜17からの安定した薬剤の溶出が得られるようになる。
【0032】また、このシャワーにおいては、薬剤充填カートリッジ14の下面が平坦に形成されているため、薬剤充填カートリッジ14の商品流通時には、図4に示すようにシールキャップ30等によって滲出膜17部分を容易に、かつ、確実に密閉することができる。そして、さらに滲出膜17部分をシールキャップ30等で密閉した薬剤充填カートリッジ14を空気バリア性フィルムの袋31に収容する場合にも、薬剤充填カートリッジ14の下端に突出部分がないため、商品流通時に袋31が破損する不具合が生じにくく、商品流通時おけるカートリッジ14自体の破損も生じにくい。
【0033】さらにまた、シャワーヘッド10内の薬剤充填カートリッジ14を交換する場合には、シャワーヘッド10のロアボディ10aからアッパボディ10bを取り外し、使用済みのカートリッジ14をロアボディ10aから引き抜いて新たなカートリッジ14をシャワーヘッド10内に装填する。このとき、水流ガイド23は案内羽根26のストッパ爪28とシャワーヘッド10側のガイド突起22によって抜け止めされているため、交換時にたとえロアボディ10aを逆さまにしたとしてもロアボディ10aから脱落することがない。したがって、このシャワーにおいては、極めて容易に薬剤充填カートリッジ14の交換を行うことができる。
【0034】また、水流ガイド23は、シャワーヘッド10の給水口11から導入された供給水を薬剤充填カートリッジ14の滲出膜17部分に集中させるためのものであるため、水流ガイド23と固定ガイド36の摺動部のクリアランスはできる限り小さいことが望ましいが、このシャワーにおいては、水流ガイド23の案内羽根26を軸方向に沿うビード37によって固定ガイド36のガイド突起22に摺接させるようにしているため、散水部12からの吐出流量を急激に増加させた場合、水流ガイド23内を通過する供給水の流量も急激に増加し、水流ガイド23の案内羽根26を径方向に押し広げようとする力が働いた場合にも、ガイド突起22とビード37とにより摺動抵抗を低く抑えることができるので、水流ガイド23の作動不良を招くことなく、両ガイド23,31間の摺動クリアランスを最小限にして同クリアランスからの供給水の漏れを極めて小さくすることが可能となっている。したがって、このシャワーにおいては供給水を無駄無く滲出膜17に誘導することが可能である。
【0035】ところで、以上では薬剤充填カートリッジ14内にアスコルビン酸の過飽和水溶液を充填した例について説明したが、これに限らず、図6に示すもののように粉末若しくは固形の薬剤(アスコルビン酸に限らない)を内部に充填するタイプのカートリッジ44を採用することも可能である。また、脱塩素剤以外の芳香剤、殺菌剤、漢方薬、乳液、PH調整剤等の薬剤をカートリッジ内に充填することも可能である。尚、図6中には、図1,図2に示したものと同一部分に同一符号を付してある。
【0036】この薬剤充填カートリッジ44について簡単に説明すると、同カートリッジ44は、カートリッジケース45の下端に薬剤導出口16、上端にエア排出口45が夫々設けられ、薬剤導出口16には上述の実施例と同様に滲出膜17が付設されている。そして、エア排出口50には四フッ化エチレン樹脂等の疎水性通気膜46が所定間隔離間して一対配置され、両通気膜46,46間が空気室47とされている。また、下端の通気膜46と滲出膜17の間が薬剤充填室48とされ、その内部に粉末若しくは固形の薬剤Pが充填されている。
【0037】この薬剤充填カートリッジ44は、最初にシャワーで使用する際に水流ガイド23を通して滲出膜17部分に供給水が導入されると、その供給水が薬剤充填室48内の空気を押出して同充填室48内に流入し、その時点で薬剤Pを溶解して薬剤充填室48が薬剤液で満たされる。そして、薬剤充填室48は疎水性通気膜46で閉塞されているため、供給水がその通気膜46の下面に接した時点で薬剤充填室48が液密状態において封止される。
【0038】また、図7は、固定ガイド36や水流ガイド23、薬剤充填カートリッジ14(44)等を取り去ったロアボディ10aの断面図であるが、同図に示すようにロアボディ10aの内壁に形成するガイド溝39は、その底部方向に向かってなだらかに窄まり、最終的に所定幅に収束する形状に形成しており、シャワーヘッド10に対する薬剤充填カートリッジ14(44)の装填を確実にしかも容易にすることができる。
【0039】即ち、薬剤充填カートリッジ14(44)の装填にあたっては、同カートリッジ14(44)の下端外周の突起38をガイド溝39に沿わせて装填を行うが、この例のようにガイド溝39の上部側がなだらかに拡径しているので、使用者はおおまかな見当をつけてカートリッジ14(44)をロアボディ10a内に挿入するだけで、カートリッジ14(44)の滲出膜17と弁座20が合致する正確な位置にカートリッジ14(44)を装填することが可能になる。
【0040】したがって、水流ガイド23がカートリッジ14(44)と別体に形成され、予めシャワーヘッド10に組み付けられることとも相俟って、使用者のカートリッジ装填時における作業負担は極めて小さくなる。
【0041】
【発明の効果】以上のように請求項1の発明は、給水口から流入した供給水を薬剤充填カートリッジの滲出膜に誘導する水流ガイドをこのカートリッジと別体に設け、この水流ガイドを薬剤充填カートリッジと共に通水管路内のケースに摺動自在に収容するようにしため、薬剤充填カートリッジの下端を複雑な形状にすることなく、薬剤充填カートリッジと常時一体に作動する別体の水流ガイドによって供給水を滲出膜部分に集中させて安定した薬剤の溶出を得ることができる。そして、この発明によれば、薬剤充填カートリッジの下端を平坦な形状にすることができるため、薬剤充填カートリッジの出荷時に滲出膜部分を容易に、かつ、確実にシールすることが可能になり、その結果、薬剤充填カートリッジの商品流通時の管理が容易になる。
【0042】請求項2は、請求項1の発明において、水流ガイドが、下方変位時に弁座の遊挿を許容し給水時に供給水を滲出膜に吐出する吐出孔を有するベース部と、このベース部の下面に延設されて、給水口から流入した供給水を前記吐出孔に誘導する案内羽根と、ベース部の上面に突設されて、薬剤充填カートリッジの下面に当接した状態でそのカートリッジとの間に径方向の誘導路を形成する複数のストッパ突起を備えるようにしたため、給水口から流入した供給水を案内羽根で吐出孔に誘導し、この吐出孔から滲出膜に吐出した供給水をストッパ突起と薬剤充填カートリッジによって形成される誘導路を通してそのカートリッジの外周側に円滑に回り込ませることができる。
【0043】請求項3の発明は、請求項2の発明において、通水管路内のケースに、水流ガイドの案内羽根の外面を案内するガイド突起を設けると共に、案内羽根に、このガイド突起と当接して水流ガイドの所定量以上の上昇変位を規制するストッパ爪を設けるようにしたため、ケースからの水流ガイドの抜けが確実に防止され、薬剤充填カートリッジの交換時等に水流ガイドが紛失する不具合を無くすことができる。
【0044】請求項4の発明は、請求項3の発明において、水流ガイドの案内羽根の外面に、ガイド突起に摺接する軸方向に沿うビードを形成するようにしたため、案内羽根とガイド突起のクリアランスを狭めても摺動抵抗が大きく増大することがなく、したがって、案内羽根の作動不良を招くことなく給水口から流入した供給水をロス無く確実に滲出膜に誘導することができる。
【出願人】 【識別番号】000151209
【氏名又は名称】株式会社テネックス
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】東陶機器株式会社
【出願日】 平成11年(1999)3月18日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 富士弥 (外3名)
【公開番号】 特開平11−342088
【公開日】 平成11年(1999)12月14日
【出願番号】 特願平11−73477