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【発明の名称】 便座カバーの取付構造
【発明者】 【氏名】鷲谷 俊文

【要約】 【課題】便座カバーのO型便座への取り付けを容易にできる、便座カバーの取付構造を提供すること。

【解決手段】便座カバー1を構成するカバー本体2の短辺部5両側の角部裏面に面ファスナのループテープ9を設けるとともに、O型便座11の肩部14下面に面ファスナのフックテープ15を設け、前記短辺部5両側の角部が肩部14の内周側と外周側とから下面側に回り込んだ状態でループテープ9とフックテープ15とが係合して、短辺部5を肩部14に係止するようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 伸縮性に富んだ帯状生地からなるカバー本体でO型便座のヒンジ部側を除いた少なくとも上面を略U字状に被覆するとともに、O型便座の前記ヒンジ部に隣接する左右の肩部にカバー本体両端の短辺部をそれぞれ係止する便座カバーの取付構造において、カバー本体の前記短辺部の両側の角部裏面に第1係合部材を設けるとともに、O型便座の前記肩部下面に前記第1係合部材と係脱自在に係合する第2係合部材を設け、前記両側の角部が前記肩部の内周側と外周側とから下面側に回り込んだ状態で第1係合部材と第2係合部材とが係合して、前記短辺部を前記肩部に係止するようにしたことを特徴とする便座カバーの取付構造。
【請求項2】 第1係合部材と第2係合部材のいずれか一方が面ファスナのループテープであり、他方が面ファスナのフックテープである請求項1記載の便座カバーの取付構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、O型便座への便座カバーの取付構造に係り、特にO型便座が所謂洗浄型の便座である場合に好適な便座カバーの取付構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、特にO型便座が洗浄型の便座である場合には、O型便座のヒンジ部側の下方にある洗浄ノズルから噴射される洗浄水の飛沫でカバー本体が濡れることがないように、また、カバー本体が洗浄ノズルの進退動作の邪魔になることがないように、ヒンジ部側を除いたO型便座の上面をカバー本体で略U字状に被覆する便座カバーが用いられている。
【0003】図6及び図7は、従来のこの種の便座カバーを示している。便座カバー61は伸縮性に富んだ帯状の生地からなるカバー本体62を有し、このカバー本体62の一方の長辺に沿って弾性係止部63が形成されるとともに、他方の長辺に沿って伸縮係止部64が形成されている。
【0004】弾性係止部63は、カバー本体62の側縁部を裏向きに折り返して形成した筒状部65に、弾性と形状保持機能とを有する塩化ビニルパイプ等の棒状体66を収容して構成されている。他方、伸縮係止部64は、例えば靴下における口ゴム部と同様に複数本のゴム糸を編み込んで、カバー本体62の長手方向に弾性伸縮するように構成されている。
【0005】また、カバー本体62には、弾性係止部63の両端近傍箇所に布テープからなる係止環67が設けられるとともに、伸縮係止部64の両端近傍箇所にゴム紐からなる取付環68を介してフック69が取り付けられている。カバー本体62両端の短辺部のほぼ中央にはゴム紐からなる連結体70を介してフック71が取り付けられている。
【0006】以上のように構成された便座カバー61は、図7のようにO型便座72に取り付けられる。すなわち、先ず弾性係止部63をO型便座72の内周下面にあてがい、その状態から、O型便座72のヒンジ部73前方に隣接する左右の肩部74の上面にカバー本体62両端の短辺部を、内周側から外周側に向かって巻き付ける。そして、フック69を肩部74の外周側から下面側に回り込ませて係止環67に係止することにより、弾性係止部63と伸縮係止部64との両端部同士を連結する。
【0007】次いで、O型便座72の上面側に位置している連結体70をO型便座72のヒンジ部73側の端部を経由させて便座下面側に折り返し、その先端のフック71を係止環67に係止する。その後、O型便座72中央の孔から上面側に延出しているカバー本体62を、O型便座72の上面を包み込むように被せ、伸縮係止部64をO型便座72の外周下面に回り込ませて、その収縮力により係止させる。以上により、図7のようにヒンジ部73側を除いたO型便座72の上面がカバー本体62で略U字状に被覆されるとともに、カバー本体62両端の短辺部がO型便座72の左右の肩部74にそれぞれ係止された取り付け状態となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従来技術には以下のような問題があった。すなわち、係止環67に係止する際にフック69を引っ張ると、取付環68に引っ張られてカバー本体62の短辺部が位置ずれし、係止環67がO型便座72の上面側に回るように逃げてしまい、係止できなくなる。したがって、片手で係止環67の基部を保持して動かないようにしながら、この係止環67に他方の手で保持したフック69を接近させて係止しなければならず、このような操作を要求されるので、例えば子供や老人には便座カバー61の取り付けが困難であった。
【0009】また、一般的にO型便座72はそれと同軸のヒンジで枢支された便蓋75(図7参照)を備えているので、フック71を係止環67に係止するには、O型便座72のヒンジ部73側の端部と便蓋75との隙間を通過させて、便座下面側にフック71を引き出す必要がある。ところが前記隙間は極めて狭い場合がほとんどで、フック71を容易に引き出せないために、便座カバー61の取り付けがより一層困難となっていた。
【0010】本発明は以上のような問題に鑑みてなされたものであって、便座カバーのO型便座への取り付けを容易にできる、便座カバーの取付構造の提供を目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため、本発明は、伸縮性に富んだ帯状生地からなるカバー本体でO型便座のヒンジ部側を除いた少なくとも上面を略U字状に被覆するとともに、O型便座の前記ヒンジ部に隣接する左右の肩部にカバー本体両端の短辺部をそれぞれ係止する便座カバーの取付構造において、カバー本体の前記短辺部の両側の角部裏面に第1係合部材を設けるとともに、O型便座の前記肩部下面に前記第1係合部材と係脱自在に係合する第2係合部材を設け、前記両側の角部が前記肩部の内周側と外周側とから下面側に回り込んだ状態で第1係合部材と第2係合部材とが係合して、前記短辺部を前記肩部に係止するようにしたものである。
【0012】また、前記取付構造において、第1係合部材と第2係合部材のいずれか一方が面ファスナのループテープであり、他方が面ファスナのフックテープであるものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態に係る便座カバーの取付構造を図1〜図5に基づいて説明する。図1及び図2は、この実施形態に係る便座カバーを示している。便座カバー1は表面に多数のループが形成された、伸縮性に富んだ帯状のニット地(生地)からなるカバー本体2を有している。
【0014】このカバー本体2には、その一方の長辺に沿ってループを有しない耳部3が形成されるとともに、他方の長辺に沿って伸縮係止部4が形成されている。伸縮係止部4は、例えば靴下における口ゴム部と同様に、複数本のゴム糸をカバー本体2の編成時に編み込んで、カバー本体2の長手方向に弾性伸縮するように構成されている。また、カバー本体2の長手方向両端の短辺部5,5においては、ほつれを防ぐため生地が所定幅で裏面側に折り返されて縫い付けられている。
【0015】カバー本体2の耳部3の長手方向中央部には後述するようにO型便座の前端部に係止される前端部係止体6が設けられている。前端部係止体6は、両端が間隔をおいて耳部3に縫い付けられたゴム紐7と、一端が耳部3に縫い付けられ他端がゴム紐7の中間部に縫い付けられたゴム紐8とから構成されている。
【0016】短辺部5,5の両側の角部の裏面にはそれぞれ、面ファスナのループテープ9(第1係合部材)が縫い付けられている。ループテープ9はその一方の面に多数のループが形成され、後述するフックテープと対になって面ファスナを構成するものである。
【0017】図3は、この実施形態に係るO型便座を示している。このO型便座11は洋式便器に取り付けて所謂洗浄型の便座として使用されるもので、平面視において略O字状に形成され、そのヒンジ部12において、便蓋(不図示)とともに起伏揺動自在に枢支されるようになっている。O型便座11の下面には、洋式便器の上端面に載置される複数の脚体13が突設されている。
【0018】ヒンジ部12の前方に隣接する左右の肩部14,14の下面にはそれぞれ、面ファスナのフックテープ15(第2係合部材)が縫い付けられている。フックテープ15はその一方の面に多数のフックが形成され、前記ループテープ9と対になって面ファスナを構成するものである。なお、この実施形態ではフックテープ15は細長い矩形状に形成され、そのフック形成面と反対側の面が接着剤や両面粘着テープ等によりO型便座11の下面に貼着されている。また、このフックテープ15からループテープ9を引き剥がす際にフックテープ15がO型便座11から剥離するのを防止するため、フックテープ15の外周縁に沿う2〜3mm幅の部分ではフックが切除されている。
【0019】次いで、以上のようなO型便座11に便座カバー1を取り付ける態様を図4及び図5を参照しながら説明する。先ず、便座カバー1の耳部3がO型便座11の内周下面に位置するようにしておいて、一方の短辺部5の耳部3側のループテープ9をフックテープ15の内側の端部と係合させる。そして、この短辺部5及びその近傍部分をO型便座11の肩部14に内周側から上面側さらには外周側へと回して巻き付け、下面側に回り込んだ伸縮係止部4側のループテープ9をフックテープ15の外側の端部と係合させる。これにより、図4(b)のように便座カバー1の短辺部5がO型便座11の肩部14上面を覆うとともに、図4(a)のように短辺部5両側の角部がそれぞれ肩部14の内周側と外周側とから下面側に回り込んだ状態でループテープ9とフックテープ15とが係合して、短辺部5が肩部14に係止される。
【0020】こうしてカバー本体2両端の短辺部5がO型便座11の左右の肩部14にそれぞれ係止された後は、前端部係止体6を前方に引いてO型便座11前端部の下方まで引き伸ばし、この状態から前端部係止体6を上面側に持ち上げ、ゴム紐7をO型便座11前端部の下面側から上面側に回し掛ける。これにより、図4(a)及び(b)のように前端部係止体6がO型便座11前端部に係止される。
【0021】そして、この状態から伸縮係止部4を引き伸ばしつつカバー本体2の中間部分でO型便座11上面を包み込むように被せてゆき、伸縮係止部4をO型便座11の外周側から下面側に回り込ませて、図5(a)のように伸縮係止部4をその収縮力によりO型便座11の外周下面に弾性係止させる。以上によりO型便座11は、図5(b)のようにヒンジ部12側を除いた上面の全体がカバー本体2によって略U字状に被覆されたことになり、O型便座11への便座カバー1の取り付けは完了する。
【0022】以上の説明から明らかなように、この実施形態に係る便座カバーの取付構造によれば、便座カバー1側のループテープ9をO型便座11側のフックテープ15に係合させることで短辺部5を肩部14に係止でき、例えば前記従来技術のように係止環67が動かないように保持しながら、これにフック69を係止したり、ヒンジ部73側のO型便座72と便蓋75との狭い隙間からフック71を引き出したりするような難しい操作が必要ないため、誰でも容易に便座カバー1をO型便座11に取り付けることができる。
【0023】また、面ファスナのループテープ9をフックテープ15に対向させて軽く押し付けるだけで係合させることができ、且つ、その際フックテープ15に対してループテープ9の位置が若干ずれても係合可能であり、このような理由からも便座カバー1の取り付けが極めて容易にできる。さらに、取り付けた状態ではループテープ9及びフックテープ15はO型便座11の下面側に位置するため、使用者が便座に腰をかけた場合にカバー本体2を介して異物感が伝わってくることもない。
【0024】因みに、商品として販売する場合は、前記のようにループテープ9を取り付けた便座カバー1と一対のフックテープ15とをセットにして販売し、これを購入した消費者がフックテープ15をO型便座11の所定位置に貼り着けるようにすればよい。この場合、フックテープ15はそのフック形成面と反対側の面に予め粘着剤等を塗布し、容易に剥離可能な保護シートで覆っておくのが望ましい。
【0025】なお、本発明の実施形態が以上の説明に限定されないことは言うまでもない。例えば前記では細長いフックテープ15の両端部にそれぞれループテープ9を係合したが、前記フックテープ15をその長手方向の中間部で分割して、フックテープ15とループテープ9とが1対1に対応するようにしても、もちろん構わない。また、第1係合部材及び第2係合部材は相互に係脱自在に係合するものであれば前記面ファスナ以外でもよく、例えばカバー本体2の四隅の角部裏面にそれぞれ第1係合部材として雄ホックを設けるとともに、O型便座11の左右の肩部14の下面に前記雄ホックと係合する雌ホックを第2係合部材として片側に2個ずつ取り付けたような構成も考えられる。
【0026】また、前記ではカバー本体2の一方の長辺の中央部に前端部係止体6が設けられ、他方の長辺に沿って伸縮係止部4が形成されたものを示したが、本発明にあっては、カバー本体2の短辺部5以外の部分をどのようにしてO型便座に係止するかは任意である。したがって、例えば従来例に示したように、カバー本体の一方の長辺に沿って弾性係止部が形成され、他方の長辺に沿って伸縮係止部が形成された便座カバーにも本発明は適用可能である。また、カバー本体の一方の長辺部に沿って複数の雄ホックが適宜間隔で取り付けられるとともに、他方の長辺部に沿って前記雄ホックと係合する同数の雌ホックが取り付けられ、O型便座にカバー本体を巻き付けて便座下面側で前記雄ホックと雌ホックとを係合することにより、O型便座のヒンジ部側を除いた部分の全体をカバー本体で包み込むようにした便座カバーにも本発明は適用可能である。
【0027】さらに、前記では洗浄型のO型便座に本発明を適用した例を示したが、洗浄型以外の、所謂暖房型や一般型のO型便座にも本発明を適用できるのはもちろんのことである。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る便座カバーの取付構造によれば、便座カバー側の第1係合部材をO型便座側の第2係合部材に係合させることによりカバー本体の短辺部をO型便座の肩部に係止でき、この際、例えば従来のように係止環が動かないように保持しつつ、この係止環にフックを係止したり、O型便座と便蓋とのヒンジ部側の狭い隙間からフックを引き出したりするような難しい操作が必要ないため、便座カバーを極めて容易にO型便座に取り付けることができる。また、取り付けた状態では第1係合部材及び第2係合部材がO型便座の下面側に位置するため、使用者が便座に腰をかけた場合にカバー本体を介して異物感が伝わってくるようなこともない。
【0029】また、第1係合部材と第2係合部材のいずれか一方が面ファスナのループテープであり、他方が面ファスナのフックテープであるものでは、ループテープとフックテープとを対向させて軽く押し付けるだけで相互に係合させることができ、且つ、その際ループテープとフックテープとの位置が相互に若干ずれても係合可能であり、このような理由から便座カバーの取り付けを一層容易にできる。
【出願人】 【識別番号】591237711
【氏名又は名称】鷲谷 俊文
【出願日】 平成10年(1998)2月18日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 巌 (外1名)
【公開番号】 特開平11−225912
【公開日】 平成11年(1999)8月24日
【出願番号】 特願平10−35735